JP7156399B2 - 制御装置及び無線通信装置 - Google Patents

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Description

特許法第30条第2項適用 平成30年8月28日 2018年電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集1(CD-ROM)にて発表
特許法第30条第2項適用 平成30年9月13日 2018年電子情報通信学会ソサイエティ大会 シンポジウムセッション BS-1.5Gを実現するためのシーズ及びニーズベースのアンテナ・伝搬技術にて発表
特許法第30条第2項適用 平成30年10月17日 実験局納入(NTTドコモR&Dセンタ)にて発表
特許法第30条第2項適用 平成30年9月25日 実験局免許・登録点検(NTTドコモ R&Dセンタ)にて発表
本開示は、制御装置及び無線通信装置に関する。
基地局にアクティブアンテナシステム(AAS:Active Antenna System)を採用することが検討されている。AASは、複数(多数)のアンテナ素子と、該複数のアンテナ素子にそれぞれ対応する互いに独立した複数の送受信機と、制御部とを有している。また、MU-MIMO(Multi User-Multi Input Multi Output)又はMassive MIMO機能を有するAASが知られている。このAASにおいてデジタルビームフォーミング(BF:Digital Beamforming)機能を用いることによって、無線端末(ユーザ機器)群への空間多重信号をデジタルベースバンド(DBB:Digital Baseband)領域において複数レイヤ(Layer)重畳して該無線端末(ユーザ機器)群へ向けて一斉に送信することができる。
AASによるビームフォーミングの性能は、複数の送受信機の振幅及び位相のばらつきによって低下する。このため、この振幅及び位相のばらつきを補償するために、送受信機キャリブレーション(ダウンリンク(DL:Downlink/アップリンク(UL:Uplink) CAL(Calibration))の実施が必要となる。さらに、AASの各送受信機の振幅及び位相の特性は、外気温度の変動や時間の経過に起因して変動するので、この特性変動も補償できるように、送受信機キャリブレーションを周期的に実行することが重要である。
また、送信無線信号に対して増幅器の非線形領域に起因して重畳する非線形歪成分を補償する技術がある。この技術には、例えば、デジタルプリディストーション(DPD:Digital Pre-Distortion)方式がある(例えば、特許文献1)。DPD処理は、増幅器に入力される前の段階の信号に、予め増幅器の歪特性の逆特性を与えて増幅器の歪成分と相殺させることにより、非線形歪みを補償する処理である。
特開2017-139711号公報
本発明者は、無線通信装置に対してDPD方式を単純に適用すると、送信キャリブレーションに用いられる送信校正信号がDPD処理による影響を受けてしまい、送信キャリブレーションの精度が低下する可能性があることを見出した。
本開示の目的は、送信キャリブレーションの精度低下を抑えることができる、制御装置及び無線通信装置を提供することにある。
第1の態様にかかる制御装置は、複数の無線部にそれぞれ対応し、且つ、各歪補償部が、対応する無線部へ入力される送信ベースバンド信号に対して、前記対応する無線部における非線形歪特性の逆特性を用いて、非線形歪を補償する、複数の歪補償部と、前記複数の無線部にそれぞれ接続され、且つ、各経路部が第1入力経路及び第2入力経路を有する、複数の経路部と、を具備し、前記第1入力経路は、対応する前記歪補償部が設けられ、且つ、前記非線形歪が補償された前記送信ベースバンド信号を、対応する前記無線部へ入力するための経路であり、前記第2入力経路は、前記複数の無線部における無線部間の位相及び振幅のずれを校正するための校正信号を、前記歪補償部を経由させずに、対応する前記無線部へ入力するための経路である。
第2の態様にかかる無線通信装置は、複数のアンテナ素子と、前記複数のアンテナ素子にそれぞれ接続された複数の無線部と、制御装置とを具備し、前記制御装置は、前記複数の無線部にそれぞれ対応し、且つ、各歪補償部が、対応する無線部へ入力される送信ベースバンド信号に対して、前記対応する無線部における非線形歪特性の逆特性を用いて、非線形歪を補償する、複数の歪補償部と、前記複数の無線部にそれぞれ接続され、且つ、各経路部が第1入力経路及び第2入力経路を有する、複数の経路部と、を具備し、前記第1入力経路は、対応する前記歪補償部が設けられ、且つ、前記非線形歪が補償された前記送信ベースバンド信号を、対応する前記無線部へ入力するための経路であり、前記第2入力経路は、前記複数の無線部における無線部間の位相及び振幅のずれを校正するための校正信号を、前記歪補償部を経由させずに、対応する前記無線部へ入力するための経路である。
本開示により、送信キャリブレーションの精度低下を抑えることができる、制御装置及び無線通信装置を提供することができる。
第1実施形態の無線通信装置の一例を示すブロック図である。 第2実施形態の無線通信装置の一例を示すブロック図である。 送信キャリブレーションの実行タイミングの説明に供する図である。 送信キャリブレーションにおける送信機のパワーレベルの説明に供する図である。 第3実施形態の無線通信装置の一例を示すブロック図である。 第4実施形態の無線通信装置の一例を示すブロック図である。 第4実施形態の測定用信号の説明に供する図である。 第4実施形態における、測定用信号の振幅レベルの特定方法の説明に供する図である。 第5実施形態の測定用信号の説明に供する図である。 第5実施形態における、測定用信号の振幅レベルの特定方法の説明に供する図である。 第6実施形態の測定用信号の説明に供する図である。 第6実施形態における、測定用信号の振幅レベルの特定方法の説明に供する図である。
