JP6708846B2 - 物品取出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ストッカーケースに収容されたカプセル等の物品を1個ずつ取り出すための物品取出装置に係り、特に、装置の高さを抑えることができるものに関する。
図21に示すような、カプセル入りの玩具等の物品を販売するカプセル販売機(物品取出装置)が知られている。カプセル販売機300では、カプセル(物品)Cを多数収納するためのストッカーケース310の下部に、円板状のローター330が配置される。ローター330にはその周方向に沿って複数、例えば4つの円形の孔(物品収容部)が配列されている。この孔にはカプセルCが一つずつ収容される。ストッカーケース310の底部には円形に一つの物品排出孔311が開けられている。例えば購入者がレバーを手動で回すことによりローター330が回転し、ローター330の4つの物品収容部のいずれかがストッカーケース310の底部の物品排出孔311に一致したとき、カプセルCが物品排出孔311を通過して物品取出部320に落下する。購入者は物品取出部320からカプセルCを取り出すことが可能となる。当該構造は特許文献1についても同様である。
特開2013−149229号公報
上記したカプセル販売機300のような物品取出装置にあっては次のような問題があった。すなわち、ストッカーケース310の底部に開けられた物品排出孔311からカプセルCを落下させるため、ストッカーケース310の高さに加えて、落下に要する寸法Tだけ高く形成する必要がある。この寸法Tは最低限カプセルCの高さが必要とされる。一方、購入対象者の身長を考慮すると全高をある程度(150cm程度)に抑える必要がある。
このため、複数台のカプセル販売機300を積層して用いる場合には、それぞれストッカーケース310の高さと寸法Tの高さが必要になることから、カプセルCの収納個数を減らしてストッカーケース310の全高を抑えるか、ストッカーケース310の全高はそのままでケース数を減らす必要がある。収納個数を減らすと売り切れが発生し易くなり、ケース数を減らすと物品のバリエーションが少なくなる等、購入者の利便性が低下する虞がある。
そこで、全高を抑えることができる物品取出装置及びこの物品取出装置に組み込まれる物品排出ユニットを提供することを目的としている。
本発明の一実施形態に係る物品取出装置は、積層された複数の物品排出ユニットと、前記積層された複数の物品排出ユニットを全体にわたって貫通するものであって、前記複数の物品排出ユニットに応じた複数の側壁部分が複数の物品排出口として開口される筒状の共通搬出パイプと、前記共通搬出パイプの下端に接続される物品取出口を有する物品取出ユニットとを備え、前記物品排出ユニットは、複数の物品を収納する筒体と、前記筒体の下部に、前記筒体に同軸的に、かつ、回転自在に配置され、半径内側に向かって開口が形成され、前記物品を一つずつ収容する略半長円形状の複数の物品収容部が周方向に間欠的に配設されてなる開口部を有する環状のローターと、複数の物品収容部にそれぞれ設けられ、物品収容部に収容された物品を受ける略半円筒形のトレイと、前記ローターの回転に伴って前記複数の物品収容部のうちいずれかの物品収容部の開口が前記物品排出口に重なるとき、前記物品収容部に収容された前記物品を半径内側に向かって付勢し前記開口から前記物品排出口に略水平に押し出す付勢機構を備えていることを特徴とする。
本発明の一実施形態に係る物品取出装置は、複数の物品を収納するものであって、積層された複数の物品収納部と、前記複数の物品収納部の下部に配置される物品取出口と、前記積層された複数の物品収納部から排出された物品を前記物品取出口に搬出する筒状の共通搬出パイプとを備えている。
