JP6717126B2 - 放射線画像検出器 - Google Patents

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Description

本発明は、シンチレータ層の蒸着時の基板加熱・冷却の際に、シンチレータ層に発生するクラックを防止し、クラックによる画質低下を抑制できる放射線画像検出器に関する。
近年、コンピューテッド・ラジオグラフィー(CR:computed radiography)やフラットパネルディテクター(FPD:flat panel detector)等に代表されるデジタル方式の放射線画像検出器は、デジタルの放射線画像が直接得られ、陰極管や液晶パネル等の画像表示装置に画像を直接表示することが可能であることから、病院及び診療所等での画像診断に広く用いられている。最近はヨウ化セシウム(CsI)を含むシンチレータ層を使用し、薄膜トランジスタ(TFT)を組み合わせたフラットパネルが、高感度のX線画像可視化システムとして着目されている。
このようなシンチレータ層には、シンチレータ層内の蛍光体で変換された光をセンサパネル側に反射させる下引層(たとえば金属反射層など)を設けることで、発光光の損失を低減し、発光輝度に優れたシンチレータを得ることが試みられている。
このような下引層は、通常、無機物から構成される。
たとえば特許文献1には、光電変換素子上に設けられた蛍光層上に、高屈折率の酸化チタンからなるセラミックス粒子を含む有機樹脂からなる平坦化層が設け、発光光の散乱させることが開示されている。また、特許文献2には、基材上に、有機膜からなる蛍光体下地層を設け、下地層上に蛍光体層(シンチレータ層)を形成し、蛍光体の表面に、金属反射層を設けることが開示されている。特許文献2には、下地層が下引層に相当し、メトキシシランの重合体からなる有機膜(酸化ケイ素膜)を設けることが開示されている。なお、これらの特許文献1および2では、基材上に蛍光体層(シンチレータ層)が直接蒸着により形成されているので、直接蒸着型とも呼ばれる。
また、特許文献3では、光反射性の金属薄膜およびその保護層を備えた支持基板にシンチレータ層(蛍光体層)を設けたシンチレータパネルが開示されている。さらに、特許文献4には、蛍光体層と、前記蛍光体層を支持するための基材とを備えたシンチレータパネルにおいて、前記基材の放射線入射面と反対側の面に、前記蛍光体層で変換された光を外部へ出射するための反射機能を備えるシンチレータパネルが開示されている。
特許文献3および4のように、シンチレータ層を形成した場合、支持体、反射層、シンチレータ層の順の層構成である。このような層構成であると、平面受光素子に対してシンチレータパネルを自在に脱着可能なデタッチ型となる。
本出願人は、このようなシンチレータパネルの反射層として、酸化ケイ素や酸化チタンなどの誘電体を用い、反射層とシンチレータ層の間の下引層として、ポリパラキシリレンなどの高分子材料を用いるものを提案している。また、特許文献5では、支持体と保護膜との接着性や、熱や衝撃などによる膜剥れといった問題を解消するために、中間層と支持体の熱膨張係数差を規定することを提案しており、また、特許文献6では、温度変動による画像欠陥や画像むらを少なくするために、放射線像変換パネルの全体の熱膨張係数および密着面での熱膨張係数差を規定することを提案している。
さらに特許文献7では、基板の一方の表面に金属反射膜およびSiO2膜、TiO2膜の誘電体ミラー膜が積層され、これらを反射膜保護膜が覆い、反射膜保護膜表面にシンチレータ層が設けられ、さらに全体が耐湿保護膜により覆われている。特許文献7で使用される反射膜保護膜および耐湿保護膜は有機膜でも無機膜のいずれを使用でき、しかも同一の材料であっても異なる材料であってもよい旨が開示されている。
当該特許文献7には、幅広い材料の反射膜保護膜と耐湿保護膜の組み合わせが可能となるものの、単に保護という観点で設けられたものに過ぎず、熱膨張という観点に着目したものでなく、熱膨張率の大きいものも小さいものの含まれている。通常、シンチレータは、製造工程の蒸着時に熱を受けるために、加熱・冷却の熱膨張差によって、シンチレータ自体に応力がかかってクラックが発生して、画質を低下させるという課題があり、このような課題について特許文献7は全く認識されていない。
特開2015-001397号公報 特開2006-052978号公報 特開2008-064763号公報 特開2003-075592号公報 特開2012-083186号公報 特開2010-281624号公報 特開2012-211925号公報
本発明は、シンチレータが受ける製造方法や使用時に受ける加熱−冷却の間に、クラックを発生することがなく、画質に必要な鮮鋭性を維持しつつ、発光輝度に優れる放射線検出器を提供することを目的とする。
このような状況の下、本発明者らは鋭意検討した結果、熱膨張係数の差に着目した。そして、特にシンチレータに隣接する隣接部を無機物質から構成し、かつその隣接部間の熱膨張係数差を定義することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明の構成は以下の通りである。
[1]光電変換素子アレイと、
放射線を可視光に変換するシンチレータ層と、
シンチレータ層を挟んで、光電変換素子アレイと反対側に位置する反射層と、
シンチレータ層と反射層の間に存在し、画像形成領域でシンチレータ層に接する下引層と、
光電変換素子アレイとシンチレータ層の間に存在する、少なくとも1層以上からなる中間層とを含む放射線検出器であって、
前記シンチレータ層の先端から、光電変換素子アレイに向かって距離50μm以内の箇所を、シンチレータ隣接部Aとし、
前記シンチレータ層の蒸着されている表面から、光電変換素子アレイと反対側に向かって距離5μm以内の箇所を、シンチレータ隣接部Bと規定したとき、
前記シンチレータ隣接部A、シンチレータ隣接部Bのそれぞれに、少なくとも1種類以上の無機物質が含まれており、
かつシンチレータ隣接部A、シンチレータ隣接部Bに含まれる物質のうち、それぞれ最も小さい熱膨張係数を持つ物質間の熱膨張係数差が、1.5×10-5[/K]以下であることを特徴とする放射線検出器。
[2]前記放射線検出器において、
前記シンチレータ隣接部Aに含まれる層が中間層のみであることを特徴とする、[1]に記載の放射線検出器。
[3]前記放射線検出器において、
前記中間層のうちシンチレータに接している層の厚みが1μm以下であることを特徴とする、[1]ないしは[2]に記載の放射線検出器。
[4]前記放射線検出器において、前記シンチレータ隣接部Aが、中間層のうちシンチレータに接している層であることを特徴とする、[1]ないしは[3]に記載の放射線検出器。
[5]前記放射線検出器において、前記下引層の主成分が無機物質であることを特徴とする、[1]ないし[4]のいずれかに記載の放射線検出器。
[6]前記放射線検出器において、前記下引層の熱膨張係数が1.5×10-5[/K]以下であることを特徴とする、[1]ないし[5]のいずれかに記載の放射線検出器。
