JP6707450B2 - 特に自動車両のマニュアル変速機の強制潤滑のための、電動機駆動流体ポンプ - Google Patents

Description

本発明は、電動機駆動液体ポンプに関する。特に、本発明は、マニュアル変速機の強制潤滑のために現代の自動車両において大規模に使用されるものなどの、液体ポンプに関する。

マニュアル変速機は、自動車両において、内燃機関と駆動されるべき車両車輪との間のドライブトレイン内に配置されるもので、変速機オイルなどの潤滑剤による潤滑のための潤滑系を有し、この潤滑系は、変速機ハウジング内の潤滑剤溜めから潤滑されるべき領域まで潤滑剤を引き出すという目的を果たす。これらの潤滑されるべき領域には、特に、噛合する歯車、ならびに、回転する部品、特にシャフトおよび歯車のためのベアリングが含まれる。

マニュアル変速機における従来の潤滑系では、潤滑剤溜め内で歯車が「飛沫を飛ばし」、さらなる回転中に歯車およびベアリングに潤滑剤を分散させる、飛沫潤滑と、潤滑剤溜めから導管系を介して潤滑されるべき場所まで潤滑剤を輸送する１つまたは複数のポンプによる、強制潤滑との間で、基本的に区別が行われる。強制潤滑のみが提供される場合、すなわち、歯車のうちのいずれも潤滑剤溜め内へと意図的に浸漬しない場合、これは「ドライサンプ潤滑」と呼称され、これは、飛沫潤滑または組み合わされた潤滑と比較して、歯車によって潤滑剤内に空気を導入することがない、したがって、変速機潤滑の乱れにつながり得るオイルの泡を形成することがない、という利点を有する。加えて、ドライサンプ潤滑を伴うマニュアル変速機では、変速機の効率を損なういわゆる「飛沫損失」が回避される。

電動機駆動潤滑ポンプは、ドライサンプ潤滑を伴うマニュアル変速機の潤滑系に関する先行技術において既に使用されている（たとえば文献ＤＥ−Ａ−１０ ２００５ ００５ １５４を参照）。ここで、潤滑剤が、潤滑剤が潤滑されるべき場所に噴霧される手段であるノズルまで、ポンプ−通常はギアポンプ−によって圧力下で輸送される潤滑系と、圧力を実質的に受けない潤滑剤が、噛合領域および支持場所上に降りかかるかまたは滴る起点となる貯蔵部を有する分配装置まで、単に輸送されるポンプ−たとえば遠心ポンプ−を有する潤滑系との間で、区別を行う必要がある。最後に記述された低圧潤滑系は、特にこれが圧力が関与する解決法と比較してコストの利点を提供することから、本明細書において好ましいポンプ使用の分野を表す。この場合、ノズル閉塞の回避のためのフィルタ構成が不要である、汚染への感受性が全体的により小さくなる、電動機により小さい原動力が提供され得る、等である。

変速機の潤滑剤供給用の電動機駆動遠心ポンプの構造的な詳細は、たとえば文献ＤＥ−Ａ−１０ ２００７ ０１８ ５０４（図７）から明らかである。この例では、電動機およびこれにより駆動されるポンプは、モータ／ポンプユニットを形成し、これは潤滑剤（この文献の用語では「作用媒体」）内に液面より下で直接配置される。この先行技術における電動機およびポンプは、連続して存在し、モータ／ポンプユニットは、吸気流を作動に起因して温度の上がる電動機の表面に沿ってポンプの吸気口まで案内するという目的を果たす導管系によって、追加的に取り囲まれる。熱伝達が改善されることになり、また、潤滑剤の粘度が低くなり、したがって吸気抵抗も低くなるように、電動機とこれに沿って案内される潤滑剤との間の熱的接触によって、潤滑剤が加熱されることになる。結果として、ポンプの輸送速度が大きくなり、したがって潤滑箇所に供給される潤滑剤の量が大きくなることになる。加えて、ポンプが潤滑剤を依然として確実に輸送できる温度範囲の下方拡大が意図される。しかしながら、この先行技術の欠点は、モータ／ポンプユニットが、その周囲の導管系とともに、放射方向においてのみならず軸方向においても、比較的大量の空間を必要とすることである。しかしながら、変速機ハウジングの底部における利用可能な設置空間は、通常は非常に緊密に寸法決めされている。

加えて、自動変速機のオイルパン内に配置された電動機駆動オイル加圧ポンプが、文献ＤＥ−Ａ−１０ ２００６ ０１２ ８３８（図３ｃ）から知られている。この先行技術では、同様に、ポンプおよび電動機は連続して存在し、この電動機は、オイルパンの外側に置かれている。この場合、ポンプの駆動は、オイルパンの壁を通過するシャフトを介して機械的に行われ、この壁に対して封止されている。ポンプおよび電動機の連続したこの配置はまた、比較的大量の空間を必要とする。さらに、必然的にオイルチャンバの外側に配置されねばならず、加えて摩耗の影響を受けやすい、ブラシモータが好ましくは使用される。

さらに、文献ＤＥ−Ａ−１９９ ３４ ３８２および文献ＤＥ−Ａ−１９９ ５６ ３８０は、自動車両の冷却回路／加熱回路用の冷却水ポンプとして使用可能な液体ポンプを開示している。これらの液体ポンプは、固定子および回転子と統合された電動機を有し、この固定子はクローポール固定子であり、この回転子はポンプの羽根車を形成する。この先行技術（ＤＥ−Ａ−１９９ ３４ ３８２、３列４７から５１行目、ＤＥ−Ａ−１９９ ４５ ３８０、４列１７から２２行目）では、特に電動機の整流のための磁場センサ（図示せず）が、これが回転する回転子の変動可能な磁場に曝される場所（これ以上詳細には指定されない）に、設けられ得る。

同様に、固定子と回転子ユニットとの間に封止をするように配置された隔壁が、深絞り成形され得る耐食性材料からより単純でより経済的な様式で構築される、電動機駆動水ポンプが、ＤＥ−Ａ−１０ ２００９ ０４９ ９０４（図１）から知られている。この場合、実質的に中空の円錐形保持要素が、隔壁の中央の場所に一体に形成され、この要素には、回転子ユニットに面するその側面上に、回転子ユニットを装着するための球形摺動体のための球形担持表面が設けられ、また回転子ユニットから離れたその側面上で、温度および／または磁場センサ（図示せず）が中に受容され得る空洞を境界付け（請求項９および請求項１０ならびに要約書−および明細書の［００２７］を参照）、この結果、回転子ユニットおよびセンサのための担持箇所が、必然的にポンプの回転軸に関して軸方向に連続して配置される。

しかしながら、最後に、ポンプ回転軸に沿って見られたときに比較的長い構造であり、特に加熱回路における水ポンプとして使用される、さらなる電動機駆動ポンプが、文献ＤＥ−Ａ−１００ ４５ ５９７（図７および図８）ならびにＤＥ−Ａ−１００ ５２ ７９７（図１）から明らかである。

本発明は、特に自動車両用マニュアル変速機の強制潤滑に対して、上記の欠点を回避し、概説された先行技術と比較してより経済的な設計でより低い構造高さを特に有する、電動機駆動液体ポンプを提供する、という目的を有する。
この目的は、請求項１に示される特徴によって達成される。本発明の有利なまたは目的にかなった発展形態は、請求項２から請求項１５の主題である。