本発明の第1実施形態に係る物品排出ユニットが積層された物品取出装置を示す斜視図。 図1の物品排出ユニットを示す分解斜視図。 図1の物品排出ユニットを示す平面図。 図1の物品排出ユニットを示す側面図。 図1の物品排出ユニットに組み込まれたローターを上側から示す斜視図。 図1の物品排出ユニットに組み込まれたローターを下側から示す斜視図。 図1の物品排出ユニットに組み込まれたローターを示す平面図。 図1の物品排出ユニットに組み込まれたローターを図7におけるA−A線で切断し、矢印方向に見て示す断面図。 図1の物品排出ユニットに組み込まれたローターを示す底面図。 図9のローターに組み込まれた押込機構(格納時)を示す斜視図。 図9のローターに組み込まれた押込機構(展開時)を示す斜視図。 図1の物品排出ユニットを示す底面図。 図1の物品排出ユニットを下側から示す斜視図。 図1の物品排出ユニットに組み込まれたローターを上側から示す斜視図。 本発明の第1実施形態の変形例に係る物品取出装置を示す斜視図。 図15の物品取出装置を示す分解斜視図。 本発明の第2の実施形態に係る物品排出ユニットが積層された物品取出装置を示す斜視図。 図17の物品排出ユニットを示す分解斜視図。 図17の物品排出ユニットを示す側面図である。 図17の物品排出ユニットを示す平面図である。 一般的な物品取出装置を示す側面図。
以下、図に基づいて、本発明の第1、第2実施形態について説明する。第1、第2実施形態に係る物品排出ユニットが積層された物品取出装置の特徴は、積層された複数の物品排出ユニットのそれぞれから物品取出ユニットまでの物品搬出路を共通化し、さらにその共通化した物品搬出路を装置の内部に設けた点にある。これにより、物品排出ユニット単体の高さ、幅を抑え、これを積層した物品取出装置の装置全体の高さ、幅を抑えることができる上、装置の外部に搬出路が露出しないため、装置の美観を高めることができる。
なお、以下の実施形態において、物品排出ユニットを構成するストッカーケース及び共通搬出パイプは円筒体として説明するが、筒体の形状はこれに限定されない。これらは、例えば四角筒体、六角筒体等の多角筒体であってもよい。
(第1実施形態) 図1〜図14は、本発明の第1実施形態に係る物品排出ユニット10が積層された物品取出装置1を示している。図1は物品排出ユニット10が積層された物品取出装置1を示している。図2は物品排出ユニット10を示す分解斜視図である。図3は物品排出ユニット10におけるカム部材40の位置を示し、図4は物品排出ユニット10におけるローター50の位置を示している。図5は物品排出ユニット10に組み込まれたローター50を上側から示し、図6はローター50を下側から示す斜視図である。さらに、図7はローター50を示す平面図、図8はローター50を図7におけるA−A線で切断し、矢印方向に見て示す断面図、図9はローター50を示す底面図である。図10はローター50に組み込まれた押込機構60(格納時)、図11はローター50に組み込まれた押込機構60(展開時)を示す斜視図である。図12は物品排出ユニット10を示す底面図、図13は物品排出ユニット10を下側から示す斜視図である。図14は、物品排出ユニット10に組み込まれたローター50を上側から示す斜視図である。なお、物品取出装置1は、複数の物品排出ユニット10が積層されて、各物品排出ユニット10内に設けられたローター50の回転に伴ってカプセル(物品)Cを収納部から排出する構造を備えるものであり、ローター50の回転駆動構造には回転ハンドル70の回転に従ってローター50が回転する手動回転構造と、モータの回転に従ってローター50が回転するモータ回転駆動構造とがあり、本発明はそれらのいずれを採用してもよい。第1及び第2実施形態ではローター50を手動回転構造により回転するものとして説明する。これらの図中Pは中心軸を示しており、本実施形態においては鉛直方向に設定されている。
図1に示すように、物品取出装置1は、積層された4台の物品排出ユニット10と、これら物品排出ユニット10の下部に設けられた物品取出ユニット80と、全体を支持する支持台90とを備えている。なお、物品排出ユニット10の積層する数は4台に限られない。1台の物品排出ユニット10及び1台の物品排出ユニット10を物品取出ユニット80に積層したものが物品取出装置として使用することができる。物品取出装置1の中心部には、複数の物品排出ユニット10を全体にわたって貫通する、カプセルCの共通搬出パイプQが設けられる。共通搬出パイプQは物品排出ユニット10各々のガイドパイプ21の接続により形成される。共通搬出パイプQの下端には円筒状の物品取出ユニット80が接続される。物品取出ユニット80の側壁には物品取出口81が設けられ、購入者は、この物品取出口81から購入したカプセルCを取り出すことができる。
