JP6712925B2 - バックライト用フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、液晶表示装置のバックライトユニット等に用いられるバックライト用フィルムに関する。
液晶表示装置は、消費電力が小さく、省スペースの画像表示装置として年々その用途が広がっている。また、近年の液晶表示装置において、液晶表示装置の性能改善としてさらなる省電力化、色再現性向上等が求められている。
液晶表示装置のバックライトの省電力化に伴って、光利用効率を高め、また、色再現性を向上するために、バックライトユニットに、入射光の波長を変換する波長変換フィルムを用いることが知られている。また、波長変換フィルムとしては、量子ドットを用いる波長変換フィルムが知られている。
量子ドットを用いる波長変換フィルムは、一例として、樹脂等からなるマトリックス中に、量子ドットを分散してなる量子ドット層を、樹脂フィルム等の支持体で挟持してなる構成を有する。
量子ドットとは、三次元全方向において移動方向が制限された電子の状態の結晶のことであり、半導体のナノ粒子が、高いポテンシャル障壁で三次元的に囲まれている場合に、このナノ粒子は量子ドットとなる。量子ドットは種々の量子効果を発現する。例えば、電子の状態密度(エネルギー準位)が離散化される「量子サイズ効果」が発現する。この量子サイズ効果によれば、量子ドットの大きさを変化させることで、光の吸収波長および/または発光波長を制御できる。
例えば、特許文献1には、直下型のバックライトユニット等に用いられる照明装置(発光装置)として、光源と、複数の光源を共通に覆う光拡散部材と、各光源に対応する領域に配置され、光源からの第1の波長光を第2の波長光に変換する量子ドット等を用いる波長変換フィルム(波長変換部材)とを有する照明装置が開示されている。
また、特許文献2には、量子ドットを用いる発光装置として、半導体発光素子と、半導体発光素子の光を受けて蛍光する蛍光部材とを有し、この蛍光部材が、粒子径に基づく異なる励起蛍光スペクトルを有する複数の半導体微粒子を含む第1領域と、酸素を透過しない第2領域とで構成され、さらに、第1領域の全周囲が第2領域で覆われる発光装置が開示されている。
特開2015−156464号公報 国際公開第2013/001686号
波長変換フィルムを用いるバックライトユニット等では、光源として、LED(Light Emitting Diode)が用いられる場合が多い。例えば、前述の特許文献1には、光源として、青色LEDを用いることが開示されている。また、特許文献2には、波長460nmの青色光を発する半導体発光素子が用いられている。
液晶表示装置が安定して適正な輝度や色味の画像を表示するために、バックライトユニットには、出射する光の輝度や色が安定していることが要求される。
ところが、本発明者らの検討によれば、波長変換層の形成材料によっては、波長変換フィルムに蛍光体の励起のための青色光を連続的に照射すると、表示を連続的に目視している状態では気付かないレベルではあるものの、波長変換フィルムが出射する光の輝度が変動してしまう場合が有る。
本発明の目的は、このような従来技術の問題点を解決することにあり、長時間、青色光を照射されて波長変換による光を出射し続けても、輝度が安定した光を出射することができるバックライト用フィルムを提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明のバックライト用フィルムは、波長変換層および波長変換層を挟むガスバリア層を有する波長変換フィルムと、
波長変換フィルムの端面を封止する端面封止層と、を有し、
波長変換フィルムは、発光ダイオードが出射した中心波長を455nmとする光が、波長変換フィルムのフィルム面上で照度0.1W/cm2となる条件で照射された場合において、光の照射開始から3分が経過した時点における発光の輝度をL0、光の照射開始から24時間が経過した時点における発光の輝度をL1としたときに、下記の式(1)を満たすことを特徴とするバックライト用フィルムを提供する。
|(L1−L0)/L0|×100 ≦ 5[%]・・・式(1)
このような本発明のバックライト用フィルムにおいて、端面封止層の酸素透過度が1cc/(m2・day・atm)以下であるのが好ましい。
また、波長変換フィルムを支持する支持体を有し、複数の波長変換フィルムを支持体面上に有し、波長変換フィルム同士は支持体の面方向に離間して設けられるのが好ましい。
このような本発明によれば、液晶表示装置のバックライトユニット等に用いられるバックライト用フィルムにおいて、長時間、青色光を照射されて波長変換による光を出射し続けても、輝度が安定した光を出射することができる。
本発明のバックライト用フィルムの一例を利用する面状照明装置の一例を概念的に示す図である。 図1に示すバックライト用フィルムを概念的に示す平面図である。 図1に示すバックライト用フィルムの波長変換フィルムの断面を概念的に示す図である。 本発明のバックライト用フィルムの別の例を利用する面状照明装置の一例を概念的に示す図である。 本発明のバックライト用フィルムの別の例を利用する面状照明装置の一例を概念的に示す図である。
以下、本発明のバックライト用フィルムについて、添付の図面に示される好適実施例を基に、詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、『〜』を用いて表される数値範囲は、『〜』の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、『(メタ)アクリレート』とは、アクリレートとメタクリレートとの少なくとも一方、または、いずれかの意味で用いるものとする。『(メタ)アクリロイル』等も同様である。
図1に、本発明のバックライト用フィルムの一例を利用する、面状照明装置10の一例を概念的に示す。
面状照明装置10は、液晶表示装置のバックライトユニット等に用いられる、直下型の面状照明装置であって、底板12aを有する筐体12と、筐体12の底板12aに配置される光源14と、本発明のバックライト用フィルム16とを有する。
以下の説明では、『液晶表示装置』を『LCD』ともいう。なお、『LCD』とは『Liquid Crystal Display』の略である。
なお、図1は、あくまで模式図であって、面状照明装置10は、図示した部材以外にも、例えば、LED(Light Emitting Diode)基板、配線および放熱機構の1以上など、LCD等のバックライトユニットに利用される公知の照明装置に設けられる、公知の各種の部材を有してもよい。
また、面状照明装置10は、LCDのバックライトユニットなどに利用されるものである。そのため、一般的な使用形態では、面状照明装置10の図中上方には、光拡散板、稜線を直交して配置される2枚のプリズムシートなど、公知のバックライトユニットが有する公知の各種の部材が配置され、さらに、その上に、偏光子および液晶セル等を有する液晶パネル等が配置される。
筐体12は、一例として、最大面が開放する矩形の筐体であって、開放面を閉塞するように、本発明のバックライト用フィルム16が配置される(図4および図5参照)。また、筐体12の底板12aの上面すなわち筐体12の底面には、光源14が配置される。
筐体12は、LCDのバックライトユニットを構成する面状照明装置に利用される、公知の筐体である。
また、筐体12は、好ましい態様として、少なくとも光源14の設置面となる底面は、鏡面、金属反射面および拡散反射面等から選択される光反射面となっている。好ましくは、筐体12の内面全面が、光反射面となっている。
図2に、バックライト用フィルム16の平面図を示す。なお、図2は、図1に示すバックライト用フィルム16を、図1の下方から見た図である。
バックライト用フィルム16は、支持体20と、波長変換フィルム24と、端面封止層26とを有して構成される。
支持体20は、波長変換フィルム24を支持するものである。
支持体20は、波長変換フィルム24を支持可能で、かつ、光源14から光を入射されることで波長変換フィルム24が出射する光、および、光源14が出射した光が透過可能であれば、各種のシート状物(フィルム状物、板状物)が利用可能である。
具体的には、支持体20としては、白色ポリエチレンテレフタレート(PET)、PET、ポリエチレンナフタレート(PEN)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリカーボネート(PC)、および、ナイロン等から選択される1以上の樹脂材料からなる樹脂フィルム、ガラス板等が例示される。
支持体20の厚さは、面状照明装置10のサイズ、支持体20の形成材料、必要に応じて設けられる光学機能層(拡散層、アンチニュートンリング層など)等に応じて、平面状を保ち、かつ、波長変換フィルム24を支持できる厚さを、適宜、設定すればよい。
なお、支持体20は、設計や面状照明装置10の用途等に応じて、任意の形状を利用することができる。
図示例のバックライト用フィルム16は、波長変換フィルム24を支持する支持体20を有し、支持体20の面方向に離間して、複数の波長変換フィルム24が支持体20の一方の主面に設けられる。
なお、本発明において、特に説明がない場合には、『面方向』とは支持体20の面方向を示す。また、本発明において、主面とは、シート状物(フィルム、板状物)の最大面を示す。この際において、シート状物には積層体も含む。
さらに、面状照明装置10では、1枚の波長変換フィルム24に対して、1個の光源14が設けられる。
図示例のバックライト用フィルム16は、好ましい態様として、全面を波長変換フィルムとするのではなく、支持体20に、小型の波長変換フィルム24を離間して二次元的に配列することにより、波長変換フィルム24(量子ドットフィルム(QD(Quantum Dot)フィルム)の使用量を減らして、かつ、コストダウンも図っている。この点に関しては、後に詳述する。
図示例のバックライト用フィルム16において、波長変換フィルム24は、支持体20の一方の主面に、正方格子状に二次元的に配列される。
なお、本発明において、支持体20に支持される波長変換フィルム24の配列は、図示例の正方格子状に限定はされない。例えば、波長変換フィルム24を、千鳥格子状、斜方格子状および六角格子状のいずれかで二次元的に配列してもよい。
いずれにしても、バックライト用フィルム16から出射する光の輝度を全面的に均一にし易い等の点で、波長変換フィルム24は、等間隔かつ規則的に配列するのが好ましい。
なお、支持体20による波長変換フィルム24の支持方法は、限定はなく、公知のシート状物の支持方法が、各種、利用可能である。
一例として、光学透明接着剤(OCA(Optical Clear Adhesive))、光学透明テープおよび光学透明両面テープのいずれかなどの貼着手段によって、波長変換フィルム24を支持体20に貼着すればよい。あるいは、透明な治具等を用いて、波長変換フィルム24を支持体20に保持してもよい。
波長変換フィルム24は、光源14が出射した光を入射され、波長変換して出射する、波長変換フィルムである。
図3に、波長変換フィルム24の構成を断面図によって概念的に示す。なお、図3は、波長変換フィルム24を、図1および図2の横方向に切断した断面図である。図3に示すように、波長変換フィルム24は、波長変換層30と、波長変換層30を挟持して支持するガスバリアフィルム32とを有する。また、図1〜図3に示すように、波長変換フィルム24の端面は、端面封止層26によって封止されている。
波長変換層30は、一例として、多数の蛍光体を樹脂等のマトリックス中に分散してなる蛍光層であり、波長変換層30に入射した光の波長を変換して出射する機能を有するものである。
例えば、光源14が出射した青色光が波長変換層30に入射すると、波長変換層30は、内部に含有する蛍光体の効果により、この青色光の少なくとも一部を赤色光あるいは緑色光に波長変換して出射する。
ここで、青色光とは、400〜500nmの波長帯域に中心波長を有する光であり、緑色光とは、500nmを超え600nm以下の波長帯域に中心波長を有する光のことであり、赤色光とは、600nmを超え680nm以下の波長帯域に中心波長を有する光のことである。
なお、蛍光層が発現する波長変換の機能は、青色光を赤色光あるいは緑色光に波長変換する構成に限定はされず、入射光の少なくとも一部を異なる波長の光に変換するものであればよい。