特に自動車両用マニュアル変速機の強制潤滑のために使用可能である、本発明による電動機駆動液体ポンプは、液体入口（１８）及び液体出口（２０）と、ハウジング（１６）中に受容され、液体を輸送するための手段（３０）を有する実質的にカップ形状の、回転軸（Ａ）を中心に回転可能な磁気回転子（２８）を含む電子整流式電動機（２６）とを有するハウジング（１６）と、モータ巻線（３２）を有し前記回転軸（Ａ）に沿って見られたときに前記回転軸（Ａ）に関して同軸の配置で少なくとも部分的に前記磁気回転子（２８）を囲繞する環状固定子（３４）と、前記磁気回転子（２８）の位置認識用の磁場センサ（３６）とを備え、この場合、ハウジングは、固定子を保持し、これを中に回転子が配置される液体チャンバから切り離し、回転軸に沿って見られたときに磁場センサの受容のために構築されたハウジングオフセット部により回転子内へと延在する固定子ハウジング部を有する。

本発明による液体ポンプの駆動がそもそも、ブラシモータとは異なるものとして電子整流式電動機によって形成される、ということに起因して、先行技術に関して上で検討されたような摩耗および障害への感受性が存在せず、さらに液体ポンプが自由に、たとえばマニュアル変速機のオイルチャンバ内にまたはオイルチャンバに直接的に、位置付けられ得る。

この点に関して、回転子がポンプ構成要素（液体を輸送するための手段）と（磁気的な）モータ構成要素の両方である場合、そもそもにおいて特にコンパクトな構造形態が好ましい。どのような形態の駆動側とポンプ側との間の（共）回転接続も、この場合不要になる。さらに、本発明による液体ポンプの低い構造高さに関して、ポンプハウジング内の媒体を切り離しもする固定子ハウジング部の設計は、特別な役割を有する。すなわち、一方では、固定子ハウジング部は、これがカップ形状の回転子を軸方向に見られたときに少なくとも部分的に覆うような方法で、環状固定子を保持する。他方では、固定子ハウジング部は、カップ形状の回転子内へと突出する、電子的整流用の磁場センサが受容される場所である、ハウジングオフセット部を有する。回転子内部領域の利用も伴う、実質的に回転子平面内で駆動する、関連する構成要素のこの疑似「入れ子状」配置により、液体ポンプは、非常に平坦な構造を有する。言い換えれば、上でさらに概説された先行技術とは対照的に、個々の構成要素の連続した純粋な配置ではなく、それらの「１つのものが別のものの中にある」配置が存在する。

液体ポンプの有利な発展形態では、ハウジングは、ポンプの外部にあるフランジ表面を介して液体容器上にフランジ装着され得、複数部分の構造として、固定子ハウジング部から離れて、液体入口と液体出口とを有し液体チャンバを固定子ハウジング部とともに境界付けるポンプハウジング部と、中に少なくとも固定子が配備される電子機器チャンバを固定子ハウジング部とともに境界付けるモータハウジング部とを有し得る。この実施形態では、ポンプハウジングは、より単純でより組み立て易い様式で、ポンプの「濡れた」領域をポンプの「乾いた」領域から切り離すための、および、この「乾いた」領域全体を、液体または環境／雰囲気、すなわち（ａ）液体入口と液体出口とを介して規定された様式で液体が透過可能な、境界としてのポンプハウジング部と、（ｂ）ポンプ内の「濡れた」液体チャンバと「乾いた」電子機器チャンバとの間の媒体切り離し境界としての固定子ハウジング部と、（ｃ）環境／雰囲気の残りの部分に対する境界としてのモータハウジング部とに対して境界付けるための、最低限のハウジング構成要素のみを備える。

原理的には、液体ポンプのハウジング構成要素は、たとえばアルミニウム合金などの軽量金属から成ることができる。ただし、低い製造コストの観点から、ハウジング構成要素が、射出技術、すなわちプラスチック材料射出成形によって製造され得る、プラスチック材料部品として実施されれば好ましい。ハウジング構成要素を互いに固止するために、たとえば、ねじ接続、リベット接続、またはスナップ接続が考えられる。ただし、特に経済的なハウジング設計のためには、プラスチック材料部品として製造されたポンプハウジング部およびモータハウジング部が、１つに溶接されれば好ましい。

さらに、固定子ハウジング部は、液体ポンプのハウジングにおける、単純であり軸方向ならびに放射方向の位置に関して精確な固止の観点から、ポンプハウジング部とモータハウジング部との間の所定位置にクランプされ、（追加的に）固定子ハウジング部をモータハウジング部において回転子の回転軸に関して中心に配置させる、固定子ハウジングフランジを有し得る。

液体ポンプの特に好ましい実施形態では、同時に−多機能な様式で−、（第１に）ポンプの外部にあるハウジングのフランジ表面において液体容器に対して封止を行い（液体と環境／雰囲気との間の「ポンプ外部の」切り離し）、（第２に）液体チャンバを電子機器チャンバから切り離し（「ポンプ内部の」媒体切り離し）、（第３に）電子機器チャンバを環境に対して封止する（水分の透過またはポンプの汚染に対する封止）、封止要素が設けられ得る。現在の先行技術とは対照的に、複数の封止インサートは要求されずまた取り扱われる必要がなく、これらと結び付けられる欠点（組立コスト、個々の封止材の「移動」のリスク、等）が、たとえばハウジング構成要素の封止された溶接などの代替の方策がハウジングにおいて提供される必要なく、回避される。加えて、ポンプは予め「ポンプの外部に」封止のための手段を保持しているので、液体容器におけるポンプの組立／フランジ装着は、形態が単純である。結果として、加工安全性と、したがってさらに信頼性を有する、安価なポンプ封止が達成され得る。

この点に関して、ポンプの外部にあるハウジングのフランジ表面には、液体容器に対して封止を行うために、少なくとも１つの封止リップ、好ましくは２つの封止リップによりポンプの外部にあるフランジ表面を越えて突出する、封止要素の第１の封止部を受容するための、包囲する溝が設けられ得る。この種類の２重封止は、特に汚染の影響を受けない信頼性の高い様式で封止を行う。液体容器のフランジ表面におけるかき傷または類似のものは「橋渡しされ」得る。結果として、フランジ表面の清浄度または平滑度に関する特別な要請が存在しない。

さらに、この配置は、ポンプハウジング部が、ポンプの外部にあるフランジ表面およびポンプの内部にあるフランジ表面が対向する両側に形成されるポンプハウジングフランジを有し、このポンプの内部にあるフランジ表面には、封止要素の第２の封止部を受容するための包囲する溝が設けられ、この第２の封止部は２つの封止リップによりポンプの内部にあるフランジ表面を越えて突出し、この場合、−封止リップのより明確で一意的な機能割り当てとして−一方の封止リップは、液体チャンバを電子機器チャンバから切り離すために固定子ハウジング部と協働し、一方で、他方の封止リップは、電子機器チャンバを環境に対して封止するためにモータハウジング部と協働するようなものとすることができる。この場合、封止リップは有利には、固定子ハウジング部およびモータハウジング部のフランジ領域における−許容差のみに起因して異なる場合がある−異なるハウジング厚さを補償し得る。

