JP6711035B2 - 水崩壊性複合材料、及び立体造形物の製造方法 - Google Patents

水崩壊性複合材料、及び立体造形物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、水崩壊性複合材料、及び立体造形物の製造方法に関する。
従来より、使用環境下においては成形された形状を維持し、使用後においては一定量以上の水の存在で水溶液化し、又は崩壊する水崩壊性ポリマー組成物を食品、化粧品、医薬品、トイレタリー用品等の包装材料、各種資材などに用いることが試みられている。
前記水崩壊性ポリマー組成物として、例えば、水崩壊性熱可塑性ポリビニルアルコールと、電解質粉末とを含む水崩壊性ポリマー組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
近年、金型フリーで三次元の立体物を造形する技術として、熱溶融積層法(FDM:Fused Deposition Molding)などが知られている。前記熱溶融積層法では、鉛直線から45°を超えるオーバーハング状に立体造形物用の樹脂を積層する場合、溶融させた前記樹脂が重力方向に変形乃至流動する、いわゆる「たれ」などが発生して形状が不安定となるため、水溶性樹脂組成物で支持体を形成し、溶融させた前記樹脂の形状を安定させている。立体造形物を形成した後、前記支持体を除去するため、前記支持体ごと立体造形物を水に浸漬して前記支持体を溶解させることが試みられている。
本発明は、優れた水崩壊性を有し、かつ成形性、屈曲性、溶融流動性、及び機械的強度が良好な水崩壊性複合材料を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の水崩壊性複合材料は、ポリエチレンオキサイド及びポリビニルアルコールを含有し、下記A)〜D)を全て満たす。
A)直径1.8mm、長さ50mmの繊維状の水崩壊性複合材料を、25℃のイオン交換水に浸漬すると、60分間以内で形状が崩壊する。
B)JIS K 7210に記載する方法に従い、温度を190℃、かつ荷重を2.18kgとして測定したときのメルトフローレイトが、0.5g/10分間以上である。
C)ICE60851に記載する方法に準拠した引張弾性率が1.0GPa以上、ICE60851に記載する方法に準拠した引張伸び率が10%以上を有する。
D)JIS K7171に記載する方法に準拠した曲げ弾性率が1.0GPa以上を有する。
本発明によると、優れた水崩壊性を有し、かつ成形性、屈曲性、溶融流動性、及び機械的強度が良好な水崩壊性複合材料を提供することができる。
図1は、本発明の水崩壊性複合材料を繊維状に成形して製造する製造装置の一例を示す説明図である。 図2Aは、本発明の水崩壊性複合材料を支持体形成材料として用いて造形した立体造形物の一例を示す平面図である。 図2Bは、図2Aの立体造形物のA−A’線断面図である。 図2Cは、図2Aの立体造形物の支持体の除去工程の一例を示す断面概略図である。 図3は、立体造形物製造装置の一例を示す概略図である。 図4は、立体造形物製造装置の他の一例を示す概略図である。 図5は、立体造形物製造装置の更に他の一例を示す概略図である。
(水崩壊性複合材料)
本発明の水崩壊性複合材料は、ポリエチレンオキサイド及びポリビニルアルコールを含有し、無機化合物及び滑剤から選択される少なくとも1種を更に含有することが好ましく、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
本発明の水崩壊性複合材料においては、水溶性樹脂としてのポリエチレンオキサイド(「ポリエチレンオキシド」と称することもある)と、前記無機化合物とが含まれていることにより、前記ポリエチレンオキサイドが水に溶解する際に前記無機化合物の重みが前記ポリエチレンオキサイドに加えられ、前記ポリエチレンオキサイドの溶解が早く進行するため、前記水崩壊性複合材料の成形品の形状を速やかに崩壊しやすくすることができる。
また、本発明の水崩壊性複合材料は、ポリビニルアルコールを含有することにより、高弾性体としての機能を付加でき、成形品の屈曲性が低下しないため、折り曲げによるクラックなどを発生しにくくすることができる。
更に、本発明の水崩壊性複合材料は、滑剤を含有することにより、メルトフローレイトの値が高くなり、加熱により溶融流動性が向上するため、特に押出成形する際に強烈な圧力を必要とする場合、押出成形機の過負荷による故障を防ぐことができる。
本発明の水崩壊性複合材料は、下記A)〜D)にそれぞれ記載の水崩壊性、溶融流動性、成形性、及び屈曲性の要件を全て満たす。
A)直径1.8mm、長さ50mmの繊維状の水崩壊性複合材料を、25℃のイオン交換水に浸漬すると、60分間以内で形状が崩壊する。
B)JIS K7210に記載する方法に従い、温度を190℃、かつ荷重を2.18kgとして測定したときのメルトフローレイトが、0.5g/10分間以上である。
C)ICE60851に記載する方法に準拠した引張弾性率が1.0GPa以上、ICE60851に記載する方法に準拠した引張伸び率が10%以上を有する。
D)JIS K7171に記載する方法に準拠した曲げ弾性率が1.0GPa以上を有する。
−水崩壊性複合材料の水崩壊性−
前記水崩壊性複合材料の水崩壊性としては、以下の条件で水に浸漬して60分間静置し、水中に固体物が視認できるか否かで評価する。
前記水崩壊性複合材料の水崩壊性は、具体的には、直径1.8mmの繊維状の水崩壊性複合材料の長さを50mmに裁断する。裁断した繊維状の水崩壊性複合材料を50mLビーカーにイオン交換水を40mL注ぎ、水温を25℃としたイオン交換水に浸漬して60分間静置する。この時点でビーカー内の水溶液を攪拌翼にて50rpmにて30秒間攪拌する。この水溶液を目開き500μmメッシュを通過させ、残留物の確認を目視により行う。60分間後に残留物が無い場合には、水崩壊性が良好であると評価する。
−水崩壊性複合材料の溶融流動性−
前記メルトフローレイトは、0.5g/10分間以上であり、1.0g/10分間以上が好ましく、1.2g/10分間以上がより好ましい。前記メルトフローレイトが0.5g/10分間以上であると、前記水崩壊性複合材料の加熱時の粘度が高すぎず、前記水崩壊性複合材料の成形品を作製する際に押出成形機が不具合を発生しにくい点で有利である。
