JP6708073B2 - インクジェット記録装置及び不良記録素子の検出方法 - Google Patents
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Description
駆動信号の入力によりノズルからインクを吐出する記録素子が設けられたインク吐出部と、
前記インク吐出部により前記記録素子のノズルからインクを吐出させて、インク吐出不良を生じている不良記録素子の検出に用いられるテスト画像を記録媒体上に記録させる記録制御手段と、
前記テスト画像の撮像データに基づいて前記記録素子から不良記録素子を検出する検出手段と、
を備え、
前記テスト画像には、前記記録素子のインク吐出不良が反映される不良反映部分と、当該不良反映部分に係る付随情報を示す付随部分とが含まれ、
前記記録制御手段は、前記インク吐出部により、第1の駆動波形の駆動信号に応じた前記記録素子のノズルからのインク吐出によって前記不良反映部分を記録させ、前記第1の駆動波形とは異なる第2の駆動波形の駆動信号に応じた前記記録素子のノズルからのインク吐出によって前記付随部分を記録させる
ことを特徴としている。
前記第1の駆動波形の駆動信号及び前記第2の駆動波形の駆動信号を前記記録素子に供給する記録素子駆動部を備え、
前記記録制御手段は、前記記録素子駆動部により前記第1の駆動波形の駆動信号及び前記第2の駆動波形の駆動信号を前記記録素子に供給させて前記インク吐出部により前記テスト画像を記録させ、
前記インク吐出部に設けられた複数の前記記録素子のノズルから前記第1の駆動波形の駆動信号に応じて吐出されるインクに係る少なくとも一の特徴量のばらつきは、前記複数の記録素子のノズルから前記第2の駆動波形の駆動信号に応じて吐出されるインクに係る前記少なくとも一の特徴量のばらつきよりも大きく、
前記少なくとも一の特徴量は、前記テスト画像の撮像データにおいて同定可能である
ことを特徴としている。
前記少なくとも一の特徴量には、前記複数の記録素子のノズルから吐出されるインクの前記記録媒体上の着弾位置における前記複数の記録素子の配置に応じた本来の位置からのずれ量が含まれることを特徴としている。
前記少なくとも一の特徴量には、吐出されたインクの液滴の速度が含まれることを特徴としている。
前記少なくとも一の特徴量には、吐出されたインクの液滴の体積が含まれることを特徴としている。
前記第1の駆動波形の駆動信号における電圧振幅は、前記第2の駆動波形の駆動信号における電圧振幅と異なることを特徴としている。
前記第1の駆動波形の駆動信号における前記記録素子に対する印加電圧の持続時間は、前記第2の駆動波形の駆動信号における前記記録素子に対する印加電圧の持続時間と異なることを特徴としている。
前記第1の駆動波形の駆動信号に応じて前記記録素子のノズルから前記テスト画像の1画素当たりに吐出されるインクの液滴の最大数は、前記第2の駆動波形の駆動信号に応じて前記記録素子のノズルから前記テスト画像の1画素当たりに吐出されるインクの液滴の最大数と異なることを特徴としている。
前記第1の駆動波形の駆動信号に応じて前記記録素子のノズルから前記テスト画像の1画素当たりに吐出されるインクの液滴の最大数は、1又は2のうち一方であり、前記第2の駆動波形の駆動信号に応じて前記記録素子のノズルから前記テスト画像の1画素当たりに吐出されるインクの液滴の最大数は、1又は2のうち他方であることを特徴としている。
前記インク吐出部と記録媒体とを相対移動させる移動手段を備え、
前記インク吐出部は、前記相対移動による一の相対移動方向と直交する幅方向について所定の記録幅に亘って設けられた複数の前記記録素子を有し、
前記不良反映部分は、前記相対移動方向に相対移動する記録媒体に対して前記複数の記録素子の各々のノズルから吐出されたインクにより記録された前記相対移動方向と平行な複数の記録素子対応線を含み、
前記付随部分は、前記幅方向と平行な基準線を含む
ことを特徴としている。
前記検出手段による検出結果に基づいて前記インク吐出部による前記記録素子のノズルからのインク吐出動作を調整する調整手段を備えることを特徴としている。
前記テスト画像を撮像する撮像手段を備えることを特徴としている。
駆動信号の入力によりノズルからインクを吐出する記録素子が設けられたインク吐出部を備えたインクジェット記録装置の不良記録素子の検出方法であって、
前記インク吐出部により前記記録素子のノズルからインクを吐出させて、インク吐出不良を生じている不良記録素子の検出に用いられるテスト画像を記録媒体上に記録させる記録ステップ、
前記テスト画像の撮像データに基づいて前記記録素子から不良記録素子を検出する検出ステップ、