加えて、エラストマ材料から成る封止要素は、封止要素がより組み立て易い様式において液体ポンプの固定された構成要素となるように、ポンプハウジング部に取り付けられ得る。原理的には、封止要素はこの場合、ポンプハウジング部内に組み込まれ得るかまたはその表面に差し込まれ得る。ただし、単純な製造の能力および加工信頼性（組立誤りの回避）の観点から、封止要素が、噛み合っているべきポンプハウジング部に射出成形されれば好ましい。

信頼性が高く機械的に確実な、ポンプハウジング部への封止要素の固定のために、ポンプの外部にあるフランジ表面の包囲する溝とポンプの内部にあるフランジ表面の包囲する溝との間に、円周方向に離間される、封止要素の第１の封止部と第２の封止部とを１つに接続するために封止要素のエラストマ材料が射出成形される際に通る、複数の開口部が提供され得る。封止要素はこうして、ポンプハウジング部上に１回の加工段で有利に射出成形され得る。ポンプハウジングフランジの２つの側面上の溝の、重なるまたは一致する配置の場合、封止配置は、放射方向において非常にコンパクトな構造でもある。これ以外に、２つの側面に関する封止が１つの直径上で疑似的に行われる配置は、比較的「柔らかい」または可撓性のハウジング構成要素の場合でさえも、ハウジング変形に起因する漏れのリスクが最小化されるという利点を有する。

液体ポンプの有利な発展形態では、固定子の電極シートは、プラスチック材料から成る固定子ハウジング部内に、プラスチック材料射出成形封入によって埋め込まれ得る。結果として、モータ巻線および電極シートから液体チャンバへの最適な熱放散が可能とされる。同時に、モータ巻線は、射出成形された封入プラスチック材料によって電気絶縁される。

本発明の概念をさらに追究すると、温度センサが、液体ポンプのハウジング内に、好ましくは液体出口の近くで統合され得、特に固定子ハウジング部の受容凹部内に受容され得、この結果として、外部温度センサおよびこれと結び付けられる（組立）コストが、全ての場合において排除される。輸送された液体の温度の検出を通して、冷却の必要性とともに、−オイルの場合その潤滑効果にとって重要である−その粘度について決定が成され得、電動機の回転速度が好適に制御され得、これに関して、たとえば、より高い温度になる傾向は、冷却のより大きい必要性、したがってより高いポンプ回転速度が要求されることを示す。温度センサを液体出口の近くに位置付けることは、そこで検出される温度が、ポンプによって送達される液体の特性に関する最大の有効性の記述を行う、という利点を追加的に有する。さらに、輸送が行われるときに液体出口で液体流が生じる結果としてのそこでの熱蓄積に起因する、誤検出のリスクが存在しない。

さらに、少なくとも電動機の電子的整流のために必要な電子的構成要素を、ならびに追加的にセンサ要素を保持し、プレス嵌め接続を介して液体ポンプの電気部品が接触させられる電子回路基板が、ハウジング内に統合され得る。同様に想到可能である、溶接接続またははんだ付け接続と比較して、プレス嵌め接続は、より低いコストで製造され得る。

液体ポンプの好ましく同様に特にコンパクトな実施形態では、ハウジングの液体出口はさらに、回転子の回転軸に対して横断方向に配向され得る。輸送されるべき液体に関するそのような放射方向の給送は、問題なく、非常に低い液体レベルの場合でさえも空気を導入することなく、機能する。

さらに、回転子が、モータ巻線と協働する永久磁性の外側シリンダ選択と、さらに、固定子ハウジング部のハウジングオフセット部から離れた側に、羽根車として形成されプラスチック内に組み込まれる磁性材料からハウジング内に回転可能に装着された回転子シャフト上に直接射出成形される、基部とを有する、ということが提供され得る。一方で、そのような回転子は、特に経済的に製造され得る。他方で、そのようなシャフト解決法は−原理的に同様に想到可能である、ハウジングに対して固定された軸上で回転子が回転するアクスル解決法と比較して−、充分な支持長さを提供するための回転子における担持軸部または類似のものが不要となり、このことがひいては短い構造長さに寄与し、また、ハウジングにおける回転子シャフトの回転的装着が、さらに離れた担持箇所をもたらし、このことが回転子の良好な回転にとって有益である、というような種類の利点を有する。

原理的には、担持箇所はこの場合、担持ブッシュまたは類似のものがハウジング内に入れられることによって、最終的に形成され得る。ただし、低コストの観点から、回転子シャフトが基部の各側で、少なくとも放射方向においてハウジング内に直接、特に、一方で固定子ハウジング部のハウジングオフセット部において、他方でポンプハウジング部の支持延長部において、装着されれば好ましい。

本発明は、説明の単純化のためにエラストマ製のまたは弾性の部品が変形されていない状態で示されている、以下の添付の−部分的に概略的な−図面を参照して、好ましい実施形態によって、以下でより詳細に説明される。

上方および左前方から斜めに、ポンプの外部にあるたとえば変速機ハウジングなどの液体容器に固止するためのフランジ表面上を見て示す、装着されていない状態にある、本発明の好ましい第１の実施形態による電動機駆動液体ポンプの斜視図。 図１における上方からの、図１による液体ポンプの平面図。 破断された形態で示される変速機ハウジング上に装着する状態の、図２における２段とされた切断線ＩＩＩ−ＩＩＩに対応する、図２の縮尺と比較して拡大された縮尺による、図１による液体ポンプの断面図。 ３重の機能を有する包囲する封止要素をよりよく説明するための、図３における詳細の円ＩＶに対応する、さらに拡大された縮尺による図１による液体ポンプの部分断面図。 図２における切断線Ｖ−Ｖに対応する、図２の縮尺と比較して拡大された縮尺による、図１による液体ポンプの断面図。 図３における２段とされた切断線ＶＩ−ＶＩに対応する、図３の縮尺と比較して拡大された縮尺による、ただし図３と対照的に装着されていない状態にある、すなわち変速機ハウジングおよび固止手段のない、図１による液体ポンプの断面図。 本発明の第２の実施形態による、電動機駆動液体ポンプの長手方向断面図。

図面において参照符号１０は、図３では単に下側部分、すなわち液体容器としての役割を（追加的に）果たす変速機ハウジング１２が破断された形態で示されている、自動車両用マニュアル変速機の強制潤滑のための電動機駆動液体ポンプを、全体的に指定する。液体ポンプ１０は、外側から変速機ハウジング１２上に装着され、より精確には、液体ポンプ１０の液体入口１８および液体出口２０が、変速機ハウジング１２の開口部２２を通して変速機ハウジング１２内へと突出するように、ポンプの外部にある液体ポンプ１０のハウジング１６のフランジ表面１４を介して、フランジ装着される。液体入口１８は、図３において２４で水平線によって示される、変速機ハウジング１２の中の変速機オイル充填レベルよりも下に配備される一方、液体出口２０は、上方で変速機オイル充填レベル２４を越えて外に延在し、ここにおいて液体出口２０は、−ここでは示されない方法で−変速機オイル用の分配装置系（図示せず）と流体接続する。

