JP6717715B2 - レギュレータ回路およびセンサ回路 - Google Patents

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Description

本発明は、レギュレータ回路およびセンサ回路に関する。
従来、入力された電源電圧VDDに応じて動作し、出力の平均電圧Vaveが一定となるように制御するレギュレータ回路が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1 国際公開第2010/027658号
しかしながら、従来のレギュレータ回路は、電源電圧VDDが平均電圧Vaveを大きく下回った場合、出力を維持することができない。
本発明の第1の態様においては、電源電圧が入力され、電源電圧の振幅を低減して出力するプリレギュレータ部と、振幅が低減された電源電圧により動作するレギュレータ部とを備えるレギュレータ回路を提供する。
本発明の第2の態様においては、第1の態様に係るレギュレータ回路と、レギュレータ回路の出力に応じて動作するセンサ部と、電源電圧で動作し、センサ部の出力を外部に出力する出力回路とを備え、出力回路に入力される電源電圧は、レギュレータ部を介さずに入力されるセンサ回路を提供する。
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
センサ回路200の構成の概要を示す。 実施例1に係るレギュレータ回路100の構成の一例を示す。 プリレギュレータ部10が出力する電圧VDDXの一例を示す。 比較例1に係るレギュレータ回路500の構成の一例を示す。 レギュレータ回路500の動作の一例を示す。 実施例2に係るレギュレータ回路100の構成の一例を示す。 実施例2に係るレギュレータ回路100の具体的な構成の一例を示す。 実施例3に係るレギュレータ回路100の構成の一例を示す。 実施例4に係るレギュレータ回路100の構成の一例を示す。 出力回路130の構成の一例を示す。 出力回路130の具体的な構成の一例を示す。 比較例に係る出力回路530を示す。 PM10およびNM8の各ゲート端子間の電流経路を示す。 出力回路130がVPGATEの低下を防止する概念図を示す。 実施例に係る出力回路130の縦構造の一例を示す。 比較例に係る出力回路530の縦構造の一例を示す。 実施例に係るPM2,PM4,PD4,ND4,NM7の縦構造の一例を示す。 比較例に係るPM2,PM4,NM7の縦構造の一例を示す。 実施例に係るPM2,PM4,PD4,ND4,NM7の縦構造の一例を示す。 比較例に係るPM2,PM4,NM7の縦構造の一例を示す。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、センサ回路200の構成の概要を示す。本例のセンサ回路200は、レギュレータ回路100、センサ部110、集積回路120、出力回路130およびキャパシタC0を備える。
レギュレータ回路100は、電源端子に接続され、電源電圧VDDが入力される。レギュレータ回路100は、電源電圧VDDに応じたレギュレータ電圧VREGを生成する。レギュレータ回路100は、生成したレギュレータ電圧VREGをセンサ部110および集積回路120に出力する。本例のレギュレータ回路100は、電源電圧VDDの振幅を低減し、その後、レギュレータ電圧VREGを生成する。これにより、レギュレータ回路100は、安定したレギュレータ電圧VREGを生成する。
センサ部110は、レギュレータ電圧VREGにより動作する。センサ部110は、一定となるように調整されたレギュレータ電圧VREGにより、予め定められた検出信号を出力する。例えば、センサ部110は、磁気センサ、電流センサ等の任意のセンサである。センサ部110は、車載用のセンサであってよい。
集積回路120は、レギュレータ電圧VREGにより動作する。集積回路120は、センサ部110が検出した信号を処理する。集積回路120は、処理した検出信号を出力回路130に出力する。なお、キャパシタC0は、センサ部110および集積回路120と並列に設けられてよい。例えば、センサ部110および集積回路120は、レギュレータ電圧VREGが低下した場合に、キャパシタC0に蓄積された電荷により動作する。
