JP2004179943A - 無線送信装置および無線送信方法 - Google Patents

無線送信装置および無線送信方法 Download PDF

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Katsuhiko Tsujihata
克彦 辻端
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Abstract

【課題】信号に指向性を持たせ、無線送信を行う無線送信装置において、信号が実際に送信される時点まで所望の指向性パターンを維持すること。
【解決手段】無線送信装置の各送信系(Br#1、Br#2、…、Br#n)の増幅器におけるAM/AM特性およびAM/PM特性のそれぞれに対し、基準となる基準特性(Ref)を設定し、各送信系の特性とこの基準特性とのオフセット(Ofs#1、Ofs#2、…、Ofs#n)を入力電力ごとに求め、このオフセットをなくすような補正を送信信号に対し行う。これにより、各送信系ごとのAM/AM特性およびAM/PM特性を1つに揃えることができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アダプティブアレイ送信に代表されるような複数のアンテナを用い送信信号に指向性を持たせて送信する通信システムを採用する無線送信装置および無線送信方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アダプティブアレイ技術は、複数の送信系から送信される信号に対し重み付けを行うことにより送信信号に指向性を持たせ、送信対象である無線移動局(希望局)に対し高い利得を形成し、その他の干渉局に対しては低い利得の電波伝播状況を作り出す技術である。実際のアダプティブアレイ送信機は、空間的に分離している送信アンテナを複数備え、各送信アンテナから送信される信号に対し複素ウェイト(以下、単にウェイトという)を乗算することにより指向性パターンを形成し、希望する無線移動局へ下り回線を用いてデータを送信する。これにより、送信対象の無線移動局は高い利得で信号を受信することができる。
【0003】
しかし、アダプティブアレイ送信機では、指向性パターンを増幅前の信号に基づいて算出しているため、ベースバンド信号である元の送信信号がRF信号に変換され送信アンテナに達するまでの間に(主に信号の電力を増幅する過程において)振幅の減少および位相の回転が発生すると、アダプティブアレイ通信の指向性パターンが崩れてしまうという問題がある。
【0004】
図5は、各送信系の電力増幅器における入力電力対利得特性(以下、AM/AM特性という)を示す図である。また、図6は、各送信系の電力増幅器における入力電力対位相特性(以下、AM/PM特性という)を示す図である。図5において、G、G、…、Gは、送信系1、送信系2、…、送信系nに小レンジ電力の信号が入力された時の利得を示す。また、図6において、θ、θ、…、θは、送信系1、送信系2、…、送信系nに小レンジ電力の信号が入力された時の入出力の位相差を示している。
【0005】
図5および図6に示すように、経由する電力増幅器によってAM/AM特性およびAM/PM特性は異なるので、増幅後の信号の振幅減少および位相回転は、個々の電力増幅器に依存してそれぞれ異なる大きさとなって現れる。そのため、実際に送信アンテナから信号が送信されるときには、当初の指向性とは異なる指向性が現れるということになる。アダプティブアレイ送信を有効なものとするには、当初算出された指向性パターンが実際にアンテナから信号が送信されるまで維持されていることが必要である。
【0006】
上記の問題点を解消するため、従来の装置は、信号に乗算するウェイトに調整(以下、キャリブレーションという)を加えている(例えば、特許文献1参照)。つまり、各送信系から送信される信号を元の送信信号と比較することで、各送信系の利得減少量および位相回転量を測定し、この値を考慮した指向性パターンを作るようにウェイト回路がウェイトの調整を行う。具体的には、指向性パターンを形成するウェイトと共に、各送信系の利得および位相回転量を揃えるような補正データ(ウェイト)も送信信号に乗算することにより、当初の指向性パターンを維持することができる。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−46180号公報(第4頁)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実機の送信機においては、電力増幅器を効率良く使用することを目的として出力電力をこの電力増幅器の飽和電力に可能な限り近いレンジで使用するようにしているため、出力電力が飽和電力に近くなると入力電力の増加に伴い増幅利得が減少し、入出力の位相差のずれも大きくなるという現象(飽和特性または非線形歪み特性)も発生する(図5および図6参照)。この非線形歪み特性も、個々の電力増幅器によって異なる性質となって現れるため、アダプティブアレイ送信機では、各送信系ごとに異なる振幅の減少や位相の回転が発生し、アダプティブアレイ送信の指向性が崩れる要因となる。
