JP6721093B2 - 高炉セメント及び高炉セメントの製造方法 - Google Patents
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Description
また、高炉スラグ粉を用いた高炉セメントの水和硬化特性を改善し、効率的に粉砕を行なうために、ガラス質高炉スラグ、セメントクリンカー及び石こうから選択される1種又は2種以上の混合物を、乾式媒体撹拌ミルを用いた閉回路微粉砕方式により微粉砕化し分級して粒径が15μm以下の粒子を90重量%以上含有する粉砕方法が開示されている(特許文献2)。
また、高炉スラグ粉を用いた高炉セメントの流動性を改善するために、ブレーン比表面積が4000〜9000cm2/gであり、且つロジン・ラムラー式におけるn値が1.00〜1.20である高炉スラグ粉末が開示されている(特許文献3)。
劣化した高炉スラグを粉砕したスラグ粉は、JIS R5202:2010「セメントの化学分析方法」に基づき測定した強熱減量(ig.loss量)は増加する傾向があるものの、塩基度に関わる化学組成は大きな変化がなく、塩基度による評価では、劣化した原料スラグから得られるスラグ粉の品質を評価することができない。このように劣化した原料スラグから得られたスラグ粉を含む高炉セメントは、品質が目標レベルに達しない場合がある。
劣化した原料スラグは、劣化していない原料スラグと比べて表面が脆弱化しており、脆弱化した部分が優先的に微粉化する傾向がある。特許文献2に示すように、粒径が15μm以下の粒子を90重量%以上含有するようにした場合であっても、原料スラグが劣化している場合には、劣化部分が微粉化され、微粉化された劣化部分を多く含むスラグ粉が得られると推測されるため、微粉化されたスラグ粉を含む高炉セメントは流動性が低下する場合があり、劣化部分を多く含むスラグ粉を含む高炉セメントを用いたモルタルの圧縮強度が低下する場合がある。
特許文献3に示すようなブレーン比表面積やロジン・ラムラー式におけるn値はスラグ粉の流動性の改善を図るための指標であり、スラグ粉の劣化の程度を示す指標とならないため、劣化したスラグ粉を用いた場合には、スラグ粉の反応活性の低下を抑制することはできない。
[1]ブレーン比表面積が4000〜7000cm2/gであり、レーザー回折式粒度分布測定法によって測定された24μm篩残分が30体積%以下であり、かつ、10μm篩通過分が35体積%以下であるスラグ粉を含む、高炉セメント。
[2]前記スラグ粉が、原料スラグのig.loss量が0.25質量%以上である、上記[1]に記載の高炉セメント。
[3]前記スラグ粉が、レーザー回折式粒度分布測定法によって測定された45μm篩残分が5体積%以下である、上記[1]又は[2]に記載の高炉セメント。
[4]前記スラグ粉が、レーザー回折式粒度分布測定法によって測定された90μm篩残分が0.5体積%以下である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の高炉セメント。
[5]原料スラグを、ブレーン比表面積4000〜7000cm2/g、且つレーザー回折式粒度分布測定法によって測定される24μm篩残分が30体積%以下であり、10μm篩通過分が35体積%以下となるように調製してスラグ粉を得る工程を含む、高炉セメントの製造方法。
本発明の高炉セメントに含まれるスラグ粉は、ブレーン比表面積が4000〜7000cm2/gであり、レーザー回折散乱式粒度分布測定によって測定された24μm篩残分が体積基準の割合で30体積%以下である。
塩基度(b)=(CaO+MgO+Al2O3)/SiO2 (i)
ここで原料スラグが劣化しているとは、表面にカルシウム等が溶出され、大気中の水分等を反応して表層部に水酸化物(水酸化カルシウム)が生成され、水酸化物の一部が大気中の二酸化炭素等を反応して炭酸塩(炭酸カルシウム)が生成されているような状態をいう。
