JP6714850B2 - 色変換装置、色変換方法、及び、色変換プログラム - Google Patents
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Description
前記入力色空間で純色化対象の第一純色軸の方向において、該第一純色軸の座標値を前記出力色空間の第二純色軸の座標値に変換する純色化範囲の設定を受け付ける純色化範囲設定部と、
設定された前記純色化範囲において、前記入力色空間の前記第一純色軸の座標値が前記出力色空間の前記第二純色軸の座標値に変換されるように、前記入力座標値と前記出力座標値との初期対応関係に規定される前記出力座標値を修正する修正部と、
を備える、色変換装置の態様を有する。
前記入力色空間で純色化対象の第一純色軸の方向において、該第一純色軸の座標値を前記出力色空間の第二純色軸の座標値に変換する純色化範囲の設定を受け付ける純色化範囲設定工程と、
設定された前記純色化範囲において、前記入力色空間の前記第一純色軸の座標値が前記出力色空間の前記第二純色軸の座標値に変換されるように、前記入力座標値と前記出力座標値との初期対応関係に規定される前記出力座標値を修正する修正工程と、
を含む、色変換方法の態様を有する。
前記入力色空間で純色化対象の第一純色軸の方向において、該第一純色軸の座標値を前記出力色空間の第二純色軸の座標値に変換する純色化範囲の設定を受け付ける純色化範囲設定機能と、
設定された前記純色化範囲において、前記入力色空間の前記第一純色軸の座標値が前記出力色空間の前記第二純色軸の座標値に変換されるように、前記入力座標値と前記出力座標値との初期対応関係に規定される前記出力座標値を修正する修正機能と、
をコンピューターに実現させる、色変換プログラムの態様を有する。
まず、本願の図に示される例を参照して本発明に含まれる技術の概要を説明する。尚、本願の図は模式的に例を示す図であり、これらの図に示される各方向の拡大率は異なることがあり、各図は整合していないことがある。
図3,9に例示される色変換装置100は、変換部U1、純色化範囲設定部U21、及び、修正部U3を備える。前記変換部U1は、機器独立色空間(device independent color space)を経由して第一デバイスに依存する入力色空間CS1の入力座標値(例えば(C1i,M1i,Y1i,K1i))を第二デバイスに依存する出力色空間CS2の出力座標値(例えば(C2i,M2i,Y2i,K2i))に変換する。前記純色化範囲設定部U21は、前記入力色空間CS1で純色化対象の第一純色軸AX1の方向において、該第一純色軸AX1の座標値を前記出力色空間CS2の第二純色軸AX2の座標値に変換する純色化範囲RP1の設定を受け付ける。前記修正部U3は、設定された前記純色化範囲RP1において、前記入力色空間CS1の前記第一純色軸AX1の座標値が前記出力色空間CS2の前記第二純色軸AX2の座標値に変換されるように、前記入力座標値と前記出力座標値との初期対応関係710に規定される前記出力座標値を修正する。
デバイスに依存する色空間は、機器従属色空間(device dependent color space)とも呼ばれ、座標値が決まっても人間が知覚する色そのものは特定することができず、デバイスの色再現特性に依存して色が定まる色空間である。また、デバイスに依存する色空間は、印刷用紙や織物といった被印刷物等にも依存する色空間であるものとする。
入力色空間は、3次元色空間であるCMY(シアン、マゼンタ、及び、イエロー)色空間、4次元色空間であるCMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、及び、ブラック)色空間、3次元色空間であるRGB(赤、緑、及び、青)色空間、等を含む。出力色空間も、CMY色空間、CMYK色空間、RGB色空間、等を含む。色空間は、5次元以上でもよい。
また、CMY色空間の入力座標値からCMY色空間の出力座標値に変換する場合、入力色空間のC軸が第一純色軸であれば出力色空間のC軸が第二純色軸となり、入力色空間のM軸が第一純色軸であれば出力色空間のM軸が第二純色軸となり、入力色空間のY軸が第一純色軸であれば出力色空間のY軸が第二純色軸となる。
純色軸の色成分は、例えば、C軸が純色軸であればC成分となり、M軸が純色軸であればM成分となり、Y軸が純色軸であればY成分となり、K軸が純色軸であればK成分となる。