前記メルトフローレイトは、例えば、メルトインデクサー(LMI5000、Dynisco社製、JIS K7210に準拠)を用いて測定することができる。
−水崩壊性複合材料の機械的強度−
前記水崩壊性複合材料のICE60851に記載する方法に準拠した引張弾性率は、1.0GPa以上である。
ICE60851に記載する方法に準拠した引張伸び率は、10%以上である。
JIS K7171に記載する方法に準拠した曲げ弾性率は、1.0GPa以上である。
前記水崩壊性複合材料のICE60851に記載する方法に準拠した引張弾性率及び引張伸び率、JIS K7171に記載する方法に準拠した曲げ弾性率は、例えば、引張試験機(株式会社島津製作所)を用いて測定することができる。
−水崩壊性複合材料の成形性−
前記水崩壊性複合材料の成形性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、繊維状、板状、フィルム状などに成形できることが好ましく、後述する立体造形用フィラメントを作製できる点から、繊維状に成形できることがより好ましい。
前記水崩壊性複合材料の成形性は、例えば、混練押出成形評価試験装置を用いて、溶融混練し、直径1.8mmの繊維状に成形することが可能か否かにより確認することができる。
前記水崩壊性複合材料を溶融混練する溶融混練温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、180℃以上240℃以下が好ましい。
−水崩壊性複合材料の屈曲性−
前記水崩壊性複合材料の屈曲性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、成形品を以下に示す方法により折り曲げて、折り曲げた部分にクラック及び破断の少なくともいずれかが発生しないことが好ましい。
前記水崩壊性複合材料の屈曲性を確認する折り曲げ方法は、まず、直径1.8mm、長さ100mmの繊維状の水崩壊性複合材料を、長さ方向の中心を360°折り曲げ、折り曲げた部分を指で圧縮した後、逆方向に折り曲げ、同様に折り曲げた部分を圧縮し、次に、クラック及び破断の少なくともいずれかが発生するか否かで確認することができる。
クラック及び破断の少なくともいずれかを確認する方法としては、光学顕微鏡を用いて対物レンズを10倍、接眼レンズを5倍として折り曲げた部分を観察する方法などが挙げられる。
<ポリエチレンオキサイド>
水溶性樹脂としての前記ポリエチレンオキサイド(「ポリエチレンオキシド」と称することもある)は、エチレンオキシドを開環重合させることにより製造され、水溶性と熱可塑性を兼ね備えたポリマーである。
前記ポリエチレンオキサイドの重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50,000以上1,000,000以下が好ましく、50,000以上400,000以下がより好ましい。前記重量平均分子量が前記好ましい範囲内であると、前記水崩壊性複合材料の粘度が適正となり、前記水崩壊性複合材料の成形性及び水崩壊性が向上する。
前記ポリエチレンオキサイドとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記市販品としては、例えば、アルコックス(登録商標)L−6(重量平均分子量:50,000〜80,000)、アルコックス(登録商標)L−8(重量平均分子量:80,000〜100,000)、アルコックス(登録商標)L−11(重量平均分子量:100,000〜160,000)、アルコックス(登録商標)R−150(重量平均分子量:120,000〜170,000)、アルコックス(登録商標)R−400(重量平均分子量:170,000〜250,000)、アルコックス(登録商標)R−1000(重量平均分子量:250,000〜400,000)、アルコックス(登録商標)E−30(重量平均分子量:400,000〜550,000)、アルコックス(登録商標)E−45(重量平均分子量:600,000〜1,000,000)(いずれも、明成化学工業株式会社製)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、水崩壊性及び溶融流動性の点から、アルコックス(登録商標)R−1000が好ましい。
前記ポリエチレンオキサイドの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<ポリビニルアルコール>
前記ポリビニルアルコールは、酢酸ビニルモノマーを重合し、得られたポリ酢酸ビニルをけん化することにより製造することができる。前記けん化においては、メタノール溶媒中でアルカリ触媒を用いてポリ酢酸ビニルの酢酸基を水酸基に置換する。このとき置換される水酸基の量によって得られるポリビニルアルコールの耐水性が影響を受ける。水酸基の部分が親水性、酢酸基の部分が疎水性を持ち、界面活性能に優れる。
前記ポリビニルアルコールの平均重合度、及びけん化度としては、原料となる酢酸ビニルを適宜調整することにより、前記平均重合度、及び前記けん化度を適宜調整することができる。
前記ポリビニルアルコールとしては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記市販品としては、商品名:ポバールJL−05E(日本酢ビ・ポバール株式会社製)などが挙げられる。
前記ポリビニルアルコールの含有量は、前記ポリエチレンオキサイド100質量部に対して、50質量部以上150質量部以下が好ましく、80質量部以上130質量部以下がより好ましい。
前記含有量が好ましい数値範囲であると、引張弾性率、引張伸び率、曲げ弾性率等の機械的強度を向上させることができる。
<無機化合物>
本発明の水崩壊性複合材料に前記無機化合物が含まれることにより、ポリエチレンオキサイド及びポリビニルアルコールが水に溶解する際に前記無機化合物の重みがポリエチレンオキサイド及びポリビニルアルコールに加えられ、ポリエチレンオキサイド及びポリビニルアルコールの溶解が早く進行するため、前記水崩壊性複合材料の成形品の形状を速やかに崩壊しやすくすることができる。