物品排出ユニット10は、有底円筒状に形成され、カプセルCを複数個収納するストッカーケース(収納部)20と、このストッカーケース20内に設けられた物品排出機構30とを備えている。また、ストッカーケース20の外壁部には、回転ハンドル70が設けられている。
ストッカーケース20の中心軸には、ストッカーケース20の頂面(上面)から底面(下面)にかけて円筒状のガイドパイプ(案内部)21が貫通する。ガイドパイプ21の内径はカプセルCの外径より大きい。積層された複数の物品排出ユニット10のガイドパイプ21は、その上下の物品排出ユニット10のガイドパイプ21と連通し、1本の直線的な円筒状の共通搬出パイプQを形成する。ガイドパイプ21の側壁には、物品排出機構30により排出されたカプセルCをガイドパイプ21の内部に導入するための物品排出口22があけられている。物品排出口22の径方向外側の上部にはカプセルCを排出した後に、上に位置するカプセルCが下降して物品排出口22から連続して排出されることを防止するカバー23が配置される。カバー23は、例えばガイドパイプ21に支持され、物品排出口22に位置合わせされる。
物品排出ユニット10は、ガイドパイプ21の物品排出口22からカプセルCを排出する構造を特徴的に備えている。ストッカーケース20から取り出されたカプセルCは共通搬出パイプQを通じて物品取出ユニット80に搬出される。なお、ストッカーケース20は、カプセルCを主に複数個収納する上部と、後述するローター50や押込機構60等からなる物品排出構造が収容される下部とが分離可能な別体構造であっても良い。
図2、図3、図4に示すように、物品排出機構30は、ストッカーケース20の底部側に板面を上下方向にして固定された板状のカム部材40と、このカム部材40の上側に配置され、ストッカーケース20に対し中心軸P廻りに回転自在に設けられるローター50とを備える。
カム部材40は、その外周に後述するカムフォロア67bが押圧されることで、カム部材40の外周に沿ってカムフォロア67bを移動させる機能を有している。カム部材40は、図2に示すように、周方向に沿って概ね3/4が円形状に形成される円周部41aと、この円周部41aの終端位置で内径側に直線状に形成された直線壁41bと、この直線壁41bの終端から漸次的に径が大きくなり、円周部41aの基端部に到達する螺旋部41cとを有している。直線壁41bは、物品排出口22に対応する位置に形成されている。
図5,図6に示すように、ローター50は、開口部53を有する円環状の板
(円環板)51を備えている。円環板51の外半径は、ストッカーケース20の半径よりもわずかに短く、これにより、円環板51の外周面とストッカーケース20の内壁面との間の隙間にカプセルCが落下することを防げる。なお、ストッカーケース20内で回転でき、ローター50の外周面とストッカーケース20の内壁面との間の隙間にカプセルCが落下しないのであれば、ローター50の外周形状が四角形、六角形等の多角形の環状の板を備える構造であってもよい。例えば、ローター50の外周形状が四角形状の環状板であるとき、その四角環板の中心から外周の頂点までの距離は、ストッカーケース20の半径よりもわずかに短く構成される。
この円環板51の下面の外縁部には従動ギア52が形成されている。従動ギア52は、回転ハンドル70の回転軸に取り付けられた駆動ギアに直接又は減速器等を介して噛合する。これにより、ローター50は、回転ハンドル70の回転に伴って回転する。
円環板51の開口部53は、共通搬出パイプQを通す開口とその開口の周囲に配設された複数の物品収容部53aをなす略半長円形状の複数の開口を合成した形状を有する。ここでは、複数の物品収容部53aは、円環板51の中心部から円周方向に90度ずつシフトしている。つまり、環状のローター50が、ストッカーケース20内の下部に回転自在に設けられ、円環体51はカプセルCを一つずつ収容する複数の物品収容部53aをなす略半長円状の複数の開口が共通搬出パイプQの周囲に配設されてなる。なお、物品収容部53aの形状は半長円形状に限定されない。例えば、四角、六角等の多角形状であってもよい。カプセルCを一つだけ収容するために、物品収容部53aの内壁は、カプセルCの外径より僅かに大きく形成されている。物品収容部53aのそれぞれの下部には、物品収容部53aに収容されたカプセルCを受ける受け皿状のトレイ54が配置されている。なお、ここでは、4つの物品収容部53aにそれぞれ対応する4つのトレイ54が設けられている構造だが、物品収容部53aに収容されたカプセルCを受ける構造はこれに限定されない。例えば、4つのトレイ54は、水平(ゼロ度)から10度までの範囲内の角度で外側に向かって下向きに傾斜した円環形状の単一のトレイで代用することができる。
