以下、本発明の実施形態に係る電力変換装置1、装置取付構造60、装置取付方法、及び電力変換システム10について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の実施形態の一例に過ぎず、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で変更してもよい。以下の説明で特に断りが無い限り、図2に示す向きにおいて、上下、左右、及び前後方向を規定する。
(実施形態1)
本実施形態の電力変換システム10について、図1を参照して説明する。電力変換システム10は、図1に示すように、電力変換装置1と、太陽電池2と、分電盤3とを備える。太陽電池2は、分散型電源である。電力変換装置1は、太陽電池2と電気的に接続され、太陽電池2から直流電力が供給される。電力変換装置1は、太陽電池2から供給された直流電力を交流電力に変換する。また、電力変換装置1は、分電盤3と電気的に接続され、変換した交流電力を分電盤3に供給する。分電盤3は、照明器具などの負荷機器4に交流電力を供給する。
電力変換システム10は、太陽電池2の発電電力のうち、負荷機器4で使用されなかった交流電力を余剰電力として、商用交流電源5へ逆潮流させることが可能である。また、電力変換システム10は、蓄電池を備えてもよい。蓄電池は、電力変換装置1に電気的に接続されている。そして、電力変換装置1は、蓄電池の放電機能及び充電機能を備えている。この場合、電力変換システム10では、蓄電池に蓄電された直流電力を基に、電力変換装置1によって変換された交流電力が負荷機器4に供給される。
なお、蓄電池は、電力変換装置1と一体型に形成されていてもよい。また、蓄電池は、電力変換装置1と別体形成されていてもよい。電力変換装置1に電力を供給する分散型電源は、太陽電池2に限定されず、電力変換システム10は、風力発電装置、地熱発電装置などから直流電力が電力変換装置1に供給されるように構成されてもよい。
電力変換装置1が屋内における温度及び湿度の高い環境下の第1空間100、例えば、脱衣所に設置された場合について、図2、図3、及び図4を参照して、説明する。
電力変換装置1は、図2に示すように、筐体11と、変換回路12とを備える。電力変換装置1は、さらに、図3及び図4に示すように、吸気用配管13と、排気用配管14と、吸気用ファン15と、排気用ファン16とを備える。
筐体11は、図2に示すように、本体111と、カバー112とを備える。本体111は、金属によって、前側が開口した矩形の箱形に形成され、内部に変換回路12が収容されている。カバー112は、金属によって、後側が開口した矩形の箱形に形成されている。カバー112は、前面112aに、操作部113と、表示部114とを備える。操作部113は、運転ボタン113a、表示切替ボタン113bによって構成されている。表示部114は、液晶パネル114a、LED(Light Emitting Diode)114bによって構成されている。カバー112は、本体111の開口を覆うように、本体111に対して開閉可能に本体111に保持されている。カバー112が閉じている場合、本体111とカバー112との間から空気が入らないように、本体111とカバー112との間は、パッキンなどによって密閉されている。本体111とカバー112とで囲まれた空間を、筐体11の内部空間11aとする。なお、本体111及びカバー112のそれぞれは、合成樹脂材料によって、形成されてもよい。
筐体11は、さらに、図3に示すように、本体111の背面111aに、それぞれが円形に形成された第1挿通孔111dと、第2挿通孔111eとを備える。第1挿通孔111d及び第2挿通孔111eは、上下方向に並んで形成されている。第1挿通孔111dは、第2挿通孔111eよりも下側に形成されている。
吸気用配管13は、合成樹脂材料によって、円筒形状に形成されている。吸気用配管13は、第1端131が筐体11の内部空間11aに配置されるように第1挿通孔111dに挿入されている。以下、吸気用配管13の内部空間を吸気孔115とする。吸気孔115は、筐体11の内部空間11aと筐体11の外部とを繋いでいる。
吸気用配管13の吸気孔115には、一端が変換回路12に電気的に接続されている第1ケーブル171が収容されている。第1ケーブル171の他端は、分電盤3に電気的に接続されている(図1参照)。
なお、吸気用配管13と第1挿通孔111dとの間に隙間がある場合、吸気用配管13と第1挿通孔111dとの間がパッキン又はパテなどで覆われていることが好ましい。
