(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について図1から図6を参照して説明する。
(基本構成)
図1及び図2に示すように、第1の実施形態に係る錠剤搬送装置1は、供給装置10と、搬送装置20と、錠剤接触装置30と、制御装置40とを備えている。この錠剤搬送装置1は、一例として、錠剤Tを複数列(例えば、二列)に整列させて搬送し、後工程の錠剤印刷装置などに供給する装置である。
供給装置10は、ホッパ11及びシュータ12(図1参照)を具備している。ホッパ11は、多数の錠剤Tを収容し、その収容された錠剤Tをシュータ12に順次供給する。シュータ12は、供給された錠剤Tを搬送装置20に供給する。この供給装置10は制御装置40に電気的に接続されており、その駆動が制御装置40により制御される。
搬送装置20は、複数(図2の例では、三つ)の搬送部21、22、23及び樋24を具備しており、供給装置10から供給された錠剤Tを二列に整列させて搬送する。
まず、各搬送部21、22、23に共通する構造に関して、代表として搬送部22について説明する。搬送部22は、図1に示すように、搬送ベルト51、駆動プーリ52、従動プーリ53及び駆動部54を具備する。搬送ベルト51は、無端状に形成されており、駆動プーリ52及び従動プーリ53に架け渡されている。駆動プーリ52及び従動プーリ53は軸を中心として回転可能に設けられており、駆動プーリ52は駆動部54に連結されている。駆動部54は例えばモータなどであり、制御装置40に電気的に接続されており、その駆動が制御装置40により制御される。搬送部22は、駆動部54による駆動プーリ52の回転によって従動プーリ53と共に搬送ベルト51を回転させ、その搬送ベルト51上の錠剤Tを搬送する。なお、他の搬送部21、23も同様の構造であるが、搬送部23においては、駆動プーリ52と従動プーリ53の位置が他の搬送部21、22と逆である。
各搬送部21、22は、図2に示すように、搬送部23を挟むように設けられており、それぞれ供給装置10から供給された錠剤Tを一列に整列させて図1及び図2中の矢印A1の方向(搬送方向A1)に搬送する。
搬送部21は、供給装置10から供給された錠剤Tを一列に整列させる一対の整列部材21a、21bを有している。整列部材21aは、搬送部21の搬送ベルト51の上方であって搬送部23側と反対側に設けられており、搬送方向A1に延伸して搬送部23側に湾曲する壁面を有している。また、整列部材21bは、搬送部21の搬送ベルト51の上方であって搬送部23側に設けられており、搬送方向A1に延伸する壁面を有している。これらの整列部材21a、21bは、移動する錠剤Tを互いの壁面に沿わして案内し、それらの間を通過する錠剤Tを一列に整列させる。
搬送部22も、搬送部21と同様に、供給装置10から供給された錠剤Tを一列に整列させる一対の整列部材22a、22bを有している。整列部材22aは、搬送部22の搬送ベルト51の上方であって搬送部23側と反対側に設けられており、搬送方向A1に延伸して搬送部23側に湾曲する壁面を有している。また、整列部材22bは、搬送部22の搬送ベルト51の上方であって搬送部23側に設けられており、搬送方向A1に延伸する壁面を有している。これらの整列部材22a、22bは、移動する錠剤Tを互いの壁面に沿わして案内し、それらの間を通過する錠剤Tを一列に整列させる。
搬送部23は、各搬送部21、22の間に位置しており、各搬送部21、22から落下した錠剤Tを受け、受けた錠剤Tを図2中の矢印A2の方向(搬送方向A1と逆の搬送方向A2)に搬送して各搬送部21、22に戻す。このため、搬送部23は、各搬送部21、22から落下した錠剤Tを受けることが可能に配置されており、搬送方向A2に沿って徐々に高くなるように傾斜している。また、搬送部23は、受けた錠剤Tを各搬送部21、22に戻すための戻し部材23aを搬送方向A2の下流端に有している。この戻し部材23aは、その外周に沿って錠剤Tを案内して各搬送部21、22に戻す。
樋24は、搬送装置20における搬送方向A1の下流側の端部に設けられている。この樋24は、各搬送部21、22における搬送方向A1の下流側の端部から落下した錠剤Tを受け取り、各搬送部21、22の間に位置する搬送部23に戻すように形成されている。例えば、各搬送部21、22上の錠剤Tは、受け渡し装置(不図示)により吸引されて保持され、他の装置に搬送される。このとき、各搬送部21、22における搬送ベルト51上の錠剤Tの中には、受け渡し装置によって吸引されない錠剤Tも存在する。この錠剤Tは、各搬送部21、22における搬送方向A1の下流側の端部から落ちて、樋24により受け取られて搬送部23に戻される。
