JP6707911B2 - 筆記ボードシステム - Google Patents

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Description

本発明は、筆記される媒体である紙などの被筆記シートを支持する筆記ボードを有する筆記ボードシステムに関する。
従来、コンピュータ等への手書き入力を可能にする手書き入力支援装置が知られている。例えば特許文献1には、入力面を有する位置検出装置と、位置検出装置の入力面への入力を行うためのペン先を有するペン型の位置指示器と、を備えた手書き入力支援装置が示されている。
特開2010−117943号公報
特許文献1に示されているような従来の手書き入力支援装置では、専用のペン型の位置指示器を用いて位置検出装置の入力面への入力を行っているため、入力面への入力の軌跡(筆跡)が視認できず、不都合が生じていた。具体的には、手書き入力中に一度ペンを入力面から離してしまうと、それまでの入力の軌跡が視認できないことから、その軌跡に対応して正確な位置へ続けて入力することが難しかった。
また、従来の手書き入力支援装置では、位置検出装置の入力面への入力を行うための専用のペン(ペン型の位置指示器)を必要としていた。そのため、手書き入力支援装置全体の構成の複雑化と、それによる装置のコスト上昇という問題があった。また、専用のペンを紛失すると手書き入力支援装置が使用できなくなるという問題もあった。
例えばこのような手書き入力支援装置を小学校、中学校、及び高校等の教育現場で利用したいとの要望がある。教育現場では汎用の鉛筆及び消しゴムによる通常通りの紙への筆記及び消字の作業を前提として、手書き入力支援装置を利用することが望まれている。ところが、従来の手書き入力支援装置では、汎用の鉛筆及び消しゴムによる入力及び消字を適切に認識することができない。
本発明は、以上の点を考慮してなされたものであり、入力軌跡を視認可能にしつつ、汎用の鉛筆及び消しゴムを用いても、入力と消字とをより確実に識別してコンピュータ等への手書き入力を行うことができる筆記ボードシステムを提供する。
本発明の1つの態様は、筆記ボード、及び消しゴムを有し、筆記ボードは、被筆記シートを支持する支持面を形成する表層板と、表層板に積層され支持面上への外部導体の接触位置または接近位置を検出するタッチセンサと、感圧センサと、を備える、筆記ボードシステムである。
上記の消しゴムは柱状である部位を有し、該柱状の軸線に直交する断面の断面積が78.5mm以下とすることができる。
上記のタッチセンサのうち表層板とは反対側に遮蔽フィルムが配置されてもよい。
上記筆記ボードシステムにおいて、タッチセンサ、及び感圧センサからの検知信号を受信し、演算処理をする演算手段をさらに備え、演算手段では、タッチセンサによる検知が行われたときに筆記がなされたと判断し、タッチセンサによる検知が行われることなく、感圧センサにより、78.5mm以下の面積で接触の検知が行われたときに字消しがなされたと判断する演算をおこなうように構成してもよい。
また、上記筆記ボードシステムにおいて、消しゴムの柱状である部位は円柱とすることができる。そしてこの円柱の直径が10mm以下としてもよい
さらに、筆記ボードに接続され、筆記内容を表示する表示装置を備えることもできる。
本発明によれば、紙などの被筆記シートを自動で検出した上で、入力軌跡は、紙などの被筆記シートに通常の鉛筆による筆記を視認でき、筆記ボードでは汎用の鉛筆による入力及び所定の消しゴムによる消字を区別して認識することができるので、コンピュータ等への適切な手書き入力を行うことが可能である。
図1(a)は筆記ボードシステム1の外観斜視図、図1(b)は筆記ボードシステム1の断面図である。 図2は筆記ボード10の検出手段30の層構成を説明する断面図である。 図3は筆記ボード10のタッチセンサ32を示す平面図である。 図4は図3のタッチセンサ32の一部拡大図であって、タッチセンサの導電性メッシュを示す図である。 図5(a)は第1検知電極34aの例、図5(b)は第2検知電極35aの例、図5(c)は第1検知電極34a及び第2検知電極35aの両者を表した図である。 図6(a)は第1検知電極34aの例、図6(b)は第2検知電極35aの例、図6(c)は第1検知電極34a及び第2検知電極35aの両者を表した図である。 図7(a)は第1検知電極34aの例、図7(b)は第2検知電極35aの例、図7(c)は第1検知電極34a及び第2検知電極35aの両者を表した図である。 図8(a)は第1検知電極34aの例、図8(b)は第2検知電極35aの例、図8(c)は第1検知電極34a及び第2検知電極35aの両者を表した図である。 図9(a)は第1検知電極34aの例、図9(b)は第2検知電極35aの例、図9(c)は第1検知電極34a及び第2検知電極35aの両者を表した図である。 