JP6720762B2 - リチウムイオン二次電池用負極材料、およびリチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用負極材料、およびリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用負極材料、およびリチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池の負極活物質として、黒鉛系の炭素材料が広く用いられている。黒鉛にリチウムイオンを充填した際の化学量論的組成は、LiCであり、その理論容量は372mAh/gと算出できる。これに対してシリコンにリチウムイオンを充填した際の化学量論的組成は、Li15SiもしくはLi22Siであり、その理論容量は3577mAh/gもしくは4197mAh/gと算出できる。このようにシリコンは黒鉛に比べて、9.6倍もしくは11.3倍のリチウムを貯蔵できる魅力的な材料である。
しかしながら、シリコン粒子にリチウムイオンを充填すると、体積が2.7倍ないしは3.1倍程度に膨張するため、リチウムイオンの充填と放出を繰り返す間に、シリコン粒子が力学的に破壊する。シリコン粒子が破壊することにより、破壊した微細シリコン粒子が電気的に孤立し、また、破壊面に新しい電気化学的被覆層ができることにより、不可逆容量が増加し、充放電サイクル特性が著しく低下する。
リチウムイオンの充填と放出に伴う機械的破壊は、シリコン粒子をナノ化することにより防ぐことができる。しかしながら、リチウムイオンの充填と放出に伴う体積変化により、シリコンナノ粒子の一部が電気的に孤立し、これが原因で寿命特性が大きく劣化するという問題があった。
特許文献1には、ケイ素を構成元素として有し、球状あるいは略楕円体形状である負極活物質粒子の表面の一部を金属被覆した負極材料が開示されている。
特開2010−140885号公報
特許文献1に記載の負極材料は、球状あるいは略楕円形状の負極活物質粒子を用いているため、寿命特性の改善が課題となっている。
そこで、本発明では、高容量、かつ長寿命なリチウムイオン二次電池用負極材料を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るリチウムイオン二次電池用負極材料は、鱗片状シリコン粒子と、前記鱗片状シリコン粒子に設けられた、金属を含む金属層と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、高容量、かつ長寿命なリチウムイオン二次電池用負極材料を提供できる。上記した以外の課題、構成および効果は以下の実施形態の説明により明らかにされる。
第1実施形態に係るリチウムイオン二次電池用負極材料を模式的に表現した図である。 第1実施形態に係るリチウムイオン二次電池用負極材料の断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る電気容量のシリコンの重量比依存性を計算した結果である。 第2実施形態に係るリチウムイオン二次電池用負極材料を模式的に表現した図である。 第2実施形態に係るリチウムイオン二次電池用負極材料の断面模式図である。 第3実施形態に係るリチウムイオン二次電池用負極材料を模式的に表現した図である。 第3実施形態に係るリチウムイオン二次電池用負極材料の断面模式図である。 本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池用負極材料を作製するための装置概略図である。 第4実施形態に係るリチウムイオン二次電池用負極材料を模式的に表現した図である。 第4実施形態に係るリチウムイオン二次電池用負極材料の断面模式図である。 リチウムイオン二次電池の模式図である。 実施例1に係るリチウムイオン二次電池用負極材料の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例1に係るリチウムイオン二次電池用負極材料の走査型電子顕微鏡写真である。
以下、図面等を用いて、本発明の実施形態について説明する。以下の説明は本発明の内容の具体例を示すものであり、本発明がこれらの説明に限定されるものではなく、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更および修正が可能である。
(第1実施形態)
第1実施形態に係る負極材料を図1(a)(b)を用いて説明する。図1(a)は第1実施形態に係る負極材料上面図、図1(b)はその断面図である。負極材料は、鱗片状シリコン粒子101と、鱗片状シリコン粒子に設けられた、金属層102と、を有する。金属層102は、図1(b)に示されるように、鱗片状シリコン粒子表面に設けられていてもよく、他の層(又は膜)を介して、鱗片状シリコン粒子上に設けられていてもよい。また、金属層102は、鱗片状シリコン粒子上の少なくとも一部に設けられていればよく、全面に設けられていてもよい。