蛍光体は、少なくとも、入射する励起光により励起され蛍光を発光する。
蛍光層に含有される蛍光体の種類には限定はなく、求められる波長変換の性能等に応じて、種々の公知の蛍光体を適宜選択すればよい。
このような蛍光体の例として、例えば有機蛍光染料および有機蛍光顔料の他、リン酸塩やアルミン酸塩、金属酸化物等に希土類イオンをドープした蛍光体、金属硫化物や金属窒化物等の半導体性の物質に賦活性のイオンをドープした蛍光体、量子ドットとして知られる量子閉じ込め効果を利用した蛍光体等が例示される。中でも、発光スペクトル幅が狭く、ディスプレイに用いた場合の色再現性に優れた光源が実現でき、かつ、発光量子効率に優れる量子ドットは、本発明では好適に用いられる。
すなわち、本発明において、波長変換層30としては、量子ドットを樹脂等のマトリックスに分散してなる量子ドット層が、好適に用いられる。また、波長変換フィルム24において、好ましい態様として、波長変換層30は量子ドット層である。
量子ドットについては、例えば特開2012−169271号公報の段落0060〜0066を参照することができるが、ここに記載のものに限定されるものではない。また、量子ドットは、市販品を何ら制限なく用いることができる。量子ドットの発光波長は、通常、粒子の組成、サイズにより調節することができる。
量子ドットは、マトリックス中に均一に分散されるのが好ましいが、マトリックス中に偏りをもって分散されてもよい。また、量子ドットは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
2種以上の量子ドットを併用する場合には、発光光の波長が異なる2種以上の量子ドットを使用してもよい。
具体的には、公知の量子ドットには、600nmを超え680nmの範囲の波長帯域に発光中心波長を有する量子ドット(A)、500nmを超え600nmの範囲の波長帯域に発光中心波長を有する量子ドット(B)、400〜500nmの波長帯域に発光中心波長を有する量子ドット(C)がある。量子ドット(A)は、励起光により励起され赤色光を発光し、量子ドット(B)は緑色光を、量子ドット(C)は青色光を発光する。
例えば、量子ドット(A)と量子ドット(B)とを含む量子ドット層に励起光として青色光を入射させると、量子ドット(A)により発光される赤色光、量子ドット(B)により発光される緑色光、および、量子ドット層を透過した青色光により、白色光を具現化することができる。または、量子ドット(A)、(B)、および(C)を含む量子ドット層に励起光として紫外光を入射させることにより、量子ドット(A)により発光される赤色光、量子ドット(B)により発光される緑色光、および量子ドット(C)により発光される青色光により、白色光を具現化することができる。
また、量子ドットとして、形状がロッド状で指向性を持ち偏光を発する、いわゆる量子ロッドや、テトラポッド型量子ドットを用いてもよい。
前述のように、波長変換フィルム24において、波長変換層30は、樹脂等をマトリックスとして、量子ドット等を分散してなるものである。
ここで、マトリックスは、量子ドット層に用いられる公知のものが各種利用可能であるが、少なくとも2種以上の重合性化合物を含む重合性組成物を硬化させたものが好ましい。なお、少なくとも2種以上併用する重合性化合物の重合性基は、同一であっても異なっていてもよく、好ましくは、この少なくとも2種の化合物は少なくとも1つ以上の共通の重合性基を有することが好ましい。
重合性基の種類は、特に限定されないが、好ましくは、(メタ)アクリレート基、ビニル基またはエポキシ基、オキセタニル基であり、より好ましくは、(メタ)アクリレート基であり、さらに好ましくは、アクリレート基である。
また、波長変換層30のマトリックスとなる重合性化合物は、単官能の重合性化合物からなる第1の重合性化合物の少なくとも一種と、多官能重合性化合物からなる第2の重合性化合物の少なくとも一種とを含むことが好ましい。
具体的には、例えば、以下の第1の重合性化合物と第2の重合性化合物とを含む態様をとることができる。
<第1の重合性化合物>
第1の重合性化合物は、単官能(メタ)アクリレートモノマー、ならびにエポキシ基およびオキセタニル基からなる群から選択される官能基を1つ有するモノマーである。
単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、アクリル酸およびメタクリル酸、それらの誘導体、より詳しくは、(メタ)アクリル酸の重合性不飽和結合(メタ)アクリロイル基を分子内に1個有し、アルキル基の炭素数が1〜30である脂肪族または芳香族モノマーを挙げることができる。それらの具体例として以下に化合物を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
脂肪族単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素数が1〜30であるアルキル(メタ)アクリレート;
ブトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル基の炭素数が2〜30であるアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の(モノアルキルまたはジアルキル)アミノアルキル基の総炭素数が1〜20であるアミノアルキル(メタ)アクリレート;
ジエチレングリコールエチルエーテルの(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールブチルエーテルの(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノメチルエーテルの(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノメチルエーテルの(メタ)アクリレート、オクタエチレングリコールのモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールのモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールのモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ヘプタプロピレングリコールのモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールのモノエチルエーテル(メタ)アクリレート等のアルキレン鎖の炭素数が1〜10で末端アルキルエーテルの炭素数が1〜10のポリアルキレングリコールアルキルエーテルの(メタ)アクリレート;
ヘキサエチレングリコールフェニルエーテルの(メタ)アクリレート等のアルキレン鎖の炭素数が1〜30で末端アリールエーテルの炭素数が6〜20のポリアルキレングリコールアリールエーテルの(メタ)アクリレート;
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メチレンオキシド付加シクロデカトリエン(メタ)アクリレート等の脂環構造を有する総炭素数4〜30の(メタ)アクリレート;ヘプタデカフロロデシル(メタ)アクリレート等の総炭素数4〜30のフッ素化アルキル(メタ)アクリレート;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールのモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールのモノ(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレート;
グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基を有する(メタ)アクリレート;
テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のアルキレン鎖の炭素数が1〜30のポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート;
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミド; などが挙げられる。
芳香族単官能アクリレートモノマーとしては、ベンジル(メタ)アクリレート等のアラルキル基の炭素数が7〜20であるアラルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、第1の重合性化合物のなかでも、アルキル基の炭素数が4〜30である脂肪族または芳香族アルキル(メタ)アクリレートが好ましく、更には、n−オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メチレンオキシド付加シクロデカトリエン(メタ)アクリレートが好ましい。これにより、量子ドットの分散性が向上するからである。量子ドットの分散性が向上するほど、光変換層から出射面に直行する光量が増えるため、正面輝度および正面コントラストの向上に有効である。
エポキシ基を1つ有する単官能エポキシ化合物の例としては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブタジエンモノオキサイド、1,2−エポキシドデカン、エピクロロヒドリン、1,2−エポキシデカン、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、3−メタクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−アクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−ビニルシクロヘキセンオキサイド、4−ビニルシクロヘキセンオキサイド等が挙げられる。
オキセタニル基を1つ有する単官能オキセタン化合物の例としては、上述した単官能エポキシ化合物のエポキシ基を適宜オキセタン基に置換したものが利用できる。また、このようなオキセタン環を有する化合物については、特開2003−341217号公報、特開2004−91556号公報に記載されたオキセタン化合物のうち、単官能のものを適宜選択することもできる。
第1の重合性化合物は、第1の重合性化合物と第2の重合性化合物との総質量100質量部に対して、5〜99.9質量部含まれていることが好ましく、20〜85質量部含まれていることが好ましい。その理由は後述する。
<第2の重合性化合物>
第2の重合性化合物は、多官能(メタ)アクリレートモノマー、ならびにエポキシ基およびオキセタニル基からなる群から選択される官能基を分子内に2つ以上有するモノマーである。
2官能以上の多官能(メタ)アクリレートモノマーのうち、2官能の(メタ)アクリレートモノマーとしては、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート等が好ましい例として挙げられる。
また、2官能以上の多官能(メタ)アクリレートモノマーのうち、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーとしては、エピクロロヒドリン(ECH)変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド(EO)変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド(PO)変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、EO変性リン酸トリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が好ましい例として挙げられる。
また、多官能モノマーとして、分子内にウレタン結合を有する(メタ)アクリレートモノマー、具体的には、トリレンジイソシアネート(TDI)とヒドロキシエチルアクリレートとの付加物、イソホロンジイソシアネート(IPDI)とヒドロキシエチルアクリレートとの付加物、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)とペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)との付加物、TDIとPETAとの付加物を作り残ったイソシアナートとドデシルオキシヒドロキシプロピルアクリレートを反応させた化合物、6,6ナイロンとTDIの付加物、ペンタエリスリトールとTDIとヒドロキシエチルアクリレートの付加物等を用いることもできる。