[7]前記放射線検出器において、前記中間層のうち少なくとも1層の主成分が無機物質であることを特徴とする、[1]ないし[6]のいずれかに記載の放射線検出器。
[8]前記放射線検出器において、前記中間層のうち少なくとも1層の熱膨張係数が1.5×10-5[/K]以下であることを特徴とする、[1]ないし[7]のいずれかに記載の放射線検出器。
[9]前記放射線検出器において、前記下引層が単一の層から構成されてなることを特徴とする、[1]ないし[8]のいずれかに記載の放射線検出器。
[10]前記放射線検出器において、前記下引層の主成分と前記中間層の主成分が同一であることを特徴とする、[1]ないし[9]のいずれかに記載の放射線検出器。
[11]前記放射線検出器において、前記中間層が単一の層から形成されることを特徴とする、[1]ないし[10]のいずれかに記載の放射線検出器。
[12]前記放射線検出器において、前記シンチレータ層が無機物質の結晶からなることを特徴とする、[1]ないし[11]のいずかに記載の放射線検出器。
[13]前記放射線検出器において、前記シンチレータ層の主成分がヨウ化セシウムであることを特徴とする、[12]に記載の放射線検出器。
本発明によれば、シンチレータに隣接する隣接部が無機物質から構成され、かつ隣接部間の熱膨張係数差が所定の範囲に調整されているので、蒸着の際の加熱−冷却の間、膨張・収縮によるクラック発生が抑制され、画質に必要な鮮鋭性を維持しつつ、発光輝度に優れる放射線検出器が得られる。
本発明に係る放射線検出器を示す模式断面図である。
本発明の放射線検出器は、光電変換素子アレイと、シンチレータ層と、シンチレータ層を挟んで、光電変換素子アレイと反対側に位置する反射層と、シンチレータ層と反射層の間に存在し、画像形成領域でシンチレータ層に接する下引層と、光電変換素子アレイとシンチレータ層の間に存在する、少なくとも1層以上からなる中間層とを含む。
このような本発明にかかる放射線検出器の基本構成を図1に示す。
図1に示すように、前記シンチレータ層の先端(光電変換素子アレイ側の表面)から、直接かつ垂直に光電変換素子アレイに向かって距離50μm以内の箇所を、シンチレータ隣接部Aとし、
前記シンチレータ層の蒸着されている表面(光電変換素子アレイと反対側の表面)から、光電変換素子アレイと反対側に直接かつ垂直に向かって距離5μm以内の箇所を、シンチレータ隣接部Bと規定する。
本発明では、前記シンチレータ隣接部A、シンチレータ隣接部Bのそれぞれに、少なくとも1種類以上の無機物質が含まれており、
かつシンチレータ隣接部A、シンチレータ隣接部Bに含まれる物質のうち、それぞれ最も小さい熱膨張係数を持つ物質間の熱膨張係数差が、1.5×10-5[/K]以下である。
このように無機物質を含む隣接部AB間の熱膨張係数差を限定することによって、加熱−冷却の間に、クラックを発生することがなく、画質に必要な鮮鋭性を維持しつつ、発光輝度に優れる放射線検出器を提供することができる。
以下、各構成部材について順に説明する。
支持体
本発明に係る放射線検出器において、支持体は必ずしも必要でない。支持体は、シンチレータ層を形成する蛍光体の土台として用いられるとともに、シンチレータ層の構造を保持する役割を有する。支持体の材料としては、各種のガラス、高分子材料、金属等が挙げられる。なお最終的な放射線検出器において支持体は脱離されていてもよい。
具体的には、石英、ホウ珪酸ガラス、化学的強化ガラス等の板ガラス;サファイア、窒化珪素、炭化珪素等のセラミック;シリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素、ガリウム燐、ガリウム窒素等の半導体;セルロースアセテートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、トリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィルム、炭素繊維強化樹脂シート等の高分子フィルム(プラスチックフィルム);
アルミニウムシート、鉄シート、銅シート等の金属シート又はこれらの金属の酸化物の被覆層を有する金属シート;バイオナノファイバーフィルム等を用いることができる。これらは一種単独で用いても積層して用いてもよい。
上記支持体の材料の中でも、可撓性を有する高分子フィルムが好ましい。
このような高分子フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、セルロースアセテート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、エポキシ、ポリアミドイミド、ビスマレイミド、フッ素樹脂、アクリル、ポリウレタン、アラミド、ナイロン、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルサルフォン、ポリサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー、バイオナノファイバー等からなるフィルムが挙げられる。
当該樹脂フィルム上に蛍光体を蒸着する際、耐熱性の観点から、ポリイミドを含有する樹脂フィルムが好適である。市販品として、例えば、UPILEX−125S(宇部興産(株)製)を用いてもよい。
高分子フィルムの厚さとしては、好ましくは20〜1000μm、更に好ましくは50〜750μmである。支持体の厚さを50μm以上にすることでシンチレータ層を形成した後のハンドリング性が良好となる。また、支持体の厚さを750μm以下にすることで、密着層、導電層、易接着層等の機能層を、ロール・ツー・ロール(roll to roll)で加工することが容易となり、生産性向上の観点より、非常に有用である。
シンチレータ層
シンチレータ層は、外部から入射された放射線であるX線のエネルギーを、可視光に変換する役割を有する。
本発明において蛍光体とはα線、γ線、X線等の電離放射線が照射されたときに原子が励起されることにより発光する蛍光体をいう。すなわち、放射線を紫外・可視光に変換して放出する蛍光体を指す。蛍光体は外部から入射されたX線などの放射線エネルギーを効率よく光に変換可能な材料である限り特に制限されない。また、放射線の光への変換は必ずしも瞬時に行われる必要は無く、シンチレータ層に一旦潜像として蓄積され、後から読み出す方式を用いても良い。
本発明に係るシンチレータとしては、X線などの放射線を可視光などの異なる波長に変換することが可能な物質を適宜使用することが出来る。具体的には、「蛍光体ハンドブック」(蛍光体同学会編・オーム社・1987年)の284頁から299頁に至る箇所に記載されたシンチレータ及び蛍光体や、米国Lawrence Berkeley National LaboratoryのWebホームページ「Scintillation Properties(http://scintillator.lbl.gov/)」に記載の物質などが考えられるが、ここに指摘されていない物質でも、「X線などの放射線を可視光などの異なる波長に変換することが可能な物質」であれば、シンチレータとして用いることが出来る。