本発明に係る負極材料に用いる鱗片状シリコン粒子101の長径は1nm以上1μm以下、膜厚は5nm以上100nm以下であることが好ましい。長径を1nm以上とすることにより、シリコン粒子同士の凝集を抑制し、所望の負極材料構造を作製することができる。また、長径を1μm以下とすることにより、リチウム吸蔵の際の機械的膨張を抑制できる。膜厚を5nm以上とすることにより、機械的強度を向上でき、電池作製時の微粉化を抑制できる。また、膜厚を100nm以下とすることにより、リチウム吸蔵の際の機械的膨張を抑制できる。
鱗片状シリコン粒子の平坦部分の最も長い径(以下、最長径という。)は100nm〜3μm、望ましくは100nm〜1μmである。最長径を100nm以上とすることにより、鱗片形状を維持できる。また、最長径を3μm以下とすることにより、リチウムイオン充填時の体積膨張による破壊を抑制できる。高速充放電時の破壊抑制の観点から、最長径が1μm以下であることがさらに望ましい。鱗片状シリコン粒子は、幾何学的効果により、リチウムイオンの充填および放出時に破壊しにくい構造である。そのため、球状、楕円状のシリコン粒子よりも充放電サイクル特性が優れるという特長を有する。また、その上下面を金属層102で覆うことにより、薄膜シリコンを上下から挟みつける構造となり、より破壊しにくい構造となる。
金属層102の膜厚は、1nm以上500nm以下であることが望ましい。金属層の膜厚を1nm以上とすることにより、機械的強度を高くすることができ、金属層の剥離を抑制することができる。また、金属層の厚さを500nm以下とすることにより、負極材料中のシリコンの重量比を5%以上とすることができ、高容量を維持できる。金属層を鱗片状シリコン粒子上に設けることにより、鱗片状シリコン粒子の表面が、電解液に直接接触する面積を大幅に低減することができる。これにより、鱗片状シリコン粒子の表面にできる皮膜量が低減し、皮膜内に取り込まれるリチウムイオンの量を低減できるため、クーロン効率および充放電サイクル特性が向上する。また、鱗片状シリコン粒子間に金属が介在するため、鱗片状シリコン粒子間の電気抵抗が大幅に低減し、高速充放電特性が改善する。
金属層102は、シームレスな被膜ではなく、粒界を内在する被膜であり、その粒界を通じて、リチウムイオンが鱗片状シリコン粒子内に移動することが可能である。
金属層102は、Co,Ni,Cu,Ru,Rd,Pd,Ag,Cd,In,Sn,Sb,Pt,Au,Pd,Biのいずれか、あるいは、それらを含む合金を含む。これらのなかでも金属層102は、銅から構成されることが好ましい。銅は金属の中でも、電気伝導性が高く、また、一般に負極の集電体として使用されており、電池特性に対する悪影響がないと考えられるためである。金属層102は、無電解メッキ法により作製することにより、最も均質な被膜が得られる。
図2は、電気容量のシリコン重量比依存性を計算した結果である。シリコンに対しては、リチウムイオンを充填した際の化学量論的組成を、Li15Siと仮定し、その電気容量を3577mAh/gとした場合と、Li22Siと仮定し、その電気容量を4197mAh/gとした場合について計算した。横軸は、負極材料全体に対するシリコンの重量比、縦軸は電気容量である。金属層、グラフェン層、酸化膜に、リチウム吸蔵能はないと仮定した。現実的には、シリコン重量比5〜95wt%の複合材料を作製することが可能である。負極材料に対するシリコンの重量比が大きいほど高容量を得ることができる。
(第2実施形態)
図3(a)は、第2実施形態に係る負極材料活物質を模式的に表現した上面図であり、図3(b)はその断面図である。鱗片状シリコン粒子301と金属層303の間に酸化膜302を有する点が第1実施形態と異なる。以下、第1実施形態と異なる部分のみ説明する。
酸化膜302とは、例えば酸化シリコンである。酸化シリコン層は、鱗片状シリコン粒子301を空気中に放置することにより形成される。酸化膜の厚さは、2nm以上10nm以下であることが望ましい。2nm以上とすることにより、鱗片状シリコン粒子の表面を均一に覆うことができる。また、10nm以下とすることにより、電気抵抗率の上昇を抑制でき、高速充放電特性の劣化を抑制できる。シリコン粒子を空気中に放置することにより得られる自然酸化膜の厚さは、通常約2nmである。これを、空気中800℃以上の高温で熱処理することにより、より厚い酸化シリコン層を形成することが可能である。鱗片状シリコン粒子301上に、酸化膜302として酸化シリコン層を形成することにより、リチウム充填時の機械的膨張に対する破壊耐性が向上する。
(第3実施形態)
