JP6714569B2 - 薬剤取出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、錠剤やカプセル等の薬剤が複数列で密封包装されているPTPシート等の薬剤包装シートを搬送しながら、薬剤包装シートの複数列の薬剤収納部から薬剤を取り出す薬剤取出装置に関する。
上述の薬剤取出装置として、例えば、下記特許文献1に示す錠剤取出装置が存在する。この錠剤取出装置では、シート長手方向に直線状に配置された所定数の薬剤収納部を薬剤列単位として、二列の薬剤列をシート幅方向に備えた薬剤包装シートを対象に構成されている。錠剤取出装置には、薬剤包装シートをシート長手方向に沿って搬送するシート搬送部と、シート搬送部で搬送される薬剤包装シートの両薬剤列の各薬剤収納部に収納されている薬剤を搬送先端側(搬送前方側)から順番に押し出す一対の薬剤押出部と、シート搬送部及び両薬剤押出部に対して薬剤包装シートを搬送方向に沿って供給案内するシート供給案内部と、が備えられている。
シート供給案内部は、薬剤包装シートのシート幅方向の両側部分を載置状態で供給案内する一対のガイド部材から構成されている。一対のガイド部材の各々は、薬剤包装シートを載置状態で滑降案内する傾斜姿勢の滑降案内板を備え、この滑降案内板の上面のシート幅方向の両側部位には、薬剤包装シートのシート幅方向の両側縁を摺接状態で案内する一対の規制板を設けて構成されている。一対の規制板は、薬剤包装シートのシート幅に応じてシート幅方向に位置変更可能に構成されている。
特開2004−131149号公報
特許文献1の錠剤取出装置では、薬剤列が二列の薬剤包装シートを対象として構成されているため、薬剤列が三列又は四列の薬剤包装シートには使用することができない。そのため、薬剤列が三列又は四列の薬剤包装シートの場合には、三列又は四列の薬剤列に対応した位置に三つ又は四つの薬剤押出部を配置してある錠剤取出装置を準備する必要がある。その結果、コストが高騰し、且つ、薬剤列の列数に応じて錠剤取出装置を使い分ける必要があるため、薬剤取出作業が煩雑化する不都合がある。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、シート供給案内部の合理的な改良により、薬剤列の異なる複数種類の薬剤包装シートに使用することができ、且つ、シート搬送部に対する薬剤包装シートの受け渡しも確実、円滑に行うことのできる薬剤取出装置を提供する点にある。
本発明の第1特徴構成は、シート長手方向に直線状に配置された所定数の薬剤収納部を薬剤列単位として、複数の薬剤列をシート幅方向に備えた薬剤包装シートをシート長手方向に沿って搬送するシート搬送部と、
前記シート搬送部で搬送される前記薬剤包装シートの前記薬剤列のうち、シート幅方向で隣接する二列の前記薬剤列の前記各薬剤収納部に収納されている薬剤を搬送先端側から順番に押し出す一対の薬剤押出部と、
前記シート搬送部及び前記両薬剤押出部に対して前記薬剤包装シートを搬送方向に沿って供給案内するシート供給案内部と、
を備えた薬剤取出装置であって、
前記シート供給案内部には、前記薬剤包装シートの薬剤取出対象の二列の前記薬剤列を供給案内可能な内側供給案内部と、前記内側供給案内部のシート幅方向の両外方側において前記薬剤包装シートの非薬剤取出対象の前記薬剤列を供給案内可能な外側供給案内部と、前記内側供給案内部と前記両外側供給案内部とを連通する連通路と、が備えられている点にある。
上記構成によれば、例えば、薬剤列が二列の薬剤包装シートの場合は、薬剤包装シートの両薬剤列を内側供給案内部内に配置し、この状態でシート搬送部にて薬剤包装シートをシート長手方向に沿って搬送する。これにより、一対の薬剤押出部において、二列の薬剤列の各薬剤収納部に収納されている薬剤を搬送先端側から順番に押し出すことができる。