原料スラグが劣化していると、JIS A6206:2013「コンクリート用高炉スラグ微粉末」に定められている塩基度1.60以上の数値を満たすものであっても、この原料スラグを用いたスラグ粉の反応活性が低下し、このスラグ粉を含む高炉セメントを用いたモルタルは圧縮強度が低下し、目標の品質レベルを有する高炉セメントが得られない場合がある。
原料スラグのig.loss量が3.0質量%以下の場合であっても、ig.loss量が0.63質量%を超えると、原料スラグの劣化の程度が進み、劣化部分が優先的に微粉化されて、劣化部分が微粉化されたスラグ粉が多く含まれて、ブレーン比表面積が大きくなり、このスラグ粉を含む高炉セメントが要求される流動性を満たさない場合があり、また、スラグ粉の反応活性が低下して、このスラグ粉を含む高炉セメントは、要求される圧縮強度を満たさない場合がある。
原料スラグのig.loss量が0.63質量%を超えて3.0質量%以下であっても、この原料スラグから得られるスラグ粉のブレーン比表面積が4000〜7000cm2/gであれば、このスラグ粉を含むセメントは要求される流動性を満たすことができ、スラグ粉のレーザー回折式粒度分布測定法によって測定される24μm篩残分が30体積%以下であれば、原料スラグの劣化してない健全な部分が微粉化されたスラグ粉も含有させることもできるため、反応活性の低下を抑制し、要求される圧縮強度を満たす高炉セメントに使用し得るスラグ粉を得ることができる。
レーザー回折式粒度分布測定法によって測定された24μm篩残分が30体積%以下であるスラグ粉は、脆弱化したスラグ粉の表面の劣化部分が微粉化するとともに、劣化していない健全なスラグ粉も微粉化された状態となり、劣化部分が微粉化されたスラグ粉と、劣化していない健全な部分が微粉化されたスラグ粉が混在するため、劣化部分のみが微粉化されたスラグ粉を多く含むスラグ粉と比較して、スラグ粉の反応活性の低下が抑制されるため、硬化物の圧縮強度の低下を抑制する高炉セメントに使用し得るスラグ粉を提供することができる。
スラグ粉のブレーン比表面積が4000〜7000cm2/gであれば、要求される流動性を満たす高炉セメントに使用し得るスラグ粉を提供することができる。
レーザー回折式粒度分布測定法によって測定された24μm篩残分が30体積%以下であり、スラグ粉のブレーン比表面積が4000〜7000cm2/gであると、原料スラグの劣化の有無に関わらず、スラグ粉の反応活性を低下させる劣化部分のみが微粉化されたスラグ粉が多量に含まれることなく、劣化部分が微粉化されたスラグ粉と、劣化していない健全な部分が微粉化されたスラグ粉とを含むスラグ粉を得ることができ、スラグ粉の反応活性の低下が抑制され、硬化物の圧縮強度の低下を抑制する高炉セメントに使用し得るスラグ粉を提供することができる。
本明細書において、スラグ粉の比表面積は、JIS R5201:2013「セメントの物理試験方法」に準拠して測定することができる。
レーザー回折式粒度分布測定法によって測定された45μm篩残分が5体積%以下であるスラグ粉は、脆弱化したスラグ粉の表面に近いより劣化した部分が微粉化されるとともに、劣化していない健全なスラグ粉も微粉化された状態となり、劣化部分が微粉化されたスラグ粉と、劣化していない健全な部分が微粉化されたスラグ粉が混在するため、劣化部分のみが微粉化されたスラグ粉を多く含むスラグ粉と比較して、スラグ粉の反応活性の低下が抑制されるため、硬化物の圧縮強度の低下を抑制する高炉セメントに使用し得るスラグ粉を提供することができる。
レーザー回折式粒度分布測定法によって測定された90μm篩残分が0.5体積%以下であるスラグ粉は劣化していない原料スラグがより細かく粉砕されているので、劣化したスラグ微分量が多いスラグ粉と比較して、スラグ粉の反応活性の低下が抑制されるため、硬化物の圧縮強度の低下を抑制する高炉セメントに使用し得るスラグ粉を提供することができる。
