JP6715522B2 - 医療用処置具及び医療用処置装置 - Google Patents

医療用処置具及び医療用処置装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6715522B2
JP6715522B2 JP2017505354A JP2017505354A JP6715522B2 JP 6715522 B2 JP6715522 B2 JP 6715522B2 JP 2017505354 A JP2017505354 A JP 2017505354A JP 2017505354 A JP2017505354 A JP 2017505354A JP 6715522 B2 JP6715522 B2 JP 6715522B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
side electrode
tip
light guide
medical treatment
electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017505354A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2016143793A1 (ja
Inventor
猛 大平
猛 大平
Original Assignee
猛 大平
猛 大平
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 猛 大平, 猛 大平 filed Critical 猛 大平
Publication of JPWO2016143793A1 publication Critical patent/JPWO2016143793A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6715522B2 publication Critical patent/JP6715522B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B18/00Surgical instruments, devices or methods for transferring non-mechanical forms of energy to or from the body
    • A61B18/04Surgical instruments, devices or methods for transferring non-mechanical forms of energy to or from the body by heating
    • A61B18/12Surgical instruments, devices or methods for transferring non-mechanical forms of energy to or from the body by heating by passing a current through the tissue to be heated, e.g. high-frequency current
    • A61B18/14Probes or electrodes therefor
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B18/00Surgical instruments, devices or methods for transferring non-mechanical forms of energy to or from the body
    • A61B18/18Surgical instruments, devices or methods for transferring non-mechanical forms of energy to or from the body by applying electromagnetic radiation, e.g. microwaves
    • A61B18/20Surgical instruments, devices or methods for transferring non-mechanical forms of energy to or from the body by applying electromagnetic radiation, e.g. microwaves using laser

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Surgery (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Otolaryngology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Surgical Instruments (AREA)
  • Laser Surgery Devices (AREA)