また、例えば、薬剤列が三列又は四列の薬剤包装シートの場合は、シート幅方向の一端側において隣接する薬剤取出対象の二列の薬剤列を、内側供給案内部内に配置し、非薬剤取出対象の一列又は二列の薬剤列を、シート幅方向の一側方の外側供給案内部内に配置する。この状態でシート搬送部にて薬剤包装シートをシート長手方向に沿って搬送すると、一対の薬剤押出部において、薬剤取出対象の二列の薬剤列の各薬剤収納部に収納されている薬剤を搬送先端側から順番に押し出すことができる。
この二列の薬剤列での薬剤取出し工程が終了すると、次に、薬剤未取出しの一列又は二列の薬剤列を、内側供給案内部内に配置し、取出し済みの一列又は二列の薬剤列を、シート幅方向の他側方の外側供給案内部内に配置する。この状態でシート搬送部にて薬剤包装シートをシート長手方向に沿って搬送すると、薬剤未取出しの薬剤列に対応する一方側の薬剤押出部又は両薬剤押出部において、薬剤未取出しの一列又は二列の薬剤列に収納されている薬剤を搬送先端側から順番に押し出すことができる。
しかも、前記内側供給案内部のシート幅方向の両外方側に外側供給案内部が備えられているので、上述のように、薬剤列が三列又は四列の薬剤包装シートの薬剤取出し時において、両外側供給案内部を選択使用することにより、薬剤包装シートの周縁のうち、ロット番号等の識別情報が記載されているシート長手方向での突出量の大きな表示用タグ部が搬送先端側に位置する状態で装着することができる。これにより、シート搬送部に対する薬剤包装シートの受け渡しを確実、円滑に行うことができる。
したがって、シート供給案内部の上述の合理的な改良により、一台の薬剤取出装置をもって薬剤列の異なる複数種類の薬剤包装シートに使用することができるので、従来装置と比較してコストの低廉化と薬剤取出作業の能率化を図ることができる。しかも、シート搬送部に対する薬剤包装シートの受け渡しも確実、円滑に行うことができる。
本発明の第2特徴構成は、前記連通路は、前記薬剤包装シートの薬剤列間のシート部分の厚みよりも大で、且つ、薬剤包装シートの薬剤収納部の高さよりも小に構成されている点にある。
上記構成によれば、内側供給案内部と両外側供給案内部とに対する薬剤包装シートの差し替え装着を自由に行いながらも、内側供給案内部内に位置する薬剤包装シートの薬剤収納部が外側供給案内部側に移動することを連通路において確実に阻止することができる。これにより、シート供給案内部の案内構造の簡素化を図ることができる。
本発明の第3特徴構成は、前記シート供給案内部には、前記薬剤包装シートの表面側のシート幅方向の両側に配置される一対の供給案内体と、前記薬剤包装シートの裏面側のシート幅方向の両側に配置される一対の載置案内体と、が備えられ、前記両供給案内体の少なくともシート幅方向の内端部は、前記両載置案内体の存在側に折り曲げ形成され、前記両供給案内体の折り曲げ内端部と前記載置案内体とで形成される凹状案内通路をもって前記内側供給案内部が構成され、前記両供給案内体と前記両載置案内体との各対向面間に形成される内部案内通路をもって前記外側供給案内部が構成されている点にある。
上記構成によれば、シート供給案内部は、シート幅方向の両側に配置される両供給案内体と両載置案内体との組み合わせで構成されている。しかも、両供給案内体のシート幅方向の内端部を両載置案内体の存在側に折り曲げ形成することにより、内側供給案内部を構成する凹状案内通路と、外側供給案内部を構成する内部案内通路とに区画形成することができるので、シート供給案内部の構造の簡素化とコストの低廉化を図ることができる。
本発明の第4特徴構成は、一側方の前記載置案内体の上側部には、他側方の前記載置案内体の上側部を横断する状態でシート幅方向に沿って延出される横向き載置部が形成されている点にある。
上記構成によれば、両載置案内体とこれらの上側部間に位置する横向き載置部とにより、内側供給案内部と両外側供給案内部とに対する薬剤包装シートの差し替え装着を確実、容易に行うことができる。