前記無機化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、窒化アルミ、アルミナ、カオリン、チタン酸バリウム、シリカ、タルク、クレー、ベンナイト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、マイカなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、水崩壊性複合材料の水崩壊性の点から、酸化チタン、硫酸バリウムが好ましい。
前記無機化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ポリエチレンオキサイド及びポリビニルアルコールの総量100質量部に対して、50質量部以下が好ましく、5質量部以上25質量部以下がより好ましい。前記無機化合物の含有量が前記好ましい範囲内であると、水崩壊性が向上し、前記成形品において、折り曲げによるクラックなどが発生しにくい点で有利である。
前記無機化合物の形状としては、例えば、粉状、粒状、鱗粉状などが挙げられる。
前記無機化合物は、表面処理剤により表面処理されていてもよい。
前記無機化合物の一次粒子の個数平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm以上100μm以下が好ましく、5μm以上50μm以下がより好ましい。前記無機化合物の一次粒子の個数平均粒径が前記好ましい範囲内であると、前記水崩壊性複合材料を溶融させた際の粘度が高くならず、かつ前記無機化合物の分散性が良好となる点で有利である。
<滑剤>
本発明の水崩壊性複合材料に前記滑剤が含まれることにより、メルトフローレイトの値が高くなり、加熱により溶融流動性が向上するため、特に押出成形する際に強烈な圧力を必要とする場合、押出成形機の過負荷による故障を防ぐことができる。
前記滑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、高級アルコール脂肪酸エステル、硬化ヒマシ油、肪酸アミド、脂肪酸アミン、アルキレンビス脂肪酸アミド、木蝋、カルナウバロウ、鯨ロウ、蜜ロウ、ラノリン、固形ポリエチレングリコール、炭酸マグネシウム、二酸化ケイ素、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、グリセリン脂肪酸エステルが好ましい。
前記グリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリンモノベへネート、グリセリンモノカプレートなどが挙げられる。
前記滑剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ポリエチレンオキサイド及びポリビニルアルコールの総量100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下が好ましく、1質量部以上10質量部以下がより好ましい。前記滑剤の含有量が前記好ましい範囲内であると、メルトフローレイトの値が高くなり、加熱により溶融流動性が向上する点で有利である。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレンオキサイド及びポリビニルアルコール以外のその他の樹脂、色材、分散剤、可塑剤などが挙げられる。
前記ポリエチレンオキサイド及びポリビニルアルコール以外のその他の樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアクリル酸、ポリエチレン−アクリル酸、ポリサルコシン、ポリオキシエチレン、ポリN−ビニルピロリドン、ポリビニルアセテートなどが挙げられる。
<用途>
本発明の水崩壊性複合材料は、特に制限はなく、各種用途に幅広く用いることができ、例えば、食品、化粧品、医薬品、香料、肥料等の包装材料、立体造形用材料などが挙げられる。これらの中でも、立体造形用材料が好ましく、繊維状の立体造形用フィラメントとして用いられる支持体形成用材料がより好ましい。
<水崩壊性複合材料の製造方法>
本発明の水崩壊性複合材料の製造方法は、押出成形工程と、冷却固化工程と、を含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
−押出成形工程−
前記押出成形工程は、前記ポリエチレンオキサイドと、前記ポリビニルアルコールと、前記無機化合物と、前記滑剤とを混合させて得られた前記水崩壊性複合材料を溶融混練して繊維状に押出成形する工程である。
前記押出成形工程は、押出成形手段により好適に行うことができる。
前記押出成形手段としては、例えば、単軸押出機、二軸押出機、溶融成形機などが挙げられる。
前記溶融混合する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜公知の方法を選択することができ、各成分を二軸押出機、単軸押出機、溶融成形機により連続的に溶融混合する方法、又はニーダー、ミキサー等により、バッチ毎に溶融混合する方法などが挙げられる。
−冷却固化工程−
前記冷却固化工程は、押出成形された繊維状の水崩壊性複合材料を冷却固化する工程である。
前記冷却固化工程は、例えば、繊維状の押出成形物に対して乾燥空気を吹き付けながら延伸搬送できるベルト式搬送機などを用いて好適に行うことができる。
−その他の工程−
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、巻取工程、制御工程などが挙げられる。
前記巻取工程は、前記冷却固化工程により、冷却固化された水崩壊性複合材料を巻き取る工程である。前記巻取工程は、ワインダーなどにより好適に行うことができる。
ここで、本発明における水崩壊性複合材料を繊維状に成形して製造する製造装置の一例について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の水崩壊性複合材料を繊維状に成形して製造する製造装置の一例を示す説明図である。