排気用配管14は、合成樹脂材料によって、円筒形状に形成されている。排気用配管14は、第1端141が筐体11の内部空間11aに配置されるように第2挿通孔111eに挿入されている。以下、排気用配管14の内部空間を排気孔116とする。排気孔116は、筐体11の内部空間11aと筐体11の外部とを繋いでいる。
排気用配管14の排気孔116には、一端が変換回路12に電気的に接続されている第2ケーブル172が収容されている。第2ケーブル172の他端は、太陽電池2に電気的に接続されている(図1参照)。
なお、排気用配管14と第2挿通孔111eとの間に隙間がある場合、排気用配管14と第2挿通孔111eとの間がパッキン又はパテなどで覆われていることが好ましい。
吸気用ファン15は、図4に示すように、吸気用配管13の第1端131に配置され、筐体11の内部空間11aに空気が流れるように筐体11の外部から空気を取り込む。筐体11の内部空間11aに配置されている吸気用配管13の第1端131には、切欠き133が設けられている。第1ケーブル171は、切欠き133に通されることで、吸気用ファン15に接触することなく、筐体11の内部空間11aに引き回されることができる。
排気用ファン16は、排気用配管14の第1端141に配置され、筐体11の内部空間11aの空気を筐体11の外部へ排気する。筐体11の内部空間11aに配置されている排気用配管14の第1端141には、切欠き143が設けられている。第2ケーブル172は、切欠き143に通されることで、排気用ファンに接触することなく、筐体11の内部空間11aに引き回されることができる。
吸気用ファン15と排気用ファン16とが動作することで、筐体11の外部から吸気孔115を通って筐体11の内部空間11aに空気が取り込まれる。そして、筐体11の内部空間11aの空気は、排気孔116に向かって流れる。このように、筐体11の内部空間11aにおいて、吸気孔115から排気孔116に向かって空気が流れる経路が通気経路18である。電力変換装置1は、吸気用ファン15及び排気用ファン16を備えることで、筐体11の内部空間11aに通気経路18が形成されて、内部空間11aに、より効率良く空気を流すことができる。したがって、筐体11の内部空間11aの放熱量をより多くすることができる。
変換回路12は、図5Aに示すように、DCDCコンバータ121と、DCACインバータ122と、直流リアクトル(以下、DCLと呼ぶ)123と、交流リアクトル(以下、ACLと呼ぶ)124とを備える。変換回路12は、さらに制御回路125と、電源回路126と、第1コネクタ127と、第2コネクタ128とを備える。変換回路12は、筐体11の内部空間11aに収容されており、通気経路18に配置されている。
第1コネクタ127は、第1ケーブル171の一端が接続されている。また、第2コネクタは、第2ケーブル172の一端が接続されている。
DCDCコンバータ121は、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)、及び電解コンデンサなどの電子部品で構成されている昇圧チョッパである。DCDCコンバータ121の入力は、図5Bに示すように、第2コネクタ128を介して、太陽電池2と電気的に接続され、太陽電池2によって発生した直流電力をDCACインバータ122に適した直流電力に変換する。DCDCコンバータ121は、例えば、最大電力点追従制御機能を有し、日射量及び気温によって変化する太陽電池2の出力から、最大の電力量が取り出せるように構成されている。
DCL123は、DCDCコンバータ121の出力と、DCACインバータ122の入力との間に電気的に接続されている。DCL123は、DCDCコンバータ121から入力された直流電力の脈動を平滑化し、平滑した直流電力をDCACインバータ122に出力する。
DCACインバータ122は、例えば、複数のMOSFET及び電解コンデンサなどで構成されるフルブリッジ型のインバータ回路である。DCACインバータ122の入力は、DCDCコンバータ121の出力と電気的に接続されている。DCACインバータ122には、DCDCコンバータ121によって変換された直流電力が入力される。DCACインバータ122の出力は、入力された直流電力を交流電力に変換し、変換した交流電力をACL124に出力する。
ACL124は、DCACインバータ122の出力と分電盤3の入力との間に電気的に接続されている。ACL124は、DCACインバータ122から出力される交流電力のノイズ成分を減衰し、ノイズ成分を減衰した交流電力を第1コネクタ127を介して分電盤3に出力する。
