JP6712677B2 - 痛みの緩和及び繊維芽細胞の増殖・分化を抑制するための医薬組成物ならびにその製造方法 - Google Patents

痛みの緩和及び繊維芽細胞の増殖・分化を抑制するための医薬組成物ならびにその製造方法 Download PDF

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Description

発明の詳細な説明
[背景]
[1.分野]
本発明は、熱損傷を処置または予防するのに有用な医薬組成物、および熱損傷を処置または予防する方法に関する。
[2.関連技術の説明]
熱傷は、通常、事故に起因し、その原因によって、熱による熱傷、電流によって引き起こされる熱傷、化学熱傷、および放射線熱傷に分類することができる。熱傷の重症度は、熱傷面積、熱傷深度、熱傷を引き起こす物の温度および当該物との接触時間、ならびに皮膚状態によって、I度熱傷、II度熱傷、III度熱傷およびIV度熱傷に分類することができる。II度以上の熱傷では瘢痕が残る恐れがあり、病院診療が必要である。
熱傷の処置に関しては、早期熱傷創を可能な限り早く治癒させること、または熱傷面積を縮小させることがかなり重要である。初期の熱傷創包帯においては、感染および炎症の制御、湿潤環境の維持、および皮膚再生を助ける成長因子またはサイトカインの処置、ヘパリンの局所使用などによる、深部熱傷への移行を予防するための初期処置が重要視される。
熱損傷を処置または予防するために有用な治療用化合物が開発されれば、熱傷の患者を処置し、状態を改善し、熱損傷の重症度を考慮しながら瘢痕を縮小させるのに大きく役立つであろう。
特に、熱損傷が迅速に処置されなかった場合、瘢痕が残る恐れがあり、これによって患者が普通の生活を送ることができなくなることが多い。したがって、副作用も瘢痕も伴うことなく熱損傷を迅速に処置することが極めて重要である。
[技術的目的]
本発明の実施形態は、副作用を伴わずに熱損傷を迅速に処置することができる医薬組成物を提供する。
[技術的解決手段]
本発明のある態様によれば、有効成分として、式1:
のアビエタ−6,8,11,13−テトラアエン−18−酸、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を含む医薬組成物が提供される。
本発明による医薬組成物は、天然植物である松かさの炭化物抽出物から単離された天然由来の化合物を使用しており、それにより、副作用を伴わずに熱損傷に対して優れた治療効果を発揮する。
とりわけ、本発明によれば、優れた疼痛緩和効果および熱傷瘢痕予防効果を有する熱傷処置組成物を提供することができる。
前記及び他の内容並びに本発明の効果は、添付図面を参照して好ましい実施形態で詳細に説明されることによってより明らかになるであろう。
実施例1に従って松かさ炭化物抽出物から単離した式1の化合物の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)クロマトグラムを示す図である。 実施例1に従って松かさ炭化物抽出物から単離した式1の化合物のLC/MSスペクトルを示す図である。 実施例1に従って松かさ炭化物抽出物から単離した式1の化合物のH−NMRスペクトルおよび13C−NMRスペクトルを示す図である。 実施例2に従って調製した松かさ炭化物抽出物の成分の比較結果を示すグラフである。 実施例2に従って調製した松かさ炭化物抽出物の成分の、使用した種々の抽出溶媒による比較結果を示すグラフである。 松かさ炭化物抽出物の成分の、実施例2に従った試料対溶媒比(W/V)による比較結果を示すグラフである。 松かさ炭化物抽出物の成分の、実施例2に従った抽出時間による比較結果を示すグラフである。 式1の化合物の効力を評価するための実験を示す概略図であり、Aはストッパーを備えた表面に蛍光標識した細胞を植えつけた段階であり、Bはストッパーを除去することによって細胞を含まない表面を露出した状態であり、Cは細胞インキュベーター内で細胞をインキュベートして細胞遊走を誘発する段階であり、Dはマスクを取りつけてストッパーが置かれていた部位のみを露出し、蛍光顕微鏡またはプレートリーダーを使用して細胞遊走を測定する状態である。 式1の化合物の疼痛緩和効力を評価するための、細胞内カルシウム濃度の増加に対するTRPVアゴニスト処置の効果を示すグラフである。 式1の化合物の熱傷処置効果を評価するための、線維芽細胞増殖抑制効力の比較評価結果を示すグラフである。 抽出溶媒による抽出量を比較したグラフである。 抽出時間によるMeOHでの抽出量、及び抽出時間による水での抽出量を比較したグラフである。