以下、図面を参照しつつ、実施形態について説明する。なお、実施形態において、同一又は同等の要素には、同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の無線通信装置の一例を示すブロック図である。図1に示す無線通信装置10は、例えば、複数のアンテナ素子と該アンテナ素子にそれぞれ接続された複数の送受信機とを含み且つ基地局に含まれるAASであってもよい。以下では、一例として、無線通信装置10が基地局に含まれるAASであるものとして説明する。すなわち、無線通信装置10の通信相手は、1つ又は複数のユーザ機器(不図示)である。図1において無線通信装置10は、無線部11-1~11-N(Nは2以上の自然数)と、制御部(制御装置)12とを有している。無線部11-1~11-Nは、総称して無線部11と呼ぶことがある。
無線部11-1~11-Nは、複数のアンテナ素子(不図示)にそれぞれ対応しており、該複数のアンテナ素子(不図示)にそれぞれ接続されている。
制御部(制御装置)12は、経路部13-1~13-Nを有している。経路部13-1~13-Nは、無線部11-1~11-Nにそれぞれ接続されている。経路部13-1~13-Nは、無線部11-1~11-Nへ信号をそれぞれ入力するための信号経路である。経路部13-1~13-Nは、デジタルプレディストーション(DPD)部(歪補償部)14-1~14-Nをそれぞれ有している。以下では、経路部13-1~13-Nを総称して経路部13と呼ぶことがある。また、DPD部14-1~14-Nを総称してDPD部14と呼ぶことがある。
各DPD部14は、対応する無線部11へ入力される送信ベースバンド信号に対して、対応する無線部11における非線形歪特性(以下では、単に「歪特性」と呼ぶ)の逆特性を用いて、非線形歪みを補償する。
各経路部13は、第1入力経路L1及び第2入力経路L2を有している。例えば、経路部13-1は、第1入力経路L1-1及び第2入力経路L2-1を有している。第1入力経路L1は、対応するDPD部14を含んでいる一方で、第2入力経路L2は、DPD部14を含んでいない。すなわち、第1実施形態において、各第1入力経路L1は、対応するDPD部14が設けられ、且つ、非線形歪が補償された送信ベースバンド信号を、対応する無線部11へ入力するための信号経路である。一方、各第2入力経路L2は、無線部11-1~11-Nにおける無線部11間の位相及び振幅のずれを校正するための送信校正信号(送信キャリブレーション信号、DL CAL信号)を、DPD部14を経由させずに、対応する無線部11へ入力するための信号経路である。
以上のように第1実施形態によれば、制御部(制御装置)12は、無線部11-1~11-Nにそれぞれ接続可能に構成され、且つ、各経路部13が第1入力経路L1及び第2入力経路L2を有する、経路部13-1~13-Nを有している。第1入力経路L1は、対応するDPD部14が設けられ、且つ、非線形歪が補償された送信ベースバンド信号を、対応する無線部11へ入力するための経路である。第2入力経路L2は、無線部11間の位相及び振幅のずれを校正するための送信校正信号を、DPD部14を経由させずに、対応する無線部11へ入力するための経路である。
この制御部(制御装置)12の構成により、送信キャリブレーションの精度低下を防止することができる。すなわち、送信校正信号は、無線部11に含まれる増幅器(不図示)の線形領域にて増幅される、ことが前提とされている。このため、送信校正信号に対して歪特性の逆特性を用いた歪補償処理が施されると、この歪補償処理の影響によって、送信キャリブレーションの精度が低下する可能性がある。これに対して、第1実施形態の制御部(制御装置)12では、送信校正信号に対して歪補償処理が施されることがないので、送信キャリブレーションの精度低下を防止することができる。また、送信キャリブレーションの精度低下が抑えられているので、無線通信装置10がビームフォーミング送信を実行する場合には、ビームフォーミングの特性の低下も防止することができている。
<第2実施形態>
第2実施形態では、無線通信装置をより具体的に説明する。
<無線通信装置の構成例>
図2は、第2実施形態の無線通信装置の一例を示すブロック図である。図2には、基地局の構成例が示されており、該基地局は、無線通信装置20と、ビームフォーミング機能付きのベースバンド装置30とが示されている。無線通信装置20は、第1実施形態の無線通信装置10と同様に、AASに相当する。
ベースバンド装置30は、送信ベースバンド信号を生成する。例えば、ベースバンド装置30は、ビームフォーミング信号を生成する機能を有している。すなわち、ベースバンド装置30は、複数レイヤ信号を生成する機能を有している。ベースバンド装置30は、nユーザ(n端末)へ送信される送信信号が重畳された合成信号(複数レイヤ信号)を生成し、無線通信装置20へ送信する。この際、ベースバンド装置30は、ビームフォーミングウェイトに基づいて各ユーザに向けたレイヤ信号に位相シフト量の信号遅延を加えて、複数レイヤ信号を生成する。ベースバンド装置30にて生成された送信ベースバンド信号は、例えば光信号に変換されて無線通信装置20へ送信される。
図2において無線通信装置20は、無線部21-1~21-Nと、制御部(制御装置)22と、光トランシーバ23と、アンテナ素子24-1~24-Nと、CAL Network回路部25と、校正信号受信部(CAL-RX)26とを有している。以下では、無線部21-1~21-Nのそれぞれを互いに区別しない場合には総称して無線部21と呼ぶことがある。また、アンテナ素子24-1~24-Nのそれぞれを互いに区別しない場合には総称してアンテナ素子24と呼ぶことがある。