図10(a)は第1検知電極34aの例、図10(b)は第2検知電極35aの例、図10(c)は第1検知電極34a及び第2検知電極35aの両者を表した図である。 図11(a)は第1検知電極34aの例、図11(b)は第2検知電極35aの例、図11(c)は第1検知電極34a及び第2検知電極35aの両者を表した図である。 筆記の場面を説明する図である。 消しゴムによる字消しの場面を説明する図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の形態について説明する。なお、明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物の態様から変更し誇張することもある。
本明細書において、「板」、「シート」、「フィルム」の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。例えば、「シート」は板やフィルムと呼ばれ得るような部材をも含む概念であり、したがって、「表示シート」は、「表示板」や「表示フィルム」と呼ばれる部材と、呼称の違いのみにおいて区別され得ない。
また、「シート面(板面、フィルム面)」とは、対象となるシート状(板状、フィルム状)の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるシート状部材(板状部材、フィルム状部材)の平面方向と一致する面のことを指す。
さらに、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件ならびにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
図1(a)は一つの形態である筆記ボードシステム1を概略的に示す斜視図、図1(b)は、図1(a)にIb−Ibで示した線に沿って切断した筆記ボードシステム1を概略的に示す断面図である。図2は、図1(b)にIIで示した部位を拡大し、検出手段30の層構成を説明するための図である。図2では分かり易さのため各層を離して表しているが、実際はこれらの層はOCA(Optical Clear Adhesive、光学糊)により接着されている。この粘着剤(光学糊)は透明、不透明を問わない。
図1(a)、図1(b)からわかるように、本形態の筆記ボードシステム1は、筆記ボード10及び消しゴム50を有して構成されている。そして、図1(a)、図1(b)、図2からわかるように、筆記ボート10は筐体11、及び、該筐体11の内側に収められた演算手段20、及び検出手段30を備えている。以下各部の構成について説明する。
筐体11は、筆記ボード10の外郭を形成する中空箱状の部材で、必要とされる強度と耐傷性を有して構成されている。筆記ボード10を構成する材料は特に限定されることはないが、例えば、ABS樹脂やポリカーボネート樹脂等の樹脂材料から構成され得る。
筐体11の内側には、演算手段20及び検出手段30が納められる。そのため、筐体11においても演算手段20が納められる部位である制御部12及び検出手段30が納められる検出部13を有して構成されている。
特に検出部13のうち、この上に紙等の被筆記シートが置かれる支持面13aを有する側の板は検出手段30の表層板31も兼ねるように構成されている。当該表層板31については後で詳しく説明する。
演算手段20は、検出手段30に接続された制御回路基板を有している。この回路には、例えば制御部及び通信部が含まれる。制御部は、CPU(Central Processing Unit)を有し、筆記ボード10全体の制御を行う。制御部には、必要に応じてROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)が設けられ、ROMに保存されたプログラムをRAMに展開して、このプログラムをCPUで演算、実行するようにしてもよい。
このROMに保存されたプログラムには、検出手段30に含まれるタッチセンサ32からの信号、感圧センサ41からの信号に基づき、鉛筆の使用、消しゴム50の使用を区別して判断するとともに、使用された位置、範囲、軌跡を演算して、筆記データ、消字データを得るためのプログラムが含まれてもよい。
さらにこのROMには、紙などの被筆記シートの有無を検知する被筆記シート検知手段45からの信号を受信して被筆記シートの存在を判断し、電源の入り切りやその他の制御をするプログラムが含まれてもよい。
通信部は、コンピュータや表示装置等の外部装置との通信を行うためのものであり、外部装置との通信に用いられるインターフェイス装置を有している。このインターフェイス装置としては、有線LAN(Local Area Network)、USB(Universal Serial Bus)接続等による接続を行うための有線接続装置、及び、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)、RFID(Radio Frequency Identification)、赤外線等による接続を行うための無線接続装置が例示できる。
