JP6701759B2 - 木管楽器用リード - Google Patents

木管楽器用リード Download PDF

Info

Publication number
JP6701759B2
JP6701759B2 JP2016012406A JP2016012406A JP6701759B2 JP 6701759 B2 JP6701759 B2 JP 6701759B2 JP 2016012406 A JP2016012406 A JP 2016012406A JP 2016012406 A JP2016012406 A JP 2016012406A JP 6701759 B2 JP6701759 B2 JP 6701759B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reed
moisturizing
woodwind instrument
woodwind
lead
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016012406A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017134156A (ja
Inventor
詠司 安部
詠司 安部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Corp
Original Assignee
Yamaha Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Corp filed Critical Yamaha Corp
Priority to JP2016012406A priority Critical patent/JP6701759B2/ja
Publication of JP2017134156A publication Critical patent/JP2017134156A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6701759B2 publication Critical patent/JP6701759B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Stringed Musical Instruments (AREA)
  • Golf Clubs (AREA)
  • Auxiliary Devices For Music (AREA)

Description

本発明は、木管楽器用リードに関する。
例えばサクソフォン、クラリネット等の木管楽器は、奏者が息を吹き込む唄口に取り付けられる帯板状のリードを振動させることによって音を発生させる。木管楽器用リードは、一般に葦や竹などの天然素材から形成され、奏者が口に咥える側の長手方向端部(先端部)に向かって厚さを徐々に減少させるよう表面を削り落としたヴァンプ(Vamp)が設けられている。
このような天然素材から形成される木管楽器用リードは、個々のばらつきが大きいという難点がある。このため、ユーザーが熟練者ではない比較的低練度の奏者であっても、複数のリードの中から満足な音色が得られるリードを選択し、満足な音色が得られないリードを使用せずに廃棄しているのが実情である。具体的には、木管楽器用リードは、10本を一組として販売されることが多いが、一般ユーザーであっても、実際には10本中で2本乃至3本程度しか使用できないと判断する場合が少なくない。
また、木管楽器用リードには、奏者の唾液や息に含まれる水分が付着することが避けられない。葦や竹から形成される木管楽器用リードは、このような水分に晒されることによって劣化が促進されるため、寿命が比較的短いという不都合がある。このため、合成樹脂から形成された耐久性に優れるリードが市販されている。
しかしながら、合成樹脂製リードは、その振動特性等の物性が天然素材から形成されるリードとは異なるため、音色や演奏性が十分とはいえない。そこで、合成樹脂製リードを形成する樹脂組成物にセルロース繊維を配合することで、合成樹脂製リードの振動特性を向上することが提案されている(例えば特開2008−197450号公報参照)。
