JP6708836B2 - ボックスカルバート基礎補強構造物とその構築方法及び設計検証システム - Google Patents

ボックスカルバート基礎補強構造物とその構築方法及び設計検証システム Download PDF

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この発明は、ボックスカルバート基礎補強構造物とその構築方法及び設計検証システムに係り、ボックスカルバート基礎補強工法を検証することができるボックスカルバート基礎補強構造物とその構築方法及び設計検証システムに関する。
従来、軟弱層の基礎地盤の対策を図るための工法として、固結工法、マットレス工法がある。
また、ボックスカルバート基礎補強工法は、基礎地盤の表層若しくは基層部に、中詰材(砕石)をジオシンセティックス(補強材)で巻き上げて盤状に組み立てた基礎補強体を敷設し、基礎補強体の上面に上載構造物(ボックスカルバート)を載置するとともに、基礎補強体を上載構造物の載荷端部よりも十分に張り出して配置することによって構築物を構築し、上載構造物の荷重分散及び基礎補強体のせん断抵抗を発揮させることで、基礎地盤を補強するものである。
特開2010−90638号公報
ところが、従来、ボックスカルバート基礎補強構造物の設計検証にあっては、上載構造物の載荷端部から張り出た基礎補強体の張出幅を基礎補強体の厚さと同一に設定し、また、上載構造物の載荷荷重(上載荷重)の分散角を一定値(例えば、45°)に設定していたので、基礎地盤に作用する荷重の低減効果があるか否かの検証が不十分であり、改善が望まれていた。
そこで、この発明は、基礎地盤を補強する構造および基礎地盤に作用する荷重の低減効果があるか否かの検証を十分にすることができるボックスカルバート基礎補強構造物とその構築方法及び設計検証システムを提供することを目的とする。
この発明は、基礎地盤に中詰材とジオシンセティックスとで構成される基礎補強体を敷設し、前記基礎補強体の上面に上載構造物を載置するボックスカルバート基礎補強工法の設計検証システムにおいて、各種情報の演算処理を実行する電子制御ユニットと各種情報を入力する入力手段と各種情報を表示する表示手段とを備え、前記電子制御ユニットは、前記基礎補強体の底面に作用する分散荷重を算出する場合に、前記上載構造物の載荷端部から張り出た前記基礎補強体の張出幅に少なくとも2つの張出幅値を設定するとともに、前記上載構造物の載荷荷重の分散角に少なくとも2つの分散角値を設定し、前記張出幅値と前記分散角値とを所定に組み合わせた特定値毎で前記基礎補強体の所定の厚さ毎の分散荷重を算出する分散荷重算出部と、前記特定値を用いて前記基礎補強体の所定の厚さ毎で前記基礎地盤の許容支持力を満足するか否かの判定を行ってボックスカルバート基礎補強工法を検証する検証部とを備えることを特徴とする。
この発明は、基礎補強体の張出幅に設定された張出幅値と上載構造物の載荷荷重の分散角に設定された分散角値とを所定に組み合わせた特定値を用いて、基礎補強体の所定の厚さ毎で基礎地盤の許容支持力を満足するか否かの判定を行うことから、基礎地盤を補強する構造および基礎地盤に作用する荷重の低減効果があるか否かの検証を十分にすることができる。
図1はボックスカルバート基礎補強工法の設計検証のフローチャートである。(実施例) 図2はボックスカルバート基礎補強工法の設計検証システムの制御ブロック図である。(実施例) 図3はボックスカルバート基礎補強工法における構築物の斜視図である。(実施例) 図4は基礎補強体の斜視図である。(実施例) 図5はジオシンセティックスの引張強度の計算方法を説明する図である。(実施例) 図6は上載構造物(ボックスカルバート)の載荷幅(ボックス幅)及び基礎補強体の張出幅を説明する図である。(実施例) 図7はボックスカルバート基礎補強工法の計算方法で用いる各記号を説明する図である。