を含み、
前記テスト画像には、前記記録素子のインク吐出不良が反映される不良反映部分と、当該不良反映部分に係る付随情報を示す付随部分とが含まれ、
前記記録ステップでは、前記インク吐出部により、第1の駆動波形の駆動信号に応じた前記記録素子のノズルからのインク吐出によって前記不良反映部分を記録させ、前記第1の駆動波形とは異なる第2の駆動波形の駆動信号に応じた前記記録素子のノズルからのインク吐出によって前記付随部分を記録させる
ことを特徴としている。
インクジェット記録装置1は、給紙部10と、画像記録部20と、排紙部30と、制御部40(図4)とを備える。インクジェット記録装置1は、制御部40による制御下で、給紙部10に格納された記録媒体Pを画像記録部20に搬送し、画像記録部20で記録媒体Pに画像(インクジェット画像)を記録し、画像が記録された記録媒体Pを排紙部30に搬送する。記録媒体Pとしては、普通紙や塗工紙といった紙のほか、布帛又はシート状の樹脂等、表面に着弾したインクを定着させることが可能な種々の媒体を用いることができる。また、記録媒体Pは、枚葉紙といった短尺の媒体に限られず、ロールトゥロール方式で供給されるロール紙といった長尺の媒体であっても良い。
本実施形態では、ヘッドユニット24は、インクを吐出する複数の記録素子243が幅方向に配列された16個の記録ヘッド242を備える。記録素子243は、それぞれ、インクを貯留する圧力室(チャネル)と、圧力室の壁面に設けられた圧電素子と、圧電素子に電圧を印加して電界を生じさせるための電極と、圧力室に連通し圧力室内のインクを吐出するノズルとを有する。図2では、記録素子243の構成要素であるノズルのインク吐出口の位置が示されている。なお、各記録ヘッド242における記録素子の配列方向は、搬送方向に直交する幅方向に限られず、直角以外の角度で搬送方向と交差する方向であっても良い。
ヘッドユニット24に含まれる記録素子243の幅方向についての配置範囲は、搬送部21により搬送される記録媒体Pのうち画像が記録可能な領域の幅方向の幅をカバーしている。ヘッドユニット24は、画像の記録時には位置が固定されて用いられ、記録媒体Pの搬送に応じて搬送方向の異なる位置に所定の間隔(搬送方向間隔)で順次インクを吐出していくことで、シングルパス方式で画像を記録する。
なお、ヘッドユニット24の構成は上記に限られず、例えばヘッドモジュール242Mに代えて記録ヘッド242が千鳥格子状に配置された構成であっても良く、またヘッドユニット24が単一の記録ヘッド242を有する構成とされていても良い。
記録ヘッド242は、記録素子243のチャネル2432(インクの流路)が複数形成されたチャネル基板2422を有している。チャネル基板2422の端面には、複数のノズル2431が設けられたノズルプレート2424が接着されている。ノズル2431は、チャネル基板2422のチャネル2432と連通しており、チャネル2432に貯留されたインクが吐出されるようになっている。チャネル基板2422のノズルプレート2424側の上部にはカバープレート2423が取り付けられている。
また、本実施形態では、常温でゲル状であり加熱されることによりゾル状となるインクが用いられる。ヘッドユニット24は、ヘッドユニット24内に貯留されるインクを加熱する図示略のインク加熱部を備え、当該インク加熱部は、制御部40による制御下で動作し、ゾル状となる温度にインクを加熱する。記録ヘッド242は、加熱されてゾル状となったインクを吐出する。このゾル状のインクが記録媒体Pに吐出されると、インク液滴が記録媒体Pに着弾した後、自然冷却されることで速やかにインクがゲル状となって記録媒体P上で凝固する。
本実施形態では、撮像部26は、搬送ドラム211により搬送される記録媒体Pに対して光を照射する光源と、記録媒体Pに入射した光の反射光の強度を検出する撮像素子が幅方向に配列されたラインセンサー262(図4)とを備える。詳しくは、ラインセンサー262では、幅方向に配列された撮像素子からなる撮像素子列が3列設けられ、各撮像素子列の撮像素子により、入射光のうちR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の波長成分の強度に応じた信号がそれぞれ出力される。R,G,Bにそれぞれ対応する撮像素子は、例えば、光電変換素子としてフォトダイオードを備えるCCD(Charge Coupled Device)センサー又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサーの受光部に、R,G,又はBの波長成分の光を透過するカラーフィルターが配置されたものを用いることができる。ラインセンサー262の各撮像素子による読取解像度は、例えば、幅方向に600dpiである。即ち、このイメージセンサーは、記録素子243の配列間隔に対応する解像度よりも低い解像度で画像を取得するものであっても良い。また、搬送方向についての読取解像度が600dpiとなるように、ラインセンサー262からの信号の出力タイミングが調整される。