光トランシーバ23は、ベースバンド装置30と制御部22との間で送受信される送信ベースバンド信号の光電変換及びその逆の変換を行う。
制御部22は、光トランシーバ23を介して受け取った送信ベースバンド信号に対して、デジタルプレディストーション(DPD)処理等のデジタルベースバンド処理を実行する。すなわち、制御部22は、AAS内のデジタルベースバンド処理部である。制御部22においてデジタルベースバンド処理が施された送信ベースバンド信号は、各無線部21へ出力される。また、制御部22は、送信校正信号を生成して各無線部21へ出力する。ここで、後述するように、キャリブレーション処理は、上り送信及び下り送信のいずれも行われない、ガード期間(GP:Guard Period)内に行われるので、同時期に送信ベースバンド信号と送信校正信号とが無線部21に入力されることはない。
例えば、制御部22は、信号発生器22Aと、DPD部22B-1~22B-Nと、IFFT(inverse fast Fourier transform)部22C-1~22C-Nと、乗算器22D-1~22D-Nとを有している。以下では、DPD部22B-1~22B-Nのそれぞれ、IFFT部22C-1~22C-Nのそれぞれ、乗算器22D-1~22D-Nのそれぞれを互いに区別しない場合には、DPD部22B、IFFT部22C、及び、乗算器22Dとそれぞれ呼ぶことがある。互いに接続された、IFFT部22C、DPD部22B、無線部21、及び、アンテナ素子24は、1つの送信系統を構成している。すなわち、無線通信装置20は、N個の送信系を有している。これらの送信系統の構成は基本的には互いに同じである。
IFFT部22Cは、周波数領域信号である送信ベースバンド信号に対してIFFT処理を施して、時間領域信号に変換する。すなわち、ここでは、無線通信装置20とユーザ機器(不図示)との間で、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)等のサブキャリア伝送が行われることを前提としている。
DPD部22Bは、無線部21からのフィードバック信号に基づいて、無線部21での非線形歪特性を算出する。そして、DPD部22Bは、算出した非線形歪特性の逆特性を用いて、IFFT部22Cから受け取る送信ベースバンド信号に対して歪補償処理を施す。この歪補償処理が施された後の送信ベースバンド信号は、乗算器22Dを介して無線部21へ入力される。
信号発生器22Aは、送信校正信号(DLキャリブレーション信号、DL CAL IQ)を生成し、生成した送信校正信号を各無線部21に向けて出力する。出力された送信校正信号は、乗算器22Dを介して各無線部21へ出力される。ここで、信号発生器22Aは、無線部21-1~21-Nのそれぞれを通過した送信校正信号を分離できるように、無線部21-1~21-Nに向けて出力する複数の送信校正信号の出力タイミングをずらしてもよい。
また、信号発生器22Aは、無線部21の(後述される)増幅器21Bに含まれる線形領域に対応する振幅レベルを有する送信校正信号を無線部21に向けて出力する。すなわち、信号発生器22Aから出力される送信校正信号のピーク振幅レベル(つまり、実効(RMS)値+ピーク対平均電力比(PAPR))は、無線部21の非線形域に到達せずに送信校正信号の線形成を確保できる最大レベル以下となっている。これにより、送信校正信号は(後述される)増幅器21Bの非線形領域にて生じる非線形歪の影響を受けないので、送信キャリブレーションの精度を向上させることができる。
ここで、第2実施形態の無線通信装置20では送信校正信号がIFFT部22Cの出力段側において第2入力経路L2へ入力されるので、送信校正信号は、時間領域信号であってもよい。
乗算器22Dは、DPD部22Bから受け取る送信ベースバンド信号及び信号発生器22Aから受け取る送信校正信号を無線部21へ出力する。すなわち、第2実施形態の無線通信装置20では、乗算器22Dを介したDPD部22Bと無線部21との間の経路が、上記の第1入力経路L1に対応する一方、乗算器22Dを介した信号発生器22Aと無線部21との間の経路が、上記の第2入力経路L2に対応する。ここで、第2実施形態の第1入力経路L1及び第2入力経路L2は、経路の一部(つまり、乗算器22Dと無線部21との間の部分)を共有しているが、後述するように、キャリブレーション処理は、ガード期間(GP)内に行われるので、同時期に送信ベースバンド信号と送信校正信号とが無線部21に入力されることはない。また、第1実施形態と同様に、DPD部22Bを経由させずに送信校正信号を無線部21へ入力するための経路である第2入力経路L2を介して送信校正信号を無線部21へ入力できるので、送信キャリブレーションの精度低下を防止できる。さらに、ビームフォーミングの特性の低下も防止することができる。なお、第2実施形態において第1入力経路L1には、DPD部22B及びIFFT部22Cが配設されている。
無線部21は、制御部22から受け取る送信ベースバンド信号に対して所定の送信無線処理を施して、得られた送信無線信号を、アンテナ素子24を介して送信すると共に、その送信無線信号の一部を用いてDPD部22Bへのフィードバック信号を生成する。また、無線部21は、制御部22から受け取る送信校正信号に対して所定の送信無線処理を施して、得られた校正無線信号を、送信キャリブレーションフィードバック系(以下では、単に「フィードバック系」と呼ぶ)へ出力する。フィードバック系は、CAL Network回路部25及びCAL-RX26を含んでいる。