電子整流式電動機２６は、ハウジング１６内に受容され（図３および図５を参照）、回転軸Ａを中心に回転可能であり液体を輸送するための手段として端部に複数の湾曲したブレード突出部３０（特に図６を参照）を設けられる実質的にカップ形状の磁気モータ２８と、モータ巻線３２を有する固定子３４と、回転子２８の回転角度位置の認識のための−電子的整流のためにそれ自体知られている様式で必要とされる−磁場センサ３６（図３を参照）とを備える。この点に関して、ハウジング１６は、液体入口１８と液体出口２０とを有する上側ポンプハウジング部３８と、環状固定子３４が回転軸Ａに沿って見られたときに回転軸Ａに対する同軸の配置で少なくとも部分的に回転子２８を取り囲むように環状固定子３４を保持し、回転子２８がそのブレード突出部３０により中に配置される液体チャンバ４２をポンプハウジング部３８とともに境界付ける、中央固定子ハウジング部４０と、中にとりわけ固定子３４が置かれる電子機器チャンバ４６を固定子ハウジング部４０とともに境界付ける下側モータハウジング部４４とを有する、複数部品、より精確には３部品の構造である。

特にコンパクトな実施形態では、固定子ハウジング部４０は、回転軸Ａに沿って見られたとき、磁場センサ３６の受容のために構築されるハウジングオフセット部４８により、回転子２８内へと延在する。加えて、以下で同様により詳細に記載されるように、ハウジング１６に封止要素５０が設けられ、この封止要素は、３重の機能として同時に、ポンプの外部にあるハウジング１６のフランジ表面１４において変速機ハウジング１２に対して封止を行い、液体チャンバ４２を電子機器チャンバ４６から切り離し、電子機器チャンバ４６を環境に関して封止する。

レーザ透過性のグラスファイバ強化ポリフタルアミド（ＰＰＡ３５ＧＦ）からプラスチック材料部品として構築されるポンプハウジング部３８に関するさらなる詳細は、特に図３、図５、および図６から推測され得る。これに応じて、ポンプハウジング部３８は、ポンプの外部にあるフランジ表面１４およびポンプの内部にあるフランジ表面５４が対向する両側に形成されるハウジングフランジ５２を、放射方向外向きに有する。エラストマ材料から成る封止要素５０は、ポンプハウジング部３８のポンプハウジングフランジ５２に、この後で記載される様式で固着される。

ポンプハウジング部３８は、ポンプハウジングフランジ５２内に放射方向にドームのような隆起部を伴って形成され、部分的に回転子２８および固定子ハウジング部４０とともに、液体チャンバ４２の領域において、４つの領域、すなわち−放射方向内向きから放射方向外向きの方向に見られたときに−、（第１に）中央の、すなわち回転軸Ａに関して中心に配置された、実質的に漏斗形状の入口領域５８（特に図５を参照）、（第２に）液体ポンプ１０の作動時に回転子２８のブレード突出部３０が中を移動する、中央の実質的に環状の加速領域６０、（第３に）実質的にらせん形状の輸送領域６２（この目的に関しては図１および図２も参照）、および最後に（第４に）この実質的にらせん形状の輸送領域６２が開口する先となる、ポンプハウジングフランジ５２に隣接して回転軸Ａと実質的に平行に延在する管状出口領域６４、へと実質的に分割され得る、ポンプチャネル５６を境界付ける。ポンプチャネル５６の中央加速領域６０に対して軸方向に突出する、実質的に漏斗形状の入口領域５８は、外周側にハウジング１６の液体入口１８を形成し、したがってこの入口は、回転子２８における回転軸Ａに対して実質的に横断方向に配向され、この入口によって−図１および図２において最もよく見られ得るように−、液体（ここでは変速機オイル）は、ほとんど全周（約３６０°）にわたって、液体ポンプ１０内へと流入することができる、すなわち、放射方向に延在する３つのウェブ６６によってのみ中断される。漏斗形状の入口領域５８において、液体は次いで、これが自体のブレード突出部３０を有する回転子２８上に衝突するまで、（回転軸Ａの方向における放射方向から回転軸Ａに沿った軸方向への）９０°にわたる流れの偏向を受け、このブレード突出部３０において、（回転軸Ａに沿った軸方向から回転軸Ａから離れる方向における放射方向への）約９０°にわたるさらなる流れの偏向が生じる。断面で見られるように（図３、図５）、軸方向において対向する両側でポンプハウジング部３８と回転子２８とによってほぼ一定の流れ断面を有するように境界付けられる、ポンプチャネル５６の中央加速領域６０において、液体は次いで、ブレード突出部３０の形状の結果として、回転子２８の回転方向Ｒ（図６を参照）に対応する放射方向外向きにおよび円周方向に加速され、その後、この液体は、実質的にらせん形状の輸送領域６２内へと渡る。（最初に）回転子２８および固定子ハウジング部４０によって軸方向の一方側で、ならびにポンプハウジング部３８によって軸方向の他方側でおよび周縁で、回転方向Ｒにおいて見られるようならせんの進路に対応して大きくなる流れ断面を有するように境界付けられる、ポンプチャネル５６の輸送領域６２において、液体は次いで、実質的に円周方向に管状出口領域６４へと輸送される。出口領域６４の始まりにおいて、（実質的な円周方向から回転軸Ａと平行な軸方向への）約９０°にわたる液体の流れの偏向が、その後再び生じ、この後、液体は、出口領域６４によって形成された液体出口２０を介して液体ポンプ１０によって最終的に送達されるように、出口領域６４の一定の円形流れ断面に沿って流れる。

図３および図５によれば、ポンプハウジング部３８は、中央領域において、すなわち入口領域５８に隣接して、−この後で記載される−回転子２８を装着するための支持突出部６８を、追加的に有する。射出成形されたポンプハウジング部３８の、ハウジング１６のその他の部品との接続に関する限り、ポンプハウジング部３８に関して、ポンプハウジングフランジ５２に、ポンプの内部にありこれと隣接するフランジ表面５４の放射方向外向きに、平面視して見られたときに実質的に相補の関係となるように形成される包囲する襟部７２をモータハウジング４４において受容するための、包囲する溝７０が設けられる、ということが、最後に述べられねばならない。さらに、ポンプハウジング部３８は、図１、図２、および図６によれば、ピン７６（再び図６を参照）を位置付けるための、７４における（図６では下方中央にダボおよび上方右にスロットを有する）固定子ハウジング４０で形成される装着部を有し、これらのピンは、固定子ハウジング部４０をポンプハウジング部３８に対して整合させるという目的を果たす。

グラスファイバ強化ポリフタルアミド（ＰＰＡ５０ＧＦ）からプラスチック材料部品として同様に射出成形されるモータハウジング部４４は、−固定子ハウジング部４０を介して間接的に好適に整合された−ポンプハウジング部３８に、特にその襟部７２がポンプハウジングフランジ５２の溝７０内で包囲を行う状態で、レーザ溶接される（図４では、溝７０の基部においてクロスハッチングによって示されている）。この場合、図４および図５によれば、ポンプハウジング部３８は、ポンプの内部にある、ポンプハウジングフランジ５２のフランジ表面５４を介して、襟部７２に放射方向内向きに隣接する、モータハウジング部４４の包囲する肩部７８上で支持される。

例示された実施形態では、モータハウジング部４４は、放射方向外向きに、射出成形によって噛み合う様式で封入された金属製スリーブ８２によって各々ライニングされた、４つの固止穴８０を有する。図３において示されるように、液体ポンプ１０を外側から変速機ハウジング１２に取り付けるために、およびこの場合ハウジング１６の個々の部品をしっかりと１つに接続するためにも、液体ポンプ１０の装着された状態におけるスリーブ８２は、変速機ハウジング１２の−開口部２２の周囲に分散される−それぞれ関連付けられたねじ山付き孔８６内へと螺着される、キャップねじ８４によって貫通される。他方で、上で検討されたようなポンプハウジング部３８とモータハウジング部４４との間の溶接された接続は、主として移送中の固着としての役割を果たす。