図4(a)は、第3実施形態に係る負極材料を模式的に表現した上面図であり、図4(b)はその断面図である。鱗片状シリコン粒子401と金属層403との間にグラフェン層402が存在する点が第1実施形態と異なる。以下、第1実施形態と異なる部分のみ説明する。
グラフェン層402は、長径が1nm以上30nm以下のグラフェンが多層に積層したものである。ナノグラフェンが多層に積層したグラフェン層は、1000S/m以上の電気伝導率を有するため、高速での充放電特性を向上できる。グラフェン層の膜厚は、成長時間等により制御可能であり、1nm以上100nm以下であることが望ましい。1nm以上とすることにより、強度不足による剥離を抑制できる。また、100nm以下とすることにより、電池を作製した場合の不可逆容量を低減できる。鱗片状シリコン粒子401上に、グラフェン層402を形成することにより、その上に形成する金属層403の密着性が向上する。
グラフェン層は、例えば図5に示した熱気相成長装置により作製することが可能である。サンプルボート501に鱗片状シリコン粒子401を入れて、反応炉502の中央付近に設置する。図5の水素ラインを用いて、水素ガスを200mL/minの流速で流し、成長炉を室温から1000℃まで、10℃/minでの速度で昇温し、さらに1000℃で1時間保持した。この熱処理工程により、鱗片状シリコン粒子の表面に形成された自然酸化膜を還元することが可能である。その後、水素ラインを閉じ、アルゴンガスを200mL/minの流速で流し、10℃/minの速度で降温し、800℃まで降温した。800℃に達したところで、プロピレンガスを10mL/minの流速で導入し、同時にアルゴンガスの流速を190mL/minにして、炭素被覆層を1時間成長した。その後、プロピレンガスラインを閉じ、アルゴンガスを200mL/minの流速で流し、15min保持した後、自然冷却した。これにより、鱗片状シリコン粒子401の表面に、グラフェン層402を作製することが可能である。
(第4実施形態)
第4実施形態を、図6を用いて説明する。図6(a)は、第4実施形態に係るリチウムイオン二次電池用負極材料を模式的に表現した上面図であり、図6(b)はその断面図である。鱗片状シリコン粒子601とグラフェン層603の間に酸化膜602が存在する点が第3実施形態と異なる。鱗片状シリコン粒子の表面に酸化膜602、グラフェン層603、金属層604の順に被覆層を形成したものである。鱗片状シリコン粒子の表面に酸化膜を導入することにより、第3実施形態を比べて第4実施形態の負極材料はより破壊しにくい構造となっている。これはシリコン粒子が、酸化層内に閉じ込められるためである。
また、層順は、鱗片状シリコン粒子、酸化膜、グラフェン層、金属層の順であることが好ましい。グラフェン層は、金属層の密着性を向上させる効果があるためである。なお、酸化膜とグラフェン層の順序を逆にすることも可能である。
第1実施形態〜第4実施形態に係る負極材料は、例えば図7に示すリチウムイオン二次電池に用いることができる。図7において、701は正極、702はセパレータ、703は負極、704は電池缶、705は正極集電タブ、706は負極集電タブ、707は内蓋 、708は圧力開放弁、709はガスケット、710は正温度係数(TPC; positive temperature coefficient)抵抗素子、711は電池蓋である。電池蓋711は、内蓋707、圧力開放弁708、ガスケット709、正温度係数抵抗素子710からなる一体化部品である。
第1実施形態に係る負極材料を以下のように作製した。
鱗片状シリコン粒子の表面に形成された酸化膜を除去するために、鱗片状シリコン粒子を5%弗酸溶液に浸漬し、1時間攪拌した。ろ過、乾燥後、無電解メッキ法により、鱗片状シリコン粒子の表面に、銅被覆を行った。銅被覆量は、20wt%である。
作製した負極材料を用いて以下の方法で試作電池を作製した。
負極は以下の手順により作製した。負極材料の95.0wt%に、結着剤として5.0wt%のPVDF(NMPに溶解した溶液)を加えた。それをプラネタリ−ミキサーで混合し、真空下でスラリー中の気泡を除去して、均質な負極合剤スラリーを調製した。このスラリーを塗布機で厚さ10μmの圧延銅箔の両面に均一かつ均等に塗布した。塗布後、その電極をロールプレス機によって圧縮成形して、電極密度が1.3g/cmとした。これを切断機で裁断し、厚さ110μm、長さ950mm、幅56mmの負極を作製した。
正極701は以下の手順により作製した。正極活物質にはリチウム金属を用いた。正極活物質の85.0wt%に、導電材として黒鉛粉末とアセチレンブラックをそれぞれ7.0wt%と2.0wt%を添加した。さらに、結着剤として6.0wt%のポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFと略記)(1−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略記)に溶解した溶液)を加えて、プラネタリ−ミキサーで混合し、さらに真空下でスラリー中の気泡を除去して、均質な正極合剤スラリーを調製した。このスラリーを、塗布機を用いて厚さ20μmのアルミニウム箔の両面に均一かつ均等に塗布した。塗布後ロールプレス機により電極密度が2.55g/cmになるように圧縮成形し、これを切断機で裁断し、厚さ100μm、長さ900mm、幅54mmの正極を作製した。