ラインセンサー262から出力された信号は、撮像制御部261(図4)により撮像データとして制御部40に出力される。
なお、撮像部26の構成はこれに限られず、例えばラインセンサー262に代えてエリアセンサーが用いられても良い。
インクジェット記録装置1は、加熱部23と、ヘッド制御部241及びヘッド駆動部2421(記録素子駆動部)を有するヘッドユニット24と、定着部25と、撮像制御部261及びラインセンサー262を有する撮像部26と、制御部40(記録制御手段、検出手段、調整手段)と、搬送駆動部51と、操作表示部52と、入出力インターフェース53と、バス54などを備える。
ヘッド駆動部2421は、ヘッド制御部241から入力される制御信号や画像データに応じてヘッドモジュール242Mの2つの記録ヘッド242の記録素子243における電極2433に対して駆動波形の駆動信号を供給することで、記録素子243のノズル2431の開口部からインクを吐出させる。詳しくは、ヘッド駆動部2421は、複数の駆動波形の波形データが記憶された波形データ記憶部を有し、ヘッド制御部241からの制御信号及び画像データに応じて複数の駆動波形から一の駆動波形を選択して駆動信号を記録素子243に供給する。波形データ記憶部に記憶される複数の駆動波形の例については、後述する。
続いて、図5(c)に示されるように、チャネル2432Bの電極2433Bに電圧−V2の収縮パルスを印加するとともに、チャネル2432A,2432Cの電極2433A,2433Cを接地電位とすることで隔壁2428において電界を生じさせ、隔壁2428をせん断変形させてチャネル2432Bの容積を収縮させる。これにより、チャネル2432B内に正の圧力が発生し、当該圧力が所定値を超えると、ノズル2431からインクの液滴が吐出される。その後、膨張パルスの印加が終了すると、チャネル2432Bは図5(a)に示される中立状態に戻る。
このように、記録ヘッド242では、膨張パルスによりチャネル2432を膨張させ、その膨張が緩和されるタイミングでさらに収縮パルスを印加してチャネル2432を収縮させることで、チャネル2432の内圧を増大させてノズル2431からインクを吐出する。
本実施形態のインクジェット記録装置1では、この膨張パルス及び収縮パルスの組み合わせが異なる複数の駆動波形が設定されており、記録対象の画像の種類に応じて要求される記録素子243からのインクの吐出特性(インクの吐出量、着弾位置精度、吐出頻度など)に合わせて何れかの駆動波形が選択されて画像の記録が行われる。
図6(a)には、記録対象の画像における1画素当たりに(即ち、記録対象の画像の画像データにおける一の画素データに応じて)2つのインクの液滴を吐出させる場合に用いられる2dpd(drop per dot)駆動の第1の駆動波形61が示されている。また、図6(b)には、記録対象の画像における1画素当たりに1つのインクの液滴を吐出させる場合に用いられる1dpd駆動の第2の駆動波形62が示されている。
前半波形61aは、膨張パルス611、収縮パルス612、膨張パルス613、収縮パルス614,615がこの順に組み合わされた波形である。膨張パルス611、収縮パルス612、膨張パルス613、収縮パルス614は、連続して印加され、収縮パルス614と収縮パルス615との間にはインターバルI1が設けられている。このうち膨張パルス及び収縮パルスが、駆動素子に対する印加電圧を構成する。
後半波形61bは、膨張パルス616、収縮パルス617,618がこの順に組み合わされた波形である。膨張パルス616、収縮パルス617は、連続して印加され、収縮パルス617と収縮パルス618との間にはインターバルI3が設けられている。また、前半波形61aの収縮パルス615と後半波形61bの膨張パルス616との間には、インターバルI2が設けられている。
また、膨張パルス611,613,616の電圧は、接地電位を基準として+V1であり、収縮パルス612,614,615,617,618の電圧は、接地電位を基準として−V2である。また、V1とV2との間には、V1=2×V2の関係がある。なお、これらの各パルスの電圧は、接地電位以外の所定電圧を基準として印加されても良い。また、膨張パルス611の持続時間は0.8AL(Acoustic Length)であり、収縮パルス612の持続時間は0.4ALであり、膨張パルス613,616、収縮パルス615,618の持続時間は1ALであり、収縮パルス614,617、インターバルI1,I3は0.5ALであり、インターバルI2は1.3ALである。ここで、ALは、インクが充填されたチャネル2432内における圧力波の音響的共振周期の1/2である。
