JP6718218B2 - 蓄電デバイス用セパレータ - Google Patents
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Description
[1] 少なくとも多孔膜を含む基材と、前記基材の少なくとも一つの面の少なくとも一部の領域に形成された熱可塑性ポリマー層と、を備える蓄電デバイス用セパレータであって、該セパレータを電解液に浸漬した後の、該熱可塑性ポリマー層表面の単位面積当たりの投影面における開口率が1%〜20%である、蓄電デバイス用セパレータ。
[2] 前記熱可塑性ポリマーの電解液に対する膨潤度が、5倍以下である、[1]に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
上記多孔膜としては、電子伝導性が小さく、イオン伝導性を有し、有機溶媒に対する耐性が高く、孔径の微細なものが好ましい。
そのような多孔膜としては、例えば、ポリオレフィン樹脂を含む多孔膜、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロオレフィン、ポリエーテルスルホン、ポリアミド、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリアラミド、ポリシクロオレフィン、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン等の樹脂を含む多孔膜、ポリオレフィン系の繊維を織ったもの(織布)、ポリオレフィン系の繊維の不織布、紙、並びに、絶縁性物質粒子の集合体が挙げられる。これらの中でも、塗工工程を経て多層多孔膜、すなわちセパレータを得る場合に塗工液の塗工性に優れ、セパレータの膜厚をより薄くして、電池等の蓄電デバイス内の活物質比率を高めて体積当たりの容量を増大させる観点から、ポリオレフィン樹脂を含む多孔膜(以下、「ポリオレフィン樹脂多孔膜」ともいう。)が好ましい。
ポリオレフィン樹脂多孔膜は、電池用セパレータとした時のシャットダウン性能等を向上させる観点から、多孔膜を構成する樹脂成分の50質量%以上100質量%以下をポリオレフィン樹脂が占めるポリオレフィン樹脂組成物により形成される多孔膜であることが好ましい。ポリオレフィン樹脂組成物におけるポリオレフィン樹脂が占める割合は、60質量%以上100質量%以下であることがより好ましく、70質量%以上100質量%以下であることが更に好ましい。
中でも、電池用セパレータとした時のシャットダウン特性の観点から、ポリオレフィン樹脂としてはポリエチレン、ポリプロピレン、及びこれらの共重合体、並びにこれらの混合物が好ましい。
ポリエチレンの具体例としては、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン等、
ポリプロピレンの具体例としては、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、アタクティックポリプロピレン等、
共重合体の具体例としては、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレンプロピレンラバー等、が挙げられる。
多孔膜は、上述した材料からなる単層膜であってもよく、積層膜であってもよい。
平均孔径は、組成比、押出シートの冷却速度、延伸温度、延伸倍率、熱固定温度、熱固定時の延伸倍率、熱固定時の緩和率を制御することや、これらを組み合わせることにより調整することができる。
多孔膜の気孔率は、ポリオレフィン樹脂組成物と可塑剤の混合比率、延伸温度、延伸倍率、熱固定温度、熱固定時の延伸倍率、熱固定時の緩和率を制御することや、これらを組み合わせることによって調整することができる。
多孔膜を製造する方法としては特に制限はなく、公知の製造方法を採用することができる。例えば、
(1)ポリオレフィン樹脂組成物と孔形成材とを溶融混練してシート状に成形後、必要に応じて延伸した後、孔形成材を抽出することにより多孔化させる方法、
(2)ポリオレフィン樹脂組成物を溶融混練して高ドロー比で押出した後、熱処理と延伸によってポリオレフィン結晶界面を剥離させることにより多孔化させる方法、
(3)ポリオレフィン樹脂組成物と無機充填材とを溶融混練してシート上に成形した後、延伸によってポリオレフィンと無機充填材との界面を剥離させることにより多孔化させる方法、
(4)ポリオレフィン樹脂組成物を溶解後、ポリオレフィンに対する貧溶媒に浸漬させてポリオレフィンを凝固させると同時に溶剤を除去することにより多孔化させる方法、
等が挙げられる。
延伸処理としては、一軸延伸又は二軸延伸のいずれも好適に用いることができるが、得られる多孔膜の強度等を向上させる観点から二軸延伸が好ましい。シート状成形体を二軸方向に高倍率延伸すると、分子が面方向に配向し、最終的に得られる多孔膜が裂け難くなり、高い突刺強度を有するものとなる。延伸方法としては、例えば、同時二軸延伸、逐次二軸延伸、多段延伸、多数回延伸等の方法を挙げることができる。突刺強度の向上、延伸の均一性、シャットダウン性の観点からは同時二軸延伸が好ましい。また面配向の制御容易性の観点からは遂次二軸延伸が好ましい。
緩和操作は、膜のMD及び/又はTDへの縮小操作のことである。緩和率とは、緩和操作後の膜の寸法を緩和操作前の膜の寸法で除した値のことである。なお、MD、TD双方を緩和した場合は、MDの緩和率とTDの緩和率を乗じた値のことである。緩和率は、1.0以下であることが好ましく、0.97以下であることがより好ましく、0.95以下であることがさらに好ましい。緩和率は膜品位の観点から0.5以上であることが好ましい。緩和操作は、MD、TD両方向で行ってもよいが、MD或いはTD片方だけ行ってもよい。
この可塑剤抽出後の延伸及び緩和操作は、好ましくはTDに行う。延伸及び緩和操作における温度は、ポリオレフィン樹脂の融点(以下、「Tm」ともいう。)より低いことが好ましく、Tmより1℃から25℃低い範囲がより好ましい。延伸及び緩和操作における温度が上記範囲であると、熱収縮率低減と気孔率とのバランスの観点から好ましい。
無機フィラーと樹脂製バインダとを含む多孔層について説明する。
前記多孔層に使用する無機フィラーとしては、特に限定されないが、耐熱性及び電気絶縁性が高く、かつリチウムイオン二次電池の使用範囲で電気化学的に安定であるものが好ましい。
無機フィラーとしては、例えば、アルミニウム化合物、マグネシウム化合物、その他化合物が挙げられる。
アルミニウム化合物としては、酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化酸化アルミニウム、アルミン酸ソーダ、硫酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、ハイドロタルサイト等が挙げられる。
マグネシウム化合物としては、硫酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