例えば、無線部21は、送受信無線処理部(TRX)21Aと、増幅器21Bと、カプラ(方向性結合器)21Cとを有している。対応する、TRX21A及び増幅器21Bは、1つの送信系を構成する。なお、図示していないが、無線部21は、カプラ21C、受信増幅器(不図示)、及びTRX21Aを繋ぐ、受信系を有している。この受信系によって、ユーザ機器(不図示)から送信される上り信号を受信することができる。また、ここでは、詳しく説明しないが、この受信系は、受信キャリブレーションの対象となる。
TRX21Aは、送信無線処理及び受信無線処理を行う。すなわち、TRX21Aは、制御部22から受け取る送信ベースバンド信号に対して送信無線処理(デジタルアナログ変換、アップコンバート等)を施し、得られた送信無線信号を増幅器21Bへ出力する。そして、TRX21Aは、増幅器21Bで増幅された送信無線信号の一部がカプラ21Cを介して入力され、該入力された無線信号に対して受信無線処理(ダウンコンバート、アナログデジタル変換等)を施し、得られたベースバンド信号をフィードバック信号としてDPD22Bへ出力する。上記の通り、このフィードバック信号は、無線部21の非線形歪特性の算出に用いられる。
また、TRX21Aは、制御部22から受け取る送信校正信号に対して送信無線処理(デジタルアナログ変換、アップコンバート等)を施し、得られた校正無線信号を増幅器21Bへ出力する。この校正無線信号は、上記の送信キャリブレーションフィードバック系へ出力されることになる。
増幅器21Bは、TRX21Aから受け取る無線信号を増幅し、増幅語の無線信号をカプラ21Cへ出力する。
カプラ(方向性結合器)21Cは、増幅器21Bから受け取る無線信号の一部をTRX21Aに出力し、残りをアンテナ素子24及び送信キャリブレーションフィードバック系へ出力する。
CAL-RX26は、コンバイナ機能を有するCAL Network回路部25を介して校正無線信号を受け取り、受け取った校正無線信号に対して受信無線処理(ダウンコンバート、アナログデジタル変換等)を施して、得られた校正信号(IQ信号、DL CAL IQ)を制御部22へ出力する。この校正信号を受け取った制御部22は、各無線部21に適用するキャリブレーションウェイトを算出して、算出したキャリブレーションウェイトを各無線部21に適用する。キャリブレーションウェイトは、各無線部21の送信系の振幅及び位相のばらつきを補償するための重みである。
ここで、各無線部21の送信系の振幅周波数特性には、DPD部22Bによる周波数特性補償後に残存する各送信系の周波数特性の差異、及び、カプラ21Cとアンテナ素子24との間のバンドパスフィルタ(不図示)等による各送信系間の振幅位相周波数特性の差異が含まれる。また、各無線部21の送信系の位相周波数特性には、各送信系の遅延差による位相傾斜、及び、局部発振器(不図示)のAAS起動時の初期位相ずれを含む。
<送信キャリブレーション実行タイミング>
次に、送信キャリブレーション処理(DLキャリブレーション処理)の実行タイミングについて説明する。
前提として、無線通信装置20は、TDDモード(TDD通信方式)に対応する無線通信装置である。TDDモードは、上下リンク(UL/DL)で同一周波数を用いて、時間的にDL通信及びUL通信を切り替えて送受信を行う通信方式である。DLサブフレームにおいてDL通信が行われ、ULサブフレームではUL通信が行われる。また、スペシャルサブフレームにおいて、DL通信からUL通信への切り替えが行われる。スペシャルサブフレームは、DwPTS(Downlink Pilot Time Slot)、GP(Guard Period)及びUpPTS(Uplink Pilot Time Slot)により構成されるサブフレームである。DwPTSはDL通信のために用意された期間である。UpPTSはUL通信のために用意された期間である。GPはDL通信及びUL通信のいずれも行なわれない期間である。
図3は、上から順に、時刻(T1~T5)、無線通信装置20のDLタイミング、無線通信装置20の(無線部21の送信系に対応する)送信機TX(Transmitter)のON又はOFF状況、ULタイミング、無線通信装置20の(無線部21の受信系に対応する)受信機RX(Receiver)のON又はOFF状況を示している。さらに、図3は、無線通信装置20と通信を行うUE(User Equipment=端末)のDLタイミング、UEの受信機RXのON又はOFF状況、ULタイミング、UEの送信機TXのON又はOFF状況を示している。T1から順に経過し、T5は最も遅い時刻を示している。DLタイミング及びULタイミングのそれぞれには、DL通信、DwPTS、GP、UpPTS及びUL通信の時間区間が示されている。DLタイミング及びULタイミングのうち、斜線でハッチングされた時間区間は、DL又はULに割り当てられた時間区間であることを示している。
図3の無線通信装置20のDLタイミングに示すように、無線通信装置20の送信機TXは、時刻T3においてOn状態からOFF状態への切替制御が行われる。また、図3のULタイミングに示すように、無線通信装置20の受信機RXは、時刻T3において、OFF状態からON状態への切替制御が行われる。
ここで、時刻T2から時刻T4の間は、DLタイミング及びULタイミングともにGPの時間区間であり、TXはその間の時刻T3でOff状態へ、RXは同時刻T3でON状態となっている。無線通信装置20は、スペシャルサブフレームのGPの時間区間(厳密には、GPから、アップリンクとダウンリンクとのフレームタイミング差(Uplink-downlink frame timing)である20.3μsecの中でDLキャリブレーションを実行し、その後、ULキャリブレーションを実行する。