(実施例) 図8は基礎補強体の上面に上載構造物が載置された状態の一部断面図である。(実施例) 図9はボックスカルバート基礎補強工法で第1〜第3手順を説明する図である。(実施例) 図10は図9の第2手順を示す図である。(実施例) 図11はボックスカルバート基礎補強工法で第4〜第8手順を説明する図である。(実施例) 図12は図11の第5手順を説明する図である。(実施例) 図13は図11の第7手順を説明する図である。(実施例) 図14はボックスカルバート基礎補強工法で第9〜10手順を説明する図である。(実施例) 図15は図14の第9手順を説明する図である。(実施例) 図16は基礎補強体の一部断面図である。(実施例) 図17は第1〜10手順で得られた基礎補強体及び基礎補強体の上面に載置された上載構造物からなる構築物の外郭線による斜視図である。(実施例)
この発明は、基礎地盤を補強する構造および基礎地盤に作用する荷重の低減効果があるか否かの検証を十分に行う目的を、基礎補強体の張出幅に設定された張出幅値と上載構造物の載荷荷重の分散角に設定された分散角値とを所定に組み合わせた特定値を用いて、基礎補強体の所定の厚さ毎で基礎地盤の許容支持力を満足するか否かの判定を行って実現するものである。
図1〜図17は、この発明の実施例を示すものである。
図3に示すように、ボックスカルバート基礎補強工法における構築物1は、軟弱層の基礎地盤Gに基礎補強体2を敷設し、基礎補強体2の上面に上載構造物(ボックスカルバート)3を載置して構築される。具体的には、図8に示すように、構築物1は、軟弱層の基礎地盤Gに所定の深さDで且つ所定面域の掘削穴4を形成し、掘削穴4に基礎補強体2を敷設し、基礎補強体2の上面に所定の厚さの均し材5を敷設し、均し材5の上面に上載構造物3を載置して構築され、道路などの地盤改良に用いられる。
基礎補強体2は、強度を発現する方向が道路などに沿って配置される。
上載構造物3は、強度を発現する方向の中央部位に貫通空間6を備え、貫通空間6の軸方向が基礎補強体2の強度を発現する方向に対して直交する方向に配置される。
基礎補強体2は、図4に示すように、ジオシンセティックス(補強材)7内に中詰材(砕石)8を一体的に詰め込み、ジオシンセティックス7の上面を長手方向に延びる連結部9・9で連結し、長さX、幅Y、厚さH(例えば、40cm)の大きさで盤状に組み立てられて構成される。
ボックスカルバート基礎補強工法は、図9〜図15に示すように、第1手順R1〜第10手順R10に沿って行われる。
図9に示すように、軟弱層の基礎地盤Gに、第1手順R1として、所定の深さD(例えば、45cm)で且つ所定面域の掘削穴4を掘削し、第2手順R2として、掘削穴4の底面の中間部や両端部で所定の大きさに逆台形の溝掘部10を掘削し(例えば、幅:50〜100cm・幅:10〜120cm・深さ5〜50cm)、第3手順R3として、掘削穴4の底面で溝掘部10を除いた箇所に均し砂11を所定の高さE(例えば、5cm)で敷設する。この場合、図10に示すように、第2手順R2における溝掘部10・10の設置は、基礎補強体2のプレテンション(予備緊張)を促進させるものである。
図11に示すように、第4手順R4として、均し砂11の上面に下側のジオシンセティックス7を敷設し、第5手順R5として、掘削穴4の下端部且つ底部で下端部固定アンカーピン12及び下側横鋼ピン(サポートピン)13Aを設置し、第6手順R6として、基礎地盤Gの上面の肩部GSで上端部固定アンカーピン14及び掘削穴4の上端部で上側横鋼ピン(サポートピン)13Bを設置し、第7手順R7として、掘削穴4中でズレ止め防止アンカーピン15を設置し、そして、第8手順R8として、ジオシンセティックス7の上面に下側不織布16を外側方向(図11のF方向)へ張りながら敷設する。この場合、第5手順R5においては、図12に示すように、ジオシンセティックス7の端部に下側横鋼ピン13Aを通し、鉄棒であおりながら下端部固定アンカーピン12を打設する。第7手順R7においては、図13に示すように、専用工具によってジオシンセティックス7を緊張状態とし、また、ズレ止め防止アンカーピン15を所定の箇所へ設置する。