Description

この発明は、例えば、体腔鏡下手術などの腹部外科・胸部外科・婦人科・泌尿器科・耳鼻咽喉科(咽頭・喉頭・頸部)領域における鏡視下手術において、レーザ光を用いた治療と電気メスによる治療とを行うための医療用処置具及び医療用処置装置に関する。
従来より、治療対象箇所を切除等するための切開には、非接触で切開するレーザ光を用いたレーザメスや、高周波電流を通電させて切開箇所を焼切る電気メス等が用いられているが、それぞれに特徴があり、施術内容に応じて使い分けられていた。
具体的には、レーザメスの場合、レーザ光の微小スポットによる非接触の高速切開ができるとともに、止血を行いながら切開することができる。これに対し、電気メスの場合、切開箇所を電気メス用ブレード電極で焼切るため、切開箇所の焼灼止血作用に優れている。
しかしながら、施術内容に応じてレーザメスと電気メスとを術中に交換することは、患者への負担が大きくなるという問題があり、その対策として、例えば特許文献1では、電気メスとレーザメスを切り換え可能とした医療用術具を用いることで、レーザメスと電気メスとを術中に交換することなく、使い分けることができ、患者負担を軽減できる低侵襲な医療用処置具が提案されている。
また、患者負担を軽減できる術式として、例えば、体腔鏡下外科手術が採用されている。体腔鏡下外科手術は、例えば腹部にある臓器の手術をする場合、腹部にいくつかの貫通孔を設け、この貫通孔に鉗子やメス等の術具や体腔鏡を挿入し、体腔鏡映像を確認しながら治療する方法である。このような体腔鏡下外科手術は、これまでのように腹部を大きく切開する開腹手術に比べ、患者負担が少なく、回復も早いとされている。
このように、体腔鏡下外科手術などの鏡視下手術では、内視鏡を操作しながら、術具も操作するため、施術内容に応じてレーザメスと電気メスとを術中に交換するには、非常に煩雑で手間がかかる。したがって、上述の特許文献1で提案された電気メスとレーザメスを切り換え可能とした医療用術具を用いることで、施術内容に応じてレーザメスと電気メスとを術中に交換する場合に比べ、患者負担を大幅に低減できると考えられる。
しかしながら、特許文献1で提案される医療用術具は、レーザプローブ先端に設けられている金属カバーが電気メスのブレード電極として機能するが、この金属カバーがレーザ出射口前方にあるためレーザによる切開機能が損なわれるという問題があった。
特開2012−105766号公報
この発明は、上述した問題に鑑み、簡単な装置構成で、施術中にレーザメスの機能と電気メスの機能とを切り替えて使用することができる医療用処置具及び医療用処理装置を提供することを目的とする。
この発明は、体内に挿入される医療用処置具であって、処置対象である生体の施術対象部を非接触で切開可能なレーザ光を導光する導光路と、該導光路の先端において、前記導光路における前記レーザ光を照射する出射端から所定間隔を隔てて、前記レーザ光の照射経路上に、少なくとも一部分を配置した先端側電極と、該先端側電極に対して可動し、前記先端側電極とで前記施術対象部を挟み込んで把持するとともに、前記先端側電極と通電してバイポーラ電極として機能する把持側電極を備え、該把持側電極を、前記導光路の先端から照射された前記レーザ光に干渉しない非干渉構造としたことを特徴とする。
上記導光路は、内部に導光空間を有する管状の導光管、あるいは充実ファイバなどの内部の導光を許容する導光部材で構成することができる。
上記非干渉構造は、レーザ光の照射経路から退避する、あるいはレーザ光の照射空間を有するなど、レーザ光の照射に支障しない構造であることをいう。
この発明により、簡単な装置構成で、施術中にレーザメスの機能と電気メスの機能とを切り替えて使用することができる。
詳しくは、処置対象である生体の施術対象部を非接触で切開可能なレーザ光を導光する導光路と、該導光路の先端において、前記導光路における前記レーザ光を照射する出射端から所定間隔を隔てて、前記レーザ光の照射経路上に、少なくとも一部分を配置した先端側電極と、該先端側電極に対して可動し、前記先端側電極とで前記施術対象部を挟み込んで把持するとともに、前記先端側電極と通電してバイポーラ電極として機能する把持側電極を備えたことにより、少なくとも先端側電極と把持側電極とで挟み込むことで、先端側電極と把持側電極とがバイポーラ電極として機能して電気メスとして用いることができる。
また、該把持側電極を、前記導光路の先端から照射された前記レーザ光に干渉しない非干渉構造としたことで、導光路を導光するレーザ光は、把持側電極に干渉することなく、施術対象箇所に照射して、レーザメスとして用いることができる。
さらにまた、該導光路の先端において、前記導光路における前記レーザ光を照射する出射端から所定間隔を隔てて、先端側電極の少なくとも一部分を前記レーザ光の照射経路上に配置したため、照射されたレーザ光が先端側電極で遮られるため、例えば、術野の狭い体腔鏡下外科手術であっても、レーザ光が生体組織深部に到達して、意図しない深さや箇所まで照射されるおそれがなく、安全に施術することができる。つまり、先端側電極は、電気メス用電極だけでなく、レーザ光を遮光する遮光板としても機能することができる。
このように、本発明の医療用処置具は、先端側電極と把持側電極とにより電気メスとして機能するとともに、レーザ光を照射することでレーザメスとしても機能するため、施術中であってもレーザメスの機能と電気メスの機能とを切り替えて使用することができる。
したがって、本発明の医療用処置具は、動脈・静脈など切開により大量出血に繋がる組織や、リンパ液の漏出が懸念されるリンパ管などを、先端側電極と把持側電極で把持するとともに、その圧迫による物理的駆血状態を作った上で、電気メスの機能で電気凝固しながら、同時にレーザメスとして切開操作を完結することができる。
この発明の態様として、前記先端側電極が、処置対象である生体に接触された対極板と通電してモノポーラ電極として機能することができる。
この発明により、先端側電極は、把持側電極とで把持してバイポーラ電極として機能するのみならず、モノポーラ電極として機能し電気メスを構成することができるため、施術内容や施術箇所などの施術状況に適した通電形式の電気メスとして施術することができ、より適切な施術を行うことができる。
またこの発明の態様として、前記把持側電極に、前記レーザ光の照射時において、前記照射経路から退避する退避機構を備えることができる。
上記退避機構は、レーザメスとして機能させるためにレーザ光を照射する際に、例えば枢動機構により、レーザ経路から退避する構成とすることができる。
この発明により、確実に、患部に対してレーザ光を照射することができる。
またこの発明の態様として、前記導光路を、内部にレーザ光の導光を許容する導光空間を有する中空の中空導光路で構成することができる。
この発明により、効率よく導光できるため、出力エネルギの高いレーザメスとして機能させることができる。
またこの発明は、処置対象である生体の施術対象部を非接触で切開可能なレーザ光を導光する導光路と、該導光路の先端において、前記導光路における前記レーザ光を照射する出射端から所定間隔を隔てて、前記レーザ光の照射経路上に、少なくとも一部分を配置した先端側電極と、該先端側電極に対して可動し、前記先端側電極とで前記施術対象部を挟み込んで把持するとともに、前記先端側電極と通電してバイポーラ電極として機能する把持側電極を備え、該把持側電極を、前記導光路の先端から照射された前記レーザ光に干渉しない非干渉構造とするとともに、体内に挿入される医療用処置具と、前記レーザ光を発生させるレーザ発振器と、高周波電流を発振する高周波発振器と、少なくとも該レーザ発振器及び前記高周波発振器を制御する制御部を内部に備えた装置本体と、前記レーザ発振器で発生した前記レーザ光を前記導光路まで導光する導光ケーブル、及び前記高周波発振器で発振した前記高周波電流を前記先端側電極及び前記把持電極まで導電可能に接続する導電ケーブルを備え、前記装置本体と前記医療用処置具とを接続する接続ケーブルとで構成した医療用処置装置であることを特徴とする。
この発明により、簡単な装置構成で、施術中にレーザメスの機能と電気メスの機能とを切り替えて使用することができる。