【0009】
図7(a)は、上記のキャリブレーション後のAM/AM特性を示す図であり、図7(b)は、上記のキャリブレーション後のAM/PM特性を示す図である。Br#1、Br#2、…、Br#nは、それぞれ送信系1、送信系2、…、送信系nを示している。
【0010】
キャリブレーション動作により、各送信系のG、G、…、Gの値の差、およびθ、θ、…、θの値の差は補正され0となっているので、図5および図6に示した特性曲線の水平(線形)部分は、これらの図においては一致するようになっている。しかし、図中の水平でない(非線形な)部分、すなわち非線形歪み特性は、各送信系によって異なる曲がり方となっているため補正しきれていない。
【0011】
この非線形歪み特性のキャリブレーションを行うためには、入力電力に対し特性がどのように変化するか逐次求め、その結果をウェイト算出に反映させなければならないが、この処理は長時間を要し、特にCDMA(Code Division Multiple Access)方式のような受信信号の電力が瞬間的に大きく変化する通信システムにおいては、各瞬間において最適な各送信系の利得や位相回転量の補正データを算出し、信号に乗算するウェイトに反映させなければならず、現実的な選択肢とはなり得ない。
【0012】
また、従来の装置では、この対策として、電力増幅器を構成する部品のばらつきの許容偏差を厳しくすることや、回路的な調整、電力増幅器の回路設計により、電力増幅器のAM/AM特性およびAM/PM特性の非線形部分の傾きのばらつきを揃えることも行っているが、使用する電力増幅器の制限が厳しく、使用する電力増幅器の個数も多くなるので装置完成後の検収に非常に手間がかかったり、また、電力増幅器の数が増えるのに伴いコスト面で不利になったりという問題がある。
【0013】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、アダプティブアレイ送信に代表されるような複数のアンテナを用い送信信号に指向性を持たせて送信する通信システムにおいて、無線信号が実際に送信される時点においても所望の指向性パターンを維持することができる無線送信装置および無線送信方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の無線送信装置は、複数の送信信号に対し重み付けを行うことにより指向性を形成する指向性形成手段と、指向性が形成された送信信号の電力をそれぞれ増幅する複数の増幅手段と、増幅後の送信信号をそれぞれ送信する送信手段と、前記複数の増幅手段において発生する複数の非線形歪み特性に対応した予歪みを増幅前の送信信号にそれぞれ付加することにより、前記送信手段によって送信される複数の送信信号に単一の非線形歪み特性をそれぞれ残す歪み特性単一化手段と、を具備する構成を採る。
【0015】
本発明の無線送信装置は、前記歪み特性単一化手段は、前記複数の非線形歪み特性に基づいて前記予歪みを生成する際の基準となる基準歪み特性を設定する基準歪み特性設定手段と、前記複数の非線形歪み特性および前記基準歪み特性の差に基づいて前記予歪みを生成する予歪み生成手段と、を具備する構成を採る。
【0016】
これらの構成によれば、アダプティブアレイ送信に代表されるような複数のアンテナを用い送信信号に指向性を持たせて送信する通信システムにおいて、無線信号が実際に送信される時点においても所望の指向性パターンを維持することができ、受信側の受信性能を向上させることができる。
【0017】
本発明の無線送信装置は、前記基準歪み特性設定手段は、前記複数の非線形歪み特性の平均を前記基準歪み特性として設定する構成を採る。
【0018】
この構成によれば、どのブランチにおいても基準値への補正幅がある程度均等になるようにすることができる。
【0019】
本発明の無線送信装置は、前記基準歪み特性設定手段は、前記複数の非線形歪み特性のうち歪みの大きさが最小の非線形歪み特性を前記基準歪み特性として設定する構成を採る。
【0020】
この構成によれば、補正後の非線形歪みの大きさを極力小さくすることができる。
【0021】
本発明の無線送信装置は、前記複数の非線形歪み特性は、定期的に更新される構成を採る。
【0022】