図14に示すように、第9手順R9として、下端部固定アンカーピン12及び下側横鋼ピン13Aと、上端部固定アンカーピン14及び上側横鋼ピン13Bと、ズレ止め防止アンカーピン15とを堅固に固定する。第10手順R10として、中詰材8を均一に敷いた一層目M1(仕上厚さを、例えば、20cm)と、一層目M1の上に中詰材8を均一に敷いた二層目M2(仕上厚さを、例えば、20cm)と、また、上側不織布17を二層目M2の上面に敷設し且つ上側のジオシンセティックス7とを、専用工具によって緊張状態とし、また、ズレ止め防止アンカーピン14で固定しながら敷設する。なお、シート状のジオシンセティックスを用いる場合には、下側不織布16と上側不織布17とを省略できる。上側のジオシンセティックス7は、緊張した状態で両端部を固定する。この場合、第10手順R10においては、図15に示すように、溝掘部10には砂利が入り込むことから、下側のジオシンセティックス7を緊張状態にさせる(図15のPで示す)。
上記の第1手順R1〜第10手順R10により、図17に示すように、構築物1が構築される。
図2に示すように、この実施例に係るボックスカルバート基礎補強工法は、設計検証システム18によって検証(試験施工)される。
設計検証システム18は、各種情報の演算処理を実行する電子制御ユニット19と、各種情報を入力する入力手段20と、各種情報を表示する表示手段21と、各種情報を印刷する印刷手段22とを備える。入力手段20では、ボックスカルバート基礎補強工法の設計に関する各種情報が入力される。表示手段21では、ボックスカルバート基礎補強工法の設計に関する各種情報が表示される。印刷手段22では、ボックスカルバート基礎補強工法の設計に関する各種情報が印刷される。
電子制御ユニット19は、基本的に、設計条件の設定として、基礎地盤Gの地盤強度を設定し、ジオシンセティックス7の種類を設定し、基礎補強体2の厚さH及び張出幅Lを設定し、基礎補強体2の底面に作用する分散荷重を算出する。
電子制御ユニット19は、引張強度決定部19Aと、分散荷重算出部19Bと、検証部19Cと、記憶部19Dとを備える。
引張強度決定部19Aは、ジオシンセティックス7の引張強度を、円弧すべり計算で決定する(図5参照)。
分散荷重算出部19Bは、基礎補強体2の底面に作用する分散荷重を算出する場合に、上載構造物3の載荷端部3Eから張り出た基礎補強体2の張出幅Lに少なくとも2つの張出幅値を設定するとともに、上載構造物3の載荷荷重の分散角θに少なくとも2つの分散角値を設定し、張出幅値と分散角値とを所定に組み合わせた特定値毎で基礎補強体2の所定の厚さH毎の分散荷重を算出する。
具体的には、
基礎補強体2の厚さをH、
基礎補強体2の張出幅をL、
上載構造物3の載荷荷重の分散角をθとした場合に、
基礎補強体2の張出幅Lの張出幅値として、L>Hを設定するとともに、上載構造物3の載荷荷重の分散角θの分散角値として、θ>45°(例えば、θ=60°)を設定して特定値である第1の特定値とする。
また、
上載構造物3の載荷幅(ボックス幅)をB、
上載構造物3の載荷幅Bの半分をb、
基礎補強体2の張出幅をL、
上載構造物3の載荷荷重の分散角をθとした場合に、
基礎補強体2の張出幅Lの張出幅値として、L=3b=1.5Bを設定するとともに、上載構造物3の載荷荷重の分散角θの分散角値として、θ=70°を設定して特定値である第2の特定値とする。
ここで、基礎補強体2の所定の厚さH毎とは、例えば、H=0.40、0.45、……1.00m毎である。