詳しくは、処置対象である生体の施術対象部を非接触で切開可能なレーザ光を導光する導光路と、該導光路の先端において、前記導光路における前記レーザ光を照射する出射端から所定間隔を隔てて、前記レーザ光の照射経路上に、少なくとも一部分を配置した先端側電極と、該先端側電極に対して可動し、前記先端側電極とで前記施術対象部を挟み込んで把持するとともに、前記先端側電極と通電してバイポーラ電極として機能する把持側電極を備えたことにより、少なくとも先端側電極と把持側電極とで挟み込むことで、先端側電極と把持側電極とがバイポーラ電極として機能して電気メスとして用いることができる。
また、該把持側電極を、前記導光路の先端から照射された前記レーザ光に干渉しない非干渉構造としたことで、導光路を導光するレーザ光は、把持側電極に干渉することなく、施術対象箇所に照射して、レーザメスとして用いることができるとともに、先端側電極は、照射されたレーザ光を遮光する遮光板としても機能することができる。
このように、本発明の医療用処置具は、先端側電極と把持側電極とにより電気メスとして機能するとともに、レーザ光を照射することでレーザメスとしても機能するため、施術中であってもレーザメスの機能と電気メスの機能とを切り替えて使用することができる。
またこの発明の態様として、処置対象である生体に接触され、前記先端側電極と通電して、前記先端側電極をモノポーラ電極として機能させる前記対極板を備えることができる。
この発明により、先端側電極は、把持側電極とで把持してバイポーラ電極として機能するのみならず、モノポーラ電極として機能し電気メスを構成することができるため、施術内容や施術箇所などの施術状況に適した通電形式の電気メスとして施術することができ、より適切な施術を行うことができる。
またこの発明の態様として、前記制御部に、前記先端側電極及び前記把持電極を通電するバイポーラ回路と、前記先端側電極及び前記対極板を通電するモノポーラ回路とを切り替え、前記バイポーラ回路及び前記モノポーラ回路の一方に前記高周波電流を通電する通電切替部を備えることができる。
これにより、施術状況に応じて適した通電形式での電気メスとして機能することができる。
またこの発明の態様として、前記制御部に、前記レーザ発振器と前記高周波発振器とを切り替えて、前記レーザ発振器、及び前記高周波発振器の一方を稼働させる稼働切替部を備えることができる。
この発明により、電気メスとレーザメスとが選択的に切り替えて稼働させるため、両方が稼働して、意図しない施術を行うことを防止することができる。
またこの発明の態様として、前記把持側電極に、前記レーザ光の照射時において、前記照射経路から退避する退避機構を備えることができる。
この発明により、確実に、患部に対してレーザ光を照射することができる。
またこの発明の態様として、前記導光路を、内部にレーザ光の導光を許容する導光空間を有する中空の中空導光路で構成することができる。
この発明により、効率よく導光できるため、出力エネルギの高いレーザメスとして機能させることができる。
また、この発明は、体内に挿入される医療用処置具であって、処置対象である施術対象部を非接触で切開可能なレーザ光を導光する導光路と、該導光路の先端において、前記導光路における前記レーザ光を照射する出射端から所定間隔を隔てて、前記レーザ光の照射経路上に、少なくとも一部分を配置した先端側電極と、前記先端側電極と通電してバイポーラ電極として機能すると共に、前記導光路に設けた支点を中心に回動し、前記先端側電極とで前記施術対象部を挟み込んで把持できる把持側電極とを有し、該把持側電極を前記導光路の先端から照射された前記レーザ光に干渉しない非干渉構造とすることを特徴とする。
さらにまたこの発明は、体内に挿入される医療用処置具であって、処置対象である施術対象部を非接触で切開可能なレーザ光を導光する導光路と、該導光路の先端において、前記導光路における前記レーザ光を照射する出射端から所定間隔を隔てて、前記レーザ光の照射経路上に、少なくとも一部分を配置した先端側電極と、該先端側電極に対して可動し、前記先端側電極とで前記施術対象部を挟み込んで把持するとともに、前記先端側電極と通電してバイポーラ電極として機能する把持側電極とを備え、該把持側電極は、枢動軸を有し、これを軸として枢動して前記施術対象部を前記先端側電極とで挟みこんで把持すると共に、該把持側電極を、前記導光路の先端から照射された前記レーザ光に干渉しない非干渉構造とすることを特徴とする。
またこの発明は、処置対象である施術対象部を非接触で切開可能なレーザ光を導光する導光路と、該導光路の先端において、前記導光路における前記レーザ光を照射する出射端から所定間隔を隔てて、前記レーザ光の照射経路上に、少なくとも一部分を配置した先端側電極と、前記先端側電極と通電してバイポーラ電極として機能すると共に、前記導光路に設けた支点を中心に回動し、前記先端側電極とで前記施術対象部を挟み込んで把持できる把持側電極とを有し、該把持側電極を前記導光路の先端から照射された前記レーザ光に干渉しない非干渉構造とし、体内に挿入される医療用処置具と、前記レーザ光を発生させるレーザ発振器と、高周波電流を発振する高周波発振器と、少なくとも該レーザ発振器及び前記高周波発振器を制御する制御部を内部に備えた装置本体と、前記レーザ発振器で発生した前記レーザ光を前記導光路まで導光する導光ケーブル、及び前記高周波発振器で発振した前記高周波電流を前記先端側電極及び前記把持側電極まで導電可能に接続する導光ケーブルを備え、前記装置本体と前記医療用処置具とを接続する接続ケーブルとで構成した医療処置装置であることを特徴とする。
この発明により、簡単な装置構成で、施術中にレーザメスの機能と電気メスの機能とを切り替えて使用することができるとともに、患部を把持しながら凝固したり、切開することができる。
上述したように、特許文献1で提案される医療用術具は、レーザプローブ先端に設けられている金属カバーが電気メスのブレード電極として機能するが、この金属カバーがレーザ出射口前方にあるためレーザによる切開機能が損なわれるという問題に対し、簡単な装置構成で、施術中にレーザメスの機能と電気メスの機能とを切り替えて使用することができる医療用処置具が特開2015−16035号公報に提案されている。
特開2015−16035号公報に記載の医療用処置具は、患部を切開する炭酸ガスレーザを導波する中空のレーザプローブの出射口から所定間隔を隔ててバイポーラ電極とブレード電極とが配置されるとともに、バイポーラ電極が移動可能に構成されており、プレート電極とバイポーラ電極とで患部をはさみ込んで導電して電気メスとして機能することができる。
しかしながら、バイポーラ電極とプレート電極とを通電するために、バイポーラ電極をプレート電極側に移動させ、バイポーラ電極とプレート電極とで患部を挟み込んでいる、つまり2つの平行な電極の面で患部を両側から押さえる構造であるため、患部を把持しながら凝固したり、切開したりすることはできなかった。これに対し、本願発明の医療用処置具及び医療用処置装置は、簡単な装置構成で、施術中にレーザメスの機能と電気メスの機能とを切り替えて使用することができるとともに、患部を把持しながら凝固したり、切開したりできる。
この発明の態様として、前記把持側電極は、前記支点を中心に回動し、前記先端側電極とで前記施術対象部を挟み込んで把持及びシーリングを同時に行うことができる。
またこの発明の態様として、前記把持側電極は、前記支点を中心に回動し、前記先端側電極とで前記施術対象部を挟み込んでシーリングしながら鉗子操作することができる。
またこの発明の態様として、前記把持側電極は、前記支点を中心に回動し、前記先端側電極とで前記施術対象部を挟み込んで把持、シーリング及び切開を行うことができる。
またこの発明の態様として、前記先端側電極と把持側電極とで前記施術対象部を挟み込む力を、加えた力に対して力学的に5倍以上の力としてシーリングすることができる。
またこの発明の態様として、前記先端側電極が、処置対象である生体に接触された対極板と通電してモノポーラ電極として機能することができる。
この発明により、先端側電極は、把持側電極とで把持してバイポーラ電極として機能するのみならず、モノポーラ電極として機能し電気メスを構成することができるため、施術内容や施術箇所などの施術状況に適した通電形式の電気メスとして施術することができ、より適切な施術を行うことができる。
またこの発明の態様として、前記把持側電極に、前記レーザ光の照射時において、前記照射経路から退避する退避機構を備えることができる。