その他化合物としては、酸化物系セラミックス、窒化物系セラミックス、粘土鉱物、シリコンカーバイド、炭酸カルシウム、チタン酸バリウム、アスベスト、ゼオライト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ藻土、ケイ砂、ガラス繊維等が挙げられる。酸化物系セラミックスとしては、シリカ、チタニア、ジルコニア、マグネシア、セリア、イットリア、酸化亜鉛、酸化鉄等が挙げられる。窒化物系セラミックスとしては、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素等が挙げられる。粘土鉱物としては、タルク、モンモリロナイト、セリサイト、マイカ、アメサイト、ベントナイト等が挙げられる。
これらは単独で用いても良いし、複数を併用してもよい。
樹脂製バインダは、前述した無機フィラーを相互に結着する役割を果たす樹脂である。また、無機フィラーと多孔膜とを相互に結着する役割を果たす樹脂であることが好ましい。
樹脂製バインダの種類としては、セパレータとしたときにリチウムイオン二次電池の電解液に対して不溶であり、かつリチウムイオン二次電池の使用範囲で電気化学的に安定なものを用いることが好ましい。
1)ポリオレフィン:例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピレンラバー、及びこれらの変性体;
2)共役ジエン系重合体:例えば、スチレン−ブタジエン共重合体及びその水素化物、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体及びその水素化物、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体及びその水素化物;
3)アクリル系重合体:例えば、メタクリル酸エステル−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体;
4)ポリビニルアルコール系樹脂:例えば、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル;
5)含フッ素樹脂:例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体;
6)セルロース誘導体:例えば、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース;
7)融点及び/又はガラス転移温度が180℃以上の樹脂あるいは融点を有しないが分解温度が200℃以上のポリマー:例えば、ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリエステル。特に、耐久性の観点から全芳香族ポリアミド、中でもポリメタフェニレンイソフタルアミドが好適である。
中でも、電極とのなじみやすさの観点からは上記2)共役ジエン系重合体が好ましく、耐電圧性の観点からは上記3)アクリル系重合体及び5)含フッ素樹脂が好ましい。
上記共役ジエン化合物としては、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン、置換直鎖共役ペンタジエン類、置換及び側鎖共役ヘキサジエン類などが挙げられ、これらは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。中でも、特に1,3−ブタジエンが好ましい。
上記3)アクリル系重合体に用いられる(メタ)アクリル酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸を挙げることができる。
上記3)アクリル系重合体に用いられる(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、例えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアメタクリレート;
エポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート;が挙げられ、これらは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。上記の中でも、特にアクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
なお、上記2)共役ジエン系重合体は、他の単量体として上記(メタ)アクリル系化合物を共重合させて得られるものであってもよい。
多孔層の層厚は、耐熱性、絶縁性を向上させる観点から1μm以上であることが好ましく、より好ましくは1.0μm以上、さらに好ましくは1.2μm以上、よりさらに好ましくは1.5μm以上、特に好ましくは1.8μm以上、最も好ましくは2.0μm以上である。また、電池の高容量化と透過性を向上させる観点から50μm以下であることが好ましく、より好ましくは20μm以下、さらに好ましくは10μm以下、特に好ましくは7μm以下である。
熱可塑性ポリマーを含有する層(ポリマー層)について説明する。
上記ポリマー層は、多孔膜、又は少なくとも一方の表面に無機フィラー及び樹脂製バインダを含む多孔層を有する多孔膜(これらをあわせて「基材」ともいう。)の少なくとも片面上の少なくとも一部に形成される。
上記ポリマー層は、熱プレスの工程を経ることにより、電極及びセパレータ間を接着させることができる。すなわち、ポリマー層は、接着層として機能し得るものである。
1)共役ジエン系重合体:例えば、スチレン−ブタジエン共重合体及びその水素化物、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体及びその水素化物、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体及びその水素化物;
2)アクリル系重合体:例えば、メタクリル酸エステル−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体;
3)ポリビニルアルコール系樹脂:例えば、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル;
4)含フッ素樹脂:例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体;
中でも、電極とのなじみやすさの観点からは上記1)共役ジエン系重合体が好ましく、耐電圧性の観点からは上記2)アクリル系重合体及び4)含フッ素樹脂が好ましい。
また、上記ポリマー層は、その全量に対して、好ましくは60質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、特に好ましくは98質量%以上、上記熱可塑性ポリマーを含む。
さらに、上記ポリマー層は、上記熱可塑性ポリマー以外に、本発明の課題解決を損なわない程度の、その他の成分を含んでもよい。
ポリマー層の基材に対する担持量は、固形分で0.02g/m2以上1.50g/m2以下が好ましく、より好ましくは0.07g/m2以上1.00g/m2以下であり、更に好ましくは0.10g/m2以上0.70g/m2以下である。その層の基材に対する担持量を0.02g/m2以上1.50g/m2以下とすることは、得られるセパレータにおいて、ポリマー層と基材との接着力を一層向上させる一方で、基材の孔を閉塞することによるサイクル特性(透過性)の低下を一層抑制する観点から好ましい。