本発明では、シンチレータ層が無機物質の結晶からなることが好ましい。無機物質の結晶からなるシンチレータ層を採用すると、これを挟む隣接部AおよびBの熱膨張係数差による、クラック抑制効果がより高くなる。
具体的なシンチレータの組成としては、以下の例が挙げられる。まず、
基本組成式(I):MIX・aMIIX'2・bMIIIX''3:zA
で表わされる金属ハロゲン化物系蛍光体が挙げられる。
上記基本組成式(I)において、MIは1価の陽イオンになり得る元素、すなわち、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)、タリウム(Tl)および銀(Ag)などからなる群より選択される少なくとも1種を表す。
IIは2価の陽イオンになり得る元素、すなわち、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)およびカドミウム(Cd)などからなる群より選択される少なくとも1種を表す。
IIIは、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)およびランタノイドに属する元素からなる群より選択される少なくとも1種を表す。
X、X'およびX''は、それぞれハロゲン元素を表すが、それぞれが異なる元素であっても、同じ元素であっても良い。
Aは、Y、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Na、Mg、Cu、Ag(銀)、TlおよびBi(ビスマス)からなる群より選択される少なくとも1種の元素を表す。
a、bおよびzはそれぞれ独立に、0≦a<0.5、0≦b<0.5、0<z<1.0の範囲内の数値を表わす。
また、
基本組成式(II):MIIFX:zLnで表わされる希土類付活金属フッ化ハロゲン化物系蛍光体も挙げられる。
上記基本組成式(II)において、MIIは少なくとも1種のアルカリ土類金属元素を、Lnはランタノイドに属する少なくとも1種の元素を、Xは、少なくとも1種のハロゲン元素を、それぞれ表す。またzは、0<z≦0.2である。
また、
基本組成式(III):Ln22S:zA
で表される希土類酸硫化物系蛍光体も挙げられる。
上記基本組成式(III)において、Lnはランタノイドに属する少なくとも1種の元素を、Aは、Y、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Na、Mg、Cu、Ag(銀)、TlおよびBi(ビスマス)からなる群より選択される少なくとも1種の元素を、それぞれ表す。またzは、0<z<1である。
特にLnとしてガドリニウム(Gd)を用いたGd22Sは、Aの元素種にテルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)等を用いることによって、センサパネルが最も受光しやすい波長領域で、高い発光特性を示すことが知られているため、好ましい。
また、
基本組成式(IV):MIIS:zA
で表される金属硫化物系蛍光体も挙げられる。
上記基本組成式(IV)において、MIIは2価の陽イオンになり得る元素、すなわちアルカリ土類金属、Zn(亜鉛)、Sr(ストロンチウム)、Ga(ガリウム)等からなる群より選択される少なくとも1種の元素を、Aは、Y、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Na、Mg、Cu、Ag(銀)、TlおよびBi(ビスマス)からなる群より選択される少なくとも1種の元素を、それぞれ表す。またzは、0<z<1である。
また、
基本組成式(V):MIIa(AG)b:zA
で表される金属オキソ酸塩系蛍光体も挙げられる。
上記基本組成式(V)において、MIIは陽イオンになり得る金属元素を、(AG)はリン酸塩、ホウ酸塩、ケイ酸塩、硫酸塩、タングステン酸塩、アルミン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種のオキソ酸基を、Aは、Y、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Na、Mg、Cu、Ag(銀)、TlおよびBi(ビスマス)からなる群より選択される少なくとも1種の元素を、それぞれ表す。
またaおよびbは、金属及びオキソ酸基の価数に応じて取り得る値全てを表す。zは、0<z<1である。
また、
基本組成式(VI):Mab:zA
で表わされる金属酸化物系蛍光体が挙げられる。
上記基本組成式(VI)において、Mは陽イオンになり得る金属元素より選択される少なくとも1種の元素を表す。
Aは、Y、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Na、Mg、Cu、Ag(銀)、TlおよびBi(ビスマス)からなる群より選択される少なくとも1種の元素を、それぞれ表す。
またaおよびbは、金属及びオキソ酸基の価数に応じて取り得る値全てを表す。zは、0<z<1である。
また他に、
基本組成式(VII):LnOX:zA
で表わされる金属酸ハロゲン化物系蛍光体が挙げられる。
上記基本組成式(VII)において、Lnはランタノイドに属する少なくとも1種の元素を、Xは、少なくとも1種のハロゲン元素を、Aは、Y、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Na、Mg、Cu、Ag(銀)、TlおよびBi(ビスマス)からなる群より選択される少なくとも1種の元素を、それぞれ表す。またzは、0<z<1である。
シンチレータを構成する材料としては、外部から入射してきたX線のエネルギーを効率よく光に変換できるものであれば特に限定はない。したがって、上記条件を満たす限り、従来公知の種々の蛍光体をシンチレータとして用いることができ、その中でも、ヨウ化セシウム(CsI)、硫酸化ガドリニウム(GOS)、タングステン酸カドミウム(CWO)、ケイ酸ガドリニウム(GSO)、ゲルマニウム酸ビスマス(BGO)、ケイ酸ルテチウム(LGO)、タングステン酸鉛(PWO)などを好適に用いることができる。なお、本発明において用いるシンチレータは、CsIなどの瞬間発光の蛍光体に限られず、用途によっては、臭化セシウム(CsBr)などの輝尽性蛍光体であってもよい。
本発明においては、これらの材料の中でも、CsIが、X線などの放射線のエネルギーを可視光に変換する効率が比較的高く、賦活剤との組み合わせによって、上記のように特定波長での光反射率の低下の少ないシンチレータを構成できるために好ましい。
本発明では、CsIを蛍光体母材として、これとともに賦活剤を含むことが好ましい。賦活剤の濃度は、モル%で示される。
賦活剤としては、タリウム(Tl)、ユーロピウム(Eu)、インジウム(In)、リチウム(Li)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、ナトリウム(Na)などを含むものが好ましい。これらの賦活剤は、元素の状態でシンチレータ中に存在する。なお、賦活剤は、例えば、沃化タリウム(TlI)、臭化タリウム(TlBr)、塩化タリウム(TlCl)、フッ化タリウム(TlF、TlF3)等が使用される。