上記退避機構は、レーザメスとして機能させるためにレーザ光を照射する際に、例えば枢動機構により、レーザ経路から退避する構成とすることができる。
この発明により、確実に、患部に対してレーザ光を照射することができる。
またこの発明の態様として、前記導光路を、内部にレーザ光の導光を許容する導光空間を有する中空の中空導光路で構成することができる。
この発明により、効率よく導光できるため、出力エネルギの高いレーザメスとして機能させることができる。
また、医療用処置装置の発明の態様として、前記制御部に、前記先端側電極及び前記把持側電極を通電するバイポーラ回路と、前記先端側電極及び前記対極板を通電するモノポーラ回路とを切り替え、前記バイポーラ回路及び前記モノポーラ回路の一方に前記高周波電流を通電する通電切替部を備えることができる。
これにより、施術状況に応じて適した通電形式での電気メスとして機能することができる。
また、医療用処置装置の発明の態様として、前記制御部に、前記レーザ発振器と前記高周波発振器とを切り替えて、前記レーザ発振器、及び前記高周波発振器の一方を稼動させる稼動切替部を備えることができる。
この発明により、電気メスとレーザメスとが選択的に切り替えて稼働させるため、両方が稼働して、意図しない施術を行うことを防止することができる。
この発明により、簡単な装置構成でレーザメスと電気メスとの機能を切り替えて使用できる医療用処置具及び医療用処理装置を提供することができる。その結果、患者への負担が従来技術よりも低減され、かつより安全な施術を行うことができる。
医療用処置具についての説明図。 医療用処置装置の斜視図。 中空導光路の説明図。 医療用処置装置の使用状態の概略図。 医療用処置具の使用状況を説明する概略図。
この発明の実施形態を、以下図面とともに説明する。
図1は医療用処置具10についての説明図を示している。詳しくは、図1(a)は医療用処置具10の正面図を示し、図1(b)は図1(a)におけるA−A矢視拡大図を示し、図1(c)は後述する把持電極14の把持状態における医療用処置具10におけるプローブ先端12b付近のa部拡大図を示し、図1(d)は把持電極14の退避状態における医療用処置具10におけるプローブ先端12b付近のa部拡大図を示している。
また、図2は医療用処置装置1の斜視図を示し、図3は中空導光路300の説明図を示し、図4は医療用処置装置1の使用状態の概略図を示し、図5は医療用処置具10の使用状況を説明する概略図を示している。なお、図3は、中空導光路300の層構成についての理解を容易にするために、中空導光路300の周方向における一部を透過した状態で図示している。
医療用処置装置1は、レーザメスの機能と電気メスの機能とを兼ね備えた装置であり、炭酸ガスレーザ光Lを発生させるレーザ光源であるレーザ発振器1a、電気メスのための高周波電流を発振する高周波発振器1b、接続ケーブル60を通じて二酸化炭素を供給するガス供給器1c、図示省略する排気ダクトを通じて体腔内で発生した煙を吸入する排気ガス吸入器1d及び制御部7を内部に備えた装置本体2と、レーザメスとして機能するとともに、電気メスとして機能する医療用処置具10と、装置本体2と医療用処置具10とを接続する接続ケーブル60と、レーザ発振器1aにおける炭酸ガスレーザ光Lの発振を操作するフートペダル8とで構成している(図2,図4参照)。
装置本体2は、上述したように、レーザ発振器1a、高周波発振器1b、ガス供給器1c、排気ガス吸入器1d及び制御部7を内部に備える奥行き方向及び縦方向に長い直方体状の筐体であり、上面2aの手前側には傾斜する操作パネル4を備え、下部にはケーブルを介して接続されたフートペダル8を備えている。
制御部7には、フートペダル8、操作パネル4、レーザ発振器1a、高周波発振器1b、ガス供給器1c、及び排気ガス吸入器1dが接続され、これらは制御部7によって制御されている。
また、制御部7は、患者Mに取り付けた対極板42とブレード電極13aとで通電回路を構成してブレード電極13aをモノポーラ式電気メスの電極として機能させる場合と、ブレード先端チップ13と把持電極14とで患部Pを挟み込んでバイポーラ式電気メスとして機能させる場合とを切り替えるために、通電回路を切り替える回路切替部として機能する。
さらにまた、制御部7は、レーザ発振器1aと高周波発振器1bのいずれを稼働させるかを切り替える稼働切替部としても機能する。なお、制御部7が回路切替部や稼働切替部として機能するための操作指示は、操作パネル4にそれぞれの切替スイッチ(図示省略)を設け、操作パネル4に設けた切替スイッチによって切替可能に構成している。
なお、本明細書において、ガス供給器1cでは、生体吸収性が高いため、体腔内に供給されても術後速やかに吸収され、患者負担が低く、侵襲度が低い二酸化炭素を、導光空間300aに流入させるガスとして供給するが、空気や窒素、不活性ガス、あるいはこれらのガスに二酸化炭素を含有させたガスであってもよい。
装置本体2の下部には、キャスター3を備えており、操作パネル4の前側に備えたハンドル5を握持し、容易に所望の位置に移動し、位置固定することができる。
また、操作パネル4の側方には、医療用処置具10を係止させるホルダ6を備えている。
基端部が装置本体2の上面2aの後ろ側から鉛直方向上向きに突出する接続ケーブル60は、導光ケーブル61、導電ケーブル62、ガス供給ケーブル63、及び排気ガス吸入ケーブル64をひとまとめにして構成している(図4参照)。
導光ケーブル61は、装置本体2内部のレーザ発振器1aに接続され、レーザ発振器1aで発振した炭酸ガスレーザ光Lを、接続ケーブル60の先端に装着した医療用処置具10まで導光することができる。
また、導電ケーブル62は、装置本体2内部の高周波発振器1bに接続され、高周波発振器1bで発振した高周波電流を、医療用処置具10のブレード先端チップ13及び把持電極14まで導電することができる。
また、ガス供給ケーブル63は、装置本体2内部のガス供給器1cに接続され、ガス供給器1cで供給する二酸化炭素を、レーザプローブ12を介してプローブ先端12bまで導通することができる。
また、排気ガス吸入ケーブル64は、装置本体2内部の排気ガス吸入器1dに接続され、医療用処置具10において図示省略する排気ダクトを通じて吸入した煙を排気ガス吸入器1dまで導通することができる。
接続ケーブル60は、装置本体2の上面2aにおいて鉛直方向に設けた支持ポール2bに支持されている。
なお、図2には図示省略するが、対極板42(図4)が先端に接続された対極板用被覆電線41(図4)も、医療用処置装置1の高周波発振器1bに接続されている。
接続ケーブル60の先端に接続した医療用処置具10は、術者が把持するグリップ11と、レーザプローブ12と、レーザプローブ12の先端側に配置されたブレード先端チップ13と、把持電極14とで構成している(図1参照)。
グリップ11は、施術者が握持しやすいグリップ状に形成された樹脂製のものであり、後端側(図1(a)における右側)の下端、すなわち装置本体2側であるグリップ11の根元に配置された接続コネクタ15で、レーザプローブ12を構成する中空導光路300と接続ケーブル60とを接続している。
また、グリップ11には、ブレード先端チップ13を電気メスとして使用するために、ブレード先端チップ13に対する通電のON/OFFを切り替えるスイッチとして機能するトリガ16を備えているが、フートペダル8でブレード先端チップ13に対する通電のON/OFFを切り替え、トリガ16で後述する把持電極14を支持アーム13bに対して枢動させて把持するためのスイッチとして用いてもよい。
レーザプローブ12は、中空導光路300で構成されるとともに、長さ方向の一部がグリップ11の内部に貫通挿入され、挿入されていない中空導光路300の直管部外周面を、樹脂製の絶縁被覆12aで被覆して構成している。
なお、上述したように、レーザプローブ12は、長さ方向の一部がグリップ11の内部を貫通し、上述したようにグリップ11の後端側に配置された接続コネクタ15を介して接続ケーブル60と連通している。
ブレード先端チップ13は、レーザプローブ12の先端側から出射される炭酸ガスレーザ光Lの照射方向に所定間隔を隔てて配置したブレード電極13aと、ブレード電極13aを上述の所定位置に支持する支持アーム13bとで構成している。なお、ブレード電極13aと支持アーム13bとは導電性のある金属材料で構成している。