モータハウジング部４４には、図１、図２、および図６における左側の固止穴８０同士の間に、液体ポンプ１０の電気端子用のプラグ襟部８８が設けられる。この点に関して、図５による断面において例として、プラグ襟部８８の領域から電子機器チャンバ４６内へと延在する導電体９０が、モータハウジング部４４内へと入れられるかまたはそこに射出成形されることが見られ得る。図４および図５による断面図は、それ自体知られておりポンプ制御のために必要な電子的構成要素を有する、電子回路基板９２が、ハウジング１６の電子機器チャンバ４６内に統合されることも示す。電子回路基板９２自体は、図５において９４で１つの接続が示されている、複数のプレス嵌め接続を介して、モータハウジング部４４内で導電体９０に対して接触させられ、モータハウジング部４４において内部に形成され電子回路基板９２が部分的にねじ９８によって追加的に取り付けられる、突出部９６上で支持される。ポンプハウジング部３８用の位置決めピン７６と同様に、固定子ハウジング部４０も、図３および図５において下方にあり、モータハウジング部４４の関連付けられた穴（ダボ穴およびスロット、図面には示されていない）内に係合しこの場合電子回路基板９２の対応する穴（図示せず）を通って延在する、（ここでは見えない）位置決めピンを有する。液体ポンプ１０の電気部品は同様に、プレス嵌め接続９４を介して電子回路基板９２に対して接触させられる。これらのうち、図３には例として、固定子ハウジング部４０内へと入れられるかまたはそこに射出成形され温度センサ１００が接続される、さらなる導電体９０のための、プレス嵌め接続９４のみが示されている。モータ巻線３２のためのおよび磁場センサ３６のための、対応する電気的接続（これ以上詳細には図示せず）が存在する。

固定子ハウジング部４０も、グラスファイバ強化ポリフタルアミド（ＰＰＡ５０ＧＦ）からプラスチック材料部品として射出成形される。この点に関して、前記導電体９０だけでなく、固定子３４の電極シート１０２も、固定子ハウジング部４０のプラスチック材料による射出成形封入によって埋め込まれる。モータ巻線３２は射出成形工程の後でしか装着されず、このモータ巻線３２は、直交層巻線として経済的に構築される。固定子３４は、摩擦嵌めを用いて電極シート１０２の放射方向外向きに突出する縁部上へと引かれ、さらに圧着によって電極シート１０２の縁部と接続される（図面では見えない）、スロット付き（図示されない）の金属製接地リング１０４によって完成される。

固定子３４を保持する、固定子ハウジング部４０の領域は、回転子２８が中へと入る環状空間１０６を残しつつ、固定子ハウジング部４０の中央ハウジングオフセット部４８を、回転軸Ａに関して同軸の位置関係で取り囲む。図３によれば、ハウジングオフセット部４８には、その放射方向外向きに配備された位置に、すなわち回転軸Ａから放射方向に離間されたところに、モータハウジング部４４に向かって開いている、たとえばホール素子であり得る磁場センサ３６の受容のための、凹部１０８が設けられる。図３および図５によれば、回転子２８をジャーナル軸支するためのさらなる担持突出部１１０が、ポンプハウジング部３８から離れた側で、示される実施形態では実質的にカップ形状である、固定子ハウジング部４０のハウジングオフセット部４８に設けられる。磁場センサ３６を受容するための凹部１０８および担持突出部１１０によって形成される担持位置はしたがって、回転子２８内に、回転軸Ａに対して横断方向に延在する平面内で、離間されるが互いと隣接して存在する。前記機能要素のこの「互いと隣接する放射方向の配置」は、液体ポンプ１０の平坦な構造形態にとっても有利である。これ以外に、磁場センサ３６は、回転子２８の外壁の近くに配置され、このことは、一方では回転軸Ａからの最大サイズの離間、および他方では回転子２８に近いことにより、検出される信号の良好な品質に寄与する。

図２、図３、および図６によれば、加えて、固定子ハウジング部４０の下位領域１１２が、放射方向に見られたときに、固定子３４に隣接してポンプハウジング部３８の方向へと軸方向に傾斜部のような様式で、固定子ハウジング部４０の残りの部分を越えて突出し、こうして、ポンプチャネル５６のらせん形状の輸送領域６２と管状出口領域６４との間で力の損失を低減する、「穏やかな」移行部を形成する。図３および図６によれば、固定子ハウジング部４０のこの下位領域１１２には、温度センサ１００が液体ポンプ１０のハウジング１６内に液体出口２０の近くで統合されるように、モータハウジング部４４に向かって開いている、温度センサ１００のための受容凹部１１４が設けられる。

最後に、固定子ハウジング部４０は、ポンプハウジング部３８とモータハウジング部４４との間でサンドイッチのような様式で所定位置にクランプされ、固定子ハウジング部４０をモータハウジング部４４における関連付けられる段部１１８において回転軸Ａに関して放射方向の中心に配置させる、固定子ハウジングフランジ１１６を、放射方向外向きに有する。

説明の単純化のために変形されずに示されている、包囲する封止要素５０のさらなる詳細は、特に図４および図６から明らかである。これらによれば、ポンプの外部にある、ハウジング１６の、フランジ表面１４から始まるポンプハウジング部３８のポンプハウジングフランジ５２には、変速機ハウジング１２に対する封止を提供するように、２つの封止リップ１２４、１２６、すなわち放射方向内側の封止リップ１２４と放射方向外側の封止リップ１２６とにより、ポンプの外部にあるフランジ表面１４を越えて突出する、封止要素５０の第１の封止部１２２の受容のための、包囲するくぼみまたは溝１２０が設けられる。さらに、ポンプの内部にあるフランジ表面５４から始まるポンプハウジングフランジ５２には、封止要素５０の第２の封止部１３０を受容するための、さらなる包囲するくぼみまたは溝１２８が設けられる。この第２の封止部１３０は、２つの封止リップ１３２、１３４により、ポンプの内部にあるフランジ表面５４を越えて突出し、これらのうちの一方である、放射方向内側の封止リップ１３２は、液体チャンバ４２を電子機器チャンバ４６から切り離すように、固定子ハウジング部４０の固定子ハウジングフランジ１１６と協働する。他方である、放射方向外側の封止リップ１３４は、これに対し、電子機器チャンバ４６を環境から封止するように、モータハウジング部４４の関連付けられる肩部１３６と協働する。この場合、封止要素５０の第２の封止部１３０は、回転子２８の回転軸Ａに関する放射方向において、固定子ハウジング部４０の固定子ハウジングフランジ１１６とモータハウジング部４４における段部１１８との間の中央領域にわたって延在するか、またはこれを覆い、この場合、封止リップ１３２、１３４の変形の結果として、ハウジング１６の個々の部品同士の間に、規定された付勢力も生成される。

示される実施形態では、封止要素５０は、噛み合っているべきポンプハウジング部３８のポンプハウジングフランジ５２において射出成形される。この目的のために、ポンプハウジングフランジ５２において、ポンプの外部にあるフランジ表面１４の包囲する溝１２０とポンプの内部にあるフランジ表面５４の包囲する溝１２８との間に、円周方向においてすなわち溝１２０、１２８に沿って見られたときに好ましくは均一に離間され、封止要素５０の第１の封止部１２２と第２の封止部１３０とを材料結合を介して相互接続するために、溝同士を接続し、射出成形によって封止要素５０のエラストマ材料により貫通される、複数の開口部１３８が形成される。