出力回路130は、電源端子に接続され、電源電圧VDDが入力される。出力回路130は、電源電圧VDDにより動作する。即ち、出力回路130は、レギュレータ回路100を介さずに電源電圧VDDが直接入力される。出力回路130は、集積回路120が処理した信号を出力電圧OUTとして出力端子から出力する。これにより、出力回路130は、センサ部110が検出した信号を外部に出力する。本例の出力回路130は、電源電圧VDDが振幅を低減せずに入力されるので、電源電圧VDDをフルレンジで用いることができる。
[実施例1]
図2は、実施例1に係るレギュレータ回路100の構成の一例を示す。本例のレギュレータ回路100は、プリレギュレータ部10およびレギュレータ部20を備える。
プリレギュレータ部10は、電源端子に接続され、電源電圧VDDが入力される。プリレギュレータ部10は、電源電圧VDDの振幅を低減して、電圧VDDXを出力する。プリレギュレータ部10は、バイアス部11、切替部12およびキャパシタC1,C2を備える。本例の切替部12は、ダイオード接続されたトランジスタNMOS1を備える。
バイアス部11は、電源端子に接続され、一定の電圧VXを出力する。本例のバイアス部11は、電源電圧VDDの大きさによらず、電圧VXが予め定められた電圧となるように維持する。例えば、電圧VXは5Vに維持される。バイアス部11は、電源端子およびトランジスタNMOS1のゲート端子に接続されている。
切替部12は、電源端子とレギュレータ部20との間に設けられる。切替部12は、電源端子とレギュレータ部20とを接続するか否かを切り替える。本例の切替部12は、電源電圧VDDの振幅を低減して出力する。切替部12は、電源電圧VDDが第1基準値を超えた場合にオンされ、電源電圧VDDが第1基準値以下の場合にオフされる。例えば、第1基準値は、トランジスタNMOS1のゲート端子が電圧VXに設定され、トランジスタNMOS1のドレイン端子が電源電圧VDDに設定された場合に、トランジスタNMOS1に電流が流れなくなる電源電圧VDDの値である。即ち、第1基準値は、電圧VXおよびトランジスタNMOS1の特性に応じて決まる。
一例において、切替部12は、オンされた場合、電圧VDDXとして電源電圧VDDの振幅を低減した電圧を出力する。本例の切替部12は、トランジスタNMOS1のインピーダンスに応じて、電源電圧VDDの振幅を低減する。一方、切替部12は、オフされた場合、電源端子とレギュレータ部20との接続を遮断する。トランジスタNMOS1がオフされた場合、電圧VDDXは、キャパシタC1に蓄積された電荷に応じた電圧となる。
キャパシタC1は、一端が切替部12とレギュレータ部20との間の接続ノードに接続され、他端がGNDに設定されている。キャパシタC1は、第1容量部の一例である。キャパシタC1は、切替部12が電源端子とレギュレータ部20との接続を遮断した場合に、レギュレータ部20に電力を供給する。
キャパシタC2は、一端がバイアス部11と電源端子との間の接続ノードに接続され、他端がバイアス部11とトランジスタNMOS1のゲート端子との間の接続ノードに接続されている。キャパシタC2は、電源電圧VDDと電圧VXとの差分に相当する電圧に応じた電荷を蓄積する。例えば、キャパシタC2は、電源電圧VDDが低下した場合に、トランジスタNMOS1のドレイン端子に電流を供給する。
レギュレータ部20は、入力された電圧VDDXに応じて、レギュレータ電圧VREGを出力する。即ち、レギュレータ部20には、電源電圧VDDの振幅が低減された電圧が入力されている。そのため、本例のレギュレータ部20は、電源電圧VDDが揺れた場合であっても、安定したレギュレータ電圧VREGを出力できる。レギュレータ部20の出力端子には、キャパシタC3が設けられてよい。
図3は、プリレギュレータ部10が出力する電圧VDDXの一例を示す。縦軸は、電圧[V]を示し、横軸は、時間[Time]を示す。グラフの各曲線は、電源電圧VDD、電圧VDDXおよびレギュレータ電圧VREGを示す。
電源電圧VDDは、予め定められた周期を有し、平均電圧がVaveとなる。電源電圧VDDの最大電圧がVhighであり、最低電圧がVlowである。平均電圧Vaveは、定常的に必要な電源電圧VDDの値であってよい。