トレイ54には、収容したカプセルCが径方向外側に移動しないように外径側に壁面54aが形成されているが、内径側にはカプセルCを物品排出口22から選択的に排出可能とすべく壁面は設けられていない。
図7,図8、図9に示すようにトレイ54の底板は水平(ゼロ度)から10度までの範囲内の角度で外側に向かって下向きに傾斜した状態で保持される。したがって、通常、カプセルCは、物品収容部53aに収容された状態でローター50とともに回転する。トレイ54の底板には直線状の切欠溝54bが形成されている。切欠溝54b内は後述のカムフォロア軸67が往復動自在に案内される。トレイ54の内壁寸法は、カプセルCの外径より大きく形成されており、トレイ54に収容されたカプセルCを回転方向に搬送する機能を有している。また、トレイ54の中心軸は中心軸Pの径方向に沿って形成されている。これを便宜上押込方向Eと称する。上述した切欠溝54bの延設方向は押込方向Eと一致している。
各トレイ54の径方向外側には、押込機構60がそれぞれ配設されている。押込機構60は円環板51の下面の外周側に取り付けられ、ローター50とともに回転する。図10及び図11に示すように、押込機構60は、典型的にはパンタグラフ機構とパンタグラフ機構を駆動する弾性部材とを備える。押込機構60は、円環板51の背面、外周内側に取り付けられたブラケット61を備えている。ブラケット61には円環板51の接線方向に延びる一対の溝61aが形成されている。溝61aには、中心軸Pに平行に延びる一対の支持軸62がスライド自在に配置されている。一対の支持軸62の下部には、弾性部材として引張バネ63が配設され、一対の支持軸62を近づける方向に付勢している。
一対の支持軸62には、一対の作動アーム64の基端部がそれぞれ揺動自在に取り付けられ、これら作動アーム64は中央位置でピン65によって揺動自在に接続されている。さらに一対の作動アーム64の先端部にはそれぞれ動作アーム66の基端部が揺動自在に接続され、動作アーム66の先端部はカムフォロア軸67によって揺動自在に接続されている。すなわち、引張バネ63によってカムフォロア軸67は常に中心軸P方向に付勢されていることとなる。
カムフォロア軸67の上部は押圧部67aが形成されており、カムフォロア軸67の下部にはベアリングで構成されたカムフォロア67bが形成されている。すなわち、カムフォロア67bがカム部材40に沿って移動すると、カムフォロア軸67は切欠溝54b内を通過し、同時に押圧部67aがトレイ54内を移動することになる。
このように構成された物品取出装置1によるカプセルCの取出方法について図12〜図14を用いて説明する。なお、図12,13においてカム部材40は二点鎖線で外形線のみ示している。購入者が回転ハンドル70を回転させると、回転ハンドル70の回転力が歯52を介してローター50を矢印R方向に回転させる。ローター50が回転すると、押込機構60も回転するため、押込機構60の先端に設けられたカムフォロア67bは、カム部材40の外周面に押圧されながら矢印R方向に移動する。
4つの押込機構60のうち、任意の押込機構60が図12におけるX1の方向に位置する場合から説明する。この位置においては、押込機構60のカムフォロア67bは円周部41aに当接しており、引張バネ63が伸張した状態で維持される。上述したように購入者によって回転ハンドル70が回転されると、ローター50が回転し、カムフォロア67bが矢印R方向に移動し、円周部41aの終端、すなわちX2の位置に到達する。X2においては円周部41aによる外側への押圧が無いため、カムフォロア67bは引張バネ63の引張力により、カムフォロア67bは一気に直線壁41bに沿って中心軸P方向に付勢される。
一方、トレイ54内に位置する押圧部67aはカムフォロア67bと一体に動作するため、図14に示すように、トレイ54内に収容されたカプセルCも中心軸P方向に付勢される。当該位置には、物品排出口22が設けられているため、カプセルCはガイドパイプ21内に押し込まれ、共通搬出パイプQを通じて、物品取出ユニット80に搬出される。なお、位置X2においては上方にカバー23が設けられているため、別のカプセルCが物品収容部53aに収容されることはない。
