JP6710721B2 - ファブリペロー干渉フィルタ - Google Patents

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本発明は、ファブリペロー干渉フィルタに関する。
例えば特許文献1には、空隙を介して互いに対向するように配置された固定ミラー及び可動ミラーを備え、光透過領域を囲む1本の環状溝、及び、当該環状溝の外側に位置する複数の貫通孔が可動ミラーに形成されたファブリペロー干渉フィルタが記載されている。このファブリペロー干渉フィルタにおいては、1本の環状溝によって、駆動時(静電気力によって光透過領域における固定ミラーと可動ミラーとの距離が調整される際)における光透過領域での可動ミラーの平坦化が図られている。なお、環状溝の外側に位置する複数の貫通孔は、固定ミラーと可動ミラーとの間の空隙をエッチングで形成する際に、エッチングホールとして利用されるものである。
特開平7−286809号公報
上述したようなファブリペロー干渉フィルタには、駆動時における光透過領域での可動ミラーの平坦性の向上、及び、可動ミラーの耐久性の向上が望まれている。
そこで、本発明は、駆動時における光透過領域での可動ミラーの平坦性の向上、及び、可動ミラーの耐久性の向上を図ることができるファブリペロー干渉フィルタを提供することを目的とする。
本発明のファブリペロー干渉フィルタは、固定ミラーと、空隙を介して固定ミラーと対向するように配置され、光透過領域に対応する第1部分、光透過領域を囲む包囲部、及び包囲部の外側の第2部分を有し、静電気力によって包囲部及び第2部分が変形することで第1部分において固定ミラーとの距離が調整される可動ミラーと、を備え、可動ミラーのうち光透過領域を囲む包囲部には、光透過領域を囲む複数の第1環状溝、及び、空隙側及びその反対側に開口する複数の第1貫通孔が形成されており、複数の第1貫通孔の少なくとも一部は、隣り合う第1環状溝間の領域と重なっている。また、本発明のファブリペロー干渉フィルタは、固定ミラーと、空隙を介して固定ミラーと対向するように配置され、静電気力によって光透過領域における固定ミラーとの距離が調整される可動ミラーと、を備え、可動ミラーのうち光透過領域を囲む包囲部には、光透過領域を囲む複数の第1環状溝、及び、空隙側及びその反対側に開口する複数の第1貫通孔が形成されている。
このファブリペロー干渉フィルタでは、可動ミラーのうち光透過領域を囲む包囲部に、光透過領域を囲む複数の第1環状溝が形成されている。これにより、駆動時(静電気力によって光透過領域における固定ミラーと可動ミラーとの距離が調整される際)に包囲部が変形し易くなる。更に、可動ミラーのうち光透過領域を囲む包囲部に、空隙側及びその反対側に開口する複数の第1貫通孔が形成されている。これにより、駆動時に可動ミラーに生じる応力のバランスが良くなる。したがって、駆動時における光透過領域での可動ミラーの平坦性の向上を図ることができる。また、包囲部に複数の第1貫通孔が形成されていることで、駆動時に可動ミラーに生じる応力が分散される。したがって、可動ミラーの耐久性の向上を図ることができる。
本発明のファブリペロー干渉フィルタでは、可動ミラーのうち包囲部の内側の部分には、空隙側及びその反対側に開口する複数の第2貫通孔が形成されていてもよい。この場合、固定ミラーと可動ミラーとの間の空隙をエッチングで形成する際に、複数の第1貫通孔及び複数の第2貫通孔をエッチングホールとして利用することで、空隙の形成に要する時間の短縮化を図ることができる。
本発明のファブリペロー干渉フィルタでは、固定ミラーには、固定ミラーと可動ミラーとが対向する対向方向において、複数の第1環状溝にそれぞれ対応する複数の第2環状溝が形成されており、固定ミラーのうち複数の第2環状溝の外側の部分には、光透過領域を囲むように第1駆動電極が設けられており、可動ミラーには、静電気力を発生させるために第1駆動電極との間に電圧が印加される第2駆動電極が設けられていてもよい。この場合、複数の第2環状溝によって、第1駆動電極と固定ミラーのうち複数の第2環状溝の内側の部分とが電気的に絶縁されるため、駆動時における光透過領域での可動ミラーの平坦性の更なる向上を図ることができる。
本発明のファブリペロー干渉フィルタでは、固定ミラーには、光透過領域を含むように、第2駆動電極と同電位に接続された補償電極が設けられており、補償電極は、対向方向において、第1駆動電極に対して第2駆動電極の反対側に位置していてもよい。この場合、光透過領域を含むように固定ミラーに形成された補償電極が、可動ミラーに設けられた第2駆動電極と同電位となるため、駆動時における光透過領域での可動ミラーの平坦性の更なる向上を図ることができる。しかも、補償電極が第1駆動電極と第2駆動電極との間に位置していないため、第1駆動電極と第2駆動電極との間に、印加されている電圧に応じた静電気力を好適に発生させることができる。
本発明のファブリペロー干渉フィルタでは、固定ミラーには、光透過領域を含むように、第2駆動電極と同電位に接続された補償電極が設けられており、補償電極は、複数の第2環状溝を介して第1駆動電極の内側に位置していてもよい。この場合、光透過領域を含むように固定ミラーに形成された補償電極が、可動ミラーに設けられた第2駆動電極と同電位となるため、駆動時における光透過領域での可動ミラーの平坦性の更なる向上を図ることができる。しかも、固定ミラー内の同一平面上に配置された第1駆動電極及び補償電極について、それらの間の電気的な絶縁を複数の第2環状溝によって確実に実現することができる。
本発明によれば、駆動時における光透過領域での可動ミラーの平坦性の向上、及び、可動ミラーの耐久性の向上を図ることができるファブリペロー干渉フィルタを提供することが可能となる。