電圧VDDXは、電源電圧VDDと略同一の周期を有する。但し、電圧VDDXの振幅は、電源電圧VDDの振幅よりも低減されている。電圧VDDXの振幅の低減量は、最大電圧Vhigh側と最低電圧Vlow側とで異なる。即ち、電圧VDDXの波形は、グラフ上で上下対象ではない。電圧VDDXの振幅が低減されていることにより、電源電圧VDDがノイズ等により不規則に変動した場合であっても、電源電圧VDDよりも電圧VDDXの変動量が小さくなる。例えば、電源電圧VDDが変動して0Vを下回った場合であっても、電圧VDDXが0V以上に維持される。
レギュレータ電圧VREGは、電圧VDDXに基づいて、安定した電圧値となるように制御されている。レギュレータ電圧VREGは、電圧VDDXが所定の値よりも高い場合は一定値となるように制御される。但し、レギュレータ電圧VREGは、電圧VDDXが所定の値よりも降下した場合、電圧VDDXの降下量に応じて降下する。
本例のプリレギュレータ部10は、電圧VDDXの振幅を電源電圧VDDの振幅よりも低減しているので、電源電圧VDDが出力の平均電圧Vaveを大きく下回ってもレギュレータ電圧VREGを維持できる。例えば、プリレギュレータ部10は、電圧VDDXの最低電圧が0Vより大きくなるように、電圧VDDXの振幅を制御する。この場合、電源電圧VDDが0Vを下回る車載装置においても有効である。
[比較例1]
図4は、比較例1に係るレギュレータ回路500の構成の一例を示す。本例のレギュレータ回路500は、レギュレータ部520およびキャパシタC3を備える。但し、レギュレータ回路500は、プリレギュレータ部を有さない。本例では、実施例1との相違点について特に説明する。
レギュレータ部520は、電源端子に直接接続されている。即ち、レギュレータ部520には、振幅の低減されていない電源電圧VDDがそのまま入力されている。レギュレータ部520は、電源電圧VDDに応じてレギュレータ電圧VREGを出力する。即ち、レギュレータ部520は、電源電圧VDDがノイズにより揺れた場合、電源電圧VDDの影響を受やすい。
図5は、レギュレータ回路500の動作の一例を示す。縦軸は、電圧[V]を示し、横軸は、時間[Time]を示す。グラフの各曲線は、電源電圧VDDおよびレギュレータ電圧VREGを示す。
本例の電源電圧VDDは、図3の場合と同様に、予め定められた周期を有し、平均電圧がVaveとなる。電源電圧VDDの最大電圧がVhighであり、最低電圧がVlowである。例えば、平均電圧Vaveは、定常的に必要な電源電圧VDDの値である。
レギュレータ電圧VREGは、一定値となるように制御されている。レギュレータ電圧VREGは、電源電圧VDDが予め定められた電圧以下となった場合に、電源電圧VDDに応じて低下する。特に、本例のレギュレータ電圧VREGは、振幅が低減されていない電源電圧VDDに基づくので、電源電圧VDDの影響を受けやすい。例えば、電源電圧VDDの振幅が変動することにより、電源電圧VDDが0Vを下回った場合、レギュレータ回路500は、レギュレータ電圧VREGを一定に維持できなくなる。このように、レギュレータ回路500が出力するレギュレータ電圧VREGは、電源電圧VDDの振幅に大きく依存する。
[実施例2]
図6は、実施例2に係るレギュレータ回路100の構成の一例を示す。プリレギュレータ部10は、バイアス部11、切替部12、キャパシタC1,C2および抵抗R1を備える。本例の切替部12は、ダイオード接続されたトランジスタNMOS1を備える。即ち、本例のプリレギュレータ部10は、実施例1に係るプリレギュレータ部10と、抵抗R1を更に備える点で相違する。本例では、実施例1に係るプリレギュレータ部10と異なる点について主に説明する。
抵抗R1は、電源電圧VDDの振幅を低減するために用いられる。抵抗R1は、電圧VDDXに設定された電源端子と、トランジスタNMOS1のドレイン端子との間に設けられる。本例のプリレギュレータ部10は、抵抗R1の抵抗の大きさおよびトランジスタNMOS1のインピーダンスに応じて、電源電圧VDDの振幅を低減する。抵抗R1の大きさは、プリレギュレータ部10により低減させる振幅の大きさおよびトランジスタNMOS1の特性に応じて適宜設定されてよい。