このように、第1の駆動波形61の駆動信号を複数の記録素子243に供給することにより、第2の駆動波形62の駆動信号を複数の記録素子243に供給した場合よりも、複数の記録素子243から吐出されるインクに係る少なくとも一の特徴量のばらつきが大きいインク吐出を複数の記録素子により行わせることができる。また、これらの駆動波形の駆動信号に応じた記録素子243からのインク吐出を行うと、インクの上記特徴量を反映した状態で画像が記録され、第1の駆動波形61を用いて記録された画像において反映されるインクの特徴量のばらつきが相対的に大きくなる。
本実施形態のインクジェット記録装置1では、製造時や、ヘッドユニット24の交換時に、あるいは所定のタイミングで(例えば、所定枚数の画像の記録が行われるごとに)、不良記録素子の検出動作が行なわれる。不良記録素子の検出動作では、ユーザーによる操作表示部52に対する入力操作に応じて、又は制御部40により上記所定のタイミングであるとの判別がなされた場合に、記録媒体P上に、不良記録素子の検出に用いられる所定のテスト画像が記録される。記録媒体Pに記録されたテスト画像は、撮像部26により撮像され、得られた撮像データに基づいて不良記録素子が検出される。また、不良記録素子が検出された場合には、ヘッドユニット24による記録素子243からのインク吐出動作の調整がなされる。
付随部分72における基準ラインLbは、幅方向に延びる直線状のパターンであり、搬送方向について等間隔となるように6本記録されている。各基準ラインLbは、ヘッドモジュール242Mの各記録素子243から記録媒体P上の搬送方向についての同一の位置にインクを吐出することで記録される。以下では、6本の基準ラインLbの各々を、搬送方向下流側から順に基準ラインLb1〜Lb6と記す。
例えば、図7のラインLa35のように、記録素子243の位置に対応する所定の範囲内にラインLaが記録されていない場合には、当該ラインLa35に対応する35番目の記録素子243が、インクを吐出しない不良記録素子として特定される。
また、図7のラインLa48のように、記録素子243の位置に対応する所定の位置から幅方向にずれた位置にラインLaが記録されている場合には、当該ラインLa48に対応する48番目の記録素子243が、幅方向についてのインクの吐出方向(即ち、幅方向についてのインクの着弾位置)に異常を有する不良記録素子として特定される。
インクを吐出しない不良記録素子や、幅方向についてのインクの吐出方向異常の不良記録素子が特定された場合には、例えば、不良記録素子からのインクを非吐出とするとともに、不良記録素子により吐出されるはずのインクが、この不良記録素子の周辺の記録素子からの吐出インク量を増加させることにより補完されるようにヘッドユニット24による記録素子243からのインク吐出動作が調整される。
搬送方向についてのインク着弾位置異常の不良記録素子が特定された場合には、例えば、ラインLaの基準ラインLbからの突出量及び突出方向に基づいて、不良記録素子からのインク吐出タイミングが調整される。このインク吐出タイミングの調整は、例えば記録画像に係る画像データにおいて不良記録素子に対応する列データを着弾位置のずれ量に応じた画素数だけシフトさせるように補正することで行うことができる。
また、ラインLaには、記録素子243が有するインク吐出不良が明確に反映されることが望ましい。このため、本実施形態では、第2の駆動波形62と比較して、記録素子243の構造や特性の本来の設計からの差異に応じてインクの特徴量が変化しやすく、複数の記録素子243からのインクの特徴量がばらつきやすい図6(a)の第1の駆動波形61を用いてラインLaが記録される。
即ち、本実施形態では、テスト画像70のうち複数のラインLaからなる不良反映部分71が、第1の駆動波形61の駆動信号に応じた記録素子243からのインク吐出により記録され、複数の基準ラインLbからなる付随部分72が、第2の駆動波形62の駆動信号に応じた記録素子243からのインク吐出により記録される。
この不良記録素子検出処理は、例えば出荷時やヘッドユニット24の交換時に、操作表示部52に対してユーザーから不良記録素子の検出を指示する所定の入力操作が行われた場合や、不良記録素子の検出を行う所定のタイミングとなった場合(例えば、直近で行われた不良記録素子検出処理の終了後、所定枚数の画像の記録が行われた場合や、予め設定されたインターバル期間が経過した場合)に実行される。