錠剤接触装置30は、図2に示すように、搬送部21、22ごとに設けられている。この錠剤接触装置30は、各搬送部21、22において、搬送ベルト51上の正常姿勢の錠剤Tに接触せずに正常姿勢の錠剤Tを通過させ、一方、搬送ベルト51上の異常姿勢の錠剤Tに接触して錠剤Tの異常姿勢を正常姿勢に矯正し、あるいは、異常姿勢の錠剤Tを搬送部23に排除する(詳しくは、後述する)。
ここで、正常姿勢とは、一例として、錠剤Tが平らになっているときの平姿勢である(例えば、平姿勢は、後工程の印刷に適した姿勢であり、印刷品質が低下しない姿勢である)。一方、異常姿勢とは、一例として、錠剤Tが平姿勢でないときの姿勢、例えば、錠剤Tが立っているときの立姿勢や錠剤Tが他の錠剤Tに重なっているときの傾斜姿勢などである。
制御装置40は、各部を集中的に制御するマイクロコンピュータと、処理情報や各種プログラムなどを記憶する記憶部(いずれも図示せず)を備えている。この制御装置40は、各種情報や各種プログラムに基づいて供給装置10や搬送装置20を制御する。なお、記憶部には、各搬送部21、22、23の個々の搬送ベルト51の移動速度情報などが記憶されている。
(錠剤接触装置)
次に、前述の錠剤接触装置30について図3から図6を参照して詳しく説明する。
図3に示すように、錠剤接触装置30は、支持部31と、接触部材32とを備えている。なお、前述のように錠剤接触装置30は二つ設けられているが(図2参照)、基本的にそれらの構造は同じあるため、搬送部21に対応する錠剤接触装置30について説明する。
支持部31は、支柱31a、第1の支持部材31b及び複数(図3の例では、二つ)の第2の支持部材31cを具備している。支柱31aは、例えば、円柱状に形成されており、整列部材21a上に設けられている。第1の支持部材31bは、例えば、円柱状に形成されており、支柱31aにより水平に支持されている。各第2の支持部材31cは、例えば、紐形状などの細長い形状に形成されており、第1の支持部材31bにより鉛直に支持されている。これらの第2の支持部材31cの各々の一端は、第1の支持部材31bの延伸方向に並べられて第1の支持部材31bにそれぞれ接続されており、支点B1として機能する。また、各第2の支持部材31cの各々の他端は、接触部材32の延伸方向に並べられ、接触部材32が水平となるように接触部材32にそれぞれ接続されている。各第2の支持部材31cは、例えば、非伸縮及び非弾性の材料により形成されている。
接触部材32は、例えば、円柱状に形成されており、搬送ベルト51上の正常姿勢の錠剤Tに接触せずに、搬送ベルト51上の異常姿勢の錠剤Tに接触する位置に支持部31により水平に支持されている。さらに、接触部材32は、その延伸方向が水平面内で搬送方向A1に交差する(例えば、直交する)ように位置付けられている。この接触部材32は、前述のように支持部31により水平に支持されており、各支点B1、すなわち支点軸を回転中心として搬送方向A1に沿って揺れることが可能になっている。このため、接触部材32は、支持部31により支持された振り子として機能する。この接触部材32の質量、支点からの長さ(振り子の長さ)は、錠剤Tの種類、大きさや重量によって適宜決定される。なお、接触部材32の揺れ方向は、搬送方向A1に沿う方向であり、搬送方向A1と完全に一致する方向ではない。
ここで、接触部材32の下端C1は、少なくとも、搬送ベルト51上の正常姿勢(例えば、平姿勢)の錠剤Tの上端C2より高く設定されており、搬送ベルト51上の異常姿勢(例えば、立姿勢)の錠剤Tの上端C3より低く設定されている。ただし、接触部材32の下端C1は、前述のように異常姿勢が各種存在する場合、それらの異常姿勢における最小高さより低く設定されている。このため、正常姿勢が平姿勢であり、異常姿勢が立姿勢と傾斜姿勢である場合には、接触部材32の下端C1は、平姿勢の錠剤Tの上端C2よりも高く、傾斜姿勢の錠剤Tの上端よりも低く設定される。
(搬送工程)
次に、前述の錠剤搬送装置1が行う搬送工程について説明する。
まず、搬送に要する搬送データなどの各種情報が制御装置40の記憶部に記憶される。また、供給装置10のホッパ11に搬送対象の錠剤Tが多数投入される。そして、錠剤搬送装置1が駆動されると、各搬送部21、22の個々の搬送ベルト51は、駆動部54による駆動プーリ52及び従動プーリ53の回転に伴って搬送方向A1に回転し、搬送部23の搬送ベルト51は、駆動部54による駆動プーリ52及び従動プーリ53の回転に伴い、搬送方向A2に回転する。各搬送部21、22、23の個々の搬送ベルト51が回転している状態で、錠剤Tが供給装置10から各搬送部21、22の個々の搬送ベルト51上にランダムに順次供給される。