筆記ボード10は、筆記ボード10の各部に電力を供給するための図示しない電源を有している。この電源としては、例えば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池等のバッテリーを挙げることができる。また、これに限らず、交流(AC)電源や太陽電池、或いはUSB端子から供給される電力を電源として用いてもよい。電源は、演算手段20及び検出手段30のいずれに収容されていてもよい。また、電源は、別体として構成されて演算手段20、検出手段30に接続されてもよい。
次に、検出手段30について説明する。本形態では、図2からわかるように、検出手段30は、筐体11の支持面13a側から順に、表層板31、タッチセンサ32、遮蔽フィルム40、感圧センサ41、及び、補強板42を有している。さらに、検出手段30は被筆記シート検出手段45を具備している。
表層板31は、本形態では筐体11の検出部13の一部を兼ねて構成した板状の部材である。表層板31は透明、不透明を問わない。
この表層板31は、検出手段30に対する入力面(タッチ面、接触面)として機能する。すなわち、表層板31に外部導体(例えば、筆記具、人間の指等)を接触(接近)させることにより、タッチセンサ32に検知させて外部から情報を入力するとともに、表層板31に消しゴム50を押圧するように押し当てることで感圧センサ41にこれを検知させて外部からの情報を入力する。そのため、表層板31の厚さは特に限定されることはないが、0.1mm以上1.5mm以下であることが好ましい。さらに望ましくは0.1mm以上0.6mm以下が現実的である。この理由として、タッチセンサが反応しなくなるため0.1mm厚が下限値であり、0.6mm厚以下でないとタッチセンサが動作しなくなるためである。タッチセンサの感度が高ければ1.5mm厚も可能である。
また、上記したように、表層板31は、筐体11の一部を兼ねており、被筆記シートを支持する支持面13aをなしている。
この表層板31の支持面13aは、ハードコート性を有することが好ましい。このような表層板31は、例えば、アクリル樹脂等で形成される透明支持体31a上にハードコート層31bを設けることにより作製することができる。このハードコート層は、JIS K 5600−5−4(1999)で規定される鉛筆硬度試験(4.9N荷重)で「H」以上の硬度を有することが好ましい。鉛筆硬度を「H」以上とすることにより、表層板31における耐擦傷性を向上させることができる。したがって、表層板31が筆記具の先端等で引っ掻かれたりした際に、支持面13aに傷が生じることを抑制することができる。なお、透明支持体との密着性、靱性およびカールの防止の観点から、ハードコート層31bの鉛筆硬度の上限は「4H」とすることが好ましい。すなわち、ハードコート層31bは、JIS K5600−5−4(1999)で規定される鉛筆硬度試験(4.9N荷重)で「H」以上「4H」以下の硬度を有することが好ましい。筆記ボード10の検出手段30は、繰り返し押圧され高度な密着性および靱性が要求されることから、ハードコート層31bの鉛筆硬度の上限を「4H」とすることにより、ハードコート層31bを検出手段の支持面13aをなす層として使用する場合に顕著な効果を発揮できる。
このようなハードコート層31bとしては、ガラスや樹脂の層を用いることができる。例えば、フッ素樹脂、ケイ素樹脂等の熱硬化性樹脂、紫外線、電子線等の電離放射線の照射により架橋反応し硬化する、アクリル系、エポキシ系等の電離放射線硬化性樹脂、及び、電離放射線硬化性樹脂に、フッ素樹脂、ケイ素樹脂等の熱硬化性樹脂を添加したもの等を好ましく用いることができる。
また、ハードコート層31bは、筆記済みの被筆記シートを表層板31上で裏返した際に、被筆記シートの筆記済みの面からの黒鉛粉やインク等の付着、いわゆる裏うつりを抑制し得る材料を用いることが好ましい。さらに、裏うつりが生じたとしても、付着した黒鉛粉やインク等の拭き取り除去が容易である材料を用いることが好ましい。
ハードコート層31bは、透明支持体31a上へ樹脂材料を塗布して加熱や電離放射線の照射等により硬化させることによって形成されてもよいし、ガラスや樹脂のシートを接着剤や粘着剤により透明支持体31aに貼着してもよい。表層板31を、樹脂のシートを透明支持体31aに貼着することにより形成する場合、例えば、支持フィルム上に樹脂材料を塗布して加熱や電離放射線の照射等により硬化させたものを、透明支持体31aに貼着するようにしてもよい。
このような表層板31は、表面板の機械的強度と各種センサの感度の観点から、0.1mm以上0.6mm以下の厚さを有していることが好ましい。また、ハードコート層31bは、硬度の確保及び検出手段の薄型化の観点から、0.1μm以上20μm以下の厚さを有していることが好ましい。