制御回路125は、例えば、メモリなどを有するマイクロコントローラ(以下、マイコンと略す)などの電子部品で構成され、電力制御部125aとファン制御部125bとを備える。電力制御部125aは、DCDCコンバータ121及びDCACインバータ122を制御する。より詳細には、電力制御部125aは、DCDCコンバータ121及びDCACインバータ122のMOSFETのそれぞれをスイッチング制御する。また、電力制御部125aは、DCACインバータ122が出力する交流電力の位相制御を行う。
ファン制御部125bは、吸気用ファン15と排気用ファン16のそれぞれの動作を制御する。ファン制御部125bは、図5Aに示すように、筐体11の内部空間11aの湿度を監視する湿度センサ125cを有する。マイコンのメモリには、第1閾値と、第1閾値よりも低い第2閾値とが予め記憶されている。ファン制御部125bは、筐体11の内部空間11aの湿度が上昇し、湿度が第1閾値よりも高くなると、吸気用ファン15と排気用ファン16とを動作させる。ファン制御部125bは、筐体11の内部空間11aの湿度が下降し、湿度が第2閾値よりも低くなると、吸気用ファン15と排気用ファン16とを停止させる。
また、ファン制御部125bは、筐体11の内部空間11aの温度を監視する温度センサ125dをさらに有する。マイコンのメモリには、第3閾値と、第3閾値よりも低い第4閾値とが予め記憶されている。ファン制御部125bは、筐体11の内部空間11aの温度が上昇し、温度が第3閾値よりも高くなると、吸気用ファン15と排気用ファン16とを動作させる。ファン制御部125bは、筐体11の内部空間11aの温度が下降し、温度が第4閾値よりも低くなると吸気用ファン15と排気用ファン16とを停止させる。
なお、ファン制御部125bは、吸気用ファン15及び排気用ファン16を同時に動作又は停止させる必要はない。また、ファン制御部125bは、筐体11の内部空間11aの温度及び湿度によって吸気用ファン15と排気用ファン16のそれぞれの風量を増減させるように制御してもよい。
電源回路126は、電子部品によって構成されている。電源回路126は、図5Bに示すように、商用交流電源5と電気的に接続され、商用交流電源5から交流電力が供給される。電源回路126は、供給された交流電力を直流電力に変換し、制御回路125を駆動するための駆動電力を制御回路125に供給する。なお、電源回路126は、太陽電池2と電気的に接続されていてもよい。電源回路126は、太陽電池2から直流電力が供給されることで、停電時などにおいても、制御回路125を駆動させることができる。つまり、電力変換システム10において、商用交流電源5から交流電力が供給されなくても、電力変換装置1は、負荷機器4に交流電力を供給することができる。
DCDCコンバータ121及びDCACインバータ122は、図6に示すように、筐体11の内部空間11aに、パワー回路基板191によって実現されている。つまり、パワー回路基板191は、DCDCコンバータ121及びDCACインバータ122を構成している。なお、図6において、吸気用ファン15及び排気用ファン16は省略されている。パワー回路基板191は、基板に、DCDCコンバータ121のMOSFET,電解コンデンサなどの電子部品と、DCACインバータ122のMOSFET,電解コンデンサなどの電子部品とが実装されて構成されている。制御回路基板192は、基板に制御回路125のマイコン、湿度センサ125c、温度センサ125dなどの電子部品が実装されて構成されている。電源回路基板193は、基板に電源回路126の電子部品が実装されて構成されている。パワー回路基板191、DCL123、ACL124、制御回路基板192、及び電源回路基板193は、通気経路18上に配置されている。
パワー回路基板191は、筐体11の内部空間11aにおいて後面に配置されている。DCL123は、パワー回路基板191の左側に配置されている。ACL124は、パワー回路基板191の左側であって、DCL123の上側に配置されている。制御回路基板192は、スペーサなどを使用してパワー回路基板191の前側に配置され、筐体11の内部空間11aの下側に配置されている。電源回路基板193は、スペーサなどを使用してパワー回路基板191の前側に配置され、制御回路基板192の上側に配置されている。パワー回路基板191には、複数のMOSFET及び比較的容量の大きい複数の電解コンデンサC1,C2,C3、例えばアルミ電解コンデンサ、が実装されている。複数のMOSFET及び複数の電解コンデンサC1,C2,C3の発熱量は、変換回路12の動作時に大きくなる。特に、複数の電解コンデンサC1,C2,C3のそれぞれは、周囲温度及び発熱によって高温状態が持続すると、寿命が短くなってしまう虞がある。本実施形態の電力変換装置1では、複数のMOSFETや複数の電解コンデンサC1,C2,C3などの発熱量の大きい電子部品に、筐体11の外部からの空気を当てて、電子部品の放熱性能を向上させるように構成されている。つまり、吸気孔115から取り込まれた空気が通気経路18を通過することで、特にパワー回路基板191の放熱効果を高めることができる。