第1実施形態のファブリペロー干渉フィルタが適用された分光センサの分解斜視図である。 図1のII−II線に沿ってのファブリペロー干渉フィルタの断面図である。 第1駆動電極が設けられたポリシリコン層の平面図である。 補償電極が設けられたポリシリコン層の平面図である。 第2駆動電極が設けられたポリシリコン層の平面図である。 第1実施形態のファブリペロー干渉フィルタの一部拡大断面図である。 駆動時における第1実施形態のファブリペロー干渉フィルタの断面図である。 第2実施形態のファブリペロー干渉フィルタの断面図である。 第3実施形態のファブリペロー干渉フィルタの断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
[分光センサ]
図1に示されるように、分光センサ1は、配線基板2と、光検出器3と、複数のスペーサ4と、ファブリペロー干渉フィルタ10Aと、を備えている。配線基板2には、光検出器3が実装された実装部2a、例えばサーミスタ等の温度補償用素子(図示省略)が実装された実装部2b、及び電極パッド2c,2dが設けられている。実装部2aは、配線2eによって電極パッド2cと電気的に接続されている。実装部2bは、配線2eによって電極パッド2dと電気的に接続されている。光検出器3は、例えば赤外線検出器であって、InGaAs等が用いられた量子型センサ、又は、サーモパイル、焦電センサ若しくはボロメータ等の熱型センサである。なお、紫外、可視及び近赤外の各領域の光を検出する場合には、光検出器3としてシリコンフォトダイオード等を用いることができる。
ファブリペロー干渉フィルタ10Aは、複数のスペーサ4を介して配線基板2上に固定されている。この状態で、光検出器3は、配線基板2とファブリペロー干渉フィルタ10Aとの間においてファブリペロー干渉フィルタ10Aの光透過領域11と対向している。ファブリペロー干渉フィルタ10Aと各スペーサ4との固定には、ファブリペロー干渉フィルタ10Aへの熱ストレスの影響を抑制するために、可撓性を有する樹脂材料が用いられている。当該樹脂材料は、室温硬化又は150℃以下の低温硬化のものから選択されることが望ましい。複数のスペーサ4は、ファブリペロー干渉フィルタ10Aにおいて特に複数のスペーサ4と固定される部分との熱膨張係数差を緩和するために、例えば石英又はシリコン等、ファブリペロー干渉フィルタ10Aを構成する基板14と熱膨張係数が同等の材料、或いは熱膨張係数が小さい材料で形成されることが望ましい。なお、配線基板2と各スペーサ4とを別体で形成する構成に代えて、配線基板2と各スペーサ4とを一体で形成する構成としてもよい。また、配線基板2も、例えば石英又はシリコン等、ファブリペロー干渉フィルタ10Aを構成する基板14と熱膨張係数が同等の材料、或いは熱膨張係数が小さい材料で形成されることが望ましい。
図示はしないが、配線基板2、光検出器3、複数のスペーサ4及びファブリペロー干渉フィルタ10Aは、配線基板2がステム上に固定され且つファブリペロー干渉フィルタ10Aの光透過領域がキャップの光透過窓に対向した状態で、CANパッケージ内に収容されている。配線基板2の各電極パッド2c,2d及びファブリペロー干渉フィルタ10Aの各端子12,13は、ステムを貫通する複数のリードピンのそれぞれとワイヤボンディングによって電気的に接続されている。光検出器3及び温度補償用素子(図示省略)に対する電気信号の入出力等は、リードピン、電極パッド2c、配線2e及び実装部2aを介して行われる。ファブリペロー干渉フィルタ10Aへの電圧の印加は、リードピン及び各端子12,13を介して行われる。なお、光検出器3及び温度補償用素子に対する電気信号の入出力等は、光検出器3及び温度補償用素子のそれぞれの端子とワイヤボンディングによって電気的に接続されたリードピンを介して行われてもよい。
以上のように構成された分光センサ1では、配線基板2の反対側からファブリペロー干渉フィルタ10Aの光透過領域11に測定光が入射すると、ファブリペロー干渉フィルタ10Aに印加されている電圧に応じてエアギャップが変化し、所定波長を有する光がファブリペロー干渉フィルタ10Aの光透過領域11を透過する。そして、光透過領域11を透過した光は、光検出器3で検出される。このように、分光センサ1では、ファブリペロー干渉フィルタ10Aに印加する電圧を変化させながら、光透過領域11を透過した光を光検出器3で検出することで、分光スペクトルを得ることができる。
[ファブリペロー干渉フィルタ]
図2に示されるように、ファブリペロー干渉フィルタ10Aは、例えば正方形板状の基板14を備えている。基板14の光入射側の表面14aには、反射防止層15、第1積層体30、支持層16及び第2積層体40がこの順序で積層されている。第1積層体30と第2積層体40との間には、枠状の支持層16によって、エアギャップとしての空隙Sが形成されている。枠状の支持層16は、その中央部分が犠牲層としてエッチングによって除去されることで形成されたものである。ファブリペロー干渉フィルタ10Aの中央部には、例えば円柱状の光透過領域11が画定されている。基板14は、例えば、シリコン、石英又はガラス等の光透過性材料からなる。反射防止層15及び支持層16は、例えば酸化シリコンからなる。支持層16の厚さは、中心透過波長(ファブリペロー干渉フィルタ10Aが透過させ得る光の波長範囲の中央値の波長)の1/2の整数倍であることが好まく、例えば150nm〜10μmである。
第1積層体30のうち空隙Sに臨む領域に対応する部分は、固定ミラー31として機能する。第1積層体30は、例えば、複数のポリシリコン層32と複数の窒化シリコン層33とが一層ずつ交互に積層されることで構成されている。より具体的には、二酸化シリコン等からなる反射防止層15上に、ポリシリコン層32a、窒化シリコン層33a、ポリシリコン層32b、窒化シリコン層33b及びポリシリコン層32cがこの順序で積層されている。ポリシリコン層32及び窒化シリコン層33のそれぞれの光学厚さは、中心透過波長の1/4の整数倍であることが好ましく、例えば50nm〜2μmである。