ポリマー層の基材に対する担持量は、例えば、塗布液中の熱可塑性ポリマー含有量や熱可塑性ポリマー溶液の塗布量を変更することにより調整することができる。ただし、担持量の調整方法は上記に限定されない。
ポリマー層の表面被覆率は、例えば、後述のセパレータの製造方法において、基材に塗布する塗布液中の熱可塑性ポリマー含有量、塗布液の塗布量、塗布方法及び塗布条件を変更することにより調整することができる。ただし、表面被覆率の調整方法は、それらに限定されない。また、ポリマー層の表面被覆率は、下記実施例に記載の方法に準じて測定される。
特に、ポリマーブレンドやコアシェル構造は、ガラス転移温度の高いポリマーと低いポリマーとを組み合せることにより、熱可塑性ポリマー全体のガラス転移温度を制御できる。また、熱可塑性ポリマー全体に複数の機能を付与できる。
なお、コアシェル構造を備える熱可塑性ポリマーのシェルのガラス転移温度は、特に限定されないが、20℃未満が好ましく、15℃以下がより好ましく、−30℃以上15℃以下が更に好ましい。また、コアシェル構造を備える熱可塑性ポリマーのコアのガラス転移温度は、特に限定されないが、20℃以上が好ましく、20℃以上120℃以下がより好ましく、50℃以上120℃以下が更に好ましい。
さらに、シェル側の膨潤度が高く、コア側の膨潤度が低い方が好ましい。このような構造にすることにより、シェル側のポリマーが他の熱可塑性ポリマーを被膜化し易くなり、連続層を形成し易くなる一方で、コア側の膨潤度が低く被膜化し難いため、熱可塑性ポリマー粒子の全てが被膜化せず、シェル部だけが被膜化し、連続体を形成するために網目構造を形成し易くなる。
膨潤度は、架橋剤の添加量又は電解液に対して膨潤し易いモノマーの添加量を調整することにより、調整することができる。
ポリマー層を基材の少なくとも一方の面(片面)に担持する方法は、特に限定されない。
例えば、熱可塑性ポリマーを含有する塗布液を基材の少なくとも一方の面に塗布した後、必要に応じて塗布液の溶媒又は分散媒を除去する方法が挙げられる。上記塗布液としては、重合体粒子が媒体中に分散した分散体を用いることが好ましい。
上記ポリマー層に含まれる熱可塑性ポリマーの具体例において、上記1)共役ジエン系重合体は、共役ジエン化合物を単量体単位として含む重合体である。上記共役ジエン化合物としては、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン、置換直鎖共役ペンタジエン類、置換及び側鎖共役ヘキサジエン類などが挙げられ、これらは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。中でも、特に1,3−ブタジエンが好ましい。
また、共役ジエン系重合体は、後述する(メタ)アクリル系化合物または他の単量体を単量体単位として含んでいてもよい。
このような化合物としては、例えば、下記式(P1)で表される化合物が挙げられる。
CH2=CRY1−COO−RY2 (P1)
式(P1)中、RY1は水素原子又はメチル基を示し、RY2は水素原子または1価の炭化水素基を示す。RY2が1価の炭化水素基の場合は、置換基を有していてもよくかつ鎖内にヘテロ原子を有していてもよい。1価の炭化水素基としては、例えば、直鎖であっても分岐していてもよい鎖状アルキル基、シクロアルキル基及びアリール基が挙げられる。また、置換基としては、例えば、ヒドロキシル基及びフェニル基が挙げられ、ヘテロ原子としては、例えばハロゲン原子、酸素原子が挙げられる。(メタ)アクリル系化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
このような(メタ)アクリル系化合物としては、鎖状アルキル(メタ)アクリレート、シクロアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート、フェニル基含有(メタ)アクリレートを挙げることができる。
そのようなRY2を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体の具体例としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレートなどの鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート、フェニルアクリレート及びフェニルメタクリレートなどの芳香環を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。
そのようなシクロアルキル基を有する単量体としては、より具体的には、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、アダマンチルアクリレート及びアダマンチルメタクリレートが挙げられる。シクロアルキル基の脂環を構成する炭素原子の数は、4〜8が好ましく、6及び7がより好ましく、6が特に好ましい。また、シクロアルキル基は置換基を有していても有していなくてもよい。置換基としては、例えば、メチル基及びt−ブチル基が挙げられる。これらの中では、シクロヘキシルアクリレート及びシクロヘキシルメタクリレートがアクリル系重合体調製時の重合安定性が良好である点で好ましい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
ラジカル重合性の二重結合を2個以上有している単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
重合中又は重合後に自己架橋構造を与える官能基を有する単量体としては、例えば、エポキシ基を有する単量体、メチロール基を有する単量体、アルコキシメチル基を有する単量体、及び加水分解性シリル基を有する単量体が挙げられる。
さらに、アミノ基、スルホン酸基、リン酸基等の官能基を有する各種のビニル系単量体、及び酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ビニルピロリドン、メチルビニルケトン、ブタジエン、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等も必要に応じて使用できる。
これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。また、上記他の単量体は、上記各単量体のうち2種以上に同時に属するものであってもよい。
アクリル系重合体が、鎖状アルキル(メタ)アクリレートまたはシクロアルキル(メタ)アクリレートを単量体単位として有する場合、それらの含有割合の合計は、アクリル系重合体100質量%に対して、好ましくは、3〜92質量%であり、より好ましくは10〜90質量%であり、更に好ましくは15〜75質量%であり、特に好ましくは25〜55質量%である。これらの単量体の含有割合が3質量%以上であると耐酸化性の向上の点で好ましく、92質量%以下であると、基材との結着性が向上するため好ましい。
アクリル系重合体が、(メタ)アクリル酸を単量体単位として有する場合、その含有割合は、アクリル系重合体100質量%に対して、好ましくは0.1〜5質量%である。上記単量体の含有割合が、0.1質量%以上であると、セパレータは膨潤状態でのクッション性が向上する傾向にあり、5質量%以下であると、重合安定性が良好な傾向にある。