ところで、本実施形態の電力変換装置1は、温度及び湿度の高い環境下である第1空間100に設置されている(図1参照)。吸気孔115から取り込む空気が温度及び湿度の高い空気である場合、筐体11の内部空間11aの温度及び湿度が上昇するので、温度上昇及び湿度上昇によって樹脂(部品の樹脂、ウレタンポッティング)が劣化してしまう加水分解及び結露が発生してしまう虞がある。そこで、図7に示すように、電力変換装置1が設置されている温度及び湿度の高い第1空間100とは別の空間(以下、第2空間101と呼ぶ)から、吸気用配管13を使用して空気を取り込む。第1空間100は、電力変換装置1が設置されている空間である。第2空間101は、温度及び湿度が第1空間100よりも低い空間である。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、第1空間100の壁6の内部空間を第2空間101として説明する。
吸気用配管13の第2端132が第2空間101に配置されている。つまり、吸気用配管13は、筐体11の内部空間11aと第2空間101とを繋いでいる。筐体11の内部空間11aと第2空間101とが、吸気用配管13によって繋がっていることで、第2空間101の空気が吸気用配管13を通って、筐体11の内部空間11aに取り込まれる。
排気用配管14の第2端142が第2空間101に配置されている。つまり、排気用配管14は、筐体11の内部空間11aと第2空間101とを繋いでいる。筐体11の内部空間11aと第2空間101とが排気用配管14によって繋がることで、筐体11の内部空間11aの暖められた空気が第2空間101に排気される。したがって、通気経路18から排気される空気による第1空間100の温度上昇を抑制することができる。
次に、電力変換装置1を壁(構造体)6に取り付ける装置取付方法について、図7を参照して説明する。ただし、以下に説明する装置取付方法は一例であって、以下に説明した方法以外の方法によって電力変換装置1が取り付けられることは可能である。
図7に示すように、壁6には、予め、電力変換装置1を引っ掛けるためのねじ61がねじ込まれているとする。また、壁6は、吸気用配管13に対応する第1開口62と、排気用配管14に対応する第2開口63が設けられているとする。
本体111の背面111aには、だるま穴111bが形成されている(図3参照)。だるま穴111bに、ねじ61のねじ頭が引掛けられて、筐体11は、壁6に仮止めされる。
次に、吸気用配管13の第2端132及び排気用配管14の第2端142のそれぞれが第2空間101に配置される第1工程について説明する。筐体11の外側に露出している吸気用配管13の第2端132が壁6の内部空間である第2空間101に配置されるように、吸気用配管13は、壁6に設けられている第1開口62に第1空間100側から挿入される。筐体11の外側に露出している排気用配管14の第2端142が第2空間101に配置されるように、排気用配管14は、壁6に設けられている第2開口63に第1空間100側から挿入される。次に、筐体11が壁6に固定される第2工程について説明する。第1筐体固定ねじ81のそれぞれは、筐体11の内部空間11aから、本体111の背面111aに設けられた7つのねじ挿通孔111cに一対一に挿通され、壁6にねじ込まれる。このように、筐体11は、壁6に固定される(図3参照)。
なお、吸気用配管13と第1開口62との間に隙間がある場合、吸気用配管13と第1開口62との間は、パッキン又はパテなどで覆われていることが好ましい。また、排気用配管14と第2開口63との間に隙間がある場合、排気用配管14と第2開口63との間は、パッキン又はパテなどで覆われていることが好ましい。
また、だるま穴111bを通じて、筐体11の内部空間11aと第2空間101とが繋がらないように、筐体11の内部空間11a側は、例えば、一面が開口する箱形のカバーによって、覆われていることが好ましい。
