JP6710620B2 - ポリオレフィン系樹脂積層シート - Google Patents

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Description

本発明は、ポリオレフィン系樹脂で構成されるポリオレフィン系樹脂積層シートに関する。
樹脂積層体は工業的に広汎に使われているが、火災を予防して安全性を高めることから、樹脂積層体に難燃性を付与することが求められている。例えば、特許文献1には、リン化合物を含み、隣接する層間のリン原子濃度が異なるポリエステル積層フィルムが提案されている。また、特許文献2には、難燃化合物を含み、フィルム中のリン元素が0.2〜2重量%である難燃化積層ポリエステルフィルムが提案されている。
特開平1−237137号公報 特開2001−199026号公報
引用文献1及び2では、ポリエステル樹脂を用いているが、コストが高いという問題があった。
本発明は、上記問題を解決するため、安価のポリオレフィン系樹脂で構成され、難燃性を有するポリオレフィン系樹脂積層シートを提供する。
本発明は、3層以上の樹脂層を含むポリオレフィン系樹脂積層シートであって、前記樹脂層は、臭素系難燃剤及びアンチモン化合物を含有する第1のポリオレフィン系樹脂層と、難燃剤を含有しない第2のポリオレフィン系樹脂層と含み、第1のポリオレフィン系樹脂層の両側には第2のポリオレフィン系樹脂層が配置されており、前記ポリオレフィン系樹脂積層シートの全体重量に対して、臭素の含有量が3.5重量%以上であることを特徴とするポリオレフィン系樹脂積層シートに関する。
第1のポリオレフィン系樹脂層及び第2のポリオレフィン系樹脂層において、ポリオレフィン系樹脂はポリプロピレン系樹脂であることが好ましい。また、前記ポリオレフィン系樹脂積層シートの全体重量に対して、アンチモン化合物の含有量は1.7重量%以上であることが好ましい。また、第1のポリオレフィン系樹脂層の厚みは、前記ポリオレフィン系樹脂積層シートの厚みの18%以上であることが好ましい。
本発明は、安価のポリオレフィン系樹脂で構成され、難燃性を有するポリオレフィン系樹脂積層シートを提供することができる。また、本発明は、臭素系難燃剤を含む第1のポリオレフィン系樹脂層の両側に難燃剤を含まない第2のポリオレフィン系樹脂層を配置しているため、難燃剤が積層シートの外側にブリードアウトすることを防止することができる。
図1は本発明の一実施形態のポリオレフィン系樹脂積層シートの模式的断面図である。
本発明者らは、ポリオレフィン系樹脂シートに難燃性を付与することについて検討を重ねた。その結果、驚くことに、ポリオレフィン系樹脂シートにリン系難燃剤を含有させた場合、引張伸度が低下して物性が悪くなるが、ポリオレフィン系樹脂シートに臭素系難燃剤を含有させた場合は、引張伸度及び引張強度のいずれも良好であることを見出した。また、臭素系難燃剤とアンチモン化合物を併用するとともに、臭素系難燃剤及びアンチモン化合物を含む第1のポリオレフィン系樹脂層の両側に難燃剤を含まない第2のポリオレフィン系樹脂層を配置して積層シートにすることで、積層シートの外側への難燃剤のブリードアウトも抑制される上、積層シートの難燃性が高くなることを見出し、本発明に至った。
第1のポリオレフィン系樹脂層は、ポリオレフィン系樹脂に加えて臭素系難燃剤及びアンチモン化合物を含む。臭素系難燃剤としては、特に限定されないが、例えば、エチレンビス(ペンタブロモベンゼン)、デカブロモジフェニルオキサイド、オクタブロモジフェニルオキサイド、テトラブロモジフェニルオキサイド、テトラブロモ無水フタル酸、ヘキサブロモシクロドデカン、ビス(2,4,6−トリブロモフェノキシ)エタン、エチレンビステトラブロモフタルイミド、ヘキサブロモベンゼン、1,1−スルホニル[3,5−ジブロモ−4−(2,3−ジブロモプロポキシ)]ベンゼン、ポリジブロモフェニレンオキサイド、テトラブロムビスフェノール−S、トリス(2,3−ジブロモプロピル−1)イソシアヌレート、トリブロモフェノール、トリブロモフェニルアリルエーテル、トリブロモネオペンチルアルコール、ブロム化ポリスチレン、ブロム化ポリエチレン、テトラブロムビスフェノール−A、テトラブロムビスフェノール−A誘導体、テトラブロムビスフェノール−A−エポキシオリゴマーまたはポリマー、テトラブロムビスフェノール−A−カーボネートオリゴマーまたはポリマー、ブロム化フェノールノボラックエポキシ等のブロム化エポキシ樹脂、テトラブロムビスフェノール−A−ビス(2−ヒドロキシジエチルエーテル)、テトラブロムビスフェノール−A−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロムビスフェノール−A−ビス(アリルエーテル)、テトラブロモシクロオクタン、エチレンビスペンタブロモジフェニル、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、トリス(トリブロモフェノキシ)トリアジン、ポリ(ペンタブロモベンジルポリアクリレート)、オクタブロモトリメチルフェニルインダン、ジブロモネオペンチルグリコール、ペンタブロモベンジルポリアクリレート、ジブロモクレジルグリシジルエーテル等が挙げられる。