最後に、回転子２８、およびハウジング１６におけるその装着に関するさらなる詳細は、特に図５によって示される。回転子２８は、固定子３４のモータ巻線３２とそれ自体知られている様式で協働する永久磁性の外側シリンダ部１４０と、さらに、固定子ハウジング部４０のハウジングオフセット部４８から離れた側にブレード突出部３０を有する羽根車として構築され、プラスチック材料内に組み込まれハウジング１６内に回転可能に装着される金属製（好ましくは鋼製）回転子シャフト１４４上に直接射出成形されてブレード突出部３０を共同して形成する磁性材料から成る、基部１４２とを有する。回転子シャフト１４４は、ハウジング１６内において基部１４２の各側で、すなわち、一方で固定子ハウジング部４０のハウジングオフセット部４８の担持突出部１１０における円筒形凹部１４６内で、他方でポンプハウジング部３８の担持突出部６８における円筒形凹部１４８内で、放射方向において直接、すなわちベアリングブッシュまたは類似のものを用いずに、ジャーナル軸支される。この点に関して、回転子シャフト１４４は、図５では軸方向において底部で、すなわち端部で、担持突出部１１０の凹部１４６の基部上に支持される。図５において上方では、回転子２８の基部１４２と担持突出部６８との間に、回転子シャフト１４４を取り囲むスラストワッシャが設けられ得、このワッシャを介して、液体ポンプ１０の動作時、回転子２８がそこで生じる圧力条件に起因して重力に逆らって持ち上げられるときに、回転子２８が担持突出部６８において軸方向に支持される。

以下では、第２の実施形態による液体ポンプ１０について、これが図１から図６を参照して上で詳細に記載された第１の実施形態から著しく異なる範囲においてのみ、図７を参照して記載される。この点に関して、同じ参照符号は、第１の実施形態のものと同じかまたはそれらに対応する、第２の実施形態の構成要素または下位組立体を指定する。

ここにおける著しい違いは、回転子２８の領域における固定子ハウジング部４０の構造、および固定子ハウジング部４０における回転子２８の装着−図７における下方での−から成る。第２の実施形態では、ハウジングオフセット部４８は、実質的にカップ形状となるようには形成されず、基部１５１を介して固定子ハウジング部４０において一体に形成される２つの部分を有し、この基部は、回転軸Ａの方向に見られたとき平面視して円形であり、この基部によってハウジングオフセット部４８は−やはり回転軸Ａの方向に見られたとき−、回転子２８、すなわち中央担持部１５２、および担持部１５２から回転軸Ａに関して放射方向に離間される、回転子２８のシリンダ部１４０の近傍にあるセンサ部１５４内へと、延在する。

担持部１５２は、回転子２８に向かって開いており、センサ部１５４の軸方向高さにおいて、回転子シャフト１４４をラジアルに直接装着するための円筒形凹部１４６を設けられる。ただしここでは、回転子シャフト１４４は、担持部１５２における円筒形凹部１４６の底部または基部までは延在せず、そこから軸方向に離間された手前で終わる。この目的のために、担持部１５２は、第１の実施形態における担持突出部１１０よりも長くなるように構築され、回転軸Ａの方向に見られたときに、回転子２８の基部１４２の少し前で終わる。回転子シャフト１４４を取り囲み、介在することで回転子２８が担持部１５２上で軸方向に支持され得る、第２のスラストワッシャ１５８が、担持部１５２の環状端部表面１５６と回転子２８の基部１４２との間に挿入される。

他方で、センサ部１５４は、電子機器チャンバ４６または電子回路基板９２に向かって開いている、磁場センサ３６を受容するための凹部１０８を設けられ、回転子２８のシリンダ部１４０の高さの半分までしか延在しない。結果として、この実施形態でも、磁場センサ３６および回転子シャフト１４４のためのラジアル担持箇所は、回転子２８内の固定子ハウジング部４０の側で、回転軸Ａに対して横断方向にまたは垂直方向に延在する１つの平面内に、非常にコンパクトな構造形態で配置される。

自動車両用マニュアル変速機の強制潤滑のために使用可能である電動機駆動液体ポンプは、液体入口と液体出口とを有するハウジングと、この中に受容される電子整流式電動機とを備える。この電子整流式電動機は、液体を輸送するための手段を有する、回転軸を中心に回転可能な実質的にカップ形状の磁気回転子と、モータ巻線を有し回転軸に沿って見られたときに回転軸に関して同軸の配置で少なくとも部分的に回転子を取り囲む環状固定子と、回転子の位置認識用の磁場センサとを備える。ハウジングはこの接続において、固定子を保持し、これを回転子が中に配置される液体チャンバから切り離し、液体ポンプ全体が低い構造高さしか有さないように、回転軸に沿って見られたときに磁場センサの受容のために構築されるハウジングオフセット部により回転子内へと延在する、固定子ハウジング部を有する。

