JP6701745B2 - 三次元形状測定方法、変位測定方法、三次元形状測定装置、変位測定装置、構造物製造方法、構造物製造システム、及び三次元形状測定プログラム - Google Patents

三次元形状測定方法、変位測定方法、三次元形状測定装置、変位測定装置、構造物製造方法、構造物製造システム、及び三次元形状測定プログラム Download PDF

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Description

本発明は、三次元形状測定方法、変位測定方法、三次元形状測定装置、変位測定装置、構造物製造方法、構造物製造システム、及び三次元形状測定プログラムに関する。
測定対象物の三次元形状を測定する手法として、例えば位相シフト法が知られている。位相シフト法を用いた形状測定装置は、投影部、撮像部、及び制御部を備えている。4バケット法の場合、この投影部は、正弦波状の光強度の分布を有する縞状のパターン光を測定対象物に投影する。この際、撮像部は、例えば、4種類の異なる位相送り量のパターン光がそれぞれ測定対象物に投影されるときに、それぞれ測定対象物を撮像して4つの画像を取得する。制御部は、撮像部が撮像した4つの画像における各画素の信号強度に関するデータを所定の演算式に当てはめ、測定対象物の面形状に応じた各画素における縞の位相値を求める。そして、演算部は、三角測量の原理を利用して、各画素における縞の位相値から測定対象物の三次元座標データ(例えば、点群データ)を算出する。この位相シフト法を利用した装置は、例えば、特許文献1に開示されている。
米国特許第5450204号明細書
形状測定装置においては、測定対象物の三次元形状を精度よく算出することが求められている。また、対象物と装置とが相対的に変位する場合にその変位量を簡易的な構成で、また広範囲において精度よく算出することが求められている。
本発明の態様に従えば、基準となる位相からの位相の変化量を表す位相送り量が異なる複数の構造光を所定の投影角で測定対象物に順次、投影することと、複数の構造光が投影された測定対象物の測定像をそれぞれ撮像することと、撮像された複数の測定像に基づいて、位相シフト法を用いて測定対象物の三次元形状を算出することと、を含む三次元形状測定方法であって、撮像された複数の測定像について、測定像の各画素の信号強度をIとすると、該信号強度Iは数1のように示され、
(但し、α 、β 、θ はそれぞれ測定像における構造光のオフセット量、振幅、位相であり、δ は構造光の位相送り量、iは構造光の位相ステップ数、jは画素のインデックスとする。)
三次元形状を算出することは、信号強度Iと、オフセット量α と、振幅β と、位相送り量δ との値を使用して、位相θ を算出することと、算出された位相θ に基づいて測定対象物の三次元形状を算出することと、を含む三次元形状測定方法が提供される。
本発明の第1態様に従えば、位相送り量が異なる複数の構造光を所定の投影角で測定対象物に順次、投影することと、複数の構造光が投影された測定対象物の測定像をそれぞれ撮像することと、撮像された複数の測定像に基づいて、位相シフト法を用いて測定対象物の三次元形状を算出することと、を含む三次元形状測定方法であって、撮像された複数の測定像について、測定像の各画素の信号強度をIとすると、該信号強度Iは数1のように示され、
(但し、α、β、θはそれぞれ測定像における構造光のオフセット量、振幅、位相であり、δは構造光の位相送り量、iは構造光の位相ステップ数、jは画素のインデックスとする。)
三次元形状を算出することは、信号強度Iと、オフセット量αと、振幅βと、位相送り量δとの値に基づいて、位相θを算出することと、算出された位相θに基づいて測定対象物の三次元形状を算出することと、を含む三次元形状測定方法が提供される。
本発明の態様に従えば、位相の初期送り量が異なる複数の構造光を所定の投影角で測定装置から測定対象物に順次、投影することと、複数の構造光が投影された測定対象物の測定像を測定装置でそれぞれ撮像することと、撮像された複数の測定像に基づいて、位相シフト法を用いて測定装置に対する測定対象物の変位量を求めることと、を含む変位測定方法であって、位相の初期送り量は、測定対象物と測定装置とが相対的に変位していないと仮定した場合に、基準となる位相からの位相の変化量を表し、撮像された複数の測定像について、測定像の各画素の信号強度をIとすると、該信号強度Iは数1のように示され、
(但し、α 、β 、θ はそれぞれ測定像における構造光のオフセット量、振幅、位相であり、δ は構造光における、基準となる位相からの位相の変化量を表す位相送り量、iは構造光の位相ステップ数、jは画素のインデックスとする。)
測定対象物の変位量を求めることは、信号強度Iと、オフセット量α と、振幅β と、位相θ との値を使用して、位相送り量δ を算出することと、算出された位相送り量δ に基づいて測定装置に対する測定対象物の変位量を求めることと、を含む変位測定方法が提供される。
本発明の第2態様に従えば、位相の初期送り量が異なる複数の構造光を所定の投影角で測定装置から測定対象物に順次、投影することと、複数の構造光が投影された測定対象物の測定像を測定装置でそれぞれ撮像することと、撮像された複数の測定像に基づいて、位相シフト法を用いて測定装置に対する測定対象物の変位量を求めることと、を含む変位測定方法であって、撮像された複数の測定像について、測定像の各画素の信号強度をIとすると、該信号強度Iは数1のように示され、
(但し、α、β、θはそれぞれ測定像における構造光のオフセット量、振幅、位相であり、δは構造光の位相送り量、iは構造光の位相ステップ数、jは画素のインデックスとする。)
変位量を求めることは、信号強度Iと、オフセット量αと、振幅βと、位相送り量δとの値に基づいて、位相送り量δを算出することと、算出された位相δに基づいて測定装置に対する前記測定対象物の変位量を求めることと、を含む変位測定方法が提供される。
本発明の態様に従えば、基準となる位相からの位相の変化量を表す位相送り量が異なる複数の構造光を所定の投影角で測定対象物に順次、投影する投影部と、複数の構造光が投影された測定対象物の測定像をそれぞれ撮像する撮像部と、撮像された複数の測定像に基づいて、位相シフト法を用いて測定対象物の三次元形状を算出する演算部と、を備える三次元形状測定装置であって、撮像された複数の測定像について、測定像の各画素の信号強度をIとすると、該信号強度Iは、数1のように示され、
(但し、α 、β 、θ はそれぞれ測定像における構造光のオフセット量、振幅、位相であり、δ は構造光の位相送り量、iは構造光の位相ステップ数、jは画素のインデックスとする。)
演算部は、信号強度Iと、オフセット量α と、振幅β と、位相送り量δ との値を使用して、位相θ を算出し、算出された位相θ に基づいて測定対象物の三次元形状を算出する、三次元形状測定装置が提供される。
本発明の第3態様に従えば、位相送り量が異なる複数の構造光を所定の投影角で測定対象物に順次投影する投影部と、複数の構造光が投影された測定対象物の測定像をそれぞれ撮像する撮像部と、撮像された複数の測定像に基づいて、位相シフト法を用いて測定対象物の三次元形状を算出する演算部と、を備える三次元形状測定装置であって、撮像された複数の測定像について、測定像の各画素の信号強度をIとすると、該信号強度Iは、数1のように示され、
(但し、α、β、θはそれぞれ測定像における構造光のオフセット量、振幅、位相であり、δは構造光の位相送り量、iは構造光の位相ステップ数、jは画素のインデックスとする。)
演算部は、信号強度Iと、オフセット量αと、振幅βと、位相送り量δとの値に基づいて、位相θを算出し、算出された位相θに基づいて測定対象物の三次元形状を算出する、三次元形状測定装置が提供される。
本発明の態様に従えば、位相の初期送り量が異なる複数の構造光を所定の投影角で測定対象物に順次、投影する投影部と、複数の構造光が投影された測定対象物の測定像をそれぞれ撮像する撮像部と、撮像された複数の測定像に基づいて、位相シフト法を用いて測定対象物の変位量を求める演算部と、を含む変位測定装置であって、位相の初期送り量は、測定対象物と変位測定装置とが相対的に変位していないと仮定した場合に、基準となる位相からの位相の変化量を表し、撮像された複数の測定像について、測定像の各画素の信号強度をIとすると、該信号強度Iは数1のように示され、
(但し、α 、β 、θ はそれぞれ測定像における構造光のオフセット量、振幅、位相であり、δ は構造光における、基準となる位相からの位相の変化量を表す位相送り量、iは構造光の位相ステップ数、jは画素のインデックスとする。)
演算部は、信号強度Iと、オフセット量α と、振幅β と、位相θ との値を使用して、位相送り量δ を算出し、算出された位相送り量δ に基づいて変位測定装置に対する測定対象物の変位量を求める、変位測定装置が提供される。
本発明の第4態様に従えば、位相の初期送り量が異なる複数の構造光を所定の投影角で測定対象物に順次、投影する投影部と、複数の構造光が投影された測定対象物の測定像をそれぞれ撮像する撮像部と、撮像された複数の測定像に基づいて、位相シフト法を用いて測定対象物の変位量を求める演算部と、を含む変位測定装置であって、撮像された複数の測定像について、測定像の各画素の信号強度をIとすると、該信号強度Iは数1のように示され、
(但し、α、β、θはそれぞれ測定像における構造光のオフセット量、振幅、位相であり、δは構造光の位相送り量、iは構造光の位相ステップ数、jは画素のインデックスとする。)