本例のレギュレータ回路100は、レギュレータ部20に振幅を低減した電源電圧VDDを入力するので、実施例1に係るレギュレータ回路100と同様に、電源電圧VDDが出力の平均電圧Vaveを大きく下回ってもレギュレータ電圧VREGを維持できる。例えば、プリレギュレータ部10は、電圧VDDXの最低電圧が0Vより大きくなるように、電圧VDDXの振幅を制御する。
図7は、実施例2に係るレギュレータ回路100の具体的な構成の一例を示す。本例のバイアス部11は、ツェナーダイオードZD、抵抗R2,R3およびキャパシタC4を備える。本例では、実施例1に係るレギュレータ回路100と相違する点について主に説明する。キャパシタC4は、第4容量部の一例である。
ツェナーダイオードZDは、一端を予め定められた電圧に設定する。例えば、ツェナーダイオードZDの一端は、5Vに設定される。抵抗R2は、電源端子とツェナーダイオードの一端との間に設けられる。これにより、ツェナーダイオードZDの一端には、抵抗R2を介して電源電圧VDDが入力される。
また、ツェナーダイオードZDの一端は、抵抗R3およびキャパシタC4により構成されるローパスフィルタ回路を介してトランジスタNMOS1のゲート端子に接続される。本例の抵抗R3は、抵抗R2とツェナーダイオードZDの一端との間の接続ノードと、トランジスタNMOS1のゲート端子との間に設けられる。また、キャパシタC4は、一端が抵抗R2とツェナーダイオードZDの一端との間の接続ノードと、抵抗R3との間に接続され、他端が予め定められた基準電圧に設定される。これにより、バイアス部11は、トランジスタNMOS1のゲート端子を電圧VXに設定する。
レギュレータ部20は、トランジスタNMOS2を備える。トランジスタNMOS2のドレイン端子は、トランジスタNMOS1のソース端子と、キャパシタC1の一端に接続されている。また、トランジスタNMOS2のソース端子の電圧がレギュレータ電圧VREGとなる。トランジスタNMOS2は、リニアレギュレータの一例である。
本例のレギュレータ回路100は、レギュレータ部20に振幅を低減した電源電圧VDDを入力するので、実施例1に係るレギュレータ回路100と同様に、電源電圧VDDが出力の平均電圧Vaveを大きく下回ってもレギュレータ電圧VREGを維持できる。
[実施例3]
図8は、実施例3に係るレギュレータ回路100の構成の一例を示す。本例のプリレギュレータ部10は、切替部12およびキャパシタC1を備える。本例の切替部12は、ダイオード接続されたトランジスタNMOS3を備える。但し、本例のプリレギュレータ部10は、バイアス部11およびキャパシタC2を有さない点で実施例1に係るレギュレータ回路100と相違する。本例では、実施例1に係るレギュレータ回路100と相違する点について主に説明する。
トランジスタNMOS3は、ダイオード接続されている。即ち、トランジスタNMOS3のゲート端子がトランジスタNMOS3のドレイン端子と電気的に接続されている。これにより、トランジスタNMOS3は、電源電圧VDDがトランジスタNMOS3の閾値電圧Vthを超えたか否かにより、電源端子とレギュレータ部20との接続を切り替える。電源電圧VDDがトランジスタNMOS3の閾値電圧Vthを超えると、トランジスタNMOS3の特性に応じた電流が流れ、レギュレータ部20に電圧VDDXを与える。一方、電源電圧VDDがトランジスタNMOS3の閾値電圧Vth以下の場合、トランジスタNMOS3には電流が流れず、キャパシタC1に蓄積された電荷に応じてレギュレータ部20に電圧VDDXを与える。
本例のレギュレータ回路100は、レギュレータ部20に振幅を低減した電源電圧VDDを入力するので、実施例1に係るレギュレータ回路100と同様に、電源電圧VDDが出力の平均電圧Vaveを大きく下回ってもレギュレータ電圧VREGを維持できる。また、本例のレギュレータ回路100は、実施例1に係るレギュレータ回路100よりも簡易な構成でレギュレータ電圧VREGを維持できる。
[実施例4]
図9は、実施例4に係るレギュレータ回路100の構成の一例を示す。本例のプリレギュレータ部10は、切替部12およびキャパシタC1を備える。本例の切替部12は、ダイオードDを備える。本例では、実施例1に係るレギュレータ回路100と相違する点について主に説明する。