以下に本発明をさらに詳しく説明することにする。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具現化することができ、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。
本発明は、有効成分として、式1:
のアビエタ−6,8,11,13−テトラアエン−18−酸、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を含む、熱損傷を処置または予防するのに有用な医薬組成物を提供するが、ここで、Hは1〜10個の炭素原子を有するアルキル基ですべて置換されていることが可能であり、このようなすべての置換基が本発明の範囲内に包含されるものとする。
本発明において、熱傷とは、通常、皮膚細胞が、熱によって破壊される、またはネクローシスに至る現象のことである。熱傷の例として、火を原因とする火炎熱傷、高温の液体(湯、油など)を原因とする熱性液体熱傷、高温体(電気アイロン、炊飯器など)との接触を原因とする接触熱傷、強酸、強アルカリを原因とする化学熱傷、強紫外光を原因とする日焼け、放射線およびX線への曝露を原因とする放射線熱傷が挙げられるが、これらに限定されない。また、熱傷の発明は、I度熱傷、II度熱傷、III度熱傷およびIV度熱傷とすることができる。
本発明による式1の化合物およびその薬学的に許容される塩または溶媒和物は、熱損傷を処置または予防するために使用することができるが、本発明による式1の化合物の使用は、熱傷の特定の種類および強度(重症度)に限定されない。
本発明による式1の化合物は、松かさ炭化物抽出物から単離することができる。加えて、本医薬組成物は、式1の化合物を含む松かさ炭化物抽出物を含むのが好ましい。式1の化合物は、松かさ炭化物抽出物から単離された化合物の形態で、または式1の化合物を含む松かさ炭化物抽出物の形態で使用されると、副作用を伴わずに優れた熱傷処置効果を発揮することができる。しかしながら、式1の化合物の調製方法は、本明細書に開示されているものに限定されない。
本発明の実施形態によれば、松かさ炭化物抽出物は、水、1〜4個の炭素原子を有する低級アルコール、アセトン、酢酸エチル、クロロホルム、またはこれらの混合溶媒を松かさ炭化物に添加することによって調製することができる。好ましくは、松かさ炭化物抽出物は、水、メタノール、エタノール、またはこれらの混合溶媒を松かさ炭化物に添加することによって調製される。最も好ましくは、松かさ炭化物抽出物は、100%メタノールを抽出溶媒として添加することによって調製され、これにより、本発明による化合物中の活性成分の含量が増加する。
本発明の実施形態によれば、松かさ炭化物抽出物は、好ましくは、松かさ炭化物材料(w)に抽出溶媒(v)を、1:10〜1:150(w/v)の比で添加することによって調製される。上記の比を超える量で抽出溶媒を使用すると、活性成分は十分に抽出されない。
本発明の実施形態によれば、松かさ炭化物抽出物は、好ましくは超音波抽出または還流抽出によって得られる。抽出溶媒として水を使用する場合は、還流抽出を使用することが好ましく、抽出溶媒として有機溶媒を使用する場合は、超音波抽出を使用することが好ましい。
抽出時間は、10〜100分、好ましくは20〜40分の範囲とすることができる。抽出時間を長くしても、抽出される活性成分の量は増加せず、抽出時間が短すぎると、十分な量の活性成分は抽出されない。
本発明による化合物は、薬学的に許容される塩の形態で投与されてもよい。「薬学的に許容される塩」という表現は、本明細書で使用する場合、無毒性または低毒性の酸または無毒性または低毒性の塩基から調製される塩を意味する。本発明による化合物が相対的に酸性の官能基を含有する場合、塩基付加塩は、化合物の中性型を、十分な量の望ましい塩基および適切な不活性溶媒と接触させることによって得ることができる。薬学的に許容される塩基付加塩の例として、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、マグネシウム塩、または有機アミノ塩などが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の化合物には、その溶媒和物、特に水和物を含めてもよい。さらに、本発明の化合物には、溶媒和形態(例えば水和物)と共に非溶媒和形態を含めてもよい。本発明の化合物は、結晶形または非晶形で存在することができ、このような物理的形態は本発明の範囲内に包含される。