演算部は、信号強度Iと、オフセット量αと、振幅βと、位相送り量δとの値に基づいて、位相送り量δを算出し、算出された位相δに基づいて変位測定装置に対する測定対象物の変位量を求める、変位測定装置が提供される。
本発明の第5態様に従えば、構造物の形状に関する設計情報を作製することと、設計情報に基づいて構造物を作製することと、作製された構造物の三次元形状を測定する本発明の第1態様に従う三次元形状測定方法と、三次元形状測定方法によって得られた構造物の三次元形状に関する形状情報と設計情報とを比較することとを含む構造物製造方法が提供される。
本発明の第6態様に従えば、構造物の形状に関する設計情報を作製する設計装置と、設計情報に基づいて構造物を作製する成形装置と、作製された構造物の三次元形状を測定する本発明の第2態様に従う三次元形状測定装置と、三次元形状測定装置によって得られた構造物の三次元形状に関する形状情報と設計情報とを比較する検査装置とを含む構造物製造システムが提供される。
本発明の態様に従えば、基準となる位相からの位相の変化量を表す位相送り量が異なる複数の構造光を所定の投影角で測定対象物に順次、投影し、複数の構造光が投影された測定対象物の測定像をそれぞれ撮像し、撮像された複数の測定像に基づいて、位相シフト法を用いて測定対象物の三次元形状を算出する三次元形状測定装置に含まれるコンピュータに、撮像された複数の測定像について、測定像の各画素の信号強度をIとすると、該信号強度Iは数1のように示され、
(但し、α 、β 、θ はそれぞれ測定像における構造光のオフセット量、振幅、位相であり、δ は構造光の位相送り量、iは構造光の位相ステップ数、jは画素のインデックスとする。)
信号強度Iと、オフセット量α と、振幅β と、位相送り量δ との値を使用して、位相θ を算出する処理と、算出された位相θ に基づいて測定対象物の三次元形状を算出する処理と、を実行させる三次元形状測定プログラムが提供される。
本発明の第7態様に従えば、位相送り量が異なる複数の構造光を所定の投影角で測定対象物に順次、投影し、複数の構造光が投影された測定対象物の測定像をそれぞれ撮像し、撮像された複数の測定像に基づいて、位相シフト法を用いて測定対象物の三次元形状を算出する三次元形状測定装置に含まれるコンピュータに、撮像された複数の測定像について、測定像の各画素の信号強度をIとすると、該信号強度Iは数1のように示され、
(但し、α、β、θはそれぞれ測定像における構造光のオフセット量、振幅、位相であり、δは構造光の位相送り量、iは構造光の位相ステップ数、jは画素のインデックスとする。)
信号強度Iと、オフセット量αと、振幅βと、位相送り量δとの値に基づいて、位相θを算出する処理と、算出された位相θに基づいて測定対象物の三次元形状を算出する処理と、を実行させる三次元形状測定プログラムが提供される。
第1実施形態に係る形状測定装置の一例を示す図である。 図1に示す形状測定装置の詳細構成の一例を示すブロック図である。 投影領域における構造光の強度分布を示す図である。 測定対象物のない平面に各位相の縞パターンが投影された状態を示す図である。 ぶれについて模式的に示す図である。 形状測定装置の動作を説明しつつ、形状測定方法の一例について説明するフローチャートである。 測定像の画素領域を複数の画素領域で分割した一例を示す図である。 第2実施形態に係る変位測定装置の一例を示す図である。 図8に示す変位測定装置の詳細構成の一例を示すブロック図である。 変位測定装置の動作を説明しつつ、変位測定方法の一例について説明するフローチャートである。 第3実施形態に係る形状測定装置の一例を示す図である。 構造物製造システムの実施形態の一例を示すブロック図である。 構造物製造方法の実施形態の一例を示すフローチャートである。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る形状測定装置の一例を示す図である。なお、図1において、紙面の右方向をX軸とし、X軸と直交するある方向をY軸とし、X軸及びY軸と直交する方向をZ軸としている。形状測定装置(三次元形状測定装置)1は、位相シフト法を用いて測定対象物2の三次元形状を測定する装置である。形状測定装置1は、図1に示すように、投影部10と、撮像部50と、演算処理部60と、表示装置70と、音声出力装置80と、筐体90とを備える。形状測定装置1は、投影部10、撮像部50、演算処理部60、表示装置70及び音声出力装置80が持ち運び可能な筐体90に収容された構成となっている。
投影部10は、第1の方向D1(図1のX軸方向)に沿った投影光100を生成する。そして、投影部10は、生成した投影光100を第1の方向とは異なる第2の方向D2(図1のY軸方向)に沿って走査することにより、投影領域200に対して、第2の方向D2に沿って周期的な光強度の分布を有する縞状の光を投影する。以下、この光を構造光101と称する。第1実施形態の構造光101は、位相シフト法で用いる構造光である。なお、構造光101及び投影領域200の詳細については後述する。
撮像部50は、測定対象物2を撮像する。形状測定装置1において、撮像部50は、投影部10の位置と異なる位置に配置されている。撮像部50は、投影光100が投影された測定対象物2を、投影部10による投影方向とは異なる方向から撮像する。撮像部50は、例えば構造光101が投影された測定対象物2の像(以下、「測定像」と表記する。)を撮像する。また、撮像部50は、測定像とは別個に例えば自然光による測定対象物2の像(以下、「参照像」と表記する。)を撮像する。参照像は、例えば静止画像及びライブビュー画像を含む。
演算処理部60は、投影部10、撮像部50、表示装置70及び音声出力装置80の動作を制御する。また、演算処理部60は、自然光による測定対象物2の像を撮像するように撮像部50を制御する。また、演算処理部60は、撮像部50が撮像した画像データにおける各画素の信号強度データ(言い換えると、輝度データ)に基づいて、測定対象物2の三次元形状を算出する。
次に、図2を参照して形状測定装置1に含まれる投影部10、撮像部50、及び演算処理部60の詳細な構成について説明する。図2は、図1に示す形状測定装置1の詳細構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように3軸座標系を設定した場合、図2においては、紙面の右方向がX軸となり、紙面の上方向がZ軸となり、紙面の裏から表に向かう方向がY軸となる。図2に示すように、投影部10は、光生成部20、投影光学系30、及び走査部40を有している。
光生成部20は、投影光100を生成する。光生成部20は、レーザコントローラ21及びレーザダイオード22を含む。レーザコントローラ21は、制御部62からの指令信号に基づいてレーザダイオード22によるレーザ光の照射を制御する。レーザダイオード22は、レーザコントローラ21からの制御信号に基づいてレーザ光を照射する光源である。レーザダイオード22は、例えば赤色光を射出する赤色レーザダイオードと、緑色光を射出する緑色レーザダイオードと、青色光を射出する青色レーザダイオードとを有している。なお、レーザダイオードでなくてもよく、例えば、LEDでもよい。
投影光学系30は、光生成部20で生成された投影光100を投影する。投影光学系30から出射された投影光100は、走査部40を介して測定対象物2に向けて投影される。投影光学系30は、一つまたは複数の透過光学素子または反射光学素子によって構成される。
走査部40は、投影光学系30から出射された投影光100を、例えば、ミラー等の反射光学素子を用いて反射し、その反射角を変化させることにより投影光100を第2の方向D2(図2のY軸方向)に走査する。走査部40を構成する反射光学素子の一例として、静電気でミラーを共振させて投影光100の反射角を変化させるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーが用いられる。第2の方向D2は、第1の方向D1(図2のX軸方向)と異なる測定対象物2上の方向である。例えば、第1の方向D1と第2の方向D2とは直交している。
MEMSミラーによる第2の方向D2の走査幅(つまり、投影領域200における第2の方向D2の長さ)は、MEMSミラーの振動方向における振幅によって決定される。また、MEMSミラーにより投影光100が第2の方向D2に走査される速度は、MEMSミラーの角速度(つまり、共振周波数)によって決定される。また、MEMSミラーを共振させることにより、投影光100を往復して走査可能となる。投影光100の走査の開始位置は任意である。例えば、投影領域200の端から投影光100の走査が開始されるほかに、投影領域200の略中央付近から走査が開始されてもよい。
図3は、投影領域200における構造光101の強度分布を示す図である。図1に示すような3軸座標系を設定した場合、図3においては、紙面の右方向がX軸となり、紙面の下方向がY軸となり、紙面の裏から表に向かう方向がZ軸となる。