ブレード電極13aは、図1(b)に示すように、A−A矢視において前方に傾斜した円板状のブレードであり、レーザプローブ12の中心に対して、ブレード電極13aの中心が略一致するように配置している。また、図1(b)に示すように、炭酸ガスレーザ光Lが照射される側の面に、照射された炭酸ガスレーザ光Lが拡散して反射する反射凹凸13cを形成している。反射凹凸13cは、詳細な図示は省略するが、照射される炭酸ガスレーザ光Lのスポットより小さな略四角錐台状に形成されるとともに、複数を並列配置している。
支持アーム13bは、上述したように、その基端部が、中空導光路300の先端、つまりプローブ先端12bに接続固定され、レーザ光の照射方向に対して平行に前方に向かって延び、ブレード電極13aを前方傾斜状態で支持している。
このように構成したブレード先端チップ13は、後述する高周波発振器1bと導電可能に接続され、施術対象箇所に接触させることで、後述する対極板42とで通電回路を構成し、モノポーラ式の電極として機能する、あるいは後述する把持電極14とで患部Pを把持することで通電回路を構成し、バイポーラ式の電極として機能することができる。
さらには、ブレード電極13aをレーザプローブ12のプローブ先端12bの前方に配置しており、レーザプローブ12から前方に向かって照射されるレーザ光の遮蔽部材として機能することができる。
把持電極14は、底面が平らな略半円状となる断面で、支持アーム13bより短い電極であり、レーザプローブ12の先端であるプローブ先端12bに対して、基端部が枢動軸14aによって枢動可能に装着されている。なお、把持電極14は、接続ケーブル60を介して、後述する高周波発振器1bと導電可能に接続され、ブレード先端チップ13とで患部Pを把持することで通電回路を構成し、バイポーラ式の電極として機能することができる。また、把持電極14は、通常状態において、図1(d)に示すような退避位置を初期位置として、図1(c)に示すような閉じた状態でバイポーラ式の電極として機能することができる。
上述したように、装置本体2の上面2aから鉛直方向に突出する接続ケーブル60は、所定の長さ及び可撓性を有するケーブルであり、炭酸ガスレーザ光Lを伝送可能な中空あるいは充実型の光ファイバとそれを覆う保護チューブから構成している。
続いて、レーザプローブ12を構成する中空導光路300について説明する。図3に示すように、中空導光路300は、基材となるステンレススチール管310と、ステンレススチール管310の内面において径外方向から径内方向に向かって順に配置された導電金属層320及び誘電体薄膜330で構成している。そして、中空内部に導光空間300aを構成している。
ステンレススチール管310の内面に構成する導電金属層320は、金、銀あるいは銅が好適である。これらの金属材料はステンレススチールよりも導電性が高く、かつ炭酸ガスレーザ光Lに対して高反射率を有する材料である。このような導電金属層320は、ステンレススチール管310の内面にめっきや圧延成形により形成することができる。
導電金属層320の内面に構成する誘電体薄膜330は、中空導光管300において、炭酸ガスレーザ光Lを効率よく反射伝送する適宜の膜厚を有する誘電体材料であり、例えば環状オレフィンポリマーで成膜した薄膜である。
このように構成した中空導光路300は、ステンレススチール管310と導電金属層320により高い電気伝導率を有するとともに、導光空間300aを導光する炭酸ガスレーザ光Lの伝送効率を向上することができる。
このように構成された医療用処置装置1は、図4に示すように、まず、施術対象である患者Mに、高周波発振器1bに接続された対極板用被覆電線41の先端に装着した対極板42を取り付ける。
また、高周波発振器1bに接続された接続ケーブル60を医療用処置具10の接続コネクタ15に接続する。
この状態で、高周波発振器1bで高周波電流を通電するとともに、医療用処置具10のブレード電極13aを、患者Mの施術箇所に接触させることにより、高周波発振器1b、接続ケーブル60、接続コネクタ15、支持アーム13b、ブレード電極13a、患者M、対極板42並びに対極板用被覆電線41で通電回路が構成され、回路を高周波電流が通電することで、患者Mに接触するブレード電極13aで切開又は焼灼止血するモノポーラ式電気メスを構成することができる。
また、施術対象である患者Mに対極板42を取り付けず、ブレード先端チップ13と把持電極14とで患者Mの患部Pを挟み込んで把持するとともに、高周波発振器1bで高周波電流を通電すると、高周波発振器1b、接続ケーブル60、接続コネクタ15、ブレード先端チップ13、患者M、並びに把持電極14で通電回路が構成され、回路を高周波電流が通電し、ブレード先端チップ13と把持電極14とで挟み込んだ箇所を切開又は焼灼止血するバイポーラ式電気メスを構成することができる。
また、レーザ発振器1aに接続された接続ケーブル60の先端に装着した医療用処置具10は、レーザ発振器1aで出力された炭酸ガスレーザ光Lが、接続ケーブル60を介してレーザプローブ12を構成する中空導光路300の導光空間300aを導光し、レーザプローブ12のプローブ先端12bから前方に炭酸ガスレーザ光L(図5c部拡大図(a)参照)を照射して、レーザメスとして機能することができる。
また、レーザプローブ12の照射方向前方であって、レーザ光の光軸上に、ブレード先端チップ13のブレード電極13aを配置しているため、照射された炭酸ガスレーザ光Lは、ブレード電極13aで遮断され、ブレード電極13aより先方に照射されることはない。
さらにまた、把持電極14は、通常状態において、図1(d)に示すような退避位置を初期位置としているため、レーザプローブ12のプローブ先端12bより照射される炭酸ガスレーザ光Lの照射経路に支障することなく、炭酸ガスレーザ光Lを前方に照射することができる。
この医療用処置装置1を用いた体腔鏡下外科手術についての概略図である図5とともに、医療用処置装置1の使用方法について説明する。
上述したように、対極板42を患者Mの背部に取り付け、生体との導通をとるとともに、接続ケーブル60を医療用処置具10の接続コネクタ15に接続して、医療用処置装置1で施術可能な状態としたうえで、体腔鏡下外科手術において医療用処置具10及び体腔鏡100を挿入するための孔を開け、筒状のトロカー110を挿着する。
一方のトロカー110に、体腔鏡100を挿入し、他方のトロカー110に医療用処置具10を挿入する。そして、体腔鏡100に接続されたモニタ101に映し出された画像を確認しながら、切開する患部Pの周囲に対して、高周波発振器1bで高周波電流を通電させて、ブレード電極13aをモノポーラ式電気メスの電極として機能させて、切開してブレード電極13aを患部Pの生体組織下層に挿入する。
あるいは、対極板42を患者Mに取り付けない、もしくは通電回路を切替え、高周波発振器1bで高周波電流を通電させて、ブレード先端チップ13と把持電極14とでバイポーラ式電気メスとして機能させて、切開してブレード電極13aを患部Pの生体組織下層に挿入する。
この状態で、レーザ発振器1aで炭酸ガスレーザ光Lを発振するとともに、炭酸ガスレーザ光Lを導光空間300a内に伝搬させて、図5のc部拡大図(a)に示すように、レーザプローブ12の先端から炭酸ガスレーザ光Lを照射して、レーザプローブ12とブレード電極13aの間に介在された患部Pの周辺を切開し、患部Pを切除する。
あるいは、図5のc部拡大図(b)に示すように、上述したように、ブレード先端チップ13と把持電極14とで患部Pを挟み込んで切除してもよい。この場合、患部Pを焼灼止血しながら切開することができる。
このように、体内に挿入される医療用処置具10を、処置対象である患者Mの患部Pを非接触で切開可能な炭酸ガスレーザ光Lを導光するレーザプローブ12と、炭酸ガスレーザ光Lを照射するプローブ先端12bから所定間隔を隔てて、炭酸ガスレーザ光Lの照射経路上に配置したブレード先端チップ13と、ブレード先端チップ13に対して可動し、ブレード先端チップ13とで患部Pを挟み込んで把持するとともに、ブレード先端チップ13と通電してバイポーラ電極として機能する把持電極14とを備え、把持電極14を、プローブ先端12bから照射された炭酸ガスレーザ光Lに干渉しないように、図1(d)に示すような退避位置を初期位置としたことより、簡単な装置構成で、施術中にレーザメスの機能と電気メスの機能とを切り替えて使用することができる。