図9〜11に例示するように、本色変換装置100は、前記入力色空間CS1の複数の純色軸(図11の例ではC軸とM軸とY軸とK軸)に含まれる純色軸を純色化対象の前記第一純色軸AX1にするか否かの設定を受け付ける純色化軸設定部U22を備えてもよい。この態様は、入力色空間CS1の複数の純色軸から設定された第一純色軸AX1の純色化範囲RP1において、入力色空間CS1の第一純色軸AX1の座標値が出力色空間CS2の第二純色軸AX2の座標値に変換される。入力色空間CS1の純色軸が第一純色軸AX1でない純色軸であれば色再現性を重視することができるので、本態様は、色再現性をさらに向上させることが可能な技術を提供することができる。
尚、純色化対象の第一純色軸が予め決められている場合も、本技術に含まれる。
図11等に例示するように、前記純色化範囲設定部U21は、前記純色化範囲RP1の設定として前記第一純色軸AX1の色成分の最小と最大の少なくとも一方の設定を受け付けてもよい。この態様は、純色化範囲RP1の設定を容易にする技術を提供することができる。
図3,6A,7等に例示するように、前記修正部U3は、前記入力座標値が前記第一純色軸AX1の方向において前記純色化範囲RP1から続く第一スムージング範囲RS1の座標値である場合、前記出力色空間CS2において前記第二純色軸AX2を除く第三純色軸AX3の色成分があるときに前記初期対応関係710に従うよりも少なくなるように前記初期対応関係710に規定される前記出力座標値を修正してもよい。これにより、第一純色軸AX1の方向において純色化範囲RP1及び第一スムージング範囲RS1でない範囲から純色化範囲RP1にかけての不純色の色成分の階調が滑らかとなり、出力画像の階調の破綻が抑制される。従って、本態様は、階調性を向上させることが可能な技術を提供することができる。
尚、第一スムージング範囲の出力座標値を修正しない場合も、本技術に含まれる。
図3,4A,5に例示するように、前記修正部U3は、前記入力座標値が前記純色化範囲RP1の前記第一純色軸AX1から第二スムージング範囲AR2内の座標値である場合に前記出力色空間CS2において前記第二純色軸AX2を除く第三純色軸AX3の色成分が前記初期対応関係710に従うよりも少なくなるように、前記初期対応関係710に規定される前記出力座標値を修正してもよい。
尚、第二スムージング範囲の出力座標値を修正しない場合も、本技術に含まれる。
図9〜11に例示するように、本色変換装置100は、前記入力座標値が前記純色化範囲RP1の前記第一純色軸AX1から第二スムージング範囲AR2内の座標値である場合に前記初期対応関係710に規定される前記出力座標値を修正するか否かの設定を受け付ける軸周りスムージング設定部U23を備えてもよい。前記修正部U3は、前記軸周りスムージング設定部U23が前記出力座標値を修正する設定を受け付けた場合において、前記入力座標値が前記第二スムージング範囲AR2内の座標値である場合に前記出力色空間CS2において前記第二純色軸AX2を除く第三純色軸AX3の色成分が前記初期対応関係710に従うよりも少なくなるように、前記初期対応関係710に規定される前記出力座標値を修正してもよい。第二スムージング範囲AR2の出力座標値を修正しない設定であれば色再現性を重視することができるので、本態様は、階調性向上と色再現性向上とを極力両立させることが可能な技術を提供することができる。
図9〜11に例示するように、本色変換装置100は、前記第一純色軸AX1からの前記第二スムージング範囲AR2の設定を受け付ける第二スムージング範囲設定部U24を備えてもよい。第二スムージング範囲AR2を広く設定すれば階調性を向上させることができ、第二スムージング範囲AR2を狭く設定すれば色再現性を重視することができる。従って、本態様は、階調性向上と色再現性向上とを極力両立させることが可能な技術を提供することができる。
尚、第一純色軸からの第二スムージング範囲が可変でなく予め決められている場合も、本技術に含まれる。
図9〜11に例示するように、本色変換装置100は、前記入力座標値が前記純色化範囲RP1の前記第一純色軸AX1から前記第二スムージング範囲AR2内の座標値である場合に前記修正部U3が前記出力色空間CS2の前記第三純色軸AX3の色成分を少なくする度合の設定を受け付ける混色低減度合設定部U25を備えてもよい。第三純色軸AX3の色成分を少なく設定すれば純色を重視することができ、第三純色軸AX3の色成分を多く設定すれば色再現性を重視することができる。従って、本態様は、純色保持と色再現性向上を極力両立させることが可能な技術を提供することができる。