図1に示すように、溶融混練押出し機101より吐出された水崩壊性複合材料104は、ドーム105で覆われたベルト式搬送機102に供給される。ベルト式搬送機102のベルトは、繊維状の水溶性崩壊複合材料がスリップしないようにタック性を兼ね備えている。ベルトの基材をステンレス304とし、シリコーン樹脂を表面に塗布後、ベルト表面をカレンダ加工することにより、繊維状の水溶性崩壊複合材料がベルト搬送速度と同様に追従することで任意に延伸させることができ、直径の調整が可能である。
また、ドーム105には、乾燥空気が供給され、前記水崩壊性複合材料が繊維状の形状を保つために、前記水崩壊性複合材料を乾燥空気により冷却固化させる機構が備えられている。なお、前記水崩壊性複合材料ではない樹脂組成物の場合では、繊維状の形状を保つために、水浴により冷却固化されるが、水崩壊性複合材料に同様の処理を行うと直ちに形状を維持することが困難になる。
その後、ワインダー103により繊維状の前記水崩壊性複合材料がコアに巻き取られる。
次に、繊維状の前記水崩壊性複合材料を、立体造形用フィラメントとして用いた立体造形物の製造方法について説明する。
(立体造形物の製造方法、及び立体造形物製造装置)
本発明の立体造形物の製造方法は、本発明の水崩壊性複合材料を用いて立体造形物を製造する方法であり、前記水崩壊性複合材料を用いて立体造形物を製造する工程と、前記立体造形物に水を付与して、その一部を溶解除去する工程とを含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の工程を含有してなる。
本発明で用いられる立体造形物製造装置としては、本発明の水崩壊性複合材料を用いて立体造形物を製造する手段を有し、前記立体造形物に水を付与して、その一部を溶解除去する手段を有することが好ましく、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
本発明の立体造形物の製造方法は、前記立体造形物製造装置により好適に実施することができる。
また、本発明の立体造形物の製造方法の他の態様としては、立体造形物及び該立体造形物を支持する支持体を作製する工程と、得られた前記立体造形物及び前記支持体を水に浸漬し、前記支持体を崩壊させて除去する工程とを含み、前記支持体が、本発明の水崩壊性複合材料により構成されているようにしてもよい。
前記立体造形物製造装置の他の態様としては、前記立体造形物及び該立体造形物を支持する支持体を作製する手段と、得られた前記立体造形物及び前記支持体を水に浸漬し、前記支持体を崩壊させて除去する手段とを有するようにしてもよい。
前記立体造形用フィラメントを用いて、前記立体造形物を形成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜公知の熱溶融積層(FDM)式の立体造形物製造装置を用いることができる。具体的には、立体造形物製造装置としての立体造形用プリンタを用い、前記立体造形用フィラメントを溶融して走査しながら吐出することで所定の形状の立体造形物形成材料の層、及び支持体形成材料の層を形成し、この操作を繰り返し行うことで積層する方法などが挙げられる。
<立体造形用フィラメント>
前記立体造形用フィラメントは、立体造形物の製造における、立体造形物形成材料、支持体形成材料(立体造形物の支持用)として用いることができる。これらの中でも、支持体形成材料(立体造形物の支持用)として用いることが好ましい。
前記立体造形用フィラメントは、熱溶融積層法(FDM方式)による立体造形物製造装置に好適に用いることができる。
前記立体造形用フィラメントの直径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1mm以上5mm以下が好ましく、1.75mm以上3mm以下がより好ましい。
−立体造形用フィラメントの製造方法−
前記立体造形用フィラメントの製造方法としては、前記水崩壊性複合材料を繊維状に成形する方法であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜公知の方法を選択することができる。前記立体造形用フィラメントの直径としては、単軸押出機の押出し穴、温度条件、巻取時の張力条件等により制御することができる。また、冷却後、更に加熱しながら、巻取時の張力条件を調整してフィラメントの延伸加工をすることも可能である。
前記溶融混合する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜公知の方法を選択することができ、各成分を二軸押出機、単軸押出機、溶融成形機等により連続的に溶融混合する方法、あるいは、ニーダー、ミキサー等により、バッチ毎に溶融混合する方法などが挙げられる。添加剤を含有しない場合は、溶融混合工程を省略することができる。
図2Aは、本発明の水崩壊性複合材料を支持体形成材料として用いて造形した立体造形物の一例を示す平面図である。図2Bは、図2Aの立体造形物のA−A’線断面図である。図2Cは、図2Aの立体造形物の支持体の除去工程の一例を示す断面概略図である。
立体造形物の形成に非水溶性樹脂の前記立体造形用フィラメントを使用する場合は2個以上の溶融ヘッドを搭載した立体造形用プリンタを使用し、一方の溶融ヘッドには前記立体造形物形成材料を使用し、他方の溶融ヘッドには前記支持体形成材料を使用する。前記立体造形用プリンタを用いて各材料を溶融ヘッドで溶融し吐出することで所定の形状の支持体部位の層と立体造形物部位の層を形成し、この操作を繰り返し行って積層することで、立体造形物50を得ることができる。即ち、前記立体造形物形成材料によって形成される立体造形物50は、支持体形成材料51の形状の少なくとも一部に対応する形状を有する(図2B参照)。水Wに浸漬させることにより、前記支持体形成材料が崩壊して、立体造形物から容易に除去することができるため、破損及び支持体形成材料の残留の少ない立体造形物が得られる。
以下、本発明の立体造形物の製造方法及び立体造形物製造装置の具体的な実施形態について説明する。
立体造形物形成材料と、支持体形成材料として本発明の立体造形用フィラメントとを用いて、立体造形物を得る。