詳しくは、患者Mの患部Pを非接触で切開可能な炭酸ガスレーザ光Lを導光するレーザプローブ12と、プローブ先端12bにおいて、レーザプローブ12における炭酸ガスレーザ光Lを照射するプローブ先端12bから所定間隔を隔てて、炭酸ガスレーザ光Lの照射経路上に配置したブレード先端チップ13と、ブレード先端チップ13に対して可動し、ブレード先端チップ13とで患部Pを挟み込んで把持するとともに、ブレード先端チップ13と通電してバイポーラ電極として機能する把持電極14を備えたことにより、少なくともブレード先端チップ13と把持電極14とで挟み込むことで、ブレード先端チップ13と把持電極14とがバイポーラ電極として機能して電気メスとして用いることができる。
また、把持電極14を、プローブ先端12bから照射された炭酸ガスレーザ光Lに干渉しない非干渉構造としたことで、レーザプローブ12を導光する炭酸ガスレーザ光Lを、把持電極14に干渉することなく、患者Mの患部Pに照射して、レーザメスとして用いることができる。
このように、医療用処置具10は、ブレード先端チップ13と把持電極14とにより電気メスとして機能するとともに、炭酸ガスレーザ光Lを照射することでレーザメスとしても機能するため、施術中であってもレーザメスの機能と電気メスの機能とを切り替えて使用することができる。
また、ブレード先端チップ13は、電気メスとして機能する他、照射された炭酸ガスレーザ光Lを遮光するレーザ遮光板として機能する。そのため、生体内の体腔表層を広く被覆している漿膜に対して、その一部を電気メスとして電気的に切開開孔し、その下部に侵入させることで、医療用処置具10は、レーザ遮光板として機能するブレード先端チップ13を漿膜直下の裏打ちガイド板として膜厚のみを保持しながら炭酸ガスレーザ光Lによって高速連続切開することができる。このことは、体腔内に存在する臓器すべての表面の漿膜を短時間に切開・開創できる機能を有することを意味し、体外摘出対象となった臓器の迅速な露出・摘出を可能とする。
また、ブレード先端チップ13が、処置対象である患者Mに接触された対極板42と通電してモノポーラ電極として機能するため、ブレード先端チップ13と把持電極14とで患部Pを把持してバイポーラ電極として機能するのみならず、モノポーラ電極として機能する電気メスを構成することができるため、施術内容や施術箇所などの施術状況に適した通電形式の電気メスとして施術することができ、より適切な施術を行うことができる。
また、把持電極14が、炭酸ガスレーザ光Lの照射時において、照射経路から退避するように枢動軸14aを軸として枢動するため、確実に、患部に対して炭酸ガスレーザ光Lを照射することができる。
また、レーザプローブ12を、内部に炭酸ガスレーザ光Lの導光を許容する導光空間を有する中空の中空導光路300で構成するため、効率よく導光でき、出力エネルギの高いレーザメスとして機能させることができる。
例えば、レーザメスの機能で効率よく、かつ切開幅を微小に抑えながら切開し、電気メスの機能で出血箇所を広範囲に止血するというように、施術内容に適した方法で使用することができる。
したがって、上述したような体腔鏡下外科手術では、一般には術具の交換が非常に煩雑で手間がかかるが、本発明による医療用処置具10を用いることにより、術具を交換することなく、施術内容に応じて適切なメスの機能を用いて施術でき、患者負担を低減することができる、侵襲度の低い手術を行うことができる。
また、ブレード電極13aを炭酸ガスレーザ光Lの照射経路上に配置することにより、炭酸ガスレーザ光Lはブレード電極13aで遮られるため、例えば、術野の狭い体腔鏡下外科手術であっても、炭酸ガスレーザ光Lが生体組織深部に到達して、意図しない深さや箇所まで照射されるおそれがなく、安全に施術することができる。このようにブレード電極13aは、電気メス用電極としてだけでなく、レーザ光を遮光する遮光板としても機能することができる。
また中空導光路300を、ステンレススチール管310と、その内周面を覆うステンレススチールより高導電性を有する導電金属層320で構成しており、導電金属層320は、中空導光路300内壁の反射率を高める作用もするため、内部に炭酸ガスレーザ光Lを導光する中空導光路300の導光性能を向上することができる。
また、中空導光路300内を導光するレーザ光として、炭酸ガスレーザ光Lを用いており、炭酸ガスレーザ光Lは発散角が小さく、エネルギ密度が高いため、より効率的で、切開幅が狭い切開を行うことができる。また水によるレーザ光の吸収性が高く、生体組織内に深く侵入することがないため、正常組織に及ぼす影響が少なく術後の患者負担をより低減できる。
なお、上述の説明では、レーザプローブ12を構成する中空導光路300の導光空間300aに炭酸ガスレーザ光Lを導光したが、炭酸ガスレーザ光Lに加えて、所定のガスを所定の流量で流入させてもよい。この場合、接続ケーブル60内には炭酸ガスレーザ光Lを伝送する光ファイバに加え、ガス導入用のチューブを別途挿入し、接続ケーブル60内のフレキシブルな光ファイバとレーザプローブ12とを接続する接続コネクタ15内にガス導入の間隙を設け、中空導光路300の導光空間300aにガスを流入する。
なお、導光空間300aに流入させるガスとしては、二酸化炭素、又は、空気や窒素、不活性ガス、あるいはこれらのガスに二酸化炭素を含有させたガスが好ましい。二酸化炭素は、生体吸収性が高いため、体腔内に供給された二酸化炭素は、術後速やかに吸収されるため、患者負担が低く、侵襲度が低い。
このように、中空導光路300の導光空間300aに、所定流量のガスを流入することにより、切開された患部Pの飛散物や体液、あるいは体腔内に充満する煙などが中空導光路300の導光空間300aに侵入することなく、レーザ光の導光効率が低下することを防止できる。さらには体腔鏡下において、患部P周辺の視野を確保することができる。
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の施術対象部は、患部Pに対応し、
以下同様に、
レーザ光は、炭酸ガスレーザ光Lに対応し、
導光路は、レーザプローブ12に対応し、
出射端は、プローブ先端12bに対応し、
先端側電極は、ブレード先端チップ13に対応し、
把持側電極は、把持電極14に対応し、
生体は、患者Mに対応し、
退避機構は、枢動機構に対応し、
通電切替部は、通電切替部として機能する制御部7に対応し、
稼働切替部は、稼働切替部として機能する制御部7に対応し、
導電線路は、接続ケーブル60及び対極板用被覆電線41に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
例えば、上述の説明では、把持電極14を、底面が平らな略半円状となる断面で、支持アーム13bより短い電極で構成し、レーザプローブ12の先端であるプローブ先端12bに対して、基端部が枢動軸14aによって枢動可能に構成して、通常状態において、図1(d)に示すような退避位置を初期位置とすることで炭酸ガスレーザ光Lが照射する際、支障しないように構成したが、底面が平らな略半円状となる断面における底面に、照射する炭酸ガスレーザ光Lの通過を許容する溝を形成し、図1(c)に示すような閉じた状態であっても炭酸ガスレーザ光Lの照射に支障しないように構成してもよい。
また例えば、レーザプローブ12を導電性の管状部材に挿入し、レーザプローブ12と該管状部材との間は絶縁するとともに、ブレード先端チップ13及び把持電極14を該管状部材の先端に接続することで、レーザメスの構成と電気メスの構成とを分離してもよい。この場合、接続ケーブル60の構成要素のうち、導光ケーブル61と導電ケーブルが分離され、導光ケーブル61はレーザプローブ12に接続され、導電ケーブル62は該管状部材に接続された構成とすることができる。
1…医療用処置装置
1a…レーザ発振器
1b…高周波発振器
2…装置本体
7…制御部
10…医療用処置具
12…レーザプローブ
12b…プローブ先端
13…ブレード先端チップ
14…把持電極
42…対極板
60…接続ケーブル
61…導光ケーブル
62…導電ケーブル
300…中空導光路
L…炭酸ガスレーザ光
M…患者
P…患部