図3に示すように、投影光100は、第1の方向D1に所定の長さを有するスリット状(言い換えると、ライン状)の光である。スリット状の光は、例えば、投影光学系30(図2参照)により生成される。図2において、投影光学系30は、1つのレンズ(光学素子)を示しているが複数の光学素子で構成されてもよい。投影光学系30は、スリット状の光を生成するために、例えばシリンドリカルレンズを含んで構成されてもよい。レーザダイオード22から出射した光は、シリンドリカルレンズにより一方向に(スリット状にまたはライン状に)集光され、走査部40に反射されることにより、図3に示すようにX軸方向に延びたスリット状の光となる。ただし、スリット状の光は、投影光学系30においてシリンドリカルレンズを含まずに生成されてもよいし、レーザダイオード22で生成されてもよい。投影光100は、走査部40の共振により第2の方向D2に所定の距離にわたって走査されることで矩形状の投影領域200を形成する。投影領域200は、構造光101が投影される領域であり、第1の方向D1と第2の方向D2とで規定される領域である。投影領域200は、測定対象物2の一部または全部を含んでいる。
図3に示す構造光101は、第2の方向D2に沿って周期的な光強度の分布を有する光である。第1実施形態では、構造光101の一例として、第2の方向D2に沿って正弦波状の周期的な光強度の分布を有する縞パターンPが用いられる。より詳しくは、正弦波の位相がπ/2ずつ変化した4種類の位相送り量(つまり、基準となる位相送り量0と、位相送り量π/2と、位相送り量πと、位相送り量3π/2)の縞パターンPが用いられる。縞パターンPは、例えば投影光100の波長を所定波長(例、約680nm)として、投影光100の光強度を周期的に変化させつつ第2の方向D2に走査することで形成される。縞パターンPは、明るい部分(図3の白い部分)と暗い部分(図3の黒い部分)とが第2の方向D2に沿って変化する明暗パターンを有する。また、縞パターンPは、濃い部分(図3の黒い部分)と薄い部分(図3の白い部分)とが徐々に変化する濃淡パターンとも表現される。また、縞パターンPは、格子状のパターンであるから格子パターンとも表現される。また、第2の方向D2を明暗の方向または濃淡の方向、格子の方向ともいう。なお、構造光101は、正弦波状の周期的な光強度分布を有する光でなくてもよく、周期的な光強度の分布を有する光であればよい。例えば、三角波や矩形波などの光強度分布を有する光でもよい。
続いて、図2に示すように、撮像部50は、結像光学系51及び撮像装置52を有している。結像光学系51は、測定対象物2の表面において、投影光100が投影された部分を含む領域の像を撮像装置52に結像させる光学系である。結像光学系51は、例えば複数のレンズが用いられる。
撮像装置52は、結像光学系51によって結像された像に基づいて測定対象物2の画像データを生成するとともに、生成した画像データを記憶する。撮像装置52は、結像光学系51、CCDカメラ52a、及び画像メモリ52bを有している。CCDカメラ52aは、電荷結合素子(Charge Coupled Device)を用いたカメラである。
CCDカメラ52aにより生成される画像データは画素毎の信号強度データによって構成される。例えば、画像データは512×512=262144画素の信号強度データで構成される。画像メモリ52bは、CCDカメラ52aが生成した画像データを記憶する。
続いて、図2に示すように、演算処理部60は、操作部61、制御部62、設定情報記憶部63、取込メモリ64、演算部65、画像記憶部66、及び表示制御部67を有している。
操作部61は、形状測定装置1の使用者の操作に応じた操作信号を制御部62に出力する。この操作部61は、例えば、使用者によって操作されるボタン、スイッチである。また、表示装置70には例えばタッチパネルが形成されている。このタッチパネルも操作部61として用いられる。
制御部62は、光生成部20と、走査部40と、撮像部50とを制御する。制御部62は、設定情報記憶部63に記憶されているプログラムに従って次の制御を実行する。
制御部62は、走査部40及びCCDカメラ52aに指令信号を出力し、CCDカメラ52aによる測定対象物2の撮像が、走査部40による縞パターンPの走査に同期するように制御する。また、制御部62は、CCDカメラ52aによる1フレームの撮像と、縞パターンPの複数回の走査とを同期させるように制御する。また、制御部62は、CCDカメラ52aを単独で制御することが可能である。この場合、制御部62の制御により、CCDカメラ52aは、自然光による測定対象物2の像を所定のフレームレートで撮像する。
制御部62は、レーザコントローラ21に指令信号を出力することにより、レーザダイオード22から赤色光、青色光及び緑色光を組み合わせた所望のレーザ光を照射可能である。また、制御部62は、レーザコントローラ21に指令信号を出力することにより、レーザダイオード22から照射されるレーザ光の光強度を調整可能である。制御部62は、縞パターンPを測定対象物2に投影する場合、例えばレーザコントローラ21と走査部40とを同期制御することにより、所定波長の投影光100の光強度を周期的に変化させつつ該投影光100を第2の方向D2に走査する。
走査部40を構成するMEMSミラーの周波数は、例えば500Hz(MEMSミラーの振動周期は往復2ms)に設定される。また、CCDカメラ52aのシャッタースピード(CCDカメラ52aの露光時間)は例えば40msに設置される。従って、CCDカメラ52aが1枚の画像を撮像する間に、走査部40は投影光100を投影領域200に40回走査(20回往復走査)する。制御部62は、CCDカメラ52aによる1フレームの撮像の間に、例えば走査部40により、投影光100を20回往復させるように制御を行う。ただし、CCDカメラ52aによる1フレームの撮像において、投影光100を何往復走査させるかは、任意に設定可能である。例えば、CCDカメラ52aのシャッタースピードの調整や、MEMSミラーの周波数の調整により、1フレームの撮像で取り込む投影光100の走査数は調整される。
設定情報記憶部63は、制御部62に制御を実行させるためのプログラムを記憶する。また、設定情報記憶部63は、演算部65に対して、測定対象物2の三次元形状の演算処理を実行させるための形状測定プログラムを記憶する。設定情報記憶部63は、表示制御部67に表示制御を実行させるためのプログラムを記憶する。設定情報記憶部63は、形状測定プログラムを実行した時、演算部65の演算処理において縞パターンPの縞の位相から測定対象物2の三次元座標データ(例えば、点群データ)を算出することに用いるキャリブレーション情報なども記憶する。
取込メモリ64は、画像メモリ52bに記憶された画像データを取り込んで記憶する。この取込メモリ64は、縞パターンPを投影して撮像した測定対象物2の測定像や、自然光による測定対象物2の参照像などが記憶される。取込メモリ64には、複数の記憶領域が設けられている。測定像の画像データ及び参照像の画像データは、例えばそれぞれ異なる記憶領域に記憶される。
演算部65は、設定情報記憶部63に記憶されているプログラムやキャリブレーション情報に従って、所定の演算を実行する。例えば、本実施形態において、演算部65は、形状測定プログラムに従って、まず、位相送り量の異なる4種類の縞パターンPが投影され、それぞれ撮像された測定対象物2の4つの測定像の各画素の信号強度を用いて以下の第1演算〜第4演算を行い、当該測定対象物2の複数の測定像における構造光の位相を算出する。そして、算出した縞の位相とキャリブレーション情報に基づいて、測定対象物2の三次元座標データを算出し、測定対象物2の三次元形状を算出する。ここで、構造光101(本実施形態では、縞パターンP)が投影された測定対象物2を撮像すると、少なくとも測定対象物2と構造光101の像が得られるが、この構造光101の像は周期的に光強度が変化する縞状の像となる。この像における構造光101の位相を測定像における構造光の位相と称する。また、本実施形態において、正弦波状の光強度分布を有する縞パターンPを測定対象物2に投影する場合は、正弦波状の像が観測される。この像における正弦波の位相を測定像における正弦波の位相と称する。
ここで、測定像の画素の信号強度Iは、数1のように示される。
(但し、α、β、θはそれぞれ測定像における構造光のオフセット量、振幅、位相であり、δは構造光101の位相送り量、iは構造光101の位相ステップ数、jは画素のインデックスとする。)
測定像における構造光のオフセット量αは、投影部10から投影された光が測定対象物2などで反射した光とは異なる光(例えば、自然光)を撮像部50で受光した光の成分であり、直流成分と言い換えることもできる。本実施形態において、縞パターンPを測定対象物に投影する場合、測定像における構造光のオフセット量αは、測定像における正弦波の直流成分となる。
また、構造光101の位相ステップ数iは、測定対象物2に投影する構造光101の位相を識別する数であり、本実施形態において4種類(0、π/2、π、3π/2)の位相送り量の構造光を投影する場合、位相送り量0(つまり、位相の基準)の構造光101ではi=1、同様に、位相送り量π/2の構造光101ではi=2、位相送り量πの構造光101ではi=3、位相送り量3π/2の構造光101ではi=4となる。また、構造光101の位相送り量δは、基準となる位相(すなわち、位相送り量0)からの位相の変化量を表す。本実施形態において、基準となる位相からπ/2毎に4種類の位相送り量の構造光101を投影する場合、δは0、π/2、π、3π/2の値となり得る。但し、本実施形態において、δは、形状測定装置1の使用者の手ぶれや測定対象物2の変位などによる測定対象物2と形状測定装置1との間の相対的な位置関係の変化に起因し、投影される構造光101が測定対象物2に対してずれた量(つまり、投影された構造光101の位相の変化分)を含み得る量とする。ここで、以降、測定対象物2と形状測定装置1とが相対的に変位していないと仮定した位相送り量(つまり、0、π/2、π、3π/2)を初期送り量と称する。また、測定対象物2と形状測定装置1との相対的な変位に起因した初期送り量からの位相の変化量を二次送り量と称する。なお、本実施形態においてiは、縞パターンPの位相ステップ数と言い換えることもでき、δは、縞パターンPの位相送り量と言い換えることもできる。