各搬送部21、22の搬送ベルト51上に供給された錠剤Tは、順次所定の移動速度で搬送されていき、各整列部材21a、22aに当接してそれらの壁面に沿って移動し、さらに、各整列部材21a、21bの間又は各整列部材22a、22bの間を通過して、一列に整列されていく(図2参照)。このとき、整列前の余分な錠剤Tは、各搬送部21、22の搬送ベルト51から落下して搬送部23の搬送ベルト51により受け取られる。また、整列後の錠剤Tのうちいくつかの錠剤Tは、各搬送部21、22の搬送ベルト51から落下し、樋24を介して搬送部23の搬送ベルト51により受け取られる。その後、受け取られた錠剤Tは、搬送部23の搬送ベルト51によって搬送方向A2に搬送されていき、その搬送ベルト51の下流端に位置する戻り部材23aに当接してその戻り部材23aの外周に沿って移動し、各搬送部21、22の搬送ベルト51上に戻される。
また、各搬送部21、22の搬送ベルト51において、図4に示すように、平姿勢の錠剤Tは接触部材32の下方を通過していくが、立姿勢の錠剤Tは、図5に示すように、接触部材32に当接する。この立姿勢の錠剤Tは、接触部材32に当接した状態でさらに搬送方向A1に移動するため、接触部材32は錠剤Tによって押されることになる。この錠剤Tによる押圧力によって、接触部材32は支点(支点軸)B1を中心として搬送方向A1の下流側に回転する。立姿勢の錠剤Tは、接触部材32との最初の接触により倒れて平姿勢になったり、あるいは、接触部材32を押している途中に倒れて平姿勢になったりする。立姿勢の錠剤Tが倒れ、その錠剤Tによる接触部材32に対する押圧力が無くなると、接触部材32は、図6に示すように、支点B1を中心として搬送方向A1の上流側に回転して揺れ、その後、数秒で停止して初期状態(図4参照)に戻る。このようにして、立姿勢の錠剤Tは搬送途中で平姿勢に矯正され、平姿勢の錠剤Tだけが整列されて後工程の錠剤印刷装置に供給される。
例えば、前述のように、立姿勢の錠剤Tは、接触部材32を押している途中に倒れることがある。この錠剤Tが接触部材32を押している場合には、その押圧力によって接触部材32は支点B1を中心として搬送方向A1の下流側に回転するため、接触部材32の位置エネルギーは徐々に増えていく(図5参照)。これにより、搬送方向A1に移動する立姿勢の錠剤Tに対する接触部材32の抵抗力も大きくなるため、通常、立姿勢の錠剤Tは倒れることになる。
このように、立姿勢の錠剤Tと接触部材32との接触時には、基本的に、立姿勢の錠剤Tの姿勢が平姿勢に矯正されるが、錠剤Tが倒れずに立姿勢を維持しても、その立姿勢の錠剤Tは接触部材32によって搬送ベルト51から排除され、搬送部23に落下することになる。この異常姿勢の錠剤Tの排除を積極的に行う場合には、接触部材32における搬送部23側の端部が反対側の端部よりも搬送方向A1の下流側になるように接触部材32を設け、接触部材32により搬送ベルト51上の異常姿勢の錠剤Tを搬送部23に向けて案内することが望ましい。これとは逆に、異常姿勢の錠剤Tの排除ではなく異常姿勢の錠剤Tの姿勢矯正を積極的に行う場合には、接触部材32における搬送部23側の端部が反対側の端部よりも搬送方向A1の上流側になるように接触部材32を設け、接触部材32により搬送ベルト51上の異常姿勢の錠剤Tを整列部材21aに向けて案内することが望ましい。
この搬送工程では、搬送ベルト51上に錠剤Tを供給し、その後、搬送ベルト51上の異常姿勢の錠剤Tを接触部材32に当て、異常姿勢の錠剤Tの姿勢を正常姿勢に矯正又はその異常姿勢の錠剤Tを排除する。特に、錠剤Tの姿勢の矯正や錠剤Tの排除では、異常姿勢の錠剤Tが接触部材32に当接して接触部材32を押す押圧力により、接触部材32を移動させて異常姿勢の錠剤Tから逃がす。すなわち、接触部材32が振り子として機能し、異常姿勢の錠剤Tに押されても移動するため、錠剤Tが接触部材32によって止められることによる錠剤Tの詰まりが発生することを抑えることが可能である。また、接触部材32がその下方を通過する異常姿勢の錠剤Tを搬送ベルト51に過度に押し付けることもなく、より確実に錠剤Tの詰まりが発生することを抑制することができる。
例えば、接触部材32が移動できないように固定されていると、立姿勢の錠剤Tが接触部材32により倒れずに停止して、その立姿勢のまま接触部材32に留まることがある。この場合、立姿勢の錠剤Tの後から搬送されてきた錠剤Tは、立姿勢の錠剤Tによって止められる。これによって、錠剤Tの詰まりが発生することになり、錠剤Tの搬送効率が低下してしまう。また、例えば、伸縮や弾性を有する部材を立姿勢の錠剤Tの上端側に接触させて錠剤Tの姿勢を矯正する場合には、その部材の伸縮力や弾性力によって錠剤Tが搬送ベルト51に押し付けられて移動できず、その場所に留まることがある。この場合にも、錠剤Tの詰まりが発生することになり、錠剤Tの搬送効率が低下してしまう。
