JP6707883B2 - 送信機および歪補償方法 - Google Patents

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本発明は、デジタルプリディストーション(DPD:Digital Pre-Distortion)方式を用いて送信信号の歪補償を行う送信機および歪補償方法に関する。
無線通信によって送信信号を送信する送信機においては、送信信号を増幅するための増幅器が用いられている。増幅器は、歪が発生する非線形領域で使用することにより、電力効率を向上させることができる。そのため、従来から、このような送信機においては、増幅器を非線形領域で使用し、その際に発生する歪を補償する処理を行っている。
歪を補償する方式としては、例えば、デジタルプリディストーション(DPD)方式が挙げられる。DPD方式は、増幅器に入力される前の段階の信号に、予め増幅器の歪特性の逆特性を与え、増幅器の歪成分と相殺させるものである。
一般に、DPD方式を用いた歪補償を行う送信機には、当該歪補償を行うプリディストータと、送信信号を出力する送信系と、送信信号の送信誤差を検出するための帰還系とが設けられている。プリディストータは、帰還系からの帰還信号に基づき送信系の誤差を推定し、増幅器の歪成分を相殺する歪特性を与えた信号を出力する。
このような歪補正を行う送信機の一例が、例えば特許文献1および特許文献2に記載されている。
特許文献1に記載の送信機では、基準信号生成手段によって生成された基準信号を用いて帰還系の誤差を推定し、この誤差を補正した上で求められる帰還信号から送信系の誤差を推定する。そして、推定された送信系の誤差に基づき、プリディストータから出力される送信信号に対して予め歪特性を与え、増幅器の歪成分と相殺させるようにしている。
また、特許文献2に記載の送信機では、送信系に設けられた直交変調器の後段から信号を取り出し、取り出した信号のRSSI(Received Signal Strength Indication;受信信号強度)を検出する。そして、検出されたRSSIに基づいて直交変調器のオフセットを検出し、検出されたオフセットを利用してDPD処理を行うようにしている。
特開2005−117436号公報 特開平10−65570号公報
しかしながら、特許文献1に記載の送信機では、帰還系の誤差を検出する際に使用する基準信号を生成する基準信号生成手段が必要となるため、基準信号生成手段を含む誤差検出用のRF(Radio Frequency)送信回路を新たに設ける必要があるという問題点があった。また、この送信機では、帰還系の誤差を検出するために、本来必要のない基準信号を送信するため、不要輻射の対策も必要となる。
また、特許文献2に記載の送信機では、直交変調器のオフセット誤差を検出して送信系の誤差を補正するものの、DPD処理において帰還系の誤差が考慮されていないため、DPD処理の精度が低下するという問題点があった。
そのため、送信系および帰還系の誤差を考慮して歪補償を行うとともに、DPD処理の精度を向上させることが可能な送信機および歪補償方法が望まれている。
本発明に係る送信機は、非線形領域を有する非線形増幅器で生じる歪を補償する送信機であって、送信すべき情報を含む送信データに基づき、デジタル送信信号を生成して出力するデジタル信号処理部と、前記デジタル送信信号をアナログ信号に変換して直交変調を行い、RF出力信号を生成して出力する送信系特性部と、前記RF出力信号を出力するとともに、該RF出力信号を折り返して出力する第1の方向性結合器と、前記RF出力信号を予め定められた増幅度で増幅し、RF送信信号として出力する非線形増幅器と、前記RF送信信号を出力するとともに、該RF送信信号を折り返して出力する第2の方向性結合器と、前記第2の方向性結合器で折り返されたRF送信信号を前記増幅度分だけ減衰させて出力する減衰器と、前記第1の方向性結合器からの前記RF出力信号が入力される第1の入力ポートと、前記減衰器からの前記RF送信信号が入力される第2の入力ポートと、前記第1および第2の入力ポートに入力された信号を選択的に出力する出力ポートとを有するスイッチと、前記スイッチの前記第1の入力ポートが選択された場合に、該RF出力信号に対して直交復調を行い、デジタルの第1の帰還信号に変換して出力するとともに、前記スイッチの前記第2の入力ポートが選択された場合に、該RF送信信号に対して直交復調を行い、デジタルの第2の帰還信号に変換して出力する帰還系特性部とを備え、前記デジタル信号処理部は、前記スイッチにおける前記第1の入力ポートが選択された場合に、前記第1の帰還信号に基づき、前記送信系特性部および前記帰還系特性部による送信帰還系特性を取得する送信帰還系特性取得部と、前記スイッチにおける前記第2の入力ポートが選択された場合に、前記第2の帰還信号に基づき、前記非線形増幅器の歪特性を取得する歪特性取得部とを有し、前記送信帰還系特性取得部は、前記送信データに、前回のデジタル送信信号を出力した際に取得した送信帰還系特性の逆特性を付与した特性信号と、前記第1の帰還信号との差分の最小二乗法誤差に基づき、前記送信帰還系特性を取得し、前記送信帰還系特性および前記歪特性取得部により算出した前記歪特性の逆特性となる特性を付与したデジタル送信信号を生成するものである。
また、本発明に係る送信機は、非線形領域を有する非線形増幅器で生じる歪を補償する送信機であって、送信すべき情報を含む送信データに基づき、デジタル送信信号を生成して出力するデジタル信号処理部と、前記デジタル送信信号をアナログ信号に変換して直交変調を行い、RF出力信号を生成して出力する送信系特性部と、前記RF出力信号を出力するとともに、該RF出力信号を折り返して出力する第1の方向性結合器と、前記RF出力信号を予め定められた増幅度で増幅し、RF送信信号として出力する非線形増幅器と、前記RF送信信号を出力するとともに、該RF送信信号を折り返して出力する第2の方向性結合器と、前記第2の方向性結合器で折り返されたRF送信信号を前記増幅度分だけ減衰させて出力する減衰器と、前記第1の方向性結合器からの前記RF出力信号が入力される第1の入力ポートと、前記減衰器からの前記RF送信信号が入力される第2の入力ポートと、前記第1および第2の入力ポートに入力された信号を選択的に出力する出力ポートとを有するスイッチと、前記スイッチの前記第1の入力ポートが選択された場合に、該RF出力信号に対して直交復調を行い、デジタルの第1の帰還信号に変換して出力するとともに、前記スイッチの前記第2の入力ポートが選択された場合に、該RF送信信号に対して直交復調を行い、デジタルの第2の帰還信号に変換して出力する帰還系特性部とを備え、前記デジタル信号処理部は、前記スイッチにおける前記第1の入力ポートが選択された場合に、前記第1の帰還信号に基づき、前記送信系特性部および前記帰還系特性部による送信帰還系特性を取得する送信帰還系特性取得部と、前記スイッチにおける前記第2の入力ポートが選択された場合に、前記第2の帰還信号に基づき、前記非線形増幅器の歪特性を取得する歪特性取得部とを有し、前記歪特性取得部は、前記送信データに前記送信帰還系特性の逆特性を付与した信号に、前回のデジタル送信信号を出力した際に取得した歪特性の逆特性を付与した補正送信信号と、前記第2の帰還信号との差分の最小二乗法誤差に基づき、前記歪特性を取得し、前記送信帰還系特性および前記歪特性取得部により算出した前記歪特性の逆特性となる特性を付与したデジタル送信信号を生成するものである。
以上のように、本発明によれば、非線形増幅器による歪特性と、送信系および帰還系による特性とを分離して取得することにより、送信系および帰還系の誤差を考慮して歪補償を行うとともに、DPD処理の精度を向上させることが可能になる。
実施の形態1に係る送信機の構成の一例を示すブロック図である。 図1の送信機におけるデジタル信号処理部のプリディストータ機能について説明するためのブロック図である。 メモリ多項式モデルを用いた一般的なプリディストータについて説明するための概略図である。 一般的なプリディストータを用いた場合の各信号に含まれる要素について説明するための概略図である。 実施の形態1に係るプリディストータについて説明するための概略図である。 実施の形態1に係るプリディストータにおける送信帰還系特性係数算出回路の構成の一例を示すブロック図である。 図1の送信機におけるデジタル信号処理部によるDPD処理の流れの一例を示すフローチャートである。 実施の形態1に係るプリディストータを用いた場合の各信号に含まれる要素について説明するための概略図である。
実施の形態1.
以下、本実施の形態1に係る送信機について説明する。
本実施の形態1に係る送信機では、送信機中に設けられた非線形増幅器における歪特性と、送信信号の経路となる送信系および当該送信信号を折り返した際の経路となる帰還系による特性である送信帰還系特性とを分離して取得する。そして、取得したそれぞれの特性を考慮して送信信号を生成することにより、歪補償を行う。
なお、以下の説明においては、数式中で「z」などの文字の上に「^」がつけられた文字を「z^」と記載するものとする。
[送信機の構成]
図1は、本実施の形態1に係る送信機1の構成の一例を示すブロック図である。
送信機1は、デジタル信号処理部11、D/A(Digital/Analog)変換器12、直交変調器13、第1の方向性結合器14、非線形増幅器15、第2の方向性結合器16、減衰器17、RFスイッチ18、直交復調器19、A/D(Analog/Digital)変換器20、基準クロック2、サンプリングクロック生成部3および搬送波信号生成部4で構成されている。
この送信機1においては、D/A変換器12および直交変調器13で送信系特性部5が構成され、直列に接続された送信系特性部5から第2の方向性結合器16までの構成により、送信系が形成されている。また、直交復調器19およびA/D変換器20で帰還系特性部6が構成され、直列に接続された減衰器17から帰還系特性部6までの構成により、帰還系が形成されている。
デジタル信号処理部11は、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路、DSP(Digital Signal Processor)等のマイクロプロセッサで構成されている。
デジタル信号処理部11は、送信すべき情報を含む送信データを生成する。また、デジタル信号処理部11は、デジタルプリディストーション処理(以下、「DPD処理」と適宜称する)を行うプリディストータとしての機能を有し、プリディストータによる送信データに対するDPD処理により、歪補償がなされたデジタルの送信信号を生成する。そして、デジタル信号処理部11は、生成した送信信号をD/A変換器12に供給する。プリディストータの詳細については、後述する。
デジタル信号処理部11は、メモリ領域を有し、このメモリ領域には、送信信号および送信信号に基づく帰還信号等を一時的に保存するとともに、プリディストータ等の設定値を予め保存しておくことができる。
D/A変換器12は、後述するサンプリングクロック生成部3から供給されたサンプリングクロックに基づき、デジタル信号処理部11から供給された送信信号をアナログのベースバンド送信信号に変換し、直交変調器13に供給する。
直交変調器13は、後述する搬送波信号生成部4から供給された搬送波信号に基づき、D/A変換器12から供給されたベースバンド送信信号に対して直交変調を行うことによってRF出力信号を生成し、第1の方向性結合器14に供給する。
第1の方向性結合器14は、入力ポート、出力ポートおよび結合ポートを有している。第1の方向性結合器14は、入力ポートに入力された、直交変調器13から供給されたRF出力信号を出力ポートから出力して非線形増幅器15に供給する。また、第1の方向性結合器14は、結合度に応じたRF出力信号を結合ポートから出力し、RFスイッチ18に供給する。
非線形増幅器15は、第1の方向性結合器14から供給されたRF出力信号を所定の増幅度(ゲイン)Gで増幅させ、RF送信信号として第2の方向性結合器16に出力する。本実施の形態1において、非線形増幅器15は非線形領域で使用されるため、出力されるRF送信信号には、歪特性に応じた歪が生じる。
第2の方向性結合器16は、入力ポート、出力ポートおよび結合ポートを有している。第2の方向性結合器16は、入力ポートに入力された、非線形増幅器15から供給されたRF送信信号を出力ポートから出力する。出力されたRF送信信号は、図示しないアンテナを介して空中に送信される。また、第2の方向性結合器16は、結合度に応じたRF送信信号を結合ポートから出力し、減衰器17に供給する。
