JP6714850B2 - 色変換装置、色変換方法、及び、色変換プログラム - Google Patents

色変換装置、色変換方法、及び、色変換プログラム Download PDF

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Description

本発明は、色変換装置、色変換方法、及び、色変換プログラムに関する。
色再現特性はデバイスに依存するため、デバイス間で色を合わせるためにICC(International Color Consortium)プロファイルが使用されている。機器従属色空間(device dependent color space)の座標値を機器独立色空間(device independent color space)の座標値に変換すると、同じ機器独立色空間で色を合わせることができる。これにより、第一デバイスに依存する入力色空間と第二デバイスに依存する出力色空間との対応関係を規定して色変換LUT(ルックアップテーブル)を生成することができる。ただ、第一デバイスに依存する入力色空間では濁りの無い純色であっても、第二デバイスに依存する出力色空間では他の色が混じることがある。
特許文献1には、出力色空間の濁った初期の色から不純色(純色以外の色成分)を除去する技術が示されている。この技術では、純色化された初期色の値と元の濁った初期色の値との関係に基づいた補正係数に基づいて非初期色の値を補正している。
米国特許第7911665号明細書
色変換前後の色再現性を重視すると上述したように入力色空間で濁りの無い純色が出力色空間で他の色が混じることがあり、色変換前後の純色保持を重視すると入力色空間の色が出力色空間で再現されないことがある。このように純色保持と色再現性とは相反する概念であり、極力、両者を両立させることが望まれる。
以上を鑑み、本発明の目的の一つは、極力、純色を保持しながら色再現性を向上させることが可能な技術を提供することにある。
上記目的の一つを達成するため、本発明は、機器独立色空間を経由して第一デバイスに依存する入力色空間の入力座標値を第二デバイスに依存する出力色空間の出力座標値に変換する変換部と、
前記入力色空間で純色化対象の第一純色軸の方向において、該第一純色軸の座標値を前記出力色空間の第二純色軸の座標値に変換する純色化範囲の設定を受け付ける純色化範囲設定部と、
設定された前記純色化範囲において、前記入力色空間の前記第一純色軸の座標値が前記出力色空間の前記第二純色軸の座標値に変換されるように、前記入力座標値と前記出力座標値との初期対応関係に規定される前記出力座標値を修正する修正部と、
を備える、色変換装置の態様を有する。
また、本発明は、機器独立色空間を経由して第一デバイスに依存する入力色空間の入力座標値を第二デバイスに依存する出力色空間の出力座標値に変換する変換工程と、
前記入力色空間で純色化対象の第一純色軸の方向において、該第一純色軸の座標値を前記出力色空間の第二純色軸の座標値に変換する純色化範囲の設定を受け付ける純色化範囲設定工程と、
設定された前記純色化範囲において、前記入力色空間の前記第一純色軸の座標値が前記出力色空間の前記第二純色軸の座標値に変換されるように、前記入力座標値と前記出力座標値との初期対応関係に規定される前記出力座標値を修正する修正工程と、
を含む、色変換方法の態様を有する。
さらに、本発明は、機器独立色空間を経由して第一デバイスに依存する入力色空間の入力座標値を第二デバイスに依存する出力色空間の出力座標値に変換する変換機能と、
前記入力色空間で純色化対象の第一純色軸の方向において、該第一純色軸の座標値を前記出力色空間の第二純色軸の座標値に変換する純色化範囲の設定を受け付ける純色化範囲設定機能と、
設定された前記純色化範囲において、前記入力色空間の前記第一純色軸の座標値が前記出力色空間の前記第二純色軸の座標値に変換されるように、前記入力座標値と前記出力座標値との初期対応関係に規定される前記出力座標値を修正する修正機能と、
をコンピューターに実現させる、色変換プログラムの態様を有する。
上述した態様は、極力、純色を保持しながら色再現性を向上させることが可能な技術を提供することができる。
入力色空間の第一純色軸の座標値を出力色空間の第二純色軸の座標値に変換する例を模式的に示す図。 図2A,2Bは第一純色軸、第一スムージング範囲、及び、第二スムージング範囲の例を模式的に示す図。 入力プロファイルと出力プロファイルに基づいてLUTを生成する例を模式的に示す図。 図4Aは第一係数の例を模式的に示す図、図4Bは第二係数の例を模式的に示す図。 入力色空間の第一純色軸からの距離に対する出力色空間の不純色成分の量を模式的に例示する図。 図6Aは第三係数の例を模式的に示す図、図6Bは第四係数の例を模式的に示す図。 入力色空間の第一純色軸の方向において、純色化範囲からの距離に対する出力色空間の不純色成分の量を模式的に例示する図。 図8Aは入力色空間の第一純色軸の座標に応じた出力色空間の不純色成分の修正量を模式的に例示する図、図8Bは入力色空間の第一純色軸からの距離に応じた出力色空間の不純色成分の修正量を模式的に例示する図。 色変換装置の構成例を模式的に示すブロック図。 LUT生成処理の例を示すフローチャート。 設定画面の例を模式的に示す図。 スムージングの強度設定に応じた出力色空間の不純色成分の修正量を模式的に例示する図。 出力座標値修正処理の例を示すフローチャート。 入力色空間の第一純色軸の座標値を出力色空間の第二純色軸の座標値に変換する別の例を模式的に示す図。 図15A,15B,15Cは設定画面の例を模式的に示す図。 比較例において入力色空間の純色軸からの距離に対する出力色空間の不純色成分の量を模式的に例示する図。
以下、本発明の実施形態を説明する。むろん、以下の実施形態は本発明を例示するものに過ぎず、実施形態に示す特徴の全てが発明の解決手段に必須になるとは限らない。
(1)本技術の概要:
まず、本願の図に示される例を参照して本発明に含まれる技術の概要を説明する。尚、本願の図は模式的に例を示す図であり、これらの図に示される各方向の拡大率は異なることがあり、各図は整合していないことがある。
[態様1]
図3,9に例示される色変換装置100は、変換部U1、純色化範囲設定部U21、及び、修正部U3を備える。前記変換部U1は、機器独立色空間(device independent color space)を経由して第一デバイスに依存する入力色空間CS1の入力座標値(例えば(C1i,M1i,Y1i,K1i))を第二デバイスに依存する出力色空間CS2の出力座標値(例えば(C2i,M2i,Y2i,K2i))に変換する。前記純色化範囲設定部U21は、前記入力色空間CS1で純色化対象の第一純色軸AX1の方向において、該第一純色軸AX1の座標値を前記出力色空間CS2の第二純色軸AX2の座標値に変換する純色化範囲RP1の設定を受け付ける。前記修正部U3は、設定された前記純色化範囲RP1において、前記入力色空間CS1の前記第一純色軸AX1の座標値が前記出力色空間CS2の前記第二純色軸AX2の座標値に変換されるように、前記入力座標値と前記出力座標値との初期対応関係710に規定される前記出力座標値を修正する。
上記態様1では、入力色空間CS1で純色化対象の第一純色軸AX1の方向において、該第一純色軸AX1の座標値を出力色空間CS2の第二純色軸AX2の座標値に変換する純色化範囲RP1が設定される。この純色化範囲RP1において、入力色空間CS1の第一純色軸AX1の座標値が出力色空間CS2の第二純色軸AX2の座標値に変換される。純色化範囲RP1でなければ色再現性を重視することができるので、本態様は、極力、純色を保持しながら色再現性を向上させることが可能な色変換装置を提供することができる。
ここで、機器独立色空間は、絶対色空間とも呼ばれ、デバイスに依存せず、座標値が決まれば色そのものを特定することができる色空間である。機器独立色空間は、CIE(国際照明委員会)L***色空間、CIE Lch色空間、CIE XYZ色空間、CIE L***色空間、等を含む。以下、CIE L***を単にLabとも記載する。
デバイスに依存する色空間は、機器従属色空間(device dependent color space)とも呼ばれ、座標値が決まっても人間が知覚する色そのものは特定することができず、デバイスの色再現特性に依存して色が定まる色空間である。また、デバイスに依存する色空間は、印刷用紙や織物といった被印刷物等にも依存する色空間であるものとする。
入力色空間は、3次元色空間であるCMY(シアン、マゼンタ、及び、イエロー)色空間、4次元色空間であるCMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、及び、ブラック)色空間、3次元色空間であるRGB(赤、緑、及び、青)色空間、等を含む。出力色空間も、CMY色空間、CMYK色空間、RGB色空間、等を含む。色空間は、5次元以上でもよい。
純色軸は、座標値が1色を表現する軸を意味する。例えば、CMY色空間には純色軸としてC軸とM軸とY軸が存在し、CMYK色空間には純色軸としてC軸とM軸とY軸とK軸が存在する。ここで、減法混色となるCMY色空間の座標値を(c,m,y)とし、各色成分の値c,m,yが相対値で0%以上100%以下であるとする。この場合、C軸はm=y=0%であって0%≦c≦100%を満たす軸であり、M軸はc=y=0%であって0%≦m≦100%を満たす軸であり、Y軸はc=m=0%であって0%≦y≦100%を満たす軸である。
また、CMY色空間の入力座標値からCMY色空間の出力座標値に変換する場合、入力色空間のC軸が第一純色軸であれば出力色空間のC軸が第二純色軸となり、入力色空間のM軸が第一純色軸であれば出力色空間のM軸が第二純色軸となり、入力色空間のY軸が第一純色軸であれば出力色空間のY軸が第二純色軸となる。
純色軸の色成分は、例えば、C軸が純色軸であればC成分となり、M軸が純色軸であればM成分となり、Y軸が純色軸であればY成分となり、K軸が純色軸であればK成分となる。
[態様2]
図9〜11に例示するように、本色変換装置100は、前記入力色空間CS1の複数の純色軸(図11の例ではC軸とM軸とY軸とK軸)に含まれる純色軸を純色化対象の前記第一純色軸AX1にするか否かの設定を受け付ける純色化軸設定部U22を備えてもよい。この態様は、入力色空間CS1の複数の純色軸から設定された第一純色軸AX1の純色化範囲RP1において、入力色空間CS1の第一純色軸AX1の座標値が出力色空間CS2の第二純色軸AX2の座標値に変換される。入力色空間CS1の純色軸が第一純色軸AX1でない純色軸であれば色再現性を重視することができるので、本態様は、色再現性をさらに向上させることが可能な技術を提供することができる。
尚、純色化対象の第一純色軸が予め決められている場合も、本技術に含まれる。