本発明の第1実施形態を示す薬剤取出装置の正面図 薬剤取出装置の背面図 薬剤取出装置の平面図 シート搬送部及び薬剤押出部の分解斜視図 シート供給案内部の斜視図 シート供給案内部の分解斜視図 薬剤包装シートを装着したときの要部の正面図 本発明の第2実施形態を示すシート搬送部及び薬剤押出部の平面図
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1〜図3は、錠剤やカプセル等の薬剤がブリスタ包装等で密封包装されている薬剤包装シート1(図7参照)から薬剤を取り出すための薬剤取出装置を示す。この薬剤取出装置に装着される薬剤包装シート1は、シート長手方向に直線状に配置された所定数の薬剤収納部1Aを薬剤列単位として、二列又は三列の薬剤列をシート幅方向に備えたブリスタシート(PTPシート等)から構成されている。図7には、三列の薬剤列を備えた薬剤包装シート1がおもて装着されている。
薬剤包装シート1は従来から種々の構造、形態が存在し、そのいずれの構造、形態の薬剤包装シート1も使用可能である。薬剤包装シート1は、断面構造の図示は省略するが、複数列のポケット状の薬剤収納部1Aを形成してある合成樹脂製の薬剤収納フィルムと、この薬剤収納フィルムの薬剤収納部1Aを塞ぐようにして薬剤収納フィルムに貼着された合成樹脂製のカバーフィルムとを有する。本実施形態では、後述する薬剤押出部4で薬剤収納フィルムの薬剤収納部1Aを外面から押圧することにより、その押圧された薬剤収納部1Aに対応するカバーフィルムの閉塞部位を破断し、薬剤収納フィルムの薬剤収納部1Aに収納されている薬剤をカバーフィルムの破断箇所から外部に取り出す。
薬剤取出装置には、図1〜図3に示すように、底板2A及び左右の側板2Bを備えたケース2に、薬剤包装シート1をシート長手方向に沿って搬送するシート搬送部3と、シート搬送部3で搬送される薬剤包装シート1の薬剤列のうち、シート幅方向で隣接する二列の薬剤列の各薬剤収納部1Aに収納されている薬剤を搬送先端側から順番に押し出す一対の薬剤押出部4と、シート搬送部3及び両薬剤押出部4に対して薬剤包装シート1を搬送方向に沿って供給案内するシート供給案内部5と、が備えられている。
シート搬送部3には、ケース2の両側板2Bに架設された左右方向に沿う水平軸芯周りで回転自在な平行姿勢の駆動回転軸30と従動回転軸31とが備えられている。駆動回転軸30の軸芯方向中央部には、外周面にローレット加工等による滑り止め処理が施された駆動挾持ローラ32が固着されている。従動回転軸31の軸芯方向中央部には、外周面にローレット加工等による滑り止め処理が施された従動挾持ローラ33が固着され、従動回転軸31の軸芯方向両側部には、従動挾持ローラ33と同径の外周面にローレット加工等による滑り止め処理が施され、且つ、薬剤包装シート1の背面におけるシート幅方向の両外側縁部を搬送案内する一対のガイドローラ34が、回転軸芯方向に摺動可能に設けられている。
駆動挾持ローラ32の外周面と従動挾持ローラ33の外周面との対向面間の隙間は、薬剤包装シート1の薬剤列間のシート部分の厚みよりも小なる間隔に設定されている。
また、図4に示すように、駆動挾持ローラ32の外周面における回転軸芯方向の第1ローラ幅W1、及び、従動挾持ローラ33の外周面における回転軸芯方向の第2ローラ幅W2は、薬剤包装シート1の二列の薬剤列における両薬剤収納部1Aの外周面の対向面間の内寸法L1(図7参照)よりも小に構成されている。
そして、駆動回転軸30の一端部に設けられている操作ハンドル35を回転操作すると、駆動回転軸30の駆動挾持ローラ32が回転し、この駆動挾持ローラ32の回転力が薬剤包装シート1の薬剤列間のシート部分を介して従動回転軸31の従動挾持ローラ33に伝達される。これにより、薬剤包装シート1は、駆動挾持ローラ32の外周面と従動挾持ローラ33の外周面との間で挾持され、且つ、一対のガイドローラ34の外周面で案内されながら側面視略「L」字状のシート搬送経路に沿って下方から前方側に搬送される。