シンチレータに含有される賦活剤は、少なくともタリウムを含むことが好ましい。タリウムを含むと、X線を照射したときの蛍光の波長がずれることがなく、光電変換素子による蛍光の検出精度が高い上に、上記520nmでの放射線照射後の光反射率の低下を少なくすることができ、本発明で定義する所定の光反射率を満足するシンチレータを得ることができる。
本発明において、シンチレータ層は、1層からなっていてもよいし、2層以上からなっていてもよい。またシンチレータ層のみからなるものであってもよく、あるいは、下地層とシンチレータ層とからなり、支持体上に、下地層とシンチレータ層とがこの順で積層されている構造を有するものであってもよい。シンチレータ層が下地層とシンチレータ層との2層を含む場合、これらの層は、蛍光体母材化合物が同じである限り、同じ材質からなるものであってもよく、あるいは異なる材質からなるものであってもよい。すなわち、シンチレータ層は、全体が蛍光体母材のみからなる1層であってもよく、全体が蛍光体母材化合物と賦活剤とを含む1層であってもよく、蛍光体母材化合物のみからなる下地層と、蛍光体母材化合物と賦活剤とを含むシンチレータ層とからなるものであってもよく、蛍光体母材化合物と第1の賦活剤とを含む下地層と、蛍光体母材化合物と第2の賦活剤とを含むシンチレータ層とからなるものであってもよい。
本発明に係るシンチレータ層において、賦活剤の相対含有量は目的性能等に応じて、最適量にすることが望ましいが、シンチレータの含有量に対して、0.001モル%〜50モル%、更に0.1〜10.0モル%であることが好ましい。シンチレータに対して、賦活剤の濃度が0.001モル%以上であると、シンチレータを単独で使用した場合よりも発光輝度の向上がみられ、目的とする発光輝度を得る点で好ましい。また、50モル%以下であるとシンチレータ性質・機能を保持することができて好ましい。
下地層における賦活剤の相対含有量は0.01〜1モル%が好ましく、0.1〜0.7モル%が更に好ましい。特に、下地層の賦活剤の相対含有量が0.01モル%以上であることが、シンチレータパネル10の発光輝度向上及び保存性の点で非常に好ましい。また、下地層における賦活剤の相対含有量がシンチレータ層における相対含有量よりも低いことが非常に好ましく、シンチレータ層における賦活剤の相対含有量に対する下地層における賦活剤の相対含有量のモル比((下地層における賦活剤の相対含有量)/(シンチレータ層における相対含有量))は、0.1〜0.7であることが好ましい。
シンチレータ層を形成する方法としては、シンチレータ粉体を有機樹脂などと混合して出来る液体を塗布して塗布膜を形成する方法や、その液体や塗布膜を加工することで規則的な配列構造を有する膜を形成する方法、気相堆積法を用いて結晶膜を形成する方法などを用いることが可能である。その中でも特に、容易に蛍光体を柱状結晶構造に形成出来て、光ガイド効果により結晶内での発光光の散乱が抑えられ、シンチレータ層の厚さを厚くすることが可能であることから、気層堆積法による結晶膜を形成する方法を用いることが好ましい。気相堆積法としては、加熱蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法その他を用いることができるが、特に加熱蒸着法が望ましい。
前記の気相堆積法を用いてシンチレータ層を形成する場合、シンチレータ材料として種々の物質を用いることが可能だが、特に、X線から可視光に対する変更率が比較的高いという特徴をもつヨウ化セシウム(CsI)を用いることが、特に好ましい。また、シンチレータにヨウ化セシウムを用いる場合、賦活剤としては、400nmから750nmまでの広い発光波長をもち、TFT等の光検出器部材にとって感度良く発光を検知できることから、タリウムを用いることがより好ましい。すなわち、タリウム賦活ヨウ化セシウム(CsI:Tl)を用いることが一層好ましい。
なお、シンチレータ層の厚さは、100〜800μmであることが好ましく、120〜700μmであることが、輝度と鮮鋭性の特性をバランスよく得られる点からより好ましい。下地層の層厚は、高輝度・鮮鋭性維持の面から、0.1μm〜50μmであることが好ましく、5μm〜40μmであることがより好ましい。
中間層
中間層は光電変換素子アレイとシンチレータ層の間に存在する、少なくとも1層以上からなる。したがって、中間層は、単層であっても2層以上の複数の積層体であってもよい。さらに、中間層は、光電変換素子アレイとシンチレータ層の間に存在するものであれば、機能が異なる複数の層であってもよい。たとえば以下の保護層と光学結合層が挙げられる。これらの積層の順序は特に制限されない。
・保護層
保護層は、シンチレータ層全体を保護し、蛍光体の劣化を抑制する役割を有する。保護層は、有機材料からなるもので、無機材料からなるもののいずれであってもよく、両方を組み合わせてもよく、さらに2層以上の積層物から構成されていてもよい。なお、シンチレータ層の劣化を抑制する役割を有する防湿保護層も保護層に含まれる。
たとえば、耐湿保護層は、ポリパラキシリレンからなるが、ポリモノクロロパラキシリレン、ポリジクロロパラキシリレン、ポリテトラクロロパラキシリレン、ポリフルオロパラキシリレン、ポリジメチルパラキシリレン、ポリジエチルパラキシリレン等のキシリレン系の材料からなってもよい。また、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリメタクリレート、ニトロセルロース、セルロースアセテート、ポリプロピレン、ポリエチレンナフタレート、ポリ尿素、ポリイミド等からなる保護層であってもよい。
また保護層は、グラファイト、鉄、銅、アルミニウム、マグネシウム、ベリリウム、チタン、シリコン、アルミニウムと炭素の複合材料、銅と炭素の複合材料などの金属ないし炭素系無機材料、LiF、MgF2、SiO2、Al23、TiO2、MgO、ITO、ガラス(珪酸ナトリウム)又はSiN等の非金属系無機材料を含む保護層であってもよい。無機材料を含む保護層の場合、無機材料単独から構成されても、また無機材料と有機材料とを含む保護層であってもよい。保護層としては、非金属系無機材料およびポリパラキシリレンなどキシリレン系高分子が好ましい。
保護層の厚さは、シンチレータ層によって変換された光を拡散させないためには薄くする必要があり、好ましくは50μm以下が好適であるがこの限りではない。
保護層は、上記有機材料、無機材料を含むフィルムを貼り付けたり、塗料を塗布することで作製可能であり、ポリパラキシリレンなど耐湿膜が形成する場合、シンチレータ層が形成された支持体をCVD装置の蒸着室に入れ、ポリパラキシリレンが昇華した蒸気中に露出させておくことにより、シンチレータ層と支持体の全表面がポリパラキシリレン膜で被覆された放射線検出器を得ることができる。
・光学結合層