第2積層体40のうち空隙Sに臨む領域に対応する部分は、可動ミラー41として機能する。可動ミラー41は、空隙Sを介して固定ミラー31と対向するように配置されている。第2積層体40は、例えば、複数のポリシリコン層42と複数の窒化シリコン層43とが一層ずつ交互に積層されることで構成されている。より具体的には、支持層16上に、ポリシリコン層42a、窒化シリコン層43a、ポリシリコン層42b、窒化シリコン層43b及びポリシリコン層42cがこの順序で積層されている。ポリシリコン層42及び窒化シリコン層43のそれぞれの光学厚さは、中心透過波長の1/4の整数倍であることが好ましく、例えば50nm〜2μmである。
図1及び図2に示されるように、端子12は、固定ミラー31と可動ミラー41とが対向する対向方向Dから見た場合に光透過領域11を挟んで対向するように、一対設けられている。各端子12は、第2積層体40の表面40a(すなわち、第2積層体40のポリシリコン層42cの表面)から第1積層体30のポリシリコン層32cに至る貫通孔内に配置されている。端子13は、対向方向Dから見た場合に光透過領域11を挟んで対向するように、一対設けられている。各端子13は、第2積層体40の表面40aから第2積層体40のポリシリコン層42aに至る貫通孔内に配置されている。なお、一対の端子12が対向する方向と一対の端子13が対向する方向とは、直交している。
図2及び図3に示されるように、固定ミラー31には、光透過領域11を囲むように、例えば円環状の第1駆動電極17が設けられている。更に、固定ミラー31には、第1駆動電極17から対向方向Dに垂直な方向に沿って各端子12の直下に延在するように、一対の配線21が設けられている。第1駆動電極17及び一対の配線21は、ポリシリコン層32cの所定部分に不純物がドープされて当該所定部分が低抵抗化されることで形成されている。第1駆動電極17は、各端子12が各配線21の端部21aに接続されることで、各端子12と電気的に接続されている。
図2及び図4に示されるように、固定ミラー31には、光透過領域11を含むように、例えば円形状の補償電極18が設けられている。更に、固定ミラー31には、補償電極18から対向方向Dに垂直な方向に沿って各端子13の直下に延在するように、一対の配線22が設けられている。補償電極18及び一対の配線22は、ポリシリコン層32bの所定部分に不純物がドープされて当該所定部分が低抵抗化されることで形成されている。補償電極18は、各端子13が配線23を介して各配線22の端部22aに接続されることで、各端子13と電気的に接続されている。配線23は、各配線22の端部22aから対向方向Dに沿って各端子13の直下に延在するものであり、第2積層体40のポリシリコン層42aから第1積層体30のポリシリコン層32bに至る貫通孔内に配置されている。
図2及び図5に示されるように、可動ミラー41には、対向方向Dにおいて第1駆動電極17及び補償電極18と対向するように、例えば円形状の第2駆動電極19が設けられている。更に、可動ミラー41には、第2駆動電極19から対向方向Dに垂直な方向に沿って各端子13の直下に延在するように、一対の配線24が設けられている。第2駆動電極19及び一対の配線24は、ポリシリコン層42aの所定部分に不純物がドープされて当該所定部分が低抵抗化されることで形成されている。第2駆動電極19は、各端子13が各配線24の端部24aに接続されることで、各端子13と電気的に接続されている。
図2に示されるように、ファブリペロー干渉フィルタ10Aにおいては、第2駆動電極19と同電位に接続された補償電極18は、対向方向Dにおいて、第1駆動電極17に対して第2駆動電極19の反対側に位置している。つまり、第1駆動電極17と補償電極18とは、固定ミラー31において同一平面上に配置されておらず、補償電極18は、第1駆動電極17よりも第2駆動電極19から離れている。
第1積層体30の表面30a(すなわち、第1積層体30のポリシリコン層32cの表面)には、配線23を囲む環状溝25が形成されている。環状溝25は、例えば円環状に延在している。環状溝25の底面は、第1積層体30の窒化シリコン層33bに達している。環状溝25内には、例えば酸化シリコンからなる絶縁部材が配置されている。これにより、配線23は、第1駆動電極17と電気的に絶縁されている。環状溝25の幅は、例えば0.1〜100μmである。なお、環状溝25は、例えば同心円状に並ぶように複数形成されていてもよい。
第2積層体40の表面40aには、端子12を囲む環状溝26が形成されている。環状溝26は、例えば円環状に延在している。環状溝26の底面は、支持層16に達している。環状溝26内は、空隙となっている。これにより、端子12は、第2駆動電極19と電気的に絶縁されている。環状溝26の幅は、例えば0.1〜100μmである。なお、環状溝26は、例えば同心円状に並ぶように複数形成されていてもよい。
基板14の光出射側の表面14bには、反射防止層51、第3積層体52、中間層53及び第4積層体54がこの順序で積層されている。反射防止層51及び中間層53は、それぞれ、反射防止層15及び支持層16と同様の構成を有している。第3積層体52及び第4積層体54は、それぞれ、基板14を基準として第1積層体30及び第2積層体40と対称の積層構造を有している。これらの反射防止層51、第3積層体52、中間層53及び第4積層体54によって、積層体50が構成されている。