次に、タッチセンサ32について説明する。図3は、タッチセンサ32の一例を示す平面図であり、図4は、図3のタッチセンサ32の一部拡大図であって、タッチセンサ32の導電性メッシュ36を示す図である。
タッチセンサ32は投影型の静電容量結合方式として構成され、外部導体(例えば、筆記具、人間の指等)の接触位置を検出可能に構成されている。なお、静電容量結合方式において、検出感度が優れている場合には、外部導体が検出手段30に接近しただけで当該外部導体が検出手段30のどの領域に接近しているかを検出することができる。このような現象にともなって、「接触位置」とは、実際には接触していないが位置を検出され得る接近位置を含む概念とする。
なお、「容量結合」方式及び「投影型」の容量結合方式との用語は、タッチセンサの技術分野で用いられる際の意味と同様の意味を有するものとして、本件においても用いている。なお、「容量結合」方式は、タッチセンサの技術分野において「静電容量」方式や「静電容量結合」方式等とも呼ばれており、本件では、これらの「静電容量」方式や「静電容量結合」方式等と同義の用語として取り扱う。典型的な静電容量結合方式のタッチセンサは電極(導電体層)を含んでおり、外部の導体がタッチセンサに接触することにより、外部の導体とタッチセンサの電極(導電体層)との間でコンデンサ(静電容量)が形成されるようになる。そして、このコンデンサの形成にともなった電気的な状態の変化量に基づき、検知、非検知の判断を行い、タッチセンサ上において外部導体が接触(接近)している位置の位置座標が特定(位置検出)されるようになる。
タッチセンサ32は、支持フィルム33、第1電極(検出電極)34、第2電極(検出電極)35、第1取出配線34b及び第2取出配線35bを有している。図2〜図4に示された例では、タッチセンサ32は、支持フィルム33の一方の面上に、第1電極34、第2電極35、第1取出配線34b及び第2取出配線35bを有している。
また、これに限られず、タッチセンサは、支持フィルムの一方の面上に、第1電極及び第1取出配線を有し、他方の面上に、第2電極及び第2取出配線を有してもよい。または、支持フィルム上に、第1電極及び第1取出配線を有したタッチセンサと、他の支持フィルム上に、第2電極及び第2取出配線を有したタッチセンサと、を積層してもよい。
図2〜図4に示された例では、支持フィルム33は、第1電極34、第2電極35、第1取出配線34b、及び第2取出配線35bを支持し、且つ、タッチセンサ32において誘電体としても機能し得る。図3及び図4に示すように、支持フィルム33は、タッチ位置を検出され得る領域に対応するアクティブエリアAa1と、アクティブエリアAa1に隣接する非アクティブエリアAa2と、を含んでいる。
支持フィルム33は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、トリアセチルセルロース(三酢酸セルロース)等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート樹脂などからなる樹脂シート、ガラス、セラミックス等からなる無機材等、誘電体として機能し得る材料を用いることができる。また、第1電極34、第2電極35、第1取出配線34b、及び第2取出配線35bの保持性、並びに検出手段30の薄型化の観点から、このような支持フィルム33の厚さは、20μm以上200μm以下とすることができる。
図3に示されているように、第1電極34は、位置検出に用いられ、アクティブエリアAa1内に配置される、複数の第1検知電極34aを含んでいる。図示された例では、第1電極34は、支持フィルム33の第1方向(X)に沿って延び、第2方向(Y)に沿って配列された複数の第1検知電極34aを含んでいる。また、第2電極35は、位置検出に用いられ、アクティブエリアAa1内に配置される、複数の第2検知電極35aを含んでいる。図示された例では、第2電極35は、基材フィルム33の第2方向(Y)に沿って延び、第1方向(X)に沿って配列された複数の第2検知電極35aを含んでいる。第1検知電極34a、第2検知電極35aは、一例として、以下に説明するような導電性細線37からなる導電性メッシュ36によって形成されるが、図3では、図示の簡略化のために、第1検知電極34a、第2検知電極35aが配置される領域を単純な矩形で示している。また、図3及び図4では、第1電極34及び第1取出配線34bと、第2電極35及び第2取出配線35bとを、区別して理解しやすくするため、第1電極34及び第1取出配線34bを実線で示し、第2電極35及び第2取出配線35bを破線で示している。