中でも、臭素の含有量が高い観点から、エチレンビス(ペンタブロモベンゼン)、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、トリブロモネオペンチルアルコール、トリブロモフェノール等が好ましい。これらの臭素系難燃剤は、一種で用いてもよく、二種以上を組み合わせても用いてもよい。
前記臭素系難燃剤は、融点が230℃以下であることが好ましい。二種以上の臭素系難燃剤を組み合わせて用いる場合、少なくとも一種の臭素系難燃剤の融点が230℃以下であることが好ましい。ポリオレフィン系樹脂積層シートの加工性が良好になる。融点が230℃以下の臭素系難燃剤としては、例えば、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、トリス(2,3−ジブロモプロピル−1)イソシアヌレート、テトラブロムビスフェノール−A、トリス(トリブロモフェノキシ)トリアジン等を用いることができる。また、前記臭素系難燃剤は融点が50℃以上であることが好ましい。実用的な耐熱温度を確保することができる。
第1のポリオレフィン系樹脂層は、特に限定されないが、難燃性を良好にしつつ、物性を良好にする観点から、ポリオレフィン系樹脂100重量%に対して、臭素系難燃剤を
8〜40重量%程度含むことが好ましく、10〜30重量%程度含むことがより好ましい。また、ポリオレフィン系樹脂100重量%に対して、臭素を5.6〜28重量%程度含むことが好ましく、7〜21重量%程度含むことがより好ましい。
前記アンチモン化合物としては、例えば、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン及びアンチモン酸ナトリウム等を用いることができ、汎用性及び難燃性の観点から、三酸化アンチモンを用いることが好ましい。
第1のポリオレフィン系樹脂層において、ポリオレフィン系樹脂は、特に限定されず、例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂等を用いることができる。ポリプロピレン系樹脂としては、例えば、プロピレンホモポリマー、プロピレンーエチレンコポリマーなどを用いることができる。また、プロピレンーエチレンコポリマーは、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、グラフトコポリマーのいずれであってもよい。これらのオレフィン系樹脂は、一種で用いてもよく、二種以上を組合せて用いてもよい。第1のポリオレフィン系樹脂層において、ポリオレフィン系樹脂は、ポリプロピレン系樹脂であることが好ましい。ポリプロピレン系樹脂は、融点及び硬度が高く、実用的に物理的特性を満足し、コストも安い利点があり、加熱成形加工においてもヒケやシワ等の発生を防止できる。
第1のポリオレフィン系樹脂層の目付(単位面積当たりの重量)は、特に限定されないが、機械的強度、成形性やコストの観点から、20〜1000g/m2であることが好ましく、25〜900のg/m2であることがより好ましく、30〜800g/m2であることがさらに好ましい。また、第1のポリオレフィン系樹脂層は、特に限定されないが、厚みが0.05〜1mmであることが好ましく、0.05〜0.8mmであることがより好ましい。
第2のポリオレフィン系樹脂層は、難燃剤を含有しない。第2のポリオレフィン系樹脂層において、ポリオレフィン系樹脂は、特に限定されず、例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂等を用いることができる。ポリプロピレン系樹脂としては、例えば、プロピレンホモポリマー、プロピレンーエチレンコポリマーなどを用いることができる。また、プロピレンーエチレンコポリマーは、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、グラフトコポリマーのいずれであってもよい。これらのオレフィン系樹脂は、一種で用いてもよく、二種以上を組合せて用いてもよい。第2のポリオレフィン系樹脂層において、ポリオレフィン系樹脂は、プロピレンホモポリマーであることが好ましい。プロピレンホモポリマーは、融点及び硬度が高く、実用的に物理的特性を満足し、コストも安い利点があり、加熱成形加工においてもヒケやシワ等の発生を防止できる。