不良記録素子検出処理の開始に先立ち、制御部40は、搬送駆動部51から搬送ドラム211の搬送ドラムモーターに駆動信号を出力させて搬送ドラム211の回転動作を開始させる。
また、制御部40は、インクが付与された記録媒体Pが定着部25の位置に移動したタイミングで、定着部25により当該インクに所定のエネルギー線を照射させることでインクを記録媒体Pに定着させる。
この画像記録処理は、入出力インターフェース53を介して外部装置2からプリントジョブ及び画像データが制御部40に入力された場合に実行される。
画像記録処理の開始に先立ち、CPU41は、搬送駆動部51から搬送ドラム211の搬送ドラムモーターに駆動信号を出力させて搬送ドラム211の回転動作を開始させる。また、制御部40は、プリントジョブに係る画像データがPDL(Page Description Language)データである場合には、当該画像データを例えば各画素8ビットのラスター形式の画像データに変換する。また、この画像データに所定のハーフトーン処理を行った上で、ヘッドユニット24の各記録ヘッド242により記録される画像が連続するように、各記録ヘッド242に対して供給する画像データ(部分画像データ)をそれぞれ生成して記憶部44に記憶させる。
なお、ステップS201において不良記録素子情報が記憶部44に記憶されていないと判別された場合には(ステップS201で“NO”)、制御部40は、画像データの補正を行わずにステップS203の処理を実行する。
全てのプリントジョブに係る画像記録動作が終了したと判別された場合には(ステップS204で“NO”)、制御部40は、画像記録処理を終了させる。
次に、上記実施形態で示した駆動波形の変形例について説明する。
上記実施形態では、吐出されるインクの特徴量が変化しやすく、複数の記録素子243からのインクの特徴量がばらつきやすい2dpd駆動の第1の駆動波形61を用いてテスト画像70の不良反映部分71の記録を行い、安定したインク吐出が可能な1dpd駆動の第2の駆動波形62を用いてテスト画像70の付随部分72の記録を行ったが、不良反映部分71及び付随部分72の記録に用いる駆動波形の組み合わせは、これに限られない。
特に、印加電圧の持続時間や印加電圧間のインターバルがALの整数倍である駆動波形(例えば、図6(b)の第2の駆動波形62)では、インクの挙動が安定しやすく、当該駆動波形において印加電圧の持続時間やインターバルをALの非整数倍に変更すると、インクの挙動が不安定となり、吐出されるインクの特徴量がばらつきやすくなる。よって、印加電圧の持続時間やインターバルをALの整数倍とした駆動波形を付随部分72の記録に用い、印加電圧の持続時間やインターバルをALの非整数倍とした駆動波形を不良反映部分71の記録に用いることができる。
例えば、2種類の駆動波形のうち、複数の記録素子243により吐出されるインクの着弾位置のばらつきが相対的に大きい(即ち、インクの着弾位置精度が低い)駆動波形を不良反映部分71の記録に用い、着弾位置のばらつきが相対的に小さい(即ち、インクの着弾位置精度が高い)駆動波形を付随部分72の記録に用いることができる。
例えば、印加電圧の持続時間やインターバルをALの整数倍とした駆動波形では、印加電圧の持続時間やインターバルをALの非整数倍とした駆動波形よりも吐出されるインクの速度が大きくなる傾向があるため、前者の駆動波形を付随部分72の記録に用い、後者の駆動波形を不良反映部分71の記録に用いることができる。
また、図6(a)の2dpd駆動の第1の駆動波形61では、後半波形61bにより吐出される2つ目のインク液滴の速度が大きいほど、合一後のインク液滴の速度が大きくなる。また、この第1の駆動波形61では、前半波形61aの全体の時間が2つ目のインク液滴の速度に影響し、上記実施形態のインクジェット記録装置1の構成では、前半波形61aの全体の時間が5.5ALのときに2つ目のインク液滴の速度が最大となる。よって、図6(a)の第1の駆動波形61を付随部分72の記録に用い、第1の駆動波形61において(例えば第2のインターバルI2を変更することにより)前半波形61aの時間を変更した駆動波形を不良反映部分71の記録に用いることができる。
このような構成によれば、テスト画像70の不良反映部分71と付随部分72とを各々の記録に適した互いに異なる駆動波形を用いて記録することができる。即ち、インク吐出不良がより明確に不良反映部分71に反映され、また付随部分72により示される付随情報の正確性がより向上するように、不良反映部分71及び付随部分72の記録状態を別個に調整することができる。このように、本実施形態のインクジェット記録装置1では、不良記録素子の検出に適するようにテスト画像70の記録状態を柔軟に調整することができる。