第1検知電極34a、第2検知電極35aは、外部導体が検知手段30に接近した際に生じる、電磁的な変化又は静電容量の変化を検知するために設けられるものである。第1検知電極34a、第2検知電極35aは、例えば、金属材料が、所定の線幅及び厚さで形成された導電性細線37からなる導電性メッシュ36で構成することができる。なお、これに限られず、第1検知電極34a、第2検知電極35aは、ITO(酸化インジウムスズ)等の透明導電膜を用いて形成されてもよい。
第1取出配線34b、第2取出配線35bは、第1検知電極34a、第2検知電極35aの各々に対し、接触位置の検出方法に応じて1つ又は2つ設けられている。第1取出配線34b、第2取出配線35bは、対応する第1検知電極34a、第2検知電極35aに接続されて配線を形成している。図3に示された例では、第1取出配線34b、第2取出配線35bは、支持フィルム33の非アクティブエリアAa2内を、対応する第1検知電極34a、第2検知電極35aから支持フィルム33の端縁付近まで延びている。また、図示された例では、第1取出配線34b、第2取出配線35bは、図示しない接続配線(例えば、フレキシブルプリント基板)を介して、上述の制御部に接続される端子部34c、35cを含んでいる。
図4に示された例において、第1電極34、第2電極35は、それぞれ導電性メッシュ36を含んでいる。図示された例では、第1検知電極34a、第2検知電極35aが、それぞれ導電性メッシュ36を含んでいる。本形態では導電性メッシュ36は、多数の導電性細線37により多数の開口領域38が画成される格子状(メッシュ状)の材料である。図示された例では、導電性メッシュ36は、多数の導電性細線37で格子状のメッシュが形成され、これにより、多数の矩形の開口領域38が画成されている。ただし、第1検知電極及び第2検知電極が有するパターンはこれに限らず、必要性能を満たすように各種のパターンを適用することができる。図5〜図11には第1検知電極34a及び第2検知電極35aのパターン例を示した。図5〜図11の各図では、繰り返しとなるパターンの1単位を示す。図5〜図11において、第1検知電極34aはこの1単位が紙面左右方向に繰り返されて延びて帯状となり、この帯状が紙面上下方向に配列される(図3参照)。第2検知電極35bはこの1単位が紙面上下方向に繰り返されて延びて帯状となり、この帯状が紙面左右方向に配列される(図3参照)。また、図5〜図11の各図には(a)、(b)、(c)の3つの図を表している。図5〜図11の各図における(a)は第1検知電極34aのみを表し、(b)は第2検知電極35aのみを表し、(c)は平面視で両者が重なっている場面を現している。以下パターンについて説明する。
図5に示した例は、第1検知電極34aは菱形の薄膜が左右方向に連結部34fで連結し(図5(a))、第2検知電極35aは菱形の薄膜が上下方向に連結部35fで連結した形態(図5(b))である。そして、図5(c)からわかるように、両者が重なることによって、平面視で見かけ上、隙間無く検知電極が配置されている。また、連結部34f、35fにおいて、第1検知電極34aと第2検知電極35aとが重なっている。連結部34f、35fの大きさは適宜調整することが可能である。
これに対して図6に示した例は、図5(c)からわかるように、第1検知電極34aと第2検知電極35aとが重なると平面視で隙間G1ができるようにされた形態である。
図7に示した例は、第1検知電極34aは、細線37が斜めの格子状に形成され(図7(a))、第2検知電極35aも同様に細線37が斜めの格子状に形成されている(図7(b))。ただし、第2検知電極35aではその一部に細線が形成されていない空間G2を具備する。そして、図7(c)からわかるように、両者が重なることによって、平面視で空間G2の部分のみは、第1検知電極34aのみとなる。
図8に示した例は、第1検知電極34aは菱形の内側に細線37が斜めの格子状に形成されこの菱形同士が左右方向に連結部34fで連結し(図8(a))、第2検知電極35aは菱形の内側に細線37が斜めの格子状に形成されこの菱形同士が上下方向に連結部35fで連結(図8(b))した形態である。そして、図8(c)からわかるように、両者が重なることによって、平面視で見かけ上、隙間無く検知電極が配置されている。また、連結部34f、35fにおいて、第1検知電極34aと第2検知電極35aとが重なっている。連結部34f、35fの大きさは適宜調整することが可能である。
図9に示した例は、第1検知電極34aは、細線37が水平方向に延び、縞状に形成され(図9(a))、第2検知電極35aは細線37がこれに対して垂直方向に延び縞状に形成されている(図9(b))。そして、図9(c)からわかるように、両者が重なることによって、平面視で格子状となる。
図10に示した例は、第1検知電極34aは、細線37が垂直方向に延び、縞状に形成され(図10(a))、第2検知電極35aも細線37がこれに対して平行で垂直方向に延び縞状に形成されている(図10(b))。そして、図10(c)からわかるように、両者が重なることによって、平面視でも縞状である。