従動回転軸31は、図1の正面図及び図3の平面図に示すように、駆動回転軸30よりも後方下方に配置されている。そのため、駆動回転軸30の駆動挾持ローラ32と従動回転軸31の従動挾持ローラ33との挾持搬送開始部に対して、薬剤包装シート1を後方上方から前方下方に向かう傾斜方向に沿って供給するように構成されている。また、駆動挾持ローラ32と従動挾持ローラ33との挾持搬送終了部にまで挾持搬送された薬剤包装シート1は、図3に示す板状の送出しガイド部材36によって前方側に水平方向に沿って送出し案内される。この送出しガイド部材36は、図1、図3に示すように、ケース2の両側板2Bの前端部に架設された横架部材2Cに取付けられている。
両薬剤押出部4は、図1〜図4に示すように、駆動回転軸30における駆動挾持ローラ32の回転軸芯方向両側に外装された押出ローラ40を主要構成として備える。両押出ローラ40には、駆動挾持ローラ32の周方向複数個所(本実施形態では3箇所)に固着された連動ピン41に回転軸芯方向から外嵌する連動貫通孔42(図4参照)が形成されている。そのため、駆動挾持ローラ32と両押出ローラ40とは一体回転状態に構成されている。
そして、薬剤包装シート1の薬剤列間のシート部分が、駆動挾持ローラ32と従動挾持ローラ33とで挾持搬送され、且つ、薬剤包装シート1の背面におけるシート幅方向の両側縁部が一対のガイドローラ34で支持されている状態では、薬剤包装シート1の二列の薬剤収納部1Aが両押出ローラ40で押圧された状態に設定されている。この両押出ローラ40の押圧作用により、薬剤包装シート1を構成する薬剤収納フィルムの薬剤収納部1Aに対応するカバーフィルムの閉塞部位が破断され、薬剤収納フィルムの薬剤収納部1Aに収納されている薬剤がカバーフィルムの破断箇所から外部の下方に放出される。放出された薬剤は、ケース2内の底部に設けられる図示省略の薬剤回収箱内に収容される。
シート供給案内部5には、図1〜図3に示すように、薬剤包装シート1の薬剤取出対象の二列の薬剤列を供給案内可能な内側供給案内部5Aと、内側供給案内部5Aのシート幅方向の両外方側において、薬剤包装シート1の非薬剤取出対象の薬剤列を供給案内可能な左右の外側供給案内部5Bと、が備えられている。
シート供給案内部5について詳述すると、図1〜図3、図5、図6に示すように、薬剤包装シート1の表面側のシート幅方向の両側に配置される一対の供給案内体50と、薬剤包装シート1の裏面側のシート幅方向の両側に配置される一対の載置案内体51と、が備えられている。
両供給案内体50のシート幅方向の内端部50Aは、図5、図6に示すように、両載置案内体51の存在側に向かって内フランジ状に直角に折り曲げ形成されている。両供給案内体50のシート幅方向の外端部50Bは、図5、図6に示すように、両載置案内体51の存在側に向かって外フランジ状に直角に折り曲げ形成されている。この両供給案内体50の折り曲げ外端部50Bは、折り曲げ内端部50Aよりも広幅に構成されている。
図3中の部分拡大図(この部分拡大図は薬剤包装シート1の送り方向から見た図面)に示すように、両供給案内体50の折り曲げ内端部50Aの先端と両載置案内体51の載置面との間には、薬剤包装シート1の薬剤列間のシート部分の厚みよりも大で、且つ、薬剤包装シート1の薬剤収納部1Aの高さよりも小に構成された隙間が形成されている。
両供給案内体50の折り曲げ内端部50Aは、内側供給案内部5Aと両外側供給案内部5Bとを区画する区画壁部を構成する。この両区画壁部を構成する両供給案内体50の折り曲げ内端部50Aの先端と両載置案内体51の載置面との間の隙間は、内側供給案内部5Aと両外側供給案内部5Bとを連通する連通路65を構成する。
そして、内側供給案内部5Aと両外側供給案内部5Bとに対する薬剤包装シート1の差し替え装着を自由に行いながらも、内側供給案内部5A内に位置する薬剤包装シート1の薬剤収納部1Aが外側供給案内部5B側に移動することを連通路65において確実に阻止することができる。これにより、シート供給案内部5の案内構造の簡素化を図ることができる。