このように、合成樹脂製リードの振動特性を向上する提案はなされているが、合成樹脂製リードは、演奏者の唇に当接したときの感触が天然素材から形成されるリードと異なるという不都合が残されている。つまり、従来の合成樹脂製リードは、演奏者に違和感を与えることがある。
特開2008−197450号公報
前記不都合に鑑みて、本発明は、合成樹脂から形成されながら、演奏者に違和感を与えにくい木管楽器用リードを提供することを課題とする。
前記課題を解決するためになされた発明は、合成樹脂をマトリックスとし、長手方向一端側にヴァンプを有する帯板状の木管楽器用リードであって、少なくとも一部に保湿材料を含有することを特徴とする木管楽器用リードである。
当該木管楽器用リードは、少なくとも一部に保湿材料を含有することによって、保湿性(吸湿性)を有する部分を有する。このため、当該木管楽器用リードは、保湿性を有する天然素材に近い感触を有することができ、演奏者に違和感を与えにくい。
当該木管楽器用リードが前記保湿材料を前記マトリックス中に略均一に有するとよい。このように、前記保湿材料を前記マトリックス中に略均一に有することによって、当該木管楽器用リードの製造が比較的容易となる。
当該木管楽器用リードが、リード本体と、このリード本体表面の少なくとも一部に積層される保湿層とを備え、前記保湿層に保湿材料を含有するとよい。このように、リード本体と、このリード本体表面の少なくとも一部に積層される保湿層とを備え、前記保湿層に保湿材料を含有することによって、前記リード本体により当該木管楽器用リードの基本的な振動特性を定めることができるので設計が比較的容易であり、かつ保湿層により当該木管楽器用リードの表面に比較的容易に保湿性を付与することができる。
前記保湿材料が粉末フィラーであるとよい。このように、前記保湿材料が粉末フィラーであることによって、この粉末フィラーを木管楽器用リードのマトリックスとなる合成樹脂に分散させることで当該木管楽器用リードを比較的容易に製造することができる。
前記粉末フィラーがヒドロキシアパタイト、珪藻土又はミルクカゼインであるとよい。このように、前記粉末フィラーがヒドロキシアパタイト、珪藻土又はミルクカゼインであることによって、粉末フィラーが当該木管楽器用リードから脱離して演奏者の口から体内に進入しても健康被害を生じない。
ここで、「表面」とは、外側の面を意味し、表裏を限定するものではない。また、「粉末フィラー」とは、平均粒子径が100μm以下の充填材を意味する。なお、「平均粒子径」とは、レーザー回折法により得られる粒度分布において体積積算値が50%となる値を意味する。
本発明の木管楽器用リードは、合成樹脂から形成されながら、演奏者に違和感を与えにくい。
本発明の一実施形態に係る木管楽器用リードが取り付けられたサクソフォンを示す模式的斜視図である。 図1のサクソフォンのマウスピースを示す模式的断面図である。 図1のサクソフォンの木管楽器用リードを示す模式的平面図である。 図3の木管楽器用リードを示す模式的断面図である。 本発明の図4とは異なる実施形態に係る木管楽器用リードを示す模式的断面図である。 本発明の図4及び図5とは異なる実施形態に係る木管楽器用リードを示す模式断面図である。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳説する。
[第一実施形態]
<サクソフォン>
図1に、本発明の一実施形態に係る木管楽器用リード1を用いる木管楽器の一種であるサクソフォンを示す。
図1のサクソフォンは、サクソフォン本体2の一端に当該木管楽器用リード1を取り付けたマウスピース3が装着されている。
サクソフォン本体2は、一端にマウスピース3が装着され、他端が径を拡大するようにして開放する屈曲した管体部4を備え、この管体部4に形成される複数の音孔をそれぞれ封止可能に設置される複数のキイ5と、これらのキイ5を操作するためのレバー6等を有する。このサクソフォン本体2の構成は、従来のサクソフォン本体の構成と同様とすることができる。
マウスピース3は、サクソフォン本体2の一端に装着され、奏者がサクソフォン本体2に息を吹き込み、当該木管楽器用リード1を振動させるために使用される。