以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
［１］ 液体入口（１８）及び液体出口（２０）と、ハウジング（１６）中に受容され、液体を輸送するための手段（３０）を有する実質的にカップ形状の、回転軸（Ａ）を中心に回転可能な磁気回転子（２８）を含む電子整流式電動機（２６）とを有するハウジング（１６）と、
モータ巻線（３２）を有し前記回転軸（Ａ）に沿って見られたときに前記回転軸（Ａ）に関して同軸の配置で少なくとも部分的に前記磁気回転子（２８）を囲繞する環状固定子（３４）と、
前記磁気回転子（２８）の位置認識用の磁場センサ（３６）とを備える、特に自動車両用マニュアル変速機の強制潤滑のための、電動機駆動液体ポンプ（１０）であって、
前記ハウジング（１６）が、前記環状固定子（３４）を保持し、前記環状固定子（３４）を、中に前記磁気回転子（２８）が配置される液体チャンバ（４２）から切り離し、前記回転軸（Ａ）に沿って見られたときに前記磁場センサ（３６）を受容するように形成されたハウジングオフセット部（４８）により前記磁気回転子（２８）内へと延在する、固定子ハウジング部（４０）を有する、電動機駆動液体ポンプ（１０）。
［２］ 前記ハウジング（１６）が、電動機駆動液体ポンプの外部にあるフランジ表面（１４）を介して液体容器（１２）上にフランジ装着され得、複数部分の構造として前記固定子ハウジング部（４０）に加えて、前記液体入口（１８）と前記液体出口（２０）とを有し前記液体チャンバ（４２）を前記固定子ハウジング部（４０）とともに境界付けるポンプハウジング部（３８）と、少なくとも前記環状固定子（３４）が中に置かれる電子機器チャンバ（４６）を前記固定子ハウジング部（４０）とともに境界付けるモータハウジング部（４４）とを備える、［１］に記載の電動機駆動液体ポンプ（１０）。
［３］ 前記ポンプハウジング部（３８）および前記モータハウジング部（４４）が、プラスチック材料部品として構築され１つに溶接されている、［２］に記載の電動機駆動液体ポンプ（１０）。
［４］ 前記固定子ハウジング部（４０）が、前記ポンプハウジング部（３８）と前記モータハウジング部（４４）との間で所定位置にクランプされ、前記固定子ハウジング部（４０）を前記モータハウジング部（４４）において前記回転軸（Ａ）に関して中心に配置させる、固定子ハウジングフランジ（１１６）を有する、［２］または［３］に記載の電動機駆動液体ポンプ（１０）。
［５］ 封止要素（５０）が設けられ、前記封止要素が同時に、前記電動機駆動液体ポンプの外部にある前記ハウジング（１６）の前記フランジ表面（１４）を前記液体容器（１２）に対して封止し、前記液体チャンバ（４２）を前記電子機器チャンバ（４６）から切り離し、前記電子機器チャンバ（４６）を環境に対して封止する、［２］から［４］のいずれか一項に記載の電動機駆動液体ポンプ（１０）。
［６］ 前記ポンプの外部にある前記ハウジング（１６）の前記フランジ表面（１４）に、前記液体容器（１２）に対して封止するために２つの封止リップ（１２４、１２６）により前記ポンプの外部にある前記フランジ表面（１４）を越えて突出する前記封止要素（５０）の第１の封止部（１２２）の受容のための、包囲する溝（１２０）が設けられる、［５］に記載の電動機駆動液体ポンプ（１０）。
［７］ 前記ポンプハウジング部（３８）が、前記ポンプの外部にある前記フランジ表面（１４）および前記ポンプの内部にあるフランジ表面（５４）が対向する両側に形成されるポンプハウジングフランジ（５２）を有し、前記ポンプの内部にある前記フランジ表面には、２つの封止リップ（１３２、１３４）により前記ポンプの内部にある前記フランジ表面（５４）を越えて突出する前記封止要素（５０）の第２の封止部（１３０）の受容のための包囲する溝（１２８）が設けられ、一方の封止リップ（１３２）が前記液体チャンバ（４２）を前記電子機器チャンバ（４６）から切り離すために前記固定子ハウジング部（４０）と協働し、他方の封止リップ（１３４）が前記電子機器チャンバ（４６）を環境に対して封止するために前記モータハウジング部（４４）と協働する、［５］または［６］に記載の電動機駆動液体ポンプ（１０）。
［８］ エラストマ材料から成る前記封止要素（５０）が、前記ポンプハウジング部（３８）に取り付けられ、特に前記封止要素（５０）と噛み合うべき前記ポンプハウジング部（３８）において射出成形されている、［５］から［７］のいずれか一項に記載の電動機駆動液体ポンプ（１０）。
［９］ 円周方向に離間された複数の開口部（１３８）が、前記ポンプの外部にある前記フランジ表面（１４）の前記包囲する溝（１２０）と前記ポンプの内部にある前記フランジ表面（５４）の前記包囲する溝（１２８）との間に設けられ、前記封止要素（５０）のエラストマ材料が、前記封止要素（５０）の第１の封止部（１２２）と第２の封止部（１３０）とを相互接続するために前記開口部を通して射出成形されている、［６］から［８］のいずれか一項に記載の電動機駆動液体ポンプ（１０）。
［１０］ 前記環状固定子（３４）の電極シート（１０２）が、プラスチック材料から成る前記固定子ハウジング部（４０）内に、プラスチック材料を用いた射出成形封入によって埋め込まれている、［１］から［９］のいずれか一項に記載の電動機駆動液体ポンプ（１０）。
［１１］ 温度センサ（１００）が、前記ハウジング（１６）内に好ましくは前記液体出口（２０）の近くで統合され、特に前記固定子ハウジング部（４０）の受容凹部（１１４）内に受容されている、［１］から［１０］のいずれか一項に記載の電動機駆動液体ポンプ（１０）。
［１２］ 電動機駆動液体ポンプ（１０）の電気部品がプレス嵌め接続を介して接触させられる電子回路基板（９２）が、前記ハウジング（１６）内に統合されている、［１］から［１１］のいずれか一項に記載の電動機駆動液体ポンプ（１０）。
［１３］ 前記ハウジング（１６）の前記液体入口（１８）が、前記磁気回転子（２８）の前記回転軸（Ａ）に対して横断方向に配向されている、［１］から［１２］のいずれか一項に記載の電動機駆動液体ポンプ（１０）。
［１４］ 前記磁気回転子（２８）が、前記モータ巻線（３２）と協働する永久磁性の外側シリンダ部（１４０）と、前記固定子ハウジング部（４０）の前記ハウジングオフセット部（４８）から離れた側に羽根車として構築され、プラスチック材料内に組み込まれる磁性材料から前記ハウジング（１６）内に回転可能に装着された回転子シャフト（１４４）上に直接射出成形されている、基部（１４２）とを有する、［１］から［１３］のいずれか一項に記載の電動機駆動液体ポンプ（１０）。
［１５］ 前記回転子シャフト（１４４）が、前記基部（１４２）の各側で、少なくとも放射方向において前記ハウジング（１６）内に直接、特に、一方で前記固定子ハウジング部（４０）の前記ハウジングオフセット部（４８）において、他方でポンプハウジング部（３８）の担持突出部（６８）において、装着されている、［１４］に記載の電動機駆動液体ポンプ（１０）。

１０ 液体ポンプ
１２ 変速機ハウジング
１４ ポンプの外部にあるフランジ表面
１６ ハウジング
１８ 液体入口
２０ 液体出口
２２ 開口部
２４ 変速機オイル充填レベル
２６ 電動機
２８ 回転子
３０ ブレード突出部
３２ モータ巻線
３４ 固定子
３６ 磁場センサ
３８ ポンプハウジング部
４０ 固定子ハウジング部
４２ 液体チャンバ
４４ モータハウジング部
４６ 電子機器チャンバ
４８ ハウジングオフセット部
５０ 封止要素
５２ ポンプハウジングフランジ
５４ ポンプの内部にあるフランジ表面
５６ ポンプチャネル
５８ 漏斗形状の入口領域
６０ 環状の加速領域
６２ らせん形状の輸送領域
６４ 管状出口領域
６６ ウェブ
６８ 担持突出部
７０ 溝
７２ 襟部
７４ 装着部
７６ 位置決めピン
７８ 肩部
８０ 固止穴
８２ スリーブ
８４ キャップねじ
８６ ねじ山付き孔
８８ プラグ襟部
９０ 導電体
９２ 電子回路基板
９４ プレス嵌め接続
９６ 突出部
９８ ねじ
１００ 温度センサ
１０２ 電極シート
１０４ 接地リング
１０６ 環状空間
１０８ 凹部
１１０ 担持突出部
１１２ 下位領域
１１４ 受容凹部
１１６ 固定子ハウジングフランジ
１１８ 段部
１２０ 溝
１２２ 第１の封止部
１２４ 封止リップ
１２６ 封止リップ
１２８ 溝
１３０ 第２の封止部
１３２ 封止リップ
１３４ 封止リップ
１３６ 肩部
１３８ 開口部
１４０ シリンダ部
１４２ 基部
１４４ 回転子シャフト
１４６ 凹部
１４８ 凹部
１５０ スラストワッシャ
１５１ 基部
１５２ 担持部
１５４ センサ部
１５６ 端部表面
１５８ スラストワッシャ
Ａ 回転軸
Ｒ 回転方向

Claims (15)