ダイオードDは、電源電圧VDDがダイオードDの閾値電圧Vthを超えたか否かにより、電源端子とレギュレータ部20との接続を切り替える。ダイオードDは、電源電圧VDDが閾値電圧Vthを超えた場合に、電源電圧VDDに応じた電圧VDDXをレギュレータ部20に与える。一方、ダイオードDは、電源電圧VDDが閾値電圧Vth以下の場合、電源電圧VDDに応じた電流が流れず、キャパシタC1に蓄積された電荷に応じて、レギュレータ部20に電圧VDDXを与える。
本例のレギュレータ回路100は、レギュレータ部20に振幅を低減した電源電圧VDDを入力するので、実施例1に係るレギュレータ回路100と同様に、電源電圧VDDが出力の平均電圧Vaveを大きく下回ってもレギュレータ電圧VREGを維持できる。また、本例のレギュレータ回路100は、実施例1に係るレギュレータ回路100よりも簡易な構成でレギュレータ電圧VREGを維持できる。
図10は、出力回路130の構成の一例を示す。図11は、出力回路130の具体的な構成の一例を示す。出力回路130は、電圧PINおよび電圧NINを入力として、電源電圧VDDにより動作する。出力回路130は、増幅部Aを有する。増幅部Aは、抵抗R3を介して電圧VSIGPが入力されることにより電圧PINが与えられる。また、増幅部Aは、抵抗R3を介して電圧VSIGNが入力され、抵抗R4を介して電圧AGNDが入力されることにより電圧NINが与えられる。出力回路130の増幅部Aは、入力部、出力部および制御部135を有する。
入力部は、PMOSのトランジスタPM1〜PM9、NMOSのトランジスタNM1〜NM7およびNMD1,2を備える。入力部には、センサ部110が検出した信号に応じた信号として、電圧PINおよび電圧NINが入力される。PM1,PM2,PM5,PM9のゲート端子には、VBIAS1が入力される。PM3,PM4のゲート端子には、VBIAS2が入力される。また、NM1およびNM4のゲート端子には、VBIAS3が入力される。NMD1およびNMD2のゲート端子には、それぞれ電圧PINおよび電圧NINが入力される。
出力部は、PM10およびNM8を備える。出力部は、入力部に入力された信号に応じた信号を出力する。PM10およびNM8は、それぞれ、出力用のPMOSトランジスタと出力用のNMOSトランジスタの一例である。PM10のゲート端子とドレイン端子との間には、抵抗RCPおよびキャパシタCCPが直列に接続されている。また、NM8のゲート端子とドレイン端子との間には、抵抗RCNおよびキャパシタCCNが直列に接続されている。PM10およびNM8の各ドレイン端子の間の接続ノードは出力端子に接続されている。PM10およびNM8には、出力回路130の出力に負荷抵抗がない限り等しい電流が流れる。なお、本明細書において、PM10のゲート端子の電圧をVPGATEとし、NM8のゲート端子の電圧をVNGATEとする。
PM10は、PM5のミラー電流が流れる。PM5は、PM6を介して、NM4からの電流が供給される。NM4の電流は、ゲート端子に入力されたバイアス電圧VBIAS3に応じて流れる。なお、PM7は、PM6の電流をミラーしている。
NM8は、NM5のミラー電流が流れる。NM5は、NM6を介して、PM9からの電流が供給される。PM9の電流は、ゲート端子に入力されたバイアス電圧VBIAS1に応じて流れる。なお、NM7は、NM6の電流をミラーしている。
ここで、PM10とNM8は、出力部の定常状態における等しいDC電流の動作時、安定したゲート・ソース間電圧VGSをそれぞれ有する。よって、PM10のゲート・ソース間電圧VGSPについて次式が成り立つ。
VGSP=VPGATE−VDD
また、NM8のゲート・ソース間電圧VGSNについて次式が成り立つ。
VGSN=VNGATE−GND
一例において、VGSPは、−0.5V〜−2V程度の範囲となり、VGSNは、0.5V〜2V程度の範囲となる。
制御部135は、PM10のゲート端子と、NM8のゲート端子との間に設けられる。制御部135は、PM10のゲート端子と、NM8のゲート端子との間の電気的な接続を切り替える。制御部135は、PD1〜PD6およびND1〜ND6を備える。PD1〜PD6およびND1〜ND6は、BCI(Bulk Current Injection)耐性向上用の中耐圧PMOSおよび中耐圧NMOSである。