<送信キャリブレーション実行時の送信機パワーレベル>
次に、図4を用いて、無線通信装置20のDLキャリブレーションにおける送信機TXのパワーレベルについて説明する。図4は、DLキャリブレーションにおける送信機のパワーレベルの説明に供する図である。図4には、DL及びULタイミングの各タイミングにおける送信機TXのパワーレベルが示されている。図4の横軸は時間を示しており、縦軸はパワーレベルを示している。図4の実線L1は無線通信装置20の送信機TXの送信パワーレベルの推移を示している。図4のグラフには、DL及びULタイミングの各タイミングを示しており、ULサブフレームと記載されている時間区間は、UL通信を行っていることを示す。また、DLサブフレーム及びDwPTSと記載されている時間区間は、DL通信及びDwPTSの時間区間であることを示している。また、GP及びUpPTSと記載されている時間区間は、GP及びUpPTSの時間区間であることを示している。
図4に示すように、GP内において、送信機TXがONからOFFの状態に遷移する時間区間は、3GPP標準規格(TS36.104)において17μsecと規定されている。そのため、無線通信装置20は、図3及び図4に示すように、送信機TXがONからOFFに遷移する17μsecでDLキャリブレーションを実行する。
次に、無線通信装置20は、送信機TXがOFFに完全に遷移した状態で(上記17μsec経過後)、ULキャリブレーションを実行する。厳密には、上記の「GP部分区間」から、上記17μsecを除いた区間において、無線通信装置20は、ULキャリブレーションを実行する。ここで、3GPP標準規格(TS36.104)において、送信機TXがOFF状態では、-85dBm/MHz以下にする必要がある。つまり、無線通信装置20は、-85dBm/MHz以下を保ったまま、ULキャリブレーションを実行する必要がある。ULキャリブレーションを実行する場合、無線通信装置20は、ULキャリブレーション用の信号であるULキャリブレーション信号を、自装置内に送信して実行する。しかし、ULキャリブレーション信号の信号レベルが大きい場合、アンテナ(ANT:Antenna)からULキャリブレーション信号が漏洩してしまう可能性があるため、無線通信装置20は、ULキャリブレーション信号の信号レベルを低く設定する。
以上のように第2実施形態によれば、制御部(制御装置)12において信号発生器22Aは、無線部21の増幅器21Bに含まれる線形領域に対応する振幅レベルを有する送信校正信号を無線部21に向けて出力する。
この制御部(制御装置)12の構成により、送信校正信号(DLキャリブレーション信号)が増幅器21Bの非線形領域にて生じる非線形歪の影響を受けないので、送信キャリブレーションの精度を向上させることができる。
<第3実施形態>
第3実施形態では、無線通信装置の構成のバリエーションに関する。
<無線通信装置の構成例>
図5は、第3実施形態の無線通信装置の一例を示すブロック図である。第3実施形態の無線通信装置40は、第2実施形態の無線通信装置20と比べて、主に、送信校正信号がIFFT部22Cの入力段側から第2入力経路L2へ入力されること、並びに、IFFT部22Cの入力段側及びDPD部22Bの出力段側に2つのスイッチ(DPD Bypass経路・第2入力経路L2への切替用)がそれぞれ設けられていること、である。
図5において無線通信装置40は、制御部(制御装置)41を有している。制御部41は、信号発生器41Aと、乗算器41B-1~41B-Nと、スイッチ(SW)41C-1~41C-Nと、スイッチ41D-1~41D-Nとを有している。以下では、乗算器41B-1~41B-Nのそれぞれを互いに区別しない場合には総称して乗算器41Bと呼ぶことがある。また、スイッチ41C-1~41C-Nのそれぞれを互いに区別しない場合には総称してスイッチ41Cと呼ぶことがある。また、スイッチ41D1~41D-Nのそれぞれを互いに区別しない場合には総称してスイッチ41Dと呼ぶことがある。
乗算器41Bは、信号発生器41Aから受け取る送信校正信号をSW41Cへ出力する。また、乗算器41Bは、光トランシーバ23から受け取る送信ベースバンド信号をSW41Cへ出力する。
SW41Cは、入力信号の振幅レベルに応じて、乗算器41Bとの接続対象(つまり、第3実施形態の経路部の信号入力点との接続対象)を、第1入力経路L1と第2入力経路L2との間で切り替える。具体的には、入力信号の振幅レベルが「第1閾値」以上である場合、SW41Cは、乗算器41Bとの接続対象を第1入力経路L1に切り替える。一方、入力信号の振幅レベルが「第1閾値」より小さい場合、SW41Cは、乗算器41Bとの接続対象を第2入力経路L2に切り替える。ここで、「第1閾値」は、送信ベースバンド信号が第1入力経路L1及び無線部21を通過したときの無線部21の出力信号についての、EVM(Error Vector Magnitude(Downlink(DL) SINRと同義))特性と、送信ベースバンド信号が第2入力経路L2及び無線部21を通過したときの無線部21の出力信号についての、EVM特性との差分が所定範囲内となるときの、送信ベースバンド信号の振幅レベルに対応する。該差分が所定範囲内となることは、送信ベースバンド信号が第1入力経路L1及び第2入力経路L2のいずれを通過しても、無線部21の出力信号についてのEVM特性に変化がないと見なせることを意味する。この第1閾値は、無線通信装置20の出荷前の特性検証によって特定して出荷前に設定されてもよい。なお、上記のEVM特性の代わりに、隣接チャネル漏洩電力(ACLR:Adjacent Channel Leakage Power Ratio)特性が用いられてもよい。