光学結合層は、シンチレター層と光電変換素子とを密接に貼り合わせる機能を具備する。
光学結合層は、放射線の照射によりシンチレータ層で変換されて発光した可視光などが光学結合層や光電変換素子パネルの最表層を介して光電変換素子に到達するようにするために透明であり、光の透過率が90%以上の高透過率であることが好ましい。
また、光学結合層の厚さは、シンチレータ層からの発光を拡散させないためには薄くする必要があり、好ましくは50μm以下が好適であるが、より好ましくは30μm以下である。
光学結合層を構成する成分としては、本発明の目的を損なわない限り特に制限はないが、熱硬化樹脂、ホットメルトシート、感圧性接着シートが好ましい。
熱硬化樹脂としては、例えば、アクリル系やエポキシ系、シリコーン系等を主成分とする樹脂が挙げられる。なかでもアクリル系及びシリコン系等を主成分とする樹脂が低温熱硬化の観点より好ましい。市販品では、例えば、東レダウコーニング(株)製 メチルシリコーン系 JCR6122等が挙げられる。
光学結合層はホットメルトシートであってもよい。本発明におけるホットメルトシートとは、水や溶剤を含まず、室温では固形であり、不揮発性の熱可塑性材料からなる接着性樹脂(以下、ホットメルト樹脂)をシート状に成形したものである。被着体の間にホットメルトシートを挿入し、融点以上の温度でホットメルトシートを溶融後、融点以下の温度で固化させることにより、ホットメルトシートを介して被着体同士を接合する事が出来る。ホットメルト樹脂は極性溶媒、溶剤、および水を含んでいないため、潮解性を有する蛍光体(例えば、ハロゲン化アルカリからなる柱状結晶構造を有する蛍光体)に接触しても蛍光体を潮解させないため、光電変換素子とシンチレータ層の接合に適している。 また、ホットメルトシートは残留揮発物を含んでいないことで、乾燥による収縮が小さく、間隙充填性や寸法安定性にも優れている。
ホットメルトシートとしては、具体的には主成分により、例えばポリオレフィン系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリウレタン系、アクリル系、EVA系等の樹脂をベースにしたものが挙げられる。なかでも光透過性、接着性の観点から、ポリオレフィン系、EVA系、アクリル系樹脂をベースにしたものが好ましい。
光学結合層が、感圧性接着シートであってもよい。感圧性接着シートとしては、具体的には、アクリル系、ウレタン系、ゴム系及びシリコン系等を主成分としたものが挙げられる。なかでも光透過性、接着性の観点から、アクリル系及びシリコン系等を主成分としたものが好ましい。
光学結合層は、熱硬化樹脂の場合、シンチレータ層又は光電変換素子の上にスピンコート、スクリーン印刷、及びディスペンサー等の手法により、塗布される。
ホットメルトシートの場合、シンチレータ層と光電変換素子の間にホットメルトシートを挿入し、減圧下で、加熱することによって、光学結合層が形成される。感圧性接着シートは、ラミネーション装置等により貼り合せる。
光学結合層に無機物質を使用することも可能であり、前記したような、MgF2、SiO2、Al23、ガラス(珪酸ナトリウム)などの透明性を有する無機物質を使用してもよい。このような無機物質からなる光学結合層と有機物質からなる光学結合層を積層してもよい。
保護層と光学結合層を双方形成する場合、無機材料を含む隣接層Aを構成できれば、積層順序は特に制限されない。
シンチレータ隣接部Aは、前記シンチレータ層の先端(光電変換素子アレイ側の表面)から、直接かつ垂直に光電変換素子アレイに向かって距離50μm以内の箇所である。このため隣接部Aには、通常、中間層が含まれるが、後述する光電変換素子アレイの一部も含むこともある。
本発明では、シンチレータ隣接部Aに、少なくとも1種類以上の無機物質が含まれる。このため、前記した無機材料を含む保護層が隣接部Aに形成されていることが好ましい態様である。
したがって、前記シンチレータ隣接部Aに含まれる層は、中間層のみであることが好ましく、光電変換素子は、隣接部Aに含まれない。隣接部Aを中間層のみから構成すると、熱膨張係数を所定の構成に調整することが容易となる。
中間層は単層でもよく、2層以上の積層物から構成されていてもよい。
中間層のうちシンチレータに直接、接している層の厚みを1μm以下とすることも好ましい態様である。この厚みの中間層が、シンチレータ層に直接設けておけば熱膨張率に関係なく、加熱・冷却における膨張及び収縮の影響が少ないため、シンチレータ層のクラック発生を抑制できる。
また、中間層が複数層から構成される場合、隣接部Aはシンチレータに接している層であることも好ましい態様である。すなわち中間層が複数層から構成される場合、隣接部Aが無機材料を含み、所定の熱膨張係数を満足すれば、隣接部A以外の中間層の構成は特に制限されない。
中間層のうち少なくとも1層の主成分が無機物質であることは本発明の好ましい態様の一つである。主成分とは、それ単独で構成される場合でも、また、50質量%未満の他の成分を含む場合でもよい。なお、隣接部Aが無機物質を含んでいれば、隣接部A以外の中間層が主成分として無機物質を含まないものであってもよく、より好ましいのは、隣接部Aに直接接する中間層の主成分が無機物質である。
前記中間層のうち少なくとも1層の熱膨張係数が1.5×10-5[/K]以下であることも好ましい態様の一つである。表1に各材料の熱膨張係数を示す。このような熱膨張係数を満足するものであれば有機材料でも、無機材料でも、さらには金属系でも非金属系のものでもよいが、好ましくは酸化ケイ素(SiO2)、ガラス(珪酸ナトリウム)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化チタン(TiO2:ルチル、アナターゼ)などの無機物質から構成される。
Figure 0006717126
また、中間層が単一の層から形成されることも好ましい態様の一つである。さらに中間層には、上記保護層および光学結合層の他に、接着層や耐湿保護層が設けられていてもよい。
反射層
本発明では、反射層も必ずしも必要ではなく、また反射層が下引層を兼ねていてもよい。反射層を設けることで、センサーと逆方向の発光を反射することで、シンチレータ層で変換された光が効率的にセンサーへ導かれ感度が向上する。
反射層は光の反射率の高い材料からなるものが好ましく、通常、金属反射層により構成される。かかる金属反射層を形成しうる金属材料として、具体的には、アルミニウム、銀、白金、パラジウム、金、銅、鉄、ニッケル、クロム、コバルト、マグネシウム、チタン、ロジウム、ステンレス等の金属材料を含有していることが好ましい。中でも反射率の観点から銀もしくはアルミニウムを主成分としていることが特に好ましい。ここで、金属反射層を構成する金属材料は、本発明の典型的な態様において、金属単体あるいはその合金の形態を有している。