また、画素のインデックスjは、撮像部50で撮像された像の個々の画素を識別する番号であり、例えば、CCDカメラ52aの画素が512×512=262144個で構成されていれば、jは1から26214の値となる。
ここで、本実施形態において、数式1について、p=α、q=βcosθ、r=βsinθ、s=cosδ、t=sinδとする。また、演算部65は、δの値として、一例として測定対象物2に投影される各構造光101の初期送り量0、π/2、π、3π/2の値をそれぞれ用いたときのs、tの値を算出する(第1演算)。なお、第1演算によって求められるs、tの値は、測定対象物2と形状測定装置1(撮像部50)との間に相対的な変位がないと仮定した場合の値である。
数式1を、p、q、r、s、tで表すと、数2のように示される。
また、演算部65は、算出されたそれぞれの位相送り量δに対応するs、tの値に基づいて、p、q、rの値を算出する(第2演算)。演算部65は、第2演算において、行列A、ベクトルx、bを以下の数3のように定義した場合に、4種類の異なる位相送り量(つまり、位相ステップ数i=1、2、3、4)の縞パターンPをそれぞれ投影して撮像部50で撮像された4つの測定像における各画素の信号強度Iと、第1演算で算出されたs、tの値を用い、|Ax−b|の値が最小となるように最小二乗法でp、q、rの値を求める。但し、数3において、nは測定像の数である。
また、演算部65は、算出されたp、q、rの値に基づいてs、tの値を算出する(第3演算)。演算部65は、第3演算において、行列C、ベクトルy、dを以下の数4のように定義した場合に、4種類の異なる位相送り量の縞パターンPをそれぞれ投影して撮像部50で撮像された4つの測定像における各画素の信号強度Iと、第2演算で産出されたp、q、rの値を用い、|y|=1の条件の下で、|Cy−d|の値が最小となるように最小二乗法を用いてs、tの値を求める。
ここで、演算部65は、s、tの値が収束したか否かを判定する。具体的には、第1演算で算出したsと、第3演算で算出したsとの差の値と、第1演算で算出したtと、第3演算で算出したtとの差の値とが共に閾値以下である場合、s、t の値が収束したと判定する。本実施形態において、閾値は演算部65の演算誤差程度であり、10−9である。また、本実施形態において、当該閾値は設定情報記憶部63に記憶される。
また、演算部65は、第2演算で算出されたq、rの値に基づいてθを求める(第4演算)。なお、第3演算で算出されたs、tの値に基づいてδの値を求めてもよい。
また、演算部65は、算出されたθを用いて、位相シフト法により測定対象物2の三次元座標データを算出する。なお、位相シフト法の原理については後述する。
画像記憶部66は、演算部65による演算処理によって算出される測定対象物2の三次元座標データを記憶する。また、画像記憶部66は、演算部65によって算出される測定対象物2の画像データや、演算処理の際に用いられる画像データなどを記憶する。このような画像データには、静止画、動画、ライブビュー画像などが含まれる。
表示制御部67は、設定情報記憶部63に記憶されているプログラムに従って三次元形状の画像の表示制御を実行する。すなわち、表示制御部67は、使用者による操作部61の操作に応じて、または自動的に、画像記憶部66に記憶された三次元座標データを読み出す。そして、表示制御部67は、読み出した三次元座標データに基づいて表示装置70の表示画面に測定対象物2の三次元形状の画像を表示させる制御を実行する。また、表示制御部67は、設定情報記憶部63に記憶されているプログラムに従って、画像記憶部66に記憶された参照像のデータを読み出す。そして、表示制御部67は、読み出した参照像のデータに基づいて表示装置70の表示画面に測定対象物2の静止画像やライブビュー画像を表示させる制御を実行する。
音声出力制御部68は、設定情報記憶部63に記憶されているプログラムに従って、音声情報(聴覚的情報)の出力制御を実行する。
表示装置70は、表示制御部67の制御により、測定対象物2の三次元形状の画像や参照像(静止画像及びライブビュー画像)を表示する装置である。この表示装置70は、例えば液晶表示装置や有機EL表示装置などが用いられる。
音声出力装置80は、音声出力制御部68の制御により、測定対象物2を撮像する位置を音声情報によって使用者に通知する。音声出力装置80は、例えばスピーカーなどが用いられる。
また、制御部62、演算部65、及び表示制御部67は、CPU(Central Processing Unit)などの演算処理装置により構成される。すなわち、演算処理装置が設定情報記憶部63に記憶されているプログラムに従って制御部62が実行する処理を行う。また、演算処理装置が設定情報記憶部63に記憶されているプログラムに従って演算部65が実行する処理を行う。また、演算処理装置が設定情報記憶部63に記憶されているプログラムに従って表示制御部67及び音声出力制御部68が実行する処理を行う。このプログラムには、形状測定プログラムが含まれる。該形状測定プログラムは、演算部65に対して、第1演算処理と、第2演算処理と、第3演算処理と、第4演算処理などを実行させる。
次に、位相シフト法の原理について説明する。
位相シフト法は、三角測量の原理に基づいて、測定対象物2へ投影した正弦波状の光強度分布を有する縞パターンPの縞の位相をシフトさせて撮像した画像(つまり、縞パターンPが投影された測定対象物2の測定像)を解析することにより、三次元的に形状を計測する手法である。本実施形態において、縞パターンPは、縞の位相を第2の方向D2に沿ってπ/2ずつシフトさせた4種類の縞パターンPである。ここで、縞パターンPの位相送り量は、縞パターンPの光強度の分布である正弦波の位相送り量と言い換えることができる。つまり、光強度の分布である正弦波をπ/2ずつ第2の方向D2に沿ってシフトさせて4種類の縞パターンPを生成する。
以下、例えば基準となる縞パターンPを第1縞パターンP1とし、この第1縞パターンP1の位相送り量を0とする。そして、この第1縞パターンP1の位相をπ/2だけシフトさせた縞パターンPを第2縞パターンP2とし、第1縞パターンP1の位相をπだけシフトさせた縞パターンPを第3縞パターンP3とし、第1縞パターンP1の位相を3π/2だけシフトさせた縞パターンPを第4縞パターンP4とする。
図4(a)〜(d)は、測定対象物2のない平面に第1縞パターンP1〜第4縞パターンP4が投影された状態を示す図であり、投影領域200内における撮像領域の画像である。図4(a)は第1縞パターンP1、(b)は第2縞パターンP2、(c)は第3縞パターンP3、(d)は第4縞パターンP4を示している。
位相シフト法では、図4(a)〜(d)に示すような第1縞パターンP1〜第4縞パターンP4を投影部10から測定対象物2に投影すると共に、投影部10に対して異なる角度に配置される撮像部50で測定対象物2を撮影する。このとき、投影部10、測定対象物2、撮像部50は、三角測量の位置関係になるよう配置される。
撮像部50は、第1縞パターンP1〜第4縞パターンP4がそれぞれ測定対象物2に投影された状態で、それぞれ測定対象物2を撮像して4つの測定像を取得する。そして、演算部65は、撮像部50が撮像した4つの測定像のそれぞれの信号強度に関するデータを以下の数5に当てはめ、測定対象物2の面形状に応じた各画素における縞の位相θを求める。
ただし、また、Iは第1縞パターンP1が投影されたときに撮像された測定像の信号強度である。同様に、Iは第2縞パターンP2、Iは第3縞パターンP3、Iは第4縞パターンP4がそれぞれ投影されたときの測定像の信号強度である。
このように、画像の画素毎に正弦波状に変化する信号強度の位相を求めることができる。位相θが等しい点を連結して得られる線(等位相線)が、光切断法における切断線と同じく物体をある平面で切断した断面の形状を表す。従って、この位相θに基づいて三角測量の原理により三次元形状(画像の各点での高さ情報)が求められる。
なお、図4(a)〜(d)に示すように、縞パターンPの位相送り量が0、π/2、π、3π/2とシフトする毎に、撮像領域上で縞の位置(縞の明るい部分と縞の暗い部分の位置)が位相差分だけずれているのが確認される。このように、縞パターンPの位相をシフトさせることにより、撮像領域上においては、位相に対応して、縞の明るい部分及び暗い部分の位置が第2の方向D2にずれた状態で投影される。
図4(a)〜(d)に示すように、例えば、第2縞パターンP2では、第1縞パターンP1に対して、縞の位置が位相送り量π/2に対応する距離だけ第2の方向D2にずれている。また、第3縞パターンP3では、第1縞パターンP1に対して、縞の位置が位相送り量πに対応する距離だけ第2の方向D2にずれている。同様に、第4縞パターンP4では、第1縞パターンP1に対して、縞の位置が位相送り量3π/2に対応する距離だけ第2の方向D2にずれている。このため、撮像領域上においては、第1縞パターンP1から第4縞パターンP4にかけて、縞の位置が等間隔ずつ第2の方向D2にずれた状態で投影される。
なお、図4(a)〜(d)では、平面上に投影された縞パターンPの像を示しているので、縞パターンPの像の形状に変化はない。測定対象物2がある場合は、測定対象物2の表面に縞パターンPが投影されるので測定対象物2の形状(高さ)に応じて縞パターンPの像が第2の方向D2(図3のY軸方向)に沿って変形する。