本実施形態の電力変換装置1は、上述のように構成されるので、第1空間100が温度及び湿度の高い空間であっても、第1空間100よりも温度及び湿度の低い空間である第2空間101から吸気孔115を通って空気を取り込むことができる。さらに、電力変換装置1では、当該空気が通気経路18を通って、排気孔116から排気するように構成されている。したがって、電力変換装置1は、筐体11の内部空間11aの温度上昇及び湿度上昇を抑制することができる。
また、本実施形態の電力変換システム10は、上述のように構成される電力変換装置1を使用するので、筐体11の内部空間11aの温度上昇及び湿度上昇を抑制することができる。
なお、本実施形態では、屋内における温度及び湿度の高い環境下の空間に電力変換装置1を設置する場合について説明したが、例えば、電力変換装置1が屋外に設置される場合を想定してもよい。この場合、第1空間100は、温度及び湿度が高い屋外である。第2空間101は、第1空間100と壁などによって隔てられている、例えば、空調が整備された室内など、第1空間100よりも温度及び湿度の低い空間であればよい。また、第2空間101は、外壁によって隔てられている屋外の空間でもよい。
なお、吸気孔115と排気孔116は1つの配管で構成されていてもよい。この場合、例えば、吸気用ファン15及び排気用ファン16が当該配管の一端に配置され、当該配管は、吸気と排気を行うように構成されている。
また、吸気用配管13の径は、第1挿通孔111dの径よりも大きく形成されてもよい。吸気用配管13の第1端131の端縁は、本体111の背面111aに接触するように配置される。この場合、第2空間101からの空気が第1空間100に漏れないように、吸気用配管13の第1端131の端縁と本体111の背面111aとの間がパッキン又はパテなどで覆われていることが好ましい。排気用配管14の径は、第2挿通孔111eの径よりも大きく形成されてもよい。排気用配管14の第1端141の端縁は、本体111の背面111aに接触するように配置される。この場合、筐体11の内部空間11aの空気が第1空間100に漏れないように、排気用配管14の第1端141の端縁と本体111の背面111aとの間がパッキン又はパテなどで覆われていることが好ましい。
また、吸気用配管13は、電力変換装置1の必須の構成要件ではなく、吸気用配管13を使用せず、第1挿通孔111dを吸気孔115として使用してもよい。この場合、吸気孔115と壁6に設けられている第1開口62との間をパッキン又はパテなどで覆うようにして筐体11の内部空間11aと第2空間101とが繋がっていてもよい。また、排気用配管14は、電力変換装置1の必須の構成要件ではなく、排気用配管14を使用せず、第2挿通孔111eを排気孔116として使用してもよい。排気孔116と壁6に設けられている第2開口63との間をパッキン又はパテなどで覆うようにして筐体11と内部空間11aと第2空間101とが繋がっていてもよい。
さらに、吸気孔115と排気孔116は1つの挿通孔で構成されていてもよい。この場合、例えば、吸気用ファン15及び排気用ファン16が当該挿通孔に配置され、当該挿通孔は、吸気と排気を行うように構成されている。
吸気用配管13、排気用配管14の形状及び材料は、本実施形態に限定されない。
また、吸気孔115及び排気孔116は、上下方向に並ぶようにして形成される必要はない。さらに、吸気孔115及び排気孔116が形成される場所は、本体の背面111aの右側に形成されなくてもよい。さらに、吸気孔115及び排気孔116は、本体111の背面111aに形成されなくてもよく、それぞれが本体111の側面又は下面に形成されてもよい。
吸気用ファン15及び排気用ファン16は、電力変換装置1の必須の構成要件ではない。また、吸気用ファン15は、筐体11の内部空間11aに配置される必要はなく、吸気用配管13の第2端132に配置されてもよい。さらに、排気用ファン16は、筐体11の内部空間11aに配置される必要はなく、排気用配管14の第2端142に配置されてもよい。
電力変換装置1が吸気用ファン15及び排気用ファン16を備えていない場合であっても、吸気孔115から排気孔116に向かって空気が流れる経路が通気経路18である。通気経路18は、吸気孔115及び排気孔116の配置場所によって変化する。
パワー回路基板191、DCL123、ACL124、制御回路基板192、電源回路基板193の配置は、本実施形態に限定されない。