Claims (18)

  1. 体内に挿入される医療用処置具であって、
    処置対象である施術対象部を非接触で切開可能なレーザ光を導光する導光路と、
    該導光路の先端において、前記導光路における前記レーザ光を照射する出射端から所定間隔を隔てて、前記レーザ光の照射経路上に、少なくとも一部分を配置した先端側電極と、
    前記先端側電極と通電してバイポーラ電極として機能すると共に、前記導光路に設けた支点を中心に回動し、前記先端側電極とで前記施術対象部を挟み込んで把持できる把持側電極とを有し、
    該把持側電極を、前記導光路の先端から照射された前記レーザ光に干渉しない非干渉構造とした
    医療用処置具。
  2. 前記把持側電極は、
    前記支点を中心に回動し、前記先端側電極とで前記施術対象部を挟み込んで把持及びシーリングを同時に行うことができる
    請求項に記載の医療用処置具。
  3. 前記把持側電極は、
    前記支点を中心に回動し、前記先端側電極とで前記施術対象部を挟み込んでシーリングしながら鉗子操作することができる
    請求項に記載の医療用処置具。
  4. 前記把持側電極は、
    前記支点を中心に回動し、前記先端側電極とで前記施術対象部を挟み込んで把持、シーリング及び切開を行うことができる
    請求項に記載の医療用処置具。
  5. 前記先端側電極と把持側電極とで前記施術対象部を挟み込む力を、加えた力に対して力学的に5倍以上の力としてシーリングすることができる
    請求項1乃至4のうちいずれかに記載の医療用処置具。
  6. 前記先端側電極が、
    処置対象である生体に接触された対極板と通電してモノポーラ電極として機能する
    請求項1乃至5のうちいずれかに記載の医療用処置具。
  7. 前記把持側電極に、
    前記レーザ光の照射時において、前記照射経路から退避する退避機構を備えた
    請求項1乃至6のうちいずれかに記載の医療用処置具。
  8. 前記導光路を、
    内部にレーザ光の導光を許容する導光空間を有する中空の中空導光路で構成した
    請求項1乃至7のうちいずれかに記載の医療用処置具。
  9. 体内に挿入される医療用処置具であって、
    処置対象である施術対象部を非接触で切開可能なレーザ光を導光する導光路と、
    該導光路の先端において、前記導光路における前記レーザ光を照射する出射端から所定間隔を隔てて、前記レーザ光の照射経路上に、少なくとも一部分を配置した先端側電極と、
    該先端側電極に対して可動し、前記先端側電極とで前記施術対象部を挟み込んで把持するとともに、前記先端側電極と通電してバイポーラ電極として機能する把持側電極とを備え、
    該把持側電極は、枢動軸を有し、これを軸として枢動して前記施術対象部を前記先端側電極とで挟みこんで把持すると共に、
    前記把持側電極を、前記導光路の先端から照射された前記レーザ光に干渉しない非干渉構造とした
    医療用処置具。
  10. 処置対象である施術対象部を非接触で切開可能なレーザ光を導光する導光路と、
    該導光路の先端において、前記導光路における前記レーザ光を照射する出射端から所定間隔を隔てて、前記レーザ光の照射経路上に、少なくとも一部分を配置した先端側電極と、
    前記先端側電極と通電してバイポーラ電極として機能すると共に、前記導光路に設けた支点を中心に回動し、前記先端側電極とで前記施術対象部を挟み込んで把持できる把持側電極とを有し、
    該把持側電極を、前記導光路の先端から照射された前記レーザ光に干渉しない非干渉構造とし、体内に挿入される医療用処置具と、
    前記レーザ光を発生させるレーザ発振器と、
    高周波電流を発振する高周波発振器と、
    少なくとも該レーザ発振器及び前記高周波発振器を制御する制御部を内部に備えた装置本体と、
    前記レーザ発振器で発生した前記レーザ光を前記導光路まで導光する導光ケーブル、及び前記高周波発振器で発振した前記高周波電流を前記先端側電極及び前記把持側電極まで導電可能に接続する導光ケーブルを備え、前記装置本体と前記医療用処置具とを接続する接続ケーブルとで構成した
    医療処置装置。
  11. 前記把持側電極は、
    前記支点を中心に回動し、前記先端側電極とで前記施術対象部を挟み込んで把持及びシーリングを同時に行うことができる
    請求項10に記載の医療用処置装置。
  12. 前記把持側電極は、
    前記支点を中心に回動し、前記先端側電極とで前記施術対象部を挟み込んでシーリングしながら鉗子操作することができる
    請求項10に記載の医療用処置装置。
  13. 前記把持側電極は、
    前記支点を中心に回動し、前記先端側電極とで前記施術対象部を挟み込んで把持、シーリング及び切開を行うことができる
    請求項10に記載の医療用処置装置。
  14. 前記先端側電極と把持側電極とで前記施術対象部を挟み込む力を、加えた力に対して力学的に5倍以上の力としてシーリングすることができる
    請求項10乃至13のうちいずれかに記載の医療用処置装置。
  15. 処置対象である生体に接触された対極板と通電してモノポーラ電極として機能する
    請求項10乃至14のうちいずれかに記載の医療用処置装置。
  16. 前記制御部に、
    前記先端側電極及び前記把持側電極を通電するバイポーラ回路と、
    前記先端側電極及び前記対極板を通電するモノポーラ回路とを切り替え、前記バイポーラ回路及び前記モノポーラ回路の一方に前記高周波電流を通電する通電切替部を備えた
    請求項15に記載の医療用処置装置。
  17. 前記制御部に、
    前記レーザ発振器と前記高周波発振器とを切り替えて、前記レーザ発振器、及び前記高周波発振器の一方を稼動させる稼動切替部を備えた
    請求項10乃至16のうちいずれかに記載の医療用処置装置。
  18. 前記導光路を、内部にレーザ光の導光を許容する導光空間を有する中空の中空導光路で構成した
    請求項10乃至17のうちいずれかに記載の医療用処置装置。