[態様3]
図11等に例示するように、前記純色化範囲設定部U21は、前記純色化範囲RP1の設定として前記第一純色軸AX1の色成分の最小と最大の少なくとも一方の設定を受け付けてもよい。この態様は、純色化範囲RP1の設定を容易にする技術を提供することができる。
[態様4]
図3,6A,7等に例示するように、前記修正部U3は、前記入力座標値が前記第一純色軸AX1の方向において前記純色化範囲RP1から続く第一スムージング範囲RS1の座標値である場合、前記出力色空間CS2において前記第二純色軸AX2を除く第三純色軸AX3の色成分があるときに前記初期対応関係710に従うよりも少なくなるように前記初期対応関係710に規定される前記出力座標値を修正してもよい。これにより、第一純色軸AX1の方向において純色化範囲RP1及び第一スムージング範囲RS1でない範囲から純色化範囲RP1にかけての不純色の色成分の階調が滑らかとなり、出力画像の階調の破綻が抑制される。従って、本態様は、階調性を向上させることが可能な技術を提供することができる。
尚、第一スムージング範囲の出力座標値を修正しない場合も、本技術に含まれる。
[態様5]
図3,4A,5に例示するように、前記修正部U3は、前記入力座標値が前記純色化範囲RP1の前記第一純色軸AX1から第二スムージング範囲AR2内の座標値である場合に前記出力色空間CS2において前記第二純色軸AX2を除く第三純色軸AX3の色成分が前記初期対応関係710に従うよりも少なくなるように、前記初期対応関係710に規定される前記出力座標値を修正してもよい。
図16は、入力色空間CS1の複数の格子点GD0のうち純色軸にある格子点GD0のみ出力色を純色化した比較例において、入力色空間CS1の純色軸から離れた距離sに対する出力色空間CS2の不純色の色成分(純色以外の色成分)の量を模式的に例示している。例えば、CMY色空間においてC(純色の例)に対する不純色の色成分は、MとYである。図16には、純色化していない場合の不純色の色成分の量を破線L9で示し、純色軸のみ純色化した場合の不純色の色成分の量を太線L8で示している。この太線L8で示されるように、入力色空間CS1の純色軸の方向へ並ぶ格子点GD0の間隔の一つ分に相当する距離s=1において不純色の色成分の階調が破綻することがある。
一方、本技術の上記態様5では、図5に例示される太線L1のように、距離s=1等において不純色の色成分の階調が滑らかとなる。このように、純色化範囲RP1において、第一純色軸AX1から第二スムージング範囲AR2外にかけての不純色の色成分の階調が滑らかとなり、出力画像の階調の破綻が抑制される。従って、本態様は、階調性を向上させることが可能な技術を提供することができる。
尚、第二スムージング範囲の出力座標値を修正しない場合も、本技術に含まれる。
[態様6]
図9〜11に例示するように、本色変換装置100は、前記入力座標値が前記純色化範囲RP1の前記第一純色軸AX1から第二スムージング範囲AR2内の座標値である場合に前記初期対応関係710に規定される前記出力座標値を修正するか否かの設定を受け付ける軸周りスムージング設定部U23を備えてもよい。前記修正部U3は、前記軸周りスムージング設定部U23が前記出力座標値を修正する設定を受け付けた場合において、前記入力座標値が前記第二スムージング範囲AR2内の座標値である場合に前記出力色空間CS2において前記第二純色軸AX2を除く第三純色軸AX3の色成分が前記初期対応関係710に従うよりも少なくなるように、前記初期対応関係710に規定される前記出力座標値を修正してもよい。第二スムージング範囲AR2の出力座標値を修正しない設定であれば色再現性を重視することができるので、本態様は、階調性向上と色再現性向上とを極力両立させることが可能な技術を提供することができる。
[態様7]
図9〜11に例示するように、本色変換装置100は、前記第一純色軸AX1からの前記第二スムージング範囲AR2の設定を受け付ける第二スムージング範囲設定部U24を備えてもよい。第二スムージング範囲AR2を広く設定すれば階調性を向上させることができ、第二スムージング範囲AR2を狭く設定すれば色再現性を重視することができる。従って、本態様は、階調性向上と色再現性向上とを極力両立させることが可能な技術を提供することができる。
尚、第一純色軸からの第二スムージング範囲が可変でなく予め決められている場合も、本技術に含まれる。
[態様8]
図9〜11に例示するように、本色変換装置100は、前記入力座標値が前記純色化範囲RP1の前記第一純色軸AX1から前記第二スムージング範囲AR2内の座標値である場合に前記修正部U3が前記出力色空間CS2の前記第三純色軸AX3の色成分を少なくする度合の設定を受け付ける混色低減度合設定部U25を備えてもよい。第三純色軸AX3の色成分を少なく設定すれば純色を重視することができ、第三純色軸AX3の色成分を多く設定すれば色再現性を重視することができる。従って、本態様は、純色保持と色再現性向上を極力両立させることが可能な技術を提供することができる。
尚、第二スムージング範囲の第三純色軸の色成分を少なくする度合が予め決められている場合も、本技術に含まれる。
[態様9]
図1に例示するように、前記修正部U3は、前記入力座標値(例えば(C1i,M1i,Y1i,K1i))が前記第一純色軸AX1から前記第二スムージング範囲AR2内の座標値である場合に前記出力色空間CS2において前記第三純色軸AX3の色成分が前記初期対応関係710に従うよりも少なくなる第一変換式(例えばV3i=F1×V2i)と、前記入力座標値が前記第一純色軸AX1から前記第二スムージング範囲AR2内の座標値である場合に前記出力色空間CS2において前記第二純色軸AX2の色成分が前記初期対応関係710に従うとき以上となる第二変換式(例えばV3i=F2×V2i)と、を用いて前記初期対応関係710に規定される出力座標値(例えば(C2i,M2i,Y2i,K2i))を修正してもよい。
上記態様9では、第一変換式を用いた出力座標値の修正により、入力色空間CS1の第一純色軸AX1から第二スムージング範囲AR2内において出力色空間CS2の第三純色軸AX3の色成分が初期対応関係710に従うよりも少なくなる。これにより、図5に例示される太線L1のように、距離s=1等において不純色の色成分の階調が滑らかとなり、出力画像の階調の破綻が抑制される。また、第二変換式を用いた出力座標値の修正により、入力色空間CS1の第一純色軸AX1から第二スムージング範囲AR2内において第二純色軸AX2の色成分が初期対応関係710に従うとき以上となる。これにより、出力色空間CS2の第三純色軸AX3の色成分が少なくなることによる出力画像の明度の変化(例えば上昇)が抑制される。本態様は、初期対応関係710に規定される出力座標値が第一変換式及び第二変換式で修正されるので、第一デバイスに依存する入力色空間と第二デバイスに依存する出力色空間との対応関係(例えば図3に示す対応関係700)を規定する処理を簡素化することが可能な技術を提供することができる。
尚、出力座標値の修正は、第一変換式及び第二変換式を用いた修正に限定されない。
[態様10]
図3,10等に例示される色変換方法は、変換部U1に対応する変換工程、純色化範囲設定部U21に対応する純色化範囲設定工程、及び、修正部U3に対応する修正工程を含む。この態様は、極力、純色を保持しながら色再現性を向上させることが可能な色変換方法を提供することができる。本色変換方法は、純色化軸設定部U22に対応する純色化軸設定工程、軸周りスムージング設定部U23に対応する軸周りスムージング設定工程、第二スムージング範囲設定部U24に対応する第二スムージング範囲設定工程、混色低減度合設定部U25に対応する混色低減度合設定工程、等を含んでもよい。
[態様11]
図3,9,10等に例示される色変換プログラムPR0は、変換部U1に対応する変換機能FU1、純色化範囲設定部U21に対応する純色化範囲設定機能FU21、及び、修正部U3に対応する修正機能FU3をコンピューターに実現させる。この態様は、極力、純色を保持しながら色再現性を向上させることが可能な色変換プログラムPR0を提供することができる。本色変換プログラムPR0は、純色化軸設定部U22に対応する純色化軸設定機能FU22、軸周りスムージング設定部U23に対応する軸周りスムージング設定機能FU23、第二スムージング範囲設定部U24に対応する第二スムージング範囲設定機能FU24、混色低減度合設定部U25に対応する混色低減度合設定機能FU25、等をコンピューターに実現させてもよい。
さらに、本技術は、色変換装置を含む複合装置、これらの装置の制御方法、これらの装置の制御プログラム、色変換プログラムや前記制御プログラムを記録したコンピューター読み取り可能な媒体、等に適用可能である。前述の装置は、分散した複数の部分で構成されてもよい。
(2)色変換方法の具体例:
(2−1)概要:
ここでは、第一印刷装置(第一デバイスの例)に依存するCMYK色空間(入力色空間の例)の入力座標値を第二印刷装置(第二デバイス)に依存するCMYK色空間(出力色空間の例)の出力座標値に変換するための色変換LUTを生成する具体例を説明する。尚、図1,2A,2Bでは、図示の都合上、色空間CS1,CS2を模式的にC軸とM軸とY軸とが交差した3次元状の色空間として示している。
第一印刷装置及び第二印刷装置には、オフセット印刷機、グラビア印刷機、フレキソ印刷機、プルーファー、インクジェットプリンター、レーザープリンターといった電子写真方式のプリンター、等が含まれ、複写機、ファクシミリ、これらの機能を備えた複合機、等も含まれる。色変換LUTは、デバイスリンクとも呼ぶことができる。第一印刷装置と第二印刷装置が異なる場合、機器従属色空間がともにCMYK色空間であっても入力座標値と出力座標値とが異なってくる。図1,3等に例示するように、入力色空間CS1であるCMYK色空間の色成分をC1,M1,Y1,K1で表し、出力色空間CS2であるCMYK色空間の色成分をC2,M2,Y2,K2で表すことにする。色成分C1と色成分C2は同系統の色であり、色成分M1と色成分M2は同系統の色であり、色成分Y1と色成分Y2は同系統の色であり、色成分K1と色成分K2は同系統の色である。
