JP6548597B2 - 繊維強化樹脂積層シート及びその製造方法 - Google Patents
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8〜40重量%程度含むことが好ましく、10〜30重量%程度含むことがより好ましい。また、ポリオレフィン系樹脂100重量%に対して、臭素を5.6〜28重量%程度含むことが好ましく、7〜21重量%程度含むことがより好ましい。
第1のポリオレフィン系樹脂層の原料シートを下記の化合物を用いて下記のように製造した。
<化合物>
(1)ポリプロピレン系樹脂1:プロピレンのホモポリマー、株式会社プライムポリマー社製「プライムポリプロJ105G」、融点161℃
(2)ポリプロピレン系樹脂2:プロピレンーエチレンランダムポリマー、株式会社プライムポリマー社製「プライムポリプロE330−GV」、融点141℃
(3)臭素系難燃剤:TBA-ビス(2,3-ジブロモプロピルエーテル)、株式会社鈴裕化学製「FCP-680」、臭素含有量68重量%、融点115℃
(4)酸化防止剤:BASF社製「irganox1010」
ポリプロピレン系樹脂、臭素系難燃剤及び酸化防止剤を下記表1に示す配合割合で混合した後、二軸混練押出機(神戸製鋼所社製、二軸混練押出機KTX-37、スクリュー径37mm)に投入し、シリンダー温度190℃、スクリュー回転200rpm、吐出量5kg/hrで混練押出を行った。ダイスから出てきた混合材料のストランドを冷却水槽で冷却した後にストランドカッターで切断して長さ約3mmの難燃剤を含有するポリオレフィン系樹脂ペレットを得た。得られたポリオレフィン系樹脂ペレットを使用し、単軸スクリュー押出機(アイ・ケー・ジー株式会社製、単軸スクリュー押出機PMS50-28、スクリュー径50mm)に投入し、シリンダー温度230℃、スクリュー回転20rpm、吐出量10kg/hrで溶融押出を行い、押出機の先端に取り付けた500mm幅のハンガーコートダイから平膜状に吐出し、40℃以下に温度調節下冷却ロールに圧着させて冷却・固化して臭素系難燃剤を含有するポリオレフィン系樹脂シートを得た。
第2のポリオレフィン系樹脂層の原料シートとして、以下のものを用いた。
RPP1:プロピレンーエチレンランダムポリマーのシート、単位面積当たりの重量180g/m2、厚み0.20mm
織物1:島成分が融点160℃のポリプロピレン、海成分が融点110℃のポリエチレンからなる海島型複合繊維糸(モノフィラメント糸)を使用した。該海島型複合繊維糸の複合割合は、島成分65重量%、海成分35重量%であり、繊度は1850dtexであった。該芯鞘複合繊維糸を経糸と緯糸に使用して綾織組織の織物(単位面積当たりの重量210g/m2、厚み0.37mm)を得た。
織物2:島成分が融点160℃のポリプロピレン、海成分が融点110℃のポリエチレンからなる海島型複合繊維糸(モノフィラメント糸)を使用した。該海島型複合繊維糸の複合割合は、島成分65重量%、海成分35重量%であり、繊度は1850dtexであった。該芯鞘複合繊維糸を経糸と緯糸に使用して綾織組織の織物(単位面積当たりの重量420g/m2、厚み0.74mm)を得た。
CPP1:未延伸ポリプロピレンフィルム(フタムラ化学社製、品名「FHK2―L」)、融点151℃、単位面積当たりの重量40g/m2、厚み40μm
図9に示す装置をおいて、供給ロール101a、101b、101c、101d、101eでRPP1、織物1、難燃PP2、織物1、難燃PP1をそれぞれ供給して積層し、温度145℃、圧力1Mpa、2分間加熱加圧成形し、その後室温(27℃)まで冷却して積層シートを得た。この積層シートの模式的断面図は図1に示すとおりである。
図9に示す装置をおいて、供給ロール101a、101b、101c、101d、101e、101fでRPP1、CPP1、織物1、難燃PP2、織物1、難燃PP1をそれぞれ供給して積層した以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。この積層シートの模式的断面図は図2に示すとおりである。
図9に示す装置をおいて、供給ロール101a、101b、101c、101d、101eでRPP1、織物1、難燃PP3、織物1、RPP1をそれぞれ供給して積層した以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。この積層シートの模式的断面図は図3に示すとおりである。
図9に示す装置をおいて、供給ロール101a、101b、101c、101d、101eでRPP1、織物1、難燃PP1、織物1、難燃PP1をそれぞれ供給して積層した以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。この積層シートの模式的断面図は図1に示すとおりである。
図9に示す装置をおいて、供給ロール101a、101b、101c、101d、101e、101fでRPP1、CPP1、織物1、難燃PP1、織物1、難燃RPPをそれぞれ供給して積層した以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。この積層シートの模式的断面図は図2に示すとおりである。