この構成によれば、各送信系のAM/AM特性およびAM/PM特性が時間的に変動するような場合でも、的確な補正をすることができる。
【0023】
本発明の基地局装置は、上記いずれかに記載の無線送信装置を具備する構成を採る。
【0024】
この構成によれば、上記と同様の作用効果を有する基地局装置を提供することができる。
【0025】
本発明の無線送信方法は、複数の送信信号に対し重み付けを行うことにより指向性を形成する指向性形成ステップと、指向性が形成された送信信号の電力をそれぞれ増幅する複数の増幅ステップと、増幅後の送信信号をそれぞれ送信する送信ステップと、前記複数の増幅ステップにおいて発生する複数の非線形歪み特性に対応した予歪みを増幅前の送信信号にそれぞれ付加することにより、前記送信ステップにおいて送信される複数の送信信号に単一の非線形歪み特性をそれぞれ残す歪み特性単一化ステップと、を具備するようにした。
【0026】
この方法によれば、アダプティブアレイ送信に代表されるような複数のアンテナを用い送信信号に指向性を持たせて送信する通信システムにおいて、無線信号が実際に送信される時点においても所望の指向性パターンを維持することができ、受信側の受信性能を向上させることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
電力増幅器によって信号の電力を増幅する際に現れる非線形歪みは、上記の問題だけに限られず様々な問題を引き起こす。従来、これらの問題点を解決するために採っていた手法は総じて、特性曲線の非線形部分を線形部分に修正(補償)すること、すなわち非線形歪みを除去することであった。しかしながら、アダプティブアレイ通信のような場合においては、本来、指向性パターンを保持するためには、増幅過程における特性曲線が完全な線形性を示す必要はなく、各送信系間の特性のずれを揃えるだけで事足りる。
【0028】
本発明者は、この点に着目し、増幅過程における非線形歪みを補償することに固執せず、全送信系の非線形歪み特性を1つに揃えるだけでアダプティブアレイ通信等の指向性パターンを保持できることを見出して本発明をするに至った。
【0029】
すなわち、本発明の骨子は、アダプティブアレイ送信に代表されるような複数のアンテナを用い送信信号に指向性を持たせて送信する通信システムにおいて、信号電力の増幅過程において発生する非線形歪み特性を全送信系で1つに揃えることである。
【0030】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0031】
本実施の形態の特徴は、図1(a)に示すような各送信系(Br#1、Br#2、…、Br#n)のAM/AM特性、および図1(b)に示すような各送信系のAM/PM特性のそれぞれに対し、基準となる基準特性(Ref)を設定し、各送信系の特性とこの基準特性とのオフセット(Ofs#1、Ofs#2、…、Ofs#n)を入力電力ごとに求め、このオフセットをなくすような補正を行うことである。これにより、各送信系ごとのAM/AM特性およびAM/PM特性を1つに揃えることができる。
【0032】
図2は、本実施の形態に係る無線送信装置の構成を示すブロック図である。ここでは、3つのアンテナを用いてアダプティブアレイ送信を行う場合を例にとって説明する。
【0033】
図2に示す無線送信装置は、予歪み生成回路100、送信アンテナ101〜103、方向性結合器104〜106、電力増幅器107〜109、送信部110〜112、乗算器113〜115、ウェイト回路116、RF信号切替器117、校正用受信部118、ベースバンド処理回路119、可変移相器120〜122、可変減衰器123〜125、および遅延回路126〜128を有する。
【0034】
図1において、送信データは、ベースバンド処理回路119において所定のベースバンド信号処理が施され、3つのブランチに分けて出力される。ここで、3つのブランチとは、乗算器113から送信アンテナ101まで、乗算器114から送信アンテナ102まで、および乗算器115から送信アンテナ103までの3つの送信系統のことを指しており、それぞれブランチ1、ブランチ2、およびブランチ3と呼ぶこととする。
【0035】
ウェイト回路116は、ベースバンド処理回路119から指示される指向性パターンに基づいて、3つのブランチのベースバンド信号に乗算するウェイトを算出し、乗算器113〜115に出力する。
【0036】
乗算器113〜115は、ウェイト回路116から出力された3種類のウェイトをベースバンド処理回路119から出力されたベースバンド信号に乗算し、送信部110〜112に出力する。
【0037】
送信部110〜112は、ベースバンド処理回路119から出力されたベースバンド信号に対し直交変調処理、アップコンバート等の所定の無線処理を施し、得られたRF(無線)信号を遅延回路126〜128に出力する。