詳しくは後述するが、図9に示す色変換装置100は、デバイスに応じたICCプロファイルPF0を複数記憶している。これらのプロファイルPF0には、第一印刷装置用のプロファイル(入力プロファイルPF1とする。)、及び、第二印刷装置用のプロファイル(出力プロファイルPF2とする。)が含まれる。図3に示す入力プロファイルPF1は、第一印刷装置に依存するCMYK色空間の座標値(C1i,M1i,Y1i,K1i)とLab色空間の座標値(Li,ai,bi)との対応関係を表す情報である。図3に示す出力プロファイルPF2は、第二印刷装置に依存するCMYK色空間の座標値(C2i,M2i,Y2i,K2i)とLab色空間の座標値(Li,ai,bi)との対応関係を表す情報である。ここでの変数iは、入力色空間CS1の座標に対応する各格子点GD0を識別する変数である。入力プロファイルPF1からは、各格子点GD0の位置を表す入力座標値(C1i,M1i,Y1i,K1i)に対応するLab色空間の座標値(Li,ai,bi)を取得することができる。出力プロファイルPF2からは、Lab色空間の各座標値(Li,ai,bi)に対応する出力色空間CS2の座標値(C2i,M2i,Y2i,K2i)を取得することができる。図3に示すように、入力座標値(C1i,M1i,Y1i,K1i)と出力座標値(C2i,M2i,Y2i,K2i)とを対応付けると、初期対応関係710が規定された元LUT810を生成することができる(変換工程)。座標値の各色成分の値は、印刷装置が使用する色材(例えばインク)の使用量を表す。
尚、格子点(grid point)は入力色空間に配置された仮想の点を意味し、入力色空間における格子点の位置に対応する出力座標値が該格子点に格納されていると想定することにしている。複数の格子点が入力色空間内で均等に配置されるのみならず、複数の格子点が入力色空間内で不均等に配置されることも、本技術に含まれる。
入力プロファイルPF1と出力プロファイルPF2とは特性が異なるため、入力色空間CS1の純色軸の座標値が出力色空間CS2の純色軸の座標値に対応付けられないことがある。図3に示す例では、入力色空間CS1の純色軸であるC1軸の座標値(C1i,M1i,Y1i,K1i)=(100%,0%,0%,0%)が出力色空間CS2の座標値(C2i,M2i,Y2i,K2i)=(99%,5%,2%,1%)に対応付けられている。例えば、座標値C1i,M1i,Y1i,K1i,C2i,M2i,Y2i,K2iが0〜255の階調値で表現される場合、座標値0%は階調値0で表され、座標値100%は階調値255で表される。不純色の座標値M2iが0%よりも大きくなり、不純色の座標値Y2iが0%よりも大きくなり、不純色の座標値K2iが0%よりも大きくなると、純色Cとともに不純色M,Y,Kも出力され、出力画像に濁りが生じることになる。そこで、純色の入力を純色に出力する設定である場合、入力色空間CS1で濁りの無い純色については、出力色空間CS2でも濁りの無い純色に変換されるように出力座標値(C2i,M2i,Y2i,K2i)を座標値(C3i,M3i,Y3i,K3i)に修正して、純色が保持されるようにしている(設定工程及び修正工程)。図3に示す例では、入力座標値(C1i,M1i,Y1i,K1i)が純色の座標値(100%,0%,0%,0%)である場合に出力座標値(C2i,M2i,Y2i,K2i)=(99%,5%,2%,1%)が純色の座標値(100%,0%,0%,0%)に修正されている。
図1は、入力色空間CS1の第一純色軸AX1の座標値を出力色空間CS2の第二純色軸AX2の座標値に変換する例を模式的に示している。第一純色軸AX1の色成分と第二純色軸AX2の色成分とは、同系統の色成分である。図1に示すWは、明度L*が最も高い白色頂点を示す。尚、白っぽい地色(紙白)の被印刷物の要因が色空間に含まれる場合、白色頂点Wは紙白を表す。図1に示す例では、入力色空間CS1のC1軸の色が出力色空間CS2のC2軸の色に対応付けられている。この場合、入力色空間CS1のC1軸が第一純色軸AX1に当てはまり、出力色空間CS2のC2軸が第二純色軸AX2に当てはまり、出力色空間CS2のM2軸とY2軸と図示されないK2軸が第三純色軸AX3に当てはまり、入力色空間CS1のM1軸とY1軸と図示されないK1軸が第四純色軸AX4に当てはまる。入力色空間CS1の第一純色軸AX1の座標値は、出力色空間CS2の第二純色軸AX2の座標値に変換される。修正後の対応関係700が規定された色変換LUT800は、デバイスのユーザー等に供給されて使用される。
(2−2)第二スムージング範囲の修正の例:
ただ、入力色空間CS1の複数の格子点GD0のうち純色軸にある格子点GD0のみ出力色を純色化すると、図16に例示される太線L8のように、格子点間距離s=1において不純色成分の階調が破綻することがある。そこで、本具体例では、図1等に例示するように、第一純色軸AX1から第二スムージング範囲AR2内の座標値(C1i,M1i,Y1i,K1i)に対応する出力座標値(C2i,M2i,Y2i,K2i)を以下の変換式で座標値(C3i,M3i,Y3i,K3i)に修正することにしている。
V3i=F×V2i …(1)
ここで、V3iは、C3i、M3i、Y3i、又は、K3iを表す。V2iは、C2i、M2i、Y2i、又は、K2iを表す。係数Fは、後述する第一係数F1又は第二係数F2である。
変換式(1)を書き直すと、以下の通りとなる。
C3i=F×C2i
M3i=F×M2i
Y3i=F×Y2i
K3i=F×K2i
尚、変換式(1)は、第二スムージング範囲AR2に適用するフィルターといえる。
図1に示す第二スムージング範囲AR2は、C1軸からM1軸の方へ格子点間距離(格子点間隔)の4倍(s=4)、及び、C1軸からY1軸の方へ格子点間距離の4倍(s=4)とされている。また、図示していないが、C1軸からK1軸の方へも格子点間距離の4倍(s=4)とされているものとする。すなわち、変換式(1)を適用するサイズFsは、格子点間距離の4倍(s=4)である。本具体例の第二スムージング範囲AR2は、境界(s=4)を含まないものとする。変換式(1)を適用する第二スムージング範囲AR2は、図2A,2Bに例示するように、第一純色軸AX1がC1軸、M1軸、Y1軸、及び、K1軸のいずれであるのかに応じて変わる。図2Aに示す例では、入力色空間CS1のM1軸が第一純色軸AX1に当てはまり、第二スムージング範囲AR2がM1軸からC1軸の方へ格子点間距離の4倍、及び、M1軸からY1軸の方へ格子点間距離の4倍とされている。また、M1軸からK1軸の方へも格子点間距離の4倍とされているものとする。図2Aに示す例では、図示しないM2軸が第二純色軸AX2に当てはまり、図示しないC2軸とY2軸とK2軸が第三純色軸AX3に当てはまり、入力色空間CS1のC1軸とY1軸とK1軸が第四純色軸AX4に当てはまる。図2Bに示す例では、入力色空間CS1のY1軸が第一純色軸AX1に当てはめられ、第二スムージング範囲AR2がY1軸からC1軸の方へ格子点間距離の4倍、及び、Y1軸からM1軸の方へ格子点間距離の4倍とされている。また、Y1軸からK1軸の方へも格子点間距離の4倍とされているものとする。図2Bに示す例では、図示しないY2軸が第二純色軸AX2に当てはまり、図示しないC2軸とM2軸とK2軸が第三純色軸AX3に当てはまり、入力色空間CS1のC1軸とM1軸とK1軸が第四純色軸AX4に当てはまる。
上述した変換式(1)は、第二スムージング範囲AR2内の出力座標値(C2i,M2i,Y2i,K2i)に適用される。
第二スムージング範囲AR2のサイズFsは、入力色空間CS1の純色軸の方向へ並ぶ格子点GD0の間隔の2倍以上が好ましく、図1等に示すように4倍でもよいし、3倍でもよいし、5倍以上でもよい。サイズFsを格子点間距離の2倍以上にすることにより、純色軸と純色軸周辺との色成分量の差がさらに軽減され、印刷物の階調の破綻がさらに抑制される。
第一変換式は、出力色空間CS2において第三純色軸AX3の色成分に適用される。
V3i=F1×V2i=f1(s)×V2i …(2)
ここで、V3i,V2iは、第三純色軸AX3の色成分の量を表す値である。変数sは、入力色空間CS1において第一純色軸AX1を除く第四純色軸AX4の方向における第一純色軸AX1からの距離であり、格子点間距離を1とした距離である。第一係数F1は、第三純色軸AX3の色成分の量を表す値に乗じる係数であり、第四純色軸AX4の方向における第一純色軸AX1からの距離sに応じて変わる係数である。例えば、C1軸を第一純色軸AX1に当てはめる場合、第三純色軸AX3の色成分はM2とY2とK2となり、上記式(2)は、M3i=f1(s)×M2i、Y3i=f1(s)×Y2i、又は、K3i=f1(s)×K2iとなる。M1軸を第一純色軸AX1に当てはめる場合、第三純色軸AX3の色成分はC2とY2とK2となり、上記式(2)は、C3i=f1(s)×C2i、Y3i=f1(s)×Y2i、又は、K3i=f1(s)×K2iとなる。関数f1(s)は、例えば、変数sの2次以上の多項式等で記述することができる。
図4Aは、第一係数F1=f1(s)の例を模式的に示している。第一係数F1は、第二スムージング範囲AR2(適用サイズFs)内において、s=0からs=Fsとなるにつれて0から1まで大きくなっている。s<FsにおいてF1<1であるので、第一変換式V3i=F1×V2iは、入力座標値が第一純色軸AX1から第二スムージング範囲AR2内の座標値である場合に出力色空間CS2において第三純色軸AX3の色成分(不純色成分)が初期対応関係710に従うよりも少なくなる変換式である。ここで、入力色空間CS1において第四純色軸AX4の方向における第一純色軸AX1からの第一距離s1が0≦s1<Fs(第二スムージング範囲AR2内となる距離)であり、入力色空間CS1において第四純色軸AX4の方向における第一純色軸AX1からの第二距離s2がs1<s2<Fs(第二スムージング範囲AR2内となる距離)であるとする。第一係数F1=f1(s)は、f1(s1)<f1(s2)を満たす係数である。従って、第一純色軸AX1からの距離sが大きくなるにつれて、第一変換式による影響が弱くなる(第一係数F1が1になる)。
図5は、入力色空間CS1の複数の格子点GD0のうち純色軸から第二スムージング範囲AR2内にある格子点GD0の出力階調値を修正した例において、入力色空間CS1の純色軸からの距離sに対する出力色空間CS2の不純色成分の量を模式的に例示している。図5には、純色化していない場合の不純色成分の量を破線L9で示し、純色軸のみ純色化した場合の不純色成分の量を実線L8で示し、純色軸から第二スムージング範囲AR2内にある格子点GD0の出力階調値を修正した場合の不純色成分の量を太線L1で示している。図5に示すように、純色軸から第二スムージング範囲AR2内にある格子点GD0の出力階調値を修正すると、距離s=1等において不純色成分の階調が滑らかとなる。また、図4Aに示すように、0<s1<Fsである場合、s−F1平面においてF1=f1(s)上の点(s1,f1(s1))は、点(0,0)と点(Fs,1)とを結ぶ線L11よりも上側にある。
以上より、印刷物の純色付近のグラデーション部分が自然な階調となり、なだらかな表現が可能となり、且つ、純色による自然な色合いの表現も兼ね備えた高画質の表現が可能となる。
第二変換式は、出力色空間CS2において第二純色軸AX2の色成分に適用される。
V3i=F2×V2i=f2(V2max,s)×V2i …(3)