本実施形態の電力変換装置1は、筐体11と、筐体11の内部空間11aに収容される変換回路12とを備える。変換回路12は、分散型電源(太陽電池)2から入力された入力電力を所望の出力電力に変換して出力するように構成されている。筐体11は、吸気孔115と、排気孔116とを有する。吸気孔115は、筐体11が設置されている設置場所である第1空間100とは別の空間である第2空間101と筐体11の内部空間11aとを繋いでいる。排気孔116は、筐体11の外部と、筐体11の内部空間11aとを繋いでいる。吸気孔115を通って第2空間101から筐体11の内部空間11aに空気が取り込まれ、筐体11の内部空間11aの空気が排気孔から筐体11の外部に排気されるように構成されている。
本実施形態の電力変換装置1は、上述のように構成されるので、筐体11の内部空間11aの温度上昇及び湿度上昇を抑制することができる。
本実施形態の電力変換装置1では、筐体11の内部空間11aにおいて、吸気孔115を通って第2空間101から取り込まれた空気が排気孔116に向かって流れる通気経路18に変換回路12が配置されていることが好ましい。
本実施形態の電力変換装置1が上述のように構成されると、変換回路12の放熱量が多くなり、変換回路12の温度上昇を抑制することができる。
本実施形態の電力変換装置1は、吸気用ファン15と排気用ファン16の少なくとも一方をさらに備えることが好ましい。吸気用ファン15は、吸気孔115に配置され、第2空間101から筐体11の内部空間11aに空気を取り込むように構成されていることが好ましい。排気用ファン16は、排気孔116に配置され、筐体11の内部空間11aの空気が筐体11の外部に排気されるように構成されていることが好ましい。
本実施形態の電力変換装置1が上述のように構成されると、筐体11の内部空間11aの温度上昇及び湿度上昇を効率良く抑制することができる。
本実施形態の電力変換装置1は、筐体11の内部空間11aの空気の湿度の値が閾値(第1閾値)よりも高くなると吸気用ファン15及び排気用ファン16の少なくとも一方を動作させるファン制御部125bをさらに備えることが好ましい。
本実施形態の電力変換装置1が上述のように構成されると、ファン制御部125bが筐体11の内部空間11aの湿度が高いときだけ吸気用ファン15及び排気用ファン16の少なくとも一方を動作させるので、電力変換装置1での電力消費を低減することができる。
本実施形態の電力変換装置1において、排気孔116は、筐体11の内部空間11aと前記第2空間101とを繋いでいることが好ましい。
本実施形態の電力変換装置1が上述のように構成されると、筐体11の内部空間11aで温度及び湿度の高い空気が第1空間100に排気されないので、第1空間100の温度上昇及び湿度上昇を抑制することができる。
本実施形態の電力変換装置1は、吸気孔115と排気孔116とが筐体11に設けられた1つの開口(挿通孔)で構成されていることが好ましい。
本実施形態の電力変換装置1が上述のように構成されると、電力変換装置1を壁6に容易に取り付けることができる。
本実施形態の電力変換装置1は、排気用配管14をさらに備えることが好ましい。排気用配管14は、筐体11に形成されている挿通孔(第2挿通孔)111eに挿入され、筐体11の内部空間11aと第2空間101とを繋いでいることが好ましい。
本実施形態の電力変換装置1が上述のように構成されると、電力変換装置1を壁に容易に取り付けることができる。
本実施形態の電力変換装置1は、一端が変換回路12に電気的に接続されているケーブル(第2ケーブル)172を排気孔116に収容していることが好ましい。
本実施形態の電力変換装置1が上述のように構成されると、第2ケーブル172を筐体11の内部空間11aに引き回すために、筐体11に別の挿通孔を形成する必要がなく、筐体11の密閉性が向上する。
本実施形態の装置取付方法は、電力変換装置1の吸気孔115を、第1空間100と第2空間101とを隔てている構造体(壁)6に設けられている開口(第1開口)62に併せる第1工程を備える。装置取付方法は、さらに電力変換装置1の筐体11を構造体(壁)6に固定する第2工程を備える。
本実施形態の装置取付方法は、上述のように構成されるので、筐体11の内部空間11aの温度上昇及び湿度上昇を抑制することができる。
本実施形態の電力変換システム10は、電力変換装置1と、分散型電源(太陽電池)2を備える。変換回路12は、分散型電源(太陽電池)2と電気的に接続され、分散型電源から入力された入力電力を出力電力に変換して、負荷機器4に出力電力を供給するように構成されている。
本実施形態の電力変換システムは10は、上述のように構成されるので、筐体11の内部空間11aの温度上昇及び湿度上昇を抑制することができる。