図11に示した例は、第1検知電極34aは、細線37が斜めの格子状に形成され(図11(a))、第2検知電極35aも同様に細線37が斜めの格子状に形成されている(図11(b))。ただし、第2検知電極35aの方が細線37のピッチが細かくされている。そして、図7(c)からわかるように、両者が重なることによって、平面視でも斜めの格子状が形成されている。
以上のような、第1検知電極34a、第2検知電極35a、第1取出配線34b、及び第2取出配線35bは、例えば、蒸着法、スパッタリング法、箔の転写、塗工法等により、金、銀、銅、白金、錫、アルミニウム、クロム、モリブデン、ニッケル、チタン、パラジウム、インジウム、及び、これらの金属の1種以上を含む合金の一以上を含有する金属膜を支持フィルム33上に形成し、この金属膜を所望のパターンでエッチングすることによって形成することができる。前記のように後工程でパターンを形成する方式以外に、予めパターンを形成した版を用いてグラビア、スクリーン印刷による手法も可能である。
次に、遮蔽フィルム40について説明する。遮蔽フィルム40は、感圧センサ41からのノイズがタッチセンサ32に影響を及ぼすことを防止するものある。従って、このようなノイズを遮蔽することができればよい。これには例えば導電性プラスチック、ITO(酸化インジウムスズ)等の透明導電膜、銀ナノワイヤー透明導電フィルム等を挙げることができる。透明、不透明は特に限定されない。
遮蔽フィルム40の厚さは、上記のようにノイズを遮蔽することができればよいのでそのための厚さがあればよい。そのためには、遮蔽フィルムの好ましい厚さは、20μm以上200μm以下である。特に、遮蔽フィルムは遮蔽層と基材フィルムからなるが、遮蔽層の好ましい厚さは0.1μm以上、10μm以下である。
次に感圧センサ41について説明する。感圧センサ41は押圧されることにより押圧されたこと、及び押圧された位置を検出するセンサである。これにより後で示すように、汎用の消しゴムが使用されたことを検知するとともに、どの位置の消しゴムによる字消しを行ったかを認識し、データとすることができる。
感圧センサ41としては特に限定されることなく汎用の感圧センサを適用することができる。
補強板42は、検知手段30の強度を補強する板状の部材ある。従って、検知手段30に対して必要な強度を付与するものであればその材質及び厚さは特に限定されることはない。
以上のような検知手段30では、遮蔽フィルム40を挟んでタッチセンサ32が、感圧センサ41よりも支持面13a側に配置されなければならない。これが反対になると、遮蔽フィルム40によりタッチセンサ32が検知を行うことができなくなってしまう。
被筆記シート検出手段45は、検出部13の支持面13a上に紙などの被筆記シート60(図12参照)が置かれたことを検知する手段である。被筆記シート検出手段45は被筆記シートが置かれたことを検知することができればその具体的な形態は特に限定されることなく、各種のセンサを用いることができる。従って、上記したタッチセンサ32で被筆記シート60も検知するように構成することにより、タッチセンサ32を被筆記シート検出手段45としても用いてもよい。この場合には、例えば大きい面積で静電容量の変化を検知したときに被筆記シート60が置かれたと判断することができる。ただし、被筆記シート検出手段45は備えていなくてもよい。
筆記ボード10に、上述の通信部を介してディスプレイ等の表示装置を接続することにより、筆記ボード10の支持面13a上に載置された被筆記シートへの筆記内容を、表示装置に表示する筆記ボードシステムを構築することも可能である。この筆記ボードシステムは、例えば、表示装置と接続されたコンピュータに、筆記ボード10を有線接続又は無線接続し、筆記ボード10と表示装置とをコンピュータを介して接続するようにすることもできる。
図1(a)、図1(b)に戻って消しゴム50について説明する。本形態において、消しゴム50は柱状であるとともに、この柱状の軸線に直交する方向における断面積が78.5mm以下とされている。好ましくは20mm以下である。これにより、感圧センサ41で押圧力を検知した際に、消しゴム50による押圧力か、消しゴム以外の他の要因による押圧力かを区別しやすく、より確実に消しゴム50を識別して消しゴムによる字消しの動作をさせることができる。
消しゴム50は円柱状であることが好ましく、この場合には直径が10mm以下の円柱状である。好ましくは直径が5mm以下である。
一方、当該断面積の下限値は、消しゴムとして機能することができる限り、特に限定されることはない。
なお、消しゴム50はその全ての部位において上記に規定した断面を有した柱状である必要はない。少なくとも消しゴム50による字消しに供される部位において上記説明した形態であれば効果を奏する。