1. 液体入口（１８）及び液体出口（２０）と、ハウジング（１６）中に受容され、液体を輸送するための手段（３０）を有する実質的にカップ形状の、回転軸（Ａ）を中心に回転可能な磁気回転子（２８）を含む電子整流式電動機（２６）とを有するハウジング（１６）と、
   モータ巻線（３２）を有し前記回転軸（Ａ）に沿って見たときに前記回転軸（Ａ）に関して同軸の配置で少なくとも部分的に前記磁気回転子（２８）を囲繞する環状固定子（３４）と、
   前記磁気回転子（２８）の位置認識用の磁場センサ（３６）とを備える、電動機駆動液体ポンプ（１０）であって、
   前記ハウジング（１６）が、前記環状固定子（３４）を保持し、前記環状固定子（３４）を、中に前記磁気回転子（２８）が配置される液体チャンバ（４２）から切り離し、前記回転軸（Ａ）に沿って見たときに前記磁場センサ（３６）を受容するための凹部（１０８）および回転子（２８）の回転子シャフト（１４４）をジャーナル軸支するための突出部として形成された担持突出部を有するハウジングオフセット部（４８）により前記磁気回転子（２８）内へと延在する、固定子ハウジング部（４０）を有し、ここにおいて、前記凹部（１０８）および前記担持突出部は、前記回転子（２８）内で、前記回転軸（Ａ）に対して横断方向に延在する平面内で、空間を隔てて隣接して存在する、電動機駆動液体ポンプ（１０）。
2. 前記ハウジング（１６）が、電動機駆動液体ポンプの外部にあるフランジ表面（１４）を介して液体容器（１２）上にフランジ装着され得、前記固定子ハウジング部（４０）に加えて複数部分の構造として、前記液体入口（１８）と前記液体出口（２０）とを有し前記液体チャンバ（４２）を前記固定子ハウジング部（４０）とともに境界付けるポンプハウジング部（３８）と、少なくとも前記環状固定子（３４）が中に置かれる電子機器チャンバ（４６）を前記固定子ハウジング部（４０）とともに境界付けるモータハウジング部（４４）とを備える、請求項１に記載の電動機駆動液体ポンプ（１０）。
3. 前記ポンプハウジング部（３８）および前記モータハウジング部（４４）が、プラスチック材料部品として構築され１つに溶接されている、請求項２に記載の電動機駆動液体ポンプ（１０）。
4. 前記固定子ハウジング部（４０）が、前記ポンプハウジング部（３８）と前記モータハウジング部（４４）との間で所定位置にクランプされ、前記固定子ハウジング部（４０）を前記モータハウジング部（４４）において前記回転軸（Ａ）に関して中心に配置させる、固定子ハウジングフランジ（１１６）を有する、請求項２または３に記載の電動機駆動液体ポンプ（１０）。
5. 封止要素（５０）が設けられ、前記封止要素が同時に、前記電動機駆動液体ポンプの外部にある前記ハウジング（１６）の前記フランジ表面（１４）を前記液体容器（１２）に対して封止し、前記液体チャンバ（４２）を前記電子機器チャンバ（４６）から切り離し、前記電子機器チャンバ（４６）を環境に対して封止する、請求項２から４のいずれか一項に記載の電動機駆動液体ポンプ（１０）。
6. 前記ポンプの外部にある前記ハウジング（１６）の前記フランジ表面（１４）に、前記液体容器（１２）に対して封止するために２つの封止リップ（１２４、１２６）により前記ポンプの外部にある前記フランジ表面（１４）を越えて突出する前記封止要素（５０）の第１の封止部（１２２）の受容のための、包囲する溝（１２０）が設けられる、請求項５に記載の電動機駆動液体ポンプ（１０）。
7. 前記ポンプハウジング部（３８）が、前記ポンプの外部にある前記フランジ表面（１４）および前記ポンプの内部にあるフランジ表面（５４）が対向する両側に形成されるポンプハウジングフランジ（５２）を有し、前記ポンプの内部にある前記フランジ表面には、２つの封止リップ（１３２、１３４）により前記ポンプの内部にある前記フランジ表面（５４）を越えて突出する前記封止要素（５０）の第２の封止部（１３０）の受容のための包囲する溝（１２８）が設けられ、一方の封止リップ（１３２）が前記液体チャンバ（４２）を前記電子機器チャンバ（４６）から切り離すために前記固定子ハウジング部（４０）と協働し、他方の封止リップ（１３４）が前記電子機器チャンバ（４６）を環境に対して封止するために前記モータハウジング部（４４）と協働する、請求項５または６に記載の電動機駆動液体ポンプ（１０）。
8. エラストマ材料から成る前記封止要素（５０）が、前記ポンプハウジング部（３８）に取り付けられている、請求項５から７のいずれか一項に記載の電動機駆動液体ポンプ（１０）。
9. 円周方向に離間された複数の開口部（１３８）が、前記ポンプの外部にある前記フランジ表面（１４）の前記包囲する溝（１２０）と前記ポンプの内部にある前記フランジ表面（５４）の前記包囲する溝（１２８）との間に設けられ、前記封止要素（５０）のエラストマ材料が、前記封止要素（５０）の第１の封止部（１２２）と第２の封止部（１３０）とを相互接続するために前記開口部を通して射出成形されている、請求項６を引用する請求項７、又は、請求項６及び請求項７を引用する請求項８に記載の電動機駆動液体ポンプ（１０）。
10. プラスチック材料を用いた射出成形封入によって、前記環状固定子（３４）の電極シート（１０２）が、プラスチック材料から成る前記固定子ハウジング部（４０）内に埋め込まれている、請求項１から９のいずれか一項に記載の電動機駆動液体ポンプ（１０）。
11. 温度センサ（１００）は、前記温度センサ（１００）が前記ハウジング（１６）内に前記液体出口（２０）の近くで一体化されるように、前記固定子ハウジング部（４０）の前記モータハウジング部（４４）に向かって開いている受容凹部（１１４）に受容されている、請求項２ないし請求項９のいずれか一項、又は、請求項２ないし請求項９のいずれか一項を引用する請求項１０に記載の電動機駆動液体ポンプ（１０）。
12. 電動機駆動液体ポンプ（１０）の電気部品がプレス嵌め接続を介して接触させられる電子回路基板（９２）が、前記ハウジング（１６）内に一体化されている、請求項１から１１のいずれか一項に記載の電動機駆動液体ポンプ（１０）。
13. 前記ハウジング（１６）の前記液体入口（１８）が、前記磁気回転子（２８）の前記回転軸（Ａ）に対して横断方向に配向されている、請求項１から１２のいずれか一項に記載の電動機駆動液体ポンプ（１０）。
14. 前記磁気回転子（２８）が、前記モータ巻線（３２）と協働する永久磁性の外側シリンダ部（１４０）と、前記固定子ハウジング部（４０）の前記ハウジングオフセット部（４８）から離れた側に液体を輸送するための手段（３０）を構成する羽根車として構築された基部（１４２）とを有し、プラスチック材料内に組み込まれる磁性材料から前記ハウジング（１６）内に回転可能に装着された回転子シャフト（１４４）上に直接射出成形されている、請求項１から１３のいずれか一項に記載の電動機駆動液体ポンプ（１０）。
15. 前記回転子シャフト（１４４）が、前記基部（１４２）の両側で、少なくとも放射方向において前記ハウジング（１６）内に直接、すなわち、一方側は前記固定子ハウジング部（４０）の前記ハウジングオフセット部（４８）に、他方側は前記ポンプハウジング部（３８）の担持突出部（６８）に、装着されている、請求項２を引用する請求項１４に記載の電動機駆動液体ポンプ（１０）。

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