マウスピース3は、図2に示すように、概略筒状に形成され、奏者が口に咥える一端側が平たく押し潰されたような形状を有し、奏者の下唇に接触する側が大きく開口し、この開口を封止するよう当該木管楽器用リード1が取り付けられる。当該木管楽器用リード1は、マウスピース3の外周に装着されるリガチャ7によってマウスピース3に固定される。これらのマウスピース3及びリガチャ7としては、従来の構成のものを使用することができる。
なお、当該木管楽器用リード1は、図1のようなサクソフォンに限らず、例えばクラリネット等の他の木管楽器にも使用することができ、例えばオーボエ、ファゴット等の2枚のリードを使用する木管楽器にも使用することができる。2枚のリードを使用する木管楽器の場合、2枚のリードのうち一方にのみ当該木管楽器用リード1を用い、他方に天然素材から形成される従来のリード又は保湿材料を含有しない従来の樹脂製リードを用いてもよい。
<木管楽器用リード>
図3及び図4に、当該木管楽器用リード1を詳細に示す。当該木管楽器用リード1は、合成樹脂をマトリックスとし、帯板状に形成され、長手方向一端側にヴァンプ8を有する。また、当該木管楽器用リード1は、前記マトリックス中に略均一に保湿材料9を含有する。
当該木管楽器用リード1は、ヴァンプ8が形成されていない部分の表面(マウスピース3に取り付けられる側と反対側の面)が円筒面の一部をなすように湾曲している。この湾曲面は、裏面(マウスピース3に取り付けられる側の面)と平行な長手方向の軸を有し、表面側に膨出するものとされる。これにより、当該木管楽器用リード1は、図1及び図2に示すように、ヴァンプ8が形成されていない部分がリガチャ7で緊締されることによってマウスピース3の外面に表面が連続するようマウスピース3と一体に保持される。
ヴァンプ8は、奏者が口に咥える側の長手方向端部(以下、単に「先端部」ともいう。)に向かって当該木管楽器用リード1の厚さを徐々に減少させるよう形成されている。より詳しくは、ヴァンプ8は、一般に当該木管楽器用リード1のヒール(ヴァンプ8が形成されていない方の長手方向端部)側程傾斜角度が大きくなるよう湾曲し、先端側は略平面状に伸びるよう形成される。このヴァンプ8の湾曲形状としては、従来のリードに形成されるヴァンプの湾曲形状と同様とされる。
つまり、当該木管楽器用リード1の概略形状としては、葦等から形成される従来のリードと同様の形状とされる。当該木管楽器用リード1の概略形状の具体的な寸法としては、当該木管楽器用リード1がアルトサックス用のリードである場合、幅を約15mm、長さを約70mm、ヴァンプ8が形成されていない部分の最大厚さを約3mm、ヴァンプ8の先端における厚さを約0.15mmとすることができる。
(マトリックス)
当該木管楽器用リード1を形成する材料のマトリックスとなる合成樹脂としては、例えばポリプロピレン、液晶ポリマー等が使用可能である。
当該木管楽器用リード1を合成樹脂をマトリックスとする材料によって形成することで、材質の物性を一定にすることができる。このため、当該木管楽器用リード1は、一定の振動特性を有するものとなるので、発生する音色のばらつきが小さい。
(保湿材料)
前記マトリックス中に存在する保湿材料9は、粉末フィラー(微粒子状の充填材)であることが好ましい。このように保湿材料9として粉末フィラーを使用することによって、保湿材料9を当該木管楽器用リード1の全体に比較的容易に分散して配置することができる。
保湿材料9の材質としては、保湿性を有するものであれば特に限定されないが、ヒドロキシアパタイト、珪藻土及びミルクカゼインが特に好適に利用できる。これらの材料は、食品添加物としての使用が認められているため、これらを用いた保湿材料9が当該木管楽器用リード1から脱離して、演奏者が保湿材料9を経口摂取してしまっても、健康被害を引き起こす心配がない。
保湿材料9の平均粒子径の下限としては、5μmが好ましく、8μmがより好ましい。一方、保湿材料9の平均粒子径の上限としては、20μmが好ましく、15μmがより好ましい。保湿材料9の平均粒子径が前記下限に満たない場合、保湿材料9の分散性が不十分となり、品質がばらつくおそれや製造効率が低下するおそれがある。逆に、保湿材料9の平均粒子径が前記上限を超える場合、当該木管楽器用リード1の特に先端部の成型性が不十分となるおそれがある。