各載置案内体51には、図5、図6に示すように、薬剤包装シート1の裏面を載置支持する載置案内板部51Aと、該載置案内板部51Aのシート幅方向の外端に折り曲げ形成された取付け板部51Bと、が備えられている。両載置案内体51のうち、シート幅方向の一側方(本実施形態では、図1の正面図視において左側方)に位置する載置案内体51の載置案内板部51Aの上側部には、シート幅方向の他側方(本実施形態では、図1の正面図視において右側方)に位置する載置案内体51の載置案内板部51Aの上側部を横断する状態でシート幅方向に沿って水平方向に延出される横向き載置部52が一体形成されている。この横向き載置部52は、横断面形状が下向き開口の略「U」字形状に折り曲げ形成されている。他側方の載置案内体51の載置案内板部51Aの上端部には、横向き載置部52内に摺動自在に係合する係合片53が固着されている。横向き載置部52と係合片53とにより、両載置案内体51のシート幅方向での遠近作動を案内する遠近移動ガイド部54に構成されている。
そして、両載置案内体51とこれらの上側部間に位置する横向き載置部52とにより、内側供給案内部5Aと両外側供給案内部5Bとに対する薬剤包装シート1の差し替え装着を確実、容易に行うことができる。
図5、図6に示すように、両供給案内体50と両載置案内体51とのうち、シート幅方向の一側方(図1の正面図視において左側方)に位置する供給案内体50と載置案内体51とは、第1ねじ部材55を介して一体的に固定連結され、シート幅方向の他側方(図1の正面図視において右側方)に位置する供給案内体50と載置案内体51とは、第1ねじ部材55とは逆方向の雌ねじが形成されている第2ねじ部材56を介して一体的に固定連結されている。
そのため、図5、図6に示すように、シート幅方向の一側方に位置する供給案内体50の折り曲げ外端部50B及び載置案内体51の取付け板部51Bには、第1ねじ部材55の両連結筒部55Aが嵌合する連結孔50b、51bが形成されている。嵌合状態にある供給案内体50と第1ねじ部材55、及び、載置案内体51と第1ねじ部材55とはそれぞれねじ部材57で締め付け固定されている。
また、図5、図6に示すように、シート幅方向の他側方に位置する供給案内体50の折り曲げ外端部50B及び載置案内体51の取付け板部51Bには、第2ねじ部材56の両連結筒部56Aが嵌合する連結孔50b、51bが形成されている。嵌合状態にある供給案内体50と第2ねじ部材56、及び、載置案内体51と第2ねじ部材56とはそれぞれねじ部材57で締め付け固定されている。
図1〜図3に示すように、ケース2の両側板2Bには、駆動回転軸30及び従動回転軸31と平行なねじ軸58が回転自在に架設されている。このねじ軸58の回転軸芯方向の両側部には、図1〜図3、図5に示すように、互いに逆向きの雄ねじ部58a,58bが形成され、この雄ねじ部58a,58bには、シート供給案内部5の第1ねじ部材55及び第2ねじ部材56が螺合されている。また、ねじ軸58の一端部には、回転操作摘み59(図1〜図3参照)が設けられている。
そして、図1〜図3、図5に示すように、両供給案内体50の折り曲げ内端部50Aと両載置案内体51とで形成される凹状案内通路60をもって、上述の内側供給案内部5Aが構成されている。さらに、両供給案内体50と両載置案内体51との各対向面間で、且つ、各供給案内体50の折り曲げ内端部50Aと折り曲げ外端部50Bとの間に形成される内部案内通路61をもって、上述の左右の外側供給案内部5Bが構成されている。
図1、図7に示すように、内側供給案内部5Aのシート幅方向の第1通路幅W3は、薬剤包装シート1の薬剤取出対象の二列の薬剤列を供給案内可能な幅寸法に構成されている。詳しくは、内側供給案内部5Aの第1通路幅W3は、薬剤包装シート1の二列の薬剤列における両薬剤収納部1Aの外周面の外寸法L2(図7参照)よりも少し大に構成されている。これにより、薬剤包装シート1の二列の薬剤列は、両供給案内体50の折り曲げ内端部50Aの対向面に沿って下方に摺接又は近接状態で供給案内される。