エポキシ基およびオキセタニル基からなる群から選択される官能基を2つ以上有するモノマーとしては、例えば、脂肪族環状エポキシ化合物、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどの脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル類;脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステル類;高級脂肪酸のグリシジルエステル類;エポキシシクロアルカンを含む化合物等が好適に用いられる。
エポキシ基およびオキセタニル基からなる群から選択される官能基を2つ以上有するモノマーとして好適に使用できる市販品としては、ダイセル化学工業(株)のセロキサイド2021P、セロキサイド8000、シグマアルドリッチ社製の4−ビニルシクロヘキセンジオキシド等が挙げられる。
また、エポキシ基およびオキセタニル基からなる群から選択される官能基を2つ以上有するモノマーはその製法は問わないが、例えば、丸善KK出版、第四版実験化学講座20有機合成II、213〜、平成4年、Ed.by Alfred Hasfner,The chemistry of heterocyclic compounds−Small Ring Heterocycles part3 Oxiranes,John & Wiley and Sons,An Interscience Publication,New York,1985、吉村、接着、29巻12号、32、1985、吉村、接着、30巻5号、42、1986、吉村、接着、30巻7号、42、1986、特開平11−100378号公報、特許第2906245号公報、特許第2926262号公報などの文献を参考にして合成できる。
第2の重合性化合物は第1の重合性化合物と第2の重合性化合物との総質量100質量部に対して、0.1〜95質量部含まれていることが好ましく、15〜80質量部含まれているのが好ましい。その理由は後述する。
波長変換層30を形成するマトリックス、言い換えれば、波長変換層30となる重合性組成物は、必要に応じて、粘度調節剤や溶媒等の必要な成分を含んでもよい。なお、波長変換層30となる重合性組成物とは、言い換えれば、波長変換層30を形成するための重合性組成物である。
<粘度調節剤>
重合性組成物は、必要に応じて粘度調節剤を含んでいてもよい。粘度調節剤は、粒径が5〜300nmであるフィラーが好ましい。また、粘度調節剤はチキソトロピー性を付与するためのチキソトロピー剤であるのも好ましい。なお、本発明において、チキソトロピー性とは、液状組成物において、せん断速度の増加に対して粘性を減じる性質を指し、チキソトロピー剤とは、それを液状組成物に含ませることによって、組成物にチキソトロピー性を付与する機能を有する素材のことを指す。
チキソトロピー剤の具体例としては、ヒュームドシリカ、アルミナ、窒化珪素、二酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、タルク、雲母、長石、カオリナイト(カオリンクレー)、パイロフィライト(ろう石クレー)、セリサイト(絹雲母)、ベントナイト、スメクタイト・バーミキュライト類(モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイトなど)、有機ベントナイト、有機スメクタイト等が挙げられる。
波長変換層30を形成するための重合性組成物は、粘度が、せん断速度500s-1の時に3〜50mPa・sであり、せん断速度1s-1の時に100mPa・s以上が好ましい。このように粘度調節するために、チキソトロピー剤を用いることが好ましい。
重合性組成物の粘度がせん断速度500s-1の時に3〜50mPa・sが好ましく、せん断速度1s-1の時に100mPa・s以上が好ましい理由は、以下の通りである。
波長変換フィルム24(波長変換層30)の製造方法としては、一例として、後述する、2枚のガスバリアフィルム32を用意して、一方のガスバリアフィルム32の表面に、波長変換層30となる重合性組成物を塗布した後に、塗布した重合性組成物の上に、もう一枚のガスバリアフィルム32を貼り付けてから、重合性組成物を硬化して波長変換層30を形成する工程を含む製造方法が挙げられる。
以下の説明では、重合性組成物が塗布されるガスバリアフィルム32を第1基材、第1基材に塗布された重合性組成物に貼着される、もう一枚のガスバリアフィルム32を第2基材とも言う。
この製造方法では、第1基材に重合性組成物を塗布する際に塗布スジが生じないように均一に塗布して塗膜の膜厚を均一にすることが好ましく、そのためには塗布性とレベリング性の観点から重合性組成物の粘度は低い方が好ましい。一方、第1基材に塗布された重合性組成物の上に、第2基材を貼り付ける際には、第2基材を均一に貼り合せるために、貼り合せ時の圧力への抵抗力が高いことが好ましく、この観点から重合性組成物の粘度は高い方が好ましい。
前述のせん断速度500s-1とは、第1基材に塗布される重合性組成物に加わるせん断速度の代表値であり、せん断速度1s-1とは重合性組成物に第2基材を貼り合せる直前に重合性組成物に加わるせん断速度の代表値である。なお、せん断速度1s-1とはあくまでも代表値に過ぎない。第1基材に塗布された重合性組成物の上に第2基材を貼り合せる際に、第1基材と第2基材を同速度で搬送しつつ貼り合せるのであれば重合性組成物に加わるせん断速度はほぼ0s-1であり、実製造工程において重合性組成物に加わるせん断速度が1s-1に限定されるものではない。他方、せん断速度500s-1も同様に代表値に過ぎず、実製造工程において重合性組成物に加わるせん断速度が500s-1に限定されるものではない。
そして均一な塗布および貼り合せの観点から、重合性組成物の粘度を、第1基材に重合性組成物を塗布する際に重合性組成物に加わるせん断速度の代表値500s-1の時に3〜50mPa・sであり、第1基材に塗布された重合性組成物上に第2基材を貼り合せる直前に重合性組成物に加わるせん断速度の代表値1s-1の時に100mPa・s以上であるように調節することが好ましい。
<溶媒>
波長変換層30となる重合性組成物は、必要に応じて溶媒を含んでいてもよい。この場合に使用される溶媒の種類および添加量は、特に限定されない。例えば溶媒として、有機溶媒を一種または二種以上混合して用いることができる。
また、波長変換層30となる重合性組成物は、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロエチル(メタ)アクリレート、(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、パーフルオロブチル−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート等のフッ素原子を有する化合物を含んでいてもよい。
これらの化合物を含むことにより塗布性を向上させることができる。
<ヒンダードアミン化合物>
波長変換層30となる重合性組成物は、必要に応じてヒンダードアミン化合物を含んでいても良い。
ヒンダードアミン化合物としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ドデシルコハク酸イミド、1−[(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、テトラ(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、テトラ(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレート、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−{トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ}エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−{トリス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ}エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、1,5,8,12−テトラキス[4,6−ビス{N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル]−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジメチル縮合物、2−第三オクチルアミノ−4,6−ジクロロ−s−トリアジン/N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン縮合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン/ジブロモエタン縮合物、ビス(1-ウンデカノキシー2,2,6,6−テトラメチルピペリジンー4−イル)カルボネート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート、等が挙げられる。
ヒンダードアミン化合物を添加することにより、波長変換層30が高照度の光で着色することを抑止することができる。
<重合開始剤>
波長変換層30となる重合性組成物は、重合開始剤を含んでいてもよい。
重合開始剤は、重合性組成物が含有する重合性化合物に応じて、重合性化合物の重合反応を開始させられるものであれば、公知の各種の重合開始剤が利用可能である。例えば、重合性組成物が含有する重合性化合物が、(メタ)アクリレートとなどの光重合性の化合物である場合には、光重合開始剤を用いればよい。
光重合開始剤としては、各種の市販品が好適に利用可能である。具体的には、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社から市販されているイルガキュア(Irgacure)シリーズ(例えば、イルガキュア651、イルガキュア754、イルガキュア184、イルガキュア2959、イルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア379、イルガキュア819など)、ダロキュア(Darocure)シリーズ(例えば、ダロキュアTPO、ダロキュア1173など)、クオンタキュア(Quantacure)PDO、ランベルティ(Lamberti)社から市販されているエザキュア(Ezacure)シリーズ(例えば、エザキュアTZM、エザキュアTZT、エザキュアKTO46など)等が挙げられる。
重合性組成物が重合開始剤を含有する場合、その含有量は、重合性組成物に含まれる重合性化合物の全量の0.1モル%以上であるのが好ましく、0.5〜2モル%であるのがより好ましい。
なお、量子ドット層等の波長変換層30となる重合性組成物には、必要に応じて、シランカップリング剤等を添加してもよい。
波長変換層30において、マトリックスとなる樹脂の量は、波長変換層30が含む機能性材料の種類等に応じて、適宜、決定すればよい。
図示例においては、波長変換層30が量子ドット層であるので、マトリックスとなる樹脂は、量子ドット層の全量100質量部に対して、90〜99.9質量部が好ましく、92〜99質量部がより好ましい。
波長変換層30の厚さも、波長変換層30の種類や波長変換フィルム24の用途等に応じて、適宜、決定すればよい。
図示例においては、波長変換層30が量子ドット層であるので、取り扱い性および発光特性の点で、波長変換層30の厚さは、5〜200μmが好ましく、10〜150μmがより好ましい。
なお、波長変換層30の厚さは平均厚さを意図している。平均厚さは波長変換層30の任意の10点以上の厚さを測定して、それらを算術平均して求める。
波長変換フィルム24は、このような波長変換層30を2枚のガスバリアフィルム32で挟持してなる構成を有する。以下の説明では、『ガスバリアフィルム32』を『バリアフィルム32』とも言う。