当該木管楽器用リード1における保湿材料9の含有量の下限としては、1質量%が好ましく、2質量%がより好ましい。一方、保湿材料9の含有量の上限としては、5質量%が好ましく、4質量%がより好ましい。保湿材料9の含有量が前記下限に満たない場合、当該木管楽器用リード1の保湿性が不十分となり、演奏者に違和感を与えるおそれがある。逆に、保湿材料9の含有量が前記上限を超える場合、当該木管楽器用リード1を形成する材料の粘度が大きくなり、製造性、特に射出成型性(キャビティへの充填性)が不十分となるおそれがある。
また、当該木管楽器用リード1を形成する材料は、マトリックス中に例えば木繊維、竹繊維等の天然繊維、ガラス繊維等の無機繊維、ポリアミド繊維等の合成繊維などを含んでもよい。マトリックス中の繊維は、当該木管楽器用リード1の剛性を向上する。
当該木管楽器用リード1を形成する材料における繊維の含有率の下限としては、特に限定されないが、10質量%が好ましく、20質量%がより好ましい。一方、当該木管楽器用リード1を形成する材料における繊維の含有率の上限としては、70質量%が好ましく、60質量%がより好ましい。前記繊維の含有率が前記下限に満たない場合、当該木管楽器用リード1の剛性を十分に向上できないおそれがある。逆に、前記繊維の含有率が前記上限を超える場合、当該木管楽器用リード1の成形が困難となるおそれがある。
当該木管楽器用リード1を形成する材料に含有される繊維の平均長さの下限としては、3μmが好ましく、5μmがより好ましい。一方、当該木管楽器用リード1を形成する材料に含有される繊維の平均長さの上限としては、50μmが好ましく、30μmがより好ましい。前記繊維の平均長さが前記下限に満たない場合、当該木管楽器用リード1の剛性を十分に向上できないおそれがある。逆に、前記繊維の平均長さが前記上限を超える場合、当該木管楽器用リード1の射出成型による製造が困難となるおそれがある。
当該木管楽器用リード1を形成する材料の弾性率の下限としては、3000MPaが好ましく、4000MPaが好ましい。一方、当該木管楽器用リード1を形成する材料の弾性率の上限としては、10000MPaが好ましく、8000MPaが好ましい。当該木管楽器用リード1を形成する材料の弾性率が前記下限に満たない場合、音速が小さく、音響効果が不十分となるおそれがある。逆に、当該木管楽器用リード1を形成する材料の弾性率が前記上限を超える場合、当該木管楽器用リード1が硬くなり過ぎるために十分な振動が得られないおそれがある。なお、前記弾性率は、JIS−K7171(2008)に準拠して測定される値である。
<製造方法>
当該木管楽器用リード1は、マトリックスとなる合成樹脂中に保湿材料9を含有する樹脂組成物の金型を用いた射出成型によって製造することができる。製品の品質を一定に保つために、当該木管楽器用リード1は、射出成型後に、金型のキャビティ内への樹脂組成物の充填が不安定になりやすい末端部、具体的にはヴァンプ8の先端縁を切除するようにしてもよい。
また、当該木管楽器用リード1は、合成樹脂をマトリックスとし、保湿材料9を含有する母材からの削り出しによって製造してもよい。
<利点>
当該木管楽器用リード1は、上述のように、保湿材料9を含有することによって、天然素材に近い保湿性を有し、当該木管楽器用リード1を唇に当接させたときの感触が従来の天然素材から形成されるリードと近似しており、演奏者に違和感を与えにくい。
また、当該木管楽器用リード1は、その全体に保湿材料9を略均一に含有するので、樹脂組成物の射出成型によって比較的容易に製造することができる。
[第二実施形態]
図5に、本発明の別の実施形態に係る木管楽器用リード1aを示す。当該木管楽器用リード1aは、合成樹脂をマトリックスとし、帯板状に形成され、長手方向一端側にヴァンプ8を有する。
図5の木管楽器用リード1aは、リード本体10と、このリード本体10の表面の少なくとも一部に積層される保湿層11とを備え、この保湿層11に保湿材料9を含有している。
(リード本体)
リード本体10は、合成樹脂をマトリックスとする材料から形成される。このマトリックスとなる合成樹脂としては、例えばポリプロピレン、液晶ポリマー等を挙げることができる。