減衰器17は、第2の方向性結合器16から供給されたRF送信信号を非線形増幅器15の増幅度G分だけ減衰させ、RFスイッチ18に対して出力する。
RFスイッチ18は、2つの入力ポート18aおよび18bと、1つの出力ポート18cとを有している。RFスイッチ18は、図示しない制御部の制御に基づき、第1の方向性結合器14から供給されたRF出力信号が入力される第1の入力ポートとしての入力ポート18aと、減衰器17から供給されたRF送信信号が入力される第2の入力ポートとしての入力ポート18bとのうちいずれかの入力ポートを選択する。そして、RFスイッチ18は、選択された入力ポート18aまたは18bに入力されたRF信号をRF帰還信号として出力ポート18cから出力し、直交復調器19に供給する。
直交復調器19は、搬送波信号生成部4から供給された搬送波信号に基づき、RFスイッチ18から供給されたRF帰還信号に対して直交復調を行うことにより、アナログのベースバンド帰還信号を生成し、A/D変換器20に供給する。
A/D変換器20は、サンプリングクロック生成部3から供給されたサンプリングクロックに基づき、直交復調器19から供給されたベースバンド帰還信号をデジタルの帰還信号に変換し、デジタル信号処理部11に供給する。
サンプリングクロック生成部3は、基準クロック2に基づき、D/A変換器12およびA/D変換器20で用いるサンプリングクロックを生成し、D/A変換器12およびA/D変換器20に供給する。
搬送波信号生成部4は、基準クロック2に基づき、直交変調器13および直交復調器19で用いる搬送波信号を生成し、直交変調器13および直交復調器19に供給する。
また、送信機1には、図示しない制御部が設けられている。この制御部は、例えばマイクロコンピュータ、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置上で実行されるソフトウェア、回路デバイスなどのハードウェア等で構成され、この送信機1全体を制御する。例えば、制御部は、デジタル信号処理部11におけるDPD処理、この処理に伴うRFスイッチ18の切り替え等を制御する。
(プリディストータ)
図2は、図1の送信機1におけるデジタル信号処理部11のプリディストータ機能について説明するためのブロック図である。
図2に示すように、デジタル信号処理部11は、DPD処理を行うプリディストータ機能部30を備え、送信データに対して後述する方法によって算出したプリディストータ係数aに基づくプリディストータ特性を付与し、歪補償成分を含む送信信号を生成する。
デジタル信号処理部11におけるプリディストータは、例えばメモリ多項式モデルを用いて表すことができる。ここでは、本実施の形態1に係るプリディストータの算出方法について説明する前に、まず、一般的なプリディストータとその算出方法について説明する。
図3は、メモリ多項式モデルを用いた一般的なプリディストータについて説明するための概略図である。
図3に示すように、送信機1は、デジタル信号処理部11におけるプリディストータ機能部30、非線形増幅器15および減衰器17を備えている。なお、図3に示す例では、送信機1の構成を概略的に記載しており、例えば、非線形増幅器15の前段に設けられた、D/A変換器12および直交変調器13で構成される送信系特性部5については、図示されていないものとする。また、同様にして、減衰器17の後段に設けられた、直交復調器19およびA/D変換器20で構成される帰還系特性部6についても、図示されていないものとする。
プリディストータ機能部30は、プリディストータ(以下、「PD」と適宜称する)31、トレーニングプリディストータ(以下、「トレーニングPD」と適宜称する)32および減算器33を備えている。プリディストータ機能部30は、デジタル信号処理部11で生成される送信データx(n)と、RF送信信号y(n)に基づく帰還信号u(n)とを用いてDPD処理を行う。
PD31は、非線形増幅器15における歪特性の逆特性を示すメモリ多項式に従い、デジタル信号処理部11で生成された送信データx(n)に歪特性を与えて補正送信信号z(n)を生成し、減算器33および非線形増幅器15に供給する。
補正送信信号z(n)は、送信機1の図示しない送信系特性部5を介して非線形増幅器15に供給され、所定の増幅度Gで増幅される。そして、RF送信信号y(n)として空中に送信されるとともに、帰還系に設けられた減衰器17で増幅度G分だけ減衰された後、送信機1の図示しない帰還系特性部6を介して帰還信号u(n)としてトレーニングPD32に供給される。
トレーニングPD32は、非線形増幅器15における歪特性の逆特性を示すメモリ多項式に従い、帰還信号u(n)に歪特性を与え、補正帰還信号z^(n)として減算器33に供給する。
また、トレーニングPD32は、後述する減算器33から最小二乗法誤差εを受け取り、この最小二乗法誤差εが最小となるように、プリディストータ係数a^を算出する。そして、算出されたプリディストータ係数a^は、プリディストータ係数aとしてPD31にコピーされる。
減算器33は、PD31から供給された補正送信信号z(n)から、トレーニングPD32から供給された補正帰還信号z^(n)を減算し、減算して得られる差分に基づき、補正送信信号z(n)の誤差を示す最小二乗法誤差εを計算する。最小二乗法誤差εは、式(1)に基づき算出することができる。
Figure 0006707883
ここで、PD31におけるメモリ多項式により、補正送信信号z(n)は、送信データx(n)およびプリディストータ係数aに基づき、式(2)のように表すことができる。なお、「n」は、サンプリング時間を示し、「x(n)」は、サンプリングによる離散時間nにおける送信データを示す。なお、最小二乗法の計算に用いるサンプリング数「N」は、例えば送信データx(n)のデータ長とすると好ましい。「k」は、メモリ多項式の次数を示すインデックスであり、「K」は、モデル化したメモリ多項式の次数を示す。「q」は、メモリ多項式のメモリ効果を示すインデックスであり、「Q」は、メモリ多項式にメモリ効果として含まれる最大のサンプルであるメモリ深さを示す。
Figure 0006707883