PD1〜PD6は、ゲート端子が基準電圧に設定された制御用PMOSトランジスタである。本例の基準電圧は、GNDである。ND1〜ND6は、ゲート端子が電源電圧VDDに設定された制御用NMOSトランジスタである。PD4およびND4は、PM10のゲート端子とNM8のゲート端子との間に設けられている。PD4およびND4は、電源電圧VDDが降下した場合に、PM10のゲート端子とNM8のゲート端子との間の接続を切り替える。これにより、PM10に流れる電流と、NM8に流れる電流のバランスを維持できる。動作の詳細は後述する。
本例の出力回路130は、制御部135を有するので、ゲート・ソース間電圧VGSPを一定に保持できる。よって、出力回路130は、PM10に流れる電流と、NM8に流れる電流のバランスを取ることができる。これにより、出力回路130の出力の平均電圧が維持される。
なお、本例の出力回路130は、フォールデットカスコード型の演算増幅器による構成を用いて説明した。但し、本明細書に係る出力回路130は、その他の任意の演算増幅器で構成されてよい。
図12は、比較例に係る出力回路530を示す。本例の出力回路530は、制御部135を有さない点で、出力回路130と異なる。その他の構成は出力回路130と基本的に同一である。本例の出力回路530は、制御部135を備えないので、電源電圧VDDが降下した場合にゲート・ソース間電圧VGSPが一定に保持されていない。これにより、PM10に流れる電流と、NM8に流れる電流のバランスが取れなくなり、結果として出力回路530の出力の平均電圧が低下する。
図13は、PM10およびNM8の各ゲート端子間の電流経路を示す。本例では、出力回路530の構成の一部を示している。PM10およびNM8は、出力段であり、出力回路530の外部の負荷を駆動するため、比較的大きなサイズのMOSが使用されている。そのため、PM10およびNM8のゲート・ソース間の寄生容量Cgsp,Cgsnは大きい。
BCI印加時、ゲート電圧VPGATEは、ゲート・ソース間電圧を維持して電源電圧VDDに追従して動作しようとする。電源電圧VDDのノイズは、Cgspを介しVPGATEに伝わる。そして、NM7およびPM7を介してゲート電圧VNGATEに付くゲート・ソース間容量Cgsnの電圧分割が生じると、ゲート・ソース間電圧VGSPの維持ができなくなる。これにより、PM10に流れる電流が低下する。よって、電流バランスがPM10<NM8となり、出力回路530の出力の平均電圧が低下する。
図14は、出力回路130がVPGATEの低下を防止する概念図を示す。制御部135は、矢印のパスを分断し、出力段のPM10のゲート・ソース間電圧VGSPを維持している。
ND4は、ゲート端子が電源電圧VDDに設定されたNMOSトランジスタである。ND4は、PM10のゲート端子とNM8のゲート端子との間の接続を遮断する。ND4のゲート端子は、電源電圧VDDに設定されているので、電源電圧VDDの低下によりオン抵抗が上昇する。例えば、ゲート電圧VNGATE(=VGSN)は通常0.5V〜2Vであるので、電源電圧VDDが3V以下になると、ゲート・ソース間電圧VGSが閾値電圧Vthを下回り、オフとなる。このように、ND4の追加により、ゲート・ソース間容量Cgspの電荷が維持される。よって、電源電圧VDDが3V以下の領域において、定常状態のゲート・ソース電圧VGSPを維持できるので、出力端子の平均電圧の低下を抑制できる。
PD4は、ゲート端子がGNDに設定されたPMOSトランジスタである。ゲート電圧VPGATEは、電源電圧VDDに対して−0.5V〜−2Vの電圧であるので、電源電圧VDDが0V以下まで低下すると、ゲート電圧VPGATEは−0.5V〜−2Vまで低下する必要がある。PD4がないと、NM7の寄生ダイオードにより、ゲート電圧VPGATEは−1Vまでしか低下できない。よって、ゲート電圧VPGATEは−0.5V〜−1Vの範囲で変動する。これにより、出力端子の平均電圧が低下する。
