JP6719187B2 - ナット - Google Patents
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Description
すなわち、本発明に係るナットは、締結対象物に設けられた雄ネジ部に締結される雌ネジ部を有する内側部材と、該内側部材の径方向の外側に、該内側部材に対して回転可能に装着される外側部材と、を備えたナットであって、前記内側部材は、締結方向の後方に設けられた内側支持部と、前記締結方向の前方に設けられた内側係合部と、を有する内側当接体を備え、前記外側部材は、前記締結方向の前方に設けられた外側支持部と、前記締結方向の後方に設けられた外側係合部と、を有する外側当接体を備え、前記外側部材に所定量未満の前記締結方向へのトルクが加えられた場合に、前記内側支持部と前記外側支持部とが当接して、前記外側部材から前記内側部材へ前記トルクが伝達され、前記外側部材に前記所定量以上の前記締結方向へのトルクが加えられた場合に、前記外側支持部が前記内側支持部を前記締結方向の前方に乗り越えるとともに、前記外側係合部と前記内側係合部とが衝突音を発しつつ係合可能に構成され、前記内側当接体は、前記径方向の内側に、前記締結方向の後方に向かうにしたがって次第に前記径方向の内側に向かう内側摺動面を有し、前記外側当接体は、前記径方向の外側に、前記締結方向の後方に向かうにしたがって次第に前記径方向の内側に向かう外側摺動面を有し、前記外側部材に前記所定量以上の前記締結方向へのトルクが加えられた場合に、前記外側係合部と前記内側係合部とが係合した後、前記外側当接体が前記内側当接体よりも前記径方向の内側に配置されるように前記外側当接体と前記内側当接体とは離間し、前記外側部材に前記締結方向と反対方向の弛緩方向へのトルクが加えられると、前記外側摺動面が前記内側摺動面に沿って摺動可能に構成されていることを特徴とする。
また、本発明に係るナットは、締結対象物に設けられた雄ネジ部に締結される雌ネジ部を有する内側部材と、該内側部材の径方向の外側に、該内側部材に対して回転可能に装着される外側部材と、を備えたナットであって、前記内側部材は、締結方向の後方に設けられた内側支持部と、前記締結方向の前方に設けられた内側係合部と、を有する内側当接体を備え、前記外側部材は、前記内側部材の径方向の外側に配置され環状に形成された外環状体と、該外環状体の内周面から径方向の内側に突出する基部と、該基部から前記締結方向の前方に延び弾性変形可能な腕部と、を有し、前記腕部は、前記締結方向の前方に設けられた外側支持部と、前記締結方向の後方に設けられた外側係合部と、を有する外側当接体を有し、前記外側部材に所定量未満の前記締結方向へのトルクが加えられた場合に、前記内側支持部と前記外側支持部とが当接して、前記外側部材から前記内側部材へ前記トルクが伝達され、前記外側部材に前記所定量以上の前記締結方向へのトルクが加えられた場合に、前記外側支持部が前記内側支持部を前記締結方向の前方に乗り越えるとともに、前記外側係合部と前記内側係合部とが衝突音を発しつつ係合可能に構成され、前記内側当接体は、前記内側部材の環状に形成された内環状体の上面から上方に突出し、前記外側当接体は、前記腕部の先端部に下方に向かって延びるように設けられていることを特徴とする。
また、外側部材に所定量以上の締結方向へのトルクが加えられ、外側当接体の外側支持部が内側支持部を締結方向の前方に乗り越えると、腕部は元の状態に戻ろうと弾性変形する。外側当接体は腕部の前端部に設けられているため、腕部が元の状態に戻る際に、外側当接体に大きな力が作用し、勢いよく戻る。よって、外側当接体の外側係合部が内側部材の内側係合部と係合する際に、確実に衝突音を発することができる。
また、外側部材に所定量以上の締結方向へのトルクが加えられると、外側係合部と内側係合部とが係合した後、外側当接体が内側当接体よりも径方向の内側に配置されるように外側当接体と内側当接体とは離間する。この状態から、外側部材に締結方向と反対方向の弛緩方向へのトルクが加えられると、外側当接体の径方向の外側に設けられた外側摺動面が、内側当接体の径方向の内側に設けられた内側摺動面に沿って摺動する。外側摺動面及び内側摺動面は、ともに締結方向の後方に向かうにしたがって次第に径方向の内側に向かうように形成されているため、外側摺動面が内側摺動面に沿って摺動する際に、互いに干渉することなく、滑らかに摺動する。よって、ナットを締結対象物から、大きなトルクを加えずに容易に取り外すことができる。
また、外側部材に所定量以上の締結方向へのトルクが加えられ、外側当接体の外側支持部が内側支持部を締結方向の前方に乗り越えると、腕部は元の状態に戻ろうと弾性変形する。外側当接体は腕部の前端部に設けられているため、腕部が元の状態に戻る際に、外側当接体に大きな力が作用し、勢いよく戻る。よって、外側当接体の外側係合部が内側部材の内側係合部と係合する際に、確実に衝突音を発することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るナットが締結されたキッチンの槽体の側面図である。図2は、本発明の一実施形態に係るナットをキッチンの槽体から取り外し、上方から見た分解斜視図である。図3は、本発明の一実施形態に係るナットをキッチンの槽体から取り外し、下方から見た分解斜視図である。