アクリル系重合体が、架橋性単量体を単量体単位として有する場合、アクリル系重合体における架橋性単量体の含有割合は、アクリル系重合体100質量%に対して、好ましくは0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.1〜5質量%であり、さらに好ましくは0.1〜3質量%である。上記単量体の含有割合が0.01質量%以上であると耐電解液性がさらに向上し、10質量%以下であると膨潤状態でのクッション性の低下をより抑制することができる。
上記界面活性剤は、単量体組成物100質量部に対して0.1〜5質量部用いることが好ましい。界面活性剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
ラジカル重合開始剤は、単量体組成物100質量部に対して、好ましくは0.05〜2質量部用いることができる。ラジカル重合開始剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
熱可塑性ポリマーのガラス転移温度(以下、「Tg」とも表記する。)は、特に限定されないが、−50℃以上であってもよく、好ましくは20℃以上であり、より好ましくは20℃〜120℃であり、さらに好ましくは20℃〜100℃である。熱可塑性ポリマーのTgが20℃以上であると、上記ポリマー層を備えるセパレータの最表面がべたつくのを抑制でき、ハンドリング性が向上する傾向にある。また、Tgが120℃以下であると、セパレータの電極(電極活物質)との密着性がより良好になる傾向にある。
また、「ガラス転移」はDSCにおいて試験片であるポリマーの状態変化に伴う熱量変化が吸熱側に生じたものを指す。このような熱量変化はDSC曲線において階段状変化の形状として観測される。「階段状変化」とは、DSC曲線において、曲線がそれまでの低温側のベースラインから離れ新たな高温側のベースラインに移行するまでの部分を示す。なお、階段状変化とピークとが組み合わされたものも階段状変化に含まれることとする。
さらに、「変曲点」とは、階段状変化部分のDSC曲線のこう配が最大になるような点を示す。また、階段状変化部分において、上側を発熱側とした場合に、上に凸の曲線が下に凸の曲線に変わる点と表現することもできる。「ピーク」とは、DSC曲線において、曲線が低温側のベースラインから離れてから再度同じベースラインに戻るまでの部分を示す。「ベースライン」とは、試験片に転移及び反応を生じない温度領域のDSC曲線のことを示す。
また、ポリマーのTgはFOXの式(下記式(2))より概算することができる。なお、熱可塑性ポリマーのガラス転移温度としては、上記DSCを用いた方法により測定したものを採用する。
1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+‥‥+Wi/Tgi+‥‥Wn/Tgn (2)
ここで、式(2)中において、Tg(K)は、コポリマーのTgを示し、Tgi(K)は、各モノマーiのホモポリマーのTgを示し、Wiは、各モノマーの質量分率を示す。
ゲル分率は、重合するモノマー成分及び各モノマーの投入比、重合条件を変更することにより調整することができる。
熱可塑性ポリマーの電解液に対する膨潤度(倍)=(Wa−Wb)÷Wb
熱可塑性ポリマーの膨潤度が1倍以上であることは、電解液との高い親和性の観点や、セパレータや電極との良好な接着性の観点から好ましい。一方、5倍以下であることは、熱可塑性ポリマーの十分な強度の観点や、セパレータや電極との良好な接着性の観点から好ましい。
次に、本発明における蓄電デバイス用セパレータについて説明する。このセパレータは、基材上にポリマー層を備えるため、電極活物質との接着性に優れる。
一方、熱可塑性ポリマーを含有する層の基材側にガラス転移温度の低い熱可塑性樹脂が多く存在することで、基材と熱可塑性ポリマーとの接着性が向上する結果、基材と熱可塑性樹脂との界面における剥離が抑制され、結果として電極への密着性に優れたセパレータが得られるものと考えられる。
次に、本発明における蓄電デバイスについて説明する。上記蓄電デバイスは、上記セパレータを備えるものであり、それ以外の構成は、従来知られているものと同様であってもよい。蓄電デバイスは、特に限定されないが、例えば、非水電解液電池等の電池、コンデンサー及びキャパシタが挙げられる。それらの中でも、非水電解液電池が好ましく、非水電解液二次電池がより好ましく、リチウムイオン二次電池が更に好ましい。以下、蓄電デバイスが非水電解液電池である場合についての好適な態様について説明する。
また、上記蓄電デバイスは、セパレータ、正極、および負極を平板状に形成した後、正極−セパレータ−負極−セパレータ−正極、又は負極−セパレータ−正極−セパレータ−負極の順に積層して積層体を得た後、外装体内に収容し、そこに電解液を注入する等の工程を経て製造することもできる。
なお、上記外装体としては、電池缶や袋状のフィルムを用いることができる。これらの中でも、上記セパレータによる作用効果による利益がより有効に得られる観点から、角型電池缶や袋状のフィルムを用いることが好ましい。
上記の加熱及び/又はプレスは電極とセパレータとを重ねて行うことができる。
例えば、上述の巻回体または積層体を形成して加熱及び/又はプレスを行うこともできる。
上記加熱及び/又はプレスは、電極およびセパレータを、外装体に収容する前に行ってもよく、外装体に収容した後に行ってもよく、さらには外装体に収容する前後で行ってもよい。
加熱及び/又はプレスを電極およびセパレータを外装体に収容した後に行う場合には、外装体に電解液を注入する前に行ってもよく、注入した後に行ってもよく、さらには、電解液を注入する前後に行ってもよい。
特に外装体として袋状のフィルムを使用する場合には、電極およびセパレータを外装体に収容した後、さらに電解液を注入後に加熱及び/又はプレスを行うことが好ましい。この際、電極およびセパレータのずれを防止する観点から、これらを外装体に収容する前に加熱及び/又はプレスを行うことが好ましい。
上記加熱時の温度としては、40〜120℃が好ましい。加熱時間は5秒〜30分が好ましい。
上記プレス時の圧力としては、1〜30MPaが好ましい。プレス時間は5秒〜30分が好ましい。
また、加熱とプレスの順序は、加熱をしてからプレスをしても、プレスをしてから加熱をしても、プレスと加熱を同時に行ってもよい。このなかでも、プレスと加熱を同時に行うことが好ましい。
ASTM−D4020に基づき、デカリン溶媒における135℃での極限粘度[η](dl/g)を求めた。
ポリエチレンについては、次式により算出した。
[η]=6.77×10−4Mv0.67
ポリプロピレンについては、次式によりMvを算出した。
[η]=1.10×10−4Mv0.80
10cm×10cm角の試料を多孔膜から切り取り、(株)島津製作所製の電子天秤AEL−200を用いて重量を測定した。得られた重量を100倍することで1m2当りの膜の目付け(g/m2)を算出した。
10cm×10cm角の試料を多孔膜から切り取り、その体積(cm3)と質量(g)を求め、多孔膜の密度を0.95(g/cm3)として、次式を用いて計算した。
気孔率(%)=(1−質量/体積/0.95)×100