積層体50の光出射側の表面50bには、測定光を遮光するための遮光層27が形成されている。遮光層27は、例えばアルミニウムからなる。遮光層27及び積層体50には、光透過領域11を含むように、例えば円柱状の開口50aが形成されている。開口50aは、光出射側に開口しており、開口50aの底面は、反射防止層51に至っている。遮光層27の表面及び開口50aの内面には、保護層28が形成されている。保護層28は、例えば酸化アルミニウムからなる。なお、保護層28の厚さを30nm程度に薄くすることで、保護層28による光学的な影響を無視することができる。
図2及び図6に示されるように、可動ミラー41には、光透過領域11を囲む包囲部41aが画定されている。包囲部41aは、例えば円筒状に画定されている。包囲部41aには、光透過領域11を囲む複数(例えば3本)の第1環状溝44が形成されている。各第1環状溝44は、例えば円環状に延在しており、各第1環状溝44内は、空隙となっている。複数の第1環状溝44は、隣り合う第1環状溝44に着目した場合に一方の第1環状溝44を他方の第1環状溝44が囲むように(すなわち、例えば同心円状に)、並んでいる。各第1環状溝44は、空隙Sの反対側に開口しており、複数のポリシリコン層42及び複数の窒化シリコン層43のそれぞれが空隙S側に部分的に落ち込むことで形成されている。各第1環状溝44の幅は、例えば0.1〜100μmである。隣り合う第1環状溝44間の距離は、例えば1〜250μmである。なお、各第1環状溝44は、連続的な環状であるものに限定されず、例えば断続的な環状であるものであってもよい。また、隣り合う第1環状溝44の一部が繋がっていてもよい。
更に、包囲部41aには、空隙S側及びその反対側に開口する複数の第1貫通孔45が形成されている(図2では、図示省略)。複数の第1貫通孔45の少なくとも一部は、隣り合う第1環状溝44間に位置している。各第1貫通孔45は、例えば円柱状に形成されており、各第1貫通孔45の直径は、例えば1〜10μmというように、径方向における包囲部41aの幅(複数の第1環状溝44が同心円状に並んでいる場合には、最も外側の第1環状溝44の外周半径と最も内側の第1環状溝44の内周半径との差)よりも小さくなっている。複数の第1貫通孔45は、隣り合う第1貫通孔45間の距離が例えば10〜100μmで、均一に分散して形成されている。また、可動ミラー41のうち包囲部41aの内側の部分には、空隙S側及びその反対側に開口する複数の第2貫通孔46が形成されている(図2では、図示省略)。各第2貫通孔46は、例えば円柱状に形成されており、各第2貫通孔46の直径は、例えば1〜10μmとなっている。複数の第2貫通孔46は、隣り合う第2貫通孔46間の距離が例えば10〜100μmで、均一に分散して形成されている。
固定ミラー31には、対向方向Dにおいて、複数の第1環状溝44にそれぞれ対応する複数の第2環状溝34が形成されている。各第2環状溝34は、例えば円環状に延在しており、各第2環状溝34内は、空隙となっている。複数の第2環状溝34は、隣り合う第2環状溝34に着目した場合に一方の第2環状溝34を他方の第2環状溝34が囲むように(すなわち、例えば同心円状に)、並んでいる。各第2環状溝34は、空隙S側に開口しており、第1駆動電極17の内縁に沿ってポリシリコン層32cが部分的に除去されることで形成されている。つまり、第1駆動電極17は、固定ミラー31のうち複数の第2環状溝34の外側の部分に設けられている。各第2環状溝34の幅は、例えば0.1〜100μmである。隣り合う第2環状溝34間の距離は、例えば1〜250μmである。
以上のように構成されたファブリペロー干渉フィルタ10Aにおいては、各端子12,13を介して第1駆動電極17と第2駆動電極19との間に電圧が印加されると、当該電圧に応じた静電気力が第1駆動電極17と第2駆動電極19との間に発生する。これにより、図7に示されるように、可動ミラー41は、主に包囲部41a及びその外側の部分で変形し、可動ミラー41において光透過領域11に対応する部分は、平坦性を維持しつつ固定ミラー31側に引き寄せられる。このように、光透過領域11における固定ミラー31と可動ミラー41との距離は、発生する静電気力、延いては印加される電圧によって、調整される。ファブリペロー干渉フィルタ10Aを透過する光の波長は、光透過領域11における固定ミラー31と可動ミラー41との距離に依存するため、第1駆動電極17と第2駆動電極19との間に印加する電圧を調整することで、透過する光の波長を適宜選択することができる。
以上、説明したように、ファブリペロー干渉フィルタ10Aでは、可動ミラー41のうち光透過領域11を囲む包囲部41aに、光透過領域11を囲む複数の第1環状溝44が形成されている。これにより、駆動時(静電気力によって光透過領域11における固定ミラー31と可動ミラー41との距離が調整される際)に包囲部41aが変形し易くなる。更に、包囲部41aに、空隙S側及びその反対側に開口する複数の第1貫通孔45が形成されている。これにより、駆動時に可動ミラー41に生じる応力のバランスが良くなる。したがって、駆動時における光透過領域11での可動ミラー41の平坦性の向上を図ることができる。また、包囲部41aに複数の第1貫通孔45が形成されていることで、駆動時に可動ミラー41に生じる応力が分散される。したがって、可動ミラー41の耐久性の向上を図ることができる。
また、ファブリペロー干渉フィルタ10Aに熱を加えられる状況においては、熱歪が発生するが、上述のとおり、可動ミラー41に生じる応力のバランスが良くなるため、可動ミラー41の歪も均質となる。したがって、可動ミラー41の歪に起因する分解能(透過波長特性)の低下を抑制することができる。
また、ファブリペロー干渉フィルタ10Aでは、可動ミラー41のうち包囲部41aの内側の部分に、空隙S側及びその反対側に開口する複数の第2貫通孔46が形成されている。そのため、固定ミラー31と可動ミラー41との間の空隙Sをエッチングで形成する際に、複数の第1貫通孔45及び複数の第2貫通孔46をエッチングホールとして利用することで、空隙Sの形成に要する時間の短縮化を図ることができる。