基礎補強体2の張出幅Lの張出幅値及び基礎補強体2の厚さHは、ボックスカルバート基礎補強工法の各種情報であって、例えば、入力手段20で入力されて電子制御ユニット19の記憶部19Dに記憶されたものである。
なお、基礎補強体2の張出幅Lの張出幅値及び上載構造物3の載荷荷重の分散角θの分散角値としては、それぞれ2つの値に限られず、性能確認して設定できる。
ボックスカルバート基礎補強構造物の構築方法においては、基礎地盤Gに中詰材8とジオシンセティックス7とで構成される基礎補強体2を敷設する工程と、基礎補強体2の上面に上載構造物3を敷置する工程とを備える。また、この構築方法において、基礎補強体2は、基礎地盤Gの掘削穴4の底面に溝掘部10を掘削する工程と、掘削穴4にジオシンセティックス7を敷設する工程と、掘削穴4の上端部及び下端部で固定アンカーピン12・14及び横鋼ピン13A・13Bを設置してジオシンセティックス7を緊張状態とする工程と、ジオシンセティックス7に中詰材8を充填する工程とを経て構築される。この場合、基礎補強体2の張出幅をL、上載構造物3の敷荷幅をBとした場合に、L≧Bの関係がある。基礎補強体2のジオシンセティックス7は、基礎地盤Gに掘削された掘削穴4の上端部及び下端部において横鋼ピン13A・13B及び固定アンカーピン12・14により基礎地盤Gに固定されている。
従って、ボックスカルバート基礎補強構造物は、少なくとも中詰材8とジオシンセティックス7とで構成される基礎補強体2と、基礎補強体2に載置される上載構造物3とを備え、基礎補強体2の張出幅をL、上載構造物3の敷荷幅をBとした場合に、L≧Bとして構築される。
また、図16に示すように、基礎補強体2は、底面2Aに逆台形の凸部2Bを有する。凸部2Bは、例えば、幅が50〜100cm、幅が10〜120cm、深さが約5〜50cmであり、溝掘部10に対応した位置で基礎補強体2の底面2Aに形成される。
検証部19Cは、上記の第1の特定値及び第2の特定値を用いて基礎補強体2の所定の厚さH毎で算出される分散荷重が、地盤調査に基づいて設定された基礎地盤Gの許容支持力を満足するか否かの判定を行ってボックスカルバート基礎補強工法を検証する。
記憶部19Dは、入力手段20で入力された各種情報や、基礎地盤Gのプレロード工法におけるプレロード後の強度増加した地盤強度などを記憶する。ここで、プレロード工法とは、構造物への沈下の影響を最小限にするという沈下対策として、先行して採用されるものである。
電子制御ユニット19では、ボックスカルバート基礎補強工法の設計を行い、基礎補強体2の補強効果を計算する(図7参照)。
S=(γ・D・H+1/3・γ・H)K・tanφ …(式1)
=tan(45°+φ/2)
T=2T・sinψ …(式2)
p=(q・B−S−T)/(B+2H・tanθ)+γ・H …(式3)
ここで、
S:中詰材のせん断抵抗力(中詰材のせん断抵抗効果)
T:ジオシンセティックスの引張り力(ジオシンセティックスによる引き上げ効果)
p:基礎補強体の底面に作用する分散荷重(載荷荷重の荷重分散効果)(kN/m
B:上載構造物の載荷幅(ジオシンセティックスに十分な引張り力を作用させるために必要となる幅)(m)
H:基礎補強体の厚さ(m)
:基礎補強体の根入れ深さ(m)
q:基礎補強体の上面に作用する載荷荷重(荷重強度)(kN/m
θ:載荷荷重の分散角(°)
:ジオシンセティックスの引張強さ(kN/m)
ψ:ジオシンセティックスの許容伸びに対する変位角(°)
γ:埋め戻し地盤の単位体積重量(kN/m
γ:中詰材の単位体積重量(kN/m
φ:中詰材のせん断抵抗角(°)
:中詰材に生じる受働土圧係数
上記の(式1)〜(式3)により、基礎補強体2の補強効果として、中詰材8のせん断抵抗力Sと、ジオシンセティックス7の引張り力Tと、分散荷重pとが期待できるものである。