レーザー回折式粒度分布測定法によって測定された10μm篩通過分が30体積%以上であるスラグ粉は、スラグ粉中に、脆弱化したスラグ粉の表面に近い劣化した部分が微粉化されたスラグ粉とともに、劣化していない健全なスラグ粉も微粉化されたスラグ粉が含まれる量が多くなり、劣化部分のみが微粉化されたスラグ粉を多く含むスラグ粉と比較して、スラグ粉の反応活性の低下が抑制されるため、硬化物の圧縮強度の低下を抑制する高炉セメントに使用し得るスラグ粉を提供することができる。
レーザー回折式粒度分布測定法によって測定された10μm篩通過分が35体積%以下であれば、原料スラグの劣化の有無に関わらず、劣化部分が微粉化されたスラグ粉と、劣化していない健全な部分が微粉化されたスラグ粉を混在するようにすることができ、劣化部分のみが微粉化されたスラグ粉を多く含むスラグ粉と比較して、スラグ粉の反応活性の低下が抑制されるため、硬化物の圧縮強度の低下を抑制する高炉セメントに使用し得るスラグ粉を提供することができる。
原料スラグの劣化の程度が比較的進んでいる場合、例えば、原料スラグのig.loss量が0.63質量%を超えるような場合には、劣化部分が微粉化されたスラグ粉を、10μm篩通過分が35体積%以下となるように除く操作を行なってもよい。
次に、本発明の高炉セメントに含まれるスラグ粉の製造方法を説明する。
(I)本発明の高炉セメントに含まれるスラグ粉の製造方法は、ブレーン比表面積が4000〜7000cm2/g、且つレーザー回折式粒度分布測定によって測定される24μm篩残分が30体積%以下となるように調製してスラグ粉を得る工程を含む。
具体的には、本発明の高炉セメントに含まれるスラグ粉の製造方法は、粉砕機を用いて、ブレーン比表面積が4000〜7000cm2/g、且つレーザー回折式粒度分布測定によって測定された24μm篩残分が30体積%以下となるように原料スラグを粉砕し、スラグ粉を得る。
粉砕機としては、回転ボールミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、ウェットミル、ジェットミル、縦型ミル、ローラーミル等を使用することができる。一般的には、粉砕機として縦型ミル(ローラーミル)が用いられる。
スラグ粉を得る方法として、具体的には、粉砕直前に輸送中の原料スラグに散水(水分量は原料スラグ量に対して5〜10%程度)し、原料スラグをミル内に導入し、ミル内で粉砕と同時に250℃程度の空気を送り込み、乾燥させて、ミルからスラグ粉を排出し、スラグ粉を得ることができる。
例えば、原料スラグを試験用ボールミルで粉砕する場合、試験用ボールミル(株式会社セイワ技研製 直径508mm、長さ610mm、回転数:最大50rpm、容量100L)に用いる粉砕媒体としては、金属ボール等を使用することができる。粉砕媒体は、ボール径が7mm〜15mmのもの好ましい。ボール径が7mm未満であると、粉砕能力が低下し、ボール径が15mmを超えると所望の粒度分布となるように粉砕できない場合がある。粉砕時間は、150〜300分が好ましい。粉砕時間が150分未満であると、所望の粒度分布となるように粉砕できない場合があり、粉砕時間が300分を超えると、粉砕後のスラグ粉のブレーン比表面積が7000cm2/gを超える場合がある。
(II)ブレーン比表面積が4000〜7000cm2/g、且つレーザー回折式粒度分布測定によって測定される90μm篩残分が0.5体積%以下となるように調製する工程。
(III)ブレーン比表面積が4000〜7000cm2/g、且つレーザー回折式粒度分布測定によって測定される45μm篩残分が5体積%以下となるように調製する工程。
(IV)ブレーン比表面積が4000〜7000cm2/g、且つレーザー回折式粒度分布測定によって測定される10μm篩通過分が30体積%以上となるように調製する工程。
(V)原料スラグのig.loss量を測定し、原料スラグのig.loss量が0.63体積%を超える場合には、ブレーン比表面積が4000〜7000cm2/g、且つレーザー回折式粒度分布測定によって測定される10μm篩通過分が35体積%以下となるように調製する工程。レーザー回折式粒度分布測定によって測定される10μm篩通過分が35体積%以下となるように調製する工程は、例えば10μm篩通過分が35体積%以下となるように分級する方法が挙げられる。