一方、帰還信号u(n)は、RF送信信号y(n)および減衰器17の減衰量Gに基づき、式(3)のように表すことができる。そして、式(2)および式(3)に基づき、補正送信信号z(n)および帰還信号u(n)をベクトルで表すことにより、これらの信号z(n)およびu(n)のベクトルとプリディストータ係数aのベクトルとの関係は、式(4)のように表すことができる。
Figure 0006707883
Figure 0006707883
したがって、式(1)および式(4)に基づき、最小二乗法誤差εが最小となるときのプリディストータ係数a^は、式(5)のように表すことができる。
Figure 0006707883
図4は、一般的なプリディストータを用いた場合の各信号に含まれる要素について説明するための概略図である。
図4における各列は、左から順に、送信データx(n)の番号m、補正送信信号z(n)に含まれる要素、帰還信号u(n)に含まれる要素、最小二乗法誤差の計算を行う際に補正送信信号z(n)および補正帰還信号z^(n)に含まれる要素、プリディストータ係数a^の計算結果に含まれる要素を示す。また、図中のxはm番目の送信データ、aはm番目のプリディストータ係数、bはm番目の送信帰還系特性、dはm番目の非線形増幅器15における歪特性を示す。なお、番号mは、送信データ長毎に増加する値であり、サンプリング時間nとは異なる。
図4に示すように、プリディストータ係数aを算出する際に用いられる帰還信号u(n)には、非線形増幅器15による歪特性dの要素だけでなく、送信系特性部5および帰還系特性部6による送信帰還系特性bの要素を含んでいる。そのため、上述したようにしてプリディストータ係数aを算出し、算出されたプリディストータ係数aを用いて補正送信信号z(n)を生成した場合には、プリディストータによる歪補償の精度が劣化してしまう。
そこで、本実施の形態1によるプリディストータでは、非線形増幅器15による歪特性と、送信帰還系特性とを分離し、この送信帰還系特性を示す送信帰還系特性係数bを算出する。
そして、この送信帰還系特性係数bを用いて送信帰還系特性を考慮するとともに、算出されたプリディストータ係数aを用いて、非線形増幅器15における歪特性の逆特性を送信信号に与え、RF送信信号に対する歪補償を行う。
図5は、本実施の形態1に係るプリディストータについて説明するための概略図である。
図5に示すように、送信機1は、デジタル信号処理部11におけるプリディストータ機能部40、非線形増幅器15および減衰器17を備えている。なお、図5に示す例では、図3と同様に、送信機1の構成を概略的に記載しており、例えば、非線形増幅器15の前段に設けられた送信系特性部5、および減衰器17の後段に設けられた帰還系特性部6については、図示されていないものとする。また、以下の説明において、図3と共通する部分については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
プリディストータ機能部40は、非線形増幅器15における歪特性を取得するための歪特性取得部に相当し、PD31、トレーニングPD32、減算器33および送信帰還系特性付与部34を備えている。プリディストータ機能部40は、上述したプリディストータ機能部30と同様に、デジタル信号処理部11で生成される送信データx(n)と、RF送信信号y(n)に基づく帰還信号u(n)とを用いてDPD処理を行う。
送信帰還系特性付与部34は、送信系特性部5および帰還系特性部6における特性の逆特性を示すメモリ多項式に従い、デジタル信号処理部11で生成された送信データx(n)に送信帰還系特性を与えて信号w(n)を生成し、プリディストータ31に供給する。
送信帰還系特性付与部34におけるメモリ多項式により、信号w(n)は、送信データx(n)および送信帰還系特性係数bに基づき、式(6)のように表すことができる。なお、送信帰還系特性係数bの詳細については、後述する。
Figure 0006707883
PD31は、非線形増幅器15における歪特性の逆特性を示すメモリ多項式に従い、送信帰還系特性付与部34から出力された信号w(n)に歪特性を与えて補正送信信号z(n)を生成し、減算器33および非線形増幅器15に供給する。
PD31におけるメモリ多項式により、補正送信信号z(n)は、信号w(n)およびプリディストータ係数aに基づき、式(7)のように表すことができる。
Figure 0006707883
補正送信信号z(n)は、送信機1の図示しない送信系特性部5を介して非線形増幅器15に供給され、所定の増幅度Gで増幅される。そして、RF送信信号y(n)として空中に送信されるとともに、帰還系に設けられた減衰器17で増幅度G分だけ減衰された後、送信機1の図示しない帰還系特性部6を介して帰還信号u(n)としてトレーニングPD32に供給される。
トレーニングPD32は、非線形増幅器15における歪特性の逆特性を示すメモリ多項式に従い、帰還信号u(n)に歪特性を与え、補正帰還信号z^(n)として減算器33に供給する。
また、トレーニングPD32は、後述する減算器33から最小二乗法誤差εを受け取り、この最小二乗法誤差εが最小となるように、メモリ多項式のプリディストータ係数a^を算出する。そして、算出されたプリディストータ係数a^は、プリディストータ係数aとしてPD31にコピーされる。
減算器33は、PD31から供給された補正送信信号z(n)から、トレーニングPD32から供給された補正帰還信号z^(n)を減算して得られる差分に基づき、上述した式(1)にしたがって最小二乗法誤差εを算出する。
ここで、送信帰還系特性付与部34におけるメモリ多項式に含まれる、送信帰還系特性係数bの算出方法について説明する。
図6は、本実施の形態1に係るプリディストータにおける送信帰還系特性係数算出回路50の構成の一例を示すブロック図である。
この送信帰還系特性係数算出回路50は、送信帰還系特性を取得するための送信帰還系特性取得部に相当し、図5に示す送信帰還系特性付与部34で信号w(n)を生成する際に用いられる送信帰還系特性係数bを算出するための回路である。送信帰還系特性係数算出回路50は、送信帰還系特性トレーニング部51、送信帰還系特性部52および減算器53を備えている。
送信帰還系特性トレーニング部51は、送信系特性部5および帰還系特性部6における特性の逆特性を示すメモリ多項式に従い、デジタル信号処理部11で生成された送信データx(n)に送信帰還系特性を与え、特性信号r^(n)として減算器53に供給する。