また、ボックスカルバート基礎補強工法の設計においては、載荷荷重を分散角θで低減した分散荷重pに対して、基礎地盤Gの許容支持力qを確保するためのジオシンセティックス7の引張強さT及び必要な基礎補強体2の厚さHを決定する。
次に、ボックスカルバート基礎補強工法の設計検証方法について、図1のフローチャートに沿って説明する。
図1に示すように、電子制御ユニット19において、プログラムがスタートすると(ステップS01)、先ず、引張強度決定部19Aは、ジオシンセティックス7の引張強度の決定を行う(ステップS02)。このステップS02では、図5に示すように、ジオシンセティックス7の引張強度は、ジオシンセティックス7の引張強度に対して、円弧すべり計算で決定される。載荷荷重(上載荷重)は、ボックスカルバート基礎補強工法の計算時の最大偏荷重(qmax)として、ジオシンセティックス7を1枚敷設した状態で計算される。
そして、ジオシンセティックス7の引張強度の設定を行う(ステップS03)。このステップS03では、ジオシンセティックス7の最小引張強度(min)を所定値(例えば、20kN/m)とし、また、ジオシンセティックス7の最大引張強度(max)を所定値(例えば、90kN/m)として、円弧すべり計算を実施し、ジオシンセティックス7の引張強度の設定を行う。なお、軟弱層の地盤では、プレロード工法におけるプレロード(予備荷重)後の強度増加した地盤強度を適用する(図5参照)。
その後、目標のすべり安全率Fsが、Fs≧所定値(1.20)か否かを判断する(ステップS04)。
このステップS04がNOの場合には、ジオシンセティックス7の設定された引張強度が所定の最大引張強度(max)を超えているか否かを判断する(ステップS05)。
このステップS05がNOの場合には、前記ステップS03に戻す。
前記ステップS04がYESの場合には、分散荷重算出部19Bが、基礎補強体2の底面に作用する分散荷重pの算出を行う(ステップS06)。このステップS06では、図6に示すように、応力の分散角θにおいては、試験施工結果より、第1の特定値として、基礎補強体2の張出幅Lの張出幅値が、L>Hの場合に、分散角値を、θ=60°に採用し、又は、第2の特定値として、基礎補強体2の張出幅Lの張出幅値が、L=3b=1.5Bの場合に、分散角値を、θ=70°に採用する。
また、基礎補強体2の底面に作用する分散荷重pの算出においては、上記のL>Hの場合と上記のL=3b=1.5Bの場合とで、基礎補強体2の厚さHが、例えば、H=0.40、0.45、……1.0mまでの所定の厚さ毎で、分散荷重pが算出される。
そして、検証部19Cは、基礎地盤Gの許容支持力qの照査を実施する(ステップS07)。このステップS07では、プレロード(予備荷重)により強度増加した基礎地盤Gの調査結果を用いて基礎地盤Gの許容支持力qの照査が実施される。具体的には、基礎補強体2の厚さHを増加し、L>Hで許容支持力qが満足されなかった場合に、L=3b=1.5Bに移行し、その後、L=3b=1.5Bで且つ基礎補強体2の厚さHが所定値(max:1.00m)で許容支持力qが満足されなかった場合には、ボックスカルバート基礎補強工法を不採用とし、固結工法を採用する。
先ず、第1の特定値として、L>H・θ=60°の検証の設定を行う(ステップS08)。
そして、基礎補強体2の厚さHが、所定の厚さであるH=0.40、0.45、……1.00m毎で、基礎地盤Gの許容支持力qを満足するか否かを判断する(ステップS09)。
このステップS09がNOで、基礎地盤Gの許容支持力qを満足しない場合には、第2の特定値として、L=3b=1.5B・θ=70°の検証の設定を行う(ステップS010)。
そして、基礎補強体2の厚さHが、H=0.40、0.45、……1.00m毎で、基礎地盤Gの許容支持力qを満足するか否かを判断する(ステップS11)。