本発明は、本化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物と、薬学的に許容される賦形剤または添加剤とを含む医薬組成物を提供する。本発明による化合物またはその薬学的に許容される塩/溶媒和物は、単独で、または好都合な担体または賦形剤と組み合わせて投与することができる。投与方式は単回投与でも反復投与でもよい。
本発明による医薬組成物は、固体製剤でも液体製剤でもよい。固体製剤は、散剤、顆粒剤、トローチ剤、カプセル剤、および坐剤などの形態をとることができるが、これらに限定されない。固体製剤として、賦形剤、香味剤、結合剤、防腐剤、崩壊剤、滑沢剤、および充填剤などを挙げることができるが、これらに限定されない。液体製剤は、溶液剤(水またはプロピレングリコール溶液など)、懸濁剤、および乳剤などの形態をとることができるが、これらに限定されない。液体製剤は、適切な着色剤、香味剤、安定化剤、および増粘剤などを添加することによって調製することができる。
本発明の医薬組成物は、処置されようとする疾患および対象の状態によって、経口投与に好適な製剤、注射剤(例えば、筋肉内注射、腹腔内注射、静脈内注射、注入、皮下注射またはインプラント)、吸入、鼻腔内投与、腟投与、直腸投与、舌下投与、経皮投与、または局所投与の形態で投与することができるが、これらに限定されない。投与の経路によって、本発明の医薬組成物は、一般に使用され、無毒性であり、薬学的に許容される担体、添加剤およびビヒクルを含む、適切な投与単位製剤として製剤化され得る。デポー製剤は、所定の期間中継続的に薬物を放出することができ、デポー製剤もまた本発明の範囲に含めることができる。
本発明はまた、熱損傷の処置または予防を必要とする対象に、治療有効量の式1の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を投与するステップを含む、熱損傷を処置または予防する方法も提供する。
熱損傷の処置については、式1の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を、1日当たり約0.1mg/kg〜約1000mg/kg、好ましくは約2.5mg/kg〜約500mg/kgの量で投与することができる。しかしながら、用量は、患者の状態(年齢、性別、体重など)、処置される状態の重症度、および使用する化合物などによって変動させてもよい。必要に応じて、化合物の有効1日量を分割し、1日を通して適切な間隔をおいて複数回投与してもよい。
ここで本発明を、以下の実施例を用いてさらに説明することにする。これらの実施例は完全な開示を提供するために公表されるが、本発明の範囲を限定するものではない。
[実施例1]
松かさ炭化物抽出物の調製および式1の化合物の単離
韓国のGraeme Co.,Ltd.から入手した松かさ炭化物2.53kgを、MeOH 3.5Lを使用して室温にて繰り返し4回抽出し、次いで濃縮してMeOH抽出物を約92g得た。得られたMeOH抽出物に、n−ヘキサンおよびEtOAcの各々を使用して溶媒分画を3回行い、n−ヘキサン抽出物を約6g、およびEtOAc抽出物を約45g得た。カラムクロマトグラフィー(CHCl−MeOH、1:1)を、sephadex LH−20ゲルを使用してEtOAc抽出物に行って、5つの画分F1〜F5を得た。シリカゲルカラム(n−ヘキサン−EtOAc、1:0〜0:1)を使用して画分F4を分離し、F4.1〜F4.6を得た。その後、MPLC(Biorage Isolera ISO−1SV)でシリカゲルカラム(CHCl−MeOH、100:0〜98:2)を使用して画分F4.3を分離し、F4.3.1〜F4.3.4を得た。YMC−Pack ODA−Aカラム(MeOH−HO、7:3〜1:0、8mL/分)を備えた分取HPLC(Varian Prostar 210)を使用して画分F4.3.3を精製し、式1の化合物を単離した。
単離した化合物をHPLC(Varian 920−LC)およびUPLC(Waters ACQUITY UPLC(商標))に供してその純度を確認し、LC/MS(Waters UPLC/q−TOF MSシステム)およびGC/MS(Agilent 7890/5973 MSシステム)を使用して化合物の分子量を確認した。次いで、NMR(核磁気共鳴、Varianシステム500MHz)を使用してH−、13C−、H−H COSY、HSQC、およびHMBC NMRの測定を実施し、単離した化合物の構造を同定し、それにより式1の化合物を得た。