電源電圧VDDが−1Vまで低下すると、ゲート電圧VPGATEは−1Vとなり、VGS=0Vとなり、PM10には電流が流れなくなる。よって、出力端子の電圧がGNDレベルに張り付いてしまう。電源電圧VDDが3V〜5Vの区間はPD4およびND4が共に線形領域動作として、小さなオン抵抗で動作する。
電源電圧VDDが0V〜3Vの区間では、制御部135が有するND4のオフ動作により、電圧パスを分断する。また、電源電圧VDDが0V以下の区間では、制御部135が有するPD4により、NM7のようなGNDに寄生ダイオードが付く素子から分断する。これにより、ゲート電圧VPGATEはどの電圧状態でもゲート・ソース間容量Cgspの電荷を維持できるので、BCI印加時において、出力段の定常状態のDC電流を平均的に維持できる。
本例の出力回路130は、PM10のゲート端子をBCI印加時にハイインピーダンスに設定でき、BCI印加時にゲート・ソース間電圧の電位をCgspで保持できる。これにより、出力回路130は、出力の平均電圧を維持できる。
図15Aは、実施例に係る出力回路130の縦構造の一例を示す。同図は、PM2,PM4,PD4,ND4,NM7の縦構造について示している。本例では、VDD=5V動作時について示している。PM2,PM4,PD4,ND4,NM7は、P型基板に形成されている。PM2,PM4,PD4は、P型基板内に形成されたN型ウェル内に形成されている。VDD=5V動作時、ゲート電圧VPGATEは、4Vに設定されている。そのため、VDD=5V動作時では、電源電圧VDDとゲート電圧VPGATEとの差分が1Vになっている。
図15Bは、比較例に係る出力回路530の縦構造の一例を示す。同図は、PM2,PM4,NM7の縦構造について示している。本例では、VDD=5V動作時について示している。PM2,PM4,NM7は、P型基板上に形成されている。PM2,PM4は、P型基板内に形成されたNウェルに形成されている。VDD=5V動作時、ゲート電圧VPGATEは、4Vに設定されている。そのため、VDD=5V動作時では、電源電圧VDDとゲート電圧VPGATEとの差分が1Vになっている。即ち、VDD=5V動作時では、出力回路130と出力回路530とで、PM10のゲート・ソース間電圧に差異がない。
図16Aは、実施例に係るPM2,PM4,PD4,ND4,NM7の縦構造の一例を示す。本例では、VDD=10V動作時について示している。VDD=10V動作時、ゲート電圧VPGATEは、8Vに設定されている。そのため、VDD=10V動作時では、電源電圧VDDとゲート電圧VPGATEとの差分が2Vになっている。
図16Bは、比較例に係るPM2,PM4,NM7の縦構造の一例を示す。本例では、VDD=10V動作時について示している。VDD=10V動作時、ゲート電圧VPGATEは、8Vに設定されている。そのため、VDD=10V動作時では、電源電圧VDDとゲート電圧VPGATEとの差分が2Vになっている。即ち、VDD=10V動作時では、出力回路130と出力回路530とで、PM10のゲート・ソース間電圧に差異がない。
図17Aは、実施例に係るPM2,PM4,PD4,ND4,NM7の縦構造の一例を示す。本例では、VDD=10Vから0Vへの変動時の動作について示している。VDD=10Vから0Vへの変動時、ゲート電圧VPGATEは、8Vから−1Vに変動している。そのため、VDD=10Vから0Vへの変動時では、電源電圧VDDとゲート電圧VPGATEとの差分がΔ2VからΔ1Vに変動している。そのため、本例では、電源電圧VDDが0Vに低下した場合であっても、電源電圧VDDとゲート電圧VPGATEとの差分をΔ1Vで維持している。
図17Bは、比較例に係るPM2,PM4,NM7の縦構造の一例を示す。本例では、VDD=10Vから0Vへの変動時の動作について示している。VDD=10Vから0Vへの変動時、ゲート電圧VPGATEは、8Vから−0.6Vに変動している。そのため、VDD=10Vから0Vへの変動時では、電源電圧VDDとゲート電圧VPGATEとの差分が2Vから0.6Vに変動している。即ち、出力回路530では、電源電圧VDDが0Vに低下した場合に、PM10のゲート・ソース間電圧を維持できなくなる。
よって、出力回路130は、制御部135を有することにより、電源電圧VDDとゲート電圧VPGATEとの差分を維持する。即ち、PM10のゲート・ソース間電圧が維持されるので、PM10とNM8の電流のバランスを取ることができ、結果として、出力回路130の出力の平均電圧を維持できる。