以上説明したように、第1の実施形態によれば、搬送ベルト51上の正常姿勢の錠剤Tに接触せず、搬送ベルト51上の異常姿勢の錠剤Tに接触する位置に接触部材32が設けられ、その接触部材32が各支点B1(支点軸)を回転中心として揺れることが可能に形成されている。これにより、搬送ベルト51上の異常姿勢の錠剤Tは接触部材32に当たるため、異常姿勢の錠剤Tの姿勢を矯正したり、あるいは、その異常姿勢の錠剤Tを排除したりすることが可能となる。また、異常姿勢の錠剤Tが接触部材32に当接して接触部材32を押す押圧力により、接触部材32が移動して錠剤Tから逃げるため、接触部材32による錠剤Tの詰まりも抑制することが可能となる。このようにして、錠剤Tの搬送効率の低下を抑えることができる。また、錠剤Tが固定状態の接触部材に当たる時よりも、錠剤Tに対する衝撃を減らすことが可能であり、錠剤Tがゴムなどの弾性体による接触部材により過剰な押圧力を受けないので、錠剤Tの破損を抑制することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態について図7及び図8を参照して説明する。なお、第2の実施形態では、第1の実施形態との相違点、すなわち接触部材32について説明し、その他の説明を省略する。なお、図7では、搬送方向A1は紙面手前から紙面奥への方向であり、図8では、搬送方向A1は紙面下から紙面上への方向である。
図7に示すように、第2の実施形態に係る接触部材32の搬送ベルト51側の面には、三角波形状の凹凸部32aが搬送方向A1に交わる方向(例えば、直交する方向)に形成されている。接触部材32は、三角波形状の凹凸部32aによって、例えば、立姿勢の錠剤Tを搬送方向A1に交わる方向に傾ける。これにより、立姿勢の錠剤Tは、搬送方向A1に交わる方向に倒れやすくなるので、錠剤Tの異常姿勢を正常姿勢に確実に矯正することができる。この接触部材32は、搬送方向A1に交差する方向に沿って傾斜する複数の斜面M1を有する。
また、図8に示すように、第2の実施形態に係る接触部材32の上流側の面には、二つの凸部32bが形成されている。これらの凸部32bは、接触部材32の上流側の面において、搬送方向A1に直交する両端部に設けられている。各凸部32bは、それぞれ接触部材32の内側に向かって徐々に傾斜する斜面M2を有している。接触部材32は、各凸部32bによって、例えば、立姿勢の錠剤Tを接触部材32の内側に向けて案内する。これにより、立姿勢の錠剤Tが接触部材32の内側、すなわち三角形状の凹凸部32aに導かれるので、その凹凸部32aによって錠剤Tを確実に倒すことができる。
以上説明したように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。さらに、接触部材32の搬送ベルト51側の面に三角形状の凹凸部32aを設けることによって、例えば、立姿勢の錠剤Tが倒れやすくなるので、錠剤Tの異常姿勢を正常姿勢に確実に矯正することができる。また、接触部材32の上流側の面の両端部に各凸部32bを設けることによって、例えば、立姿勢の錠剤Tが接触部材32の内側に位置する三角形状の凹凸部32aに導かれるので、その凹凸部32aによって錠剤Tを確実に倒すことが可能となり、錠剤Tの異常姿勢を正常姿勢により確実に矯正することができる。なお、凹凸部32a及び凸部32bの両方は必須ではなく、どちらか一方だけでも良い。
(変形例)
第2の実施形態に係る接触部材32の変形例について図9を参照して説明する。なお、図9では、搬送方向A1は紙面手前から紙面奥への方向である。
図9に示すように、第2の実施形態に係る接触部材32の変形例では、接触部材32が複数の回転体32cにより構成されている。これらの回転体32cは、例えば、双円錐形状に形成されており、支持軸32dに回転可能に取り付けられている。支持軸32dは、各第2の支持部材31cにより支持されている。回転体32cの中心軸の部分には貫通孔32c1が形成されており、その貫通孔32c1に支持軸32dが通されている。貫通孔32c1はその直径が支持軸32dの直径(太さ)より大きくなるように形成されている。この接触部材32は、搬送方向A1に交差する方向に沿って傾斜する複数の斜面M1を有する。なお、回転体32cの形状は双円錐形状に限られるものではない。
この変形例でも、接触部材32は、各回転体32cによって、例えば、立姿勢の錠剤Tを搬送方向A1に交わる方向に傾ける。これにより、立姿勢の錠剤Tは、搬送方向A1に交わる方向に倒れやすくなるので、錠剤Tの異常姿勢を正常姿勢に確実に矯正することができる。また、接触点が回転することで錠剤Tに与える衝撃を減らすことが可能であり、錠剤Tの破損を抑制することができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態について図10及び図11を参照して説明する。なお、第3の実施形態では、第1の実施形態との相違点、すなわち錠剤接触装置60について説明し、その他の説明を省略する。なお、図10では、搬送方向A1は紙面手前から紙面奥への方向であり、図11では、搬送方向A1は紙面下から紙面上への方向である。