このステップS11がNOで、基礎地盤Gの許容支持力qを満足しない場合には、ボックスカルバート基礎補強工法を不採用とし(ステップS12)、固結工法を採用する(ステップS13)。なお、前記ステップS05がYESの場合にも、ボックスカルバート基礎補強工法を不採用とし(ステップS12)、固結工法を採用する(ステップS13)。
一方、前記ステップS09及び前記ステップS11がYESで、基礎地盤Gの許容支持力qを満足している場合には、プレロードの盛土の厚さが所定値(10m程度)を超えたか否かを判断する(ステップS14)。
このステップS14がNOで、プレロードの盛土の厚さが所定値(10m程度)を超えていない場合には、ボックスカルバート基礎補強工法を採用する(ステップS15)。
このステップS14がYESで、プレロードの盛土の厚さが所定値を超えている場合には、施工条件や施工工程、経済性等について固結工法とボックスカルバート基礎補強工法との比較検討を行い、固結工法とボックスカルバート基礎補強工法とのいずれが有利な工法なのかを選定する(ステップS16)。
前記ステップS13で固結工法を採用した後、あるいは、前記ステップS15でボックスカルバート基礎補強工法を採用した後は、このプログラムをエンドとする(ステップS17)。
この結果、この実施例によれば、電子制御ユニット19は、基礎補強体2の底面に作用する分散荷重pを算出する場合に、上載構造物3の載荷端部3Eから張り出た基礎補強体2の張出幅Lに少なくとも2つの張出幅値(L>H・L=3b=1.5B)を設定するとともに、上載構造物3の載荷荷重の分散角θに少なくとも2つの分散角値(θ=60°・θ=70°)を設定し、張出幅値と分散角値とを所定に組み合わせた特定値(L>H・θ>45°(θ=60°)、L=3b=1.5B・θ=70°)毎で基礎補強体2の所定の厚さH毎(H=0.40、0.45、……1.00m毎)の分散荷重pを算出する分散荷重算出部19Bと、特定値(L>H・θ>45°(θ=60°)、L=3b=1.5B・θ=70°)を用いて基礎補強体2の所定の厚さH毎(H=0.40、0.45、……1.00m毎)で基礎地盤Gの許容支持力qを満足するか否かの判定を行ってボックスカルバート基礎補強工法を検証する検証部19Cとを備える。
これにより、基礎地盤Gを補強するボックスカルバート基礎補強工法および基礎地盤Gに作用する荷重の低減効果があるか否かの検証を十分にすることができ、基礎地盤Gの状況に見合った強度の構築物1を造ることが可能となる。基礎補強体2の張出幅Lは、基礎補強体2の厚さHよりも大きく設定される(L>H)。
これにより、基礎補強体2の底面の基礎地盤Gへの荷重の作用面域を拡大させ、基礎地盤Gに作用する荷重の均一化を図るとともに、載荷荷重を効率良く分散させ、基礎地盤Gに作用する荷重の低減効果を向上することができる。
更に、ボックスカルバート基礎補強構造物においては、基礎地盤Gの掘削穴4の底面に溝掘部10を掘削するとともにジオシンセティックス7を敷設し、掘削穴4の上端部及び下端部で固定アンカーピン12・14及び横鋼ピン13A・13Bを設置してジオシンセティックス7を緊張状態とし、ジオシンセティックス7に中詰材8を一体化して構成され、且つ、基礎補強体2の張出幅をL、上載構造物2の載荷幅をBとした場合に、L≧Bに設定される。
これにより、基礎補強体2が堅固に構成されるとともに、載荷荷重を効率良く分散させ、基礎地盤Gに作用する荷重の低減効果を向上することができる。
この発明に係る設計検証システムは、各種の基礎補強工法に適用可能である。
1 ボックスカルバート基礎補強工法における構築物
2 基礎補強体
2A 基礎補強体の底面
2B 基礎補強体の凸部
3 上載構造物(ボックスカルバート)
4 掘削穴
7 ジオシンセティックス(補強材)
10 溝掘部
12 下端部固定アンカーピン
13A 下側横鋼ピン
13B 上側横鋼ピン
14 上端部固定アンカーピン
18 設計検証システム