また、消しゴム50は非導電性であることが好ましい。これによりタッチセンサには検知されず、感圧センサ41にのみ検知され、消しゴムであることを区別しやすくなる。従って、消しゴム50を構成する材料は非導電性である通常の消しゴムと同様のものを適用することができる。より具体的には、鉛筆やシャープペンシル等の黒鉛からなる芯を有する筆記具によって被筆記シートに筆記された筆記内容(筆跡)を消去するための樹脂が挙げられる。この樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)等の塩化ビニル系樹脂、天然ゴム、合成ゴム等を例示することができる。さらに、本体部は、上述の樹脂に加えて、可塑剤、着色剤等を含むことができる。可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート(DOP)等のフタル酸系可塑剤や非フタル酸系可塑剤を用いることができる。着色剤としては、例えば、赤色、青色、黄色、黒色、白色等の染料又は顔料を用いることができる。
次に、筆記ボードシステム1の動作について説明する。
図12には、筆記ボード10により筆記検出が行われる一つの場面を表した。
筆記ボード10の支持面13aに被筆記シート60が載せられると、被筆記シート検出手段45が検知し、その信号を受信した演算手段20により、筆記ボード10を休止状態から入力待ち状態へと移り、筆記ボードへの入力を行うことができる。ただし、これに限らず、電気的にスイッチを備えることもできる。
被筆記シート60としては、紙等の任意の不導体のシートを用いることができ、市販の用紙を用いることも可能である。なお、被筆記シート60の全体が不導体である必要はなく、被筆記シート60の一部が導電性を有していてもよい。
なお、図12では見易さのため他の層と同様に支持面13aから被筆記シート60が離れて表れているが、実際には被筆記シート60は支持面13aに接触し載置されている。
その後、演算手段20は、タッチセンサ32により、支持面13aへ接触又は接近した鉛筆等の導電性の筆記具である外部導体61を検出すると、タッチセンサ32で当該外部導体61の支持面13a上の位置を連続的に検知し、外部導体61の移動の軌跡のデータを取得する。例えば、検出手段30の支持面13a上に被筆記シート60を載置し、筆記具(外部導体)61で被筆記シート60に文字や図形等を筆記すると、タッチセンサ32で筆記具61の移動の軌跡のデータを取得する。筆記ボード10が表示装置と接続されている場合、筆記具61の移動の軌跡のデータを当該表示装置へリアルタイム(実時間処理)で送信することにより、筆記具61で被筆記シート60に筆記した内容が表示装置に表示される。また、筆記具61の移動の軌跡のデータを、フラッシュメモリ等の記憶装置に記憶するようにしてもよい。
筆記具61としては、被筆記シート60に接触する先端部又は先端部近傍にタッチセンサ32で検出可能な導体を有する筆記具を用いることができる。タッチセンサ32は、このような筆記具61の先端部又は先端部近傍に設けられた導体を検知して、当該筆記具61の移動の軌跡を取得することができる。
ここで、「先端部近傍」とは、筆記具の先端部から5mm以内の範囲を指す。先端部に導体を有する筆記具61としては、鉛筆、ボールペン、万年筆等を例示することができる、鉛筆は、先端部に黒鉛で形成された芯を有しており、この芯が導体をなす。すなわち、鉛筆の芯、シャープペンシルの芯は導体なので、教育現場で通常に児童、生徒、学生が使用する筆記具を通常通りに使用することができる。先端部に金属部材を有するボールペンや万年筆においては、この金属部材が導体をなす。先端部近傍に導体を有する筆記具61としては、先端部近傍に金属部材を有する種々の筆記具を好適に用いることができる。この場合、消しゴムで消去できるインキを備える筆記具であれば、消しゴムによる字消し検出も可能である。
なお、このようにタッチセンサ32が検知しているときには、感圧センサ41では圧力を検知してもこれを無視するように演算手段20で予め決めてプログラムしておいても良い。これにより誤作動を防止することができる。
図13には、消しゴム50を用いて字消し検出が行われる一つの場面を表した。このときには、演算手段20では、タッチセンサ32が何も検知することなく、感圧センサ41により、支持面13aへの押圧が行われたことを検出すると、感圧センサ41で消しゴム50の支持面13a上の位置を連続的に検知し、消しゴム50の移動の軌跡のデータを取得する。そして、当該移動の軌跡上に予め記録されていた文字や図形のデータを消去する。例えば、検出手段30の支持面13a上に被筆記シート60が載置され、消しゴム50で被筆記シート60に描かれた文字や図形等を消すと、感圧センサ41で消しゴム50の移動の軌跡のデータを取得する。そしてこの位置に予め描かれていた文字や図形のデータを消去する。