図10に示すように、第3の実施形態に係る錠剤接触装置60は、支持部61と、接触部材62とを備えている。
支持部61は、支柱61a、支持部材61b及び釣り合い錘61cを具備している。支柱61aは、例えば、支点B2を有する円柱状に形成されており、整列部材21aの溝部21a1の底面に設けられている。溝部21a1は、その延伸方向が水平面内で搬送方向A1に直交するように整列部材21aの上面に形成されている。支持部材61bは、例えば、角柱状に形成されており、支柱61aにより支持されている。この支持部材61bにおける錠剤Tの搬送経路側の端部には、接触部材62が設けられており、その反対側の端部には、釣り合い錘61cが設けられている。釣り合い錘61cは、接触部材62との釣り合いを取っており、支持部材61bを水平に維持する。
接触部材62は、搬送ベルト51上の正常姿勢の錠剤Tに接触せず、搬送ベルト51上の異常姿勢の錠剤Tに接触する位置に支持部61により支持されている。この接触部材62は、例えば、図11に示すように、搬送方向A1に延伸して整列部材21aと反対側に湾曲する斜面M3を有している。接触部材62は、前述のように支持部61により水平に支持されており、支点B2を回転中心として上下方向に沿って揺れることが可能になっている。なお、接触部材62の揺れ方向は、上下方向に沿う方向であり、上下方向と完全に一致する方向ではない。
また、接触部材62における整列部材21a側の端部は、整列部材21aの溝部21a1内に位置している。これにより、異常姿勢の錠剤Tが接触部材62に当接しても、接触部材62における整列部材21a側の端部が溝部21a1の内側面に当接するため、接触部材62が支点B2を回転中心として搬送方向A1の下流側に回転することが制限されている。また、同様にして、接触部材62が支点B2を回転中心として搬送方向A1の上流側に回転することも制限されている。したがって、接触部材62は支点B2を回転中心として上下方向に沿ってのみ回転することが可能である。
なお、接触部材62は、必ずしも水平に支持されていなくても良く、少なくとも搬送ベルト51上の異常姿勢の錠剤Tと当接する位置に、釣り合い錘61cと釣り合うように支持されていれば良い。接触部材62と釣り合い錘61cが釣り合っている状態では、重心は支点B2よりも下方に位置する。
このような錠剤接触装置60によれば、搬送ベルト51上の異常姿勢の錠剤T、例えば立姿勢の錠剤Tは、図10に示すように、接触部材62に当接することになる。この立姿勢の錠剤Tは、接触部材62に当接した状態で接触部材62を押しながら、接触部材62に沿って移動する。このため、接触部材62は錠剤Tによって押されることになる。この錠剤Tによる押圧力によって、接触部材62は、支点B2を中心として上方に回転する。
立姿勢の錠剤Tは、接触部材62との最初の接触により倒れて平姿勢になったり、あるいは、接触部材62を押している途中に倒れて平姿勢になったりする。立姿勢の錠剤Tが倒れ、その錠剤Tによる接触部材62に対する押圧力が無くなると、接触部材62は、支点B2を中心として下方に回転して揺れ、その後、数秒で停止して初期状態(図10参照)に戻る。このようにして、立姿勢の錠剤Tは搬送途中で平姿勢に矯正され、平姿勢の錠剤Tだけが整列されて後工程の錠剤印刷装置に供給される。
また、立姿勢の錠剤Tと接触部材62との接触時には、基本的に、立姿勢の錠剤Tの姿勢が平姿勢に矯正されるが、立姿勢の錠剤Tが接触部材62に当接しても倒れないことがある。この場合でも、その倒れない錠剤Tは、接触部材62を押しながらも接触部材62の斜面M3に沿って移動する。これにより、立姿勢の錠剤Tが接触部材62によって搬送ベルト51から排除され、搬送部23に落下することになる。
以上説明したように、第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。すなわち、搬送ベルト51上の正常姿勢の錠剤Tに接触せず、搬送ベルト51上の異常姿勢の錠剤Tに接触する位置に接触部材62が設けられ、その接触部材62が支点B2を回転中心として揺れることが可能に形成されている。これにより、搬送ベルト51上の異常姿勢の錠剤Tは接触部材62に当たるため、異常姿勢の錠剤Tの姿勢を矯正したり、あるいは、その異常姿勢の錠剤Tを排除したりすることが可能となる。また、異常姿勢の錠剤Tが接触部材62に当接して接触部材62を押す押圧力により、接触部材62が移動して錠剤Tから逃げるため、接触部材62による錠剤Tの詰まりも抑制することが可能となる。このようにして、錠剤Tの搬送効率の低下を抑えることができる。