ここで、V3i,V2iは、第二純色軸AX2の色成分の量を表す値である。第二係数F2は、第二純色軸AX2の色成分の量を表す値に乗じる係数である。V2maxは、入力色空間CS1の第一純色軸AX1における色成分の量を表す座標値(C1i、M1i、Y1i、又は、K1i)が100%である場合の出力色空間CS2の第二純色軸AX2における色成分の量を表す座標値V2i(C2i、M2i、Y2i、又は、K2i)の最大値を表す。出力座標値の最大値V2maxが100%よりも小さい場合、最大値V2maxを100%に修正することにより純色を増やして出力画像が明るくなり過ぎることを抑制することができる。この場合、第二係数F2は、第四純色軸AX4の方向における第一純色軸AX1からの距離sに応じて変わる係数となる。C1軸を第一純色軸AX1に当てはめる場合、第二純色軸AX2の色成分はC2となり、上記式(3)は、C3i=f2(V2max,s)×C2iとなる。M1軸を第一純色軸AX1に当てはめる場合、第二純色軸AX2の色成分はM2となり、上記式(3)は、M3i=f2(V2max,s)×M2iとなる。関数f2(V2max,s)は、例えば、変数sの2次以上の多項式であって最大値V2maxに依存する係数を有する多項式等で記述することができる。
図4Bは、第二係数F2=f2(V2max,s)の例を模式的に示している。図4Bに示す第二係数F2は、第二スムージング範囲AR2(適用サイズFs)内において、s=0からs=Fsとなるにつれて1.1から1まで小さくなっている。尚、V2max=100%である場合、F2>1にすると修正後の階調値V3iが100%を超えることがあるため、第二スムージング範囲AR2内でもf2(V2max,s)=1にしてもよい。91%≦V2max<100%である場合、F2=1.1にすると修正後の階調値V3iが100%を超えることがあるため、1<f2(V2max,0)<1.1にしてもよい。V2max<91%である場合、f2(V2max,0)>1.1にしてもよいし、f2(V2max,0)=1.1に固定してもよい。s<FsにおいてF2≧1であるので、第二変換式V3i=F2×V2iは、入力座標値が第一純色軸AX1から第二スムージング範囲AR2内の座標値である場合に出力色空間CS2において第二純色軸AX2の色成分(純色成分)が初期対応関係710に従うとき以上となる変換式である。ここで、入力色空間CS1において第四純色軸AX4の方向における第一純色軸AX1からの第一距離s1が0≦s1<Fsであり、入力色空間CS1において第四純色軸AX4の方向における第一純色軸AX1からの第二距離s2がs1<s2<Fsであるとする。V2max<100%である場合の第二係数F2=f2(V2max,s)は、f2(V2max,s1)>f2(V2max,s2)を満たす係数である。これにより、純色化した際に出力色空間CS2の第三純色軸AX3の色成分が少なくなることにより印刷物が明るくなりすぎること抑制することが可能となる。従って、第一純色軸AX1からの距離sが大きくなるにつれて、第二変換式による影響が弱くなる(第二係数F2が1になる)。
また、0<s1<Fsである場合、s−F2平面においてF2=f2(V2max,s)上の点(s1,f2(V2max,s1))は、点(0,f2(V2max,0))と点(Fs,1)とを結ぶ線L12よりも下側にある。これにより、純色化した際に出力色空間CS2の第三純色軸AX3の色成分が少なくなることによる印刷物の明度の上昇をさらに適切に抑制することが可能となる。
本具体例は、純色軸周りのスムージング処理をユーザーの指示に基づいて行うことで、ユーザーが望むように色再現精度を確保したり過剰な階調性確保を抑制したりすることができ、ひいては印刷画質のカスタマイズを実現することができる。
(2−3)純色化範囲、及び、第一スムージング範囲の例:
純色保持(純色化)は色再現性を重視する場合に生じる不純色の混色を無くすことであるため、純色保持と色再現性とは相反する概念である。このため、入力色空間において、純色を保持する領域と色再現性を重視する領域とを細かく設定することができると、純色保持と色再現性重視の両立に好都合である。
図1,2A,2Bは、入力色空間CS1で純色化対象の第一純色軸AX1のうち純色を保持する純色化範囲RP1を模式的に例示している。純色化範囲RP1は、第一純色軸AX1の方向において第一純色軸AX1の座標値を出力色空間CS2の第二純色軸AX2の座標値に変換する(純色を保持する)範囲を意味する。上述した第二スムージング範囲AR2の修正は、純色化範囲RP1に限定して行われる。図1の例では、第一純色軸AX1であるC1軸においてCの色成分が下限p1と上限p2との間が純色化範囲RP1とされている。図2Aの例では、第一純色軸AX1であるM1軸においてMの色成分が下限p1と上限p2との間が純色化範囲RP1とされている。図2Bの例では、第一純色軸AX1であるY1軸においてYの色成分が下限p1と上限p2との間が純色化範囲RP1とされている。この純色化範囲RP1は、C1軸とM1軸とY1軸とK1軸のいずれにもユーザーが設定することができる。
第一純色軸AX1のうち純色化範囲RP1の純色化処理をユーザーの指示に基づいて行うことで、ユーザーが望む範囲のみ純色にすることができ、また、不必要な領域の純色化を抑制することができ、ひいては印刷画質のカスタマイズを実現することができる。
ただ、純色化範囲RP1の格子点GD0のみ出力色を純色化すると、第一純色軸AX1の方向において、純色化範囲RP1から格子点間距離v=1において不純色成分の階調が破綻する可能性がある。これは、図16で示した例に類似する。そこで、本具体例では、第一純色軸AX1の方向において、純色化範囲RP1から続く第一スムージング範囲RS1の座標値(C1i,M1i,Y1i,K1i)に対応する出力座標値(C2i,M2i,Y2i,K2i)を変換式V3i=F×V2i(式(1))で座標値(C3i,M3i,Y3i,K3i)に修正することにしている。
第一純色軸AX1の座標値については、例えば、上述した第一変換式及び第二変換式に類似する変換式を適用することができる。
V3i=F3×V2i=f3(v)×V2i …(4)
V3i=F4×V2i=f4(V2max,v)×V2i …(5)
むろん、変換式(4),(5)は、第一スムージング範囲RS1内の第一純色軸AX1の出力座標値(C2i,M2i,Y2i,K2i)に適用される。
ここで、変数vは、第一純色軸AX1の方向において純色化範囲RP1からの距離であり、格子点間距離を1とした距離である。第三係数F3は、第三純色軸AX3の色成分の量を表す値に乗じる係数であり、第一純色軸AX1の方向における純色化範囲RP1からの距離vに応じて変わる係数である。例えば、C1軸を第一純色軸AX1に当てはめる場合、上記式(4)は、M3i=f3(v)×M2i、Y3i=f3(v)×Y2i、又は、K3i=f3(v)×K2iとなる。M1軸を第一純色軸AX1に当てはめる場合、上記式(4)は、C3i=f3(v)×C2i、Y3i=f3(v)×Y2i、又は、K3i=f3(v)×K2iとなる。関数f3(v)は、例えば、変数vの2次以上の多項式等で記述することができる。
第四係数F4は、第二純色軸AX2の色成分の量を表す値に乗じる係数である。V2maxは、上述した式(5)の最大値V2maxと同じである。出力座標値の最大値V2maxが100%よりも小さい場合、最大値V2maxを100%に修正することにより純色を増やして出力画像が明るくなり過ぎることを抑制することができる。この場合、第四係数F4は、第四純色軸AX4の方向における第一純色軸AX1からの距離vに応じて変わる係数となる。C1軸を第一純色軸AX1に当てはめる場合、上記式(5)は、C3i=f4(V2max,v)×C2iとなる。M1軸を第一純色軸AX1に当てはめる場合、上記式(5)は、M3i=f4(V2max,v)×M2iとなる。関数f4(V2max,v)は、例えば、変数vの2次以上の多項式であって最大値V2maxに依存する係数を有する多項式等で記述することができる。
図1に示す第一スムージング範囲RS1は、C1軸の方向において、下限p1から外側の終端部p3までの格子点間距離(格子点間隔)の4倍(v=4)とされている。上限p2から外側にも第一スムージング範囲が設定されてもよい。本具体例の第一スムージング範囲RS1は、境界(v=0及びv=4)を含まないものとする。第一スムージング範囲RS1は、図2A,2Bに例示するように、第一純色軸AX1がC1軸、M1軸、Y1軸、及び、K1軸のいずれであるのかに応じて変わる。図2Aに示す例では、M1軸の方向において、下限p1から外側の終端部p3までの格子点間距離(格子点間隔)の4倍(v=4)とされている。図2Bに示す例では、Y1軸の方向において、下限p1から外側の終端部p3までの格子点間距離(格子点間隔)の4倍(v=4)とされている。
尚、第一純色軸AX1の方向において、終端部p3から外側の範囲は、出力座標値が修正されない非修正範囲である。上限p2から続く第一スムージング範囲の外側にも、出力座標値が修正されない非修正範囲があってもよい。一部に純色化範囲RP1が設定された第一純色軸AX1の方向において、純色化範囲RP1の両外側の少なくとも一方に、出力座標値が修正されない非修正範囲が存在することになる。
第一スムージング範囲RS1のサイズFvは、第一純色軸AX1の方向へ並ぶ格子点GD0の間隔の2倍以上が好ましく、図1等に示すように4倍でもよいし、3倍でもよいし、5倍以上でもよい。サイズ(|p1−p3|)を格子点間距離の2倍以上にすることにより、純色軸と純色軸周辺との色成分量の差がさらに軽減され、印刷物の階調の破綻がさらに抑制される。
図6Aは、第三係数F3=f3(v)の例を模式的に示している。第三係数F3は、第一係数F1に類似し、第一スムージング範囲RS1(適用サイズFv)内において、v=0からv=Fvとなるにつれて0から1まで大きくなっている。v<FvにおいてF3<1であるので、第三変換式V3i=F3×V2iは、入力座標値が第一純色軸AX1の方向において純色化範囲RP1から続く第一スムージング範囲RS1の座標値である場合に出力色空間CS2において第三純色軸AX3の色成分(不純色成分)があるときに初期対応関係710に従うよりも少なくなる変換式である。ここで、第一純色軸AX1の方向における純色化範囲RP1からの第一距離v1が0≦v1<Fv(第一スムージング範囲RS1内となる距離)であり、第一純色軸AX1の方向における純色化範囲RP1からの第二距離v2がv1<v2<Fv(第一スムージング範囲RS1内となる距離)であるとする。第三係数F3=f3(v)は、f3(v1)<f3(v2)を満たす係数である。従って、純色化範囲RP1からの距離vが大きくなるにつれて、第三変換式による影響が弱くなる(第三係数F3が1になる)。