表1に示すig.loss量を有する複数の原料スラグを用いて、ブレーン比表面積が4450cm2/gである参考例1〜5のスラグ粉を準備した。参考例1〜5のスラグ粉の塩基度は1.81である。参考例1〜5のスラグ粉を用いて、後述する実施例のスラグ粉を用いた高炉B種セメントと同様にして、高炉B種セメントを製造し、この高炉B種セメントを用いてモルタルを製造し、後述する試験方法と同様にして、材齢28日のモルタルの圧縮強度を測定した。結果を表1及び図1に示す。参考例1〜5のレーザー回折式粒度分布測定法によりレーザー回折式粒度分析計(日機装株式会社製、製品名:マイクロトラックMT−3300EX)を用いて測定した24μm篩残分は37体積%であった。
原料スラグは、初期(受け入れ時)のig.loss量、酸化カルシウム(CaO)の含有量、酸化マグネシウム(MgO)の含有量、酸化アルミニウム(Al2O3)の含有量、二酸化ケイ素(SiO2)等の化学成分(酸化物)の含有量を測定した。また、JIS A 6206:2013「コンクリート用高炉スラグ微粉末」に準拠して、下記(i)に基づき塩基度を測定した。
塩基度(b)=(CaO+MgO+Al2O3)/SiO2 (i)
実施例1において、初期において表2に示すig.loss量及び化学成分の値を有する原料スラグを用い、実施例2〜5において、初期において表2に示すig.loss量及び化学成分の値を有し、保管中に表3に示すig.loss量となった各原料スラグを用いて、レーザー回折式粒度分布測定法によりレーザー回折式粒度分析計(日機装株式会社製、製品名:マイクロトラックMT−3300EX)を用いて測定した24μm篩残分が30体積%以下の表3に示す値となるように、粉砕媒体として直径9mmの金属ボールを用いて、試験用ボールミル(株式会社セイワ技研製、装置名:AXB−100)を用いて、150〜240分かけて粉砕し、ブレーン比表面積が4000〜7000cm2/gの表3に示す値となるように調製した、実施例1〜5のスラグ粉を得た。なお、実施例1〜5のスラグ粉は、原料スラグの塩基度と同じ塩基度であった。
初期において表2に示すig.loss量及び化学成分の値を有し、保管中に表3に示すig.loss量となった各原料スラグを用いて、レーザー回折式粒度分布測定法によりレーザー回折式粒度分析計(日機装株式会社製、製品名:マイクロトラックMT−3300EX)を用いて測定した24μm篩残分が30体積%を超える表3に示す値となるように、粉砕媒体として直径15〜24mmの金属ボールを用いて、試験用ボールミル(株式会社セイワ技研製 、装置名:AXB−100)を用いて、200〜300分かけて粉砕し、ブレーン比表面積が4000〜7000cm2/gの表3に示す値となる比較例1〜3のスラグ粉を得た。なお、比較例1〜3のスラグ粉は、原料スラグの塩基度と同じ塩基度であった。
初期において表2に示すig.loss量及び化学成分の値を有し、保管中に表3に示すig.loss量となった原料スラグを用いて、ブレーン比表面積が7000cm2/gを超える表3に示す値であり、レーザー回折式粒度分布測定法によりレーザー回折式粒度分析計(日機装株式会社製、製品名:マイクロトラックMT−3300EX)を用いて測定した24μm篩残分が30体積%以下である表3に示す値となるように、粉砕媒体として直径9mmの金属ボールを用いて、試験用ボールミル(株式会社セイワ技研製、装置名:AXB−100)を用いて、360分かけて粉砕し、ブレーン比表面積が7000cm2/gを超える表3に示す値となる比較例4のスラグ粉を得た。なお、比較例4のスラグ粉は、原料スラグの塩基度と同じ塩基度であった。
粉砕後、得られた実施例1〜5及び比較例1〜4のスラグ粉について、下記測定方法に基づき、表3に示す項目を測定した。
JIS R5202:2010「セメントの化学分析方法」に準拠して測定した。
(2)ブレーン比表面積の測定
JIS R5201:2013「セメントの物理試験方法」に準拠して測定した。