ただ、光の散乱が大きくならない限りにおいては、必ずしも金属単体やその合金の形態を有するものに限られず、対応する金属酸化物の形態であってもよい。この場合は、金属酸化物による薄膜を複数積層させて反射機能を持たせる、いわゆる誘電体多層膜などを想定することができる。このような誘電体多層膜に用いられる金属酸化物の好適な例として、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化チタン(TiO2)、酸化ケイ素(SiO2)、酸化ニオブ(Nb2O5)、酸化タンタル(Ta2O5)などが挙げられる。
誘電体層として、有機材料を用いることもできる。有機材料層は高分子結合材(バインダー)、分散剤等を含有することが好ましい。有機材料層の屈折率は材料の種類にもよるがおおよそ1.4〜1.6の範囲である。有機材料層の厚さは0.5〜4μmが好ましい。4μm以下とすることで有機材料層内での光散乱が小さくなり鮮鋭性が向上する。また、有機材料層の厚さを0.5μm以上とすることで、反射層としての効果が大きくなる。有機材料層に用いられる高分子結合材としては、具体的には、ポリウレタン、塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、ポリエステル、セルロース誘導体(ニトロセルロース等)、スチレン−ブタジエン共重合体、各種の合成ゴム系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノキシ樹脂、シリコン樹脂、アクリル系樹脂、尿素ホルムアミド樹脂等が挙げられる。
金属反射層を支持体表面に設ける方法としては、蒸着、スパッタなど既知のプロセスを用いる方法や、アルミニウムなどの金属を薄膜化しておき、後で貼付することが可能である。また金属箔は接着剤を介して圧着させることも可能であるが、接着剤が介在すると、光吸収が生じて、光量が少なくなることがある。このような観点から、スパッタが好ましい。なお、支持体側に光検出器が存在する形態を取る場合は、シンチレータ層を挟んで支持体と反対側に金属反射層を設けることも可能であり、その場合は、薄膜化した金属を貼付する方が、蒸着、スパッタによる膜の様な、シンチレータ層の凹凸に追従してクラックが入りやすい膜にならずに済むため、特に好ましい。また有機材料層は、溶剤に溶解または分散した高分子結合材(以下「バインダー」ともいう。)を塗布、乾燥して形成することが好ましい。
さらに反射層として、バインダー樹脂と、光散乱粒子または空隙の少なくとも一方とから構成される反射層であってもよく、その一態様として、塗布型反射層を挙げることができる。
バインダー樹脂としては、易接着性のポリマー、例えば、ポリウレタン、塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、ポリエステル、セルロース誘導体(ニトロセルロース等)、スチレン−ブタジエン共重合体、各種の合成ゴム系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、尿素ホルムアミド樹脂等が挙げられる。
なかでもポリウレタン、ポリエステル、シリコーン樹脂、アクリル樹脂又はポリビニルブチラールを使用することが好ましい。また、これらのバインダーは2種以上を混合して使用することもできる。
光散乱粒子としては、白色顔料からなるものが、光の屈折という点で好ましい。
白色顔料としては、例えば、TiO2(アナターゼ型、ルチル型)、MgO、PbCO3・Pb(OH)2、BaSO4、Al23、M(II)FX(但し、M(II)はBa、Sr及びCaの各原子から選ばれる少なくとも一種の原子であり、XはCl原子又はBr原子である。)、CaCO3、ZnO、Sb23、SiO2、ZrO2、リトポン(BaSO4・ZnS)、珪酸マグネシウム、塩基性珪硫酸塩、塩基性燐酸鉛、珪酸アルミニウム等を使用することができる。これらの白色顔料は単独で用いてもよいし、あるいは組み合わせて用いてもよい。
これらの白色顔料のうちTiO2、Al23などは隠蔽力が強く、屈折率が大きい。このため、拡散光を反射し、屈折させることで、散乱光が横方向に伝播する前に、シンチレータ層へ戻すことができる。その結果、得られる輝度を上げることができるばかりか、画像ボケの原因であった、拡散光を有効にシンチレータ層に戻すことが可能となり、画質を顕著に向上させることができる。
酸化チタンの結晶構造としては、ルチル型、アナターゼ型どちらでも使用できるが、樹脂との屈折率差が大きく、高輝度を達成できる点からルチル型が好ましい。
酸化チタンとしては、具体的には、例えば塩酸法で製造されたCR−50,CR−50−2,CR−57,CR−80,CR−90,CR−93,CR−95,CR−97,CR−60−2,CR−63,CR−67,CR−58,CR−58−2,CR−85,硫酸法で製造されたR−820,R−830,R−930,R−550,R−630,R−680,R−670,R−580,R−780,R−780−2,R−850,R−855,A−100,A−220,W−10(以上商品名:石原産業(株)製)などが挙げられる。
光散乱粒子の一次粒径は0.1〜0.5μmの範囲内が好ましく、さらに0.2〜0.3μmの範囲内がさらに好ましい。また、光散乱粒子は、ポリマーとの親和性、分散性を向上させるためやポリマーの劣化を抑えるためのAl、Si、Zr、Znなどの酸化物で表面処理されたものが特に好ましい。
また上記光散乱粒子の代わりに、反射層は空隙を含むものでもよい。空隙でも同様に光が屈折するため、光散乱粒子と同様にシンチレータ層への拡散反射光の戻りを多くすることができる。
内部に空隙を形成する手段としては、例えば発泡剤による方法や、ガスを注入しておいて低圧化させる方法、延伸による方法など様々な方法、があるが、発泡剤により空隙を形成すると、内部空隙は球状もしく楕円球状となり、微細な空隙を均一に多数形成することが可能であるため、発泡剤で空隙を形成する方法がより望ましい。
下引層
本発明においては、支持体とシンチレータ層の間(反射層を設けない場合など)、又は反射層とシンチレータ層の間(反射層を支持体のシンチレータ側に設ける場合)に下引層を設ける。
下引層は、反射層を保護し、シンチレータ層との密着性を有するものであれば、有機材料、無機材料のいずれであっても制限なく使用できる。
たとえばアルミニウム、銀、白金、パラジウム、金、銅、鉄、ニッケル、クロム、コバルト、ロジウム、マグネシウム、チタン、ステンレスなどの金属材料、
酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化チタン(TiO2)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ケイ素(SiO2)、酸化ニオブ(Nb2O5)、酸化タンタル(Ta2O5)、酸化亜鉛(ZnO)、三酸化アンチモン(Sb23)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、前記金属材料で使用される銀、銅、クロム、コバルト、ロジウム、ステンレスなどの元素の金属酸化物、フッ化リチウム(LiF)、フッ化マグネシウム(MgF2)などの金属フッ化物の他に、PbCO3・Pb(OH)2、BaSO4、Al23、M(II)FX(但し、M(II)はBa、Sr及びCaの各原子から選ばれる少なくとも一種の原子であり、XはCl原子又はBr原子である。)、CaCO3、リトポン(BaSO4・ZnS)、珪酸マグネシウム、塩基性珪硫酸塩、塩基性燐酸鉛、珪酸アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、マイカ、タルクなどの無機材料、