カトーテック製のハンディー圧縮試験器KES−G5(商標)を用いて、開口部の直径11.3mmの試料ホルダーで多孔膜を固定した。次に固定された多孔膜の中央部を、針先端の曲率半径0.5mm、突刺速度2mm/secで、25℃雰囲気下にて突刺試験を行うことにより、最大突刺荷重として突刺強度(g)を得た。
多孔膜のキャピラリー内部の流体は、流体の平均自由工程がキャピラリーの孔径より大きいときはクヌーセンの流れに、小さい時はポアズイユの流れに従うことが知られている。そこで、微多孔膜の透気度測定における空気の流れがクヌーセンの流れに、また微多孔膜の透水度測定における水の流れがポアズイユの流れに従うと仮定する。
平均孔径d(μm)は、空気の透過速度定数Rgas(m3/(m2・sec・Pa))、水の透過速度定数Rliq(m3/(m2・sec・Pa))、空気の分子速度ν(m/sec)、水の粘度η(Pa・sec)、標準圧力Ps(=101325Pa)、気孔率ε(%)、膜厚L(μm)から、次式を用いて求めた。
d=2ν×(Rliq/Rgas)×(16η/3Ps)×106
ここで、Rgasは透気度(sec)から次式を用いて求められる。
Rgas=0.0001/(透気度×(6.424×10−4)×(0.01276×101325))
また、Rliqは透水度(cm3/(cm2・sec・Pa))から次式を用いて求められる。
Rliq=透水度/100
なお、透水度は次のように求められる。直径41mmのステンレス製の透液セルに、あらかじめエタノールに浸しておいた微多孔膜をセットし、該膜のエタノールを水で洗浄した後、約50000Paの差圧で水を透過させ、120sec間経過した際の透水量(cm3)より、単位時間・単位圧力・単位面積当たりの透水量を計算し、これを透水度とした。
また、νは気体定数R(=8.314)、絶対温度T(K)、円周率π、空気の平均分子量M(=2.896×10−2kg/mol)から次式を用いて求められる。
ν=((8R×T)/(π×M))1/2
(6−1)基材及び蓄電デバイス用セパレータ層の厚み(μm)
基材及び蓄電デバイス用セパレータからそれぞれMD10mm×TD10mmのサンプルを切り出し、格子状に9箇所(3点×3点)を選んで、膜厚を微小測厚器(東洋精機製作所(株) タイプKBM)を用いて室温23±2℃で測定した。各々、9箇所の測定値の平均値を、基材及び蓄電デバイス用セパレータの膜厚(μm)とした。
(6−2)ポリマー層の厚み(μm)
ポリマー層の厚みは、走査型電子顕微鏡(SEM)「型式S−4800、HITACHI社製」を用い、セパレータの断面観察により測定した。サンプルのセパレータを1.5mm×2.0mm程度に切り取り、ルテニウム染色した。ゼラチンカプセル内に染色サンプルとエタノールを入れ、液体窒素により凍結させた後、ハンマーでサンプルを割断した。サンプルをオスミウム蒸着し、加速電圧1.0kV、30000倍にて観察し、ポリマー層の厚みを算出した。なお、SEM画像にて基材断面の多孔構造が見えない最表面領域をポリマー層の領域とした。
(6−3)多孔膜及び多孔層の厚み
基材が、多孔膜と多孔層とを含む多層多孔膜である場合、それぞれの膜厚は以下のように測定する。多孔膜及び多層多孔膜からそれぞれMD10mm×TD10mmのサンプルを切り出し、格子状に9箇所(3点×3点)を選んで、膜厚をダイヤルゲージ(尾崎製作所製PEACOCK No.25(登録商標))を用いて測定し、9箇所の測定値の平均値を多孔膜及び多層多孔膜の膜厚(μm)とした。また、このように測定された多層多孔膜の膜厚と多孔膜の膜厚との差を多孔層の層厚(μm)とした。
JIS P−8117準拠のガーレー式透気度計(東洋精機製G−B2(商標)、内筒質量:567g)を用い、645mm2の面積(直径28.6mmの円)の基材及びセパレータについて、空気100ccが通過する時間(秒)を測定し、これを基材及びセパレータの透気度(秒/100cc)とした。
走査型電子顕微鏡S−4800(株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用い、倍率1万倍でセパレータ上のポリマー層の表面を写真撮影し、その写真(デジタル画像)に単色化処理を施した。次に、単色化処理を施されたデジタル画像の各画素の明度を集計して、明度ヒストグラムを作成した。ここで、頻度が最も高い明度(最頻明度)を抽出し、最頻明度の半値を、デジタル画像を二値化するための閾値に設定した。そして、設定された閾値を用いて、単色化処理を施されたデジタル画像に二値化処理を施した。続いて、二値化処理を施されたデジタル画像において、黒色で塗りつぶされた画素の占める面積から、黒色で塗りつぶされた面積を算出した。その後(黒色で塗りつぶされた面積)/(デジタル画像全体の面積)により、開口率を算出した。そして、開口率の3視野分の平均をとり、最終的な開口率を算出した。ここで、写真(デジタル画像)のデータ処理(単色化処理、明度ヒストグラム生成、二値化処理、開口率算出)は、画像処理ソフトウェア「A像くん」(登録商標;旭化成エンジニアリング株式会社製)を用いて自動的に行った。セパレータを電解液に浸漬した後の粒状の熱可塑性ポリマーの開口率は、セパレータを非水電解質に浸漬した後に、上記写真撮影を行って求める。非水電解質としては、炭酸エチレン/炭酸ジエチル=50/50(重量比)の混合溶媒を用い、非水電解液にセパレータを24時間浸漬し、105℃で5時間減圧乾燥して、非水電解液に浸漬した後のセパレータを得た。
熱可塑性ポリマーの塗工液(不揮発分=38〜42%、pH=9.0)を、アルミ皿に適量とり、130℃の熱風乾燥機で30分間乾燥した。乾燥後の乾燥皮膜約17mgを測定用アルミ容器に詰め、DSC測定装置(島津製作所社製、DSC6220)にて窒素雰囲気下におけるDSC曲線及びDDSC曲線を得た。なお測定条件は下記の通りとした。
(1段目昇温プログラム)
70℃スタート、毎分15℃の割合で昇温。110℃に到達後5分間維持。
(2段目降温プログラム)
110℃から毎分40℃の割合で降温。−50℃に到達後5分間維持。
(3段目昇温プログラム)
−50℃から毎分15℃の割合で130℃まで昇温。この3段目の昇温時にDSC及びDDSCのデータを取得。
そして、ベースライン(得られたDSC曲線におけるベースラインを高温側に延長した直線)と、変曲点(上に凸の曲線が下に凸の曲線に変わる点)における接線との交点をガラス転移温度(Tg)とした。
テフロン(登録商標)板上に、熱可塑性ポリマーの塗工液(不揮発分=38〜42%、pH=9.0の)をスポイトで滴下し(直径5mm以下)、130℃の熱風乾燥機で30分間乾燥した。乾燥後、乾燥皮膜を約0.5g精秤(a)し、それを50mLポリエチレン容器に取り、そこに30mLのトルエンを注ぎ入れ3時間室温で振とうした。その後、内容物を325メッシュでろ過し、メッシュ上に残ったトルエン不溶分をメッシュごと、130℃の熱風乾燥機で1時間乾燥させた。なお、ここで使用する325メッシュはあらかじめその乾燥重量を量っておいた。
その後、トルエンを揮発させた後、トルエン不溶分の乾燥体と325メッシュの重量から、あらかじめ量っておいた325メッシュ重量を差し引くことでトルエン不溶分の乾燥重量(b)を得た。ゲル分率(トルエン不溶分)は、以下の計算式で算出した。
熱可塑性ポリマーのゲル分率(トルエン不溶分)(%)=(b)/(a)×100