ここで、本実施形態において、形状測定装置1は、使用者が筐体90を持った状態で取り扱われる。使用者が筐体90を持った状態で静止した測定対象物2を撮像する場合、形状測定装置1から測定対象物2に対して第1縞パターンP1〜第4縞パターンP4が投影され、各縞パターンのそれぞれについて測定対象物2の測定像が撮像される。この一連の動作の間に、例えば使用者の手ぶれなどによって、測定対象物2と形状測定装置1との間に相対的な位置関係の変化が発生する可能性がある。より具体的には、任意の縞パターンPを投影して撮像した後であって、異なる縞パターンPを投影する前に測定対象物2と形状測定装置1との間に相対的な変位が発生する場合や、任意の縞パターンPを投影中(つまり、縞パターンPを投影した測定対象物2の撮像中)に測定対象物2と形状測定装置1との間に相対的な変位が発生する場合などがある。
図5は、測定対象物2と形状測定装置1との相対的な変位を説明するための図である。図5では、説明の便宜上、測定対象物2の表面2fを曲面として表示しているが、平面である場合にも同様の説明が可能である。
測定対象物2と形状測定装置1との相対的な変位が生じる場合において、測定対象物2が変位せず形状測定装置1のみが変位する場合と、測定対象物2のみが変位し形状測定装置1が変位しない場合とは、同値として扱うことができる。したがって、以下、測定対象物2と形状測定装置1との相対的な変位を説明するに当たり、便宜的に測定対象物2のみが変位し形状測定装置1が変位しないものとする。
例えば、第1縞パターンP1を投影した状態で測定像を撮像する時(以下、「第1タイミング」と表記する)と、例えば第2縞パターンP2を投影した状態で測定像を撮像する時(以下、「第2タイミング」と表記する)との間で測定対象物2と形状測定装置1との相対的なぶれが発生すると、図5に示すように、形状測定装置1(投影部10及び撮像部50)に対して測定対象物2の表面2fが変位する。
この場合、撮像部50(CCDカメラ52a)の任意の一画素(u1,v1)においては、表面2fの変位によって、第1タイミングで撮像される表面2f上の位置(以下、第1位置L1)と、第2タイミングで撮像される表面2f上の位置(以下、第2位置L2)とが異なる。つまり、表面2f上における第1位置L1と第2位置L2との変位に伴い、投影される縞パターンPの位相送り量は、第1タイミングで投影される第1縞パターンP1と第2タイミングで投影される第2縞パターンP2との位相差(つまり、π/2)とは別に、位相が変化してしまう。
この位相の変化により、異なるタイミングで撮像される(例えば、第2タイミングで撮像される測定像のある画素の信号強度(I)は、形状測定装置1と測定対象物2とが相対的に変位しない場合に得られるべき値から異なる値となってしまう。このため、各測定像の各画素における構造光(正弦波)の位相θは、形状測定装置1と測定対象物2とが相対的に変位しない場合に得られるべき値とは異なる値となってしまう。よって、該位相に基づいて求められる測定対象物2の三次元形状の測定精度が低下してしまう。
また、同じタイミング中(例えば、第1タイミング中)に形状測定装置1と測定対象物2とが相対的に変化する場合は、撮像部50の撮像中、形状測定装置1と測定対象物2との相対的な変位により、投影される縞パターンPの位相送り量が変化してしまう。この位相送り量の変化により、測定像の画素の信号強度Iは、形状測定装置1と測定対象物2とが相対的に変位しない場合に得られるべき値から異なる値となってしまう。このため、測定像における正弦波の位相θは、形状測定装置1と測定対象物2とが相対的に変位しない場合に得られるべき値とは異なる値となってしまう。よって、該位相に基づいて求められる測定対象物2の三次元形状の測定精度が低下してしまう。
これに対して、第1実施形態に係る形状測定装置1では、測定対象物2に投影される、異なる位相の構造光101の位相差(例えば、第1縞パターンP1と第2縞パターンP2との位相差π/2)に加え、形状測定装置1と測定対象物2との相対的な変位により変化する位相送り量(つまり、二次送り量)を構造光101の位相送り量δとして考慮の上、数1を用いて測定像における正弦波の位相θを算出することにより、測定対象物2の三次元形状を精度よく測定するものである。以下、この算出方法を用いた形状測定方法の一例について説明する。
図6は、第1実施形態に係る測定方法の一例を説明するフローチャートである。
形状測定装置1の電源がオンとなった状態で、使用者によりシャッター操作が行われると、本実施形態において、制御部62は、光生成部20及び走査部40に対して指令信号を出力し、測定対象物2に4種類の縞パターンP1〜P4(図4(a)〜(d)参照)を投影させる(ステップS01)。制御部62は、各縞パターンPが投影される第1タイミング〜第4タイミングで測定対象物2の測定像をそれぞれCCDカメラ52aに撮像させる(ステップS02)。
次に、演算部65は、第1演算を行う(ステップS03)。第1演算を行うことにより、測定対象物2と撮像部50(形状測定装置1)との間に相対的なぶれがないと仮定した場合のs、tの値が求められる。
次に、演算部65は、第2演算を行う(ステップS04)。1回目の第2演算を行う場合には、第1演算によって求められたs、tの値が用いられる。第2演算を行うことにより、s、tの値に応じたp、q、rの値が求められる。
次に、演算部65は、第2演算で求められたp、q、rの値に基づいて、第3演算を行う(ステップS05)。第3演算を行うことにより、第1演算で算出されたs、tの値とは異なる、新たなs、tの値が求められる。
次に、演算部65は、第3演算で求めた新たなs、tの値が収束したか否かを判断する(ステップS06)。そして、収束していないと判断した場合(ステップS06のNO)は、ステップS04に戻り、第2演算(ステップS04)及び第3演算(ステップS05)を繰り返し行う。
演算部65は、第2演算及び第3演算を繰り返し行う場合には、前回の第3演算で求めた新たなs、tの値を用いてp、q、rの値を算出し(第2演算:ステップS04)、このp、q、rの値を用いてs、tの値を算出する(第3演算:ステップS05)。
また、ステップS06において、演算部65は、第3演算で求められたs、tの値が収束していると判断した場合(ステップS06のYES)は、第4演算を行う(ステップS07)。第4演算により、各画素jについて、測定像における正弦波の位相θの値が求められる。
そして、演算部65は、設定情報記憶部63に記憶されたキャリブレーション情報により、算出した位相θから、測定対象物2の三次元座標データ(xj,yj,zj)を算出する(ステップS08)。演算部65は、以上の演算を、各画素jについてそれぞれ行い、測定対象物2の三次元座標データ(x,y,z)を算出する。
演算部65は、算出した測定対象物2の三次元座標データを画像記憶部66に記憶する。表示制御部67は、使用者による操作部61の操作に応じて、または自動的に、画像記憶部66に記憶された三次元形状の座標データを読み出す。表示制御部67は、読み出した三次元座標データに基づいて表示装置70の表示画面に測定対象物2の三次元形状を表示させる。三次元形状は、三次元空間内の点の集合である点群で表示される。この点群のデータは、形状測定装置1から出力可能である。
以上のように、第1実施形態によれば、位相送り量が異なる4つの縞パターンPを所定の投影角で測定対象物2に順次投影し、各縞パターンPが投影された測定対象物2の測定像をそれぞれ撮像し、撮像された複数の測定像に基づいて、測定対象物2の三次元形状を測定する場合に、形状測定装置1の使用者が意図しない形状測定装置1と測定対象物2との相対的な変位に伴い変化する位相量を構造光101の位相送り量δとして考慮の上、数1を用いて測定像における正弦波の位相θ(つまり、位相分布)を算出することができる。これにより、別途、形状測定装置1の姿勢や位置を検出するセンサ等を用いることもなく、簡便に測定対象物2の三次元形状を精度よく測定することができる。
<変形例>
第1実施形態において、任意の位相ステップ数の測定像について、像全体で位相送り量δは一定とした。つまり、形状測定装置1の使用者の手ぶれなどによる測定対象物2と形状測定装置1との間の相対的な変位に伴い、投影される構造光101が測定対象物2に対してずれた量(つまり、二次送り量)は測定像全体で一定とした。しかしながら、測定対象物2の形状や、形状測定装置1と測定対象物2との相対的な変位の方向によっては、測定像全体で位相送り量δを一定とすると、算出される測定像における正弦波の位相θの一部に誤差が発生したり、数2におけるs、tが収束せずに発散することによって、測定対象物2の三次元形状の精度が改善しないことがある。
そこで、本変形例では、各測定像の画素を複数の領域で分割し、その領域毎で位相送り量δを一定として、測定対象物2の三次元形状を測定する。この場合、初期送り量は分割した領域に関わらず測定像全体で一定となり、二次送り量は分割した領域毎に一定となる。
ここで、図7に示すように、測定像における全体画素領域300(本実施形態では画素が512×512=262144個)の一部の画素を含む領域を画素領域300Aと表記する。より具体的には、画素領域300Aを2画素×16画素を含む領域として、測定像の全体画素領域300を8192個の画素領域300Aに分割して画素領域300Aを設定する。各画素領域300Aは、同一の形状(大きさ)に設定される。また、初期送り量は全ての画素領域300Aで一定とし、二次送り量は分割した画素領域300A毎に一定とする。