バリアフィルム32は、支持基板の表面に、酸素等が透過しないガスバリア層を形成してなる、公知のガスバリアフィルムである。本発明においては、波長変換層30を2枚のバリアフィルム32で挟持することにより、波長変換層30の主面からの酸素や水分が侵入することを防止して、酸素や水分による波長変換層30の劣化を防止している。
バリアフィルム32は、酸素透過度が1×10-2cc/(m2・day・atm)以下であるのが好ましい。また、バリアフィルム32は、水蒸気透過度が1×10-3g/(m2・day)以下であるのが好ましい。
酸素透過度ならびに水蒸気透過度が低い、すなわち、ガスバリア性が高いバリアフィルム32を用いることで、波長変換層30への酸素および水分の浸入を防止して波長変換層30の劣化をより好適に防止することができる。
なお、酸素透過度は、一例として、APIMS法(大気圧イオン化質量分析法)による測定装置(日本エイピーアイ社製)を用いて、温度25℃、相対湿度60%RHの条件下で測定すればよい。水蒸気透過度は、一例として、温度40℃、相対湿度90%RHの条件下でモコン法によって測定した。また、水蒸気透過度が、モコン法の測定限界を超えた場合には、同じ条件下でカルシウム腐食法(特開2005−283561号公報に記載される方法)によって測定すればよい。
また、バリアフィルム32の厚さは5〜100μmが好ましく、10〜70μmがより好ましく、15〜55μmがさらに好ましい。
バリアフィルム32の厚さを5μm以上とすることで、2つのバリアフィルム32の間に波長変換層30を形成する際に、波長変換層30の厚さを均一にできる等の点で好ましい。また、バリアフィルム32の厚さを100μm以下とすることで、波長変換層30を含む波長変換フィルム24全体の厚さを薄くできる等の点で好ましい。
バリアフィルム32は、透明であるのが好ましい。
また、バリアフィルム32は、剛直なシート状であってもよいし、フレキシブルなフィルム状であってもよい。さらに、バリアフィルム32また、巻回が可能な長尺状であってもよいし、予め所定の寸法に切り分けられた枚葉状であってもよい。
バリアフィルム32は、支持基板にガスバリア性を発現するガスバリア層を形成してなる、公知のガスバリアフィルムが、各種、利用可能である。
好適なバリアフィルム32として、支持基板と、支持基板の表面に、ガスバリア層として、無機層と、この無機層の下地(形成面)となる有機層との組み合わせを、1組以上、形成してなる、有機無機積層型のガスバリアフィルムが好適に用いられる。
一例として、支持基板の一方の表面に有機層を有し、有機層の表面に、有機層を下地層として無機層を有する、無機層と下地有機層との組み合わせを1組有する、有機無機積層型のガスバリアフィルムが例示される。
別の例として、支持基板の一方の表面に有機層を有し、有機層の表面に、有機層を下地層として無機層を有し、この無機層の上に2層目の有機層を有し、2層目の有機層を下地層として2層目の無機層を有する、無機層と下地有機層との組み合わせを2組有する、有機無機積層型のガスバリアフィルムが例示される。
あるいは、無機層と下地有機層との組み合わせを3組以上有する、有機無機積層型のガスバリアフィルムも利用可能である。基本的に、無機層と下地有機層との組み合わせが多い程、ガスバリアフィルムが厚くなる反面、高いガスバリア性が得られる。
以下の説明では『有機無機積層型のガスバリアフィルム』を『積層型バリアフィルム』とも言う。
積層型ガスバリアフィルムでは、ガスバリア性を主に発現するのは無機層である。
波長変換フィルム24のバリアフィルム32として積層型バリアフィルムを利用する際には、いずれの層構成であっても、最上層すなわち支持基板と逆側の最表層を無機層として、無機層を内側すなわち波長変換層30側にするのが好ましい。すなわち、波長変換フィルム24のバリアフィルム32として積層型バリアフィルムを利用する際には、無機層を波長変換層30に接触した状態として、バリアフィルム32で波長変換層30を挟持するのが好ましい。これにより、有機層の端面から酸素等が侵入して波長変換層30に侵入することを、より好適に防止できる。
積層型バリアフィルムの支持基板としては、公知のガスバリアフィルムで支持基板として用いられているものが、各種、利用可能である。
中でも、薄手化や軽量化が容易である、フレキシブル化に好適である等の点で、各種のプラスチック(高分子材料/樹脂材料)からなるフィルムが好適に利用される。
具体的には、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリトニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)、透明ポリイミド、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、シクロオレフィン・コポリマー(COC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、および、トリアセチルセルロース(TAC)からなる樹脂フィルムが、好適に例示される。
支持基板の厚さは、用途や大きさによって、適宜、設定すればよい。ここで、本発明者の検討によれば、支持基板の厚さは、10〜100μm程度が好ましい。支持基板の厚さを、この範囲にすることにより、軽量化や薄手化、等の点で、好ましい結果を得る。
なお、支持基板は、このようなプラスチックフィルムの表面に、反射防止や位相差制御、光取り出し効率向上等の機能が付与されていてもよい。
前述のように、積層型バリアフィルムにおいて、ガスバリア層は、主にガスバリア性を発現する無機層と、無機層の下地層となる有機層とを有する。
なお、積層型バリアフィルムにおいては、前述のように最上層を無機層として、無機層側を波長変換層30に向けるのが好ましい。しかしながら、積層型バリアフィルムでは、必要に応じて、最上層に、無機層を保護するための有機層を有してもよい。あるいは、積層型バリアフィルムは、必要に応じて、最上層に、波長変換層30との密着性を確保するための有機層を有してもよい。この密着性を確保するための有機層も、無機層の保護層として作用してもよい。
有機層は、積層型バリアフィルムにおいて主にガスバリア性を発現する無機層の下地層となるものである。
有機層は、公知の積層型バリアフィルムで有機層として用いられているものが、各種、利用可能である。例えば、有機層は、有機化合物を主成分とする膜で、基本的に、モノマーおよび/またはオリゴマを、架橋して形成されるものが利用できる。
積層型バリアフィルムは、無機層の下地となる有機層を有することにより、支持基板の表面の凹凸や、表面に付着している異物等を包埋して、無機層の成膜面を適正にできる。その結果、成膜面の全面に、隙間無く、割れやヒビ等の無い適正な無機層を成膜できる。これにより、酸素透過度が1×10-2cc/(m2・day・atm)以下、および、水蒸気透過度が1×10-3g/(m2・day)以下となるような、高いガスバリア性能を得ることができる。
また、積層型バリアフィルムは、この下地となる有機層を有することにより、この有機層が、無機層のクッションとしても作用する。そのため、無機層が外部から衝撃を受けた場合などに、この有機層のクッション効果によって、無機層の損傷を防止できる。
これにより、積層型バリアフィルムにおいて、無機層が適正にガスバリア性能を発現して、水分や酸素による波長変換層30の劣化を、好適に防止できる。
積層型バリアフィルムにおいて、有機層の形成材料としては、各種の有機化合物(樹脂、高分子化合物)が、利用可能である。
具体的には、ポリエステル、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリスチレン、透明フッ素樹脂、ポリイミド、フッ素化ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、セルロースアシレート、ポリウレタン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、脂環式ポリオレフィン、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、フルオレン環変性ポリカーボネート、脂環変性ポリカーボネート、フルオレン環変性ポリエステル、アクリロイル化合物、などの熱可塑性樹脂、あるいはポリシロキサン、その他の有機ケイ素化合物の膜が好適に例示される。これらは、複数を併用してもよい。
中でも、ガラス転移温度や強度に優れる等の点で、ラジカル重合性化合物および/またはエーテル基を官能基に有するカチオン重合性化合物の重合物から構成された有機層は、好適である。
中でも特に、上記強度に加え、屈折率が低い、透明性が高く光学特性に優れる等の点で、アクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマーあるいはオリゴマの重合体を主成分とする、ガラス転移温度が120℃以上のアクリル樹脂やメタクリル樹脂は、有機層として好適に例示される。その中でも特に、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(DPGDA)、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TMPTA)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(DPHA)などの、2官能以上、特に3官能以上のアクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマーやオリゴマの重合体を主成分とする、アクリル樹脂やメタクリル樹脂は、好適に例示される。また、これらのアクリル樹脂やメタクリル樹脂を、複数、用いるのも好ましい。
有機層を、このようなアクリル樹脂やメタクリル樹脂で形成することにより、骨格がしっかりした下地の上に無機層を成膜できるので、より緻密でガスバリア性が高い無機層を成膜できる。
有機層の厚さは、1〜5μmが好ましい。
有機層の厚さを1μm以上とすることにより、より好適に無機層の成膜面を適正にして、割れやヒビ等の無い適正な無機層を、成膜面の全面に渡って成膜できる。
また、有機層の厚さを5μm以下とすることにより、有機層が厚すぎることに起因する、有機層のクラックや、積層型バリアフィルムのカール等の問題の発生を、好適に防止することができる。
以上の点を考慮すると、有機層の厚さは、1〜3μmとするのが、より好ましい。
なお、積層型バリアフィルムが下地層としての有機層を複数有する場合には、各有機層の厚さは、同じでも、互いに異なってもよい。
また、積層型バリアフィルムが有機層を複数有する場合には、各有機層の形成材料は、同じでも異なってもよい。しかしながら、生産性等の点からは、全ての有機層を、同じ材料で形成するのが好ましい。
有機層は、塗布法やフラッシュ蒸着等の公知の方法で成膜すればよい。
また、有機層の下層となる無機層との密着性を向上するために、有機層は、シランカップリング剤を含有するのが好ましい。
有機層の上には、この有機層を下地として、無機層が成膜される。無機層は、無機化合物を主成分とする膜で、積層型バリアフィルムにおけるガスバリア性を主に発現するものである。
無機層としては、ガスバリア性を発現する、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属炭窒化物等からなる膜が、各種、利用可能である。
具体的には、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化インジウムスズ(ITO)などの金属酸化物; 窒化アルミニウムなどの金属窒化物; 炭化アルミニウムなどの金属炭化物; 酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素、酸炭化ケイ素、酸化窒化炭化ケイ素などのケイ素酸化物; 窒化ケイ素、窒化炭化ケイ素などのケイ素窒化物; 炭化ケイ素等のケイ素炭化物; これらの水素化物; これら2種以上の混合物; および、これらの水素含有物等の、無機化合物からなる膜が、好適に例示される。なお、本発明においては、ケイ素も金属と見なす。
特に、透明性が高く、かつ、優れたガスバリア性を発現できる点で、ケイ素酸化物、ケイ素窒化物、ケイ素酸窒化物およびケイ素酸化物等のケイ素化合物からなる膜は、好適に例示される。その中でも特に、窒化ケイ素からなる膜は、より優れたガスバリア性に加え、透明性も高く、好適に例示される。