作製した正極と、負極の未塗布部(集電板露出面)に、それぞれ正極集電タブおよび負極集電タブを超音波溶接した。正極集電タブにはアルミニウム製リード片、負極集電タブにはニッケル製リード片を用いた。
その後、厚み30μmの多孔性ポリエチレンフィルムからなるセパレータを正極と負極に挿入し、正極、セパレータ、負極を捲回した。この捲回体を電池缶に収納し、負極集電タブを電池缶の缶底に抵抗溶接機により接続した。正極集電タブは、内蓋の底面に超音波溶接により接続した。
上部の電池蓋を電池缶に取り付ける前に、非水電解液を注入した。電解液の溶媒は、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とジエチルカーボネート(DEC)とを、体積比で1:1:1となるように混合した溶媒を用いた。電解質は濃度1mol/L(約0.8mol/kg)のLiPFである。このような電解液を捲回体の上から滴下し、電池蓋を電池缶に、かしめて密封し、リチウムイオン二次電池を得た。
充放電試験は、充放電速度500mA/gで、100回充放電を繰り返した。充放電試験結果を表1に示す。
第2実施形態に係る負極材料を以下のように作製した。
鱗片状シリコン粒子を空気中に放置した状態では、その表面に厚さ2nmの自然酸化膜が形成されている。本実施例では、この自然酸化膜をそのまま酸化膜として用いた。自然酸化膜が形成されている鱗片状シリコン粒子に実施例1と同様の方法で金属層を形成することにより負極材料を作製した。作製した負極材料について、実施例1と同様の方法で試作電池を作製し、その充放電特性を評価した。
第3実施形態に係る負極材料を以下のように作製した。
本実施例では、鱗片状シリコン粒子に形成されている自然酸化膜を還元した後、グラフェン層及び金属層を被覆した。図5に係る熱気相成長装置を用いて、酸化膜を除去し、グラフェン層、金属層を形成した。
まず、サンプルボートに鱗片状シリコン粒子を入れて、反応炉の中央付近に設置した。反応炉は、石英製であり、直径が5cm、長さが40cmである物を用いた。水素ラインを開け、水素ガスを200mL/minの流速で流し、成長炉を室温から1000℃まで、10℃/minでの速度で昇温し、さらに1000℃で1hr保持した。この熱処理工程により、シリコンナノ粒子の表面に形成された自然酸化膜を還元した。その後、水素ラインを閉じ、アルゴンガスを200mL/minの流速で流し、10℃/minの速度で降温し、800℃まで降温した。800℃に達したところで、プロピレンガスを10mL/minの流速で導入し、同時にアルゴンガスの流速を190mL/minにして、炭素被覆層を1時間成長した。その後、プロピレンガスラインを閉じ、アルゴンガスを200mL/minの流速で流し、15min保持した後、自然冷却した。これにより、鱗片状シリコン粒子の表面に、グラフェン層を形成した。
グラフェン層を形成したシリコン粒子に実施例1と同様の方法で金属層を形成することにより負極材料を作製した。作製した負極材料について、実施例1と同様の方法で試作電池を作製し、その充放電特性を評価した。
第4実施形態に係る負極材料を以下のように作製した。
本実施例では、鱗片状シリコン粒子の表面に形成されている自然酸化膜をそのまま酸化膜として用いた。
図5に係る熱気相成長装置を用いて被覆層を形成した。まず、サンプルボートに酸化シリコン層の付いた鱗片状シリコン粒子を入れて、反応炉の中央付近に設置する。反応炉は、石英製であり、直径が5cm、長さが40cmである。アルゴンガスを200mL/minの流速で流し、10℃/minの速度で、800℃まで昇温した。800℃に達したところで、プロピレンガスを10mL/minの流速で導入し、同時にアルゴンガスの流速を190mL/minにして、炭素被覆層を1時間成長した。その後、プロピレンガスラインを閉じ、アルゴンガスを200mL/minの流速で流し、15min保持した後、自然冷却した。これにより、酸化シリコン層の付いた鱗片状シリコン粒子の表面に、ナノグラフェン層を作製した。なお、負極材料中のシリコンの重量比は50.0%に調製した。
鱗片状シリコン粒子の表面に、酸化膜、グラフェン層を形成したものに、に実施例1と同様の方法で金属層を形成することにより負極材料を作製した。作製した負極材料について、実施例1と同様の方法で試作電池を作製し、その充放電特性を評価した。実施例1と同様に無電解メッキ法により金属層を形成することにより負極材料を作製した。