SW41Dは、SW41Cに連動して、無線部21との接続対象を、第1入力経路L1と第2入力経路L2との間で切り替える。すなわち、SW41Dも、SW41Cと同様に、SW41Cへの入力信号の振幅レベルが「第1閾値」以上である場合、SW41Dは、無線部21との接続対象を第1入力経路L1に切り替える。一方、SW41Cへの入力信号の振幅レベルが「第1閾値」より小さい場合、SW41Dは、無線部21との接続対象を第2入力経路L2に切り替える。
信号発生器41Aは、乗算器41Bを介してSW41Cに対して、第1閾値より小さい振幅レベルを有する送信校正信号を出力する。これにより、送信校正信号は、第2入力経路L2を通過することになるので、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、送信キャリブレーションの精度低下を防止することができる。
ここで、第3実施形態の無線通信装置40では送信校正信号がIFFT部22Cの入力段においてSW41Cを介して第2入力経路L2へ入力されるので、送信校正信号は、周波数領域信号であってもよい。特に、信号発生器41AがOFDMのサブキャリア領域毎に送信校正信号を出力することにより、該送信校正信号に対してCAL-RX26による処理が行われた後の信号を、FFT解析部(不図示)によってサブキャリア領域に再度戻した上で周波数ビン(Bin)単位で振幅及び位相の特性を特定できる。これにより、送信キャリブレーション処理における、振幅及び位相の特性についての特定精度が向上するので、送信キャリブレーションの精度を向上させることができる。
<第4実施形態>
第4実施形態では、第3実施形態で説明した「第1閾値」、つまり、SW41C及びSW41Dを切り替える「切替閾値」を導出する方法に関する。第4実施形態では、帯域内EVM(Error Vector Magnitude(Downlink(DL) SINRと同義))に基づいた、「切替閾値」を導出する方法について説明する。
図6は、第4実施形態の無線通信装置の一例を示すブロック図である。図6において無線通信装置50は、制御部(制御装置)51を有する。制御部(制御装置)51は、信号発生器51Aと、測定制御部51Bと、振幅レベル特定部51Cと、閾値導出部51Dとを有する。
測定制御部51Bは、信号発生器51Aに対して「測定用信号」の振幅レベルを最大定格に向けてランプアップさせながら(つまり、振幅レベルを段階的に上げながら)、測定用信号を順次出力させる。このとき、測定制御部51Bは、各振幅レベルにおいて測定用信号が経路部(つまり、SW41C)へ入力されている間に、SW41C及びSW41Dに対して、その接続先を第1入力経路L1と第2入力経路L2との間で切り替えさせる。これにより、第1入力経路L1又は第2入力経路L2を通過した後に無線部21、CAL Network回路部25、及びCAL-RXを通過した、各振幅レベルの測定用信号に対応する信号が、制御部51へ入力される。
ここで、測定用信号が信号発生器51Aから出力される期間としては、第2実施形態で説明した送信校正信号と同様に、「GP部分区間」を用いることができる。ただし、送信校正信号が出力されるフレームと測定用信号が出力されるフレームとは時間的に異なる。
信号発生器51Aは、測定制御部51Bの制御に従って、「測定用信号」を乗算器41Bを介してSW41Cへ出力する。信号発生器51Aは、乗算器41Bを介してSW41Cに対して、第1閾値より小さい振幅レベルを有する送信校正信号を出力する。なお、ここでは、信号発生器51Aが測定用信号及び送信校正信号の両方を出力するものとして説明を行うが、測定用信号を出力する機能部と送信校正信号を出力する機能部は、独立していてもよい。
ここで、第4実施形態の「測定用信号」について説明する。図7は、第4実施形態の測定用信号の説明に供する図である。第4実施形態では、「測定用信号」として、OFDMマルチトーン歪解析に有効なNPR(Noise Power Ratio)測定用のテスト信号が用いられる。図7に示すように第4実施形態の測定用信号は、「ノッチアウト帯域」を含むマルチトーン信号である。すなわち、第4実施形態の測定用信号は、OFDMに用いられる複数のサブキャリア(つまり、送信帯域幅)のうちの一部のサブキャリアを停止することによってノッチアウト帯域を形成することによって生成されることができる。
振幅レベル特定部51Cは、測定用信号の各振幅レベルにおいて第1入力経路L1を通過してきた測定用信号に対応する信号及び第2入力経路L2を通過してきた測定用信号に対応する信号のそれぞれに対してFFTを施して周波数領域信号に変換する。そして、振幅レベル特定部51Cは、得られた周波数領域信号においてノッチアウト帯域に現れる非線形歪成分のレベルとマルチトーン部分のレベルとの両方を検出し、検出した両レベルの差を帯域内EVMとして算出する。そして、振幅レベル特定部51Cは、第1入力経路L1を通過してきた測定用信号に対応する帯域内EVMと第2入力経路L2を通過してきた測定用信号に対応する帯域内EVMとの差が「第2閾値」以下となる、測定用信号の振幅レベルを特定する(図8参照)。すなわち、振幅レベル特定部51Cは、周波数スペクトル解析を行うことによって、上記の帯域内EVMについての差が第2閾値以下となる、測定用信号の振幅レベルを特定している。このように算出した帯域内EVMについての差が「第2閾値」以下である場合、測定用信号を第1入力経路L1を通過させた場合と第2入力経路L2を通過させた場合とで帯域内EVMに差が生じていないとみなすことができる。図8は、第4実施形態における、測定用信号の振幅レベルの特定方法の説明に供する図である。