上述のとおり、立体造形物を得るためには、造形体部分には立体造形物形成材料(以下、「軟質成形体用材料」とも称することがある)を配置し、支持体部分には、支持体形成材料(以下、「硬質成形体用材料」とも称することがある)を配置する。
前記立体造形物製造装置において、立体造形物形成材料、及び支持体形成材料は、フィラメントの状態で、搬送チューブ内を経由して溶融ヘッドに搬送される。搬送された前記立体造形物形成材料及び支持体形成材料は、前記溶融ヘッドにおいて加熱溶解され、吐出され、立体造形物形成材料層及び支持体形成材料層を形成する。これを繰り返すことにより、立体造形物を積層造形することができる。
前記溶融ヘッドにおける加熱温度としては、立体造形用フィラメントを溶解できれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
まず、三次元CADで設計された三次元形状、又は三次元スキャナやディジタイザで取り込んだ三次元形状のサーフェイスデータあるいはソリッドデータを、STLフォーマットに変換して立体造形物製造装置に入力する。
この入力されたデータに基づいて、造形しようとする三次元形状の造形方向を決める。造形方向は特に制約ないが、通常はZ方向(高さ方向)が最も低くなる方向を選ぶ。
造形方向を確定したら、その三次元形状のX−Y面、X−Z面、Y−Z面への投影面積を求める。得られたブロック形状に補強のため、X−Y面の上面を除いて、その他の各面を適当量外側に移動させる。移動させる量については、特に制限はなく、形状や大きさや使用液体材料で異なるが、およそ1mm以上10mm以下程度である。これで造形しようとする形状を閉じ込めた(上面は開放されている)ブロック形状が特定される。
このブロック形状を一層の厚みでZ方向に輪切り(スライス)にする。前記一層の厚みは使用する材料により異なり一概には規定できないが、10μm以上50μm以下が好ましい。
造形しようとする立体造形物が1個の場合は、このブロック形状がZステージ(一層造形毎に一層分ずつ下降する造形物を載せるテーブル)の中央に配置される。また、複数個同時に造形する場合はブロック形状がZステージに配置されるが、ブロック形状を積み重ねることも可能である。これらブロック形状化や輪切りデータ(スライスデータ:等高線データ)やZステージへの配置は、使用する材料を指定すれば自動的に作製することも可能である。
次に、造形工程においては、輪切りデータの最外郭の輪郭線を基準に、内外判定(輪郭線上の位置に、前記立体造形物形成材料及び前記支持体形成材料のいずれかを噴射するかを判定すること)で、立体造形物形成材料を噴射する位置と前記支持体形成材料を噴射する位置が制御される。
噴射の順序としては、支持体層を形成する前記支持体形成材料を噴射してから、造形体層を形成する立体造形物形成材料を噴射させる。
このような順序で噴射させると、先に支持体で溝や堰などの溜部ができて、その中に前記立体造形物形成材料を噴射することになり、立体造形物形成材料として常温で液体の材料を使っても「たれ」の心配がなく、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等を幅広く用いることができる。
また、造形時間をより短縮させるには、一体化したインクジェットヘッドの往路及び復路のそれぞれで前記立体造形物形成材料及び前記支持体形成材料を噴射して積層する方法が好ましい。
更に、前記立体造形物形成材料を噴射する溶融ヘッドに活性エネルギー線照射機を隣接させることにより、高速造形が可能である。
また、立体造形した層を平滑化するために、硬化処理を行った直後に、平滑化処理を行う。
前記平滑化処理は、例えば、ローラー、ブレード等の平滑化部材を用い、硬化膜の表面を平滑化するものである。これにより、層ごとの精度が向上し、立体造形物全体を精密に作製することができる。
この際、積層時間を短縮するため、また層の平滑性を向上させるために、前記平滑化部材を紫外線照射機に隣接して配置することが好ましい。
図3は、立体造形物製造装置の一例を示す概略図である。
図3に示すように、立体造形物製造装置10は、インクジェットヘッドを配列したヘッドユニットを用いて、造形体用材料噴射ヘッドユニット11から前記立体造形物形成材料を、支持体用材料噴射ヘッドユニット12、13から前記支持体形成材料を噴射し、隣接した紫外線照射機14、15で前記立体造形物形成材料を硬化しながら積層する。
即ち、前記支持体形成材料を溶融ヘッド(支持体用材料噴射ヘッドユニット12、13)から噴射し固化させて溜部を有する第1の支持体層を形成し、その第1の支持体層の溜部に前記立体造形物形成材料をインクジェットヘッド(造形体用材料噴射ヘッドユニット11)から噴射し、前記立体造形物形成材料に活性エネルギー線を照射して硬化させた後、硬化膜に対して平滑化部材(ローラー20、21)を用いて平滑化処理を行い、第1の造形体層を形成する。
次いで、前記第1の支持体層の上に溶融した前記支持体形成材料を噴射し固化させて溜部を有する第2の支持体層を積層し、その第2の支持体層の溜部に前記立体造形物形成材料を噴射し、前記立体造形物形成材料に活性エネルギー線を照射して第1の造形体層の上に第2の造形体層を積層し、更に平滑化処理を行い、立体造形物19を製作する。
マルチヘッドユニットが矢印A方向に移動する時は、基本的に支持体用材料噴射ヘッドユニット12、造形体用材料噴射ヘッドユニット11、紫外線照射機15を用いて、支持体18及び立体造形物19を造形体支持基板16上に形成する。同時にローラー形状の平滑化部材21で、支持体18及び立体造形物19を平滑化する。なお、支持体用材料噴射ヘッドユニット13、及び紫外線照射機14を補助的に用いてもよい。
ローラー形状の平滑化部材を使用する場合、操作方向に対して、ローラーを逆転させる方向で回転させると平滑化の効果がより有効に発揮される。
また、マルチヘッドユニットが矢印B方向に移動する時は、基本的に支持体用材料噴射ヘッドユニット13、造形体用材料噴射ヘッドユニット11、紫外線照射機14を用いて、支持体18、立体造形物19を造形体支持基板16上に形成する。同時にローラー形状の平滑化部材20で、支持体18、及び立体造形物19を平滑化する。なお、支持体用材料噴射ヘッドユニット12、及び紫外線照射機15を補助的に用いてもよい。