分割された画素領域300Aの形状は、構造光101(図3及び図4参照)の周期方向(信号強度が変化するY軸方向)に対応して設定される。図7に示すように、各画素領域300Aは、構造光101のX軸方向に2画素が並び、かつ、Y軸方向に16画素が並ぶように設定される。つまり、各画素領域300Aは、Y軸方向を長手とし、かつ、X軸方向を短手とする長方形に形成される。このように、Y軸方向の画素を多くすることにより、構造光101の周期方向に多くの画素を対応させ、上記した数1のIの値として異なる値を多く得て、最小二乗法を利用する際に収束しやすくすることができる。ただし、上記した画素領域300の分割の形態は一例であって、他の形状あるいは他の画素数となるような画素領域に分割してもよい。
また、数1の画素のインデックスjは、1つの画素領域300A内の各画素を識別する点は同様である。例えば、各画素領域300Aにおいて、j=1〜32、33〜64、65〜97、・・・となる。演算部65は、予め設定された各画素領域300Aに分割するが、全体画素領域300の分割数あるいは分割された各画素領域の大きさなどは、使用者の手作業により行ってもよい。
演算部65は、各画素領域300Aにおいて、上記した実施形態と同様に図6に示すフローチャートに沿って第1演算から第3演算を行い(ステップS03〜ステップS05)、第3演算で求めたs、tの値が収束したか否かを判断する(ステップS06)。収束していないと判断した場合(ステップS06のNO)は、第2演算(ステップS04)及び第3演算(ステップS05)を繰り返し行う。ステップS06において、演算部65は、第3演算で求められたs、tの値が収束していると判断した場合(ステップS06のYES)は、第4演算を行う(ステップS07)。第4演算により、各画素jについて、測定像における正弦波の位相θの値が求められる。演算部65は、各画素領域300AについてステップS03〜ステップS07を行うことにより、画素領域300全体の各画素において測定像における正弦波の位相θの値が求められる。
正弦波の位相θの値を求めた以降の動作は、上記した実施形態と同様である。例えば、演算部65は、設定情報記憶部63に記憶されたキャリブレーション情報により、算出した位相θから、測定対象物2の三次元座標データ(xj,yj,zj)を算出し(ステップS08)、測定対象物2の三次元座標データ(x,y,z)を算出する。演算部65は、算出した測定対象物2の三次元座標データを画像記憶部66に記憶する。表示制御部67は、使用者による操作部61の操作に応じて、または自動的に、画像記憶部66に記憶された三次元形状の座標データを読み出す。表示制御部67は、読み出した三次元座標データに基づいて表示装置70の表示画面に測定対象物2の三次元形状を表示させる。三次元形状は、三次元空間内の点の集合である点群で表示される。この点群のデータは、形状測定装置1から出力可能である。
以上のように、本変形例によれば、測定像の画素を複数の領域で分割して正弦波の位相θの値を求めるので、測定対象物2の形状や、形状測定装置1と測定対象物2との相対的な変位の方向に基づいて、正弦波の位相θの一部に誤差が発生したり、数2におけるs、tが収束せずに発散することを抑制し、測定対象物2の三次元形状の精度を向上させることができる。
なお、第1実施形態(上記した変形例を含む。以下、同様である。)の第1演算において、演算部65は、δの値として、測定対象物2に投影される各構造光101の初期送り量である0、π/2、π、3π/2の値をそれぞれ用いたときのs、tの値を算出したが、δに代入する値は測定対象物2に実際に投影される位相(初期送り量)でなくてもよい。例えば、位相差をπ/2として、π/6、2π/3、7π/6、5π/3であってもよいし、位相差をπ/3として、0、5π/6、7π/6、3π/2であってもよい。
なお、第1実施形態において、演算部65は、第1演算で算出したs、tを、第2演算で数2に代入してp、q、rを算出し、以降、s、tの値が収束するまでこの順番で演算を続けたが、演算の順番は問わない。例えば、演算部65は、第1演算でp、q、rを算出し、第2演算では、算出したp、q、rを数2に代入してs、tを算出し、以降、s、tの値が収束するまで演算を続けてもよい。この場合、第1演算において、pを各測定像で対応する画素の信号強度の平均値として算出し、δを初期送り量0、π/2、π、3π/2として算出したs、tと算出したpとを数2に代入してq、rを算出する。
なお、第1実施形態において、演算部65は、s、tの値の収束を判定したが、s、tの値でなくてもよい。例えば、p、q、rの値の収束を判定してもよいし、信号強度Iの値の収束を判定してもよい。例えば、p、q、rの値の収束を判定する場合、第1演算と第2演算を繰り返して実行していく過程で演算部65は1回目の第2演算で算出されたp、q、rと2回目の第2演算で算出されたp、q、rとの差の値と閾値とを比較し、閾値以下であれば収束したと判定すればよい。
なお、第1実施形態において、演算部65は、第3演算として、|y|=1の条件の下で、|Cy−d|の値が最小となるように最小二乗法を用いてs、tの値を求めたが、|y|=1の条件を適用せずにs、tの値を求めてもよい。
なお、第1実施形態において、演算部65は、s、tの値の収束の判定に用いる閾値を演算部65の演算誤差程度として10−9としたが、閾値はその他の値でもよい。例えば、使用者が経験に基づいて設定してもよい。
なお、第1実施形態において、演算部65は、s、tの値の収束を判定したが、収束を判定しなくてもよい。例えば、第1演算〜第3演算を繰り返す回数を設定し、設定された回数だけ繰り返した後、第4演算に移行して測定像における正弦波の位相θを求めてもよい。この場合、繰り返し回数は使用者が設定してもよいし、予め記憶された固定値としてもよい。
なお、第1実施形態において、演算部65は、|Ax−b|の値が最小となるように最小二乗法を用いてp、q、rの値を求めたが、最小二乗法でなくてもよく、公知の演算手法を用いることができる。例えば、レーベンバーグ・マーカート法、遺伝的アルゴリズム、滑降シンプレックス法などを用いることができる。同様に、演算部65は、|Cy−d|の値が最小となるように最小二乗法を用いてs、tの値を求めたが、最小二乗法でなくてもよく、既知の演算手法を用いることができる。
なお、第1実施形態において、演算部65は、異なる4つの位相送り量の縞パターンを測定対象物2に投影して撮像した4枚の測定像を用いて正弦波の位相θを算出し、測定対象物2の三次元座標データを求めたが、三次元座標データを求めるために用いる測定像の枚数は4枚でなくてもよい。演算部65が第1演算〜第3演算で演算処理する際の未知数は3つであるから、3枚以上の測定像を用いて測定対象物2の三次元座標データを求めればよい。例えば、3枚の測定像を用いて測定対象物2の三次元座標データを求める場合は、3バケット法を利用し、3種類の異なる初期送り量(0、2π/3、4π/3)の縞パターンを測定対象物2に投影して撮像した3枚の測定像を用いてもよいし、本実施形態で得られた4枚の測定像の内の3枚の測定像を選択して用いてもよい。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態を説明する。
図8は、第2実施形態に係る変位測定装置1Aの一例を示す図である。図9は、図8に示す変位測定装置1Aの詳細構成の一例を示すブロック図である。
図8及び図9に示すように、変位測定装置1Aの演算処理部60Aには、操作部61A、制御部62A、設定情報記憶部63A、取込メモリ64A、演算部65A、画像記憶部66A、及び表示制御部67Aが設けられている。変位測定装置1Aの他の構成については、第1実施形態の形状測定装置1と同様であり、同一の符号を付してその説明を省略または簡略化する。
第2実施形態では、不図示の固定機構により、変位測定装置1Aの筐体90の位置及び姿勢が固定されている。一方、測定対象物2は、固定された変位測定装置1Aに対して変位したり(もしくは変位する可能性がある)、その形状が変化する(もしくは形状が変化する可能性がある)。なお、測定対象物2の変位には、測定対象物2の振動や形状変化なども含めるものとする。
設定情報記憶部63Aは、制御部62Aに制御を実行させるプログラムを記憶する。本実施形態では、設定情報記憶部63Aは、演算部65Aに対して、変位測定装置1Aに対する測定対象物2の変位を算出する演算処理を実行させるための変位測定プログラムを記憶する。設定情報記憶部63Aは、表示制御部67Aに表示制御させるためのプログラムを記憶する。
演算部65Aは、設定情報記憶部63Aに記憶されているプログラムなどに従って、所定の演算を実行する。例えば、演算部65Aは、変位測定プログラムに従って、数1に基づいた所定の演算を実行する。なお、ここでは説明のため、4種類の異なる位相送り量の縞パターンPを測定対象物2へそれぞれ投影して、得られた4つの測定像のみを用いる例とする。まず、第1実施形態における形状測定プログラムと同様に、4種類の異なる位相送り量(つまり、位相ステップ数i=1、2、3、4)の縞パターンPを投影部10から測定対象物2へそれぞれ投影して、上記した数1(数2)により撮像部50で撮像された4つの測定像を用いて第1演算〜第3演算を実行し、第3演算で算出されたs、tの値が収束したか否かを判定する。そして、本実施形態において、演算部65Aは、値が収束されたと判定されたs、tの値に基づいて構造光の位相送り量δを第4演算として算出する。