このリード本体10は、保湿材料9を含まないが、マトリックス中に例えば木繊維、竹繊維等の天然繊維、ガラス繊維等の無機繊維、ポリアミド繊維等の合成繊維などを含んでもよい。
(保湿層)
保湿層11は、リード本体10の全面に積層されてもよく、リード本体10の少なくとも演奏者の唇が当接するヴァンプ8の表面に積層されることが好ましい。また、当該木管楽器用リード1aの先端側の厚さを小さくするため、保湿層11の厚さを、先端側ほど小さくしてもよい。また、当該木管楽器用リード1aの先端において、リード本体10の十分な厚さを確保して剛性を得るために、保湿層11は、ヴァンプ8の先端部には積層されていなくてもよい。また、保湿層11がリード本体10と同等の剛性を有する場合には、ヴァンプ8の先端部を保湿層11のみで形成してもよい。
保湿層11の平均厚さの下限としては、20μmが好ましく、30μmがより好ましい。一方、保湿層11の平均厚さの上限としては、300μmが好ましく、100μmがより好ましい。保湿層11の平均厚さが前記下限に満たない場合、保湿層11の積層が容易でなくなるおそれがある。逆に、保湿層11の平均厚さが前記上限を超える場合、当該木管楽器用リード1aの特に先端部の剛性が不足して不自然な音質となるおそれがある。
保湿層11は、合成樹脂をマトリックスとし、このマトリックス中に保湿剤9を含有する。
保湿層11のマトリックスとなる合成樹脂としては、例えばポリプロピレン、液晶ポリマー、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。当該木管楽器用リード1aの製造方法にもよるが、保湿層11のマトリックスとなる合成樹脂は、前述のリード本体10のマトリックスとなる合成樹脂と同じものとすることが好ましい。
図5の木管楽器用リード1aの保湿層11中の保湿材料9としては、図4の木管楽器用リード1の保湿材料9と同様とすることができる。
保湿層11における保湿材料9の含有量の下限としては、1質量%が好ましく、2質量%がより好ましい。一方、保湿層11における保湿材料9の含有量の上限としては、5質量%が好ましく、4質量%がより好ましい。保湿層11における保湿材料9の含有量が前記下限に満たない場合、当該木管楽器用リード1の保湿性が不十分となり、演奏者に違和感を与えるおそれがある。逆に、保湿層11における保湿材料9の含有量が前記上限を超える場合、保湿層11を形成する材料の粘度が大きくなり、当該木管楽器用リード1の製造が容易でなくなるおそれがある。
<製造方法>
当該木管楽器用リード1aは、予め形成した保湿層11を金型内に配置し、この金型に樹脂組成物を射出することでリード本体10を形成するインサート成型によって製造することができる。前記保湿層11は、例えば射出成型、削り出し等の方法で形成することができる。
また、当該木管楽器用リード1aは、予め別々に形成したリード本体10と保湿層11とを接着することによって製造してもよい。前記リード本体10及び保湿層11は、例えば射出成型、削り出し等の方法で形成することができる。
また、当該木管楽器用リード1aは、予め形成したリード本体10の表面に、保湿材料9を含有する樹脂組成物を塗工することによって製造してもよい。前記リード本体10は、例えば射出成型、削り出し等の方法で形成することができる。
<利点>
当該木管楽器用リード1aは、リード本体10の表面の少なくとも一部に積層される保湿層11を備えることによって、この保湿層11を備える部分の表面が天然素材に近い感触を有し、演奏者に違和感を与えにくい。
また、当該木管楽器用リード1aは、保湿材料9を含まないリード本体10によって好ましい振動特性を担保し、保湿材料9を含む保湿層11によって感触を向上して演奏性を向上するため、演奏性と音質とを両立できる。
[第三実施形態]
図6に、本発明のさらに別の実施形態に係る木管楽器用リード1bを示す。当該木管楽器用リード1bは、合成樹脂をマトリックスとし、帯板状に形成され、長手方向一端側にヴァンプ8を有する。
図6の木管楽器用リード1bは、リード本体10bと、このリード本体10bのヴァンプ8と反対側(マウスピースに当接する側)の表面に積層される保湿層11bとを備え、この保湿層11bに保湿材料9を含有している。
(リード本体)