また、送信帰還系特性トレーニング部51は、後述する減算器53から最小二乗法誤差eを受け取り、この最小二乗法誤差eが最小となるように、送信帰還系特性係数b^を計算する。そして、計算された送信帰還系特性係数b^は、送信帰還系特性係数bとして図5に示す送信帰還系特性付与部34にコピーされる。
送信帰還系特性部52は、図1に示す送信系特性部5および帰還系特性部6で構成されたものである。送信帰還系特性部52は、供給された送信データx(n)を、送信系特性部5に含まれるD/A変換器12、直交変調器13、第1の方向性結合器14およびRFスイッチ18を介して折り返し、帰還系特性部6に含まれる直交復調器19およびA/D変換器20を介して帰還信号r(n)として出力する。出力された帰還信号r(n)は、減算器53に供給される。
減算器53は、送信帰還系特性部52から供給された帰還信号r(n)から、送信帰還系特性トレーニング部51から供給された特性信号r^(n)を減算し、減算して得られる差分に基づき、帰還信号r(n)の誤差を示す最小二乗法誤差eを計算する。最小二乗法誤差eは、式(8)に基づき算出することができる。
Figure 0006707883
ここで、送信帰還系特性部52におけるメモリ多項式により、帰還信号r(n)は、送信データx(n)および送信帰還系特性係数bに基づき、式(9)のように表すことができる。また、式(9)における「x(n−q)|x(n−q)|k−1」は、式(10)のように表すことができる。そして、式(9)および式(10)に基づき、帰還信号r(n)および信号v(n)をベクトルで表すことにより、これらのベクトルと送信帰還系特性係数bとの関係は、式(11)のように表すことができる。
Figure 0006707883
Figure 0006707883
Figure 0006707883
したがって、式(8)および式(11)に基づき、最小二乗法誤差eが最小となるときの送信帰還系特性係数b^は、式(12)のように表すことができる。
Figure 0006707883
[送信機の動作]
次に、本実施の形態1に係る送信機1の動作について、図1および図7のフローチャートを参照して説明する。
図7は、図1の送信機1におけるデジタル信号処理部11によるDPD処理の流れの一例を示すフローチャートである。
以下の説明において、送信機1全体の動作および各種の信号の流れについては、図1を参照し、デジタル信号処理部11における処理の流れについては、図7を参照するものとする。
まず、図7のステップS1において、送信機1の電源がONとされると、デジタル信号処理部11は、プリディストータ機能部40に設定されたプリディストータ係数aを初期化し、初期値としてのプリディストータ係数aを設定する。また、デジタル信号処理部11は、送信データ番号mを0に設定する(ステップS2)。そして、RFスイッチ18は、制御部の制御に基づき入力ポート18aが選択される(ステップS3)。
次に、デジタル信号処理部11は、m番目に送信する送信データxm+1を生成し、プリディストータ係数aを用いてこの送信データxm+1を補正した補正送信信号zm+1を生成する。補正送信信号zm+1は、デジタルの送信信号としてD/A変換器12に送信される(ステップS4)。
図1に示すように、D/A変換器12は、サンプリングクロック生成部3から供給されるサンプリングクロックに基づき、デジタル信号処理部11から受け取ったデジタル送信信号に対してD/A変換を行い、アナログのベースバンド送信信号に変換する。このベースバンド送信信号は、直交変調器13に供給される。
直交変調器13は、搬送波信号生成部4から供給される搬送波信号に基づき、D/A変換器12から供給されたベースバンド送信信号をRF出力信号に変調する。このRF出力信号は、第1の方向性結合器14に供給される。
第1の方向性結合器14は、直交変調器13から供給されたRF出力信号を、出力ポートを介して非線形増幅器15に供給する。また、第1の方向性結合器14は、結合ポートを介してRFスイッチ18に供給する。
非線形増幅器15は、第1の方向性結合器14から供給されたRF出力信号を所定の増幅度Gで増幅させる。増幅されたRF出力信号は、RF送信信号として第2の方向性結合器16に供給される。
第2の方向性結合器16は、非線形増幅器15から供給されたRF送信信号を、出力ポートを介して図示しないアンテナに供給する。そして、RF送信信号は、アンテナを介して空中に送信される。
また、第2の方向性結合器16は、結合ポートを介してRF送信信号を減衰器17に供給する。減衰器17は、第2の方向性結合器16から供給されたRF送信信号を非線形増幅器15の増幅度G分だけ減衰させる。減衰されたRF送信信号は、RFスイッチ18に供給される。
RFスイッチ18は、入力ポート18aに供給された第1の方向性結合器14からのRF出力信号と、入力ポート18bに供給された減衰器17からのRF送信信号とのうちいずれかを選択する。
このとき、RFスイッチ18は、入力ポート18aが選択されている。そのため、RFスイッチ18は、入力ポート18aに入力された、第1の方向性結合器14から供給されたRF出力信号をRF帰還信号として出力ポート18cから出力する。RFスイッチ18から出力されたRF帰還信号は、直交復調器19に供給される。
直交復調器19は、搬送波信号生成部4から供給される搬送波信号に基づき、RFスイッチ18から供給されたRF帰還信号をベースバンド帰還信号に復調する。このベースバンド帰還信号は、A/D変換器20に供給される。
A/D変換器20は、サンプリングクロック生成部3から供給されるサンプリングクロックに基づき、直交復調器19から供給されたベースバンド帰還信号に対してA/D変換を行い、第1の帰還信号としてのデジタルの帰還信号rm+1に変換する。この帰還信号rm+1は、デジタル信号処理部11に供給される。
図7に示すように、ステップS5において、デジタル信号処理部11は、A/D変換器20から帰還信号rm+1を受け取ると、デジタル送信信号としての送信データxm+1の送信が完了するまで、送信した送信データxm+1と、A/D変換器20から受信した帰還信号rm+1とを、メモリ領域に一時的に保存する(ステップS6)。