更に、材料噴射ヘッドユニット11、12、13及び紫外線照射機14、15と、立体造形物19及び支持体18とのギャップを一定に保つため、積層回数に合わせて、ステージ17を下げながら積層する。
図4は、立体造形物製造装置の他の一例を示す概略図である。具体的には、図3のローラー状の平滑化部材20、21をブレード形状の平滑化部材22、23に変更したものである。この図4のブレード状の平滑化部材は、図3で使用するローラー形状の平滑化部材よりも、立体造形物の表面を削って平滑化するような場合に有用に使用することができる。
図5は、立体造形物製造装置の更に他の一例を示す概略図であり、図3よりも各層の平滑性を向上できる構成とした立体造形物製造工程の他の一例を示している。基本的な工程は図3と同じであるが、紫外線照射機14、15を造形体用材料噴射ヘッドユニット11と支持体用材料噴射ヘッドユニット12、13との間に配置している点が異なる。
また、立体造形物製造装置10では、紫外線照射機14、15は矢印A、Bいずれの方向に移動する際も使用し、その紫外線照射に伴って発生する熱により、積層された支持体形成材料の表面が平滑化され、結果として立体造形物の寸法安定性が向上する。
また、立体造形物装置10としては、液体回収機構、リサイクル機構などを付加することも可能である。ノズル面に付着した液体材料を除去するブレードや不吐出ノズルの検出機構を具備していてもよい。更に、立体造形時の立体造形物製造装置内の環境温度を制御することも好ましい。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
<水崩壊性複合材料の製造>
ポリエチレンオキサイド(アルコックス(登録商標)E−30、明成化学工業株式会社製)50質量部、及びポリビニルアルコール(JL−05E、日本酢ビ・ポバール株式会社)50質量部の総量100質量部に対して、無機化合物としての酸化チタン(R−62N、堺化学工業株式会社製)25質量部、及び滑剤としてのグリセリンモノステアレート(S−100、理研ビタミン株式会社製)15質量部を容量2,000mLのプラスチック容器に入れ、ビッグローター(BR−2、アズワン株式会社製)により10rpmで1時間、混合攪拌した後、混練押出成形評価試験装置(ラボプラストミル、株式会社東洋精機製作所製)を用いて、スクリュー回転数15rpm、シリンダー温度190℃で溶融混練し、直径1.8mmの繊維状に押出成形した。
次に、繊維状の押出成形物を、乾燥空気による冷却固化を行いながら延伸搬送を行い、自社作製のワインダーによりコアに巻き取った。以上により、繊維状の水崩壊性複合材料1を得た。
次に、得られた水崩壊性複合材料1について、以下のようにして諸特性を評価した。結果を表1に示した。
−成形性評価−
各成分をブレンダーにより混合した後、前記混練押出成形評価試験装置を用いて、スクリュー回転数15rpm、シリンダー温度190℃で溶融混練したときの成形性について以下の基準で評価した。
[評価基準]
○:直径1.8mmの繊維状に成形できた
×:直径1.8mmの繊維状に成形できなかった
−屈曲性評価−
得られた繊維状の水崩壊性複合材料1の長さを100mmに裁断し、長さ方向の中心を360°折り曲げ、折り曲げた部分を指で圧縮した。次に、逆方向に折り曲げ、同様に圧縮した。折り曲げた部分を、光学顕微鏡(BX51、オリンパス株式会社製)を用いて対物レンズを10倍、接眼レンズを5倍として観察し、以下の基準で評価した。
[評価基準]
○:クラック及び破断の少なくともいずれかが確認できない
△:一部微小クラックが確認できるが実使用上問題なし
×:クラック及び破断の少なくともいずれかが確認された
−溶融流動性評価−
得られた繊維状の水崩壊性複合材料1をメルトインデクサー(LMI5000、Dynisco社製、JIS K7210に準拠)を用いて、温度を190℃、荷重を2.18kgの条件でメルトフローレイトを測定し、以下の基準で評価した。
[評価基準]
○:メルトフローレイトが1.0g/10分間以上
△:メルトフローレイトが0.5g/10分間以上1.0g/10分間未満
×:メルトフローレイトが0.5g/10分間未満
−機械的強度評価−
得られた繊維状の水崩壊性複合材料1を、ICE60851に記載する方法に準拠した引張弾性率及び引張伸び率、及びJIS K7171に記載する方法に準拠した曲げ弾性率は、引張試験機(株式会社島津製作所製)により測定した。
−水崩壊性評価−
得られた繊維状の水崩壊性複合材料1の長さを50mmに裁断した。裁断した繊維状の水崩壊性複合材料を50mLビーカーにイオン交換水を40mL注ぎ、水温を25℃としたイオン交換水に浸漬して60分間静置させた。この時点でビーカー内の水溶液を攪拌翼にて50rpmにて30秒間攪拌させた。この水溶液を目開き500μmメッシュを通過させ、残留物の確認を目視により行った。
[評価基準]
○:残留物無し(水崩壊性が良好である)
×:残留物有り(水崩壊性なし)
(実施例2)
実施例1において、ポリエチレンオキサイド(アルコックス(登録商標)E−30、明成化学工業株式会社製)35質量部、及びポリビニルアルコール(JL−05E、日本酢ビ・ポバール株式会社)65質量部の総量100質量部に対して、無機化合物としての酸化チタン(R−62N、堺化学工業株式会社製)20質量部、及び滑剤としてのグリセリンモノステアレート(S−100、理研ビタミン株式会社製)20質量部とした以外は、実施例1と同様にして、繊維状の水崩壊性複合材料を作製し、実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示した。
(実施例3)
実施例1において、無機化合物としての酸化チタンを硫酸バリウム(B−54、堺化学工業株式会社)25質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、繊維状の水崩壊性複合材料を作製し、実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示した。
(実施例4)
実施例1において、ポリエチレンオキサイドの添加量を65質量部、及びポリビニルアルコールの添加量を35質量部とした以外は、実施例1と同様にして、繊維状の水崩壊性複合材料を作製し、実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示した。