図1から図3に示すように、槽体100は、ナット1によりトラップ110と接続されている。
なお、ナット1を締付ける際に回転させる方向を締結方向Xと称し、ナット1を緩める際に回転させる方向を弛緩方向Yと称する。また、締結方向X及び弛緩方向Yは、ともに周方向とも称する。
図4及び図6に示すように、各上向き凸部40は、締結方向Xの後方に形成された内側支持面(内側支持部)41と、内側支持面41の径方向の外側の端部に連続して形成された外側面42と、を有している。さらに、上向き凸部40は、外側面42の締結方向Xの前方の端部に連続して形成された内側係合面(内側係合部)43と、内側係合面43の径方向の内側の端部に連続して形成された内側摺動面44と、を有している。
図6に示すように、各下向き突出部70は、締結方向Xの後方に形成された外側係合面(外側係合部)71と、外側係合面71の径方向の外側の端部に連続して形成された第一外側摺動面(外側摺動面)72と、第一外側摺動面72の締結方向Xの前方の端部に連続して形成された第二外側摺動面73と、を有している。さらに、下向き突出部70は、第二外側摺動面73の締結方向Xの前方の端部に連続して形成された外側支持面(外側支持部)74と、外側支持面74の径方向の内側の端部に連続して形成された内側面75と、を有している。
まず、図4の状態のように、外側部材5に対して内側部材2が嵌め込まれたナット1を、槽体100の連結体102の外側に配置して、ナット1の外側部材5の外環状体50の外周面を把持して、締結方向Xに回転させる。
図6の二点鎖線及び図7に示すように、下向き突出部70の外側支持面74が上向き凸部40の内側支持面41を乗り越えると、下向き突出部70の外側支持面74と内側面75との角部75Cが、上向き凸部40の外側面42を締結方向Xの前方に摺動する。この際、外側部材5の腕部65は、径方向の外側に向かって撓むように、弾性変形している。
図6の二点鎖線及び図8に示すように、外側部材5はさらに回転すると、下向き突出部70が上向き凸部40よりも締結方向Xの前方且つ径方向の内側に配置される。
上記に示す外側部材5の内側部材2に対する締結方向Xへの相対的な回転にともなって、内側部材2の係合爪部30は、外側部材5の開口部55の締結方向Xの前側に配置された状態(図5参照)から、開口部55内を移動して、図9に示す開口部55の締結方向Xの後端部55Bに配置された状態になる。係合爪部30は、外側部材5の外周面に設けられた印部56の下向き三角の下側の頂点56Aの下方に配置されている。また、この際に、係合爪部30が開口部55の後端部55Bに衝突して、衝突音が発生する。
図10は、ナット1において、弛緩する際の下向き突出部70の軌跡を示す図である。図11は、弛緩途中のナット1の右側は平面図、左側は水平断面図である。
図10及び図11に示すように、外側部材5に弛緩方向(締結方向Xと反対方向)Yのトルクを加えると、外側部材5は弛緩方向Yに回転して、下向き突出部70の第一外側摺動面72が上向き凸部40の内側摺動面44に沿って摺動する。外側部材5がさらに回転すると、第二外側摺動面73が内側摺動面44に沿って摺動して、締結前の位置にまで戻る。この際、第一外側摺動面72及び内側摺動面44の締結方向Xの前側は、ともに締結方向Xの後方に向かうにしたがって次第に径方向の内側に向かうように、周方向に対して僅かに傾斜して形成されているため、大きなトルクを加えなくても弛緩しやすい。
また、外側部材5に所定量以上の締結方向Xへのトルクが加えられ、下向き突出部70の外側支持面74が内側支持面41を締結方向Xの前方に乗り越えると、腕部65は元の状態に戻ろうと弾性変形する。下向き突出部70は腕部65の前端部に設けられているため、腕部65が元の状態に戻る際に、下向き突出部70に大きな力が作用し、勢いよく戻る。よって、下向き突出部70の外側係合面71が内側部材2の内側係合面43と係合する際に、確実に衝突音を発することができる。
2…内側部材
5…外側部材
20…内環状体
20X…雌ネジ部
21…パッキン
22…下側嵌合部
30…係合爪部(突起部)
40…上向き凸部(内側当接体)
41…内側支持面(内側支持部)
42…外側面
43…内側係合面(内側係合部)
44…内側摺動面
50…外環状体
51…フランジ
55…開口部
56…印部
60…アーム体
61…基部
65…腕部
65S…空間部
70…下向き突出部(外側当接体)
71…外側係合面(外側係合部)
72…第一外側摺動面(外側摺動面)
73…第二外側摺動面
74…外側支持面(外側支持部)
75…内側面
100…槽体