図9に示す装置をおいて、供給ロール101a、101b、101c、101d、101eでRPP1、CPP1、織物1、難燃PP2、織物1をそれぞれ供給して積層した以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。この積層シートの模式的断面図は図4に示すとおりである。図4に示されているように、該積層シート40は、2層の織物層1a、1bと、第1のポリオレフィン系樹脂層2aと、第2のポリオレフィン系樹脂層3aと、接着層4aで構成されており、具体的には、積層シート40の表面から裏面にかけて、第2のポリオレフィン系樹脂層3a、接着層4a、織物層1a、第1のポリオレフィン系樹脂層2a、織物層1bの順番で積層されて一体化されている。
図9に示す装置をおいて、供給ロール101a、101b、101c、101dでRPP1、織物1、難燃PP2、織物1をそれぞれ供給して積層した以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。この積層シートの模式的断面図は図5に示すとおりである。図5に示されているように、積層シート50は、2層の織物層1a、1bと、第1のポリオレフィン系樹脂層2aと、第2のポリオレフィン系樹脂層3aで構成されており、具体的には、積層シート50の表面から裏面にかけて、第2のポリオレフィン系樹脂層3a、織物層1a、第1のポリオレフィン系樹脂層2a、織物層1bの順番で積層されて一体化されている。
図9に示す装置をおいて、供給ロール101a、101b、101cでRPP1、織物2、難燃PP2をそれぞれ供給して積層した以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。この積層シートの模式的断面図は図6に示すとおりである。図6に示されているように、積層シート60は、織物層1aと、第1のポリオレフィン系樹脂層2aと、第2のポリオレフィン系樹脂層3aで構成されており、具体的には、積層シート60の表面から裏面にかけて、第2のポリオレフィン系樹脂層3a、織物層1a、第1のポリオレフィン系樹脂層2aの順番で積層されて一体化されている。
図9に示す装置をおいて、供給ロール101a、101b、101c、101dでRPP1、織物1、難燃PP3、織物1をそれぞれ供給して積層した以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。この積層シートの模式的断面図は図5に示すとおりである。
図9に示す装置をおいて、供給ロール101a、101b、101cでRPP1、織物2、難燃PP3をそれぞれ供給して積層した以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。この積層シートの模式的断面図は図6に示すとおりである。
図9に示す装置をおいて、供給ロール101a、101b、101c、101d、101eで難燃PP1、RPP1、織物1、織物1、難燃PP1をそれぞれ供給して積層した以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。この積層シートの模式的断面図は図7に示すとおりである。図7に示されているように、積層シート70は、2層の織物層1a、1bと、2層の第1のポリオレフィン系樹脂層2a、2b及び1層の第2のポリオレフィン系樹脂層3aで構成されており、具体的には、積層シート70の表面から裏面にかけて、第1のポリオレフィン系樹脂層2a、第2のポリオレフィン系樹脂層3a、織物層1a、織物層1b、第1のポリオレフィン系樹脂層2bの順番で積層されて一体化されている。
図9に示す装置をおいて、供給ロール101a、101b、101c、101dで難燃PP1、RPP1、織物1、難燃PP1をそれぞれ供給して積層した以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。この積層シートの模式的断面図は図8に示すとおりである。図8に示されているように、積層シート80は、1層の織物層1aと、2層の第1のポリオレフィン系樹脂層2a、2bと、1層の第2のポリオレフィン系樹脂層3aで構成されており、具体的には、積層シート80の表面から裏面にかけて、第1のポリオレフィン系樹脂層2a、第2のポリオレフィン系樹脂層3a、織物層1a、第1のポリオレフィン系樹脂層2bの順番で積層されて一体化されている。
繊維強化樹脂積層シートの臭素系難燃剤含有量(重量%)=(第1のポリオレフィン樹脂層の目付け(g/m2)/繊維強化樹脂積層シートの目付け(g/m2))×第1のポリオレフィン樹脂層の臭素系難燃剤含有量(重量%)
繊維強化樹脂積層シートの臭素含有量(重量%)=(第1のポリオレフィン樹脂層の目付け(g/m2)/繊維強化樹脂積層シートの目付け(g/m2))×第1のポリオレフィン樹脂層の臭素含有量(重量%)
なお、第1のポリオレフィン系樹脂層を2層以上含む場合、繊維強化樹脂積層シートの臭素系難燃剤含有量は、上記式に基づいて算出した各第1のポリオレフィン樹脂層に由来する臭素系難燃剤含有量の合計であり、繊維強化樹脂積層シートの臭素含有量は、上記式に基づいて算出した各第1のポリオレフィン樹脂層に由来する臭素含有量の合計である。