ESI−MSm/z:297[M−H]−。1H−NMR(500MHz,CDCl3):δ1.09(3H,s,H−20)、1.23(3H,d,J=2Hz,H−16)、1.24(3H,d,J=2Hz,H−17)1.42(3H,s,H−19)、1.68〜1.87(5H,m,H−1a,2,3)、2.21(1H,d,J=13.5Hz,H−1b)、2.86(1H,m,H−15)、2.92(1H,s,H−5)5.80(1H,d,J=10.5Hz,H−6)、6.53(1H,d,J=10.5Hz,H−14)、6.92(1H,d,J=2Hz,H−9)、7.08(2H,m,H−11,12)。13C−NMR(125MHz,CDCl3):δ17.2(C−19)、18.4(C−2)、20.9(C−20)、24.0(C−16)、24.0(C−17)、33.7(C−15)、35.4(C−1)、35.8(C−3)、37.2(C−10)、46.2(C−4)、46.6(C−5)、121.7(C−11)、124.8(C−9)、125.8(C−12)、128.5(C−14)、129.7(C−6)、132.6(C−8)、145.1(C−9)、145.4(C−13)、184.0(C−18)。
[実施例2]
抽出条件による松かさ炭化物抽出物の比較
実施例1で使用した松かさ炭化物3gずつを取り出して、抽出方法、抽出溶媒の種類、使用した抽出溶媒の組成および量、ならびに抽出時間を含む5条件を変えて抽出し、遠心分離を4000rpmで実施して上清を濾過し、次いで抽出量の比較のためにその上清を濃縮し、UPLCを使用して成分分析を実施した。還流抽出および超音波抽出を抽出方法として使用し、水、エタノールおよびMeOHの各溶媒を抽出溶媒として使用した。抽出溶媒としてのMeOH、EtOHおよび水の組成は30%〜100%の範囲で変動させ、抽出時間は使用した抽出溶媒の種類に応じて10〜120分の範囲で変動させた。実施例1と同じ条件で分析を実施し、各抽出物の純度をUV254nmで確認した。
抽出方法:還流抽出/超音波抽出
使用した抽出溶媒:メタノール、エタノールおよび水
抽出溶媒の組成:30%、50%、70%および100%
抽出溶媒の量:30mlおよび100ml
抽出時間:10、30、60、90および120分
−抽出方法による比較
抽出は、超音波抽出および還流抽出によって30分間、MeOHおよび水各100mlを抽出溶媒として使用して、同じ抽出条件で実施した。MeOHを抽出溶媒として使用した場合、抽出方法による抽出量に実質的な差は見られなかった。水を抽出溶媒として使用した場合、抽出量は、還流抽出の方が超音波抽出より多かった。UPLC分析では、抽出方法による、抽出溶媒組成の別段の差は見られなかった(図4を参照)。
− 抽出溶媒組成による比較
抽出溶媒組成による抽出量の差を分析するために、MeOH、EtOHおよび水を抽出溶媒として、各組成を30%、50%、70%および100%に変動させて使用して抽出を実施した。抽出は、超音波抽出によって30分間、抽出溶媒を各30ml使用して、同じ条件で実施した。MeOHを抽出溶媒として使用した場合、抽出量は、EtOHを同じ条件で使用した場合より多かった。特に、100%MeOHを使用した場合、抽出効率は最高であった。UPLC分析では、MeOHとEtOHとの間に抽出溶媒組成の実質的な差は見られなかった。抽出溶媒組成により、極性成分と非極性成分との間に含量の差があった(図5を参照)。
さらに、MeOHを抽出溶媒として使用して抽出することによって、試料対溶媒比(w/v)による抽出量の差を比較した。抽出は、試料対溶媒比(w/v)1:10(30ml)および1:30(100ml)を使用して、同じ条件で実施した。抽出結果により、抽出量は、100mlのMeOHを使用した場合の方が30mlのMeOHを使用した場合の約2倍以上であったことが確認された。成分の差は見られなかった(図6及び図12を参照)。
− 抽出時間による比較
抽出時間による抽出量の比較については、両抽出方法と、各抽出方法に対応する好適な抽出溶媒とを使用して実験を行った。10分、30分、60分および90分の4つの抽出時間条件でMeOH溶媒30mlを使用して超音波抽出を実施することによって、抽出量を比較した。HO溶媒100mlを使用して還流抽出を実施することによって抽出量および溶媒成分を比較したが、HO溶媒は、30分、60分、90分および120分の4つの抽出時間条件で、相対的に高い抽出効率を示した。抽出時間を除くすべての抽出条件は、両抽出方法とも同じに維持した。抽出結果により、抽出時間の増加に応じて抽出量がわずかに増加したことが示された。観察された抽出量の差はほんのわずかであり、その差は統計的に有意ではないと考えられた。加えて、抽出時間によって、抽出溶媒組成に別段の差は見られなかった(図7及び図12を参照)。