なお、接触部材62と釣り合い錘61cは必ずしも釣り合っていなくても良い。錠剤Tの重量によって、釣り合い錘61cの位置(支点からの距離)を変えることで、錠剤Tへの抵抗を調整することが可能となる。これによって、品種切り替えなどで錠剤Tの重量が変わっても適切な抵抗力となるようにすることができる。また、錠剤Tのサイズが変わっても支持部材61bの接触部材62側の端部下にストッパを設けて接触部材62の高さ位置を調整することで、抵抗力を調整することができる。また、品種切り替えなどに応じて錠剤接触装置60ごと交換することも可能である。
(変形例)
第3の実施形態に係る接触部材62の変形例について図12を参照して説明する。なお、図12では、搬送方向A1は紙面下から紙面上への方向である。
図12に示すように、第3の実施形態に係る接触部材62の変形例では、接触部材62が円錐形のような対称形状に形成されており、その接触部材62の頂点側の端部が支持部材61bに固定されている。このため、接触部材62は、支持部材61bに向かって傾斜する斜面M4を有する。これにより、接触部材62によって異常姿勢の錠剤Tを整列部材21a側に案内することが可能となる。
この変形例でも、第3の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。また、接触部材62によって横倒し方向の力が錠剤Tにかかるので、より錠剤Tの姿勢を矯正することが容易となり、さらに、異常姿勢の錠剤Tが接触部材62によって整列部材21a側に案内されるので、錠剤Tの供給率を高くすることができる。
なお、接触部材62は、例えば、図11に示すように、搬送方向A1に延伸して整列部材21aと反対側に湾曲する斜面M3を有していて、搬送ベルト51と対向する面が斜面M4のような斜面を有しているような組み合わせも可能である。
また、円錐形状の接触部材62を前述と逆に支持部材61bの端部に設けることも可能である。この場合には、異常姿勢の錠剤Tが接触部材32によって搬送部23側に案内されるので、異常姿勢の錠剤Tを積極的に排除することができる。また、接触部材62の形状は特に限定されるものではなく、例えば、双円錐形状に形成されても良い。この場合には、異常姿勢の錠剤Tの排除と整列をバランス良く行うことができる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態について図13を参照して説明する。なお、第4の実施形態では、第1の実施形態に係る錠剤搬送装置1を備える錠剤印刷装置1Aについて説明し、第1の実施形態との重複部分については説明を省略する。なお、第1の実施形態以外にも、第2や第3の実施形態に係る錠剤搬送装置1を錠剤印刷装置1Aに適用することは可能である。
(基本構成)
図13に示すように、第4の実施形態に係る錠剤印刷装置1Aは、第1の実施形態に係る錠剤搬送装置1と、受け渡し装置71と、二つの搬送装置72、二つの印刷装置73と、収容装置74と、制御装置75とを備えている。
ここで、二つの搬送装置72は基本的に同じ構造であり、また、二つの印刷装置73も基本的に同じ構造である。二つの搬送装置72は上下の位置関係を有しているため、上側の搬送装置72を第1の搬送装置72とし、下側の搬送装置72を第2の搬送装置72とする。同様に、第1の搬送装置72に対応する上側の印刷装置73を第1の印刷装置73とし、第2の搬送装置72に対応する下側の印刷装置73を第2の印刷装置73とする。なお、二つの搬送装置72及び二つの印刷装置73に関しては、説明の簡略化のため、第1の搬送装置72及び第1の印刷装置73についてのみ説明する。
受け渡し装置71は、錠剤搬送装置1により第1の実施形態のように整列されて搬送されている錠剤Tを吸引して受け取り、錠剤Tの列を維持したまま錠剤Tを搬送して第1の搬送装置72に渡す。この受け渡し装置71としては、例えば、ベルト搬送機構などを用いることが可能である。
第1の搬送装置72は、搬送ベルト72a、駆動プーリ72b及び従動プーリ72cを有する。搬送ベルト72aは、無端状に形成されており、駆動プーリ72b及び従動プーリ72cに架け渡されている。駆動プーリ72bは、駆動源となるモータ(不図示)に連結されている。第1の搬送装置72は、受け渡し装置71から供給される錠剤Tを搬送ベルト72a上に受け取り、その搬送ベルト72a上の錠剤Tを吸引して保持する。この第1の搬送装置72は、駆動プーリ72bの回転によって従動プーリ72cと共に搬送ベルト72aを回転させ、搬送ベルト72a上の錠剤Tを図1中の太い黒矢印の方向に搬送する。第2の搬送装置72も第1の搬送装置72と同様の構造である。