なお、積層型バリアフィルムが複数の無機層を有する場合には、無機層の形成材料は、互いに異なってもよい。しかしながら、生産性等の点からは、全ての無機層を、同じ材料で形成するのが好ましい。
無機層の厚さは、形成材料に応じて、目的とするガスバリア性を発現できる厚さを、適宜、決定すればよい。なお、本発明者らの検討によれば、無機層の厚さは、10〜200nmが好ましい。
無機層の厚さを10nm以上とすることにより、十分なガスバリア性能を安定して発現する無機層が形成できる。また、無機層は、一般的に脆く、厚過ぎると、割れやヒビ、剥がれ等を生じる可能性が有るが、無機層の厚さを200nm以下とすることにより、割れが発生することを防止できる。
また、このような点を考慮すると、無機層の厚さは、10〜100nmが好ましく、15〜75nmがより好ましい。
なお、積層型バリアフィルムが複数の無機層を有する場合には、各無機層の厚さは、同じでも異なってもよい。
無機層は、形成材料に応じて、公知の方法で形成すればよい。具体的には、CCP(Capacitively Coupled Plasma 容量結合プラズマ)−CVD(chemical vapor deposition)やICP(Inductively Coupled Plasma 誘導結合プラズマ)−CVD等のプラズマCVD、マグネトロンスパッタリングや反応性スパッタリング等のスパッタリング、真空蒸着など、気相堆積法が好適に例示される。
このようなバリアフィルム32で波長変換層30を挟持してなる波長変換フィルム24の面積(面方向の大きさ)には、限定はなく、面状照明装置10の大きさ等に応じて、適宜、設定すればよい。
具体的には、図示例のように、支持体20の面方向に離間して複数の波長変換フィルム24を有するバックライト用フィルム16では、波長変換フィルム24は、面積が1000mm2以下であるのが好ましい。
波長変換フィルム24の面積を1000mm2以下とすることにより、複数の小型の波長変換フィルム24を離間して用いることによる、波長変換フィルム24の使用量の低減効果を好適に得られる点で好ましい。
また、支持体20の面積に対する、複数の波長変換フィルム24の合計面積にも限定は無く、光源14の数、支持体20の面積や、バックライト用フィルム16に要求される光の輝度等に応じて、適宜、設定すればよい。
本発明者らの検討によれば、支持体20の面積に対する波長変換フィルム24の合計面積を20%以下とすることにより、波長変換フィルム24の使用量を十分に低減できる点で好ましい。
図示例において、波長変換フィルム24の形状(平面形状=面方向の形状)は、正方形であるが、本発明はこれに限定はされず、各種の形状の波長変換フィルムが利用可能である。
一例として、長方形、円形、三角形および六角形のいずれかの形状が例示される。
中でも、波長変換フィルム24の面積に対する、光源14からの入射光(ビームスポット)の面積率を大きくできる点で、正方形は好適に例示される。
波長変換フィルム24の厚さにも、限定はなく、波長変換層30の形成材料、バリアフィルム32の形成材料や層構成に応じて、適宜、設定すればよい。
すなわち、波長変換フィルム24の好ましい厚さは、基本的に、前述の波長変換層30の好ましい厚さ、および、バリアフィルム32の好ましい厚さに対応する厚さである。
波長変換フィルム24は、支持体20とは逆側のバリアフィルム32の表面に、光拡散層を有してもよい。すなわち、バリアフィルム32が前述の積層型バリアフィルムである場合には、支持体20とは逆側の支持基板の表面に、光拡散層を有してもよい。
波長変換フィルム24が光拡散層を有することにより、波長変換層30に入射する励起光量や、波長変換層30から出射される光量を増加させることにつながり、これにより面状照明装置10、すなわち、面状照明装置10を利用するLCD等の輝度を向上できる。
光拡散層は、公知のものが、各種、利用可能である。
一例として、樹脂等のバインダー(マトリックス)に、光拡散剤を分散してなる光拡散層が例示される。この際において、バインダーは、各種の樹脂等、バインダーに光拡散剤を分散してなる光拡散層に利用されている各種のものが利用可能である。また、光拡散剤も、各種の無機粒子等、バインダーに光拡散剤を分散してなる光拡散層に利用されている各種のものが利用可能である。すなわち、この光拡散層において、バインダーの屈折率n1と光拡散剤の屈折率n2とが、n1>n2の関係を満たすものであれば、バインダーおよび光拡散剤は、公知の各種の材料が利用可能である。
図示例のバックライト用フィルム16は、好ましい態様として、支持体20を有し、支持体20の一方の主面に、小型の波長変換フィルム24を、多数、互いに離間した状態で設けた構成を有する。具体的には、バックライト用フィルム16は、図2に示すように、波長変換フィルム24を正方格子状に配列した構成を有する。
また、面状照明装置10では、1枚の波長変換フィルム24に対して、1個の光源14が設けられる。図示例においては、好ましい態様として、光源14は、面方向には、光軸を波長変換フィルム24の中心に一致して配置される。
バックライト用フィルム16は、このような構成を有することにより、面状照明装置10に要求される光の出射性能を十分に確保しつつ、波長変換フィルム24(波長変換層30(量子ドット層))の使用量を大幅に低減して、かつ、コストダウンも図っている。
なお、前述のように、本発明のバックライト用フィルム16を利用する面状照明装置10は、LCDのバックライドユニット等に利用されるものである。従って、面状照明装置10の光出射面の上には、LCDの面方向に光を均一にするために、拡散板や、稜線を直交して配置される2枚のプリズムシートなどが配置される。
そのため、図1および図2に示すように、波長変換フィルム24を離間して二次元的に配列しても、LCDの液晶表示パネルに入射する光は、面方向にほぼ均一にできる。
ここで、本発明のバックライト用フィルム16において、波長変換フィルム24は、LED(発光ダイオード)が出射した、中心波長(最大輝度の波長(最大ピーク波長))を455nmとする光が、波長変換フィルム24のフィルム面上で照度(放射照度)が0.1W/cm2となる条件で照射された場合に、光の照射開始から3分が経過した時点における発光の輝度をL0、光の照射開始から24時間が経過した時点における発光の輝度をL1としたときに、下記の式(1)を満たす。
|(L1−L0)/L0|×100 ≦ 5[%]・・・式(1)
すなわち、本発明の波長変換フィルム24は、LEDが出射した、波長変換フィルム24のフィルム面上での照度(放射照度)が0.1W/cm2で、中心波長が455nmの光を照射された際に、光の照射開始から3分が経過した時点における発光の輝度に対する、光の照射開始から24時間が経過した時点における発光の輝度の変動率が、5%以下である。
さらに、本発明のバックライト用フィルム16は、波長変換フィルム24の端面、具体的には面方向の端面を全面的に封止する、端面封止層26を有する。端面封止層26は、波長変換フィルム24の端面から、波長変換層30に酸素および水分が侵入するのを防止するための層である。
本発明のバックライト用フィルム16は、このような構成を有することにより、青色光を連続的に照射されて、連続的に発光しても、輝度および色味の変化が極めて少ない、所定の光を安定して出射することができる。
前述のように、本発明のバックライト用フィルム16は、LCDのバックライトユニット等に利用されるものである。
LCDが適正な画像を安定して表示するために、LCDのバックライトユニットには、所定の輝度および色味(波長)の光を安定して出射できることが要求される。すなわち、LCDのバックライトユニットに用いられる波長変換フィルムには、励起光の入射によって、短時間で所定輝度の光を出射する状態になり、しかも、所定輝度の光を、安定して連続的に出射できることが要求される。
また、LCDの色域を広くできる等の点で、LCDのバックライトユニットに用いられるは波長変換フィルムは、入射した青色光を波長変換して出射する赤色光および緑色光の半値幅が、狭いのが好ましい。
しかしながら、本発明者らの検討によれば、波長変換フィルムに蛍光体の励起のための青色光を連続的に照射すると、波長変換フィルムが出射する光の輝度が安定せず、長時間に渡って連続的に出射する光の輝度が上昇し、輝度は安定しない。また、波長変換フィルムは、この輝度の変動に伴って、出射する光の色味も変化してしまう。
さらに、波長変換フィルムに蛍光体の励起のための青色光を連続的に照射すると、波長変換によって出射する赤色光および緑色光の半値幅も変化してしまう場合もある。
本発明者らの検討によれば、この現象は、波長変換層が、(メタ)アクリレート基、ビニル基またはエポキシ基、およびオキセタニル基の少なくとも1つ、特に、(メタ)アクリレート基を有する重合性化合物の1種以上を重合したマトリックスを有し、かつ、波長変換層すなわち波長変換層を形成するための重合性組成物が、光重合開始剤を含有する場合に、生じ易い傾向にある。
さらに、上記条件を満たした上で、波長変換層のマトリックスとなる重合性化合物が、単官能の重合性化合物からなる第1の重合性化合物の少なくとも一種と、多官能重合性化合物からなる第2の重合性化合物の少なくとも一種とを含む場合は、より、この現象が生じ易くなる。
また、波長変換層、特に量子ドットは酸素や水分に弱い。
波長変換層をガスバリアフィルムで挟持することで、波長変換層の主面から侵入する酸素等による波長変換層の劣化は防止できる。しかしながら、酸素等は、波長変換層の端面からも侵入して、波長変換層を劣化させる。
そのため、経時と共に酸素等との接触によって波長変換層が劣化して、波長変換フィルムが出射する光の輝度が低下し、それに応じて、出射光の色味も変動してしまう。
このような端面から侵入する酸素等による波長変換層の劣化の進行は、波長変換フィルムの面積に関わらず一定である。従って、波長変換フィルムの面積が小さい程、全体の面積に対する劣化部の面積が大きくなる。すなわち、端面から侵入する酸素による波長変換層の劣化による輝度低下は、小型の波長変換フィルムほど大きく、中でも、面積が1000mm2以下の波長変換フィルムでは、大きな輝度低下に繋がる。
これに対し、本発明のバックライト用フィルム16は、波長変換フィルム24が、LEDが出射した中心波長を455nmとする光が、波長変換フィルム24のフィルム面上で照度0.1W/cm2となる条件で照射された場合に、光の照射開始から3分が経過した時点における発光の輝度をL0、光の照射開始から24時間が経過した時点における発光の輝度をL1としたときに、式(1)を満たす特性を有し、かつ、波長変換フィルム24の端面から酸素等が波長変換層30に侵入することを防止する端面封止層26を有する。
|(L1−L0)/L0|×100 ≦ 5[%]・・・式(1)
なお、式(1)は、言い換えれば、中心波長が455nmの光を、波長変換フィルム24のフィルム面上での照度が0.1W/cm2となる条件で照射された際における、3分経過時と24時間経過時とにおける波長変換フィルム24の発光輝度の変動率を示している。従って、以下の説明では、この式(1)で算出される数値を、単に『輝度変動率』とも言う。すなわち、本発明の波長変換フィルム24は、輝度変動率が5%以下である。
理由は定かでは無いが、本発明のバックライト用フィルム16は、波長変換フィルム24の輝度変動率が5%以下であることにより、前述のような出射光の輝度変動を抑制して、輝度および色味が安定した光を出射できる。また、端面封止層26を有することにより、小型の波長変換フィルム24であっても、端面から波長変換層30に酸素等が侵入することを防止し、酸素等の侵入に起因する波長変換層30の劣化も防止できる。
その結果、本発明のバックライト用フィルム16は、起動した後、短時間で所定輝度で所定の色味の光を出射できると共に、適正な輝度および色味の光を、長時間、安定して連続的に出射することができる。しかも、このような本発明のバックライト用フィルム16は、波長変換によって出射する赤色光および緑色光の半値幅も狭くできる。
本発明のバックライト用フィルム16において、波長変換フィルム24の輝度変動率が5%を超えると、出射光の輝度変動を十分に抑制することができず、やはり、波長変換フィルム24の出射光の輝度が不安定になってしまう。
また、端面封止層26を有さないと、端面から酸素等が侵入して波長変換層30が劣化してしまい、やはり、経時と共に、波長変換フィルム24の出射光の輝度が低下する。