送信データxm+1の送信が完了した後、デジタル信号処理部11は、メモリ領域に保存している送信データxm+1および帰還信号rm+1を用いて、送信帰還系特性係数b^m+1を計算する(ステップS7)。
このとき、時間の経過によって変化する送信帰還系特性の多くは、温度変化によるものである。そのため、送信帰還系特性は、送信データ番号mの増加に伴って緩やかに変化する。したがって、デジタル信号処理部11は、最小二乗法を用いて算出した送信帰還系特性係数b^m+1が実際の送信帰還系特性係数bm+1に等しいとみなし、送信帰還系特性係数b^m+1を送信帰還系特性係数bm+1としてコピーする。そして、この送信帰還系特性係数bm+1を次回のプリディストータの計算に用いる。
次に、RFスイッチ18は、制御部の制御に基づき入力ポート18bが選択される(ステップS8)。
デジタル信号処理部11は、m+1番目に送信する送信データxm+2を生成し、プリディストータ係数aによってこの送信データxm+2を補正した補正送信信号zm+2を生成する。補正送信信号zm+2は、デジタルの送信信号としてD/A変換器12に送信される(ステップS9)。
以下、D/A変換器12から減衰器17までの各部における動作については、上述した動作と同様であるため、説明を省略する。
RFスイッチ18は、入力ポート18aに供給された第1の方向性結合器14からのRF出力信号と、入力ポート18bに供給された減衰器17からのRF送信信号とのうちいずれかを選択する。
このとき、RFスイッチ18は、入力ポート18bが選択されている。そのため、RFスイッチ18は、入力ポート18bに入力された、減衰器17から供給されたRF送信信号をRF帰還信号として出力ポート18cから出力する。
RFスイッチ18から出力されたRF帰還信号は、直交復調器19に供給され、ベースバンド帰還信号に復調された後、A/D変換器20に供給される。
A/D変換器20は、サンプリングクロック生成部3から供給されるサンプリングクロックに基づき、直交復調器19から供給されたベースバンド帰還信号に対してA/D変換を行い、第2の帰還信号としてのデジタルの帰還信号um+2に変換する。この帰還信号um+2は、デジタル信号処理部11に供給される。
図7に示すように、ステップS10において、デジタル信号処理部11は、A/D変換器20から帰還信号um+2を受け取ると、デジタル送信信号としての送信データxm+2の送信が完了するまで、送信した送信データxm+2と、A/D変換器20から受信した帰還信号um+2とを、メモリ領域に一時的に保存する(ステップS11)。
送信データxm+2の送信が完了した後、デジタル信号処理部11は、メモリ領域に保存している送信データxm+2を、送信帰還系特性係数bm+1を用いて補正して信号wm+2を生成する。そして、補正した信号wm+2および帰還信号um+2を用いて、プリディストータ係数a^m+2を計算する(ステップS12)。
このとき、時間の経過によって変化する非線形増幅器15の歪特性の多くは、温度変化によるものである。そのため、歪特性は、送信データ番号mの増加に伴って緩やかに変化する。したがって、デジタル信号処理部11は、最小二乗法を用いて算出したプリディストータ係数a^m+2が実際のプリディストータ係数am+2に等しいとみなし、プリディストータ係数a^m+2をプリディストータ係数am+2としてコピーする。これにより、デジタル信号処理部11は、プリディストータ係数aを更新する。
そして、ステップS13において、送信データ番号mの値が「2」だけ増加した値に設定され、処理がステップS3に戻る。以下、ステップS3〜ステップS13までの処理が巡回的に行われる。
このように、本実施の形態1では、RFスイッチ18の入力ポートをデータ送信毎に交互に選択して切り替えることにより、プリディストータ係数aおよび送信帰還系特性係数bを交互に算出する。これにより、非線形増幅器15による歪特性と、送信系および帰還系による特性とを分離して歪補償を行うことができる。そして、図2におけるプリディストータ係数aの算出を、送信帰還系特性係数bを用いて行うことにより、送信帰還系特性係数bを用いない場合と比較して、補正精度を向上させることができる。
[本実施の形態1に係るプリディストータを用いた算出結果]
図8は、本実施の形態1に係るプリディストータを用いた場合の各信号に含まれる要素について説明するための概略図である。
図8における各列は、左から順に、送信データx(n)の番号m、補正送信信号z(n)に含まれる要素、帰還信号u(n)またはr(n)に含まれる要素、最小二乗法誤差の計算を行う際に帰還信号r(n)および特性信号r^(n)、または補正送信信号z(n)および補正帰還信号z^(n)に含まれる要素、送信帰還系特性係数bまたはプリディストータ係数a^の計算結果に含まれる要素を示す。また、図中のxはm番目の送信データ、aはm番目のプリディストータ係数、bはm番目の送信帰還系特性係数、dはm番目の非線形増幅器15における歪特性を示す。なお、番号mは、送信データ長毎に増加する値であり、サンプリング時間nとは異なる。
図8に示すように、本実施の形態1において、送信データ番号mが奇数の場合には、非線形増幅器15の前段で折り返した帰還信号r(n)を用いて送信帰還系特性係数bを更新する処理を行うため、非線形増幅器15による歪特性dの成分が含まれていない。また、送信データ番号mが偶数の場合には、非線形増幅器15の後段で折り返した帰還信号u(n)を用いてプリディストータ係数aを更新する処理を行うため、非線形増幅器15による歪特性dの成分が含まれている。
すなわち、送信帰還系特性係数bを更新する処理を行う場合には、非線形増幅器15による歪特性dの成分が含まれていない帰還信号r(n)を用い、プリディストータ係数aを更新する処理を行う場合には、この歪特性dの成分が含まれている帰還信号u(n)を用いている。そのため、非線形増幅器15による歪成分と、送信帰還系特性による成分とを分離することができるので、プリディストータによる歪補償の精度を向上させることができる。