尚、第二スムージング範囲の第三純色軸の色成分を少なくする度合が予め決められている場合も、本技術に含まれる。
図1に例示するように、前記修正部U3は、前記入力座標値(例えば(C1i,M1i,Y1i,K1i))が前記第一純色軸AX1から前記第二スムージング範囲AR2内の座標値である場合に前記出力色空間CS2において前記第三純色軸AX3の色成分が前記初期対応関係710に従うよりも少なくなる第一変換式(例えばV3i=F1×V2i)と、前記入力座標値が前記第一純色軸AX1から前記第二スムージング範囲AR2内の座標値である場合に前記出力色空間CS2において前記第二純色軸AX2の色成分が前記初期対応関係710に従うとき以上となる第二変換式(例えばV3i=F2×V2i)と、を用いて前記初期対応関係710に規定される出力座標値(例えば(C2i,M2i,Y2i,K2i))を修正してもよい。
尚、出力座標値の修正は、第一変換式及び第二変換式を用いた修正に限定されない。
図3,10等に例示される色変換方法は、変換部U1に対応する変換工程、純色化範囲設定部U21に対応する純色化範囲設定工程、及び、修正部U3に対応する修正工程を含む。この態様は、極力、純色を保持しながら色再現性を向上させることが可能な色変換方法を提供することができる。本色変換方法は、純色化軸設定部U22に対応する純色化軸設定工程、軸周りスムージング設定部U23に対応する軸周りスムージング設定工程、第二スムージング範囲設定部U24に対応する第二スムージング範囲設定工程、混色低減度合設定部U25に対応する混色低減度合設定工程、等を含んでもよい。
図3,9,10等に例示される色変換プログラムPR0は、変換部U1に対応する変換機能FU1、純色化範囲設定部U21に対応する純色化範囲設定機能FU21、及び、修正部U3に対応する修正機能FU3をコンピューターに実現させる。この態様は、極力、純色を保持しながら色再現性を向上させることが可能な色変換プログラムPR0を提供することができる。本色変換プログラムPR0は、純色化軸設定部U22に対応する純色化軸設定機能FU22、軸周りスムージング設定部U23に対応する軸周りスムージング設定機能FU23、第二スムージング範囲設定部U24に対応する第二スムージング範囲設定機能FU24、混色低減度合設定部U25に対応する混色低減度合設定機能FU25、等をコンピューターに実現させてもよい。
(2−1)概要:
ここでは、第一印刷装置(第一デバイスの例)に依存するCMYK色空間(入力色空間の例)の入力座標値を第二印刷装置(第二デバイス)に依存するCMYK色空間(出力色空間の例)の出力座標値に変換するための色変換LUTを生成する具体例を説明する。尚、図1,2A,2Bでは、図示の都合上、色空間CS1,CS2を模式的にC軸とM軸とY軸とが交差した3次元状の色空間として示している。
尚、格子点(grid point)は入力色空間に配置された仮想の点を意味し、入力色空間における格子点の位置に対応する出力座標値が該格子点に格納されていると想定することにしている。複数の格子点が入力色空間内で均等に配置されるのみならず、複数の格子点が入力色空間内で不均等に配置されることも、本技術に含まれる。
ただ、入力色空間CS1の複数の格子点GD0のうち純色軸にある格子点GD0のみ出力色を純色化すると、図16に例示される太線L8のように、格子点間距離s=1において不純色成分の階調が破綻することがある。そこで、本具体例では、図1等に例示するように、第一純色軸AX1から第二スムージング範囲AR2内の座標値(C1i,M1i,Y1i,K1i)に対応する出力座標値(C2i,M2i,Y2i,K2i)を以下の変換式で座標値(C3i,M3i,Y3i,K3i)に修正することにしている。
V3i=F×V2i …(1)
ここで、V3iは、C3i、M3i、Y3i、又は、K3iを表す。V2iは、C2i、M2i、Y2i、又は、K2iを表す。係数Fは、後述する第一係数F1又は第二係数F2である。
C3i=F×C2i
M3i=F×M2i
Y3i=F×Y2i
K3i=F×K2i
尚、変換式(1)は、第二スムージング範囲AR2に適用するフィルターといえる。