上記のとおり、松かさ炭化物の活性成分は、水および低級アルコールを使用した場合に、最も高い効率で抽出できることを理解することができる。
[実験実施例1]
式1の化合物の活性アッセイ
実施例1で単離した式1の化合物の活性を調査するために、疼痛緩和効力および組織傷害回復効力を評価した。疼痛緩和効力は、疼痛感作抑制効力、分泌炎症反応に関与する物質に対する応答、細胞内カルシウム濃度および侵害受容感覚細胞からのシグナリング経路を同定することによって確認した。組織傷害回復効力は、組織傷害回復、ならびにケラチノサイトおよび線維芽細胞からの細胞の増殖、遊走および分化応答を同定することによって確認した(図8を参照)。
[実験実施例1−1]
疼痛緩和効力の評価
式1の化合物で24時間インキュベートした白ネズミのf11侵害受容感覚細胞株を調製した後に、TRPVイオンチャネル活性を測定した。TRPVイオンチャネルの前活性化因子としての2−APB(2−アミノエトキシジフェニルボレート)でf11細胞株を処置し、細胞内カルシウムの変化(2−APB処置に対する応答において引き起こされる)を、Fluo−4−AM蛍光色素をリアルタイムベースで使用して評価した。
f11細胞株をTRPVイオンチャネルの前活性化因子としての2−APBで処置すると、細胞内カルシウム濃度の急激な増加が一過的に20秒以内に見られ、増加した細胞内カルシウム濃度が約5分後にベースレベルに戻ることが確認された。
しかしながら、f11細胞株を式1の化合物で24時間前処置すると、2−APBにより誘発される細胞内カルシウム濃度の増加は強力に抑制された。式1の化合物が疼痛緩和効力をもたらすことは、式1の化合物で処置した実験群と未処置の対照群との間を比較した図9および下の表において確認された(図9を参照)。
[実験実施例1−2]
線維芽細胞増殖の抑制効力の評価
f11神経細胞株を式1の化合物で72時間処置した後に、細胞分化の程度を最初に比較/評価した(図10を参照)。式1の化合物で処置した実験群は、対照群と比較して、線維芽細胞の増殖および分化の抑制効力が高いことを示した。
線維芽細胞増殖は、皮膚損傷によって損なわれた真皮を取り戻すために過剰なコラーゲン合成を伴うため、傷害が回復した後でさえも瘢痕が残る可能性がある。したがって、瘢痕予防または処置効力は、線維芽細胞増殖を抑制することによって発揮され得る。
本発明は特に、参照とともに実施形態に示されまた述べられている一方、当業者は、形式及び詳細の多様な変更が、以下のクレームで定義された本発明の精神及び範囲から逸脱しない範囲で可能であることを理解するであろう。

Claims (6)

  1. 有効成分として、式1:
    のアビエタ−6,8,11,13−テトラエン−18−酸、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を含み、
    式1の化合物を含む松かさ炭化物抽出物を含む、熱傷の副作用として知られる痛みの緩和及び繊維芽細胞の増殖・分化の抑制のために使用される医薬組成物。
  2. 請求項1に記載の医薬組成物の製造方法であって、
    前記松かさ炭化物抽出物が、水、1〜4個の炭素原子を有する低級アルコール、アセトン、酢酸エチル、クロロホルム、またはこれらの混合溶媒を松かさ炭化物に添加することによって調製される、医薬組成物の製造方法
  3. 請求項1に記載の医薬組成物の製造方法であって、
    前記松かさ炭化物抽出物が、水、1〜4個の炭素原子を有する低級アルコール、またはこれらの混合溶媒を松かさ炭化物に添加することによって調製される、医薬組成物の製造方法
  4. 請求項1に記載の医薬組成物の製造方法であって、
    前記松かさ炭化物抽出物が、100%メタノールを松かさ炭化物に添加することによって調製される、医薬組成物の製造方法
  5. 請求項1に記載の医薬組成物の製造方法であって、
    前記松かさ炭化物抽出物が、松かさ炭化物に抽出溶媒を1:1〜1:5(w/v)の比で添加することによって調製される、医薬組成物の製造方法
  6. 請求項1に記載の医薬組成物の製造方法であって、
    前記松かさ炭化物抽出物が、松かさ炭化物について超音波抽出または還流抽出を行うことによって得られる、医薬組成物の製造方法
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