また、ファブリペロー干渉フィルタ10Aでは、固定ミラー31に、複数の第2環状溝34が形成されており、固定ミラー31のうち複数の第2環状溝34の外側の部分に、第1駆動電極17が設けられている。これにより、第1駆動電極17と固定ミラー31のうち複数の第2環状溝34の内側の部分(すなわち、複数の第2環状溝34の内側のポリシリコン層32c)とが電気的に絶縁されるため、駆動時における光透過領域11での可動ミラー41の平坦性の更なる向上を図ることができる。
なお、固定ミラー31に複数の第2環状溝34が形成されている場合、その外側の部分と内側の部分との電気的な絶縁は、固定ミラー31に1本の第2環状溝34が形成されている場合に比べ、確実なものとなる。それは、複数の第2環状溝34のうち一部の第2環状溝34に欠陥が生じてリーク電流が発生し得る状態となっても、残りの第2環状溝34によって当該リーク電流が阻止されるからである。また、全ての第2環状溝34に欠陥が生じてリーク電流が発生し得る状態となっても、リーク電流が遠回りし易くなるからでる。
また、ファブリペロー干渉フィルタ10Aでは、固定ミラー31に、第2駆動電極19と同電位に接続された補償電極18が設けられており、補償電極18が、対向方向Dにおいて、第1駆動電極17に対して第2駆動電極19の反対側に位置している。これにより、光透過領域11を含むように固定ミラー31に形成された補償電極18が、可動ミラー41に設けられた第2駆動電極19と同電位となるため、駆動時における光透過領域11での可動ミラー41の平坦性の更なる向上を図ることができる。しかも、補償電極18が第1駆動電極17と第2駆動電極19との間に位置していないため、第1駆動電極17と第2駆動電極19との間に、印加されている電圧に応じた静電気力を好適に発生させることができる。
なお、第1環状溝44の本数を増加させるほど、例えば1本の第1環状溝44の幅を増加させる場合に比べ、駆動時における光透過領域11での可動ミラー41の平坦性の向上が顕著となる。また、上述したように、第2環状溝34の本数を増加させるほど、その外側の部分と内側の部分との電気的な絶縁が確実なものとなるため、第2環状溝34の本数を増加させることも、駆動時における光透過領域11での可動ミラー41の平坦性の向上に寄与する。
[ファブリペロー干渉フィルタの製造方法]
上述したファブリペロー干渉フィルタ10Aの製造方法について、図2及び図6を参照して説明する。まず、基板14の表面14aに反射防止層15が積層される。これと同時に、基板14の表面14bに反射防止層51gが積層される。続いて、反射防止層15上に、第1積層体30の一部をなすポリシリコン層32a、窒化シリコン層33a及びポリシリコン層32bがこの順序で積層される。これと同時に、反射防止層51上に、第3積層体52の一部をなすポリシリコン層、窒化シリコン層及びポリシリコン層がこの順序で積層される。続いて、ポリシリコン層32bの所定部分に不純物がドープされて当該所定部分が低抵抗化されることで、補償電極18及び一対の配線22が形成される。
続いて、ポリシリコン層32b上に、第1積層体30の一部をなす窒化シリコン層33bが積層される。これと同時に、第3積層体52の一部をなすポリシリコン層上に、第3積層体52の一部をなす窒化シリコン層が積層される。続いて、窒化シリコン層33bの所定部分がエッチングにより除去されることで、配線23を配置するための貫通孔の一部が形成される。
続いて、窒化シリコン層33b上に、第1積層体30の一部をなすポリシリコン層32cが積層される。これと同時に、第3積層体52の一部をなす窒化シリコン層上に、第3積層体52の一部をなすポリシリコン層が積層される。続いて、ポリシリコン層32cの所定部分に不純物がドープされて当該所定部分が低抵抗化されることで、第1駆動電極17及び一対の配線21が形成される。また、ポリシリコン層32cの所定部分がエッチングにより除去されることで、環状溝25及び複数の第2環状溝34、並びに、配線23が配置されるための貫通孔の一部が形成される。なお、ポリシリコン層32cの所定部分を選択的に除去するために、予めエッチングストッパが設けられていてもよい。続いて、環状溝25内に、例えば酸化シリコンからなる絶縁部材が配置される。
続いて、ポリシリコン層32c上に、支持層16が積層される。これと同時に、第3積層体52の一部をなすポリシリコン層上に、中間層53が積層される。このとき、支持層16の表面には、ポリシリコン層32cに形成された複数の第2環状溝34内に支持層16が部分的に落ち込むことで、複数の第2環状溝34に倣った複数の環状溝が形成される。続いて、支持層16の所定部分がエッチングにより除去されることで、配線23が配置されるための貫通孔の一部、及び各端子12が取り出されるための貫通孔の一部が形成される。続いて、支持層16の表面から第1積層体30のポリシリコン層32bに至る貫通孔内に配線23が配置される。
続いて、支持層16上に、第2積層体40の一部をなすポリシリコン層42aが積層される。これと同時に、中間層53上に、第4積層体54の一部をなすポリシリコン層が積層される。続いて、ポリシリコン層42aの所定部分に不純物がドープされて当該所定部分が低抵抗化されることで、第2駆動電極19及び一対の配線24が形成される。