繊維強化樹脂積層シートを長さ200mm、幅200mmになるようにカットして試験片をとし、試験片の1辺を押さえつけた時に、対辺の上がる高さにより下記の基準で反りを判定した。A判定を合格とした。
A:対辺の高さが20mm以下である。
B:対辺の高さが20mmを超え、50mm以下である。
C:対辺の高さが50mmを超える。
UL−94V規格に準拠して20mm垂直法燃焼試験(ASTM D3801)にて難燃性を測定評価した。ドラフトチャンバー内で、試験片(幅13mm、長さ125mm)をクランプに垂直に取付け、20mm炎による10秒間接炎を2回行い、各試験片の燃焼時間及び各試験片の燃焼時間とグローイング時間の合計を測定するとともに、各試験片の滴下物による綿着火の有無について確認し、下記の基準でV−0レベルに達しているか否かを判断した。
V−0レベルに達する:試験片の燃焼時間が10秒以下であり、試験片の燃焼時間とグローイング時間の合計が30秒以下であり、試験片の滴下物による綿着火がない。
V−0レベルに達しない:試験片の燃焼時間が10秒を超える。
JIS K 7165:2008に準拠した引張試験で測定した。試験片サイズは幅
25mm、長さ150mmとし、試験速度は10mm/minとした。
JIS K 7171に準拠した3点曲げ試験で測定した。試験片サイズは幅20mm、長さ50mm、試験速度は1mm/minとした。押さえジグの形状はR5、支点の形状はR2、支点間隔24mmとした。
2a、2b 第1のポリオレフィン系樹脂層
3a、3b、3c 第2のポリオレフィン系樹脂層
4a 接着層
10、20、30、40、50、60、70、80、108 繊維強化樹脂積層シート
100 積層シートの製造装置
101、101a、101b、101c、101d、101e、101f 供給ロール
102a、102b、107a、107b 加圧ロール
103、104 金属製加圧板
105 加熱加圧領域
106 冷却領域
Claims (9)
- 織物層と樹脂層を含む繊維強化樹脂積層シートであって、
前記織物層は、第1成分と第2成分を含む複合繊維糸で構成されており、前記第1成分と前記第2成分は、いずれも、ポリオレフィン系成分であり、前記第1成分の融点は前記第2成分の融点より高く、
前記樹脂層は、臭素系難燃剤を含有する第1のポリオレフィン系樹脂層を1層以上含み、1層以上の第1のポリオレフィン系樹脂層のうち、一つの第1のポリオレフィン系樹脂層の表面及び裏面には織物層が配置されており、
繊維強化樹脂積層シートにおいて、前記二つの織物層の間に配置されている第1のポリオレフィン系樹脂層の表面側に位置する部分の厚みT1と、前記二つの織物層の間に配置されている第1のポリオレフィン系樹脂層の裏面側に位置する部分の厚みT2の比T1/T2の値が0.7〜1.3の範囲内であることを特徴とする繊維強化樹脂積層シート。 - 前記樹脂層は、さらに臭素系難燃剤を含有しない第2のポリオレフィン系樹脂層を1層以上含む請求項1に記載の繊維強化樹脂積層シート。
- 前記繊維強化樹脂積層シートの表面から裏面に向けて、第2のポリオレフィン系樹脂層、織物層、第1のポリオレフィン系樹脂層、織物層及び第1のポリオレフィン系樹脂層の順番で配置されている請求項2に記載の繊維強化樹脂積層シート。
- 前記繊維強化樹脂積層シートの表面から裏面に向けて、第2のポリオレフィン系樹脂層、織物層、第1のポリオレフィン系樹脂層、織物層及び第2のポリオレフィン系樹脂層の順番で配置されている請求項2に記載の繊維強化樹脂積層シート。
- 前記織物層と第1のポリオレフィン系樹脂層及び/又は第2のポリオレフィン系樹脂層の間には接着層が配置されており、前記接着層は熱融着性ポリオレフィン系フィルムである請求項1〜4のいずれか1項に記載の繊維強化樹脂積層シート。
- 前記繊維強化樹脂積層シートにおいて、表面にはカバー層として第2のポリオレフィン系樹脂層が配置されており、前記第2のポリオレフィン系樹脂層の裏面には織物層が配置され、前記カバー層は外部から織物層が見える程度の透明性を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の繊維強化樹脂積層シート。
- 前記複合繊維糸は、第1成分が芯成分であり、第2成分が鞘成分である芯鞘型複合繊維、又は、第1成分が島成分であり、第2成分が海成分である海島型複合繊維である請求項1〜6のいずれか1項に記載の繊維強化樹脂積層シート。
- 前記複合繊維糸において、第1成分はプロピレンホモポリマーであり、第2成分はポリエチレン、プロピレンーエチレンランダムコポリマー又はポリプロピレンとポリエチレンのブレンド物である請求項1〜7のいずれか1項に記載の繊維強化樹脂積層シート。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の繊維強化樹脂積層シートを製造する繊維強化樹脂積層シートの製造方法であって、
織物層及び第1のポリオレフィン系樹脂層、又は、織物層、第1のポリオレフィン系樹脂層及び第2のポリオレフィン系樹脂層を所定の順番で積層して加熱加圧した後、冷却することを特徴とする繊維強化樹脂積層シートの製造方法。
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