なお、第1の搬送装置72及び第2の搬送装置72はその一部が重なるように上下に配置されている。このため、第2の搬送装置72は、第1の搬送装置72から供給される錠剤T、すなわち第1の印刷装置73による印刷後、搬送ベルト72aによる保持から解放されて落下する錠剤Tを搬送ベルト72aにより受け取る。なお、第1の搬送装置72は、搬送ベルト72a上の錠剤Tが所望の位置、例えば、第1の搬送装置72における従動プーリ72c側の端部付近に到達した場合に錠剤Tの保持を解除する。
第1の印刷装置73は、センサやカメラなどの検出器(不図示)により搬送ベルト72a上の錠剤Tの位置を把握し、その位置情報や印刷情報に基づいて錠剤Tに識別情報(例えば、文字や記号など)を印刷する。この第1の印刷装置73は、例えば、可食性インクなどのインクを吐出するインクジェット方式の印刷ヘッド(不図示)を備えており、その印刷ヘッドにより錠剤Tに印刷を行う。印刷ヘッドとしては、例えば、圧電素子、発熱素子又は磁歪素子などの駆動素子を有する各種のインクジェット方式の印刷ヘッドを用いることが可能である。第2の印刷装置73も第1の印刷装置73と同様の構造である。
収容装置74は、第2の搬送装置72の端部、例えば、第2の搬送装置72における従動プーリ72c側の端部に設けられている。この収容装置74は、第2の印刷装置73による印刷後、搬送ベルト72aによる保持から解放されて落下する錠剤Tを受けて回収することが可能に構成されている。なお、第2の搬送装置72は、搬送ベルト72a上の錠剤Tが所望の位置、例えば、第2の搬送装置72における従動プーリ72c側の端部付近に到達した場合に錠剤Tの保持を解除する。
制御装置75は、各部を集中的に制御するマイクロコンピュータと、処理情報や各種プログラムなどを記憶する記憶部(いずれも図示せず)を備えている。この制御装置75は第1の実施形態に係る制御装置40も含んでいる。制御装置75は、各種情報や各種プログラムに基づいて錠剤搬送装置1、受け渡し装置71と、各搬送装置72及び各印刷装置73を制御する。なお、記憶部には、錠剤Tに印刷する文字や記号などの印刷パターン及び文字や記号などの錠剤T上での印刷位置などを含む印刷データ、ベルト移動速度情報などが記憶されている。
(印刷工程)
次に、前述の錠剤印刷装置1Aが行う印刷工程(印刷処理)について簡単に説明する。
まず、印刷に要する印刷データなどの各種情報が制御装置75の記憶部に記憶される。また、錠剤搬送装置1の供給装置10のホッパ11に印刷対象の錠剤Tが多数投入される。そして、錠剤印刷装置1Aが駆動されると、錠剤搬送装置1は第1の実施形態のように錠剤Tを搬送して整列させる。錠剤搬送装置1により整列された錠剤Tは、受け渡し装置71により受け取られ、その整列状態が維持されたまま搬送され、第1の搬送装置72に供給される。第1の搬送装置72に供給された錠剤Tは、第1の搬送装置72により搬送されていき、第1の印刷装置73によって印刷される。その後、印刷された錠剤Tは、第1の搬送装置72により搬送されていき、所望位置で第1の搬送装置72から第2の搬送装置72に供給される。第2の搬送装置72に供給された錠剤Tは、第2の搬送装置72により搬送されていき、第2の印刷装置73によって印刷される。その後、印刷された錠剤Tは、第2の搬送装置72により搬送されていき、所望位置で収容装置74により回収される。
以上説明したように、第4の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。さらに、錠剤搬送装置1を用いることによって、正常姿勢の錠剤Tだけを整列させて第1の搬送装置72に供給することが可能になるので、錠剤印刷装置1Aで印刷不良が発生することを抑えることができる。
(他の実施形態)
前述の各実施形態においては、錠剤Tを二列で搬送することを例示したが、これに限るものではなく、その列数は一列や三列又は四列以上であっても良く、特に限定されるものではない。また、搬送ベルト51の数も特に限定されるものではない。
また、前述の各実施形態においては、各接触部材32、62の数や形状を例示したが、それらの接触部材32、62の数や形状も特に限定されるものではない。例えば、複数の接触部材32を搬送方向A1に交差する方向(一例として、直交する方向)に並べることも可能であり、このときの接触部材32の形状としても、球体や円柱、角柱などの各種の形状を用いることが可能である。接触部材32、62を複数にすることによって、錠剤Tの姿勢の矯正や排除の機会(チャンス)が増え、正常姿勢の錠剤Tを確実に搬送することができる。