作製した負極材料の走査型電子顕微鏡写真を図8および図9に示す。図8は、鱗片状シリコン粒子の表面に酸化膜として酸化シリコン層を形成し、その後グラフェン層を5nm形成した試料の走査型電子顕微鏡写真である。また、図9は、図8係る試料のナノグラフェン層上に、金属層として銅を被覆した試料の走査型電子顕微鏡写真である。負極材料の全重量に対する銅の重量は、35.1wt%である。図8に比較して、図9の試料が厚くなっており、隙間部分が少なくなっていることから、銅の被覆層が比較的均一に形成できていると考えられる。
作製した負極材料について、実施例1と同様の方法で電池を作製し、その充放電特性を評価した。
(比較例1)
鱗片状シリコン粒子の代わりに球状シリコン粒子を用いた以外は実施例1と同様の方法で負極材料を作製した。作製した負極材料について、実施例1と同様に電池を作製し、その充放電特性を評価した。
(比較例2)
鱗片状シリコン粒子の代わりに球状シリコン粒子を用いた以外は実施例2と同様の方法で負極材料を作製した。作製した負極材料について、実施例1と同様に電池を作製し、その充放電特性を評価した。
(比較例3)
鱗片状シリコン粒子の代わりに球状シリコン粒子を用いた以外は実施例3と同様の方法で負極材料を作製した。作製した負極材料について、実施例1と同様に電池を作製し、その充放電特性を評価した。
(比較例4)
鱗片状シリコン粒子の代わりに球状シリコン粒子を用いた以外は実施例4と同様の方法で負極材料を作製した。作製した負極材料について、実施例1と同様に電池を作製し、その充放電特性を評価した。
Figure 0006720762
表1に示すように実施例1〜4は、それぞれ比較例1〜4に比べ100サイクル後の容量維持率が高い。したがって、鱗片状シリコン粒子を用いることにより、寿命特性を向上できることが分かる。また、実施例1〜4は、それぞれ比較例1〜4よりも初期容量も高い。このことから、鱗片状シリコン粒子を用いることにより高容量を達成できることが分かる。
また、実施例1〜4を比較すると、鱗片状シリコン粒子と金属層の間に、酸化膜、グラフェン層を形成することにより、放電容量の低下を抑制することができることが分かった。
以上より、鱗片状シリコン粒子の表面に金属層を被覆した負極材料は、放電容量及び寿命特性が優れることが確認できた。
101…鱗片状シリコン粒子、102…金属層、301…鱗片状シリコン粒子、302…酸化膜、303…金属層、401…鱗片状シリコン粒子、402…グラフェン層、403…金属層、501…サンプルボート、502…反応炉、503…流量制御装置、504…コック、601…鱗片状シリコン粒子、602…酸化膜、603…グラフェン層、604…金属層、701…正極、702…セパレータ、703…負極、704…電池缶、705…正極集電タブ、706…負極集電タブ、707…内蓋、708…圧力開放弁、709…ガスケット、710…正温度係数抵抗素子、711…電池蓋

Claims (5)

  1. 鱗片状シリコン粒子と、
    前記鱗片状シリコン粒子に設けられた、金属を含む金属層と、を有し、
    前記鱗片状シリコン粒子と前記金属層の間にグラフェン層を有し、
    前記グラフェン層は、長径が1nm以上30nm以下のグラフェンが多層に積層したものであることを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極材料。
  2. 請求項に記載のリチウムイオン二次電池用負極材料であって、
    前記鱗片状シリコン粒子と前記グラフェン層の間に酸化膜を有することを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極材料。
  3. 請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池用負極材料であって、
    前記金属が、Co、Ni、Cu、Ru、Rd、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Pt、Au、Pd、Biのいずれか、あるいはそれらの合金であることを特徴とする、リチウムイオン二次電池用負極材料。
  4. 請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池負極材料であって、
    負極材料中のシリコンの重量比が、5〜95wt%であることを特徴とする、リチウムイオン二次電池用負極材料。
  5. 請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用負極材料を含む負極を備えるリチウムイオン二次電池。
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