JP2017505354A 2015-03-09 2016-03-08 医療用処置具及び医療用処置装置 Active JP6715522B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015045508 2015-03-09
JP2015045508 2015-03-09
PCT/JP2016/057201 WO2016143793A1 (ja) 2015-03-09 2016-03-08 医療用処置具及び医療用処置装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2016143793A1 JPWO2016143793A1 (ja) 2018-01-11
JP6715522B2 true JP6715522B2 (ja) 2020-07-01

Family

ID=56880497

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017505354A Active JP6715522B2 (ja) 2015-03-09 2016-03-08 医療用処置具及び医療用処置装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6715522B2 (ja)
WO (1) WO2016143793A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021033322A1 (ja) * 2019-08-22 2021-02-25 オリンパス株式会社 処置具及び処置システム

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5441498A (en) * 1994-02-16 1995-08-15 Envision Surgical Systems, Inc. Method of using a multimodality probe with extendable bipolar electrodes
JP6087230B2 (ja) * 2013-07-09 2017-03-01 株式会社モリタ製作所 医療用処置具及び医療用処置装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2016143793A1 (ja) 2018-01-11
WO2016143793A1 (ja) 2016-09-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0957795B1 (en) Electro-surgical tissue removal
EP1427340B1 (en) Surgical system for cutting and coagulation
US10888368B2 (en) Electrosurgical dissector with thermal management
JP2004520864A (ja) 量子エネルギー手術装置および方法
JPS6459B2 (ja)
EP2113218B1 (en) Laser heated tissue treatment device
JPH10211209A (ja) 医療用治療装置
JP2017536142A (ja) 組織の熱外科的蒸散および切開のための方法および装置
JP2003299667A (ja) 内視鏡用バイポーラ型高周波切開具
US20170281256A1 (en) Methods and devices for thermal surgical vaporization and incision of tissue
JPH10216146A (ja) 超音波アダプタ
JP6087230B2 (ja) 医療用処置具及び医療用処置装置
JPH06205789A (ja) レーザー光による手術装置
JP6715522B2 (ja) 医療用処置具及び医療用処置装置
JP2012105766A (ja) 医療用術具
JP6110243B2 (ja) 医療用処置具及び医療用処置装置
US20190380763A1 (en) Attachment for electrosurgical system
JP2001061848A (ja) 高周波処置具
JP2012081055A (ja) 内視鏡用高周波剥離ナイフ装置
EP3001965B1 (en) Surgical instruments with an end-effector assembly including optical fiber for treating tissue
JPH1189852A (ja) 電気手術装置
JPH03123545A (ja) 内視鏡用処置具

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7426

Effective date: 20170920

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20170920

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190307

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190307

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20190307

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20190307

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200428

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200526

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6715522

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250