上述した変換式(1)は、第二スムージング範囲AR2内の出力座標値(C2i,M2i,Y2i,K2i)に適用される。
V3i=F1×V2i=f1(s)×V2i …(2)
ここで、V3i,V2iは、第三純色軸AX3の色成分の量を表す値である。変数sは、入力色空間CS1において第一純色軸AX1を除く第四純色軸AX4の方向における第一純色軸AX1からの距離であり、格子点間距離を1とした距離である。第一係数F1は、第三純色軸AX3の色成分の量を表す値に乗じる係数であり、第四純色軸AX4の方向における第一純色軸AX1からの距離sに応じて変わる係数である。例えば、C1軸を第一純色軸AX1に当てはめる場合、第三純色軸AX3の色成分はM2とY2とK2となり、上記式(2)は、M3i=f1(s)×M2i、Y3i=f1(s)×Y2i、又は、K3i=f1(s)×K2iとなる。M1軸を第一純色軸AX1に当てはめる場合、第三純色軸AX3の色成分はC2とY2とK2となり、上記式(2)は、C3i=f1(s)×C2i、Y3i=f1(s)×Y2i、又は、K3i=f1(s)×K2iとなる。関数f1(s)は、例えば、変数sの2次以上の多項式等で記述することができる。
以上より、印刷物の純色付近のグラデーション部分が自然な階調となり、なだらかな表現が可能となり、且つ、純色による自然な色合いの表現も兼ね備えた高画質の表現が可能となる。
V3i=F2×V2i=f2(V2max,s)×V2i …(3)
ここで、V3i,V2iは、第二純色軸AX2の色成分の量を表す値である。第二係数F2は、第二純色軸AX2の色成分の量を表す値に乗じる係数である。V2maxは、入力色空間CS1の第一純色軸AX1における色成分の量を表す座標値(C1i、M1i、Y1i、又は、K1i)が100%である場合の出力色空間CS2の第二純色軸AX2における色成分の量を表す座標値V2i(C2i、M2i、Y2i、又は、K2i)の最大値を表す。出力座標値の最大値V2maxが100%よりも小さい場合、最大値V2maxを100%に修正することにより純色を増やして出力画像が明るくなり過ぎることを抑制することができる。この場合、第二係数F2は、第四純色軸AX4の方向における第一純色軸AX1からの距離sに応じて変わる係数となる。C1軸を第一純色軸AX1に当てはめる場合、第二純色軸AX2の色成分はC2となり、上記式(3)は、C3i=f2(V2max,s)×C2iとなる。M1軸を第一純色軸AX1に当てはめる場合、第二純色軸AX2の色成分はM2となり、上記式(3)は、M3i=f2(V2max,s)×M2iとなる。関数f2(V2max,s)は、例えば、変数sの2次以上の多項式であって最大値V2maxに依存する係数を有する多項式等で記述することができる。
本具体例は、純色軸周りのスムージング処理をユーザーの指示に基づいて行うことで、ユーザーが望むように色再現精度を確保したり過剰な階調性確保を抑制したりすることができ、ひいては印刷画質のカスタマイズを実現することができる。
純色保持(純色化)は色再現性を重視する場合に生じる不純色の混色を無くすことであるため、純色保持と色再現性とは相反する概念である。このため、入力色空間において、純色を保持する領域と色再現性を重視する領域とを細かく設定することができると、純色保持と色再現性重視の両立に好都合である。
第一純色軸AX1のうち純色化範囲RP1の純色化処理をユーザーの指示に基づいて行うことで、ユーザーが望む範囲のみ純色にすることができ、また、不必要な領域の純色化を抑制することができ、ひいては印刷画質のカスタマイズを実現することができる。
V3i=F3×V2i=f3(v)×V2i …(4)
V3i=F4×V2i=f4(V2max,v)×V2i …(5)
むろん、変換式(4),(5)は、第一スムージング範囲RS1内の第一純色軸AX1の出力座標値(C2i,M2i,Y2i,K2i)に適用される。
尚、第一純色軸AX1の方向において、終端部p3から外側の範囲は、出力座標値が修正されない非修正範囲である。上限p2から続く第一スムージング範囲の外側にも、出力座標値が修正されない非修正範囲があってもよい。一部に純色化範囲RP1が設定された第一純色軸AX1の方向において、純色化範囲RP1の両外側の少なくとも一方に、出力座標値が修正されない非修正範囲が存在することになる。
以上より、印刷物の第一スムージング範囲RS1が自然な階調となり、なだらかな表現が可能となり、且つ、純色による自然な色合いの表現も兼ね備えた高画質の表現が可能となる。