ここで、本実施形態において、第4演算で算出される構造光の位相送り量δは、位相ステップ数iが異なる4種類の量δ、δ、δ、δとなる。そして、δは、位相ステップ数i=1の位相、つまり、位相送り量0の縞パターンPを測定対象物2に投影した際に撮像された時点における位相送り量を表す。同様にδ、δ、δはそれぞれ、位相送り量π/2、位相送り量π、位相送り量3π/2の縞パターンPを測定対象物2に投影した際に撮像された時点における位相送り量を表す。したがって、δ、δ、δ、δにより、経時的な位相送り量の変化を認識できる。
さらに、演算部65Aは、変位測定プログラムに従って、第4演算で算出した位相送り量δ、δ、δ、δそれぞれと、対応する位相ステップ数の初期送り量との差(つまり、二次送り量)を算出する。つまり、位相ステップ数i=1について、δと0との差、i=2について、δとπ/2との差、i=3について、δとπとの差、i=4について、δと3π/2との差をそれぞれ、変位測定装置1Aに対する測定対象物2の変位量として算出する。ここで、演算部65Aで算出された、変位測定装置1Aに対する測定対象物2の変位量は変位データと称する。
本実施形態では、4種類の位相送り量を投影した測定対象物2を撮像している間に、固定された変位測定装置1Aに対して測定対象物2が経時的に変位する場合において、演算部65Aで算出される、位相送り量δ、δ、δ、δそれぞれと、対応する位相ステップ数の初期送り量との差は、変位測定装置1Aに対する測定対象物2の経時的な変位を表す。なお、当該差の値が0や演算部65Aの演算誤差(例えば、10−9)以下になる場合は変位測定装置1Aに対して測定対象物2が変位していないことを表す。
なお、測定対象物2の経時的な変位を検出する場合、測定対象物2の変位速度に応じて撮像部50のフレームレートを調整すればよい。なお、フレームレートを短くすることにより、測定対象物2の動作を動画として撮像することができる。
画像記憶部66Aは、演算部65Aによる演算処理によって算出される測定対象物2の変位データを記憶する。また、画像記憶部66Aは、測定対象物2の画像データや、演算処理の際に用いられる画像データなどを記憶する。このような画像データには、静止画、動画、ライブビュー画像などが含まれる。
表示制御部67Aは、設定情報記憶部63Aに記憶されているプログラムに従って測定対象物2の変位データの表示制御を実行する。すなわち、表示制御部67Aは、変位測定装置1Aの使用者による操作部61Aの操作に応じて、または自動的に、画像記憶部66Aに記憶された変位データを読み出し、表示装置70Aの表示画面に表示させる制御を実行する。
表示装置70Aは、表示制御部67Aの制御により、測定対象物2の変位データを表示する装置である。この表示装置70Aは、例えば液晶表示装置や有機EL表示装置などが用いられる。音声出力装置80Aは、演算部65Aの指示に基づいて、音声出力制御部68Aの制御により、測定対象物2を撮像する位置あるいは変位量などの音声情報を使用者に通知する。音声出力装置80Aは、例えばスピーカーなどが用いられる。
また、制御部62A、演算部65A、及び表示制御部67Aは、CPU(Central Processing Unit)などの演算処理装置により構成される。すなわち、演算処理装置が設定情報記憶部63Aに記憶されているプログラムに従って制御部62Aが実行する処理を行う。また、演算処理装置が設定情報記憶部63Aに記憶されているプログラムに従って演算部65Aが実行する処理を行う。また、演算処理装置が設定情報記憶部63Aに記憶されているプログラムに従って表示制御部67Aが実行する処理を行う。このプログラムには、変位測定プログラムが含まれる。該変位測定プログラムは、演算部65Aに対して、第1演算処理と、第2演算処理と、第3演算処理と、第4演算処理などを実行させる。
図10は、第2実施形態に係る変位測定方法の一例を説明するフローチャートである。本実施形態では、はじめに、異なる4種類の位相送り量の縞パターンP1〜P4が投影された測定対象物2の測定像4枚を1セットとして、25セット(つまり、100枚の測定像)を取得する。そして、100枚の各測定像が撮像された時点における変位測定装置1Aに対する測定対象物2の変位量を算出する。
まず、変位測定装置1Aの電源がオンとなった状態で、使用者によりシャッター操作が行われると、制御部62Aは、光生成部20及び走査部40に対して指令信号を出力し、測定対象物2に異なる4種類の位相送り量の縞パターンP1〜P4を投影させる(ステップS11)。そして、制御部62Aは、各縞パターンPが投影される第1タイミング〜第4タイミングで測定対象物2の測定像をそれぞれCCDカメラ52aに撮像させる(ステップS12)。
次に演算部65Aは、測定対象物2に縞パターンP1〜P4をそれぞれ投影して撮像した4枚の測定像を1セットとして、25セットを取得し終えたか否かを判断する(ステップS13)。そして、25セットを取得し終えていないと判断した場合(ステップS13のNO)は、ステップS11に戻り、縞パターンP1〜P4の投影(ステップS11)及び各縞パターンPが投影された測定対象物2の測定像の撮像(ステップS12)を繰り返し行う。
一方、ステップS13において、演算部65Aは、測定像を25セット取得し終えたと判断した場合(ステップS13のYES)、第1実施形態と同様に数1に基づいた第1演算(ステップS14)と、第2演算及び第3演算(ステップS15)とを取得した25セットについてセット毎に行う。
次に演算部65Aは、第3演算で求められた25セット(測定像100枚)分の全てのs、tの値が収束したか否かを判断する(ステップS16)。そして、収束していないと判断した場合(ステップS16のNO)は、ステップS15に戻り、第2演算及び第3演算(ステップS15)を繰り返し行う。なお、演算部65Aは、第2演算及び第3演算を繰り返し行う場合には、第1実施形態と同様に前回の第3演算で求めた新たなs、tの値を用いてp、q、rの値を算出し(第2演算)、このp、q、rの値を用いてs、tの値を算出する(第3演算)。
一方、ステップS16において、演算部65Aは、第3演算で算出されたs、tの値が収束していると判断した場合(ステップS16のYES)は、第4演算を行う(ステップS17)。第4演算では、演算部65Aは、各セットの位相送り量δ、δ、δ、δの値を25セット分、算出する。
次に、演算部65Aは、第4演算で算出された各セットの位相送り量δ、δ、δ、δそれぞれの値と、対応する位相ステップ数iの初期送り量(ステップS11で投影した縞パターンの各初期送り量)との差の値を25セット分、算出する(ステップS18)。ここで、演算部65Aで算出された差の値は測定対象物2の変位データ(変位量)である。
演算部65Aは、算出した変位測定装置1Aに対する測定対象物2の変位データを画像記憶部66Aに記憶する。表示制御部67Aは、使用者による操作部61Aの操作に応じて、または自動的に、画像記憶部66Aに記憶された変位データを表示装置70Aの表示画面に表示させる。なお、この変位データは変位測定装置1Aから外部へ出力可能である。
これまでに測定対象物の変位を測定する様々な方法が提案されている。例えば、変位する測定対象物に加速度センサを付け、変位を測定する接触式の方法。また、非接触の方法としては、レーザー変位計を用いて、レーザーが照射される測定対象物の任意の一点の変位を観測する方法、マーカーが付けられた測定対象物の当該マーカーを追跡する方法や、測定対象物のテクスチャを認識し、追跡することで測定対象物の変位を測定する方法があった。しかし、上記の方法では、変位を測定する精度が低いこと、測定対象物にマーカーや加速度センサを付与する必要があること、レーザーが照射される任意の一点しか測定できないこと、また、測定対象物にテクスチャが必須となることなどの課題があった。
以上のように、本実施形態では、演算部65Aで求めた位相送り量δに基づいて変位測定装置1Aに対する測定対象物2の変位を求めるため、測定対象物2と変位測定装置1Aとの相対的な変位を精度よく求めることができる。また、測定対象物2にマーカーやセンサを付与する必要がなく、テクスチャも不必要であるため、測定対象物の変位を簡便に測定することができる。また、構造光を投影した測定対象物上の領域における変位を一度に測定できるため、一度に広範囲の変位を測定できる。さらに、測定対象物2の変位(振動、形状変化等)の動作を検出したり、測定対象物2の動作を動画として撮像したりすることができるため、変位測定装置1Aの利用の幅が広がることになる。
なお、本実施形態において、変位測定装置1Aに対する測定対象物2の変位量を変位データとしたが、変位データは変位量に基づいて演算されたデータであってもよい。例えば、演算部65Aは、算出された測定対象物2の変位量に基づいて、測定対象物2の変位量の時間推移を変位データとして求めてもよい。ここで、時間推移の基準は、一例として、100枚の測定像の内、最も初めの測定像を撮像した時点であり、以降、それぞれの測定像が撮像された時点での測定対象物2の変位量を用いて、測定対象物2の変位量の推移を求める。この場合、測定対象物2の変位量の推移は、グラフで表現してもよいし、表で表現してもよい。
