JP6712923B2 - 二重織物の縫い合わせ構造およびその製造方法 - Google Patents
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Description
この二重織物から衣服を作成する場合、まず、二重織物の生地を所望の形状に切断(裁断)する。その後、専用の器械により、二重織物の縫い代分の接結糸をカットして、生地を二枚に剥がす。
図8〜10により、二重織物のパーツX(表層X1、裏層X2)と、二重織物のパーツY(表層Y1、裏層Y2)の縫い合わせ部分を説明する。
2 次に残ったパーツYの裏層Y2で該縫い代を包むようにして裁ち端を内側に折りたたみ、手まつり縫いZでかがる。
このとき、二重織物の縫い合わせ部分、および裁ち端は、縫い代を手まつりで仕上げていくために、芯や裏地を使用することなく、縫い代部分の後始末をすることができ、非常に軽い仕上がりとなる。
現在は、上記まつり工程は、高度な縫製技術を持った職人による手まつり仕上げに頼っている。しかし、国内縫製分野において細かな手まつりを施せる職人は少なく、二重織物製品は高価な製品となっていた。また、贅沢な仕立てにはその分縫製時間を要し、一着の仕上がりに多大な時間を要した。
また、二重織物の縫い合わせ部分は、布地が6枚に重なり、特に冬物のように地厚の二重織物においては、縫合部分が厚い畝状に盛り上がり、ごろつき感が出てしまっていた。
該縫い合わされた端縁の縫い代は、重なり合った状態で第1のパーツの表層の裏側に折り返されており、第1のパーツの裏層の分離された端部は縫い代の幅より狭い幅の端縁部分が切断除去されており、該切断された裏層の端部の縁が細幅のかがりロックでかがられており、該かがりロックでかがられた第1のパーツの裏層の端部は前記重なり合って折り返された縫い代を覆った状態で、落としミシンにより前記第2のパーツと縫い合わされている構成を有している。
また、二重織物よりなる衣服は、上記構成の縫い合わせ部を具備している。
図1は二重織物の説明図である。
表層1と裏層2は、表層1の経糸、又は緯糸を裏層2に組み入れた接結糸3で重合されている。
このように織られている二重織物を、所望のパーツ、第1のパーツA,第2のパ−ツBに裁断する。
そして、第1のパーツA、第2のパーツBの端縁10,11を縫い合わせることにより、衣服などの二重織物製品を構成する。
1 第1のパーツAの裁断端面(切断端)10から、縫い代幅Lより長い寸法とした寸法幅Hで接結糸を切断する。・・図3参照
第2のパーツBは、裏層B2と表層B1が重合された状態となっている。
第1のパーツAは、縫い代寸法Lより長い寸法幅Hで接結糸が切断されて、裏層A2と表層A1は自由端となっている。使用生地によって異なるが、通常接結糸を切断する寸法幅Hは、12mm程度とする。
ここで、一定幅に接結糸を切断するために、あらかじめ切断端10から寸法幅Hに仮縫いnを施すこともある。
縫い合わされた第1のパーツAの表層A1と、第2のパーツBの表層B1、裏層B2端縁、すなわち、第1のパーツAの表層A1の縫い代A1−a,第2のパーツBの表層B1の縫い代B1−a、第2のパーツBの裏層B2の縫い代B2−aは、縫い代寸法Lで、重なり合った状態となる。ここで、縫い代幅Lは,接結糸を切断した切断幅Hの約半分、5〜6mm程度とする。
そして、重なった第1のパーツAの表層A1の縫い代A1−a,第2のパーツBの表層B1の縫い代B1−a、第2のパーツBの裏層B2の縫い代B2−aは、3層が重なった状態で第1のパーツAの表層A1の裏側に折り返される。
ここで、第1のパーツAの裏層A2のかがり幅は、生地により異なるが、1〜3mmである。細幅のかがりロックは、生地が厚い場合は、縫い幅を細く目を細くし生地の切り口を折り返さないメローロックとし、生地が薄い場合は、生地の切り口を折り曲げながらかがる巻きロックとすることが好ましい。また、1〜3mmの細幅であればオーバーロックでも良い。
2 裏層
3 接結糸
100 地縫い
A 第1のパーツ A1 表層 A1−a 縫い代
B 第2のパーツ B1 表層 B1−a 縫い代
M 細幅のかがりロック
P 落しミシン
Claims (5)
- 二重織りの織物からなる複数のパーツを縫い合わせた衣服の第1のパーツと第2のパーツとの縫い合わせ構造において、
前記第1のパーツの端部は二重織物の表層と裏層とを結合する接結糸が切断されて、表層と裏層が分離しており、
第1のパーツの表層の端縁と第2のパーツの端縁が地縫いで縫い合わされており、
該縫い合わされた端縁の縫い代は、重なり合った状態で第1のパーツの表層の裏側に折り返されており、第1のパーツの裏層の分離された端部は縫い代の幅より狭い幅の端縁部分が切断除去されており、該切断された裏層の端部の縁が細幅のかがりロックでかがられており、該かがりロックでかがられた第1のパーツの裏層の端部は前記重なり合って折り返された縫い代を覆った状態で、落としミシンにより前記第2のパーツと縫い合わされていることを特徴とする縫い合わせ構造。 - 前記細幅のかがりロックがメローロックであることを特徴とする請求項1記載の縫い合わせ構造。
- 前記細幅のかがりロックが巻きロックであることを特徴とする請求項1記載の縫い合わせ構造。
- 複数のパーツを縫い合わせて構成する衣服の、少なくとも2つのパーツが請求項1記載の縫い合わせ構造により縫い合わされていることを特徴とする衣服。
- 二重織りの織物からなる第1のパーツと二重織りの織物からなる第2のパーツとの縫い合わせ方法において、
縫い合わせるべき第1のパーツの端部において縫い代の幅よりも二倍以上広い幅で二重織物の表層と裏層とを結合する接結糸を切断して、表層と裏層を分離する工程と、
前記分離された第1のパーツの表層の端縁と第2のパーツの端縁を地縫いで縫い合わせる工程と、
前記縫い合わされた端縁の縫い代を重なり合った状態で第1のパーツの表層の裏側に折り返す工程と、
第1のパーツの裏層の分離された端部を縫い代の幅より狭い幅で端縁部分を切断しつつ、切断した裏層の縁をかがりミシンで細幅のかがりロックでかがる工程と、
該かがりロックでかがった第1のパーツの裏層の端部で、前記重なり合った状態の第1のパーツの表層の縫い代と第2のパーツの縫い代を覆う工程と、
前記細幅のかがりロックでかがった第1パーツの裏層の端部を、表側より落としミシンにより前記第2のパーツと縫い合わせることを特徴とする縫い合わせ構造の製造方法。
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