【0038】
遅延回路126〜128は、予歪み生成回路100が乗算器113〜115の出力に基づいて可変移相器120〜122および可変減衰器123〜125を制御するまでの時間と、乗算器113〜115の出力が送信部110〜112を経て可変移相器120〜122および可変減衰器123〜125に入力されるまでの時間を揃える。
【0039】
可変減衰器123〜125および可変移相器120〜122は、それぞれ予歪み生成回路100の制御の下、RF信号の振幅および位相の調整を施し、電力増幅器107〜109に出力する。このRF信号の振幅および位相の調整方法については、後ほど詳述する。
【0040】
電力増幅器107〜109は、可変移相器120〜122から出力された信号の電力を増幅し、方向性結合器104〜106に出力する。出力されるRF信号には、この増幅過程において、電力増幅器107〜109のAM/AM特性およびAM/PM特性に応じた、振幅の圧縮および位相回転が加わる。このAM/AM特性およびAM/PM特性は、電力増幅器107〜109のハードに依存するものである。
【0041】
方向性結合器104〜106は、増幅後のRF信号を送信アンテナ101〜103に出力すると共に、RF信号切替器117にも出力する。
【0042】
RF信号切替器117は、予歪み生成回路100から出力される制御信号に基づいて、方向性結合器104〜106が出力するRF信号を切り替えて校正用受信部118に出力する。
【0043】
校正用受信部118は、RF信号切替器117から出力されたRF信号を直交復調し、ベースバンド信号に変換し、校正用信号を生成する。生成された校正用信号は、ベースバンド処理回路119および予歪み生成回路100に出力される。なお、ベースバンド処理回路119に出力される信号は、上記のキャリブレーションに使用されるものであり、ベースバンド処理回路119はこの信号に基づいてキャリブレーション動作を決定し、ウェイト回路116に指示する。
【0044】
予歪み生成回路100は、電力増幅器107〜109において発生する振幅の圧縮および位相回転(つまり、RF信号の歪み)を3つのブランチ間で揃えるため、可変減衰器123〜125における減衰量および可変移相器120〜122における移相量(位相回転量)を制御する回路である。
【0045】
図3は、予歪み生成回路100の内部構成を示すブロック図である。
【0046】
予歪み生成回路100は、飽和特性テーブル129〜131、補正値テーブル132〜134、電力算出部135〜138、切替器139、140、ベースバンド信号切替器141、遅延回路142、比較器143、基準値算出部144、基準飽和特性テーブル145、補正値算出部146、および制御部147を有する。
【0047】
ベースバンド信号切替器141は、乗算器113〜115から出力されるベースバンド信号を切り替えて遅延回路142に出力する。この切替は、制御部147の制御の下、RF信号切替器117と同期して行われ、例えば、RF信号切替器117においてブランチ1の信号が選択されているときは、ベースバンド信号切替器141においてもブランチ1の信号が選択されている。
【0048】
比較器143は、遅延回路142を経由し所定の時間遅延されたベースバンド信号と校正用受信部118から出力された直交復調後のベースバンド信号(校正用信号)を比較することにより、各ブランチの増幅器107〜109のキャリブレーション後のAM/AM特性およびAM/PM特性を求める。なお、RF信号切替器117およびベースバンド信号切替器141における切替が、ブランチ1、ブランチ2、ブランチ3とされることにより、全ブランチの電力増幅器のAM/AM特性およびAM/PM特性を得ることができる。
【0049】
飽和特性テーブル129〜131は、ブランチごとのAM/AM特性およびAM/PM特性を格納し、要求があった場合に基準値算出部144または補正値算出部146に出力する。
【0050】
基準値算出部144は、飽和特性テーブル129〜131に格納されている値を読み出し、全ブランチのキャリブレーション後のAM/AM特性(図7(a))およびAM/PM特性(図7(b))を求め、AM/AM特性基準値およびAM/PM特性基準値を算出し、基準飽和特性テーブル145に格納する。
【0051】
補正値算出部146は、基準飽和特性テーブル145に格納されている値を読み出し、基準値と各ブランチのAM/AM特性およびAM/PM特性の差分から、各ブランチごとの補正値(図1のOfs#1、Ofs#2、…、Ofs#n)を算出し、各ブランチにそれぞれ対応している補正値テーブル132〜134にこれらの値を格納する。予め補正値テーブル132〜134に補正値を格納しておくことにより、補正値が必要な際に、同じ演算を繰り返さずに格納されているデータを読み出せばいいだけなので、処理時間を大幅に短縮することができる。