なお、端面から侵入する酸素等による波長変換層30の劣化を好適に防止できる点で、端面封止層26の酸素透過度は1cc/(m2・day・atm)以下であるのが好ましく、1×10-1cc/(m2・day・atm)以下であるのがより好ましく、1×10-2cc/(m2・day・atm)以下であるのがさらに好ましく、1×10-3cc/(m2・day・atm)以下であるのが特に好ましい。
さらに、同様の理由で、端面封止層26の水蒸気透過度は100(g/(m2・day))/30μm以下であるのが好ましく、10(g/(m2・day))/30μm以下であるのがより好ましい。
このような輝度変動率が5%以下の波長変換フィルム24は、一例として、波長変換フィルムを作製した後、波長変換フィルムを加熱しつつ、波長変換層30に紫外線を照射する、加熱紫外線照射処理を行うことで作製できる。
加熱紫外線照射処理の条件は、波長変換層30、あるいはさらにバリアフィルム32および端面封止層26の形成材料に応じて、適宜、設定すればよいが、好ましい条件として、以下の処理条件が例示される。
この加熱紫外線照射処理において、波長変換フィルム24の加熱は、波長変換フィルム24の表面温度が80〜180℃となるように行うのが好ましく、波長変換フィルム24の表面温度が90〜150℃となるように行うのがより好ましい。なお、波長変換フィルム24の表面温度は、例えば、熱電対または放射温度計等を用いて測定すればよい。
波長変換フィルム24の加熱を、波長変換フィルム24の表面温度が80℃以上となるように行うことにより、加熱紫外線照射処理の効果を十分に得て、好適に輝度変動率が5%以下の波長変換フィルム24を得ることができる、波長変換フィルム24が出射する光の半値幅を狭くできる等の点で好ましい。
また、波長変換フィルム24の表面温度を180℃以下とすることにより、熱による波長変換層30やバリアフィルム32の損傷を防止できる点で好ましい。
加熱は、ヒータを用いる方法、温風を用いる方法等、公知の方法で行えばよい。
加熱紫外線照射処理で照射する紫外線は、中心波長が345〜395nmの紫外線が好ましい。
照射する紫外線の中心波長を395nm以下とすることにより、加熱紫外線照射処理の効果を十分に得て、好適に輝度変動率が5%以下の波長変換フィルム24を得ることができる、波長変換フィルム24が出射する光の半値幅を狭くできる等の点で好ましい。
また、照射する紫外線の中心波長を345nm以上とすることにより、紫外線の照射よる波長変換層30の劣化を防止できる点で好ましい。
なお、本発明において、紫外線とは、中心波長が200〜405nmの光である。
加熱紫外線照射処理において照射する紫外線は、波長変換フィルムのフィルム面上における照度が1〜5W/cm2であるのが好ましく、2.5〜3.5W/cm2であるのがより好ましい。
紫外線の照度を1W/cm2以上とすることにより、加熱紫外線照射処理の効果を十分に得て、好適に輝度変動率が5%以下の波長変換フィルム24を得ることができる、波長変換フィルム24が出射する光の半値幅を狭くできる等の点で好ましい。
紫外線の照度を5W/cm2以下とすることにより、紫外線の照射による波長変換層30の劣化を防止できる点で好ましい。
なお、紫外線の照射に用いる光源は、所望の紫外線を照射できる光源が、各種、利用可能である。
一例として、LED、メタルハライドランプ、水銀ランプ等が例示される。
さらに、加熱紫外線照射処理の時間は、1〜1000秒が好ましく、10〜100秒がより好ましい。
加熱照射処理の時間を1秒以上とすることにより、加熱紫外線照射処理の効果を十分に得て、好適に輝度変動率が5%以下の波長変換フィルム24を得ることができる、波長変換フィルム24が出射する光の半値幅を狭くできる等の点で好ましい。
加熱照射処理の時間を1000秒以下とすることにより、余分な処理を無くして処理時間を短縮できる、熱や紫外線による波長変換層30およびガスバリアフィルム32の劣化を防止できる等の点で好ましい。
なお、加熱紫外線照射処理は、波長変換フィルム24を形成した後に限定はされず、例えば、端面封止層26を形成した後など、波長変換層30を形成した後であれば、任意のタイミングで行えばよい。
前述のように、本発明のバックライト用フィルム16において、波長変換フィルム24は、端面の全域を、端面からの酸素等の侵入を防止する端面封止層26で覆われている。
端面封止層26は、酸素および水分の透過を防止できるものであれば、各種の材料からなる層が利用可能である。
端面封止層26の形成材料としては、一例として、酸素透過度が1cc/(m2・day・atm)以下となる端面封止層26を形成可能な,公知の各種の樹脂材料が例示される。
ここで、樹脂材料からなる端面封止層26は、一般的に、主に端面封止層26となる化合物(モノマー、ダイマー、トリマー、オリゴマー、ポリマー等)、必要に応じて添加される架橋剤や界面活性剤などの添加剤、有機溶剤等を含む組成物を調製して、この組成物を端面封止層26の形成面に塗布し、組成物を乾燥し、必要に応じて紫外線照射や加熱等によって主に端面封止層26を構成する化合物を重合(架橋・硬化)して形成するのが好ましい。
本発明のバックライト用フィルム16において、端面封止層26を形成するための組成物は、重合性化合物を含有し、あるいはさらに、水素結合性化合物を含有するのが好ましい。なお、重合性化合物とは、重合性を有する化合物であり、水素結合性化合物とは、水素結合性を有する化合物である。
端面封止層26は、基本的に、重合性化合物あるいはさらに水素結合性化合物を主体として形成されるのが好ましい。ここで、端面封止層26を形成するための組成物が含有する重合性化合物および水素結合性化合物は、親水度logPが4以下であるのが好ましく、3以下であるのがより好ましい。
なお、本発明において、親水度を示すLogP値とは、1−オクタノール/水の分配係数の対数値をいうものである。LogP値は、フラグメント法、原子アプローチ法等を用いて計算により算出することができる。本明細書に記載のLogP値は、化合物の構造からCambridge Soft社製ChemBioDraw Ultra12.0を用いて計算されるLogP値である。
前述のように、波長変換層30は、量子ドットなどの光学的な機能を発現する材料を、マトリックスとなる樹脂に分散してなるものである。
ここで、波長変換層30では、マトリックスとして、疎水性の樹脂を用いる場合が少なくない。特に、波長変換層30が量子ドット層である場合には、マトリックスとして疎水性の樹脂が用いられる場合が多い。
基本的に、量子ドット等をマトリックスとなる樹脂に分散してなる波長変換層30と、樹脂材料からなる端面封止層26との密着力は高い。しかしながら、疎水性のマトリックスを用いる波長変換層30との密着力を、より高くするためには、端面封止層26は、疎水性の化合物で形成するのが好ましい。
一方、周知のように、化合物は、親水度logPが低い方が親水性が高い。すなわち、波長変換層30との密着力が強い端面封止層26を形成するためには、主体となる重合性化合物や水素結合性化合物は、親水度logPが高い方が好ましい。
その半面、疎水性の高い化合物からなる樹脂は、酸素透過性が高く、樹脂層の酸素透過度という点では、主体となる重合性化合物や水素結合性化合物は、親水度logPが低い方が好ましい。
従って、端面封止層26を、親水度logPが4以下の重合性化合物および水素結合性化合物を用いて形成することにより、適度な疎水性によって波長変換層30との高い密着力を確保しつつ、酸素透過度が十分に低い端面封止層26を形成することができる。
なお、酸素透過度の点では、重合性化合物および水素結合性化合物は、親水度logPは低い方が好ましい。しかしながら、親水度logPが低すぎると、親水性が高すぎてしまい、端面封止層26と波長変換層30との密着力が弱くなってしまい、端面封止層26の耐久性が低下してしまうことも懸念される。
この点を考慮すると、重合性化合物および水素結合性化合物の親水度logPは、0.0以上が好ましく、0.5以上がより好ましい。
また、本発明のバックライト用フィルム16において、端面封止層26を形成する組成物は、組成物の固形分全量を100質量部とした際に、水素結合性化合物を30質量部以上含有するのが好ましく、40質量部以上含有するのが好ましい。
なお、組成物の固形分全量とは、組成物から有機溶剤を除いた、形成される端面封止層26に残るべき成分の全量である。
端面封止層26を形成する組成物の固形分が、水素結合性化合物を30質量部以上含有することにより、分子間の相互作用を強くして、酸素透過性を低くできる。
水素結合とは、分子中で水素原子よりも電気陰性度が高い原子と共有結合している水素原子が、同じ分子中または異なる分子中の原子または原子群との間で引力的相互作用によって作る非共有結合性の結合をいう。
水素結合性を有する官能基とは、このような水素結合を生じさせることのできる水素原子を含む官能基である。具体的には、ウレタン基、ウレア基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミド基またはシアノ基等が挙げられる。
これらの官能基を有する化合物としては、具体的には、トリレンジイソシアナート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアナート(HDI)、イソホロンジイソシアナート(IPDI)、水素添加MDI(HMDI)等のジイソシアナートと、ポリ(プロピレンオキサイド)ジオール、ポリ(テトラメチレンオキサイド)ジオール、エトキシ化ビスフェノールA、エトキシ化ビスフェノールSスピログリコール、カプロラクトン変性ジオール、カーボネートジオール等のポリオール、および、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシドールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等のヒドロキシアクリレートとを反応させて得られるモノマー、オリゴマーが例示される。
また、エポキシ基を有する化合物に、ビスフェノールA型、ビスフェノールS型、ビスフェノールF型、エポキシ化油型、フェノールノボラック型等の化合物を反応させて得られるエポキシ化合物や、脂環型エポキシに、アミン化合物、酸無水物等を反応させて得られるエポキシ化合物も例示される。
さらに、前述のエポキシ化合物のカチオン重合物、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ブテンジオール−ビニルアルコール共重合体、ポリアクリロニトリル等も例示される。
中でも、硬化収縮が小さく波長変換フィルム24との密着に優れる観点から、エポキシ基を有する化合物、エポキシ基を有する化合物を反応させて得られる化合物が好ましい。
さらに、本発明のバックライト用フィルム16において、端面封止層26を形成する組成物は、組成物の固形分全量を100質量部とした際に、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、グリシジル基、オキセタン基、脂環式エポキシ基から少なくとも1つ選ばれる重合性官能基を有する重合性化合物を5質量部以上含有するのが好ましく、これらの重合性官能基を有する重合性化合物を10質量部以上含有するのがより好ましい。
本発明のバックライト用フィルム16においては、端面封止層26を形成する組成物の固形分が、(メタ)アクリロイル基等から少なくとも1つ選ばれる重合性官能基を有する重合性化合物を5質量部以上含有することにより、高温高湿下での耐久性に優れる端面封止層26を実現できる。
(メタ)アクリロイル基を有する重合性化合物としては、具体的には、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート等が例示される。
また、グリシジル基、オキセタン基、脂環エポキシ基等を有する重合性化合物としては、具体的には、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル等が例示される。
また、本発明において、(メタ)アクリロイル基やグリシジル基を有する重合性化合物は、市販品も好適に利用可能である。