図7は、入力色空間CS1の複数の格子点GD0のうち純色化範囲RP1から第一スムージング範囲RS1内にある格子点GD0の出力階調値を修正した例において、純色化範囲RP1からの距離vに対する出力色空間CS2の不純色成分の量を模式的に例示している。図7には、純色化していない場合の不純色成分の量を破線L19で示し、純色化範囲RP1のみ純色化した場合の不純色成分の量を実線L18で示し、純色化範囲RP1から第一スムージング範囲RS1内にある格子点GD0の出力階調値を修正した場合の不純色成分の量を太線L2で示している。図7に示すように、純色化範囲RP1から第一スムージング範囲RS1内にある格子点GD0の出力階調値を修正すると、距離v=1等において不純色成分の階調が滑らかとなる。また、図6Aに示すように、0<v1<Fvである場合、v−F3平面においてF3=f3(v)上の点(v1,f3(v1))は、点(0,0)と点(Fv,1)とを結ぶ線L13よりも上側にある。
以上より、印刷物の第一スムージング範囲RS1が自然な階調となり、なだらかな表現が可能となり、且つ、純色による自然な色合いの表現も兼ね備えた高画質の表現が可能となる。
図6Bは、第四係数F4=f4(V2max,v)の例を模式的に示している。図6Bに示す第四係数F4は、第一スムージング範囲RS1(適用サイズFv)内において、v=0からv=Fvとなるにつれて1.1から1まで小さくなっている。尚、V2max=100%である場合、F4>1にすると修正後の階調値V3iが100%を超えることがあるため、第二スムージング範囲AR2内でもf4(V2max,v)=1にしてもよい。91%≦V2max<100%である場合、F4=1.1にすると修正後の階調値V3iが100%を超えることがあるため、1<f4(V2max,0)<1.1にしてもよい。V2max<91%である場合、f4(V2max,0)>1.1にしてもよいし、f4(V2max,0)=1.1に固定してもよい。v<FvにおいてF4≧1であるので、第四変換式V3i=F4×V2iは、入力座標値が純色化範囲RP1から第一スムージング範囲RS1内の座標値である場合に出力色空間CS2において第二純色軸AX2の色成分(純色成分)が初期対応関係710に従うとき以上となる変換式である。ここで、第一純色軸AX1の方向における純色化範囲RP1からの第一距離v1が0≦v1<Fvであり、第一純色軸AX1の方向における純色化範囲RP1からの第二距離v2がv1<v2<Fvであるとする。V2max<100%である場合の第四係数F4=f4(V2max,v)は、f4(V2max,v1)>f4(V2max,v2)を満たす係数である。これにより、純色化した際に出力色空間CS2の第三純色軸AX3の色成分が少なくなることにより印刷物が明るくなりすぎること抑制することが可能となる。従って、第一純色軸AX1からの距離vが大きくなるにつれて、第四変換式による影響が弱くなる(第四係数F4が1になる)。
また、0<v1<Fvである場合、v−F4平面においてF4=f4(V2max,v)上の点(v1,f4(V2max,v1))は、点(0,f4(V2max,0))と点(Fv,1)とを結ぶ線L14よりも下側にある。これにより、純色化した際に出力色空間CS2の第三純色軸AX3の色成分が少なくなることによる印刷物の明度の上昇をさらに適切に抑制することが可能となる。
第一スムージング範囲RS1の内、第一純色軸AX1でない座標値については、例えば、上述した第三係数F3及び第四係数F4に依存する変換式を適用することができる。
V3i=F5×V2i=f5(F3,s)×V2i …(6)
V3i=F6×V2i=f6(F4,s)×V2i …(7)
むろん、変換式(6),(7)は、第一スムージング範囲RS1内の出力座標値(C2i,M2i,Y2i,K2i)に適用される。
ここで、第五係数F5は、第三純色軸AX3の色成分の量を表す値に乗じる係数であり、第三係数F3、及び、入力色空間CS1において第四純色軸AX4の方向における第一純色軸AX1からの距離sに応じて変わる係数である。第六係数F6は、第二純色軸AX2の色成分の量を表す値に乗じる係数であり、出力座標値の最大値V2maxが100%よりも小さい場合、第四係数F4、及び、第四純色軸AX4の方向における第一純色軸AX1からの距離sに応じて変わる係数である。係数F5,F6は、第二スムージング範囲AR2から第一スムージング範囲RS1にかけて不純色成分の階調の破綻を抑制するような係数であればよい。例えば、第五係数F5=f5(F3,s)は、第一純色軸AX1からの距離sが長くなるにつれて第三係数F3から1に向かって大きくなるようにすればよい。第六係数F6=f6(F4,s)は、出力座標値の最大値V2maxが100%よりも小さい場合、第一純色軸AX1からの距離sが長くなるにつれて第四係数F4から1に向かって小さくなるようにすればよい。
以上より、第一純色軸AX1の方向においては図8Aに例示するように不純物成分が修正され、この着目された第一純色軸AX1と交差する意味での第四純色軸AX4の方向においては図8Bに例示するように不純物成分が修正される。尚、図8Aの横軸は第一純色軸AX1の座標xを示し、図8Aの縦軸は座標xに応じた不純色成分の修正量X’(相対値)を示し、図8Bの横軸は着目された第一純色軸AX1と交差する意味での第四純色軸AX4の座標zを示し、図8Bの縦軸は座標zに応じた不純色成分の修正量Z’(相対値)を示している。図8Aに示す不純物成分の修正量X’は、純色化範囲RP1において100%であり、純色化範囲RP1の外側にある第一スムージング範囲RS1において100%から0%まで純色化範囲RP1から遠くなるほど小さくなる。図8Bに示す不純物成分の修正量Z’は、第一純色軸AX1において100%であり、第二スムージング範囲AR2において100%から0%まで第一純色軸AX1から遠くなるほど小さくなる。
本具体例は、純色化対象の純色軸、純色化範囲RP1、第一スムージング範囲RS1の有無、第二スムージング範囲AR2の有無、第二スムージング範囲AR2の大きさ、スムージングの強度、等を設定することが可能である。従来、これらの細かな調整や設定はユーザーインターフェイスにおいて視覚的に操作することができず、ユーザーは、純色化後の色再現領域のイメージが判り辛く、プログラムの内部的な処理による効果を信じるのみであった。本具体例は、純色化対象の純色軸の他に、純色化範囲RP1やスムージングの程度やスムージングの範囲をユーザーインターフェイスで表示することで、ユーザーが純色化後の色再現領域をイメージしながら視覚的に操作して各種純色化条件を設定可能とすることができる。これにより、直観的で簡単な操作が実現される。また、不必要な領域の純色化を抑制することができ、純色軸周りのスムージング処理をユーザーの指示に基づいて行うことで、よりスムーズに色再現精度を確保することができ、過剰な階調性の確保も抑制することができる。
(3)色変換装置の具体例:
図9は、色変換方法を実施する色変換装置の構成例を模式的に示している。図9に示す色変換装置100は、CPU(Central Processing Unit)111、ROM(Read Only Memory)112、RAM(Random Access Memory)113、記憶装置114、表示装置115、入力装置116、撮像装置117、通信I/F(インターフェイス)118、等が接続されて互いに情報を入出力可能とされている。記憶装置114は、色変換プログラムPR0、プロファイルPF0、生成された色変換LUT800、等を記憶している。記憶装置114には、フラッシュメモリー等の不揮発性半導体メモリー、ハードディスク等の磁気記憶装置、等を用いることができる。表示装置115は、RGB色空間で表現される画像を表示する。表示装置115には、液晶表示パネル等を用いることができる。入力装置116には、マウスといったポインティングデバイス、キーボードといったハードキー、表示パネルの表面に貼り付けられたタッチパネル、等を用いることができる。撮像装置117は、例えば、被写体を撮影してRGB色空間で表現される画像を生成する。通信I/F118は、印刷装置200の通信I/F210に接続され、印刷装置200に対して情報を入出力する。通信I/F118,210の規格には、USB(Universal Serial Bus)、近距離無線通信規格、等を用いることができる。通信I/F118,210の通信は、有線でもよいし、無線でもよく、LAN(Local Area Network)やインターネット等といったネットワーク通信でもよい。
色変換装置100には、パーソナルコンピューター(タブレット型端末を含む。)といったコンピューター等が含まれる。色変換装置100は、一つの筐体内に全構成要素111〜118を有してもよいが、互いに通信可能に分割された複数の装置で構成されてもよい。また、印刷装置が色変換装置100にあっても本技術を実施可能であり、印刷機能を有するプリンター自体が本技術の色調整処理を行ってもよい。
印刷装置200は、例えば、CMYKのインク(色材の例)のドットを被印刷物に形成する記録ヘッドを有している。印刷装置200は、色変換装置100が生成した色変換後の出力画像に基づく印刷用データを入手し、該印刷用データに基づいて前記出力画像に対応するCMYKのドットで表現される印刷画像を被印刷物に形成する。印刷装置200には、上述した第一印刷装置及び第二印刷装置等が含まれる。
図9に示す色変換プログラムPR0は、変換機能FU1、設定機能FU2、及び、修正機能FU3を色変換装置100に実現させる。これにより、色変換装置100は、変換部U1、設定部U2、及び、修正部U3として機能する。また、設定機能FU2は、純色化範囲設定機能FU21、純色化軸設定機能FU22、軸周りスムージング設定機能FU23、第二スムージング範囲設定機能FU24、及び、混色低減度合設定機能FU25を有する。設定部U2は、純色化範囲設定部U21、純色化軸設定部U22、軸周りスムージング設定部U23、第二スムージング範囲設定部U24、及び、混色低減度合設定部U25を有する。
(4)色変換処理の具体例:
図10は、図9に示す色変換装置100で行われるLUT生成処理の例を示している。ここで、ステップS110〜S120は変換部U1、変換工程、及び、変換機能FU1に対応する例であり、ステップS130は設定部U2、設定工程、及び、設定機能FU2に対応する例であり、ステップS160は修正部U3、修正工程、及び、修正機能FU3に対応する例である。以下、「ステップ」の記載を省略する。
処理が開始されると、色変換装置100は、第一印刷装置に依存する入力色空間CS1の各格子点GD0の座標値(C1i,M1i,Y1i,K1i)を入力プロファイルPF1に従ってLab色空間の座標値(Li,ai,bi)に色変換する(S110)。次に、色変換装置100は、Lab色空間の各座標値(Li,ai,bi)を出力プロファイルPF2に従って第二印刷装置に依存する出力色空間CS2の座標値(C2i,M2i,Y2i,K2i)に色変換する(S120)。S110〜S120の処理により、色変換装置100は、Lab色空間を経由して入力色空間CS1の各格子点GD0の入力座標値(C1i,M1i,Y1i,K1i)を出力色空間CS2の出力座標値(C2i,M2i,Y2i,K2i)に変換する。