リード本体10bは、合成樹脂をマトリックスとする材料から形成される。このマトリックスとなる合成樹脂としては、例えばポリプロピレン、液晶ポリマー等を挙げることができる。
このリード本体10bは、保湿材料9を含まないが、マトリックス中に例えば木繊維、竹繊維等の天然繊維、ガラス繊維等の無機繊維、ポリアミド繊維等の合成繊維などを含んでもよい。
(保湿層)
保湿層11bは、リード本体10bのヴァンプ8と反対側の面、つまり演奏時の振動によりマウスピース3と接離する面に積層されている。このため、この保湿層11bが直接演奏者の唇に当接することはないが、保湿層11bによって保湿性を付与することにより、その挙動が天然素材から形成されるリードに近くなるため、演奏者が感じる振動等が天然素材から形成されるリードに近くなる。
保湿層11bの平均厚さの下限としては、20μmが好ましく、30μmがより好ましい。一方、保湿層11bの平均厚さの上限としては、300μmが好ましく、100μmがより好ましい。保湿層11bの平均厚さが前記下限に満たない場合、保湿層11bの積層が容易でなくなるおそれがある。逆に、保湿層11bの平均厚さが前記上限を超える場合、当該木管楽器用リード1bの特に先端部の剛性が不足して不自然な音質となるおそれがある。
保湿層11bは、合成樹脂をマトリックスとし、このマトリックス中に保湿剤9を含有する。
保湿層11bのマトリックスとなる合成樹脂としては、例えばポリプロピレン、液晶ポリマー、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができ、リード本体10bのマトリックスとなる合成樹脂と同じものとすることが好ましい。
図5の木管楽器用リード1bの保湿層11b中の保湿材料9としては、図4の木管楽器用リード1の保湿材料9と同様とすることができる。
保湿層11bにおける保湿材料9の含有量の下限としては、1質量%が好ましく、2質量%がより好ましい。一方、保湿層11bにおける保湿材料9の含有量の上限としては、5質量%が好ましく、4質量%がより好ましい。保湿層11bにおける保湿材料9の含有量が前記下限に満たない場合、当該木管楽器用リード1の保湿性が不十分となり、演奏者に違和感を与えるおそれがある。逆に、保湿層11bにおける保湿材料9の含有量が前記上限を超える場合、保湿層11bを形成する材料の粘度が大きくなり、当該木管楽器用リード1bの製造が容易でなくなるおそれがある。
<製造方法>
当該木管楽器用リード1bは、予め形成した保湿層11bを金型内に配置し、この金型に樹脂組成物を射出することでリード本体10bを形成するインサート成型によって製造することができる。前記保湿層11bは、例えば射出成型、削り出し等の方法で形成することができる。
また、当該木管楽器用リード1bは、予め別々に形成したリード本体10bと保湿層11bとを接着することによって製造してもよい。前記リード本体10b及び保湿層11bは、例えば射出成型、削り出し等の方法で形成することができる。
また、当該木管楽器用リード1bは、予め形成したリード本体10bの表面に、保湿材料9を含有する樹脂組成物を塗工することによって製造してもよい。前記リード本体10bは、例えば射出成型、削り出し等の方法で形成することができる。
[その他の実施形態]
前記実施形態は、本発明の構成を限定するものではない。従って、前記実施形態は、本明細書の記載及び技術常識に基づいて前記実施形態各部の構成要素の省略、置換又は追加が可能であり、それらは全て本発明の範囲に属するものと解釈されるべきである。
当該木管楽器用リードは、少なくとも一部に保湿材料を含有していればよく、平面視で一部の領域の厚さ方向全体に保湿材料を含有してもよい。また、部分的に保湿材料を含有する保湿層を形成する場合、上述の実施形態において保湿層が積層された部分と異なる部分に保湿層が積層されてもよい。例えば、リード本体の表裏両面に保湿層が積層されてもよい。
本発明の木管楽器用リードは、サクソフォンだけでなく、リードを使用する他の木管楽器に広く利用することができる。
1,1a,1b 木管楽器用リード
2 サクソフォン本体
3 マウスピース
4 管体部
5 キイ
6 レバー
7 リガチャ
8 ヴァンプ
9 保湿材料
10,10b リード本体
11,11b 保湿層