熱可塑性ポリマー又は熱可塑性ポリマーを分散させた溶液を130℃のオーブン中に1時間静置した後、乾燥させた熱可塑性ポリマーを0.5gになるように切り取り、エチレンカーボネート:エチルメチルカーボネート=1:2(体積比)の混合溶媒10gと一緒に50mLのバイアル瓶に入れ、3時間浸透させた後、サンプルを取り出し、上記混合溶媒にて洗浄し、重量(Wa)を測定した。その後、150℃のオーブン中に1時間静置したあと重量(Wb)を測定し、以下の式より熱可塑性ポリマーの電解液に対する膨潤度を測定した。
なお、上記混合溶媒には電解質が含まれていないが、電解質の有無に係わらず、熱可塑性ポリマーの膨潤度に差がないことを確認した。
熱可塑性ポリマーの電解液に対する膨潤度(倍)=(Wa−Wb)/(Wb)
蓄電デバイス用セパレータの最表面に存在する熱可塑性ポリマーに対する粒状熱可塑性ポリマーの面積割合(S)は、以下の式より算出した。
S(%)=(粒状熱可塑性ポリマーの面積)/(セパレータの最表面に存在する熱可塑性ポリマーの全面積)×100
ただし、粒状熱可塑性ポリマーの面積は、走査型電子顕微鏡(SEM)「型式S−4800、HITACHI社製」を用いて測定した。蓄電デバイス用セパレータをオスミウム蒸着し、加速電圧1.0kV、30000倍にて観察することにより測定した。
熱可塑性ポリマーの平均粒径は、粒子径測定装置(日機装株式会社製、Microtrac UPA150)を使用し、測定した。測定条件としては、ローディングインデックス=0.15〜0.3、測定時間300秒とし、得られたデータにおいて50%粒子径の数値を粒子径として記載した。
10cm×10cm角の試料を基材(ポリオレフィン微多孔膜、又は、ポリオレフィン微多孔膜+無機フィラー多孔層)から切り取り、(株)島津製作所製の電子天秤AEL−200を用いて重量を測定した。得られた重量を100倍することで1m2当りの基材の目付け(g/m2)を算出した。次に、10cm×10cm角の試料をセパレータ(ポリマー層+基材)から切り取り、(株)島津製作所製の電子天秤AEL−200を用いて重量を測定した。得られた重量を100倍することで1m2当りのセパレータの目付け(g/m2)を算出した。1m2当りのセパレータの目付け(g/m2)から1m2当りの基材の目付け(g/m2)を減算することにより、1m2当りのポリマー層の目付け(g/m2)(ポリマー層の基材に対する担持量)を算出した。
被着体として正極集電体(冨士加工紙(株)製アルミニウム箔、厚さ:20μm)を30mm×150mmに切り取る。一方、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを2:3の比率(体積比)にて混合した電解液(富山薬品工業製)に、セパレータ(サイズ:幅20mm、長さ100mm)を浸漬して十分に濡らした後に引き上げる。次いで、上記集電体に十分に濡らしたセパレータをそのポリマー層側から重ね合わせた後、それらを2枚のテフロン(登録商標)シート(ニチアス(株)製ナフロンPTFEシート TOMBO−No.9000(製品名))で挟む。それらに対して80℃、10MPaの条件で、2分間プレスを行って得られた積層体を加熱剥離強度試験用(条件1)のサンプルとする。得られた試験用サンプルのセパレータと集電体との間の90°剥離強度を、(株)イマダ製のフォースゲージZP5N及びMX2−500N(製品名)を用いて、引張速度50mm/分で測定する。
◎:剥離強度が、8mN/mm以上
○:剥離強度が、6mN/mm以上8mN/mm未満
△:剥離強度が、4mN/mm以上6mN/mm未満
×:剥離強度が、4mN/mm未満
基材を幅2cm×長さ15cmに2枚切りとり、熱可塑性ポリマーの塗工面が向い合せになるようにして、25℃、5MPaにて3分間プレスして得られた積層体をハンドリング性の試験用のサンプルとする。得られた試験用サンプルの基材間の90°剥離強度を、(株)イマダ製のフォースゲージZP5N及びMX2−500N(製品名)を用いて、引張速度50mm/分で測定する。
ハンドリング性(常温剥離強度)の評価基準
○:常温剥離強度が、20mN/mm以下
△:常温剥離強度が、20mN/mm超40mN/mm以下
×:常温剥離強度が、40mN/mm超
a.正極の作製
正極活物質としてニッケル、マンガン、コバルト複合酸化物(NMC)(Ni:Mn:Co=1:1:1(元素比)、密度4.70g/cm3)を90.4質量%、導電助材としてグラファイト粉末(KS6)(密度2.26g/cm3、数平均粒子径6.5μm)を1.6質量%とアセチレンブラック粉末(AB)(密度1.95g/cm3、数平均粒子径48nm)を3.8質量%、バインダとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)(密度1.75g/cm3)を4.2質量%の比率で混合し、これらをN−メチルピロリドン(NMP)中に分散させてスラリーを調製した。このスラリーを正極集電体となる厚さ20μmのアルミニウム箔の片面にダイコーターを用いて塗布し、130℃で3分間乾燥後、ロールプレス機を用いて圧縮成形した。このときの正極活物質塗布量が109g/m2であった。
負極活物質としてグラファイト粉末A(密度2.23g/cm3、数平均粒子径12.7μm)を87.6質量%とグラファイト粉末B(密度2.27g/cm3、数平均粒子径6.5μm)を9.7質量%、バインダとしてカルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩1.4質量%(固形分換算)(固形分濃度1.83質量%水溶液)とジエンゴム系ラテックス1.7質量%(固形分換算)(固形分濃度40質量%水溶液)を精製水中に分散させてスラリーを調製した。このスラリーを負極集電体となる厚さ12μmの銅箔の片面にダイコーターで塗布し、120℃で3分間乾燥後、ロールプレス機で圧縮成形した。このときの負極活物質塗布量が5.2g/m2であった。
エチレンカーボネート:エチルメチルカーボネート=1:2(体積比)の混合溶媒に、溶質としてLiPF6を濃度1.0mol/Lとなるように溶解させて調製した。
ポリオレフィン微多孔膜を24mmφ、正極及び負極を16mmφの円形に切り出し、正極と負極の活物質面が対向するように、負極、ポリオレフィン微多孔膜、正極の順に重ね、蓋付きステンレス金属製容器に収容した。容器と蓋とは絶縁されており、容器は負極の銅箔と、蓋は正極のアルミニウム箔と接していた。この容器内に前記非水電解液を0.4ml注入して密閉した。
d.で組み立てた簡易電池を、25℃において、電流値3mA(約0.5C)で電池電圧4.2Vまで充電し、さらに4.2Vを保持するようにして電流値を3mAから絞り始めるという方法で、合計約6時間、電池作成後の最初の充電を行い、その後電流値3mAで電池電圧3.0Vまで放電した。
次に、25℃において、電流値6mA(約1.0C)で電池電圧4.2Vまで充電し、さらに4.2Vを保持するようにして電流値を6mAから絞り始めるという方法で、合計約3時間充電を行い、その後電流値6mAで電池電圧3.0Vまで放電して、その時の放電容量を1C放電容量(mAh)とした。
次に、25℃において、電流値6mA(約1.0C)で電池電圧4.2Vまで充電し、さらに4.2Vを保持するようにして電流値を6mAから絞り始めるという方法で、合計約3時間充電を行い、その後電流値12mA(約2.0C)で電池電圧3.0Vまで放電して、その時の放電容量を2C放電容量(mAh)とした。