ポリパラキシリレンの他に、前記反射層で高分子結合材(バインダー)として例示したポリウレタン、塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、ポリエステル、セルロース誘導体(ニトロセルロース等)、スチレン−ブタジエン共重合体、各種の合成ゴム系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノキシ樹脂、シリコン樹脂、アクリル系樹脂、尿素ホルムアミド樹脂等の有機材料が例示される。
当該下引層は、CVD法(気相化学成長法)によりポリパラキシリレン膜を成膜する方法や高分子結合材(バインダー)による形成方法があるが、金属反射層と同様の形成方法も採用できる。
また下引層の厚さは、20〜400nmが好ましい。400nm以下になると下引層内での光散乱が小さくなり鮮鋭性が向上する。また下引層の厚さを所定範囲とすることで、蛍光体の結晶成長に乱れが発生するのを防止できる。
シンチレータ隣接部Bは、通常、下引層が該当するが、反射層の一部も含まれる場合がある。また、下引層が複数層の積層であってもよいが、積層物の厚さが5μm以内の箇所が隣接部Bとなる。
このような下引層の主成分は無機物質であることが本発明の好ましい態様である。なお、主成分とは、前記中間層で記載したように単一成分からなるものであっても、他の成分をたとえば50質量%未満の量で含む場合のいずれであってもよい。
本発明では、下引層の熱膨張係数が1.5×10-5[/K]以下であることが好ましい態様である。このような熱膨張係数を有すると、隣接層Aとの熱膨張率差を調整しやすく、クラック発生を抑制することが可能となる。
各材料の熱膨張係数は上記表1に示しており、所定の熱膨張係数となるように、前記中間層および下引層の材料は、適宜選択される。
本発明にかかる放射線検出器において、前記下引層が単一の層から形成されることが好ましい態様である。すなわち、下引層は、二層構造のものは層間での熱膨張係数差)から、本発明の目的を果たせないことがある。
本発明において、下引層の主成分と前記中間層の主成分は、同一であっても異なるものであってもよい。主成分が同一であれば、隣接部AおよびBの熱膨張係数差がなくなり、クラック抑制効果がより高くなる。また、異なるものであっても、熱膨張係数差が少ないように構成すれば同じ効果を奏することができる。
本発明で、隣接部BおよびAの組み合わせとしては、下引層−中間層の組み合わせで、SiO2−SiO2、Al2O3−SiO2、TiO2−SiO2、MgF2−SiO2、ポリエステル−ポリパラキシリレン、アクリル(PMMAなど)−ポリパラキシリレンなどが挙げられる。
光電変換素子アレイ
光電変換素子アレイは、シンチレータ層で変換された可視光などを吸収して、電荷の形に変換することで電気信号に変換して、放射線画像検出器の外部に出力する役割を有しており、従来公知のものを用いることができる。
ここで、本発明で用いられる光電変換素子アレイの構成は特に制限はないものの、通常、基板と、画像信号出力層と、光電変換素子とがこの順で積層された形態を有している。
このうち、光電変換素子は、シンチレータ層で変換された発生した可視光などを吸収して、電荷の形に変換する機能を有している。ここで、光電変換素子は、そのような機能を有する限り、どのような具体的な構造を有していてもよい。例えば、本発明で用いられる光電変換素子は、透明電極と、入光した光により励起されて電荷を発生する電荷発生層と、対電極とからなるものとすることができる。これら透明電極、電荷発生層および対電極は、いずれも、従来公知のものを用いることができる。また、本発明で用いられる光電変換素子は、適当なフォトセンサーから構成されていても良く、例えば、複数のフォトダイオードを2次元的に配置してなるものであってもよく、あるいは、CCD(Charge Coupled Devices)、CMOS(Complementary metal-oxide-semiconductor)センサーなどの2次元的なフォトセンサーからなるものであっても良い。
また、画像信号出力層は、上記光電変換素子で得られた電荷を蓄積するとともに、蓄積された電荷に基づく信号の出力を行う機能を有する。ここで、画像信号出力層は、どのような具体的な構造を有していてもよく、例えば、光電変換素子で生成された電荷を画素毎に蓄積する電荷蓄積素子であるコンデンサと、蓄積された電荷を信号として出力する画像信号出力素子であるトランジスタとを用いて構成することができる。ここで、好ましいトランジスタの例として、TFT(薄膜トランジスタ)が挙げられる。
また、基板は、放射線検出器の支持体として機能するものであり、上述した本発明の放射線検出器で用いられる支持体と同様のものとすることができる。
このように、本発明で用いうる光電変換素子として種々の構成のものを用いることができる。例えば、後述する本願実施例で用いられているように、ガラス基板上に複数のフォトダイオードと複数のTFT素子を形成してなる光電変換素子を、光電変換素子として用いることができる。
さらに、光電変換素子は、電気信号に変換されたX線の強度情報および位置情報に基づく画像信号を記憶するためのメモリ部、光電変換素子パネルを駆動させるために必要な電力を供給する電源部、外部に画像情報を取りだすための通信用出力部など、公知の放射線検出器を構成する光電変換素子パネルが有しうる各種部品をさらに備えることができる。
放射線検出器の製造方法
本発明に係る放射線検出器は、例えば、必要に応じて、支持体に対して、従来公知の方法に従って反射層の形成を行い、その後、下引層およびシンチレータ層の形成を行い、中間層を介在させて、光電変換素子と積層することにより、得ることができる。
シンチレータ層は気相法によって形成されていることが好ましく、具体的には蒸着法によって形成されることが好ましい。
シンチレータ層は、真空容器内に蒸発源及び基板回転機構を有する蒸着装置を用いて、支持体を前記支持体回転機構に設置して、当該支持体を回転しながら蛍光体材料を蒸着する工程を含む気相堆積法により、シンチレータ層を形成する態様の製造方法が好ましい。
シンチレータ層と光電変換素子とを中間層を介して積層する。たとえば中間層形成用シートを、シンチレータ層と光電変換素子との間に挟み、加圧状態で加熱することにより所定の隣接部AおよびBから構成される放射線検出器を形成できる。
さらに必要に応じて、接着層を設けてもよい。接着層を構成する材料としては、上記したホットメルト樹脂などが例示される。
支持体は、脱離させてもよくし、そのまま残しておいてもよい。そのまま残して使用する場合、透明な材料から構成されることが望ましい。