第2のポリオレフィン系樹脂層の目付(単位面積当たりの重量)は、特に限定されないが、加工性とコストの観点から、15〜1000g/m2であることが好ましく、20〜900のg/m2であることがより好ましい。また、第2のポリオレフィン系樹脂層は、特に限定されないが、厚みが0.05〜1mmであることが好ましく、0.05〜0.8mmであることがより好ましい。
第1のポリオレフィン系樹脂層の両側に配置されている第2のポリオレフィン系樹脂層は、同じポリオレフィン系樹脂で構成されていてもよく、異なるポリオレフィン系樹脂で構成されてもよい。また、第1のポリオレフィン系樹脂層の両側に配置されている第2のポリオレフィン系樹脂層は、厚みが同じであってもよく、異なっていてもよい。また、第1のポリオレフィン系樹脂層の両側に配置されている第2のポリオレフィン系樹脂層は、目付が同じであってもよく、異なっていてもよい。
第1のポリオレフィン系樹脂層及び第2のポリオレフィン系樹脂層には、本発明の目的が損なわれない範囲で、各種添加剤、例えば、耐熱安定剤、酸化防止剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、結晶造核剤、銅害防止剤、帯電防止剤、スリップ剤、抗ブロッキング剤、防曇剤、着色剤、滑剤、充填剤等を配合することができる。
本発明のポリオレフィン系樹脂積層シートは、第1のポリオレフィン系樹脂層を2層以上含んでもよい。また、第2のポリオレフィン系樹脂層を3層以上含んでも良い。用途や目的に応じて、適宜に設定すればよい。第1のポリオレフィン系樹脂層を2層以上含む場合、第2のポリオレフィン系樹脂層は、複数の第1のポリオレフィン系樹脂層の両側に配置されていればよい。例えば、積層シートにおいて、第1のポリオレフィン系樹脂層を厚み方向のより中央の方へ配置し、少なくとも二つの第2のポリオレフィン系樹脂層を厚み方向のより外側の両方へ配置すればよい。
前記ポリオレフィン系樹脂積層シートは、さらに、第1のポリオレフィン系樹脂層及び第2のポリオレフィン系樹脂層の間に配置されている接着層を含んでもよい。
前記ポリオレフィン系樹脂積層シートは、ポリオレフィン系樹脂積層シートの全体重量に対して、臭素を3.5重量%以上含む。該臭素は、第1のポリオレフィン系樹脂層に含有されている臭素系難燃剤に由来する。難燃性が高い観点から、前記ポリオレフィン系樹脂積層シートは、ポリオレフィン系樹脂積層シートの全体重量に対して、臭素を3.6重量%以上含むことが好ましく、3.7重量%以上含むことがより好ましい。また、機械的特性の観点から、前記ポリオレフィン系樹脂積層シートは、ポリオレフィン系樹脂積層シートの全体重量に対して、臭素を7.5重量%以下含むことが好ましい。
前記ポリオレフィン系樹脂積層シートは、第1のポリオレフィン系樹脂層由来のアンチモン化合物を含む。特に限定されないが、臭素系難燃剤との相乗効果を高める観点から、ポリオレフィン系樹脂積層シートの全体重量に対して、アンチモン化合物を1.7重量%以上含むことが好ましく、1.8重量%以上含むことがより好ましい。また、機械的特性の観点から、前記ポリオレフィン系樹脂積層シートは、ポリオレフィン系樹脂積層シートの全体重量に対して、アンチモン化合物を4.0重量%以下含むことが好ましい。
前記ポリオレフィン系樹脂積層シートは、厚みが0.1〜5mmが好ましく、より好ましくは0.12〜4mmである。この範囲であれば軽量化ができるとともに外観性が向上する。
前記ポリオレフィン系樹脂積層シートにおいて、特に限定されないが、難燃性を高める観点から、第1のポリオレフィン系樹脂層の厚みは、積層シート全体の厚み(以下において、総厚とも記す。)の18%以上であることが好ましい。また、ポリオレフィン系樹脂積層シートの外側への難燃剤のブリードアウトを抑制する観点から、第1のポリオレフィン系樹脂層の厚みは、総厚の80%以下であることが好ましい。ここで、第1のポリオレフィン系樹脂層が2層以上の場合は、第1のポリオレフィン系樹脂層の厚みは、2層以上の第1のポリオレフィン系樹脂層の合計厚みをいう。