本実施形態の電力変換装置1の変形例について、図8及び図9を参照して説明する。電力変換装置1が、取付板7を備える点が上述の電力変換装置1と異なる。
電力変換装置1の本体111の背面111aには、図8に示すように、左右方向から見てL字形状であって、左右方向に長尺な2つの引掛片117が形成されている。引掛片117は、本体111の背面111aに、左右方向に並んで形成されている。
取付板7は、図9に示すように、金属などによって、矩形板状に形成されている。取付板7は、第3開口71と、第4開口72と、仮止め孔73と、8つの壁固定挿通孔74と、2つの本体凸部75と、本体固定挿通孔76とを備える。
第3開口71は、吸気用配管13が挿入される開口である。第4開口72は、排気用配管14が挿入される開口である。仮止め孔73は、だるま穴であって、壁6に予めねじ込められているねじ61のねじ頭が取付板7の前側から引掛けられる孔である。8つの壁固定挿通孔74は、取付板7を壁6に固定するための壁固定ねじ82が挿入される挿通孔である。2つの本体凸部75は、左右方向に並んで形成され、それぞれが前側に突出する矩形状に形成され、それぞれの上部に、対応する2つの引掛片117の一端が差し込まれる差込孔751を備える。本体固定挿通孔76は、電力変換装置1を取付板7に固定するために使用される第2筐体固定ねじ83が挿入される挿通孔である。
取付板7を使用して、電力変換装置1を壁6に取り付ける装置取付方法について図8及び図9を参照して説明する。ただし、以下の説明する装置取付方法は一例であって、以下の説明以外の方法によって電力変換装置1が壁6に取り付けられることは可能である。
壁6には、予め、取付板7を引っ掛けるためのねじ61がねじ込まれているとする。また、壁6は、吸気用配管13に対応する第1開口62と、排気用配管14に対応する第2開口63が設けられているとする。
取付板7は、第1開口62と第3開口71と、かつ第2開口63と第4開口72とが、前後方向に重なるように壁6に配置される。取付板7は、ねじ61のねじ頭を仮止め孔73に引掛けられることで、壁6に仮止めされる。取付板7の前側から8つの壁固定挿通孔74のそれぞれに壁固定ねじ82を挿通することで、取付板7は、壁6に固定される。
筐体11の外側に露出している吸気用配管13の第2端132が第2空間101に配置されるように、吸気用配管13は、取付板7の第3開口71及び第1開口62に第1空間100側から挿入される。筐体11の外側に露出している排気用配管14の第2端142が第2空間101に配置されるように、排気用配管14は、取付板7の第4開口72及び第2開口63に第1空間100側から挿入される。
本体111の背面111aに形成される引掛片117のそれぞれが、対応する本体凸部75の差込孔751に差し込まれて取付板7に引掛けられることで、筐体11は、取付板7に仮止めされる。筐体11の内部空間11a側から、本体111の背面111aに設けられている挿通孔を介して本体固定挿通孔76に第2筐体固定ねじ83を挿通することで、筐体11は取付板7に取り付けられる。この結果、筐体11は、取付板7に取り付けられることで、壁6に固定される。
変形例の電力変換装置1は、上述のように構成されるので、筐体11の内部空間11aと第2空間101とが繋がり、筐体11を容易に壁6に取り付けることができる。
(実施形態2)
本実施形態の装置取付構造60について、図10を参照して説明する。なお、実施形態1と重複する構成については、同じ符号を付し、詳しい説明は省略する。
本実施形態では、図10に示すように、壁6に壁側吸気用配管64と壁側排気用配管65とが取り付けられている。本実施形態では、壁側吸気用配管64と壁側排気用配管65とで構成される構造を装置取付構造60と呼ぶ。また、電力変換装置1は、吸気用配管13及び排気用配管14を備えていない場合を想定して例示する。
壁側吸気用配管64は、合成樹脂材料によって、円筒形状に形成されている。壁側吸気用配管64は、壁6に形成された第1開口62に挿入され、第1空間100と第2空間101とを繋いでいる。つまり、壁側吸気用配管64の第1端641は、第1空間100に配置され、第2端642は、第2空間101に配置されている。壁側排気用配管65は、合成樹脂材料によって、円筒形状に形成されている。壁側排気用配管65は、壁6に形成された第2開口63に挿入され、第1空間100と第2空間101とを繋いでいる。つまり、壁側排気用配管65の第1端651は、第1空間100に配置され、第2端652は、第2空間101に配置されている。