出力座標値を得た後、色変換装置100は、純色化条件の各種設定を受け付けるための設定画面を表示装置115に表示し、各種純色化条件の設定を受け付ける(S130)。図11は、設定画面の例を模式的に示している。図11に示す設定画面500は、純色化軸選択部510、範囲限定選択部520、純色化範囲指定部530、第一スムージング可否選択部540、第二スムージング可否選択部550、第二スムージング範囲指定部560、第二スムージング強度指定部570、等を有している。
純色化軸選択部510は、純色化軸設定機能FU22により表示される例であり、C1軸、M1軸、Y1軸、及び、K1軸のそれぞれを純色化対象の第一純色軸AX1にするか否かを設定するためのチェックボックス511を有している。チェックボックスは、入力装置116(例えばポインティングデバイス)で四角内にチェック記号を入れたり四角内からチェック記号を外したりすることが可能である。従って、チェックボックス511にチェック記号が入っている場合(図11の例では全て)は対応する純色軸が純色化対象に設定され、チェックボックス511にチェック記号が入っていない場合には対応する純色軸が純色化対象でないと設定される。
範囲限定選択部520は、第一純色軸AX1の純色化範囲RP1を一部に限定するか否かを設定するためのチェックボックス521を有している。純色化対象に設定されていない純色軸に対応するチェックボックス521には、チェック記号を入れたりチェック記号を外したりする操作を禁止してもよい。チェックボックス521にチェック記号が入っている場合(図11の例ではC1軸とM1軸とK1軸)、対応する純色軸の純色化範囲RP1を純色化範囲指定部530で設定する操作が可能である。チェックボックス521にチェック記号が入っていない場合、対応するチェックボックス511にチェック記号が入っているときには対応する純色軸の全体が純色化範囲RP1に設定される。
純色化範囲指定部530は、純色化範囲設定機能FU21により表示される例であり、チェックボックス521にチェック記号が入っている純色軸のそれぞれに対応するスライダーコントロールを有している。このスライダーコントロールは、縦向きのスライダーバー531、及び、純色成分の最小(下限p1に対応)と最大(上限p2に対応)を設定するための長さ可変スライダー532を有している。長さ可変スライダー532は、スライダーバー531に沿って縦方向へ移動可能であり、入力装置116(例えばポインティングデバイス)で純色成分の最小と最大を変えることが可能である。図11の例では、Cの純色成分について最小が0%で最大が50%に設定され、Mの純色成分について最小が0%で最大が75%に設定され、Kの純色成分について最小が50%で最大が100%に設定されていることが示されている。尚、Yの純色成分については、自動的に最小が0%で最大が100%に設定されていることが示されている。
また、純色化範囲指定部は、純色成分の最小(下限p1)のみ受け付けてもよいし、純色成分の最大(上限p2)のみ受け付けてもよい。さらに、純色化範囲指定部は、例えば、純色化範囲RP1の中央値、及び、該中央値からの純色化範囲RP1の大きさ(すなわち純色化範囲RP1の半分の大きさ)を受け付ける等して下限p1と上限p2を取得してもよい。
第一スムージング可否選択部540は、第一純色軸AX1に純色化範囲RP1が一部設定されている場合において、第一純色軸AX1の方向において純色化範囲RP1から続く第一スムージング範囲RS1にスムージング処理を行うか否かを設定するためのチェックボックス541を有している。純色化対象に設定されていない純色軸、及び、全体が純色化範囲RP1に設定されている純色軸に対応するチェックボックス541には、チェック記号を入れたりチェック記号を外したりする操作を禁止してもよい。チェックボックス541にチェック記号が入っている場合(図11の例ではC1軸とM1軸とK1軸)、対応する純色軸の第一スムージング範囲RS1にスムージング処理を行うことが設定される。チェックボックス541にチェック記号が入っていない場合、対応する純色軸の第一スムージング範囲RS1にスムージング処理を行わないことが設定される。
第二スムージング可否選択部550は、軸周りスムージング設定部U23により表示される例であり、純色化範囲RP1において第一純色軸AX1の周りの第二スムージング範囲AR2にスムージング処理を行うか否かを設定するためのチェックボックス551を有している。純色化対象に設定されていない純色軸に対応するチェックボックス551には、チェック記号を入れたりチェック記号を外したりする操作を禁止してもよい。チェックボックス551にチェック記号が入っている場合(図11の例ではC1軸とM1軸とK1軸)、対応する純色軸の第二スムージング範囲AR2にスムージング処理を行うことが設定される。チェックボックス551にチェック記号が入っていない場合、対応する純色軸の第二スムージング範囲AR2にスムージング処理を行わないことが設定される。すなわち、第二スムージング可否選択部550では、入力座標値が純色化範囲RP1の第一純色軸AX1から第二スムージング範囲AR2内の座標値である場合に初期対応関係710に規定される出力座標値を修正するか否かの設定が受け付けられる。
第二スムージング範囲指定部560は、第二スムージング範囲設定機能FU24により表示される例であり、チェックボックス551にチェック記号が入っている純色軸のそれぞれに対応するスライダーコントロールを有している。このスライダーコントロールは、縦向きのスライダーバー561、及び、第一純色軸AX1からの第二スムージング範囲AR2(サイズFs)を設定するためのスライダー562を有している。スライダー562は、スライダーバー561に沿って縦方向へ移動可能であり、入力装置116(例えばポインティングデバイス)で第一純色軸AX1からの第二スムージング範囲AR2を広くしたり狭くしたりすることが可能である。
第二スムージング強度指定部570は、混色低減度合設定部U25により表示される例であり、チェックボックス551にチェック記号が入っている純色軸のそれぞれに対応するスライダーコントロールを有している。このスライダーコントロールは、縦向きのスライダーバー571、及び、第二スムージング範囲AR2のスムージングの強度(図11に「スムージングレベル」と表示)を設定するためのスライダー572を有している。スムージングの強度は、図12に例示するように、着目された第一純色軸AX1と交差する意味での第四純色軸AX4の座標zに応じた不純色成分の修正量Z’が第二スムージング範囲AR2においてz=Z’=0%の原点から離れた度合を意味する。図12の例では、z−Z’平面における対応関係の曲線が上に凸となるほどスムージングが強く、z−Z’平面における対応関係の曲線が下に凸となるほどスムージングが弱くなる。スライダー572は、スライダーバー571に沿って縦方向へ移動可能であり、入力装置116(例えばポインティングデバイス)で第二スムージング範囲AR2のスムージングを強くしたり弱くしたりすることが可能である。すなわち、第二スムージング強度指定部570では、入力座標値が純色化範囲RP1の第一純色軸AX1から第二スムージング範囲AR2内の座標値である場合に出力色空間CS2の第三純色軸AX3の色成分を少なくする度合の設定が受け付けられる。
設定画面500のOKボタン581が入力装置116(例えばポインティングデバイス)で操作されると、上述した各部で操作された内容に応じて各種純色化条件が最終的に設定される。純色化軸選択部510からは、C1軸、M1軸、Y1軸、及び、K1軸のそれぞれについて、純色化対象であるか否かが最終的に設定される。範囲限定選択部520からは、純色化対象の純色軸について、純色化範囲RP1を一部に限定するか否かが最終的に設定される。純色化範囲指定部530からは、一部に純色化範囲RP1が設定された純色軸について、純色化範囲RP1の純色成分の最小と最大が最終的に設定される。第一スムージング可否選択部540からは、純色化範囲RP1が設定された純色軸について、第一スムージング範囲RS1にスムージング処理を行うか否かが最終的に設定される。第二スムージング可否選択部550からは、純色化対象の純色軸について、第二スムージング範囲AR2にスムージング処理を行うか否かが最終的に設定される。第二スムージング範囲指定部560からは、第二スムージング範囲AR2にスムージング処理を行う純色軸について、該純色軸からの第二スムージング範囲AR2が最終的に設定される。第二スムージング強度指定部570からは、第二スムージング範囲AR2にスムージング処理を行う純色軸について、スムージングの強度が最終的に設定される。
各種純色化条件の設定後、色変換装置100は、純色を保持する処理を実施するか否かに応じて処理を分岐させる(図10のS140)。C軸、M軸、及び、Y軸のいずれも処理対象として選択されなかった場合、色変換装置100は、LUT生成処理を終了させる。C軸、M軸、及び、Y軸の少なくとも一つが処理対象として選択された場合、色変換装置100は、処理をS150に進める。S150において、色変換装置100は、図3で例示したように、入力座標値(C1i,M1i,Y1i,K1i)と出力座標値(C2i,M2i,Y2i,K2i)とを対応付けることにより、入力座標値(C1i,M1i,Y1i,K1i)と出力座標値(C2i,M2i,Y2i,K2i)との初期対応関係710が規定された元LUT810を生成する。S150の処理は、PCS(プロファイル接続空間)にデバイスリンクを作成する処理ともいえる。
その後、色変換装置100は、選択された純色軸に対応する入力色空間CS1の純色軸を第一純色軸AX1として、上述した変換式(2)〜(7)に従って元LUT810の初期対応関係710に規定される出力座標値(C2i,M2i,Y2i,K2i)を修正し(S160)、LUT生成処理を終了させる。
図13は、S160で行われる出力座標値修正処理の例を示している。