本発明のポリオレフィン系樹脂積層シートは、例えば、第1のポリオレフィン系樹脂層及び第2のポリオレフィン系樹脂層を所定の順番で積層して加熱加圧した後、冷却することで作製することができる。必要に応じて、第1のポリオレフィン系樹脂層及び第2のポリオレフィン系樹脂層の間に接着層を配置する。第1のポリオレフィン系樹脂層及び第2のポリオレフィン系樹脂層としては、上述した要件を満たす既存のポリオレフィン系樹脂フィルムやシートなどを適宜に用いてもよい。
加熱加圧工程の雰囲気温度は120〜150℃が好ましく、より好ましくは130〜145℃である。加熱加圧工程において、圧力は0.1〜10MPaであることが好ましく、0.5〜5MPaであることがより好ましい。加熱加圧工程の時間は0.5〜5分間が好ましく、さらに好ましくは1〜4分間である。冷却工程の時間は0.5〜5分間が好ましく、さらに好ましくは1〜4分間である。冷却は、温度が30程度℃以下になるまで行うことが好ましい。
以下、図面を用いて説明する。図1は本発明の一実施態様のポリオレフィン系樹脂積層シート10の模式的断面図である。ポリオレフィン系樹脂積層シート10は、第1のポリオレフィン系樹脂層1と、第1のポリオレフィン系樹脂層の両側(両方の面)に配置されている第2のポリオレフィン系樹脂層2a及び第2bを含む3層構造である。ポリオレフィン系樹脂積層シート10の表面から裏面にかけて、第2のポリオレフィン系樹脂層2a、第1のポリオレフィン系樹脂層1、第2のポリオレフィン系樹脂層2bの順番で積層されて一体化されている。本発明のポリオレフィン系樹脂積層シートにおいて、表面及び裏面は、それぞれ厚み方向のいずれかの主面をいい、一方の面が表面である場合、他方の面が裏面となり、特に限定はない。
本発明のポリオレフィン系樹脂積層シートは、難燃性は高く、UL−94V規格に準拠した20mm垂直法燃焼試験において、V−0レベルに達することが好ましい。
前記ポリオレフィン系樹脂積層シートは、難燃性を有し、軽量であり、廃棄も容易である。前記ポリオレフィン系樹脂積層シートは、特に限定されないが、例えば、家電、電子機器、自動車の天井材やドア材等の内装材等に好適に用いることができる。
以下実施例を用いて本発明を具体的に説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(製造例1〜4)
第1のポリオレフィン系樹脂層の原料シートを下記の化合物を用いて下記のように製造した。
<化合物>
(1)ポリプロピレン系樹脂:プロピレンーエチレンランダムポリマー、株式会社プライムポリマー社製「プライムポリプロE330−GV」、融点141℃
(2)臭素系難燃剤:TBA-ビス(2,3-ジブロモプロピルエーテル)、株式会社鈴裕化学製「FCP-680」、臭素含有量68重量%、融点115℃
(3)三酸化アンチモン:鈴裕化学社製「FCP−AT−3CN」
(4)酸化防止剤:BASF社製「irganox1010」
<難燃性ポリオレフィン系樹脂シートの作製>
上記化合物を下記表1に示す配合割合で混合した後、二軸混練押出機(神戸製鋼所社製、二軸混練押出機KTX−37、スクリュー径37mm)に投入し、シリンダー温度190℃、スクリュー回転200rpm、吐出量5kg/hrで混練押出を行った。ダイスから出てきた混合材料のストランドを冷却水槽で冷却した後にストランドカッターで切断して長さ約3mmの難燃剤を含有するポリオレフィン系樹脂ペレットを得た。得られたポリオレフィン系樹脂ペレットを使用し、単軸スクリュー押出機(アイ・ケー・ジー株式会社製、単軸スクリュー押出機PMS50−28、スクリュー径50mm)に投入し、シリンダー温度230℃、スクリュー回転20rpm、吐出量10kg/hrで溶融押出を行い、押出機の先端に取り付けた500mm幅のハンガーコートダイから平膜状に吐出し、40℃以下に温度調節下冷却ロールに圧着させて冷却・固化して難燃性ポリオレフィン系樹脂シート(以下において、難燃シートとも記す。)を得た。
Figure 0006710620
<非難燃性ポリオレフィン系樹脂シート>
第2のポリオレフィン系樹脂層の原料シートとして、下記表2に示す、プロピレンーエチレンランダムポリマー(株式会社プライムポリマー社製「プライムポリプロE330−GV」、融点141℃)で構成されている4種類の非難燃性ポリオレフィン系樹脂シートを用いた(以下において、非難燃シートとも記す)。
Figure 0006710620
(実施例1)
非難燃シート1(1層目)、難燃シート2(2層目)、非難燃シート1(3層目)の順番で非難燃シート1、難燃シート2、非難燃シート1を積層し、温度145℃、圧力1Mpa、2分間加熱加圧成形し、その後室温(27℃)まで冷却して積層シートを得た。