本発明の放射線画像検出器は、種々の態様のX線画像撮影システムに応用することができる。
[実施例]
以下、実施例により、本発明を詳細に説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
[製造例]
支持体として、厚さ125μmのポリイミドフィルム(宇部興産(株)製UPILEX−125S)を用いた。
(反射層の作製)
実施例1〜6、比較例1〜5の樹脂反射層は、ポリエルテル樹脂に酸化チタンを分散させたものを50μmの厚さにコーティングした。
実施例7は銀、実施例8はアルミニウムをスパッタして反射層(100nm)を形成した。
実施例9および10の反射層は、形成しなかった。
(下引層の作製)
実施例1、9、10および比較例2、3のSiO2下引層は、シリカのスパッタによって形成した。厚みは100nmである。
実施例2のAl23、実施例3および比較例5のTiO2、実施例4および比較例4のMgF2からなる下引層は、これらの粒子が溶剤に分散した分散液を50μmの厚さとなるように塗布して乾燥して作製した。バインダーとしては、ポリエステル樹脂を粒子に対し30質量%を含むものを使用した。
実施例5、7および8、比較例1のポリエステル下引層は、バイロン(登録商標)「200(銘柄)」(東洋紡績(株)製:高分子ポリエステル樹脂)をメチルエチルケトン〔MEK〕に溶解し、乾燥膜厚が3μmとなるように塗布することによって下引層を形成した。
実施例6のポリメチルメタクリレート(PMMA)下引層は、メチルエチルケトン〔MEK〕に溶解し、乾燥膜厚が3μmとなるように塗布することによって作製した。
(シンチレータ層の作製)
上記下引層が形成された支持体表面に、蛍光体材料(CsI(Tl)(0.3mol%))を蒸着させ、厚さが500μmのシンチレータ層を形成した。
(中間層の作製)
実施例1〜4および比較例1のSiO2保護層は、シリカのスパッタによって、100nmとなるように作製した。
実施例5〜8および比較例2、4、5の保護層は融点290℃のパリレンC(日本パリレン合同会社製)を蒸着させて、10μmとなるように作製した。なお、パリレンCは、ベンゼン環が−CH2−を介して重合した基本構造を有し、このベンゼン環の水素一個が塩素で置換されたものである。
実施例9、10および比較例3のポリメチルメタクリレート(PMMA)保護層は、メチルエチルケトン〔MEK〕に溶解し、乾燥膜厚が3μmの厚さとなるように塗布し作製した。実施例9および10は、シンチレータ隣接部の光学結合層として、それぞれSiO2およびMgF2をスパッタにより50nmとなるように作製した後、OCA(3M)によりセンサと光学的に結合して作製した。
[実施例1〜10および比較例1〜5]
層構成を表2に示すように積層させしてPaxScan(バリアン(株)製フラットパネルディスプレイFPD:2520)表面の光電変換素子と貼り合わせた。
各実施例・比較例で作製した放射線検出器について、光電変換素子に密着または貼り合せる前のパネルを断裁し、X線の入射・出射面に垂直な任意の面を露出させ、その断面を走査型電子顕微鏡写真により観察し、クラック発生の有無を評価した。
また、管電圧を80Kvpに設定したX線照射装置を用いてX線を、シンチレータパネルを具備した放射線検出器に照射し、得られたベタ画像を解析し、以下の基準で評価した。
○:全く画像欠損なし
△:わずかに筋やムラなどの欠損が生じる
×:視認できるレベルで大きな筋が入っていたり、視野に均一の黒ないし白い部分が存在する
結果を表3に合わせて示す。
Figure 0006717126
Figure 0006717126

Claims (12)

  1. 光電変換素子アレイと、
    放射線を可視光に変換するシンチレータ層と、
    シンチレータ層を挟んで、光電変換素子アレイと反対側に位置する反射層と、
    シンチレータ層と反射層の間に存在し、画像形成領域でシンチレータ層に接し、主成分が無機物質である下引層と、
    光電変換素子アレイとシンチレータ層の間に存在する、少なくとも1層以上からなる中間層とを含む放射線検出器であって、
    前記シンチレータ層の先端から、光電変換素子アレイに向かって距離50μm以内の箇所を、シンチレータ隣接部Aとし、
    前記シンチレータ層の蒸着されている表面から、光電変換素子アレイと反対側に向かって距離5μm以内の箇所を、シンチレータ隣接部Bと規定したとき、
    前記シンチレータ隣接部A、シンチレータ隣接部Bのそれぞれに、少なくとも1種類以上の無機物質が含まれており、
    かつシンチレータ隣接部A、シンチレータ隣接部Bに含まれる物質のうち、それぞれ最も小さい熱膨張係数を持つ物質間の熱膨張係数差が、1.5×10-5[/K]以下であることを特徴とする放射線検出器。
  2. 前記放射線検出器において、
    前記シンチレータ隣接部Aに含まれる層が中間層のみであることを特徴とする、請求項1に記載の放射線検出器。
  3. 前記放射線検出器において、
    前記中間層のうちシンチレータに接している層の厚みが1μm以下であることを特徴とする、請求項1ないし2に記載の放射線検出器。
  4. 前記放射線検出器において、
    前記シンチレータ隣接部Aが、中間層のうちシンチレータに接している層であることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の放射線検出器。
  5. 前記放射線検出器において、前記下引層の熱膨張係数が1.5×10-5[/K]以下であることを特徴とする、請求項1ないしのいずれかに記載の放射線検出器。
  6. 前記放射線検出器において、前記中間層のうち少なくとも1層の主成分が無機物質であることを特徴とする、請求項1ないしのいずれかに記載の放射線検出器。
  7. 前記放射線検出器において、前記中間層のうち少なくとも1層の熱膨張係数が1.5×10-5[/K]以下であることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の放射線検出器。
  8. 前記放射線検出器において、前記下引層が単一の層から形成されることを特徴とする、請求項1ないしのいずれかに記載の放射線検出器。
  9. 前記放射線検出器において、前記下引層の主成分と前記中間層の主成分が同一であることを特徴とする、請求項1ないしのいずれかに記載の放射線検出器。
  10. 前記放射線検出器において、前記中間層が単一の層から構成されてなることを特徴とする、請求項1ないしのいずれかに記載の放射線検出器。
  11. 前記放射線検出器において、前記シンチレータ層が無機物質の結晶からなることを特徴とする、請求項1ないし10のいずれかに記載の放射線検出器。
  12. 前記放射線検出器において、前記シンチレータ層の主成分がヨウ化セシウムであることを特徴とする、請求項11に記載の放射線検出器。
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