101…天板
102…連結体(締結対象物)
102X…雄ネジ部
110…トラップ
111…本体
112…排出管
114…トラップ側嵌合部
120…バンド
O…軸線
X…締結方向
Y…弛緩方向
Claims (4)
- 締結対象物に設けられた雄ネジ部に締結される雌ネジ部を有する内側部材と、
該内側部材の径方向の外側に、該内側部材に対して回転可能に装着される外側部材と、を備えたナットであって、
前記内側部材は、締結方向の後方に設けられた内側支持部と、前記締結方向の前方に設けられた内側係合部と、を有する内側当接体を備え、
前記外側部材は、前記締結方向の前方に設けられた外側支持部と、前記締結方向の後方に設けられた外側係合部と、を有する外側当接体を備え、
前記外側部材に所定量未満の前記締結方向へのトルクが加えられた場合に、前記内側支持部と前記外側支持部とが当接して、前記外側部材から前記内側部材へ前記トルクが伝達され、
前記外側部材に前記所定量以上の前記締結方向へのトルクが加えられた場合に、前記外側支持部が前記内側支持部を前記締結方向の前方に乗り越えるとともに、前記外側係合部と前記内側係合部とが衝突音を発しつつ係合可能に構成され、
前記内側当接体は、前記径方向の内側に、前記締結方向の後方に向かうにしたがって次第に前記径方向の内側に向かう内側摺動面を有し、
前記外側当接体は、前記径方向の外側に、前記締結方向の後方に向かうにしたがって次第に前記径方向の内側に向かう外側摺動面を有し、
前記外側部材に前記所定量以上の前記締結方向へのトルクが加えられた場合に、前記外側係合部と前記内側係合部とが係合した後、前記外側当接体が前記内側当接体よりも前記径方向の内側に配置されるように前記外側当接体と前記内側当接体とは離間し、
前記外側部材に前記締結方向と反対方向の弛緩方向へのトルクが加えられると、前記外側摺動面が前記内側摺動面に沿って摺動可能に構成されていることを特徴とするナット。 - 締結対象物に設けられた雄ネジ部に締結される雌ネジ部を有する内側部材と、
該内側部材の径方向の外側に、該内側部材に対して回転可能に装着される外側部材と、を備えたナットであって、
前記内側部材は、締結方向の後方に設けられた内側支持部と、前記締結方向の前方に設けられた内側係合部と、を有する内側当接体を備え、
前記外側部材は、前記締結方向の前方に設けられた外側支持部と、前記締結方向の後方に設けられた外側係合部と、を有する外側当接体を備え、
前記外側部材に所定量未満の前記締結方向へのトルクが加えられた場合に、前記内側支持部と前記外側支持部とが当接して、前記外側部材から前記内側部材へ前記トルクが伝達され、
前記外側部材に前記所定量以上の前記締結方向へのトルクが加えられた場合に、前記外側支持部が前記内側支持部を前記締結方向の前方に乗り越えるとともに、前記外側係合部と前記内側係合部とが衝突音を発しつつ係合可能に構成され、
前記外側部材の外周面には、前記径方向に貫通する開口部が形成され、
前記内側部材には、前記開口部に配置される突起部を有し、
前記外側部材に前記所定量以上の前記締結方向へのトルクが加えられた場合に、前記突起部が前記開口部の所定の位置に配置されることを特徴とするナット。 - 締結対象物に設けられた雄ネジ部に締結される雌ネジ部を有する内側部材と、
該内側部材の径方向の外側に、該内側部材に対して回転可能に装着される外側部材と、を備えたナットであって、
前記内側部材は、締結方向の後方に設けられた内側支持部と、前記締結方向の前方に設けられた内側係合部と、を有する内側当接体を備え、
前記外側部材は、前記内側部材の径方向の外側に配置され環状に形成された外環状体と、該外環状体の内周面から径方向の内側に突出する基部と、該基部から前記締結方向の前方に延び弾性変形可能な腕部と、を有し、
前記腕部は、前記締結方向の前方に設けられた外側支持部と、前記締結方向の後方に設けられた外側係合部と、を有する外側当接体を有し、
前記外側部材に所定量未満の前記締結方向へのトルクが加えられた場合に、前記内側支持部と前記外側支持部とが当接して、前記外側部材から前記内側部材へ前記トルクが伝達され、
前記外側部材に前記所定量以上の前記締結方向へのトルクが加えられた場合に、前記外側支持部が前記内側支持部を前記締結方向の前方に乗り越えるとともに、前記外側係合部と前記内側係合部とが衝突音を発しつつ係合可能に構成され、
前記内側当接体は、前記内側部材の環状に形成された内環状体の上面から上方に突出し、
前記外側当接体は、前記腕部の先端部に下方に向かって延びるように設けられていることを特徴とするナット。 - 前記外側部材は、
前記外側部材の内周面から前記径方向に突出する基部と、
該基部から前記締結方向の前方に延び、弾性変形可能な腕部と、を備え、
前記外側当接体は、前記腕部の前記締結方向の前端部に設けられている請求項1または2に記載のナット。
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