V3i=F5×V2i=f5(F3,s)×V2i …(6)
V3i=F6×V2i=f6(F4,s)×V2i …(7)
むろん、変換式(6),(7)は、第一スムージング範囲RS1内の出力座標値(C2i,M2i,Y2i,K2i)に適用される。
本具体例は、純色化対象の純色軸、純色化範囲RP1、第一スムージング範囲RS1の有無、第二スムージング範囲AR2の有無、第二スムージング範囲AR2の大きさ、スムージングの強度、等を設定することが可能である。従来、これらの細かな調整や設定はユーザーインターフェイスにおいて視覚的に操作することができず、ユーザーは、純色化後の色再現領域のイメージが判り辛く、プログラムの内部的な処理による効果を信じるのみであった。本具体例は、純色化対象の純色軸の他に、純色化範囲RP1やスムージングの程度やスムージングの範囲をユーザーインターフェイスで表示することで、ユーザーが純色化後の色再現領域をイメージしながら視覚的に操作して各種純色化条件を設定可能とすることができる。これにより、直観的で簡単な操作が実現される。また、不必要な領域の純色化を抑制することができ、純色軸周りのスムージング処理をユーザーの指示に基づいて行うことで、よりスムーズに色再現精度を確保することができ、過剰な階調性の確保も抑制することができる。
図9は、色変換方法を実施する色変換装置の構成例を模式的に示している。図9に示す色変換装置100は、CPU(Central Processing Unit)111、ROM(Read Only Memory)112、RAM(Random Access Memory)113、記憶装置114、表示装置115、入力装置116、撮像装置117、通信I/F(インターフェイス)118、等が接続されて互いに情報を入出力可能とされている。記憶装置114は、色変換プログラムPR0、プロファイルPF0、生成された色変換LUT800、等を記憶している。記憶装置114には、フラッシュメモリー等の不揮発性半導体メモリー、ハードディスク等の磁気記憶装置、等を用いることができる。表示装置115は、RGB色空間で表現される画像を表示する。表示装置115には、液晶表示パネル等を用いることができる。入力装置116には、マウスといったポインティングデバイス、キーボードといったハードキー、表示パネルの表面に貼り付けられたタッチパネル、等を用いることができる。撮像装置117は、例えば、被写体を撮影してRGB色空間で表現される画像を生成する。通信I/F118は、印刷装置200の通信I/F210に接続され、印刷装置200に対して情報を入出力する。通信I/F118,210の規格には、USB(Universal Serial Bus)、近距離無線通信規格、等を用いることができる。通信I/F118,210の通信は、有線でもよいし、無線でもよく、LAN(Local Area Network)やインターネット等といったネットワーク通信でもよい。
印刷装置200は、例えば、CMYKのインク(色材の例)のドットを被印刷物に形成する記録ヘッドを有している。印刷装置200は、色変換装置100が生成した色変換後の出力画像に基づく印刷用データを入手し、該印刷用データに基づいて前記出力画像に対応するCMYKのドットで表現される印刷画像を被印刷物に形成する。印刷装置200には、上述した第一印刷装置及び第二印刷装置等が含まれる。
図10は、図9に示す色変換装置100で行われるLUT生成処理の例を示している。ここで、ステップS110〜S120は変換部U1、変換工程、及び、変換機能FU1に対応する例であり、ステップS130は設定部U2、設定工程、及び、設定機能FU2に対応する例であり、ステップS160は修正部U3、修正工程、及び、修正機能FU3に対応する例である。以下、「ステップ」の記載を省略する。
また、純色化範囲指定部は、純色成分の最小(下限p1)のみ受け付けてもよいし、純色成分の最大(上限p2)のみ受け付けてもよい。さらに、純色化範囲指定部は、例えば、純色化範囲RP1の中央値、及び、該中央値からの純色化範囲RP1の大きさ(すなわち純色化範囲RP1の半分の大きさ)を受け付ける等して下限p1と上限p2を取得してもよい。