(実施例2〜8、比較例1〜12)
1層目、2層目及び3層目の樹脂シートとして表3に示すシートを用いた以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。
実施例1〜8及び比較例1〜12で得られた積層シートの難燃性を下記のように測定評価し、それらの結果を下記表3に示した。下記表3には、積層シートの総厚、総厚に対する第1のポリオレフィン系樹脂層の厚みの割合、各層の重量、臭素系難燃剤の含有量及び臭素の含有量も示した。
(難燃性)
UL−94V規格に準拠して20mm垂直法燃焼試験(ASTM D3801)にて難燃性を測定評価した。ドラフトチャンバー内で、試験片(幅13mm、長さ125mm)をクランプに垂直に取付け、20mm炎による10秒間接炎を2回行い、各試験片の燃焼時間及び各試験片の燃焼時間とグローイング時間の合計を測定するとともに、各試験片の滴下物による綿着火の有無について確認し、下記の基準でV−0レベルに達しているか否かを判断した。
V−0レベルに達する:試験片の燃焼時間が10秒以下であり、試験片の燃焼時間とグローイング時間の合計が30秒以下であり、試験片の滴下物による綿着火がない。
V−0レベルに達しない:試験片の燃焼時間が10秒を超える。
Figure 0006710620
表3の結果から分かるように、三酸化アンチモンを含み、積層シートの全体重量に対する臭素含有量が3.5重量%以上の実施例1〜8の積層シートは、UL−94V規格に準拠した20mm垂直法燃焼試験(ASTM D3801)において、V−0レベルに達する評価を得ており、難燃性が高かった。
一方、三酸化アンチモンを含むが、積層シートの全体重量に対する臭素含有量が3.5重量%未満の比較例1〜2の積層シートは、UL−94V規格に準拠した20mm垂直法燃焼試験(ASTM D3801)において、V−0レベルに達しておらず、難燃性が劣っていた。また、積層シートの全体重量に対する臭素含有量が3.5重量%以上であるが、三酸化アンチモンを含んでいない比較例3〜7の積層シートは、UL−94V規格に準拠した20mm垂直法燃焼試験(ASTM D3801)において、V−0レベルに達しておらず、難燃性が劣っていた。また、三酸化アンチモンを含まず、積層シートの全体重量に対する臭素含有量が3.5重量%未満である比較例8〜12の積層シートは、UL−94V規格に準拠した20mm垂直法燃焼試験(ASTM D3801)において、V−0レベルに達しておらず、難燃性が劣っていた。
本発明のポリオレフィン系積層シートは、自動車部品、自動車内装品、家電製品、医療用保護具、スーツケース、容器、棚、パレット、パネル、バッグ、自動倉庫用スリーブボックス、ドア、ロール回収用長尺ボックス、畳の芯材、展示ブース様壁材、Tボード(トラック用当て板)、簡易テーブルセット等の民生用積層品に適用できる。
1 第1のポリオレフィン系樹脂層
2a、2b 第2のポリオレフィン系樹脂層
10 ポリオレフィン系樹脂積層シート

Claims (4)

  1. 3層以上の樹脂層を含むポリオレフィン系樹脂積層シートであって、
    前記樹脂層は、臭素系難燃剤及びアンチモン化合物を含有する第1のポリオレフィン系樹脂層(但し、ポリプロピレン製マルチフィラメント糸を用いた織編布に積層されている場合を除く。)と、難燃剤を含有しない第2のポリオレフィン系樹脂層と含み、
    第1のポリオレフィン系樹脂層の両側には第2のポリオレフィン系樹脂層が配置されており、
    前記ポリオレフィン系樹脂積層シートの全体重量に対して、臭素の含有量が3.5重量%以上であることを特徴とするポリオレフィン系樹脂積層シート。
  2. 第1のポリオレフィン系樹脂層及び第2のポリオレフィン系樹脂層において、ポリオレフィン系はポリプロピレン系樹脂である請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂積層シート。
  3. 前記ポリオレフィン系樹脂積層シートの全体重量に対して、アンチモン化合物の含有量は1.7重量%以上である請求項1又は2に記載のポリオレフィン系樹脂積層シート。
  4. 第1のポリオレフィン系樹脂層の厚みは、前記ポリオレフィン系樹脂積層シートの厚みの18%以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリオレフィン系樹脂積層シート。
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