1C放電容量に対する2C放電容量の割合を算出し、この値をレート特性とした。
レート特性(%)=(2C放電容量/1C放電容量)×100
レート特性(%)の評価基準
◎:レート特性が、90%超
○:レート特性が、85%超90%以下
△:レート特性が、80%超85%以下
×:レート特性が、80%以下
a.正極の作製
正極活物質としてニッケル、マンガン、コバルト複合酸化物(NMC)(Ni:Mn:Co=1:1:1(元素比)、密度4.70g/cm3)を90.4質量%、導電助材としてグラファイト粉末(KS6)(密度2.26g/cm3、数平均粒子径6.5μm)を1.6質量%とアセチレンブラック粉末(AB)(密度1.95g/cm3、数平均粒子径48nm)を3.8質量%、バインダとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)(密度1.75g/cm3)を4.2質量%の比率で混合し、これらをN−メチルピロリドン(NMP)中に分散させてスラリーを調製した。このスラリーを正極集電体となる厚さ20μmのアルミニウム箔の片面にダイコーターを用いて塗布し、130℃で3分間乾燥後、ロールプレス機を用いて圧縮成形した。このときの正極活物質塗布量が109g/m2であった。
負極活物質としてグラファイト粉末A(密度2.23g/cm3、数平均粒子径12.7μm)を87.6質量%とグラファイト粉末B(密度2.27g/cm3、数平均粒子径6.5μm)を9.7質量%、バインダとしてカルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩1.4質量%(固形分換算)(固形分濃度1.83質量%水溶液)とジエンゴム系ラテックス1.7質量%(固形分換算)(固形分濃度40質量%水溶液)を精製水中に分散させてスラリーを調製した。このスラリーを負極集電体となる厚さ12μmの銅箔の片面にダイコーターで塗布し、120℃で3分間乾燥後、ロールプレス機で圧縮成形した。このときの負極活物質塗布量が5.2g/m2であった。
エチレンカーボネート:エチルメチルカーボネート=1:2(体積比)の混合溶媒に、溶質としてLiPF6を濃度1.0mol/Lとなるように溶解させて調製した。
セパレータを24mmφ、正極及び負極を16mmφの円形に切り出し、正極と負極の活物質面が対向するように、負極、セパレータ、正極の順に重ね、蓋付きステンレス金属製容器に収容した。容器と蓋とは絶縁されており、容器は負極の銅箔と、蓋は正極のアルミニウム箔と接していた。この容器内に前記非水電解液を0.4ml注入して密閉した。
セパレータとして各実施例及び比較例で得たセパレータを使用して上記a〜dのように組み立てた簡易電池を用いて、サイクル特性の評価を行った。
上記の電池を、1/3Cの電流値で電圧4.2Vまで定電流充電した後、4.2Vの定電圧充電を8時間行い、その後1/3Cの電流で3.0Vの終止電圧まで放電を行った。次に、1Cの電流値で電圧4.2Vまで定電流充電した後、4.2Vの定電圧充電を3時間行い、更に1Cの電流で3.0Vの終止電圧まで放電を行った。最後に1Cの電流値で4.2Vまで定電流充電をした後、4.2Vの定電圧充電を3時間行い、前処理とした。なお、1Cとは電池の基準容量を1時間で放電する電流値を表す。
上記前処理を行った電池を、温度25℃の条件下で、放電電流1Aで放電終止電圧3Vまで放電を行った後、充電電流1Aで充電終止電圧4.2Vまで充電を行った。これを1サイクルとして充放電を繰り返した。そして、初期容量(第1回目のサイクルにおける容量)に対する200サイクル後の容量保持率を用いて、以下の基準でサイクル特性を評価した。
◎:レート特性が、90%超
○:レート特性が、85%超90%以下
△:レート特性が、80%超85%以下
×:レート特性が、80%以下
(基材B1−1の製造)
Mvが70万であり、ホモポリマーの高密度ポリエチレンを45質量部と、
Mvが30万であり、ホモポリマーの高密度ポリエチレンを45質量部と、
Mvが40万であるホモポリマーのポリプロピレンと、
Mvが15万であるホモポリマーのポリプロピレンとの混合物(質量比=4:3)10質量部とを、
タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドした。
また、流動パラフィン(37.78℃における動粘度7.59×10−5m2/s)を押出機シリンダーにプランジャーポンプにより注入した。
上記方法で基材B1−1を製造した。次に、水酸化酸化アルミニウム(平均粒径1.0μm)96.0質量部、アクリルラテックス(固形分濃度40%、平均粒径145nm、最低成膜温度0℃以下)4.0質量部、及びポリカルボン酸アンモニウム水溶液(サンノプコ社製 SNディスパーサント5468)1.0質量部を100質量部の水に均一に分散させて塗布液を調製した。続いて、その塗布液を、ポリオレフィン樹脂多孔膜(基材B1−1)の表面にマイクログラビアコーターを用いて塗布した。その後、60℃にて乾燥して水を除去した。このようにして、ポリオレフィン樹脂多孔膜(基材B1−1)上に水酸化酸化アルミニウム(無機フィラーの多孔層)を厚さ2μmで形成した、基材B2−1を得た。
水分散体(表中「原料ポリマー」と表記。以下同様。)A1の合成
撹拌機、還流冷却器、滴下槽及び温度計を取りつけた反応容器に、イオン交換水70.4質量部と、「アクアロンKH1025」(登録商標、第一工業製薬株式会社製25%水溶液、表中「KH1025」と表記。以下同様。)0.5質量部と、「アデカリアソープSR1025」(登録商標、株式会社ADEKA製25%水溶液、表中「SR1025」と表記。以下同様。)0.5質量部と、を投入し、反応容器内部温度を80℃に昇温し、80℃の温度を保ったまま、過硫酸アンモニウム(2%水溶液)(表中「APS(aq)」と表記。以下同様。)を7.5質量部添加した。
モノマー及びその他の使用原料の組成を、表2に記載のとおりに変更する以外は、原料ポリマー(水分散体)A1と同様にして、アクリル系コポリマーラテックスを得た(原料ポリマーA2〜A3)。得られた原料ポリマー(水分散体)A2〜A3について、上記方法により評価した。得られた結果を表2に示す。
上記製造例A1で得た水分散体A1の一部をとり、これをシードポリマーとする多段重合を行うことにより、水分散体A1−1を合成した。
撹拌機、還流冷却器、滴下槽、及び温度計を取り付けた反応容器に、上記水分散体A1を固形分換算で20質量部、アクアロンKH1025(登録商標)0.5質量部、及びアデカリアソープSR1025(登録商標)0.5質量部を投入し、反応容器内部温度を80℃に昇温した。その後、80℃の容器内部温度を保ったまま、過硫酸アンモニウム(2%水溶液)を7.5質量部添加した。以上が初期仕込みである。
得られた乳化液を滴下槽から上記反応容器に滴下した。滴下は反応容器に過硫酸アンモニウム水溶液を添加した5分後に開始し、150分かけて乳化液の全量を滴下した。乳化液の滴下中は、容器内部温度を80℃に維持した。
シードポリマー、モノマー及びその他使用原料の組成を、それぞれ、表3に記載のとおりに変更する以外は、原料ポリマー(水分散体)A1−1と同様にして、多段重合によって各コポリマーラテックスを得た。得られた原料ポリマー(水分散体)について、それぞれ、上記方法により評価した。得られた結果を表3に示す。