次の購入動作が行われると、ローター50は回転し、位置X3に向かう。カムフォロア67bは螺旋部41cに沿って徐々に外側に押し出される。さらに次の購入動作が行われると、ローター50が回転し、位置X4に向かう。カムフォロア67bは円周部41aの基端部に到達し、押込機構60は完全に格納された状態となる。さらに次の購入動作が行われると、ローター50が回転し、位置X1に戻る。物品取出ユニット80に搬出されたカプセルCは、購入者により物品取出口81から取り出される。このように、押込機構60とカム部材40は、ローター50の物品収容部53aの開口が物品排出口22に重なるとき、その物品収容部53aに収容されたカプセルCを半径内側(円環中心)に向かって付勢し、物品排出口22に略水平に押し出す付勢機構を構成する。
なお、ここでは押込機構60は半径内側(円環中心)に向かって弾性部材によって付勢されたパンタグラフ機構を採用したが、ローター50の物品収容部53aの開口が物品排出口22に重なるとき、物品収容部53aに収容されたカプセルCを半径内側に向かって押し出せれば、押込機構60の構造はこれに限定されない。例えば、押込機構60はスライダ機構とスライダ機構を半径内側に向かって付勢する弾性部材とで構成されてもよい。
物品排出ユニット10単体として考えると、物品排出口22はストッカーケース20の内部のガイドパイプ21の側壁に設けられているため、物品排出口22をストッカーケース20の下部に設ける必要が無く、装置全体の高さとストッカーケース20の高さとをほぼ同じに形成することができる。したがって、物品排出ユニット10の高さを高くすることなく、収納個数を増やすことができる。また、物品排出ユニット10を複数台積層する物品取出装置1を形成する場合においても、全体の高さを抑えることが可能となる。
また、このような付勢機構によると、引張バネ63の伸張状態が一気に開放されてその瞬間的な反発力によりカプセルCを中心軸Pに向けて水平方向に勢いよく弾き出す事ができる。それにより球体のカプセルCは勿論のこと、球体でない形状、例えば楕円形状、多角形状等のカプセルCであっても、不測停止することなく、物品排出口22及び共通搬出パイプQを介して物品取出ユニット80から排出することが可能となり得る。さらに、トレイ54でカプセルCを受ける構造にすることは、様々な大きさのカプセルへの対応を可能にする。例えば、カプセルが小さい場合であっても、そのカプセルCの大きさに応じてトレイ54の大きさを変化させることで、各物品収容部53aには一つずつカプセルCが収容されるため、カプセルCを一つずつ排出することを可能にする。
(変形例) 第1実施形態において、ストッカーケース20と物品排出機構30とを備える物品排出ユニット10が積層されることで物品取出装置1を構成していたが、単一のストッカーケースの内部に、その中心軸に沿って複数の物品排出機構30が分散して配置する構造であってもよい。図15は、本発明の第1の実施形態の変形例に係る物品取出装置2を示す斜視図である。図16は、本発明の第1の実施形態の変形例に係る物品取出装置2を示す分解斜視図である。
図15、図16に示すように、第1実施形態の変形例に係る物品取出装置2は、円筒状のストッカーケース200と、ストッカーケース200の内部に分散して配置される円環状の複数の物品排出機構230と、複数の物品排出機構230を貫通し、複数の物品排出機構230に応じた複数の側壁部分が複数の物品排出口224として開口される円筒状の共通搬出パイプ221と、共通搬出パイプ221の下端に接続され、物品を取り出す取出口281を有する物品取出ユニット280と、全体を支持する支持台290とを備える。
物品排出機構230は、第1実施形態における物品排出機構30と同様に構成される。物品排出機構230を構成するローター250は共通搬出パイプ221の任意の位置で、共通搬出パイプ221に対して回転自在に取り付けられる。物品排出機構230を構成するカム部材240は共通搬出パイプ221にネジ等の固定機構により固定される。つまり、単一のストッカーケース200の内部空間は、複数の物品排出機構230により複数のストッカースペース(空間部分)に分割される。物品排出機構230は、上部の物品排出機構230又はストッカーケース200の上面との間のストッカースペースに収納されたカプセルCを選択的に排出する。