続いて、ポリシリコン層42a上に、第2積層体40の一部をなす窒化シリコン層43a、ポリシリコン層42b、窒化シリコン層43b及びポリシリコン層42cがこの順序で積層される。これと同時に、第4積層体54の一部をなすポリシリコン層上に、第4積層体54の一部をなす窒化シリコン層、ポリシリコン層、窒化シリコン層及びポリシリコン層がこの順序で積層される。このとき、第2積層体40の表面40a(すなわち、第2積層体40のポリシリコン層42cの表面)には、支持層16の表面に形成された複数の環状溝に複数のポリシリコン層42及び複数の窒化シリコン層43のそれぞれが部分的に落ち込むことで、複数の第2環状溝34に倣った複数の第1環状溝44が第2環状溝34の直上に形成される。
続いて、第2積層体40及び支持層16の所定部分がエッチングにより除去されることで、第2積層体40の表面40aから第1積層体30のポリシリコン層32cに至る貫通孔が形成される。また、第2積層体40の所定部分がエッチングにより除去されることで、第2積層体40の表面40aから第2積層体40のポリシリコン層42aに至る貫通孔が形成される。続いて、第2積層体40の表面40aから第1積層体30のポリシリコン層32cに至る貫通孔内に導電部材が配置されることで、端子12が形成される。また、第2積層体40の表面40aから第2積層体40のポリシリコン層42aに至る貫通孔内に導電部材が配置されることで、端子13が形成される。
続いて、第2積層体40の所定部分がエッチングにより除去されることで、第2積層体40の表面40aから支持層16に至る第1貫通孔45、第2貫通孔46及び環状溝26が形成される。続いて、第4積層体54上に、遮光層27が積層される。続いて、第3積層体52、中間層53、第4積層体54及び遮光層27の所定部分がエッチングにより除去されることで、開口50aが形成される。続いて、遮光層27の表面及び開口50aの内面に、保護層28が形成される。なお、遮光層27は、エッチングの後又はエッチングの途中に形成されてもよい。
続いて、第1貫通孔45及び第2貫通孔46を介したエッチングにより支持層16の所定部分(中央部分)が犠牲層として除去されることで、空隙Sが形成される。酸化シリコンからなる支持層16に空隙Sを形成するために、フッ酸ガスを用いた気相エッチングが実施されると、第1積層体30の複数のポリシリコン層32及び複数の窒化シリコン層33、並びに、第2積層体40の複数のポリシリコン層42及び複数の窒化シリコン層43の侵食が防止される。このとき、酸化シリコンからなる反射防止層51は、開口50aの底面において、酸化アルミニウムからなる保護層28に覆われているため、当該反射防止層51の侵食も防止される。
以上の製造工程は、基板14となる部分を複数含むウェハに対して実施される。以上の製造工程が実施された後に、ウェハがチップ化されることで、ファブリペロー干渉フィルタ10Aが得られる。なお、ウェハのチップ化には、レーザ光の照射によって基板14の内部等に改質領域を形成し、当該改質領域を起点としてウェハを分割する内部加工型のレーザ加工技術を用いることが好ましい。内部加工型のレーザ加工技術によれば、ウェハをチップ化する際に、メンブレン状の可動ミラー41が損傷するのを抑制することができる。
以上、説明したように、ファブリペロー干渉フィルタ10Aの製造方法では、支持層16に空隙Sをエッチングで形成する際に、複数の第2貫通孔46に加え、複数の第1貫通孔45をエッチングホールとして利用することができるため、空隙Sの形成に要する時間の短縮化を図ることができる。
ところで、窒化シリコンとフッ酸ガスとが反応して、フッ化アンモニウム系の残渣が発生することが知られている(B.DU BOIS,HF ETCHING OF SI-OXIDES AND SI-NITRIDES FOR SURFACE MICROMACHINING, Sensor Technology 2001, Proceedings of the Sensor Technology Conference 2001, held in Enschede, The Netherlands, 14-15 May, 2001, pp131-136参照)。ファブリペロー干渉フィルタ10Aの製造工程において、酸化シリコンからなる支持層16に空隙Sを形成するために、フッ酸ガスを用いた気相エッチングを実施する際には、固定ミラー31において複数の第2環状溝34の底面に窒化シリコン層33bが露出しているが、複数の第2環状溝34を含むような1本の環状溝の底面に窒化シリコン層33bが露出している場合に比べ、残渣の発生を抑制することができる。なお、フッ化アンモニウム系の残渣は、真空ベーク等により昇華させることで除去することが可能である。
[第2実施形態]
図8に示されるように、ファブリペロー干渉フィルタ10Bは、第1駆動電極17及び補償電極18が固定ミラー31内の同一平面上に配置されている点で、上述したファブリペロー干渉フィルタ10Aと主に相違している。ファブリペロー干渉フィルタ10Bでは、補償電極18は、複数の第2環状溝34を介して第1駆動電極17の内側に位置している。つまり、補償電極18は、第1駆動電極17と共に、第1積層体30のポリシリコン層32cに設けられている。第1駆動電極17及び補償電極18は、ポリシリコン層32cの所定部分に不純物がドープされて当該所定部分が低抵抗化されることで形成されている。
補償電極18は、一対の配線29を介して各配線23に接続されることで、各端子13と電気的に接続されている。各配線29は、配線29a,29bを含んでいる。一対の配線29aは、各配線23の端部から対向方向Dに垂直な方向に沿って補償電極18の縁部の直下に延在するように、第1積層体30のポリシリコン層32bに設けられている。一対の配線29aは、ポリシリコン層32bの所定部分に不純物がドープされて当該所定部分が低抵抗化されることで形成されている。一対の配線29bは、補償電極18の縁部から対向方向Dに沿って各配線29aの端部に延在するものであり、補償電極18からポリシリコン層32bに至る貫通孔内に配置されている。