電力変換装置1を壁6に取り付ける場合について説明する。なお、電力変換装置1の第1挿通孔111dが吸気孔に相当し、吸気孔111dとする。また、電力変換装置1の第2挿通孔111eが排気孔に相当し、排気孔111eとする。壁側吸気用配管64が電力変換装置1の吸気孔111dに挿入されて、第1端641が筐体11の内部空間11aに配置される。壁側排気用配管65が電力変換装置1の排気孔111eに挿入されて、第1端651が筐体11の内部空間11aに配置される。
本実施形態の装置取付構造60は、上述のように構成されるので、電力変換装置1が吸気用配管13及び排気用配管14とを備えていない場合でも、電力変換装置1を壁6に容易に取り付けることができる。
なお、電力変換装置1は、吸気用配管13と、排気用配管14とを備えていてもよい。例えば、壁側吸気用配管64の径が電力変換装置1の吸気用配管13の径よりも大きいとする。この場合、吸気用配管13が壁側吸気用配管64の第1端641側から挿入されるなどして壁側吸気用配管64は、吸気用配管13と接続される。また、例えば、壁側排気用配管65の径が電力変換装置1の排気用配管14の径よりも大きいとする。この場合、排気用配管14が壁側排気用配管65の第1端651側から挿入されるなどして壁側排気用配管65は、排気用配管14と接続される。
なお、壁側吸気用配管64の径と吸気用配管13の径との大きさの関係は、本実施形態に限定されない。
また、壁側吸気用配管64と第1開口62との間に隙間がある場合、壁側吸気用配管64と第1開口62との間は、パッキン又はパテなどで覆われていることが好ましい。また、壁側排気用配管65と第2開口63との間に隙間がある場合、壁側排気用配管65と第2開口63との間は、パッキン又はパテなどで覆われていることが好ましい。
本実施形態の電力変換装置1及び装置取付構造60は、上述のように構成されるので、筐体11の内部空間11aの温度上昇及び湿度上昇を抑制することができる。
本実施形態の装置取付構造60は、電力変換装置1の筐体11の内部空間11aと第2空間101とを繋ぎ、第1空間100と第2空間101とを隔てている構造体(壁)6に設けられている壁側吸気用配管(吸気用配管)64を備える。
本実施形態の装置取付構造は、上述のように構成されるので、筐体11の内部空間11aの温度上昇及び湿度上昇を抑制することができる。
(実施形態3)
本実施形態の電力変換装置1Aについて、図11及び図12を参照して説明する。なお、実施形態1と重複する構成については、同じ符号を付し、詳しい説明は省略する。
本実施形態の電力変換装置1Aは、排気孔116Aが筐体11の上面に形成されている点が実施形態1と相違する。さらに、本実施形態の電力変換装置1Aは、第2挿通孔111eが本体111の背面111aに形成されていない点が実施形態1と相違する。
電力変換装置1Aは、図11に示すように、矩形状の開口であって、筐体11の上面に排気孔116Aが形成されている。排気孔116Aは、筐体11と内部空間11aと第1空間100とを繋いでいる。
図12に示すように、吸気孔115から取り込まれた空気は、吸気用ファン15及び排気用ファン16が動作することで筐体11の内部空間11aの下側から排気孔116Aに向かって上向きに流れる。このように、筐体11の内部空間11aにおいて、吸気孔115から排気孔116Aに向かって空気が流れる経路が通気経路18Aである。変換回路12は、筐体11の内部空間11aに収容されており、通気経路18Aに配置されている。
本実施形態の電力変換装置1Aは、上述のように構成されるので、第1空間100が湿度の高い空間であっても、第1空間100よりも温度及び湿度の低い空間である第2空間101から空気を取り込むことが可能である。したがって、電力変換装置1Aは、筐体11と内部空間11aの温度上昇及び湿度上昇を抑制することができる。さらに、排気孔116Aが筐体11の内部空間11aと第1空間100とを繋いでいるので、排気管が必要なく、電力変換装置1Aの取り付けが容易になる。
なお、排気孔116Aの形状は、本実施形態に限定されない。例えば、排気孔116Aは、矩形状に開口した複数のスリットで構成されてもよい。
電力変換装置1が吸気用ファン15及び排気用ファン16を備えていない場合であっても、吸気孔115から排気孔116に向かって空気が流れる経路が通気経路18Aである。通気経路18Aは、吸気孔115及び排気孔116の配置場所によって変化する。
本実施形態の電力変換装置1Aにおいて、排気孔116Aは、筐体11の内部空間11aと第1空間100とを繋いでいる。
本実施形態の電力変換装置1Aが上述のように構成されると、電力変換装置1Aが壁6に容易に取り付けることができる。