また、前述の各実施形態においては、接触部材32、62を搬送方向A1に対して斜めに配置した場合、接触部材32、62によって横倒し方向の力が錠剤Tにかかるのでより姿勢を正しやすくなる。さらに、接触部材32、62により搬送ベルト51上の異常姿勢の錠剤Tを搬送部23に向けて案内するように接触部材32、62を傾けた場合、異常姿勢の錠剤Tを排除しやすくなる。逆に、接触部材32、62により搬送ベルト51上の異常姿勢の錠剤Tを整列部材21a、22aに向けて案内するように傾けた場合、錠剤Tの供給率を上げやすくなる。したがって、上流側の接触部材32、62を整列用に斜めとし、その下流側の接触部材32、62を排除用に斜めとすれば、最初の接触部材32、62で姿勢を正せず錠剤Tが残ったとしても、下流側の接触部材32、62で排除することができる。なお、もちろん接触部材32、62を同じ向きで複数並べても良いし、交互に斜めとすることも可能であり、その組合せは自由である。
また、前述の各実施形態においては、接触部材32、62を水平に配置することを例示したが、これに限るものではなく、水平以外の状態に配置することも可能である。この場合には、前述の第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。したがって、前述のように接触部材32、62を錠剤Tの搬送方向A1にも、搬送ベルト51に対して鉛直方向にも傾斜させる、あるいは、傾斜する斜面を持たせることが可能であり、それらを組み合わせても良い。つまり、錠剤Tの搬送方向A1に対して交差する方向、例えば、錠剤Tの搬送方向A1に沿って傾斜する斜面や搬送ベルト51に対して鉛直する方向に沿って傾斜する斜面を有する。
また、前述の各実施形態においては、接触部材32、62を搬送ベルト51上の正常姿勢の錠剤Tに接触しない位置に設けることを例示したが、これに限るものではない。錠剤Tを破損させないためになるべく錠剤Tに接触部材32、62を接触させない方がよいが、錠剤Tの破損があまり問題とならない場合、正常姿勢の錠剤Tに接触させるようにしても良い。正常姿勢の錠剤Tの場合には、接触部材32、62が正常姿勢の錠剤Tに接触しても、その錠剤Tは異常姿勢のように不安定ではないため、正常姿勢が異常姿勢に変えられることはないし、接触部材32、62が逃げることで搬送を妨げることもない。
また、前述の第1の実施形態においては、接触部材32の揺れ方向を搬送方向A1に沿う方向として例示し、前述の第3の実施形態においては、接触部材62の揺れ方向を上下方向に沿う方向として例示したが、これに限るものではなく、どちらも他の方向としても良く、例えば、搬送方向A1に交差する方向(一例として、直交する方向)に沿う方向としても良い。
また、前述の第1の実施形態においては、接触部材32を単振り子として例示したが、これに限るものではなく、例えば、物理振り子(実体振り子)とするようにしても良い。また、接触部材32を軸周りに回転させるようにしても良い。例えば、接触部材32の延伸方向に延びる中心軸を回転軸として接触部材32を回転させるようにしても良い。同様に、接触部材62も軸周りに回転させるようにしても良い。例えば、支持部材61bの延伸方向に延びる中心軸を回転軸として接触部材62を回転させるようにしても良い。このように接触部材32、62を回転可能にすることによって、接触点が回転することで錠剤Tに与える衝撃を減らすことが可能であり、錠剤Tの破損を抑制することができる。
また、接触部材32が、搬送ベルト51に対する鉛直位置より搬送方向A1の上流側に揺れないようにストッパを設けても良い。接触部材32の上流側への揺れ動きを抑制することで、接触部材32の初期位置への復帰を早くすることができる。また、接触部材32が上流側に揺れたところで錠剤Tが搬送ベルト51との間で挟まり、咬みこんでしまうこともない。このようなストッパにより、接触部材32の初期位置を搬送方向A1の下流にずらしても良い。このずらし量で正常姿勢の錠剤Tが通過する高さを調整しても良い。
また、第2の支持部材31cは、柔軟性を有する紐や鎖であっても良いし、ある程度の剛性を有する針金のようなものでも良い。第2の支持部材31cが剛性を有する部材である場合には、第1の支持部材31bが回転自在に支持されることで接触部材32の揺動の支点とされても良い。
ここで、前述の錠剤としては、医薬用、飲食用、洗浄用、工業用あるいは芳香用として使用される錠剤を含めることができる。また、例えば、錠剤としては、裸錠(素錠)や糖衣錠、フィルムコーティング錠、腸溶錠、ゼラチン被包錠、多層錠、有核錠などがある。さらに、硬カプセルや軟カプセルなど各種のカプセル錠も錠剤に含めることができる。また、錠剤の形状としては、円盤形やレンズ形、三角形、楕円形など各種の形状がある。
また、印刷対象の錠剤が医薬用や飲食用である場合、使用するインクとしては、可食性インクが好適である。なお、可食性インクとしては、合成色素インク、天然色素インク、染料インク、顔料インクのいずれを使用しても良い。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。