処理が開始されると、色変換装置100は、入力色空間CS1の座標に対応する複数の格子点GD0のうち変換対象の格子点(識別変数i)を設定する(S202)。設定される格子点の入力座標値は、(C1i,M1i,Y1i,K1i)である。次に、色変換装置100は、識別変数iの格子点GD0が第一純色軸AX1の方向において純色化範囲RP1に存在するか否かを判断する(S204)。例えば、C軸が純色化対象である場合、Cの座標値C1iが純色化範囲RP1の下限p1以上、且つ、上限p2以下であるか否かを判断すればよい。M軸、Y軸、及び、K軸が純色化対象である場合も、同様である。条件成立時、色変換装置100は、変換対象の格子点が第一純色軸AX1上にあるか、又は、第二スムージング可否選択部550で第二スムージング範囲AR2にスムージングを行うことが設定された場合に該第二スムージング範囲AR2にあると、上述した変換式(2),(3)に従って出力座標値を修正する(S206)。具体的には、上述した第一変換式(2)、すなわち、V3i=F1×V2i=f1(s)×V2iに従って不純色成分(第三純色軸AX3の色成分)の座標値V2iを修正し、上述した第二変換式(3)、すなわち、V3i=F2×V2i=f2(V2max,s)×V2iに従って純色成分(第二純色軸AX2の色成分)の座標値V2iを修正すればよい。ここで、第二スムージング範囲AR2にスムージングを行う場合、純色化範囲RP1において第一純色軸AX1から第二スムージング範囲指定部560で設定されたサイズFsの範囲の出力座標値が修正される。
例えば、C軸が純色化対象であるとする。この場合、純色化範囲RP1のC1軸及び第二スムージング範囲AR2における格子点GD0の出力座標値(C2i,M2i,Y2i,K2i)は、以下のように出力座標値(C3i,M3i,Y3i,K3i)に修正される。
C3i=F2×C2i=f2(C2max,s)×C2i …(8)
M3i=F1×M2i=f1(s)×M2i …(9)
Y3i=F1×Y2i=f1(s)×Y2i …(10)
K3i=F1×K2i=f1(s)×K2i …(11)
上記式(9)〜(11)により、図5で示したように、距離s=1等において不純色成分M,Y,Kの階調が滑らかとなる。これにより、出力画像の純色付近のグラデーション部分が自然な階調となり、なだらかな表現が可能となり、且つ、純色による自然な色合いの表現も兼ね備えた高画質の表現が可能となる。
また、上記式(8)により、不純色の色成分M,Y,Kが少なくなることによる出力画像の明度の上昇が抑制される。これにより、純色によるさらに自然な色合いの表現も兼ね備えた高画質の表現が可能となる。
識別変数iの格子点GD0が第一純色軸AX1の方向において純色化範囲RP1に存在しない場合、色変換装置100は、第一スムージング可否選択部540で第一スムージング範囲RS1にスムージングを行うことが設定され、且つ、識別変数iの格子点GD0が第一純色軸AX1の方向において第一スムージング範囲RS1に存在するか否かを判断する(S208)。例えば、C軸が純色化対象である場合、第一スムージング範囲RS1にスムージングを行うことが設定され、且つ、Cの座標値C1iが純色化範囲RP1の下限p1から外側においてサイズFvの範囲にあるか、又は、純色化範囲RP1の上限p2から外側においてサイズFvの範囲にあるか否かを判断すればよい。M軸、Y軸、及び、K軸が純色化対象である場合も、同様である。条件不成立時、色変換装置100は、識別変数iの格子点GD0の出力座標値(C2i,M2i,Y2i,K2i)を修正しないで、処理をS216に進める。条件成立時、色変換装置100は、識別変数iの格子点GD0が第一純色軸AX1上に存在するか否かを判断する(S210)。条件成立時、色変換装置100は、上述した第三変換式(4)、すなわち、V3i=F3×V2i=f3(v)×V2iに従って不純色成分の座標値V2iを修正し、上述した第四変換式(5)、すなわち、V3i=F4×V2i=f4(V2max,v)×V2iに従って純色成分の座標値V2iを修正する(S212)。S212の処理後、処理はS216に進められる。
例えば、C軸が純色化対象であるとする。この場合、第一スムージング範囲RS1のC1軸における格子点GD0の出力座標値(C2i,M2i,Y2i,K2i)は、以下のように出力座標値(C3i,M3i,Y3i,K3i)に修正される。
C3i=F4×C2i=f4(C2max,v)×C2i …(12)
M3i=F3×M2i=f3(v)×M2i …(13)
Y3i=F3×Y2i=f3(v)×Y2i …(14)
K3i=F3×K2i=f3(v)×K2i …(15)
上記式(13)〜(15)により、図7で示したように、距離v=1等において不純色成分M,Y,Kの階調が滑らかとなる。これにより、出力画像の第一スムージング範囲RS1が自然な階調となり、なだらかな表現が可能となり、且つ、純色による自然な色合いの表現も兼ね備えた高画質の表現が可能となる。
また、上記式(12)により、不純色の色成分M,Y,Kが少なくなることによる出力画像の明度の上昇が抑制される。これにより、純色によるさらに自然な色合いの表現も兼ね備えた高画質の表現が可能となる。
S210の判断処理で条件不成立となった場合、識別変数iの格子点GD0は、第一純色軸AX1の方向において第一スムージング範囲RS1であるが第一純色軸AX1上に存在しない。この場合、色変換装置100は、上述した第五変換式(6)、すなわち、V3i=F5×V2i=f5(F3,s)×V2iに従って不純色成分の座標値V2iを修正し、上述した第六変換式(7)、すなわち、V3i=F6×V2i=f6(F4,s)×V2iに従って純色成分の座標値V2iを修正する(S214)。S214の処理後、処理はS216に進められる。
例えば、C軸が純色化対象であるとする。この場合、第一スムージング範囲RS1のC1軸における格子点GD0の出力座標値(C2i,M2i,Y2i,K2i)は、以下のように出力座標値(C3i,M3i,Y3i,K3i)に修正される。
C3i=F6×C2i=f6(F4,s)×C2i …(16)
M3i=F5×M2i=f5(F3,s)×M2i …(17)
Y3i=F5×Y2i=f5(F3,s)×Y2i …(18)
K3i=F5×K2i=f5(F3,s)×K2i …(19)
上記式(17)〜(19)により、C1軸上にない第一スムージング範囲RS1において不純色成分M,Y,Kの階調が滑らかとなる。これにより、出力画像の第一スムージング範囲RS1が自然な階調となり、なだらかな表現が可能となり、且つ、純色による自然な色合いの表現も兼ね備えた高画質の表現が可能となる。
また、上記式(16)により、不純色の色成分M,Y,Kが少なくなることによる出力画像の明度の上昇が抑制される。これにより、純色によるさらに自然な色合いの表現も兼ね備えた高画質の表現が可能となる。
S216において、色変換装置100は、変換対象として設定していない格子点が残っている場合にS202〜S216の処理を繰り返し、全ての格子点を設定対象として設定した場合に出力座標値修正処理を終了させる。
得られる色変換LUT800は、入力色空間CS1の入力座標値(C1i,M1i,Y1i,K1i)と出力色空間CS2の修正後の出力座標値(C3i,M3i,Y3i,K3i)との対応関係700が規定されている。このLUT800を参照することにより、第一印刷装置に依存するCMYK色空間の入力座標値を第二印刷装置に依存するCMYK色空間の出力座標値に変換してから該出力座標値で表される出力画像を第二印刷装置に印刷させることができる。
本具体例は、ユーザーによる設定に応じた純色化範囲RP1が純色化されるので、純色保持を重視したい部分の純色を保持することができる。また、純色化範囲RP1でなければ色再現性を重視することができるので、極力、純色を保持しながら色再現性を向上させることができる。また、ユーザーによる設定に応じて第一スムージング範囲RS1にスムージングが行われるので、階調性を重視したい場合に、第一スムージング範囲RS1の不純色成分の階調が滑らかとなり、階調性を向上させることができる。さらに、ユーザーによる設定に応じた第二スムージング範囲AR2にスムージングが行われるので、階調性を重視したい場合に、第一純色軸AX1から第二スムージング範囲AR2外にかけての不純色の色成分の階調が滑らかとなり、階調性を向上させることができる。
(5)変形例:
本発明は、種々の変形例が考えられる。
例えば、機器独立色空間は、CIE Lch色空間、CIE XYZ色空間、CIE L***色空間、等でもよい。
入力色空間及び出力色空間は、CMY色空間、RGB色空間、等でもよい。
尚、墨色には、Kよりも低濃度のLk(ライトブラック)、Lkよりも低濃度のLLk(ライトライトブラック)、等が含まれてもよい。
図14に例示するように、例えば表示装置115(第一デバイスの例)に依存するRGB色空間の入力座標値(Ri,Gi,Bi)と印刷装置200(第二デバイスの例)に依存するCMY色空間の出力座標値(C2i,M2i,Y2i)とを対応付ける場合、純色保持ではないが、本技術を適用可能である。尚、図示の都合上、図14の斜視の方法は図1等の斜視の方法とは異なっている。図14に示すKは明度L*が最も低い黒色頂点を示し、図14に示すWは明度L*が最も高い白色頂点を示す。ここで、加法混色となるRGB色空間の座標値を(r,g,b)とし、各色成分の値r,g,bが相対値で0%以上100%以下であるとする。図14に示すように、g=b=100%であって0%≦r≦100%を満たす線状部は、Cのみの1色に対応しているので、C1軸となる。また、r=b=100%であって0%≦g≦100%を満たす線状部は、Mのみの1色に対応しているので、M1軸となる。さらに、r=g=100%であって0%≦b≦100%を満たす線状部は、Yのみの1色に対応しているので、Y1軸となる。尚、座標値Ri,Gi,Giが0〜255の階調値で表現される場合も、座標値0%は階調値0で表され、座標値100%は階調値255で表されるものとする。
以上より、上述した色変換方法を適用することができる。すなわち、変換工程では、Lab色空間を経由してRGB色空間(入力色空間CS1)の各格子点GD0の入力座標値(Ri,Gi,Bi)をCMY色空間(出力色空間CS2)の出力座標値(C2i,M2i,Y2i)に変換すればよい。設定工程では、純色化範囲等の純色化条件の設定を受け付ければよい。修正工程では、入力座標値(Ri,Gi,Bi)が純色化範囲RP1の第一純色軸AX1、第一純色軸AX1から第二スムージング範囲内、及び、純色化範囲から続く第一スムージング範囲の座標値である場合、上述した変換式(2)〜(7)を用いて元LUTの初期対応関係に規定される出力座標値(C2i,M2i,Y2i)を修正すればよい。
図14に例示するように、加法混色となるRGB色空間の入力座標値から減法混色となるCMY色空間の出力座標値に変換する場合、RGB色空間においてGとBが100%の座標値であってRが0〜100%の座標値であるC軸が第一純色軸であればCMY色空間のC軸が第二純色軸となり、RGB色空間においてRとBが100%の座標値であってGが0〜100%の座標値であるM軸が第一純色軸であればCMY色空間のM軸が第二純色軸となり、RGB色空間においてRとGが100%の座標値であってBが0〜100%の座標値であるY軸が第一純色軸であればCMY色空間のY軸が第二純色軸となる。