図6に示すように、各外側供給案内部5Bを構成する内部案内通路61のシート幅方向の第2通路幅W4は、本実施形態においては、三列の薬剤列を備えた薬剤包装シート1を使用対象の一つに設定しているため、薬剤包装シート1の非薬剤取出対象の一列の薬剤列を余裕をもって供給案内可能な幅寸法に構成されている。詳しくは、内部案内通路61の第2通路幅W4は、複数種類の薬剤包装シート1の薬剤収納部1A中の最も大きな薬剤収納部1Aの外径寸法よりも大に構成されている。
そして、薬剤列が二列の薬剤包装シート1の場合は、薬剤包装シート1の二列の両薬剤列を、内側供給案内部5Aを構成する凹状案内通路60内に配置し、この状態でシート搬送部3にて薬剤包装シート1をシート長手方向に沿って搬送する。これにより、両薬剤押出部4の押出ローラ40において、二列の薬剤列の各薬剤収納部1Aに収納されている薬剤を搬送先端側から順番に押し出すことができる。
また、薬剤列が三列の薬剤包装シート1の場合は、図7に示すように、シート幅方向の一側辺において隣接する薬剤取出対象の二列の薬剤列を、内側供給案内部5Aを構成する凹状案内通路60内に配置する。残りの非薬剤取出対象の一列の薬剤列は、シート幅方向の一側方の外側供給案内部5Bを構成する内部案内通路61内に配置する。この状態でシート搬送部3にて薬剤包装シート1をシート長手方向に沿って搬送すると、両薬剤押出部4の押出ローラ40において、薬剤取出対象の二列の薬剤列の各薬剤収納部1Aに収納されている薬剤を搬送先端側から順番に押し出すことができる。
この二列の薬剤列での薬剤取出し工程が終了すると、次に、薬剤未取出しの一列の薬剤列と、これに隣接する取出し済みの一列の薬剤列とを、内側供給案内部5Aを構成する凹状案内通路60内に配置する。残りの取出し済みの一列の薬剤列は、シート幅方向の他側方の外側供給案内部5Bを構成する内部案内通路61内に配置する。この状態でシート搬送部3にて薬剤包装シート1をシート長手方向に沿って搬送すると、薬剤未取出しの薬剤列に対応する一方の薬剤押出部4の押出ローラ40において、薬剤未取出しの一列の薬剤列に収納されている薬剤を搬送先端側から順番に押し出すことができる。
しかも、内側供給案内部5Aのシート幅方向の両外方側に外側供給案内部5Bが備えられているので、上述のように薬剤列が三列の薬剤包装シート1の薬剤取出し時において、両外側供給案内部5Bを選択使用することにより、薬剤包装シート1の周縁のうち、ロット番号等の識別情報が記載されているシート長手方向での突出量の大きな表示用タグ部が搬送先端側に位置する状態で装着することができる。これにより、シート搬送部3に対する薬剤包装シート1の受け渡しを確実、円滑に行うことができる。
さらに、ねじ軸58の回転操作摘み59を回転操作すると、シート幅方向の一側方において、第1ねじ部材55で結合されている供給案内体50及び載置案内体51と、シート幅方向の他側方において、第2ねじ部材56で結合されている供給案内体50及び載置案内体51とが、ねじ軸58の回転軸芯に沿って遠近方向に移動する。これにより、内側供給案内部5Aの第1通路幅W3を、種類によって異なる薬剤包装シート1の薬剤列の列間隔に応じて変更することができる。
そして、上述の回転操作摘み59を備えたねじ軸58と、シート幅方向の一側方に位置する供給案内体50と載置案内体51とを結合する第1ねじ部材55と、シート幅方向の他側方に位置する供給案内体50と載置案内体51とを結合する第2ねじ部材56とをもって、内側供給案内部5Aにおけるシート幅方向の第1通路幅W3を薬剤包装シート1の薬剤列の列間隔に応じて変更する通路幅調節機構7が構成されている。
さらに、本実施形態の薬剤取出装置には、両薬剤押出部4の押出ローラ40のシート幅方向での押出間隔を薬剤包装シート1の薬剤列の列間隔に応じて変更する押出間隔調節機構8が設けられ、該押出間隔調節機構8と通路幅調節機構7とを連動する連動機構9が設けられている。