処理が開始されると、色変換装置100は、入力色空間CS1の座標に対応する複数の格子点GD0のうち変換対象の格子点(識別変数i)を設定する(S202)。設定される格子点の入力座標値は、(C1i,M1i,Y1i,K1i)である。次に、色変換装置100は、識別変数iの格子点GD0が第一純色軸AX1の方向において純色化範囲RP1に存在するか否かを判断する(S204)。例えば、C軸が純色化対象である場合、Cの座標値C1iが純色化範囲RP1の下限p1以上、且つ、上限p2以下であるか否かを判断すればよい。M軸、Y軸、及び、K軸が純色化対象である場合も、同様である。条件成立時、色変換装置100は、変換対象の格子点が第一純色軸AX1上にあるか、又は、第二スムージング可否選択部550で第二スムージング範囲AR2にスムージングを行うことが設定された場合に該第二スムージング範囲AR2にあると、上述した変換式(2),(3)に従って出力座標値を修正する(S206)。具体的には、上述した第一変換式(2)、すなわち、V3i=F1×V2i=f1(s)×V2iに従って不純色成分(第三純色軸AX3の色成分)の座標値V2iを修正し、上述した第二変換式(3)、すなわち、V3i=F2×V2i=f2(V2max,s)×V2iに従って純色成分(第二純色軸AX2の色成分)の座標値V2iを修正すればよい。ここで、第二スムージング範囲AR2にスムージングを行う場合、純色化範囲RP1において第一純色軸AX1から第二スムージング範囲指定部560で設定されたサイズFsの範囲の出力座標値が修正される。
C3i=F2×C2i=f2(C2max,s)×C2i …(8)
M3i=F1×M2i=f1(s)×M2i …(9)
Y3i=F1×Y2i=f1(s)×Y2i …(10)
K3i=F1×K2i=f1(s)×K2i …(11)
また、上記式(8)により、不純色の色成分M,Y,Kが少なくなることによる出力画像の明度の上昇が抑制される。これにより、純色によるさらに自然な色合いの表現も兼ね備えた高画質の表現が可能となる。
C3i=F4×C2i=f4(C2max,v)×C2i …(12)
M3i=F3×M2i=f3(v)×M2i …(13)
Y3i=F3×Y2i=f3(v)×Y2i …(14)
K3i=F3×K2i=f3(v)×K2i …(15)
また、上記式(12)により、不純色の色成分M,Y,Kが少なくなることによる出力画像の明度の上昇が抑制される。これにより、純色によるさらに自然な色合いの表現も兼ね備えた高画質の表現が可能となる。
C3i=F6×C2i=f6(F4,s)×C2i …(16)
M3i=F5×M2i=f5(F3,s)×M2i …(17)
Y3i=F5×Y2i=f5(F3,s)×Y2i …(18)
K3i=F5×K2i=f5(F3,s)×K2i …(19)
また、上記式(16)により、不純色の色成分M,Y,Kが少なくなることによる出力画像の明度の上昇が抑制される。これにより、純色によるさらに自然な色合いの表現も兼ね備えた高画質の表現が可能となる。
得られる色変換LUT800は、入力色空間CS1の入力座標値(C1i,M1i,Y1i,K1i)と出力色空間CS2の修正後の出力座標値(C3i,M3i,Y3i,K3i)との対応関係700が規定されている。このLUT800を参照することにより、第一印刷装置に依存するCMYK色空間の入力座標値を第二印刷装置に依存するCMYK色空間の出力座標値に変換してから該出力座標値で表される出力画像を第二印刷装置に印刷させることができる。
本発明は、種々の変形例が考えられる。
例えば、機器独立色空間は、CIE Lch色空間、CIE XYZ色空間、CIE L*u*v*色空間、等でもよい。
入力色空間及び出力色空間は、CMY色空間、RGB色空間、等でもよい。
尚、墨色には、Kよりも低濃度のLk(ライトブラック)、Lkよりも低濃度のLLk(ライトライトブラック)、等が含まれてもよい。
図14に例示するように、加法混色となるRGB色空間の入力座標値から減法混色となるCMY色空間の出力座標値に変換する場合、RGB色空間においてGとBが100%の座標値であってRが0〜100%の座標値であるC軸が第一純色軸であればCMY色空間のC軸が第二純色軸となり、RGB色空間においてRとBが100%の座標値であってGが0〜100%の座標値であるM軸が第一純色軸であればCMY色空間のM軸が第二純色軸となり、RGB色空間においてRとGが100%の座標値であってBが0〜100%の座標値であるY軸が第一純色軸であればCMY色空間のY軸が第二純色軸となる。