(実施例5)
実施例1において、酸化チタンの添加量を50質量部とした以外は、実施例1と同様にして、繊維状の水崩壊性複合材料を作製し、実施例1と同様にして評価した。結果を表2に示した。
(実施例6)
実施例1において、グリセリンモノステアレートの添加量を30質量部とした以外は、実施例1と同様にして、繊維状の水崩壊性複合材料を作製し、実施例1と同様にして評価した。結果を表2に示した。
(比較例1)
実施例1において、グリセリンモノステアレートを添加しなかった以外は、実施例1と同様にして、繊維状の水崩壊性複合材料を作製し、実施例1と同様にして評価した。結果を表3に示した。
(比較例2)
実施例1において、酸化チタンを添加しなかった以外は、実施例1と同様にして、繊維状の水崩壊性複合材料を作製し、実施例1と同様にして評価した。結果を表3に示した。
(比較例3)
実施例1において、酸化チタンの添加量を10質量部から100質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、繊維状の水崩壊性複合材料を作製し、実施例1と同様にして評価した。結果を表3に示した。
(比較例4)
実施例1において、酸化チタンの添加量を10質量部から100質量部に変え、モノグリセリンステアレートを添加しなかった以外は、実施例1と同様にして、繊維状の水崩壊性複合材料を作製し、実施例1と同様にして評価した。結果を表3に示した。
(比較例5)
実施例1において、酸化チタン、及びモノグリセリンステアレートを添加しなかった以外は、実施例1と同様にして、繊維状の水崩壊性複合材料を作製し、実施例1と同様にして評価した。結果を表4に示した。
(比較例6)
実施例1において、ポリエチレンオキサイド90質量部、ポリビニルアルコール10重量部の総量100質量部に対して、無機化合物としての酸化チタン15質量部、及び滑剤としてのグリセリンモノステアレート15質量部とした以外は、実施例1と同様にして、繊維状の水崩壊性複合材料を作製し、実施例1と同様にして評価した。結果を表4に示した。
*表3中の評価項目における「−」は、測定不能であることを示す。
表1から表4の結果から、ポリエチレンオキサイド及びポリビニルアルコールに加え、無機化合物と、滑剤とを更に含む実施例1〜6の水崩壊性複合材料は、優れた水崩壊性を有し、かつ成形性、屈曲性、機械的強度、及び溶融流動性がいずれも良好であることがわかった。
これに対して、比較例1は、無機化合物を含有していないので流動特性の評価結果が「×」となり、実施例1〜6よりも劣ることがわかった。
また、比較例2は、滑剤を含有していないので60分間後の水崩壊性の評価結果が「×」となり、実施例1〜6よりも劣ることがわかった。
また、比較例3は、無機化合物である酸化チタンを100質量部添加したところ、屈曲性の評価結果が「×」となり、実施例1〜6よりも劣ることがわかった。
また、比較例4は、無機化合物である酸化チタンを100質量部添加し、滑剤を含有していないので、成形性の評価結果が「×」となり、実施例1〜6よりも劣ることがわかった。
(実施例7)
実施例1から6の水崩壊性複合材料を用い、FDM用3DプリンタであるPRN3D(マイクロファクトリー社製)にて立体造形を行った。
設定条件として吐出ノズル温度220℃、造形速度75mm/sとした。
その結果、いずれも直径500mm、高さ10mmの円柱の造形物を効率よく造形することができた。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> ポリエチレンオキサイド及びポリビニルアルコールを含有し、下記A)〜D)を全て満たすことを特徴とする水崩壊性複合材料である。
A)直径1.8mm、長さ50mmの繊維状の水崩壊性複合材料を、25℃のイオン交換水に浸漬すると、60分間以内で形状が崩壊する。
B)JIS K 7210に記載する方法に従い、温度を190℃、かつ荷重を2.18kgとして測定したときのメルトフローレイトが、0.5g/10分間以上である。
C)引張弾性率が1.0GPa以上、引張伸び率が10%以上を有する。
D)曲げ弾性率が1.0GPa以上を有する。
<2> 無機化合物、及び滑剤から選択される少なくとも1種を更に含有する前記<1>に記載の水崩壊性複合材料である。
<3> 前記無機化合物が、酸化チタン及び硫酸バリウムのいずれかを含有する前記<2>に記載の水崩壊性複合材料である。
<4> 前記無機化合物の含有量が、前記ポリエチレンオキサイドと前記ポリビニルアルコールの総量100質量部に対して、50質量部以下である前記<2>から<3>のいずれかに記載の水崩壊性複合材料である。
<5> 前記ポリエチレンオキサイドの重量平均分子量が、50,000以上1,000,000以下である前記<1>から<4>のいずれかに記載の水崩壊性複合材料である。
<6> 前記滑剤の含有量が、前記ポリエチレンオキサイドと前記ポリビニルアルコールの総量100質量部に対して、30質量部以下である前記<2>から<5>のいずれかに記載の水崩壊性複合材料である。
<7> 前記滑剤が、グリセリン脂肪酸エステルである前記<2>から<6>のいずれかに記載の水崩壊性複合材料である。
<8> 前記グリセリン脂肪酸エステルが、グリセリンモノステアレートである前記<7>に記載の水崩壊性複合材料である。
<9> 繊維状である前記<1>から<8>のいずれかに記載の水崩壊性複合材料である。
<10> 直径が、1mm以上5mm以下である前記<9>に記載の水崩壊性複合材料である。
<11> 立体造形物を製造するための前記立体造形物の支持用である前記<1>から<10>のいずれかに記載の水崩壊性複合材料である。
<12> ポリエチレンオキサイド及びポリビニルアルコールを含有し、無機化合物及び滑剤から選択される少なくとも1種を更に含有することを特徴とする水崩壊性複合材料である。
<13> 前記ポリビニルアルコールの含有量が、前記ポリエチレンオキサイド100質量部に対して、50質量部以上150質量部以下である前記<1>から<12>のいずれかに記載の水崩壊性複合材料である。