次に、押出間隔調節機構8について詳述する。図1、図3に示すように、駆動回転軸30の回転軸芯方向両側部には、両押出ローラ40の外側面(駆動挾持ローラ32の存在側とは反対側の側面)に管軸芯方向から相対回転自在に当接する位置規制筒体80が、回転軸芯方向に沿って摺動自在に外装されている。また、図4に示すように、駆動挾持ローラ32から回転軸芯方向の両側に突出する連動ピン41において、両押出ローラ40と駆動挾持ローラ32との間には、両押出ローラ40を駆動挾持ローラ32から離間する側に移動付勢するコイルスプリング81が介装されている。
そして、両位置規制筒体80を駆動回転軸30に沿って離間側に摺動操作すると、両押出ローラ40がコイルスプリング81の弾性付勢力で追従して回転軸芯方向の外方側に摺動し、両押出ローラ40の押出間隔が拡大側に調節される。これとは逆に、両位置規制筒体80を駆動回転軸30に沿って近接側に摺動操作すると、両押出ローラ40がコイルスプリング81の弾性付勢力に抗して回転軸芯方向の内方側に摺動し、両押出ローラ40の押出間隔が縮小側に調節される。
次に、連動機構9について詳述する。図5、図6に示すように、シート供給案内部5の両供給案内体50の折り曲げ外端部50Bの外側面には、板状の連結部材90がねじ部材57で共締め固定されている。各連結部材90には、図5、図6に示すように、図1〜図3に示す押出間隔調節機構8の位置規制筒体80に形成されている連動突起又は連動溝に係合する第1係合凹部91が形成されている。
そして、ねじ軸58の回転操作摘み59を回転操作すると、シート供給案内部5の両供給案内体50及び両連結部材90は、ねじ軸58の回転軸芯に沿って一体的に遠近方向に移動する。この両連結部材90に連動する両位置規制筒体80も遠近方向に移動し、それに両押出ローラ40が追従移動する。これにより、内側供給案内部5Aの第1通路幅W3及び両押出ローラ40の押出間隔を、薬剤の種類によって異なる薬剤包装シート1の薬剤列の列間隔に応じて同時に変更することができる。
さらに、両連結部材90には、図5、図6に示すように、図1、図2に示す両ガイドローラ34のボス部34Aに形成されている連動溝又は連動突起に係合する第2係合凹部92が形成されている。そのため、ねじ軸58の回転操作摘み59を回転操作すると、ねじ軸58の回転軸芯に沿って遠近方向に移動する両連結部材90に連動して、両ガイドローラ34も従動回転軸31の軸芯方向に沿って遠近方向に移動する。これにより、両ガイドローラ34のシート支持位置を、薬剤の種類によって異なる薬剤包装シート1の両外側縁部の間隔に応じて同時に変更することができる。
〔第2実施形態〕
図8は、薬剤取出装置のシート搬送部3の別実施形態を示す。この別実施形態では、シート搬送部3の駆動回転軸30に、一対のガイドローラ34とで薬剤包装シート1のシート幅方向の両外側縁部を挟持搬送する一対の第2駆動挾持ローラ37が設けられている。両第2駆動挾持ローラ37は、駆動回転軸30に外装されている両位置規制筒体80(図1、図3参照)と両押出ローラ40との間に摺動自在に配設されている。駆動挾持ローラ32から回転軸芯方向の両側に突出する連動ピン41において、両第2駆動挾持ローラ37と両押出ローラ40との対向面間には、両第2駆動挾持ローラ37を両押出ローラ40から離間する外方側に移動付勢する第2コイルスプリング82が介装されている。
両ガイドローラ34の外周面には、ローレット加工等による滑り止め処理が施されている。
そして、ねじ軸58の回転操作摘み59を回転操作すると、シート供給案内部5の両供給案内体50と一体的に両連結部材90がねじ軸58の回転軸芯に沿って遠近方向に移動する。この両連結部材90に連動する両位置規制筒体80も遠近方向に移動し、それに両第2駆動挾持ローラ37及び両押出ローラ40が追従移動する。これにより、内側供給案内部5Aの第1通路幅W3と、両押出ローラ40の押出間隔と、両第2駆動挾持ローラ37の挟持間隔を同時に変更することができる。