加えて、出力座標値の修正は、上述した変換式(2)〜(7)を用いる修正に限定されず、例えば、不純色成分を修正する変換式(2)と変換式(4)と変換式(6)だけを用いてもよいし、別の変換式を用いてもよいし、修正前後の対応関係を規定したルックアップテーブルに従ってもよい。
例えば、スライダーコントロールは、縦向きのスライダーバーと縦方向へ移動可能なスライダーの組合せに限定されず、横向きのスライダーバーと横方向へ移動可能なスライダーの組合せ等でもよい。
図11で示した第二スムージング範囲指定部560のように、第一スムージング範囲RS1を広くしたり狭くしたりする操作を受け付けて第一純色軸AX1の方向における純色化範囲RP1からの第一スムージング範囲RS1の設定を受け付ける第一スムージング範囲指定部を設定画面に入れてもよい。
図11で示した第二スムージング強度指定部570のように、第一スムージング範囲RS1に行うスムージングの強度の設定を受け付ける第二スムージング強度指定部を設定画面に入れてもよい。
例えば、図15Aに例示するように、本質的に純色化範囲指定部530しかない設定画面500で純色化範囲RP1の設定を受け付けてもよい。この場合、純色化範囲RP1の始点と終点を一致させる操作を受け付けることにより純色軸が純色化対象から外れるようにしてもよい。
また、図15Bに例示するように、本質的に第二スムージング範囲指定部560しかない設定画面500で第一純色軸AX1からの第二スムージング範囲AR2の設定を受け付けてもよい。この場合、スムージング範囲に「無し」を入れてスライダー562が「無し」に合わせられることにより第二スムージング範囲AR2の出力座標値の修正をしない設定を受け付けてもよい。
さらに、図15Cに例示するように、本質的に第二スムージング強度指定部570しかない設定画面500で不純色成分を少なくする度合の設定を受け付けてもよい。この場合、スムージングの強度に「無し」を入れてスライダー572が「無し」に合わせられることにより第二スムージング範囲AR2の出力座標値の修正をしない設定を受け付けてもよい。
加えて、本質的に純色化軸選択部510しかない設定画面、本質的に範囲限定選択部520しかない設定画面、本質的に第一スムージング可否選択部540しかない設定画面、本質的に第二スムージング可否選択部550しかない設定画面、本質的に第一スムージング範囲指定部しかない設定画面、本質的に第二スムージング強度指定部しかない設定画面、等で設定を受け付けてもよい。
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、極力、純色を保持しながら色再現性を向上させることが可能な技術等を提供することができる。むろん、独立請求項に係る構成要件のみからなる技術等でも、上述した基本的な作用、効果が得られる。
また、上述した例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術及び上述した例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も実施可能である。本発明は、これらの構成等も含まれる。
Claims (10)
- 機器独立色空間を経由して第一デバイスに依存する入力色空間の入力座標値を第二デバイスに依存する出力色空間の出力座標値に変換する変換部と、
前記入力色空間で純色化対象の第一純色軸の方向において、該第一純色軸の座標値を前記出力色空間の第二純色軸の座標値に変換する純色化範囲の設定を受け付ける純色化範囲設定部と、
設定された前記純色化範囲において、前記入力色空間の前記第一純色軸の座標値が前記出力色空間の前記第二純色軸の座標値に変換されるように、前記入力座標値と前記出力座標値との初期対応関係に規定される前記出力座標値を修正する修正部と、
を備え、
前記修正部は、前記入力座標値が前記第一純色軸の方向において前記純色化範囲から続く第一スムージング範囲の座標値である場合、前記出力色空間において前記第二純色軸を除く第三純色軸の色成分があるときに前記初期対応関係に従うよりも少なくなるように前記初期対応関係に規定される前記出力座標値を修正する色変換装置。 - 前記入力色空間の複数の純色軸に含まれる純色軸を純色化対象の前記第一純色軸にするか否かの設定を受け付ける純色化軸設定部を備える、請求項1に記載の色変換装置。
- 前記純色化範囲設定部は、前記純色化範囲の設定として前記第一純色軸の色成分の最小と最大の少なくとも一方の設定を受け付ける、請求項1又は請求項2に記載の色変換装置。