以上のように構成されたファブリペロー干渉フィルタ10Bでは、上述したファブリペロー干渉フィルタ10Aと同様に、可動ミラー41の包囲部41aに複数の第1環状溝44及び複数の第1貫通孔45が形成されている。よって、駆動時における光透過領域11での可動ミラー41の平坦性の向上、及び、可動ミラー41の耐久性の向上を図ることができる。
また、ファブリペロー干渉フィルタ10Bでは、第2駆動電極19と同電位に接続された補償電極18が、複数の第2環状溝34を介して第1駆動電極17の内側に位置していている。これにより、固定ミラー31内の同一平面上に配置された第1駆動電極17及び補償電極18について、それらの間の電気的な絶縁を確実に実現することができ、駆動時における光透過領域11での可動ミラー41の平坦性の更なる向上を図ることができる。
[第3実施形態]
図9に示されるように、ファブリペロー干渉フィルタ10Cは、固定ミラー31に補償電極18が設けられていない点、固定ミラー31に複数の第2環状溝34が形成されていない点、及び可動ミラー41の包囲部41aに複数の第1環状溝44がエッチングで形成されている点で、上述したファブリペロー干渉フィルタ10Aと主に相違している。ファブリペロー干渉フィルタ10Cでは、第2積層体40の所定部分をエッチングにより除去することで、第2積層体40の表面40aから第2積層体40のポリシリコン層42aに至る複数の第1環状溝44を形成する。なお、第2積層体40の所定部分を選択的に除去するために、予めエッチングストッパが設けられていてもよい。
以上のように構成されたファブリペロー干渉フィルタ10Cでは、上述したファブリペロー干渉フィルタ10Aと同様に、可動ミラー41の包囲部41aに複数の第1環状溝44及び複数の第1貫通孔45が形成されている。よって、駆動時における光透過領域11での可動ミラー41の平坦性の向上、及び、可動ミラー41の耐久性の向上を図ることができる。
また、ファブリペロー干渉フィルタ10Cでは、固定ミラー31に複数の第2環状溝34が形成されていないため、第1駆動電極17とポリシリコン層32cにおける第1駆動電極17の内側の部分とが電気的に接続されることになる。これにより、ポリシリコン層32cにおける第1駆動電極17の内側の部分と第2駆動電極19との間にも電位差が生じて静電気力が発生することになるので、固定ミラー31と可動ミラー41との距離を調整するために第1駆動電極17と第2駆動電極19との間に印加する電圧を低くすることができる。
また、ファブリペロー干渉フィルタ10Cでは、酸化シリコンからなる支持層16に空隙Sを形成するために、フッ酸ガスを用いた気相エッチングを実施しても、固定ミラー31に複数の第2環状溝34が形成されておらず、窒化シリコン層33bが露出していないため、フッ化アンモニウム系の残渣の発生をより一層抑制することができる。
以上、本発明の第1、第2及び第3実施形態について説明したが、本発明は、上述した第1、第2及び第3実施形態に限定されるものではない。例えば、第1積層体30を構成するポリシリコン層32及び窒化シリコン層33の層数及び膜厚、並びに、第2積層体40を構成するポリシリコン層42及び窒化シリコン層43の層数及び膜厚は、各ファブリペロー干渉フィルタ10A,10B,10Cが透過させる光の波長の分解能及び適用範囲に応じて適宜変更可能である。また、可動ミラー41の貫通孔は、包囲部41a及びその内側の領域だけでなく、包囲部41aの外側の領域に形成されてもよい。また、光透過領域11は、開口50aよりも狭い範囲である場合に限定されず、例えば、開口50aよりも広い範囲の測定光が入射する場合に、開口50aによって光透過領域11が画定されてもよい。また、各ファブリペロー干渉フィルタ10A,10B,10Cの各構成には、上述した材料及び形状に限らず、様々な材料及び形状を適用することができる。
10A,10B,10C…ファブリペロー干渉フィルタ、11…光透過領域、17…第1駆動電極、18…補償電極、19…第2駆動電極、31…固定ミラー、34…第2環状溝、41…可動ミラー、41a…包囲部、44…第1環状溝、45…第1貫通孔、46…第2貫通孔、S…空隙。

Claims (14)

  1. 固定ミラーと、
    空隙を介して前記固定ミラーと対向するように配置され、光透過領域に対応する第1部分、前記光透過領域を囲む包囲部、及び前記包囲部の外側の第2部分を有し、静電気力によって前記包囲部及び前記第2部分が変形することで前記第1部分において前記固定ミラーとの距離が調整される可動ミラーと、を備え、
    前記可動ミラーのうち前記光透過領域を囲む前記包囲部には、前記光透過領域を囲む複数の第1環状溝、及び、前記空隙側及びその反対側に開口する複数の第1貫通孔が形成されており、
    前記複数の第1貫通孔の少なくとも一部は、隣り合う前記第1環状溝間の領域と重なっている、ファブリペロー干渉フィルタ。
  2. 前記第1部分には、前記空隙側及びその反対側に開口する複数の第2貫通孔が形成されている、請求項1記載のファブリペロー干渉フィルタ。
  3. 前記固定ミラーのうち、前記固定ミラーと前記可動ミラーとが対向する対向方向において前記第2部分と対向する部分には、前記光透過領域を囲むように第1駆動電極が設けられており、
    前記可動ミラーには、前記対向方向において前記第1駆動電極と対向するように、前記静電気力を発生させるために前記第1駆動電極との間に電圧が印加される第2駆動電極が設けられている、請求項1又は2記載のファブリペロー干渉フィルタ。
  4. 前記固定ミラーには、前記対向方向において、前記複数の第1環状溝にそれぞれ対応する複数の第2環状溝が形成されており、
    前記第1駆動電極は、前記固定ミラーのうち前記複数の第2環状溝の外側の部分に設けられている、請求項3記載のファブリペロー干渉フィルタ。