<14> 前記ポリビニルアルコールの含有量が、前記ポリエチレンオキサイド100質量部に対して、80質量部以上130質量部以下である前記<13>に記載の水崩壊性複合材料である。
<15> 直径1.8mm、長さ50mmの繊維状の水崩壊性複合材料を、25℃のイオン交換水に浸漬すると、60分間以内で形状が崩壊する前記<12>から<14>のいずれかに記載の水崩壊性複合材料である。
<16> JIS K7210に記載する方法に従い、温度を190℃、かつ荷重を2.18kgとして測定したときのメルトフローレイトが、0.5g/10分間以上である前記<12>から<15>のいずれかに記載の水崩壊性複合材料である。
<17> ICE60851に記載する方法に準拠した引張弾性率が1.0GPa以上であり、かつ引張伸び率が10%以上である前記<12>から<16>のいずれかに記載の水崩壊性複合材料である。
<18> JIS K7171に記載する方法に準拠した曲げ弾性率が1.0GPa以上であることを特徴とする水崩壊性複合材料である。
<19> 前記<1>から<18>のいずれかに記載の水崩壊性複合材料を用いて立体造形物を製造することを特徴とする立体造形物の製造方法である。
<20> 前記水崩壊性複合材料を用いて立体造形物を製造する工程と、前記立体造形物に水を付与して、その一部を溶解除去する工程とを含む前記<19>に記載の立体造形物の製造方法である。
<21> 立体造形物及び該立体造形物を支持する支持体を作製する工程と、
得られた前記立体造形物及び前記支持体を水に浸漬し、前記支持体を崩壊させて除去する工程と、を含み、
前記支持体が、前記<1>から<18>のいずれかに記載の水崩壊性複合材料を用いて形成されることを特徴とする立体造形物の製造方法である。
前記<1>から<18>のいずれかに記載の水崩壊性複合材料、及び前記<19>から<21>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
50 支持体形成材料
51 立体造形物
101 溶融混練押出し機
102 ベルト式搬送機
103 ワインダー
104 繊維状の水崩壊性複合材料
105 ドーム
W 水
特開平8−92453号公報

Claims (17)

  1. ポリエチレンオキサイド及びポリビニルアルコールを含有し、下記A)〜D)を全て満たすことを特徴とする立体造形用水崩壊性複合材料。
    A)直径1.8mm、長さ50mmの繊維状の水崩壊性複合材料を、25℃のイオン交換水に浸漬すると、60分間以内で形状が崩壊する。
    B)JIS K 7210に記載する方法に従い、温度を190℃、かつ荷重を2.18kgとして測定したときのメルトフローレイトが、0.5g/10分間以上である。
    C)ICE60851に記載する方法に準拠した引張弾性率が1.0GPa以上、ICE60851に記載する方法に準拠した引張伸び率が10%以上を有する。
    D)JIS K7171に記載する方法に準拠した曲げ弾性率が1.0GPa以上を有する。
  2. 無機化合物、及び滑剤から選択される少なくとも1種を更に含有する請求項1に記載の立体造形用水崩壊性複合材料。
  3. 前記無機化合物が、酸化チタン及び硫酸バリウムのいずれかを含有する請求項2に記載の立体造形用水崩壊性複合材料。
  4. 前記無機化合物の含有量が、前記ポリエチレンオキサイドと前記ポリビニルアルコールの総量100質量部に対して、50質量部以下である請求項2から3のいずれかに記載の立体造形用水崩壊性複合材料。
  5. 前記ポリエチレンオキサイドの重量平均分子量が、50,000以上1,000,000以下である請求項1から4のいずれかに記載の立体造形用水崩壊性複合材料。
  6. 前記滑剤が、グリセリン脂肪酸エステルである請求項2から5のいずれかに記載の立体造形用水崩壊性複合材料。
  7. 前記滑剤の含有量が、前記ポリエチレンオキサイドと前記ポリビニルアルコールの総量100質量部に対して、30質量部以下である請求項2から6のいずれかに記載の立体造形用水崩壊性複合材料。
  8. 繊維状である請求項1から7のいずれかに記載の立体造形用水崩壊性複合材料。
  9. 立体造形物を製造するための前記立体造形物の支持用である請求項1から8のいずれかに記載の立体造形用水崩壊性複合材料。
  10. ポリエチレンオキサイド及びポリビニルアルコールを含有し、無機化合物及び滑剤から選択される少なくとも1種を更に含有することを特徴とする立体造形用水崩壊性複合材料。
  11. 前記ポリビニルアルコールの含有量が、前記ポリエチレンオキサイド100質量部に対して、50質量部以上150質量部以下である請求項1から10のいずれかに記載の立体造形用水崩壊性複合材料。
  12. 直径1.8mm、長さ50mmの繊維状の水崩壊性複合材料を、25℃のイオン交換水に浸漬すると、60分間以内で形状が崩壊する請求項10から11のいずれかに記載の立体造形用水崩壊性複合材料。
  13. JIS K7210に記載する方法に従い、温度を190℃、かつ荷重を2.18kgとして測定したときのメルトフローレイトが、0.5g/10分間以上である請求項10から12のいずれかに記載の立体造形用水崩壊性複合材料。
  14. ICE60851に記載する方法に準拠した引張弾性率が1.0GPa以上であり、かつ引張伸び率が10%以上である請求項10から13のいずれかに記載の立体造形用水崩壊性複合材料。
  15. JIS K7171に記載する方法に準拠した曲げ弾性率が1.0GPa以上であることを特徴とする立体造形用水崩壊性複合材料。
  16. 請求項1から15のいずれかに記載の水崩壊性複合材料を用いて立体造形物を製造することを特徴とする立体造形物の製造方法。
  17. 立体造形物及び該立体造形物を支持する支持体を作製する工程と、
    得られた前記立体造形物及び前記支持体を水に浸漬し、前記支持体を崩壊させて除去する工程と、を含み、
    前記支持体が、請求項1から15のいずれかに記載の水崩壊性複合材料を用いて形成されることを特徴とする立体造形物の製造方法。
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