以上のように、本実施の形態1に係る送信機1におけるデジタル信号処理部11は、RFスイッチ18における第1の入力ポート18aが選択された場合に、非線形増幅器15に入力されるRF出力信号に基づく第1の帰還信号により、送信系特性部5および帰還系特性部6による送信帰還系特性を取得する送信帰還系特性取得部としての送信帰還系特性係数算出回路50と、RFスイッチ18における第2の入力ポート18bが選択された場合に、非線形増幅器15から出力されるRF送信信号に基づく第2の帰還信号により、非線形増幅器15の歪特性を取得する歪特性取得部としてのプリディストータ機能部40とを有し、送信帰還系特性および前記歪特性の逆特性となる特性を算出し、RFスイッチ18の入力ポートによらず、送信データに対してプリディストータ機能部40で算出した特性を付与したデジタル送信信号を生成する。
このように、非線形増幅器15を介さないRF出力信号により得られる第1の帰還信号に基づき、送信帰還系特性を取得し、非線形増幅器15を介したRF送信信号により得られる第2の帰還信号に基づき、非線形増幅器15の歪特性を取得することにより、非線形増幅器15による歪特性と、送信系および帰還系による特性とを分離して歪補償を行うことができる。そのため、DPD処理の精度を向上させることができる。
以上、実施の形態1について説明したが、本発明は、上述した実施の形態1に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
例えば、上述した例では、送信帰還系特性係数を算出するために、RFスイッチ18の入力ポートをデータ送信毎に交互に選択して切り替えるように説明したが、これはこの例に限られない。例えば、送信信号を4回送信する毎に1回だけRFスイッチ18の入力ポート18aを選択する等、送信信号を複数回送信する毎に1回だけRFスイッチ18の入力ポート18aを選択するようにしてもよい。
また、この例では、各種の計算の際に用いるサンプリング数を送信データ長とするように説明したが、これに限られず、実施形態に適した時間に変更してもよい。
1 送信機、2 基準クロック、3 サンプリングクロック生成部、4 搬送波信号生成部、5 送信系特性部、6 帰還系特性部、11 デジタル信号処理部、12 D/A変換器、13 直交変調器、14 第1の方向性結合器、15 非線形増幅器、16 第2の方向性結合器、17 減衰器、18 RFスイッチ、18a、18b 入力ポート、18c 出力ポート、19 直交復調器、20 A/D変換器、30 プリディストータ機能部、31 プリディストータ、32 トレーニングプリディストータ、33 減算器、34 送信帰還系特性付与部、40 プリディストータ機能部、50 送信帰還系特性係数算出回路、51 送信帰還系特性トレーニング部、52 送信帰還系特性部、53 減算器。

Claims (7)

  1. 非線形領域を有する非線形増幅器で生じる歪を補償する送信機であって、
    送信すべき情報を含む送信データに基づき、デジタル送信信号を生成して出力するデジタル信号処理部と、
    前記デジタル送信信号をアナログ信号に変換して直交変調を行い、RF出力信号を生成して出力する送信系特性部と、
    前記RF出力信号を出力するとともに、該RF出力信号を折り返して出力する第1の方向性結合器と、
    前記RF出力信号を予め定められた増幅度で増幅し、RF送信信号として出力する非線形増幅器と、
    前記RF送信信号を出力するとともに、該RF送信信号を折り返して出力する第2の方向性結合器と、
    前記第2の方向性結合器で折り返されたRF送信信号を前記増幅度分だけ減衰させて出力する減衰器と、
    前記第1の方向性結合器からの前記RF出力信号が入力される第1の入力ポートと、前記減衰器からの前記RF送信信号が入力される第2の入力ポートと、前記第1および第2の入力ポートに入力された信号を選択的に出力する出力ポートとを有するスイッチと、
    前記スイッチの前記第1の入力ポートが選択された場合に、該RF出力信号に対して直交復調を行い、デジタルの第1の帰還信号に変換して出力するとともに、前記スイッチの前記第2の入力ポートが選択された場合に、該RF送信信号に対して直交復調を行い、デジタルの第2の帰還信号に変換して出力する帰還系特性部と
    を備え、
    前記デジタル信号処理部は、
    前記スイッチにおける前記第1の入力ポートが選択された場合に、前記第1の帰還信号に基づき、前記送信系特性部および前記帰還系特性部による送信帰還系特性を取得する送信帰還系特性取得部と、
    前記スイッチにおける前記第2の入力ポートが選択された場合に、前記第2の帰還信号に基づき、前記非線形増幅器の歪特性を取得する歪特性取得部と
    を有し、
    前記送信帰還系特性取得部は、
    前記送信データに、前回のデジタル送信信号を出力した際に取得した送信帰還系特性の逆特性を付与した特性信号と、前記第1の帰還信号との差分の最小二乗法誤差に基づき、前記送信帰還系特性を取得し、
    前記送信帰還系特性および前記歪特性取得部により算出した前記歪特性の逆特性となる特性を付与したデジタル送信信号を生成する
    ことを特徴とする送信機。
  2. 非線形領域を有する非線形増幅器で生じる歪を補償する送信機であって、
    送信すべき情報を含む送信データに基づき、デジタル送信信号を生成して出力するデジタル信号処理部と、
    前記デジタル送信信号をアナログ信号に変換して直交変調を行い、RF出力信号を生成して出力する送信系特性部と、
    前記RF出力信号を出力するとともに、該RF出力信号を折り返して出力する第1の方向性結合器と、
    前記RF出力信号を予め定められた増幅度で増幅し、RF送信信号として出力する非線形増幅器と、
    前記RF送信信号を出力するとともに、該RF送信信号を折り返して出力する第2の方向性結合器と、
    前記第2の方向性結合器で折り返されたRF送信信号を前記増幅度分だけ減衰させて出力する減衰器と、
    前記第1の方向性結合器からの前記RF出力信号が入力される第1の入力ポートと、前記減衰器からの前記RF送信信号が入力される第2の入力ポートと、前記第1および第2の入力ポートに入力された信号を選択的に出力する出力ポートとを有するスイッチと、
    前記スイッチの前記第1の入力ポートが選択された場合に、該RF出力信号に対して直交復調を行い、デジタルの第1の帰還信号に変換して出力するとともに、前記スイッチの前記第2の入力ポートが選択された場合に、該RF送信信号に対して直交復調を行い、デジタルの第2の帰還信号に変換して出力する帰還系特性部と