尚、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
〔その他の実施形態〕
(1)上述の各実施形態では、二列又は三列の薬剤列を備えた薬剤包装シート1を使用対象とする薬剤取出装置について説明したが、この薬剤取出装置を、二列〜四列の薬剤列を備えた薬剤包装シート1に対応した形態に構成してもよい。この場合には、各外側供給案内部5Bを構成する内部案内通路61のシート幅方向の第2通路幅W4を、薬剤包装シート1の二列の薬剤列を供給案内可能な幅に構成する。
(2)上述の各実施形態では、各外側供給案内部5Bを構成する内部案内通路61の第2通路幅W4一定に構成したが、この内部案内通路61の第2通路幅W4をシート幅方向に変更可能に構成してもよい。
(3)上述の各実施形態では、両供給案内体50のシート幅方向の外端部50Bを、両載置案内体51の存在側に直角に折り曲げ形成したが、両供給案内体50の外端部50Bを、薬剤包装シート1が通過可能な状態でシート幅方向の外方側に開口形成してもよい。
(4)上述の各実施形態では、駆動挾持ローラ32の外周面と従動挾持ローラ33の外周面との対向面間の隙間を一定に構成したが、この隙間を調節する隙間調節機構を設けてもよい。さらに、駆動挾持ローラ32に対して従動挾持ローラ33を近接側に移動付勢してもよい。
1 薬剤包装シート
1A 薬剤収納部
3 シート搬送部
4 薬剤押出部
5 シート供給案内部
5A 内側供給案内部
5B 外側供給案内部
7 通路幅調節機構
8 押出間隔調節機構
9 連動機構
50 供給案内体
50A 内端部
51 載置案内体
60 凹状案内通路
61 内部案内通路
65 連通路
W3 通路幅

Claims (4)

  1. シート長手方向に直線状に配置された所定数の薬剤収納部を薬剤列単位として、複数の薬剤列をシート幅方向に備えた薬剤包装シートをシート長手方向に沿って搬送するシート搬送部と、
    前記シート搬送部で搬送される前記薬剤包装シートの前記薬剤列のうち、シート幅方向で隣接する二列の前記薬剤列の前記各薬剤収納部に収納されている薬剤を搬送先端側から順番に押し出す両薬剤押出部と、
    前記シート搬送部及び前記両薬剤押出部に対して前記薬剤包装シートを搬送方向に沿って供給案内するシート供給案内部と、
    を備えた薬剤取出装置であって、
    前記シート供給案内部には、前記薬剤包装シートの薬剤取出対象の二列の前記薬剤列を供給案内可能な内側供給案内部と、前記内側供給案内部のシート幅方向の両外方側において、前記薬剤包装シートの非薬剤取出対象の前記薬剤列を供給案内可能な外側供給案内部と、前記内側供給案内部と前記両外側供給案内部とを連通する連通路と、が備えられている薬剤取出装置。
  2. 前記連通路は、前記薬剤包装シートの薬剤列間のシート部分の厚みよりも大で、且つ、薬剤包装シートの薬剤収納部の高さよりも小に構成されている請求項1記載の薬剤取出装置。
  3. 前記シート供給案内部には、前記薬剤包装シートの表面側のシート幅方向の両側に配置される一対の供給案内体と、前記薬剤包装シートの裏面側のシート幅方向の両側に配置される一対の載置案内体と、が備えられ、前記両供給案内体の少なくともシート幅方向の内端部は、前記両載置案内体の存在側に折り曲げ形成され、前記両供給案内体の折り曲げ内端部と前記載置案内体とで形成される凹状案内通路をもって前記内側供給案内部が構成され、前記両供給案内体と前記両載置案内体との各対向面間に形成される内部案内通路をもって前記外側供給案内部が構成されている請求項1又は2記載の薬剤取出装置。
  4. 一側方の前記載置案内体の上側部には、他側方の前記載置案内体の上側部を横断する状態でシート幅方向に沿って延出される横向き載置部が形成されている請求項3記載の薬剤取出装置。
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