Claims (3)

  1. 合成樹脂をマトリックスとし、長手方向一端側にヴァンプを有する帯板状の木管楽器用リードであって、
    少なくとも一部に保湿材料を含有し、
    前記保湿材料を前記マトリックス中に略均一に有することを特徴とする木管楽器用リード。
  2. 合成樹脂をマトリックスとし、長手方向一端側にヴァンプを有する帯板状の木管楽器用リードであって、
    少なくとも一部に保湿材料を含有し、
    前記保湿材料が粉末フィラーであることを特徴とする木管楽器用リード。
  3. 前記粉末フィラーがヒドロキシアパタイト、珪藻土又はミルクカゼインである請求項に記載の木管楽器用リード。
JP2016012406A 2016-01-26 2016-01-26 木管楽器用リード Active JP6701759B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016012406A JP6701759B2 (ja) 2016-01-26 2016-01-26 木管楽器用リード

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016012406A JP6701759B2 (ja) 2016-01-26 2016-01-26 木管楽器用リード

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017134156A JP2017134156A (ja) 2017-08-03
JP6701759B2 true JP6701759B2 (ja) 2020-05-27

Family

ID=59504943

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016012406A Active JP6701759B2 (ja) 2016-01-26 2016-01-26 木管楽器用リード

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6701759B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AT520571A1 (de) * 2017-10-27 2019-05-15 Nick Kueckmeier Rohrblatt
US11676562B1 (en) 2020-01-14 2023-06-13 D'addario & Company, Inc. Synthetic reed with cane particles
DE102020007172B3 (de) 2020-11-24 2021-06-24 Leitner & Kraus Gmbh Tonerzeugendes Blatt für ein Blasinstrument

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017134156A (ja) 2017-08-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2017051751A1 (ja) 木管楽器用リード
JP6701759B2 (ja) 木管楽器用リード
JP5109666B2 (ja) 弦楽器のテールピース保持構造
US7705227B2 (en) Mouthpiece of brass instrument
JPH08504039A (ja) 音を発生させる吹奏楽器用リード
JP5925530B2 (ja) サックスフォン用リード
US3420132A (en) Reeds for woodwind instruments
US4014241A (en) Synthetic woodwind reed
US20050061137A1 (en) Reed for single-reed woodwind instruments
JP2017134233A (ja) 木管楽器用リード及び木管楽器用リードの製造方法
JP6708220B2 (ja) 木管楽器用リード及び木管楽器用リードの製造方法
US7872186B1 (en) Bassoon reed with tubular undersleeve
US20230045670A1 (en) Reed plate for a hand-pulled instrument, sound post for a hand-pulled instrument, as well as hand-pulled instrument
WO2022004310A1 (ja) 木管楽器用リード及び木管楽器
US20140109748A1 (en) Mouthpiece for Brass-Wind Musical Instrument
JP6690330B2 (ja) マウスピース及びアタッチメント
JP6623789B2 (ja) 木管楽器用リード及び木管楽器用リードの製造方法
US2456299A (en) Perforated reed for wind instruments
KR20110009100U (ko) 에코 활성부가 구비된 악기용 리드
JP2021179540A (ja) 吹き口装着型管楽器用消音器
CN111684518B (zh) 具有规则的握把和较厚的弦接触部分的拨片
US20080087156A1 (en) Mouthpiece with a replaceable bite plate
JP7317842B2 (ja) リード
JP7039043B2 (ja) 息漏れ防止器具
US20130104723A1 (en) Mouthpiece for Brass-Wind Musical Instrument

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181126

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190925

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191029

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191125

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200407

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200420

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6701759

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151