    を備え、
    前記デジタル信号処理部は、
    前記スイッチにおける前記第1の入力ポートが選択された場合に、前記第1の帰還信号に基づき、前記送信系特性部および前記帰還系特性部による送信帰還系特性を取得する送信帰還系特性取得部と、
    前記スイッチにおける前記第2の入力ポートが選択された場合に、前記第2の帰還信号に基づき、前記非線形増幅器の歪特性を取得する歪特性取得部と
    を有し、
    前記歪特性取得部は、
    前記送信データに前記送信帰還系特性の逆特性を付与した信号に、前回のデジタル送信信号を出力した際に取得した歪特性の逆特性を付与した補正送信信号と、前記第2の帰還信号との差分の最小二乗法誤差に基づき、前記歪特性を取得し、
    前記送信帰還系特性および前記歪特性取得部により算出した前記歪特性の逆特性となる特性を付与したデジタル送信信号を生成する
    ことを特徴とする送信機。
  3. 前記歪特性取得部は、
    前記送信データに前記送信帰還系特性の逆特性を付与した信号に、前回のデジタル送信信号を出力した際に取得した歪特性の逆特性を付与した補正送信信号と、前記第2の帰還信号との差分の最小二乗法誤差に基づき、前記歪特性を取得する
    ことを特徴とする請求項1に記載の送信機。
  4. 前記スイッチは、
    前記第1の入力ポートおよび前記第2の入力ポートが交互に選択される
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の送信機。
  5. 前記スイッチは、
    前記第2の入力ポートが複数回選択される毎に前記第1の入力ポートが選択される
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の送信機。
  6. 送信すべき情報を含む送信データに基づき、デジタル送信信号を生成して出力するデジタル信号処理部と、前記デジタル送信信号をアナログ信号に変換して直交変調を行い、RF出力信号を生成して出力する送信系特性部と、前記RF出力信号を出力するとともに、該RF出力信号を折り返して出力する第1の方向性結合器と、前記RF出力信号を予め定められた増幅度で増幅し、RF送信信号として出力する非線形増幅器と、前記RF送信信号を出力するとともに、該RF送信信号を折り返して出力する第2の方向性結合器と、前記第2の方向性結合器で折り返されたRF送信信号を前記増幅度分だけ減衰させて出力する減衰器と、前記第1の方向性結合器からのRF出力信号が入力される第1の入力ポートと、前記減衰器からのRF送信信号が入力される第2の入力ポートと、前記第1および第2の入力ポートに入力された信号を選択的に出力する出力ポートとを有するスイッチと、前記スイッチの前記第1の入力ポートが選択された場合に、該RF出力信号に対して直交復調を行い、デジタルの第1の帰還信号に変換して出力するとともに、前記スイッチの前記第2の入力ポートが選択された場合に、該RF送信信号に対して直交復調を行い、デジタルの第2の帰還信号に変換して出力する帰還系特性部とを備えた送信機における前記非線形増幅器で生じる歪を補償する歪補償方法であって、
    前記スイッチにおける前記第1の入力ポートが選択された場合に、前記第1の帰還信号に基づき、前記送信系特性部および帰還系特性部による送信帰還系特性を取得し、
    前記スイッチにおける前記第2の入力ポートが選択された場合に、前記第2の帰還信号に基づき、前記非線形増幅器の歪特性を取得し、
    取得した前記送信帰還系特性および前記歪特性の逆特性となる特性を付与したデジタル送信信号を生成するものであり、
    前記送信データに、前回のデジタル送信信号を出力した際に取得した送信帰還系特性の逆特性を付与した特性信号と、前記第1の帰還信号との差分の最小二乗法誤差に基づき、前記送信帰還系特性を取得する
    ことを特徴とする歪補償方法。
  7. 送信すべき情報を含む送信データに基づき、デジタル送信信号を生成して出力するデジタル信号処理部と、前記デジタル送信信号をアナログ信号に変換して直交変調を行い、RF出力信号を生成して出力する送信系特性部と、前記RF出力信号を出力するとともに、該RF出力信号を折り返して出力する第1の方向性結合器と、前記RF出力信号を予め定められた増幅度で増幅し、RF送信信号として出力する非線形増幅器と、前記RF送信信号を出力するとともに、該RF送信信号を折り返して出力する第2の方向性結合器と、前記第2の方向性結合器で折り返されたRF送信信号を前記増幅度分だけ減衰させて出力する減衰器と、前記第1の方向性結合器からのRF出力信号が入力される第1の入力ポートと、前記減衰器からのRF送信信号が入力される第2の入力ポートと、前記第1および第2の入力ポートに入力された信号を選択的に出力する出力ポートとを有するスイッチと、前記スイッチの前記第1の入力ポートが選択された場合に、該RF出力信号に対して直交復調を行い、デジタルの第1の帰還信号に変換して出力するとともに、前記スイッチの前記第2の入力ポートが選択された場合に、該RF送信信号に対して直交復調を行い、デジタルの第2の帰還信号に変換して出力する帰還系特性部とを備えた送信機における前記非線形増幅器で生じる歪を補償する歪補償方法であって、
    前記スイッチにおける前記第1の入力ポートが選択された場合に、前記第1の帰還信号に基づき、前記送信系特性部および帰還系特性部による送信帰還系特性を取得し、
    前記スイッチにおける前記第2の入力ポートが選択された場合に、前記第2の帰還信号に基づき、前記非線形増幅器の歪特性を取得し、
    取得した前記送信帰還系特性および前記歪特性の逆特性となる特性を付与したデジタル送信信号を生成するものであり、
    前記送信データに前記送信帰還系特性の逆特性を付与した信号に、前回のデジタル送信信号を出力した際に取得した歪特性の逆特性を付与した補正送信信号と、前記第2の帰還信号との差分の最小二乗法誤差に基づき、前記歪特性を取得する
    ことを特徴とする歪補償方法。
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