さらに、印刷装置が使用する色材の色は、CMYK以外にも、Cよりも低濃度のLc(ライトシアン)、Mよりも低濃度のLm(ライトマゼンタ)、Yよりも高濃度のDy(ダークイエロー)、Or(オレンジ)、Gr(グリーン)、画質向上用の無着色の色材、等を含んでもよい。
加えて、出力座標値の修正は、上述した変換式(2)〜(7)を用いる修正に限定されず、例えば、不純色成分を修正する変換式(2)と変換式(4)と変換式(6)だけを用いてもよいし、別の変換式を用いてもよいし、修正前後の対応関係を規定したルックアップテーブルに従ってもよい。
純色化条件を設定するための設定画面も、種々の変形例が考えられる。
例えば、スライダーコントロールは、縦向きのスライダーバーと縦方向へ移動可能なスライダーの組合せに限定されず、横向きのスライダーバーと横方向へ移動可能なスライダーの組合せ等でもよい。
図11で示した第二スムージング範囲指定部560のように、第一スムージング範囲RS1を広くしたり狭くしたりする操作を受け付けて第一純色軸AX1の方向における純色化範囲RP1からの第一スムージング範囲RS1の設定を受け付ける第一スムージング範囲指定部を設定画面に入れてもよい。
図11で示した第二スムージング強度指定部570のように、第一スムージング範囲RS1に行うスムージングの強度の設定を受け付ける第二スムージング強度指定部を設定画面に入れてもよい。
図11で示した各部510,520,530,540,550,560,570の一部が無い設定画面で設定を受け付けることも、本技術に含まれる。
例えば、図15Aに例示するように、本質的に純色化範囲指定部530しかない設定画面500で純色化範囲RP1の設定を受け付けてもよい。この場合、純色化範囲RP1の始点と終点を一致させる操作を受け付けることにより純色軸が純色化対象から外れるようにしてもよい。
また、図15Bに例示するように、本質的に第二スムージング範囲指定部560しかない設定画面500で第一純色軸AX1からの第二スムージング範囲AR2の設定を受け付けてもよい。この場合、スムージング範囲に「無し」を入れてスライダー562が「無し」に合わせられることにより第二スムージング範囲AR2の出力座標値の修正をしない設定を受け付けてもよい。
さらに、図15Cに例示するように、本質的に第二スムージング強度指定部570しかない設定画面500で不純色成分を少なくする度合の設定を受け付けてもよい。この場合、スムージングの強度に「無し」を入れてスライダー572が「無し」に合わせられることにより第二スムージング範囲AR2の出力座標値の修正をしない設定を受け付けてもよい。
加えて、本質的に純色化軸選択部510しかない設定画面、本質的に範囲限定選択部520しかない設定画面、本質的に第一スムージング可否選択部540しかない設定画面、本質的に第二スムージング可否選択部550しかない設定画面、本質的に第一スムージング範囲指定部しかない設定画面、本質的に第二スムージング強度指定部しかない設定画面、等で設定を受け付けてもよい。
(6)結び:
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、極力、純色を保持しながら色再現性を向上させることが可能な技術等を提供することができる。むろん、独立請求項に係る構成要件のみからなる技術等でも、上述した基本的な作用、効果が得られる。
また、上述した例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術及び上述した例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も実施可能である。本発明は、これらの構成等も含まれる。
100…色変換装置、114…記憶装置、115…表示装置、116…入力装置、200…印刷装置、500…設定画面、510…純色化軸選択部、520…範囲限定選択部、530…純色化範囲指定部、540…第一スムージング可否選択部、550…第二スムージング可否選択部、560…第二スムージング範囲指定部、570…第二スムージング強度指定部、700…対応関係、710…初期対応関係、800…LUT、810…元LUT、AR2…第二スムージング範囲、AX1…第一純色軸、AX2…第二純色軸、AX3…第三純色軸、AX4…第四純色軸、CS1…入力色空間、CS2…出力色空間、FU1…変換機能、FU2…設定機能、FU3…修正機能、FU21…純色化範囲設定機能、FU22…純色化軸設定機能、FU23…軸周りスムージング設定機能、FU24…第二スムージング範囲設定機能、FU25…混色低減度合設定機能、GD0…格子点、PF0…プロファイル、PF1…入力プロファイル、PF2…出力プロファイル、PR0…色変換プログラム、RP1…純色化範囲、RS1…第一スムージング範囲、U1…変換部、U2…設定部、U3…修正部、U21…純色化範囲設定部、U22…純色化軸設定部、U23…軸周りスムージング設定部、U24…第二スムージング範囲設定部、U25…混色低減度合設定部。

Claims (10)

  1. 機器独立色空間を経由して第一デバイスに依存する入力色空間の入力座標値を第二デバイスに依存する出力色空間の出力座標値に変換する変換部と、
    前記入力色空間で純色化対象の第一純色軸の方向において、該第一純色軸の座標値を前記出力色空間の第二純色軸の座標値に変換する純色化範囲の設定を受け付ける純色化範囲設定部と、
    設定された前記純色化範囲において、前記入力色空間の前記第一純色軸の座標値が前記出力色空間の前記第二純色軸の座標値に変換されるように、前記入力座標値と前記出力座標値との初期対応関係に規定される前記出力座標値を修正する修正部と、
    を備え
    前記修正部は、前記入力座標値が前記第一純色軸の方向において前記純色化範囲から続く第一スムージング範囲の座標値である場合、前記出力色空間において前記第二純色軸を除く第三純色軸の色成分があるときに前記初期対応関係に従うよりも少なくなるように前記初期対応関係に規定される前記出力座標値を修正する色変換装置。
  2. 前記入力色空間の複数の純色軸に含まれる純色軸を純色化対象の前記第一純色軸にするか否かの設定を受け付ける純色化軸設定部を備える、請求項1に記載の色変換装置。
  3. 前記純色化範囲設定部は、前記純色化範囲の設定として前記第一純色軸の色成分の最小と最大の少なくとも一方の設定を受け付ける、請求項1又は請求項2に記載の色変換装置。
  4. 前記修正部は、前記入力座標値が前記純色化範囲の前記第一純色軸から第二スムージング範囲内の座標値である場合に前記出力色空間において前記第二純色軸を除く第三純色軸の色成分が前記初期対応関係に従うよりも少なくなるように、前記初期対応関係に規定される前記出力座標値を修正する、請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の色変換装置。
  5. 前記入力座標値が前記純色化範囲の前記第一純色軸から第二スムージング範囲内の座標値である場合に前記初期対応関係に規定される前記出力座標値を修正するか否かの設定を受け付ける軸周りスムージング設定部を備え、
    前記修正部は、前記軸周りスムージング設定部が前記出力座標値を修正する設定を受け付けた場合において、前記入力座標値が前記第二スムージング範囲内の座標値である場合に前記出力色空間において前記第二純色軸を除く第三純色軸の色成分が前記初期対応関係に従うよりも少なくなるように、前記初期対応関係に規定される前記出力座標値を修正する、請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の色変換装置。
  6. 前記第一純色軸からの前記第二スムージング範囲の設定を受け付ける第二スムージング範囲設定部を備える、請求項又は請求項に記載の色変換装置。
  7. 前記入力座標値が前記純色化範囲の前記第一純色軸から前記第二スムージング範囲内の座標値である場合に前記修正部が前記出力色空間の前記第三純色軸の色成分を少なくする度合の設定を受け付ける混色低減度合設定部を備える、請求項〜請求項のいずれか一項に記載の色変換装置。
  8. 前記修正部は、
    前記入力座標値が前記第一純色軸から前記第二スムージング範囲内の座標値である場合に前記出力色空間において前記第三純色軸の色成分が前記初期対応関係に従うよりも少なくなる第一変換式と、
    前記入力座標値が前記第一純色軸から前記第二スムージング範囲内の座標値である場合に前記出力色空間において前記第二純色軸の色成分が前記初期対応関係に従うとき以上となる第二変換式と、
    を用いて前記初期対応関係に規定される出力座標値を修正する、請求項〜請求項のいずれか一項に記載の色変換装置。
  9. 機器独立色空間を経由して第一デバイスに依存する入力色空間の入力座標値を第二デバイスに依存する出力色空間の出力座標値に変換する変換工程と、
    前記入力色空間で純色化対象の第一純色軸の方向において、該第一純色軸の座標値を前記出力色空間の第二純色軸の座標値に変換する純色化範囲の設定を受け付ける純色化範囲設定工程と、
    設定された前記純色化範囲において、前記入力色空間の前記第一純色軸の座標値が前記出力色空間の前記第二純色軸の座標値に変換されるように、前記入力座標値と前記出力座標値との初期対応関係に規定される前記出力座標値を修正する修正工程と、
    を含み、
    前記修正工程は、前記入力座標値が前記第一純色軸の方向において前記純色化範囲から続く第一スムージング範囲の座標値である場合、前記出力色空間において前記第二純色軸を除く第三純色軸の色成分があるときに前記初期対応関係に従うよりも少なくなるように前記初期対応関係に規定される前記出力座標値を修正する色変換方法。
  10. 機器独立色空間を経由して第一デバイスに依存する入力色空間の入力座標値を第二デバイスに依存する出力色空間の出力座標値に変換する変換機能と、
    前記入力色空間で純色化対象の第一純色軸の方向において、該第一純色軸の座標値を前記出力色空間の第二純色軸の座標値に変換する純色化範囲の設定を受け付ける純色化範囲設定機能と、
    設定された前記純色化範囲において、前記入力色空間の前記第一純色軸の座標値が前記出力色空間の前記第二純色軸の座標値に変換されるように、前記入力座標値と前記出力座標値との初期対応関係に規定される前記出力座標値を修正する修正機能と、
    をコンピューターに実現させ
    前記修正機能は、前記入力座標値が前記第一純色軸の方向において前記純色化範囲から続く第一スムージング範囲の座標値である場合、前記出力色空間において前記第二純色軸を除く第三純色軸の色成分があるときに前記初期対応関係に従うよりも少なくなるように前記初期対応関係に規定される前記出力座標値を修正する色変換プログラム。
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