これらの重合性化合物を含む市販品としては、三菱ガス化学社製のマクシーブ、EVONIK社製のNanopox450、Nanopox500、Nanopox630、荒川化学工業社製のコンポセラン102などのシリーズ、東レ・ファインケミカル社製のフレップ、チオコールLP、ヘンケル・ジャパン社製のロックタイトE−30CLなどのシリーズ、Epoxy Technology社製のEPO−TEX353NDなどのシリーズ等が好適に例示される。
本発明のバックライト用フィルムにおいて、端面封止層26を形成する組成物は、必要に応じて、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、グリシジル基、オキセタン基、脂環式エポキシ基を含まない重合性組成物を含有してもよい。
ただし、端面封止層26を形成する組成物において、これらの官能基を含まない重合性化合物は、組成物の固形分全量を100質量部とした際に、3質量部以下とするのが好ましい。
本発明のバックライト用フィルム16において、端面封止層26には、無機物の粒子(無機化合物からなる粒子)が分散されていてもよい。
端面封止層26が無機物の粒子を含有することにより、端面封止層26の酸素透過度をより低くでき、端面から侵入する酸素等に起因する波長変換層30の劣化を、より好適に防止できる。
端面封止層26に分散する無機物粒子の大きさには、特に限定は無く、端面封止層26の厚さ等に応じて、適宜、設定すればよい。
ここで、バックライト用フィルム16の面方向における端面封止層26の領域は、バックライト用フィルム16をバックライト等の装置に組み込んだ際における非有効面積となる。また、バックライト用フィルム16を装置に組み込む際には、バックライト用フィルム16の端面すなわち端面封止層26の端面は、平面状の方が好ましい。
この点を考慮すると、端面封止層26に分散する無機物粒子の大きさ(最大長)は、端面封止層26の厚さ未満であるのが好ましく、特に、小さいほど有利である。
なお、端面封止層26に分散する無機物粒子の大きさは、均一でも不均一でもよい。
端面封止層26における無機物粒子の含有量は、無機物粒子の大きさ等に応じて、適宜、設定すればよい。
本発明者らの検討によれば、端面封止層26における無機物粒子の含有量は、50質量%以下が好ましく、10〜30質量%がより好ましい。すなわち、端面封止層26を形成する組成物において、組成物の固形分全量を100質量部とした際に、無機物粒子の含有量が50質量部以下であるのが好ましく、10〜30質量部であるのがより好ましい。
無機物粒子による端面封止層26の酸素透過度の低減効果は、無機物粒子の含有量が多いほど高くなるが、無機物粒子の含有量を10質量%以上とすることにより、無機物粒子の添加効果をより好適に得て、酸素透過度が小さい端面封止層26を形成できる。
端面封止層26における無機物粒子の含有量を50質量%以下とすることにより、端面封止層26の密着性や耐久性を十分にできる、積層フィルムを裁断や打ち抜きする際にクラックが発生することを抑制できる等の点で好ましい。
端面封止層26に分散する無機物粒子としては、具体的には、シリカ粒子、アルミナ粒子、銀粒子、銅粒子等が例示される。
端面封止層26は、単層構成に限定はされない。例えば、下層(波長変換フィルム24側)のポリビニルアルコール層と上層のエポキシ樹脂層とを有する構成など、多層構成であってもよい。
さらに、端面封止層26は、下地金属層とメッキ層とからなる構成など、金属で形成してもよい。
端面封止層26の厚さには、特に限定は無く、端面封止層26の形成材料に応じて、必要な酸素バリア性および水蒸気バリア性を得られる厚さを、適宜、設定すればよい。
一例として、前述の樹脂材料からなる端面封止層26であれば、厚さは1〜100μmが好ましく、5〜50μmがより好ましい。
端面封止層26は、形成材料に応じた方法で形成すればよい。
樹脂材料からなる端面封止層26であれば、前述のように、端面封止層26となる組成物を調製して、調製した組成物を端面封止層26の形成面すなわち波長変換フィルムの端面に塗布し、その後、組成物を乾燥し、必要に応じて、紫外線照射や加熱等によって主に端面封止層26を構成する化合物を重合(架橋・硬化)して形成すればよい。
金属等の無機物からなる端面封止層26は、メッキ法、真空蒸着法、スパッタリング法など、形成材料に応じた公知の成膜方法で形成すればよい。
また、端面封止層26は、波長変換フィルム24、1枚毎に形成してもよいが、複数枚の波長変換フィルム24を積層して、波長変換フィルム24の積層体の端面に端面封止層26を形成し、その後、波長変換フィルム24を1枚ずつ剥離することで、複数枚の波長変換フィルム24に、同時に、端面封止層26を形成してもよい。
例えば、水平な平面上に端面封止層26を形成する組成物の液膜を形成する。一方で、複数枚の波長変換フィルム24を積層する。次いで、組成物の液膜に押し込むように、波長変換フィルム24の積層体の端面を浸漬し、鉛直方向に持ち上げて、積層体の端面に組成物を付着させる。その後、組成物を乾燥し、必要に応じて、紫外線照射や加熱等によって主に端面封止層26を構成する化合物を重合して、積層体の各波長変換フィルム24の端面に、端面封止層26を形成する。最後に、積層体から、波長変換フィルム24を、1枚ずつ、剥離すればよい。
前述のように、面状照明装置10において、筐体12の底板12a(底面)には、光源14が配置される。光源14は、面状照明装置10が出射する光の光源である。
光源14は、波長変換フィルム24(波長変換層30)によって波長変換される波長を有する光を出射するものであれば、公知の点光源が、各種、利用可能である。
中でも、前述のようにLEDは光源14として好適に例示される。また、前述のように、波長変換フィルム24の波長変換層30は、好ましい例として、量子ドットを樹脂等のマトリックスに分散してなる量子ドット層である。そのため、光源14としては、青色の光を出射する青色LEDは特に好適に用いられ、中でも特に、中心波長が450nm±50nmの青色LEDは好適に用いられる。
面状照明装置10において、光源14の出力には、特に限定はなく、面状照明装置10に要求される光の輝度(照度)等に応じて、適宜、設定すればよい。
また、中心波長、照度のプロファイルおよび半値全幅などの光源14の発光特性にも、特に限定はなく、面状照明装置10の大きさ、光源14と波長変換フィルム24との距離、波長変換層30の特性等に応じて、適宜、設定すればよい。
光源14は、光軸を波長変換フィルム24の中心に一致して配置される。言い換えれば、光源14の光軸に中心を一致して波長変換フィルム24が設けられる。
しかしながら、面状照明装置10において、面方向における光源14と波長変換フィルム24との位置関係は、これに限定はされず、少なくとも、光源14の光軸が、面方向において波長変換フィルム24内に位置すればよい。
光源14と波長変換フィルム24との距離には、特に限定はない。ここで、光源14として用いられるLEDは、拡散光を出射するので、光源14と波長変換フィルム24との距離は、光源14が出射した光が、全て、波長変換フィルム24の中に照射されるようにするのが好ましい。特に、光源14と波長変換フィルム24との距離は、光源14が出射した光のビームスポットが、面方向において波長変換フィルム24に内接する距離とするのが好ましい。
これにより、波長変換フィルム24を有効に使用でき、かつ、光源14が照射した光を、無駄なく効率よく利用できる。
図1〜図3に示すバックライト用フィルム16は、好ましい態様として、支持体20に、複数の小型の波長変換フィルム24を離間して設け、各波長変換フィルム24に1個の光源14を設けた構成を有するが、本発明は、これに限定はされず、各種の構成が利用可能である。
一例として、本発明のバックライト用フィルムは、図4および図5に概念的に示す面状照明装置38および40のように、筐体12の開放面の全面を閉塞する大型の波長変換フィルム24Lを有するものであってもよい。すなわち、図4および図5に示す例では、1枚の波長変換フィルム24Lによって、本発明のバックライト用フィルムが構成される。言い換えれば、本発明のバックライト用フィルムは、支持体を有さず、波長変換フィルムのみで構成されるものでもよい。さらに、1枚の波長変換フィルム24からなる本発明のバックライト用フィルムを、図1に示すような支持体20で支持してもよい。
この際において、本発明のバックライト用フィルムを用いる面状照明装置は、図4に示す面状照明装置38のように、光源14は1個でもよく、あるいは、図5に概念的に示す面状照明装置40のように、複数(図示例では3個)の光源を設けた構成でもよい。
さらに、本発明のバックライト用フィルムは、図1〜図5に示すような、直下型の面状照明装置のみならず、導光板を用いる、いわゆるエッジライト型の面状照明装置にも、利用可能である。
この際には、光源と、導光板の光入射面との間に、光源と波長変換フィルムとを対応させて、本発明のバックライト用フィルムを配置すればよい。
以上、本発明のバックライト用フィルムについて詳細に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行なってもよいのは、もちろんである。
以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明を、より詳細に説明する。なお、本発明は以下に記載する実施例に限定されるものではなく、以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順などは、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。
[実施例1]
<バリアフィルム32の作製>
支持基板として、PETフィルム(東洋紡社製、コスモシャインA4300、厚さ50μm)を用意した。なお、このPETフィルムは、両面にマット層を有するものである。
この支持基板の片面側に、以下の手順でバリア層を形成した。
トリメチロールプロパントリアクリレート(ダイセルサイテック社製)および光重合開始剤(ランベルティ社製、ESACURE KTO46)を用意し、質量比率として95:5となるように秤量し、これらをメチルエチルケトンに溶解させて、固形分濃度15%の塗布液とした。
この塗布液を、ダイコーターを用いてロール・トゥ・ロールによって支持基板に塗布し、50℃の乾燥ゾーンを通過させた。乾燥ゾーンの通過時間は3分であった。その後、窒素雰囲気下で紫外線を照射(積算照射量約600mJ/cm2)し、UV硬化にて硬化して有機層を形成し、巻き取った。支持基板に形成された有機層の厚さは、1μmであった。
以下の説明では、『ロール・トゥ・ロール』を『RtoR』とも言う。
次に、RtoRによる化学蒸着装置(CVD装置)を用いて、有機層の表面に無機層として窒化ケイ素層を形成した。
原料ガスは、シランガス(流量160sccm)、アンモニアガス(流量370sccm)、水素ガス(流量590sccm)、および窒素ガス(流量240sccm)を用いた。電源は、周波数13.56MHzの高周波電源を用いた。製膜圧力は40Pa、到達膜厚は50nmとした。
このようにして、バリアフィルム32として、PETフィルムからなる支持基板の表面に有機層を有し、有機層の上に無機層を有する、前述の積層型バリアフィルム(有機無機積層型のガスバリアフィルム)を作製した。バリアフィルム32は、2枚作製した。
<波長変換層30(量子ドット層)および波長変換フィルム24の作製>
下記の量子ドット含有重合性組成物を調製し、孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルタでろ過した後、30分間減圧乾燥した。
下記において、発光極大波長535nmの量子ドット1のトルエン分散液として、NN−ラボズ社製のCZ520−100を用いた。また、発光極大波長630nmの量子ドット2のトルエン分散液として、NN−ラボズ社製のCZ620−100を用いた。
これらはいずれもコアとしてCdSeを、シェルとしてZnSを、配位子としてオクタデシルアミンを、それぞれ用いた量子ドットであり、トルエンに3質量%の濃度で分散されている。
<<量子ドット含有重合性組成物>>
量子ドット1のトルエン分散液(発光極大:535nm) 10質量部
量子ドット2のトルエン分散液(発光極大:630nm) 1質量部
ラウリルメタクリレート 40質量部
2官能メタクリレート4G(新中村化学工業社製) 20質量部
3官能アクリレートTMPTA(ダイセルサイテック社製) 20質量部
ウレタンアクリレートUA−160TM(新中村工業社製) 10質量部