【0052】
制御部147は、電力算出部136〜138から出力される電力値に対応した振幅補正値および位相補正値を補正値テーブル132〜134から読み出し、各ブランチの可変減衰器123〜125、および可変移相器120〜122にそれぞれ制御信号を出力することにより、RF信号の振幅および位相を調整し、全ブランチの入力電力に対する振幅および位相の変化量が等しくなるようにする。
【0053】
次いで、上記の各送信系における非線形歪み特性を1つに揃える手順について、図4に示すフロー図を用いて説明する。
【0054】
まず、電力増幅器107〜109のAM/AM特性を飽和特性テーブル129〜131に各ブランチごとに記憶する(ST1010)。また、同様に電力増幅器107〜109のAM/PM特性を飽和特性テーブル129〜131に各ブランチごとに記憶する(ST1020)。
【0055】
そして、これらに基づいて、各ブランチのAM/AM特性およびAM/PM特性の基準値を入力電力ごとに算出し、基準特性曲線を求める(ST1030)。ここで基準値は、どのブランチにおいても基準値への補正幅がある程度均等になるように、各ブランチの平均値としても良いし、非線形歪みの大きさを極力小さくするために、各ブランチのうち歪みの大きさが最小のものを基準値として設定しても良い。
【0056】
基準特性が決まったら、AM/AM特性およびAM/PM特性を揃えるような各ブランチごとの補正値(図1)を入力電力ごとに算出し(ST1040)、各ブランチごとにある補正値テーブル132〜134に格納する(ST1050)。
【0057】
そして、電力増幅器に入力される電力に対応する補正値を補正値テーブル132〜134から読み出し(ST1060)、これらの補正値に従って電力増幅器107〜109の前段の可変減衰器123〜125、および可変移相器120〜122を制御することにより、各ブランチの非線形歪みを揃える補正を行う(ST1070)。
【0058】
また、送信機の動作中に、電力増幅器の出力信号と送信系への入力信号を比較し、各送信系ごとのAM/AM特性およびAM/PM特性の時間的な変動を測定し、各送信系ごとの電力増幅器のAM/AM特性およびAM/PM特性が常に基準特性となるように各送信系ごとの補正値テーブルを更新することにより、各送信系のAM/AM特性およびAM/PM特性が時間的に変動しても、常に的確な補正をすることができ、各送信系のAM/AM特性およびAM/PM特性を一致させることができる。
【0059】
このように、本実施の形態によれば、アダプティブアレイ送信に代表されるような複数のアンテナを用い送信信号に指向性を持たせて送信する通信システムにおいて、無線信号が実際に送信される時点においても所望の指向性パターンを維持することができ、受信側の受信性能を向上させることができる。また、上記処理は全てデジタル的に行うことが可能なため、実装が容易である。
【0060】
さらに、例えば、本実施の形態の処理を施さない場合の各送信系における出力歪みが−28〜−34dBの範囲でばらつくような状況において、本実施の形態の処理を施せば、基準歪み特性として平均を使った場合には全ての歪みが−31dBに揃い、基準歪み特性として最小歪みに合わせた場合には全ての歪みが−34dBに揃うことになるので、−28〜−31dBの歪みについては歪みを小さくする効果がある。このとき、例えば、歪み規格が−30dBであったならば、本実施の形態のみで歪み規格を満たすことができ、従来の歪み補償回路を装備する必要もなくなる。また、基準歪み特性として、歪み規格に所定のマージンを取った値を理想歪みとして設定すれば、上記と同様に本実施の形態のみで歪み規格を満たすことができ、従来の歪み補償回路を装備する必要がなくなる。
【0061】
なお、ここでは、アダプティブアレイ送信装置を例にとって説明したが、本発明は、複数の送信系を持っていて、ウェイトを送信信号に乗算する送信装置ならば適用することができ、上記と同様の作用効果を得ることができる。また、アンテナの数も3本に限定されない。
【0062】
また、ここでは、電力増幅器のAM/AM特性およびAM/PM特性の検出は、もとのベースバンド信号と校正用信号(電力増幅されたRF信号を直交変調したベースバンド信号)とを比較することにより行う場合を例にとって説明したが、この比較はRF信号に対して行っても良いし、ベースバンド信号に対して行っても良い。
【0063】
さらに、ここでは、AM/AM特性およびAM/PM特性の補正を可変減衰器や可変移相器を経由するRF信号に対し行う場合を例にとって説明したが、この補正はもとのベースバンド信号に対して行っても良い。