また、シェル側のみの水分散体の物性を確認するために、シェル部分のみの組成を用いて水分散体C1−1を合成した。
撹拌機、還流冷却器、滴下槽及び温度計を取りつけた反応容器に、イオン交換水70.4質量部と、「アクアロンKH1025」(登録商標、第一工業製薬株式会社製25%水溶液、表中「KH1025」と表記。以下同様。)0.5質量部と、「アデカリアソープSR1025」(登録商標、株式会社ADEKA製25%水溶液、表中「SR1025」と表記。以下同様。)0.5質量部と、を投入し、反応容器内部温度を80℃に昇温し、80℃の温度を保ったまま、過硫酸アンモニウム(2%水溶液)(表中「APS(aq)」と表記。以下同様。)を7.5質量部添加した。
モノマー及びその他の使用原料の組成を、表4に記載のとおりに変更する以外は、原料ポリマー(水分散体)C1−1と同様にして、アクリル系コポリマーラテックスを得た(原料ポリマーC1−2〜C3−2)。得られた原料ポリマー(水分散体)C1−2〜C3−2について、上記方法により評価した。得られた結果を表4に示す。
<乳化剤>
KH1025:アクアロンKH1025、第一工業製薬株式会社製、25%水溶液
SR1025:アデカリアソープSR1025、株式会社ADEKA製、25%水溶液
NaSS:p−スチレンスルホン酸ナトリウム
<開始剤>
APS:過硫酸アンモニウム(2%水溶液)
<単量体>
(酸モノマー)
MAA:メタクリル酸
AA:アクリル酸
((メタ)アクリル酸エステル)
MMA:メタクリル酸メチル
BA:アクリル酸n−ブチル
BMA:メタクリル酸n−ブチル
EHA:アクリル酸2−エチルヘキシル
CHMA:メタクリル酸シクロヘキシル
(その他の官能基含有モノマー)
HEMA:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
AM:アクリルアミド
(架橋性単量体)
GMA:メタクリル酸グリシジル
A−TMPT:トリメチロールプロパントリアクリレート
AcSi:γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
固形分で100質量部の水分散体A1−1を水に均一に分散させて、熱可塑性ポリマーを含む塗布液(固形分15質量%)を調製した。次いで、基材B1−1の片面にグラビアコーターを用いて、ポリマー層が全面を覆うように塗布液を塗布した。その後、60℃にて塗布後の塗布液を乾燥して水を除去した。さらに、基材B1−1のもう片面にも同様に塗布液を塗布し、再度上記と同様にして乾燥させた。こうして、基材B1−1の両面にポリマー層を形成したセパレータを得た。得られたセパレータについて、上記方法により、各種特性を評価した。得られた結果を表5に示す。
水分散体をA1−2とした以外は、実施例1の場合と同様の方法でセパレータを作製した。得られたセパレータについて、上記方法により、各種特性を評価した。得られた結果を表5に示す。
水分散体をA1−4とした以外は、実施例1の場合と同様の方法でセパレータを作製した。得られたセパレータについて、上記方法により、各種特性を評価した。得られた結果を表5に示す。
水分散体をA1−5とした以外は、実施例1の場合と同様の方法でセパレータを作製した。得られたセパレータについて、上記方法により、各種特性を評価した。得られた結果を表5に示す。
水分散体をA1−7とした以外は、実施例1の場合と同様の方法でセパレータを作製した。得られたセパレータについて、上記方法により、各種特性を評価した。得られた結果を表5に示す。
水分散体をA2−3とした以外は、実施例1の場合と同様の方法でセパレータを作製した。得られたセパレータについて、上記方法により、各種特性を評価した。得られた結果を表5に示す。
水分散体をA3とA3−2の混合物とした以外は、実施例1の場合と同様の方法でセパレータを作製した。得られたセパレータについて、上記方法により、各種特性を評価した。得られた結果を表5に示す。
基材をB2−1とした以外は、実施例7の場合と同様の方法でセパレータを作製した。得られたセパレータについて、上記方法により、各種特性を評価した。得られた結果を表5に示す。
水分散体をA1−3とした以外は、実施例1の場合と同様の方法でセパレータを作製した。得られたセパレータについて、上記方法により、各種特性を評価した。得られた結果を表5に示す。
製造方法において、塗布液中の固形分を8%とした以外は、比較例1の場合と同様の方法でセパレータを作製した。得られたセパレータについて、上記方法により、各種特性を評価した。得られた結果を表5に示す。
水分散体をA1−6とした以外は、実施例1の場合と同様の方法でセパレータを作製した。得られたセパレータについて、上記方法により、各種特性を評価した。得られた結果を表5に示す。
水分散体をA2−4とした以外は、実施例1の場合と同様の方法でセパレータを作製した。得られたセパレータについて、上記方法により、各種特性を評価した。得られた結果を表5に示す。
水分散体をA2−5とした以外は、実施例1の場合と同様の方法でセパレータを作製した。得られたセパレータについて、上記方法により、各種特性を評価した。得られた結果を表5に示す。
Claims (3)
- 少なくとも多孔膜を含む基材と、前記基材の少なくとも一つの面の少なくとも一部の領域に形成された熱可塑性ポリマー層と、を備える蓄電デバイス用セパレータであって、
該熱可塑性ポリマー層に含まれる熱可塑性ポリマーが、コアシェル構造を備える粒子であってコアのガラス転移温度が20℃以上であり、かつシェルのガラス転移温度が20℃未満である粒子であり、
該セパレータを炭酸エチレン/炭酸ジエチル=50/50(重量比)の混合溶媒に浸漬した後の、該熱可塑性ポリマー層表面の単位面積当たりの投影面における開口率が1%〜20%であり、かつ
該開口率は、該セパレータを該混合溶媒に24時間浸漬し、105℃で5時間減圧乾燥し、電子顕微鏡又は原子間力顕微鏡で該熱可塑性ポリマー層表面の観察画像を得て、該観察画像を単色化し、次に、単色化画像の各画素の明度を集計して、明度ヒストグラムを作成し、該明度ヒストグラムから最頻明度を抽出し、該最頻明度の半値を閾値として設定し、該閾値を用いて該単色化画像に二値化処理を施し、該単色化画像において閾値以下の明度の画素を単色で塗りつぶし、単色で塗りつぶされた画素から、単色で塗りつぶされた面積を算出し、該単色で塗りつぶされた面積を該単色化画像の全体の面積で除することにより百分率として算出される、蓄電デバイス用セパレータ。 - 前記熱可塑性ポリマーのエチレンカーボネート:エチルメチルカーボネート=1:2(体積比)の混合溶媒に対する膨潤度において、前記コアシェル構造を備える粒子のシェル側の膨潤度が、コア側の膨潤度と同等であるか、又はコア側の膨潤度より大きい、請求項1に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
- 前記熱可塑性ポリマーのエチレンカーボネート:エチルメチルカーボネート=1:2(体積比)の混合溶媒に対する膨潤度が、5倍以下である、請求項1又は2に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
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