シランカップリング剤KBM−5103(信越化学工業社製) 10質量部
光重合開始剤イルガキュア819(BASF社製) 1質量部
前述のように作製したバリアフィルム32の1枚を、RtoRによって、長手方向に1m/分、60N/mの張力で連続搬送しながら、無機層の表面に調製した量子ドット含有重合性組成物をダイコーターによって塗布し、50μmの厚さの塗膜を形成した。
次いで、塗膜を形成したバリアフィルム32をバックアップローラに巻きかけ、塗膜の上に、もう1枚のバリアフィルム32を、無機層が塗膜に接する向きでラミネートし、2枚のバリアフィルム32で塗膜を挟持した状態で連続搬送しながら、100℃の加熱ゾーンを通過させた。加熱ゾーンの通過時間は3分であった。
その後、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、紫外線を照射して塗膜を硬化させ、波長変換層30(量子ドット層)を2枚のバリアフィルム32で挟持した、長尺な波長変換フィルムを作製した。なお、紫外線の照射量は2000mJ/cm2とした。
作成した長尺な波長変換フィルムを、トムソン打ち抜き刃によって切断して、25×25mmの小型の波長変換フィルム24を作製した。
次いで、波長変換フィルム24を、60℃に加熱した状態で、波長変換フィルム24に、中心波長が365nmで、照度が2W/cm2の紫外線を照射して、加熱紫外線照射処理を行った。加熱紫外線照射処理の時間は、8秒とした。なお、波長変換フィルム24の表面温度を熱電対によって測定したところ、95℃であった。
波長変換フィルム24の加熱は、ホットプレートによって行った。
紫外線の光源は、LED(アクロエッジ社製、UAW385)を用いた。
<端面封止層26を形成するための組成物の調製>
端面封止層26を形成する組成物として、固形分が以下の組成を有する組成物を調製した。なお、組成は、固形分全体を100質量部とした際の質量部である。
2液型熱硬化性エポキシ樹脂の主剤(三菱ガス化学株式会社製、M−100)
32質量部
2液型熱硬化性エポキシ樹脂の硬化剤(三菱ガス化学株式会社製、C−93)
68質量部
1−ブタノール 60質量部
<端面封止層26の形成>
加熱紫外線照射処理を行った波長変換フィルム24を積層した。
他方、調製した端面封止層26を形成するための組成物を、水平に保った平板上に塗布して、厚さ1000μmの液膜を形成した。
次いで、波長変換フィルム24の積層体の端面を、300μm、液膜に押し込んで、鉛直方向に持ち上げて、波長変換フィルム24の端面に、所定量の組成物を付着させた。その後、80℃で10分乾燥して、波長変換フィルムの端面に端面封止層26を形成した。
端面封止層26は、25×25mmの波長変換フィルム24の4つの端面、全てに形成した。
その後、積層した波長変換フィルム24を剥離して、端面に端面封止層26を形成した、個々の波長変換フィルム24とした。
波長変換フィルム24の端面を光学顕微鏡で確認したところ、波長変換フィルム24の端面全面を覆って、端面封止層26が形成されていることが確認できた。
<輝度変動率の測定>
端面封止層26を形成した波長変換フィルム24に、青色LED(Lumileds社製、LXK0-PR04-0016)を用い、中心波長が455nmの青色光を、波長変換フィルム24のフィルム面上で照度が0.1W/cm2となるように照射して、照射開始から3分が経過した時点(発光輝度L0)と、照射開始から24時間が経過した時点(発光輝度L1)における発光輝度を測定した。
発光輝度の測定は、波長変換フィルム24の中心において、波長変換フィルム24の面に対して垂直方向740mmの位置に設置した輝度計(SR3、TOPCON社製)によって測定した。
その結果、照射開始から3分が経過した時点における波長変換フィルム24の発光輝度L0は12940cd/m2、照射開始から24時間が経過した時点における波長変換フィルム24の発光輝度L1は13510cd/m2であった。
従って、この波長変換フィルム24の輝度変動率(|(L1−L0)/L0|×100)は、4.4%であった。
[実施例2]
加熱紫外線照射処理における、加熱温度を110℃、紫外線の中心波長を385nm、紫外線の照度を3.2mW/cm2、処理時間を12秒に変更した以外は、実施例1と同様に波長変換フィルム24を作製した。加熱紫外線照射処理における波長変換フィルム24の表面温度を実施例1と同様に測定したところ、145℃であった。
実施例1と同様に輝度変動率を測定したところ、照射開始から3分が経過した時点における波長変換フィルム24の発光輝度L0は13400cd/m2、照射開始から24時間が経過した時点における波長変換フィルム24の発光輝度L1は13590cd/m2で、輝度変動率は1.4%であった。
[比較例1]
加熱紫外線照射処理を行わない以外は、実施例1と同様に波長変換フィルム24を作製した。
実施例1と同様に輝度変動率を測定したところ、照射開始から3分が経過した時点における波長変換フィルム24の発光輝度L0は11760cd/m2、照射開始から24時間が経過した時点における波長変換フィルム24の発光輝度L1は12650cd/m2で、輝度変動率は7.6%であった。
[比較例2]
加熱紫外線照射処理における、加熱温度を40℃、紫外線の中心波長を365nm、紫外線の照度を0.8mW/cm2、処理時間を12秒に変更した以外は、実施例1と同様に波長変換フィルム24を作製した。加熱紫外線照射処理における波長変換フィルム24の表面温度を実施例1と同様に測定したところ、75℃であった。
実施例1と同様に輝度変動率を測定したところ、照射開始から3分が経過した時点における波長変換フィルム24の発光輝度L0は12450cd/m2、照射開始から24時間が経過した時点における波長変換フィルム24の発光輝度L1は13150cd/m2で、輝度変動率は5.6%であった。
[比較例3]
端面封止層26を形成しない以外は、実施例1と同様にしてバックライト用フィルムを作製した。
実施例1と同様に輝度変動率を測定したところ、照射開始から3分が経過した時点における波長変換フィルム24の発光輝度L0は13050cd/m2、照射開始から24時間が経過した時点における波長変換フィルム24の発光輝度L1は13620cd/m2で、輝度変動率は4.4%であった。
[面状照明装置の輝度変動率の測定]
<面状照明装置の作製>
筐体12として、100×100mmの開口面を、1面、有する、内面が鏡面の矩形の筐体を用意した。
一方、作製した波長変換フィルム24を、100×100mmの平板の中央に貼着して、波長変換フィルム24を平板で支持してなるバックライト用フィルムとした。この平板は、1面が鏡面であり、波長変換フィルム24は、鏡面側に貼着した。なお、平板は、波長変換フィルム24の貼着位置のみ、透明になっている。また、波長変換フィルム24の貼着は、OCA(スリーエム社製、8172CL)によって行った。
筐体12の底面に、開放面をバックライト用フィルムで閉塞した際に、波長変換フィルム24の中心と光軸とが一致するように、光源14を固定した。光源14は、青色LED(日亜化学社製、NSPB346KS、ピーク波長450nm、半値全幅55nm)を用いた。
次いで、筐体12の開放面を、バックライト用フィルムで閉塞して、面状照明装置を作製した。筐体12の閉塞は、波長変換フィルム24を内面側に向けて行った。
なお、光源14と波長変換フィルム24との距離は、波長変換フィルム24の表面において、光源14が出射した青色光のビームスポット径が16mmとなるように設定した。
このようにして作製した面状照明装置の光源を点灯して、ディスプレーカラーアナラザ(コニカミノルタ社製、CA−210)によって輝度を測定し、初期輝度B0とした。
そのまま、24時間、面状照明装置を点灯して、同様に輝度を測定して、試験後輝度B1とした。
初期輝度B0および試験後輝度B1から、下記式によって面状照明装置の輝度変動率[%]を評価した。
面状照明装置の輝度変動率[%]=|[(B1−B0)/B0]|×100
その結果、
実施例1の面状照明装置の輝度変動率は4.2%、
実施例2の面状照明装置の輝度変動率は1.1%、
比較例1の面状照明装置の輝度変動率は7.5%、
比較例2の面状照明装置の輝度変動率は5.9%、
比較例3の面状照明装置の輝度変動率は4.3%、であった。
[耐久性の評価]
まず、波長変換フィルム24の初期輝度(Y0)を以下の手順で測定した。市販のタブレット端末(Amazon社製Kindle(登録商標) Fire HDX 7”)を分解し、バックライトユニットを取り出した。取り出したバックライトユニットの導光板上に波長変換フィルム24を置き、その上に、向きが直交した2枚のプリズムシートを重ね置いた。青色光源から発し、波長変換フィルム24および2枚のプリズムシートを透過した光の輝度を、導光板の面に対して垂直方向740mmの位置に設置した輝度計(SR3、TOPCON社製)にて測定し、波長変換フィルム24の輝度とした。
次に、60℃相対湿度90%に保たれた恒温槽に波長変換フィルム24を投入し、1000時間保管した。1000時間後、波長変換フィルム24を取り出し、上記と同様の手順で、高温高湿試験後の輝度(Y1)を測定した。下記式のように、初期の輝度値(Y0)に対する、高温高湿試験後の輝度(Y1)の変化率(ΔY)を算出し、輝度変化を指標として、以下の基準で波長変換フィルム24の耐久性を評価した。
ΔY[%]=(Y0−Y1)/Y0×100
A:ΔY≦5%
B:5%<ΔY<15%
C:15%≦ΔY
その結果、
実施例1の耐久性評価はA、
実施例2の耐久性評価はA、
比較例1の耐久性評価はA、
比較例2の耐久性評価はA、
比較例3の耐久性評価はC、であった。
以上のように、輝度変動率が5%以下で、かつ、端面封止層を有する実施例1および実施例2の波長変換フィルムは、面状照明装置に利用して長時間の発光を行った際の輝度変動率が小さく、しかも、耐久性も十分である。
これに対し、端面封止層を有するが輝度変動率が5%を超えている比較例1および比較例2の波長変換フィルムは、共に、耐久性は良好であるが、面状照明装置に利用して長時間の発光を行った際の輝度変動率が本発明の波長変換フィルム24よりも大きい。また、輝度変動率は5%以下であるが、端面封止層を有さない比較例3の波長変換フィルムは、面状照明装置に利用して長時間の発光を行った際の輝度変動率は小さいが、耐久性が本発明の波長変換フィルム24に比して大幅に低い。
以上の結果より、本発明の効果は明らかである。
LCDのバックライトなど、各種の装置の照明光源として、好適に利用可能である。
10,38,40 照明装置
12 筐体
12a 底板
14 光源
16 バックライト用フィルム
20 支持体
24,24L 波長変換フィルム
26 端面封止層
30 波長変換層
32 (ガス)バリアフィルム

Claims (4)

  1. 硬化した波長変換層および前記硬化した波長変換層を挟むガスバリア層を有する波長変換フィルムと、
    前記波長変換フィルムの端面を封止する端面封止層と、を有し、
    前記波長変換フィルムは、発光ダイオードが出射した中心波長を455nmとする光が、前記波長変換フィルムのフィルム面上で照度0.1W/cm2となる条件で照射された場合において、光の照射開始から3分が経過した時点における発光の輝度をL0、光の照射開始から24時間が経過した時点における発光の輝度をL1としたときに、下記の式()を満たすバックライト用フィルムの製造方法であって、
    前記波長変換フィルムは、加熱された状態で、前記硬化した波長変換層に紫外線を照射する加熱紫外線照射処理がなされるバックライト用フィルムの製造方法。
    |(L1−L0)/L0|×100 ≦ 5[%]・・・式(
  2. 前記加熱紫外線照射処理時の前記波長変換フィルムの表面温度は、80℃〜180℃である請求項に記載のバックライト用フィルムの製造方法。
  3. 前記波長変換フィルムの加熱紫外線照射処理は、中心波長が345nm〜395nmでの紫外線を照射する請求項又はに記載のバックライト用フィルムの製造方法。
  4. 前記波長変換層は、(メタ)アクリレート基、ビニル基またはエポキシ基およびオキセタル基の少なくとも1つを有する重合性化合物の1種類以上、及び、光重合開始剤を含有する重合性組成物で形成する請求項のいずれか1項に記載のバックライト用フィルムの製造方法。
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