共通搬出パイプ221の側壁には、共通搬出パイプ221の軸方向に沿って物品排出口用のスリット223が切り欠かれている。スリット223の幅はカプセルCの径よりも若干広い。スリット223を部分的にカバー222で覆うことで、複数の物品排出機構230に応じた複数の側壁部分が複数の物品排出口224として形成され、これにより、各物品排出機構230から排出されたカプセルだけを物品排出口224を通じて共通搬出パイプ221に導入することができる。
ストッカーケース200の側壁には、軸方向に沿って直線状にハンドル用スリット201が設けられる。このハンドル用スリット201に複数の回転ハンドル270は嵌め込まれ
る。回転ハンドル270は物品排出機構230のローター250の歯(従動ギア)に噛み合う位置でネジ等の固定機構により固定される。
このように構成された第1実施形態の変形例に係る物品取出装置2によれば、第1実施形態と同様の効果を発揮し、物品取出装置2の全体の高さを抑えることができる。また、第1実施形態では、積層された物品排出ユニット10のそれぞれの容量は固定あったが、単一のストッカーケース200の内部に複数の物品排出機構230を分散して配置する構造により、物品取出装置2の全体の収納容量は固定であるが、複数の物品排出機構230にそれぞれ対応する複数のストッカースペースのそれぞれに割り当てられる容量の割合を変更することができる。これにより、物品排出機構230の位置及び数を調整するだけで、ストッカースペース各々の容量を変動させることができ、在庫数等に応じて各ストッカースペースの容量を変更し、装置の収納容量の使用効率を向上させることができる。
(第2実施形態) 図17〜図19は、本発明の第2の実施の形態に係る物品排出ユニット110が積層された物品取出装置3を示している。図17は、物品排出ユニット110が積層された物品取出装置3を示している。図18は物品排出ユニット110を示す分解斜視図である。図19は、物品排出ユニット110に組み込まれたローター150の位置を示す側面図である。図20は、物品排出ユニット110に組み込まれたローター150を示す平面図である。なお、物品排出ユニット110は、図17に示すような物品取出装置3のようにしても、単体で用いても良い。
図17に示すように、物品取出装置3は、積層された4台の物品排出ユニット110と、これら物品排出ユニット110の下部に設けられた物品取出ユニット180と、全体を支持する支持台190とを備えている。なお、物品排出ユニット110を積層する数は4台に限られない。物品取出ユニット180に1台の物品排出ユニット110を積層したものが床面に設置されてもよい。
図18に示すように、物品排出ユニット110は、有底円筒状に形成され、物品を収容するカプセルCを複数個収納するストッカーケース120と、このストッカーケース120内に設けられた物品排出機構130と、上部に配置された物品排出ユニット110から排出されたカプセルCを導入するためのガイドパイプ121と、を備えている。
ストッカーケース120の底面(下面)には、カプセルCよりもやや大きい径を有する円形状の物品排出口122が形成されている。物品排出口122は、後述のローター150の物品収容部152と重なる任意の位置に開口される。ガイドパイプ121は、典型的には物品排出口122と同一の内径を有する円筒体であり、物品排出口122と位置整合して設けられる。ガイドパイプ121の上端はストッカーケース120の頂面(上面)を貫通し、下端はローター150の上部、ストッカーケース120の底面からカプセルCの径よりもやや高い位置まで敷設されている。