19 電子制御ユニット
19A 引張強度決定部
19B 分散荷重算出部
19C 検証部
19D 記憶部
20 入力手段
21 表示手段
22 印刷手段

Claims (8)

  1. 基礎地盤に中詰材とジオシンセティックスとで構成される基礎補強体を敷設し、
    前記基礎補強体の上面に上載構造物を載置するボックスカルバート基礎補強工法の設計検証システムにおいて、
    各種情報の演算処理を実行する電子制御ユニットと各種情報を入力する入力手段と各種情報を表示する表示手段とを備え、
    前記電子制御ユニットは、
    前記基礎補強体の底面に作用する分散荷重を算出する場合に、前記上載構造物の載荷端部から張り出た前記基礎補強体の張出幅に少なくとも2つの張出幅値を設定するとともに、前記上載構造物の載荷荷重の分散角に少なくとも2つの分散角値を設定し、前記張出幅値と前記分散角値とを所定に組み合わせた特定値毎で前記基礎補強体の所定の厚さ毎の分散荷重を算出する分散荷重算出部と、
    前記特定値を用いて前記基礎補強体の所定の厚さ毎で前記基礎地盤の許容支持力を満足するか否かの判定を行ってボックスカルバート基礎補強工法を検証する検証部とを備えることを特徴とするボックスカルバート基礎補強工法の設計検証システム。
  2. 前記電子制御ユニットは、
    前記基礎補強体の厚さをH、
    前記基礎補強体の張出幅をL、
    前記上載構造物の載荷荷重の分散角をθとした場合に、
    前記基礎補強体の張出幅Lの張出幅値として、L>Hを設定するとともに、前記上載構造物の載荷荷重の分散角θの分散角値として、θ>45°を設定して特定値とすることを特徴とする請求項1に記載のボックスカルバート基礎補強工法の設計検証システム。
  3. 前記請求項1又は前記請求項2に記載の設計検証システムによりボックスカルバート基礎補強工法を検証する工程と、
    基礎地盤に中詰材とジオシンセティックスとで構成される基礎補強体を敷設する工程と、
    前記基礎補強体の上面に上載構造物を敷置する工程とを備えることを特徴とするボックスカルバート基礎補強構造物の構築方法。
  4. 前記基礎地盤の掘削穴の底面に溝掘部を掘削する工程と、
    前記掘削穴に前記ジオシンセティックスを敷設する工程と、
    前記掘削穴の上端部及び下端部で固定アンカーピン及び横鋼ピンを設置して前記ジオシンセティックスを緊張状態とする工程と、
    前記ジオシンセティックスに前記中詰材を充填する工程とを経て、
    前記基礎補強体を構築することを特徴とする請求項3に記載のボックスカルバート基礎補強構造物の構築方法。
  5. 前記基礎補強体の張出幅をL、前記上載構造物の敷荷幅をBとした場合に、L≧Bであることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のボックスカルバート基礎補強構造物の構築方法。
  6. 少なくとも中詰材とジオシンセティックスとで構成される基礎補強体と、
    前記基礎補強体に載置される上載構造物とを備えるボックスカルバート基礎補強構造物であって、
    前記基礎補強体の張出幅をL、前記上載構造物の敷荷幅をBとした場合に、L≧Bであることを特徴とするボックスカルバート基礎補強構造物。
  7. 前記基礎補強体は、底面に逆台形の凸部を有することを特徴とする請求項6に記載のボックスカルバート基礎補強構造物。
  8. 前記基礎補強体の前記ジオシンセティックスは、基礎地盤に掘削された掘削穴の上端部及び下端部において横鋼ピン及び固定アンカーピンにより前記基礎地盤に固定されていることを特徴とする請求項6〜請求項のいずれか1項に記載のボックスカルバート基礎補強構造物。
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