このような方法により、不良記録素子の検出に適するようにテスト画像70の記録状態を柔軟に調整することができる。
例えば、上記実施形態及び変形例では、テスト画像70の付随部分72が基準ラインLbからなる例を用いて説明したが、付随部分72の態様はこれに限られない。
図10は、テスト画像70の付随部分72の他の例を示す図である。
図10(a)のテスト画像70では、2つの矩形の基準標識M1により付随部分72が構成される。基準標識M1は、複数のラインLaのうち幅方向の両端部に位置するラインLaに隣り合う位置に記録され、テスト画像70における幅方向及び搬送方向の位置の基準として用いられる。基準標識M1を記録することで、例えば複数のラインLaのうち幅方向の端部のラインLa1〜La5が欠損した場合に、欠損しているのが左端のラインLa1〜La5であるのか、右端のラインLa51〜La55であるのかを容易に判別することができる。また、基準標識M1と各ラインLaとの搬送方向についての位置関係を解析することにより、各ラインLaの搬送方向についての位置ずれを検出することもできる。
また、図10(b)のテスト画像70では、ラインLaの番号を示す番号標識M2により付随部分72が構成される。このような番号標識M2を記録することにより、テスト画像70の撮像データから各ラインLaに対応する記録素子243を直接特定することができる。
2 外部装置
10 給紙部
11 給紙トレー
12 媒体供給部
20 画像記録部
21 搬送部
211 搬送ドラム
22 受け渡しユニット
23 加熱部
24 ヘッドユニット
241 ヘッド制御部
242 記録ヘッド
242M ヘッドモジュール
2421 ヘッド駆動部
2422 チャネル基板
2423 カバープレート
2424 ノズルプレート
2425,2426 基板
2427 接着部
2428 隔壁
243 記録素子
2431 ノズル
2432 チャネル
2433 電極
25 定着部
26 撮像部
261 撮像制御部
262 ラインセンサー
27 デリバリー部
30 排紙部
31 排紙トレー
40 制御部
41 CPU
42 RAM
43 ROM
44 記憶部
51 搬送駆動部
52 操作表示部
53 入出力インターフェース
54 バス
61 第1の駆動波形
61a 前半波形
61b 後半波形
62 第2の駆動波形
70 テスト画像
71 不良反映部分
72 付随部分
611,613,616,621 膨張パルス
612,614,615,617,618,622 収縮パルス
I1〜I3 インターバル
La,La1〜La52 ライン
Lb,Lb1〜Lb6 基準ライン
M1 基準標識
M2 番号標識
P 記録媒体
Claims (13)
- 駆動信号の入力によりノズルからインクを吐出する記録素子が設けられたインク吐出部と、
前記インク吐出部により前記記録素子のノズルからインクを吐出させて、インク吐出不良を生じている不良記録素子の検出に用いられるテスト画像を記録媒体上に記録させる記録制御手段と、
前記テスト画像の撮像データに基づいて前記記録素子から不良記録素子を検出する検出手段と、
を備え、
前記テスト画像には、前記記録素子のインク吐出不良が反映される不良反映部分と、当該不良反映部分に係る付随情報を示す付随部分とが含まれ、
前記記録制御手段は、前記インク吐出部により、第1の駆動波形の駆動信号に応じた前記記録素子のノズルからのインク吐出によって前記不良反映部分を記録させ、前記第1の駆動波形とは異なる第2の駆動波形の駆動信号に応じた前記記録素子のノズルからのインク吐出によって前記付随部分を記録させる
ことを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記第1の駆動波形の駆動信号及び前記第2の駆動波形の駆動信号を前記記録素子に供給する記録素子駆動部を備え、
前記記録制御手段は、前記記録素子駆動部により前記第1の駆動波形の駆動信号及び前記第2の駆動波形の駆動信号を前記記録素子に供給させて前記インク吐出部により前記テスト画像を記録させ、
前記インク吐出部に設けられた複数の前記記録素子のノズルから前記第1の駆動波形の駆動信号に応じて吐出されるインクに係る少なくとも一の特徴量のばらつきは、前記複数の記録素子のノズルから前記第2の駆動波形の駆動信号に応じて吐出されるインクに係る前記少なくとも一の特徴量のばらつきよりも大きく、
前記少なくとも一の特徴量は、前記テスト画像の撮像データにおいて同定可能である
ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。 - 前記少なくとも一の特徴量には、前記複数の記録素子のノズルから吐出されるインクの前記記録媒体上の着弾位置における前記複数の記録素子の配置に応じた本来の位置からのずれ量が含まれることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
- 前記少なくとも一の特徴量には、吐出されたインクの液滴の速度が含まれることを特徴とする請求項2又は3に記載のインクジェット記録装置。
- 前記少なくとも一の特徴量には、吐出されたインクの液滴の体積が含まれることを特徴とする請求項2〜4の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記第1の駆動波形の駆動信号における電圧振幅は、前記第2の駆動波形の駆動信号における電圧振幅と異なることを特徴とする請求項2〜5の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記第1の駆動波形の駆動信号における前記記録素子に対する印加電圧の持続時間は、前記第2の駆動波形の駆動信号における前記記録素子に対する印加電圧の持続時間と異なることを特徴とする請求項2〜6の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記第1の駆動波形の駆動信号に応じて前記記録素子のノズルから前記テスト画像の1画素当たりに吐出されるインクの液滴の最大数は、前記第2の駆動波形の駆動信号に応じて前記記録素子のノズルから前記テスト画像の1画素当たりに吐出されるインクの液滴の最大数と異なることを特徴とする請求項2〜7の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記第1の駆動波形の駆動信号に応じて前記記録素子のノズルから前記テスト画像の1画素当たりに吐出されるインクの液滴の最大数は、1又は2のうち一方であり、前記第2の駆動波形の駆動信号に応じて前記記録素子のノズルから前記テスト画像の1画素当たりに吐出されるインクの液滴の最大数は、1又は2のうち他方であることを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録装置。
- 前記インク吐出部と記録媒体とを相対移動させる移動手段を備え、
前記インク吐出部は、前記相対移動による一の相対移動方向と直交する幅方向について所定の記録幅に亘って設けられた複数の前記記録素子を有し、
前記不良反映部分は、前記相対移動方向に相対移動する記録媒体に対して前記複数の記録素子の各々のノズルから吐出されたインクにより記録された前記相対移動方向と平行な複数の記録素子対応線を含み、
前記付随部分は、前記幅方向と平行な基準線を含む
ことを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。 - 前記検出手段による検出結果に基づいて前記インク吐出部による前記記録素子のノズルからのインク吐出動作を調整する調整手段を備えることを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記テスト画像を撮像する撮像手段を備えることを特徴とする請求項1〜11の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
- 駆動信号の入力によりノズルからインクを吐出する記録素子が設けられたインク吐出部を備えたインクジェット記録装置の不良記録素子の検出方法であって、
前記インク吐出部により前記記録素子のノズルからインクを吐出させて、インク吐出不良を生じている不良記録素子の検出に用いられるテスト画像を記録媒体上に記録させる記録ステップ、
前記テスト画像の撮像データに基づいて前記記録素子から不良記録素子を検出する検出ステップ、
を含み、
前記テスト画像には、前記記録素子のインク吐出不良が反映される不良反映部分と、当該不良反映部分に係る付随情報を示す付随部分とが含まれ、
前記記録ステップでは、前記インク吐出部により、第1の駆動波形の駆動信号に応じた前記記録素子のノズルからのインク吐出によって前記不良反映部分を記録させ、前記第1の駆動波形とは異なる第2の駆動波形の駆動信号に応じた前記記録素子のノズルからのインク吐出によって前記付随部分を記録させる
ことを特徴とする不良記録素子の検出方法。
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