物品排出機構130はローター150を備える。図20に示すように、ローター150は、ストッカーケース120の内径よりもわずかに短い外径を有する円形板151と、この円形板151の円周方向に沿って間欠的に設けられる円形状の5つの物品収容部152と、円形板151の中心に設けられるギア132を嵌め込むための円形状の嵌合口153とを備えている。円形板151は、その外周面がストッカーケース120の内壁面に対して僅かな隙間が設けられるように配置されている。物品収容部152はカプセルCの外径より大きく形成される。嵌合口153にはギア132の上部が嵌め込まれ、キャップ136で締結される。キャップ136には、ストッカーケース120内のカプセルCを撹拌する複数、ここでは3つの撹拌子138が取り付けられる。撹拌子138は、例えばコイルバネにより形成される。ギア132は、ストッカーケース120の底部中央に設けられた台座131に、鉛直方向の軸廻りに回転自在に取り付けられる。ギア132の下部には、ギア132を回転するための回転シャフト171が挿し込まれる。回転シャフト171は回転ハンドル170に接続される。購入者により回転ハンドル170が回転されることで、ローター150がギア132とともに回転される。
図19に示すように、ローター150はストッカーケース120の底面からカプセルCの径よりも低い位置に配置される。これにより、物品収容部152に収容されたカプセルCは、ストッカーケース120の底面を転動又は摺動しながら物品排出口122まで搬送される。例えば、積層された4つの物品排出ユニット110のうち最上部の物品排出ユニット110において、ローター150の回転により、物品排出口122まで搬送されたカプセルCは、物品排出口122に落下し、他の物品排出ユニット110のガイドパイプ121、物品収容部152、物品排出口122を通過して、物品取出ユニット180に搬出される。このように、積層された複数の物品排出ユニット110のそれぞれのガイドパイプ121、物品収容部152、物品排出口122は複数の物品排出ユニット110のそれぞれから排出されたカプセルを物品排出ユニット110に搬出する共通搬出パイプを構成する。
このように構成された第2実施形態に係る物品取出装置3によれば、積層された複数の物品排出ユニット110のそれぞれから排出されたカプセルは、共通搬出パイプを経由して、装置下部の物品取出ユニット180に搬出される。すなわち、各物品排出ユニット110毎に外部にカプセルを搬出する搬出路を形成する必要がなく、複数の物品排出ユニット110を積層した物品取出装置3の全体の高さ及び幅を抑えることが可能となる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、様々な種類の物品取出装置及び物品排出ユニットに適用できることは勿論である。
1…物品取出装置、10…物品排出ユニット、20…ストッカーケース、21…ガイドパイプ、22…物品排出口、23…カバー、30…物品排出機構、40…カム部材、41a…円周部、41b…直線壁、41c…螺旋部、50…ローター、51…円環板、52…歯、53…開口部、53a…物品収容部、54…トレイ、54a…壁面、54b…切欠溝、60…押込機構、61…ブラケット、61a…溝、62…支持軸、63…引張バネ、64…作動アーム、65…ピン、66…動作アーム、67…カムフォロア軸、67a…押圧部、67b…カムフォロア、70…回転ハンドル、80…物品取出ユニット、90…支持台、P…中心軸、Q…共通搬出パイプ。

Claims (1)

  1. 積層された複数の物品排出ユニットと、
    前記積層された複数の物品排出ユニットを全体にわたって貫通するものであって、前記複数の物品排出ユニットに応じた複数の側壁部分が複数の物品排出口として開口される筒状の共通搬出パイプと、
    前記共通搬出パイプの下端に接続される物品取出口を有する物品取出ユニットとを備え、
    前記物品排出ユニットは、
    複数の物品を収納する筒体と、
    前記筒体の下部に、前記筒体に同軸的に、かつ、回転自在に配置され、半径内側に向かって開口が形成され、前記物品を一つずつ収容する略半円形状の複数の物品収容部が周方向に間欠的に配設されてなる開口部を有する環状のローターと、
    前記複数の物品収容部にそれぞれ設けられ、前記物品収容部に収容された前記物品を受ける略半円筒形のトレイと、
    前記ローターの回転に伴って前記複数の物品収容部のうちいずれかの物品収容部の開口が前記物品排出口に重なるとき、前記物品収容部に収容された前記物品を半径内側に向かって付勢し前記開口から前記物品排出口に略水平に押し出す付勢機構を備えていることを特徴とする物品取出装置。
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