【0064】
本発明に係る無線送信装置は、アダプティブアレイ通信に代表されるような複数のアンテナを用い、信号に指向性を持たせて通信を行う通信方式を用いた通信端末装置および基地局装置に搭載することも可能であり、これにより上記と同様の作用効果を有する通信端末装置および基地局装置を提供することができる。
【0065】
また、本発明に係る無線送信装置は、例えば、MIMO(Multi−Input / Multi−Output)通信のような送受信の両方において複数のアンテナを用い通信を行う通信システムにおいて送信信号に指向性を持たせるような場合にも利用可能であり、これにより上記と同様の作用効果を有する通信システムを提供することができる。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、アダプティブアレイ送信に代表されるような複数のアンテナを用い送信信号に指向性を持たせて送信する通信システムにおいて、無線信号が実際に送信される時点においても所望の指向性パターンを維持することができ、受信側の受信性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各送信系の特性曲線、基準特性曲線、および基準特性とのオフセットを示す図
【図2】発明の実施の形態に係る無線送信装置の構成を示すブロック図
【図3】発明の実施の形態に係る予歪み生成回路の内部構成を示すブロック図
【図4】各送信系における非線形歪みを1つに揃える手順について示すフロー図
【図5】各送信系の電力増幅器におけるAM/AM特性を示す図
【図6】各送信系の電力増幅器におけるAM/PM特性を示す図
【図7】(a)キャリブレーション後のAM/AM特性を示す図
(b)キャリブレーション後のAM/PM特性を示す図
【符号の説明】
100 予歪み生成回路
101〜103 送信アンテナ
107〜109 電力増幅器
110〜112 送信部
113〜115 乗算器
116 ウェイト回路
120〜122 可変移相器
123〜125 可変減衰器
129〜131 飽和特性テーブル
132〜134 補正値テーブル
135〜138 電力算出部
143 比較器
144 基準値算出部
145 基準飽和特性テーブル
146 補正値算出部
147 制御部

Claims (7)

  1. 複数の送信信号に対し重み付けを行うことにより指向性を形成する指向性形成手段と、
    指向性が形成された送信信号の電力をそれぞれ増幅する複数の増幅手段と、
    増幅後の送信信号をそれぞれ送信する送信手段と、
    前記複数の増幅手段において発生する複数の非線形歪み特性に対応した予歪みを増幅前の送信信号にそれぞれ付加することにより、前記送信手段によって送信される複数の送信信号に単一の非線形歪み特性をそれぞれ残す歪み特性単一化手段と、
    を具備することを特徴とする無線送信装置。
  2. 前記歪み特性単一化手段は、
    前記複数の非線形歪み特性に基づいて前記予歪みを生成する際の基準となる基準歪み特性を設定する基準歪み特性設定手段と、
    前記複数の非線形歪み特性および前記基準歪み特性の差に基づいて前記予歪みを生成する予歪み生成手段と、
    を具備することを特徴とする請求項1記載の無線送信装置。
  3. 前記基準歪み特性設定手段は、
    前記複数の非線形歪み特性の平均を前記基準歪み特性として設定することを特徴とする請求項2記載の無線送信装置。
  4. 前記基準歪み特性設定手段は、
    前記複数の非線形歪み特性のうち歪みの大きさが最小の非線形歪み特性を前記基準歪み特性として設定することを特徴とする請求項2記載の無線送信装置。
  5. 前記複数の非線形歪み特性は、定期的に更新されることを特徴とする請求項1記載の無線送信装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の無線送信装置を具備することを特徴とする基地局装置。
  7. 複数の送信信号に対し重み付けを行うことにより指向性を形成する指向性形成ステップと、
    指向性が形成された送信信号の電力をそれぞれ増幅する複数の増幅ステップと、
    増幅後の送信信号をそれぞれ送信する送信ステップと、
    前記複数の増幅ステップにおいて発生する複数の非線形歪み特性に対応した予歪みを増幅前の送信信号にそれぞれ付加することにより、前記送信ステップにおいて送信される複数の送信信号に単一の非線形歪み特性をそれぞれ残す歪み特性単一化ステップと、
    を具備することを特徴とする無線送信方法。
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