- 前記修正部は、前記入力座標値が前記純色化範囲の前記第一純色軸から第二スムージング範囲内の座標値である場合に前記出力色空間において前記第二純色軸を除く第三純色軸の色成分が前記初期対応関係に従うよりも少なくなるように、前記初期対応関係に規定される前記出力座標値を修正する、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の色変換装置。
- 前記入力座標値が前記純色化範囲の前記第一純色軸から第二スムージング範囲内の座標値である場合に前記初期対応関係に規定される前記出力座標値を修正するか否かの設定を受け付ける軸周りスムージング設定部を備え、
前記修正部は、前記軸周りスムージング設定部が前記出力座標値を修正する設定を受け付けた場合において、前記入力座標値が前記第二スムージング範囲内の座標値である場合に前記出力色空間において前記第二純色軸を除く第三純色軸の色成分が前記初期対応関係に従うよりも少なくなるように、前記初期対応関係に規定される前記出力座標値を修正する、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の色変換装置。 - 前記第一純色軸からの前記第二スムージング範囲の設定を受け付ける第二スムージング範囲設定部を備える、請求項4又は請求項5に記載の色変換装置。
- 前記入力座標値が前記純色化範囲の前記第一純色軸から前記第二スムージング範囲内の座標値である場合に前記修正部が前記出力色空間の前記第三純色軸の色成分を少なくする度合の設定を受け付ける混色低減度合設定部を備える、請求項4〜請求項6のいずれか一項に記載の色変換装置。
- 前記修正部は、
前記入力座標値が前記第一純色軸から前記第二スムージング範囲内の座標値である場合に前記出力色空間において前記第三純色軸の色成分が前記初期対応関係に従うよりも少なくなる第一変換式と、
前記入力座標値が前記第一純色軸から前記第二スムージング範囲内の座標値である場合に前記出力色空間において前記第二純色軸の色成分が前記初期対応関係に従うとき以上となる第二変換式と、
を用いて前記初期対応関係に規定される出力座標値を修正する、請求項4〜請求項7のいずれか一項に記載の色変換装置。 - 機器独立色空間を経由して第一デバイスに依存する入力色空間の入力座標値を第二デバイスに依存する出力色空間の出力座標値に変換する変換工程と、
前記入力色空間で純色化対象の第一純色軸の方向において、該第一純色軸の座標値を前記出力色空間の第二純色軸の座標値に変換する純色化範囲の設定を受け付ける純色化範囲設定工程と、
設定された前記純色化範囲において、前記入力色空間の前記第一純色軸の座標値が前記出力色空間の前記第二純色軸の座標値に変換されるように、前記入力座標値と前記出力座標値との初期対応関係に規定される前記出力座標値を修正する修正工程と、
を含み、
前記修正工程は、前記入力座標値が前記第一純色軸の方向において前記純色化範囲から続く第一スムージング範囲の座標値である場合、前記出力色空間において前記第二純色軸を除く第三純色軸の色成分があるときに前記初期対応関係に従うよりも少なくなるように前記初期対応関係に規定される前記出力座標値を修正する色変換方法。 - 機器独立色空間を経由して第一デバイスに依存する入力色空間の入力座標値を第二デバイスに依存する出力色空間の出力座標値に変換する変換機能と、
前記入力色空間で純色化対象の第一純色軸の方向において、該第一純色軸の座標値を前記出力色空間の第二純色軸の座標値に変換する純色化範囲の設定を受け付ける純色化範囲設定機能と、
設定された前記純色化範囲において、前記入力色空間の前記第一純色軸の座標値が前記出力色空間の前記第二純色軸の座標値に変換されるように、前記入力座標値と前記出力座標値との初期対応関係に規定される前記出力座標値を修正する修正機能と、
をコンピューターに実現させ、
前記修正機能は、前記入力座標値が前記第一純色軸の方向において前記純色化範囲から続く第一スムージング範囲の座標値である場合、前記出力色空間において前記第二純色軸を除く第三純色軸の色成分があるときに前記初期対応関係に従うよりも少なくなるように前記初期対応関係に規定される前記出力座標値を修正する色変換プログラム。
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