なお、本明細書に係るセンサ回路200は、車載装置に用いられてよい。センサ回路200は、車載装置に接続されたハーネスに強い電磁界ノイズが誘起して、電源電圧VDDが揺れた場合であっても、出力の平均値を維持できる。これにより、センサ回路200は、車載の仕様でノイズが入ったとしても安定して動作できる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
10・・・プリレギュレータ部、11・・・バイアス部、12・・・切替部、20・・・レギュレータ部、100・・・レギュレータ回路、110・・・センサ部、120・・・集積回路、130・・・出力回路、135・・・制御部、200・・・センサ回路、500・・・レギュレータ回路、520・・・レギュレータ部、530・・・出力回路

Claims (5)

  1. 電源電圧が入力され、前記電源電圧の振幅を低減して出力するプリレギュレータ部と、
    振幅が低減された前記電源電圧により動作するレギュレータ部と
    を備え
    前記プリレギュレータ部は、
    MOSトランジスタを含み、前記レギュレータ部と前記電源電圧に設定された電源端子との間に設けられ、前記電源電圧が予め定められた第1基準値以下となった場合に、前記電源端子と前記レギュレータ部との接続を遮断する切替部と、
    前記切替部と前記レギュレータ部との間の接続ノードに一端が接続された第1容量部と、
    前記電源端子および前記MOSトランジスタのゲート端子に接続されたバイアス部と、
    を有し、
    前記第1容量部は、前記切替部が前記電源端子と前記レギュレータ部との接続を遮断した場合に、前記レギュレータ部に電力を供給する
    レギュレータ回路。
  2. 電源電圧が入力され、前記電源電圧の振幅を低減して出力するプリレギュレータ部と、
    振幅が低減された前記電源電圧により動作するレギュレータ部と
    を備え、
    前記プリレギュレータ部は、
    MOSトランジスタを含み、前記レギュレータ部と前記電源電圧に設定された電源端子との間に設けられ、前記電源電圧が予め定められた第1基準値以下となった場合に、前記電源端子と前記レギュレータ部との接続を遮断する切替部と、
    前記切替部と前記レギュレータ部との間の接続ノードに一端が接続された第1容量部と
    前記電源端子および前記MOSトランジスタのゲート端子に接続されたバイアス部と、
    一端が前記バイアス部と前記電源端子との間の接続ノードに接続され、他端が前記バイアス部と前記MOSトランジスタの前記ゲート端子との間の接続ノードに接続された第2容量部と、
    有し
    前記第1容量部は、前記切替部が前記電源端子と前記レギュレータ部との接続を遮断した場合に、前記レギュレータ部に電力を供給す
    ギュレータ回路。
  3. 記プリレギュレータ部は
    端が前記バイアス部と前記電源端子との間の接続ノードに接続され、他端が前記バイアス部と前記MOSトランジスタの前記ゲート端子との間の接続ノードに接続された第2容量部を更に有する
    請求項に記載のレギュレータ回路。
  4. 前記プリレギュレータ部は、前記電源端子と前記MOSトランジスタとの間に第1抵抗部を更に有する
    請求項2又は3に記載のレギュレータ回路。
  5. 前記バイアス部は、
    一端を予め定められた電圧に設定するツェナーダイオードと、
    前記電源端子と前記ツェナーダイオードの前記一端との間に設けられた第2抵抗部と、
    前記第2抵抗部と前記ツェナーダイオードの前記一端との間の接続ノードと、前記MOSトランジスタのゲート端子との間に設けられた第3抵抗部と、
    一端が前記第2抵抗部と前記ツェナーダイオードの前記一端との間の前記接続ノードと、前記第3抵抗部との間に接続され、他端が予め定められた基準電圧に設定された第4容量部と
    有する
    請求項2からのいずれか一項に記載のレギュレータ回路。
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