(3)レーザー回折式粒度分布測定法により篩残分及び篩通過分
レーザー回折式粒度分布測定法によりレーザー回折式粒度分析計(日機装株式会社製、製品名:マイクロトラックMT−3300EX)を用いて、90μm篩残分、45μm篩残分、10μm篩通過分を測定した。
実施例及び比較例のスラグ粉と市販の普通ポルトランドセメントを、スラグ粉:普通ポルトランドセメントを40:60の割合で混合し、試験用の高炉B種セメントを製造した。試験用の高炉B種セメントのブレーン比表面積は、3800±100cm2/gであった。比較例4及び実施例5の高炉B種セメントのブレーン比表面積は4800±100cm2/gであった。スラグ粉と普通ポルトランドセメントを混合した場合、得られた高炉B種セメントのブレーン比表面積は、100cm2/gの範囲でブレーン比表面積の数値にバラツキが生じる場合がある。
各試験用の高炉B種セメントに、砂、水を混合してモルタルを製造した。砂は、JIS R5201:2015「セメント物理試験方法」に準拠して、セメント試験用標準砂を使用した。水は、水道水を使用した。試験用の高炉B種セメント450g、砂1350g、水225gを配合し、モルタルを製造した。
(4)セメントペーストのフロー値
試験用高炉B種セメント200g、混練水(水道水)68.7g、混和剤(BASF株式会社、高性能AE減水剤マスターグレニウム(登録商標)SP8S)1.3gを混練し、試験用高炉B種セメントペーストを得た。JIS R5201:2015「セメントの物理試験方法」に準拠して、試験用高炉B種セメントペーストのフロー値を測定した。
(5)モルタルの圧縮強度
試験用高炉B種セメントを用いたモルタルは、JIS R5201:2015「セメントの物理試験方法」に準拠して、材齢28日の圧縮強度を測定した。
(6)圧縮強度比
JIS R5201:2015「セメントの物理試験方法」に準拠して、試験用高炉B種セメントを用いたモルタルの材齢28日の圧縮強度(BB)と、普通ポルトランドセメントを用いたモルタルの材齢28日の圧縮強度(NC)の圧縮強度比(BB/NC)を測定した。
また。実施例1〜4のスラグ粉を使用したモルタル圧縮強度は、比較例1〜3のモルタル圧縮強度よりも高く、モルタル圧縮強度の数値からも、原料スラグの劣化の有無に関わらず、スラグ粉の反応活性の低下が抑制され、モルタルの圧縮強度の低下を抑制する高炉セメントに使用し得るスラグ粉が得られることが確認できた。
実施例1〜4のスラグ粉を使用した高炉B種セメントのセメントペーストは、高炉セメントに要求される流動性を維持していた。
一方、比較例4のスラグ粉を使用したモルタルは、スラグ粉のブレーン比表面積が大きく、モルタル圧縮強度比が107と高い数値を示すが、セメントペーストフローが小さくなり、通常の高炉セメントに要求される流動性を維持することができなかった。
Claims (5)
- ブレーン比表面積が4000〜7000cm2/gであり、レーザー回折式粒度分布測定法によって測定された24μm篩残分が30体積%以下であり、かつ、10μm篩通過分が35体積%以下であるスラグ粉を含む、高炉セメント。
- 前記スラグ粉が、原料スラグのig.loss量が0.25質量%以上である、請求項1に記載の高炉セメント。
- 前記スラグ粉が、レーザー回折式粒度分布測定法によって測定された45μm篩残分が5体積%以下である、請求項1又は2に記載の高炉セメント。
- 前記スラグ粉が、レーザー回折式粒度分布測定法によって測定された90μm篩残分が0.5体積%以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の高炉セメント。
- 原料スラグを、ブレーン比表面積4000〜7000cm2/g、且つレーザー回折式粒度分布測定法によって測定される24μm篩残分が30体積%以下であり、10μm篩通過分が35体積%以下となるように調製してスラグ粉を得る工程を含む、高炉セメントの製造方法。
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