閾値導出部51Dは、振幅レベル特定部51Cにて特定された測定用信号の振幅レベルに基づいて、第3実施形態で説明した「第1閾値(つまり、SW41C及びSW41Dの切替閾値)」を導出し、導出した「第1閾値」をSW41C及びSW41Dへ設定する。閾値導出部51Dは、例えば、振幅レベル特定部51Cにて特定された測定用信号の振幅レベルをそのまま「第1閾値」としてもよいし、振幅レベル特定部51Cにて特定された測定用信号の振幅レベル、及び、所定の導出式を用いて、「第1閾値」を導出してもよい。
<第5実施形態>
第5実施形態では、第4実施形態の帯域内EVMの代わりに、隣接チャネル漏洩電力(ACLR:Adjacent Channel Leakage Power Ratio)が用いられる。第5実施形態の無線通信装置の基本構成は、第4実施形態の無線通信装置50の基本構成と同じなので、図を参照して説明する。ここでは、主に、第5実施形態の無線通信装置と第4実施形態の無線通信装置との相違点について説明する。
第5実施形態の信号発生器51Aは、測定制御部51Bの制御に従って、「測定用信号」を乗算器41Bを介してSW41Cへ出力する。
図9は、第5実施形態の測定用信号の説明に供する図である。図9に示すように、第5実施形態の測定用信号は、第4実施形態の測定用信号と異なり、ノッチアウト帯域を含んでいないマルチトーン信号である。
第5実施形態の振幅レベル特定部51Cは、測定用信号の各振幅レベルにおいて第1入力経路L1を通過してきた測定用信号に対応する信号及び第2入力経路L2を通過してきた測定用信号に対応する信号のそれぞれに対してFFTを施して周波数領域信号に変換する。そして、振幅レベル特定部51Cは、得られた周波数領域信号において、マルチトーン信号の側帯域に現れる隣接チャネル漏洩電力/歪成分レベルとマルチトーン部分との両方を検出し、検出した両レベルの差を帯域外ACLRとして算出する。そして、振幅レベル特定部51Cは、第1入力経路L1を通過してきた測定用信号に対応する帯域外ACLRと第2入力経路L2を通過してきた測定用信号に対応する帯域外ACLRとの差が「第3閾値」以下となる、測定用信号の振幅レベルを特定する(図10参照)。すなわち、振幅レベル特定部51Cは、周波数スペクトル解析を行うことによって、上記の帯域外ACLRについての差が第3閾値以下となる、測定用信号の振幅レベルを特定している。このように算出した帯域外ACLRについての差が「第3閾値」以下である場合、測定用信号を第1入力経路L1を通過させた場合と第2入力経路L2を通過させた場合とで帯域外ACLRに差が生じていないとみなすことができる。図10は、第5実施形態における、測定用信号の振幅レベルの特定方法の説明に供する図である。
<第6実施形態>
第6実施形態では、第4実施形態のスペクトル解析の代わりに、復調解析が行われる。第6実施形態の無線通信装置の基本構成は、第4実施形態の無線通信装置50の基本構成と同じなので、図を参照して説明する。ここでは、主に、第6実施形態の無線通信装置と第4実施形態の無線通信装置との相違点について説明する。
第6実施形態の信号発生器51Aは、測定制御部51Bの制御に従って、「測定用信号」を乗算器41Bを介してSW41Cへ出力する。
図11は、第6実施形態の測定用信号の説明に供する図である。第6実施形態の測定用信号は、第5実施形態と同様に、ノッチアウト帯域を含んでいないマルチトーン信号(OFDM信号)である。ただし、第6実施形態では、復調解析が行われるので、測定用信号の各サブキャリアにはテストデータが重畳されている。
実施形態の振幅レベル特定部51Cは、測定用信号の各振幅レベルにおいて第1入力経路L1を通過してきた測定用信号に対応する信号及び第2入力経路L2を通過してきた測定用信号に対応する信号のそれぞれを用いて、変調帯域内のEVM(DL SINR)を算出する。すなわち、信号発生器51Aから出力される測定用信号の位相及び振幅(つまり、コンスタレーションにおけるシンボル)と、第1入力経路L1を通過してきた測定用信号に対応する信号の位相及び振幅との誤差ベクトルが、第1入力経路L1に対応する変調帯域内EVMである。また、信号発生器51Aから出力される測定用信号の位相及び振幅と、第2入力経路L2を通過してきた測定用信号に対応する信号の位相及び振幅との誤差ベクトルが、第2入力経路L2に対応する変調帯域内EVMである。そして、振幅レベル特定部51Cは、第1入力経路L1を通過してきた測定用信号に対応する変調帯域内EVMと第2入力経路L2を通過してきた測定用信号に対応する変調帯域内EVMとの差が「第4閾値」以下となる、測定用信号の振幅レベルを特定する(図12参照)。すなわち、振幅レベル特定部51Cは、復調解析を行うことによって、上記の変調帯域内EVMについての差が第4閾値以下となる、測定用信号の振幅レベルを特定している。このように算出した変調帯域内EVMについての差が「第4閾値」以下である場合、測定用信号を第1入力経路L1を通過させた場合と第2入力経路L2を通過させた場合とで変調帯域内EVMに差が生じていないとみなすことができる。図12は、第6実施形態における、測定用信号の振幅レベルの特定方法の説明に供する図である。
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
この出願は、2019年1月11日に出願された日本出願特願2019-003196を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
10 無線通信装置
11 無線部
12 制御部(制御装置)
13 経路部
14 DPD部
20 無線通信装置
21 無線部
21A 送受信無線処理部(TRX)
21B 増幅器
21C カプラ(方向性結合器)
22 制御部(制御装置)
22A 信号発生器
22B DPD部
22C IFFT部