  5. 前記固定ミラーには、前記光透過領域を含むように、前記第2駆動電極と同電位に接続された補償電極が設けられており、
    前記補償電極は、前記対向方向において、前記第1駆動電極に対して前記第2駆動電極の反対側に位置している、請求項4記載のファブリペロー干渉フィルタ。
  6. 前記固定ミラーには、前記光透過領域を含むように、前記第2駆動電極と同電位に接続された補償電極が設けられており、
    前記補償電極は、前記複数の第2環状溝を介して前記第1駆動電極の内側に位置している、請求項4記載のファブリペロー干渉フィルタ。
  7. 前記固定ミラーと前記可動ミラーとが対向する対向方向に平行であり且つ前記光透過領域の中心を通る断面において、前記第1貫通孔の幅は、最も外側の前記第1環状溝の外縁と最も内側の前記第1環状溝の内縁との間の幅よりも小さい、請求項1〜6のいずれか一項記載のファブリペロー干渉フィルタ。
  8. 固定ミラーと、
    空隙を介して前記固定ミラーと対向するように配置され、光透過領域に対応する第1部分、前記光透過領域を囲む包囲部、及び前記包囲部の外側の第2部分を有し、静電気力によって前記包囲部及び前記第2部分が変形することで前記第1部分において前記固定ミラーとの距離が調整される可動ミラーと、を備え、
    前記可動ミラーのうち前記光透過領域を囲む前記包囲部には、前記光透過領域を囲む第1環状溝が形成されており、
    前記固定ミラーと前記可動ミラーとが対向する対向方向から見た場合に前記空隙のうち前記第1環状溝に囲まれる第1領域、及び前記対向方向から見た場合に前記空隙のうち前記第1環状溝を囲む第2領域については、前記対向方向に平行であり且つ前記光透過領域の中心を通る断面において、前記対向方向に垂直な方向における前記第1領域の両側に前記第2領域が1対現れ、前記対向方向に垂直な前記方向における前記第1領域の幅が、前記対向方向に垂直な前記方向における1対の前記第2領域のそれぞれの幅よりも大きく、
    前記固定ミラーのうち、前記対向方向において前記第2部分と対向する部分には、前記光透過領域を囲むように第1駆動電極が設けられており、
    前記可動ミラーには、前記対向方向において前記第1駆動電極と対向するように、前記静電気力を発生させるために前記第1駆動電極との間に電圧が印加される第2駆動電極が設けられており、
    前記包囲部には、前記第1環状溝が複数形成されている、ファブリペロー干渉フィルタ。
  9. 前記対向方向から見た場合に前記空隙のうち前記包囲部に囲まれる第3領域、及び前記対向方向から見た場合に前記空隙のうち前記包囲部を囲む第4領域については、前記対向方向に平行であり且つ前記光透過領域の中心を通る前記断面において、前記対向方向に垂直な前記方向における前記第3領域の両側に前記第4領域が1対現れ、隣り合う前記第1環状溝間の幅が、前記対向方向に垂直な前記方向における前記第3領域の幅よりも小さく、且つ前記対向方向に垂直な前記方向における1対の前記第4領域のそれぞれの幅よりも小さい、請求項記載のファブリペロー干渉フィルタ。
  10. 固定ミラーと、
    空隙を介して前記固定ミラーと対向するように配置され、光透過領域に対応する第1部分、前記光透過領域を囲む包囲部、及び前記包囲部の外側の第2部分を有し、静電気力によって前記包囲部及び前記第2部分が変形することで前記第1部分において前記固定ミラーとの距離が調整される可動ミラーと、を備え、
    前記可動ミラーのうち前記光透過領域を囲む前記包囲部には、前記光透過領域を囲む第1環状溝が形成されており、
    前記固定ミラーと前記可動ミラーとが対向する対向方向から見た場合に前記空隙のうち前記第1環状溝に囲まれる第1領域、及び前記対向方向から見た場合に前記空隙のうち前記第1環状溝を囲む第2領域については、前記対向方向に平行であり且つ前記光透過領域の中心を通る断面において、前記対向方向に垂直な方向における前記第1領域の両側に前記第2領域が1対現れ、前記対向方向に垂直な前記方向における前記第1領域の幅が、前記対向方向に垂直な前記方向における1対の前記第2領域のそれぞれの幅よりも大きく、
    前記固定ミラーのうち、前記対向方向において前記第2部分と対向する部分には、前記光透過領域を囲むように第1駆動電極が設けられており、
    前記可動ミラーには、前記対向方向において前記第1駆動電極と対向するように、前記静電気力を発生させるために前記第1駆動電極との間に電圧が印加される第2駆動電極が設けられており、
    前記固定ミラーには、前記対向方向において、前記第1環状溝に対応する第2環状溝が形成されており、
    前記第1駆動電極は、前記固定ミラーのうち前記第2環状溝の外側の部分に設けられている、ファブリペロー干渉フィルタ。
  11. 前記固定ミラーには、前記光透過領域を含むように、前記第2駆動電極と同電位に接続された補償電極が設けられており、
    前記補償電極は、前記対向方向において、前記第1駆動電極に対して前記第2駆動電極の反対側に位置している、請求項1記載のファブリペロー干渉フィルタ。
  12. 前記固定ミラーには、前記光透過領域を含むように、前記第2駆動電極と同電位に接続された補償電極が設けられており、
    前記補償電極は、前記第2環状溝を介して前記第1駆動電極の内側に位置している、請求項1記載のファブリペロー干渉フィルタ。
  13. 前記第1駆動電極は、前記固定ミラーのうち前記光透過領域の外側の部分に設けられている、請求項8〜1のいずれか一項記載のファブリペロー干渉フィルタ。
  14. 前記第2部分には、前記空隙側及びその反対側に開口する複数の貫通孔が形成されている、請求項8〜1のいずれか一項記載のファブリペロー干渉フィルタ。
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