筆記ボード10が表示装置と接続されている場合、消しゴム50の移動の軌跡のデータを当該表示装置へリアルタイム(実時間処理)で送信することにより、消しゴム50で被筆記シート60に筆記されていた内容が消去された状態で表示装置に表示される。また、消しゴム50の移動の軌跡のデータを、フラッシュメモリ等の記憶装置に記憶するようにしてもよい。
ここで、演算手段20では、タッチセンサ32で検知することなく感圧センサ41が接触面積が20mm以下で接触を検知したときに、消しゴム50が用いられたことを識別することができる。これによれば、消しゴム50と、消しゴム50以外の不導体とを区別しやすくなり、消しゴム50の使用をより高い確度で検知することが可能となる。
以上のような演算及びその結果による各部材の制御は演算手段20により行われる。すなわち、筆記ボード10によれば、紙などの被筆記シートが置かれたことを検知するとともに、汎用の鉛筆及び消しゴム50を用いて、筆記の最終結果をデータ化することが可能である。筆記の過程で消しゴム50による字消しが行われても、当該消しゴム50による字消しを検知し、適切にデータに反映させることが可能である。そして再度鉛筆で文字や図形を描けばそれも反映される。
そしてこのような鉛筆の使用及び消しゴム50の使用の判別を使用者に頼ることなく筆記ボード10が自動でおこなう。従って、使用者は通常筆記すると同じように書き進めればよく、筆記ボート10を使用することによる追加の操作は必要ないので利便性が高い。
また、使用が終了して紙などの被筆記シートを除去することで休止状態になるように構成してもよい。これにより利便性をさらに高めることができる。
このような筆記ボード10はさまざまな場面で用いることができるが、例えば教育用途において特に有効である。教育現場では、現在も鉛筆による文字及び図形の描画、及び消しゴムによる誤りの消去が通常であり、専用の器具を利用することが必ずしもできない場合も多い。本発明によれば、例えば問題集等の紙面による答案作成において、児童、生徒、学生(「児童ら」と記載することがある。)は通常に鉛筆61及び消しゴム50で答案を作成すればよく、負担を軽減することができる。従って児童らは通常通り紙に表れた文字、図形で情報を視認すればよいので、違和感もない。
そして、筆記ボード10の支持面13a上で生徒が紙に書いた内容をスクリーンやディスプレイ等の表示装置に表示することができる。紙に印刷された課題(試験問題)への各生徒の回答を教師側のディスプレイに表示するようにすると、各生徒の課題の進行状況をモニターしたり、課題の進行に応じてリアルタイムに採点したりすることが可能となる。
1 筆記ボードシステム
10 筆記ボード
11 筐体
12 制御部
13 検出部
13a 支持面
20 演算手段
30 検出手段
31 表層板
32 タッチセンサ
33 支持フィルム
34 第1電極(検出電極)
35 第2電極(検出電極)
40 遮蔽フィルム
41 感圧センサ
42 補強板
45 被筆記シート検出手段
50 消しゴム
60 被筆記シート
61 外部導体(筆記具)

Claims (7)

  1. 筆記ボード、及び消しゴムを有し、
    前記筆記ボードは、
    被筆記シートを支持する支持面を形成する表層板と、
    前記表層板に積層され前記支持面上への外部導体の接触位置または接近位置を検出するタッチセンサと、
    感圧センサと、
    前記タッチセンサ、及び前記感圧センサからの検知信号を受信し、演算処理をする演算手段と、を備え
    前記演算出願では、前記タッチセンサによる検知が行われたときに筆記がなされたと判断し、前記タッチセンサによる検知が行われることなく、前記感圧センサにより接触の検知が行われたときに字消しがなされたと判断する演算をおこなう、
    筆記ボードシステム。
  2. 前記消しゴムは柱状である部位を有し、該柱状の軸線に直交する断面の断面積が78.5mm以下である請求項1に記載の筆記ボードシステム。
  3. 前記タッチセンサのうち前記表層板とは反対側に遮蔽フィルムが配置される、請求項1又は2に記載の筆記ボードシステム。
  4. 記演算手段では
    記タッチセンサによる検知が行われることなく、前記感圧センサにより、78.5mm以下の面積で接触の検知が行われたときに字消しがなされたと判断する演算をおこなう、
    請求項1乃至3のいずれかに記載の筆記ボードシステム。
  5. 前記消しゴムの前記柱状である部位は円柱である請求項1乃至4のいずれかに記載の筆記ボードシステム。
  6. 前記円柱の直径が10mm以下である請求項5に記載の筆記ボードシステム。
  7. 前記筆記ボードに接続され、前記被筆記シートへの筆記内容を表示する表示装置をさらに備える、請求項1乃至6のいずれかに記載の筆記ボードシステム。
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