22D 乗算器
23 光トランシーバ
24 アンテナ素子
25 CAL Network回路部
26 校正信号受信部(CAL-RX)
30 ベースバンド装置
40 無線通信装置
41 制御部(制御装置)
41A 信号発生器
41B 乗算器
41C,41D スイッチ(SW)
50 無線通信装置
51 制御部(制御装置)
51A 信号発生器
51B 測定制御部
51C 振幅レベル特定部
51D 閾値導出部

Claims (9)

  1. 複数の送信無線手段にそれぞれ対応し、且つ、各歪補償手段が、対応する送信無線手段へ入力される送信ベースバンド信号に対して、前記対応する送信無線手段における非線形歪特性の逆特性を用いて、非線形歪を補償する、複数の歪補償手段と、
    前記複数の送信無線手段にそれぞれ接続され、且つ、各経路手段が第1入力経路及び第2入力経路を有する、複数の経路手段と、
    を具備し、
    前記第1入力経路は、対応する前記歪補償手段が設けられ、且つ、前記非線形歪が補償された前記送信ベースバンド信号を、対応する前記送信無線手段へ入力するための経路であり、
    前記第2入力経路は、前記複数の送信無線手段における送信無線手段間の位相及び振幅のずれを校正するための校正信号を、前記歪補償手段を経由させずに、対応する前記送信無線手段へ入力するための経路である、
    制御装置。
  2. 前記第2入力経路に対して、前記第2入力経路が接続される前記送信無線手段に含まれる増幅器の線形領域に対応する振幅レベルを有する前記校正信号を出力する、校正信号生成手段をさらに具備する、
    請求項1記載の制御装置。
  3. 前記送信無線手段との接続対象を前記第1入力経路と前記第2入力経路との間で切り替える第1スイッチと、
    前記経路手段の入力との接続対象を前記第1入力経路と前記第2入力経路との間で切り替える第2スイッチと、
    を具備し、
    前記経路手段への入力信号の振幅レベルが第1閾値以上である場合、前記第1スイッチは、前記送信無線手段の接続対象を前記第1入力経路に切り替え、前記第2スイッチは、前記経路手段の入力との接続対象を前記第1入力経路に切り替え、
    前記経路手段への入力信号の振幅レベルが前記第1閾値より小さい場合、前記第1スイッチは、前記送信無線手段の接続対象を前記第2入力経路に切り替え、前記第2スイッチは、前記経路手段の入力との接続対象を前記第2入力経路に切り替える、
    請求項1記載の制御装置。
  4. 前記第2スイッチに対して、前記第1閾値より小さい振幅レベルを有する前記校正信号を出力する、校正信号生成手段をさらに具備する、
    請求項3記載の制御装置。
  5. 測定用信号を前記経路手段へ出力する測定用信号出力手段と、
    前記測定用信号出力手段に対して、前記測定用信号の振幅レベルをランプアップさせながら前記測定用信号を順次出力させると共に、各振幅レベルにおいて前記測定用信号が前記経路手段へ入力されている間に前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの接続先を切り替えさせる、測定制御手段と、
    前記測定用信号が前記第1入力経路及び前記送信無線手段を通過したときの第1の帯域内EVM(Error Vector Magnitude)又は第1の隣接チャネル漏洩電力と、前記測定用信号が前記第2入力経路及び前記送信無線手段を通過したときの第2の帯域内EVM又は第2の隣接チャネル漏洩電力との差分が第2閾値以下となる、前記測定用信号の振幅レベルを特定する、振幅レベル特定手段と、
    前記特定された振幅レベルに基づいて、前記第1閾値を導出する閾値導出手段と、
    を具備する、
    請求項3又は4に記載の制御装置。
  6. 前記振幅レベル特定手段は、前記第1入力経路及び前記送信無線手段を通過した後の前記測定用信号及び前記第2入力経路及び前記送信無線手段を通過した後の前記測定用信号についてスペクトル分析を行うことによって、前記差分が前記第2閾値以下となる前記測定用信号の振幅レベルを特定する、
    請求項5記載の制御装置。
  7. 測定用信号を前記経路手段へ出力する測定用信号出力手段と、
    前記測定用信号出力手段に対して、前記測定用信号の振幅レベルをランプアップさせながら前記測定用信号を順次出力させると共に、各振幅レベルにおいて前記測定用信号が前記経路手段へ入力されている間に前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの接続先を切り替えさせる、測定制御手段と、
    前記測定用信号が前記第1入力経路及び前記送信無線手段を通過したときの第3の帯域内EVMと、前記測定用信号が前記第2入力経路及び前記送信無線手段を通過したときの第4の帯域内EVMとの差分が第3閾値以下となる、前記測定用信号の振幅レベルを特定する、振幅レベル特定手段と、
    前記特定された振幅レベルに基づいて、前記第1閾値を導出する閾値導出手段と、
    を具備する、
    請求項3又は4に記載の制御装置。
  8. 前記振幅レベル特定手段は、前記第1入力経路及び前記送信無線手段を通過した後の前記送信ベースバンド信号について復調解析を行うことによって、前記差分が前記第3閾値以下となる前記送信ベースバンド信号の振幅レベルを特定する、
    請求項7記載の制御装置。
  9. 複数のアンテナ素子と、
    前記複数のアンテナ素子にそれぞれ接続された複数の送信無線手段と、
    請求項1から8のいずれか1項に記載の制御装置と、
    を具備する無線通信装置。
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