なお、本実施形態において、演算部65Aは、異なる4種類の位相送り量の縞パターンP1〜P4が投影された測定対象物2の測定像4枚を1セットとして25セット分、第1演算〜第3演算をセット毎に行ったが、このセットは、異なる4種類の位相送り量の縞パターンP1〜P4が投影された測定対象物2の測定像4枚でなくてもよい。例えば、初期送り量が0、π/2、π、3π/2の縞パターンの投影を25回繰り返し、100枚の測定像を撮像する場合、撮像した順番を1枚目〜100枚目とすると、2〜5枚目、6〜9枚目、・・・の測定像(初期送り量がπ/2、π、3π/2、0の順の測定像、つまり縞パターンP2、P3、P4、P1の測定像)4枚を1セットとして用いて測定対象物2の変位量を求めてもよい。また、3〜6枚目、7〜10枚目、・・・の4枚の測定像を1セットとしてもよく、4〜7枚目、8〜11枚目、・・・の4枚の測定像を1セットとしてもよい。また、4枚を1セットとしなくてもよく、例えば、6枚を1セットとしてもよいし、8枚を1セットとしてもよい。
また、本実施形態において、演算部65Aは、100枚の測定像を用いて各測定像が撮像されたタイミングの測定対象物2の変位量を算出したが、測定像は100枚でなくてもよい。例えば、撮像する測定像の枚数や変位量を算出する測定対象物2の測定像の枚数は使用者が任意の枚数に決めてもよいし、使用者が設定した時間に対して撮像可能な枚数の測定像を取得し、測定対象物2の変位量を算出してもよい。
なお、本実施形態において、演算部65Aは、第1演算〜第4演算を経て、構造光101の位相送り量δに基づいた測定対象物2の変位量を算出したが、演算部65は、第1実施形態と同様に、測定対象物2の測定像の各画素における正弦波の位相θを求め、測定対象物2の三次元座標データも求めてもよい。
なお、本実施形態において、変位測定装置1Aの筐体90は不図示の固定機構により固定されているが、変位測定装置1Aの筐体90は固定されていなくてもよい。この場合、測定対象物2の大まかな変位を求めることが出来る。
なお、第2実施形態において、演算部65Aは、第1実施形態と同様に、第1演算で算出したs、tを、第2演算で数2に代入してp、q、rを算出し、以降、s、tの値が収束するまでこの順番で演算を続けたが、演算の順番は問わない。例えば、演算部65Aは、第1演算でp、q、rを算出し、第2演算では、算出したp、q、rを数2に代入してs、tを算出し、以降、s、tの値が収束するまで演算を続けてもよい。この場合、第1演算において、pを各測定像で対応する画素の信号強度の平均値として算出し、δを初期送り量0、π/2、π、3π/2として算出したs、tと算出したpとを数2に代入してq、rを算出する。
なお、上記した第1実施形態の変形例と同様に、各測定像の画素を複数の領域で分割し、その領域毎に位相送り量δを求めて、初期送り量との差の値を算出して測定対象物2の変位データとしてもよい。測定像の分割は、図7に示すものと同様に、測定像に8192個の画素領域300Aを分割して設定してもよい。これにより画素領域300A毎に測定対象物2の変位データを取得するので、測定対象物2の変位量を精度よく算出することができる。なお、上記変形例で記載した内容は、第2実施形態の変位測定装置1Aにおいて全て適用可能である。
なお、第2実施形態において、演算部65Aは、第1実施形態と同様に、異なる4つの位相送り量の縞パターンを測定対象物2に投影して撮像した4枚の測定像を用いて位相送り量δを求め、初期送り量との差の値を測定対象物2の変位データとしたが、位相送り量δを求めるために用いる測定像の枚数は4枚でなくてもよい。演算部65Aが第1演算〜第3演算で演算処理する際の未知数は3つであるから、3枚以上の測定像を用いて位相送り量δ(測定対象物2の変位量)を求めればよい。例えば、3枚の測定像を用いて位相送り量δを求める場合は、3バケット法を利用し、3種類の異なる初期送り量(0、2π/3、4π/3)の縞パターンを測定対象物2に投影して撮像した3枚の測定像を用いてもよいし、本実施形態で得られた4枚の測定像の内の3枚の測定像を選択して用いてもよい。3バケット法を利用する場合、初期送り量の異なる3枚の測定像を1セットとして、一例として20セット(測定像60枚)を取得し、測定対象物2の変位データを求めてもよい。また、5バケット法を利用する場合、初期送り量の異なる5枚の測定像を1セットとすればよい。
なお、第2実施形態において、演算部65Aは、25セットの測定像を取得した後(ステップS13後)、第1演算を実行したが、第1演算を開始するタイミングは、全ての測定像を取得した後でなくてもよい。例えば、演算部65Aは、任意の1セットを取得し終えたら、そのセットを使用して第1演算を開始して変位データを求め、以降、各セットそれぞれが取得されたタイミングで第1演算〜第4演算を実行し、変位データを求めてもよい。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態を説明する。
図11は、第3実施形態に係る形状測定装置1Bの一例を示す図である。
図11に示すように、筐体90の内部には、投影部10の動作不良の有無を判定するための判定機構91が設けられている。判定機構91は、光反射部材92と、投影部材93とを有している。
光反射部材92は、不図示の移動機構により、光反射位置92Pと待機位置92Qとの間で移動可能である。光反射位置92Pは、投影光100の光路上に設定される。待機位置92Qは、投影光100の光路から外れた位置に設定される。光反射部材92は、光反射位置92Pに配置された場合、投影部10からの投影光100を後述の投影位置93Pへ向けて反射する。また、光反射部材92が待機位置92Qに配置された場合、投影部10からの投影光100は測定対象物2に照射される。
投影部材93は、投影面93aを有している。投影部材93は、不図示の移動機構により、所定の投影位置93Pと待機位置93Qとの間で移動可能である。投影位置93Pは、撮像部50の撮像領域に設定される。待機位置93Qは、撮像部50の撮像領域から外れた位置に設定される。投影部材93が投影位置93Pに配置された場合、光反射部材92で反射された投影光100が投影面93aに照射される。投影部10が投影光100を走査することにより、投影面93aに対して構造光101が投影される。この場合、撮像部50は、投影面93aに投影された構造光101を撮像可能である。また、投影部材93が待機位置93Qに配置された場合、撮像部50は、測定対象物2を撮像可能となる。
また、形状測定装置1Bの演算処理部60Bには、制御部62と、判定部74を有する演算部65Bとが含まれている。制御部62は、測定対象物2の三次元形状を測定する測定モードと、投影部10の動作不良の有無を判定するための判定モードとを切り替えて行わせる。制御部62は、例えば、測定モードを行う場合に、測定モードに先だって判定モードを行うようにしてもよい。この場合、測定モードを行う際に常に判定モードを行ってもよい。また、先に行った判定モードから一定期間経過した後に新たに測定モードを行う際、または、予め設定された回数の測定モードを行った後に新たに測定モードを行う際に判定モードを行ってもよい。また、制御部62は、測定モードの途中で判定モードを行ってもよく、測定モードの結果を形状測定装置1Bの使用者に通知する際に判定モードの結果も併せて通知してもよい。また、測定モード及び判定モードのいずれを行わせるかは、使用者が手動で設定してもよい。
測定モードに設定された場合、制御部62は、光反射部材92を待機位置92Qに配置させると共に、投影部材93を待機位置93Qに配置させる。この場合、構造光101として例えば4つの縞パターンPが測定対象物2に投影される。また、制御部62は、縞パターンPが投影された測定対象物2を撮像部50によって撮像させる。なお、演算部65Bは、撮像された各測定像について、それぞれ第1実施形態と同様に、上記した数1あるいは数2を用いて、第1演算〜第4演算を行うことにより、縞パターンPの位相送り量δの値を算出してもよい。
また、判定モードに設定された場合、制御部62は、光反射部材92を光反射位置92Pに配置させると共に、投影部材93を投影位置93Pに配置させる。これにより、構造光101として例えば4つの縞パターンPが投影面93aに投影される。また、制御部62は、撮像部50により、投影面93aに投影された各縞パターンPを測定像として撮像させる。演算部65Bは、撮像された各測定像についてそれぞれ第1実施形態と同様の第1演算〜第4演算を行うことにより、構造光101(縞パターンP)の位相送り量δの値を算出する。具体的には、演算部65Bは、第3演算で算出されたs、tの値が収束していると判定した場合、第3演算で算出されたs、tに基づいて位相送り量δの値を算出する。
判定部74は、演算部65Bで算出される位相送り量δの値に基づいて、投影部10の動作不良の有無を判定する。投影部10に動作不良等の異常がない場合、測定像に含まれる4つの縞パターンPの位相はπ/2ずつ変化することになる。したがって、算出される位相送り量δの値がπi/2である場合、判定部74は、投影部10の動作が正常であると判定する(。また、算出される位相送り量δの値がπi/2に対して例えば所定の値以上ずれる場合、判定部74は、投影部10の動作が正常ではなく、動作不良があると判定する。判定部74により動作不良があると判定された場合、演算処理部60Bは、例えば表示装置70に動作不良があったことを表示させるようにしてもよい。
以上のように、本実施形態によれば、演算部65Bで算出される位相送り量δの値に基づいて、判定部74が投影部10の動作不良の有無を判定するため、投影部10の動作不良による縞パターンPの位相送り量δのずれを防ぐことができる。これにより、測定対象物2の三次元形状を精度よく算出することができる。
なお、第3実施形態において、演算部65Bは、第1実施形態と同様に、第1演算で算出したs、tを、第2演算で数2に代入してp、q、rを算出し、以降、s、tの値が収束するまでこの順番で演算を続けたが、演算の順番は問わない。例えば、演算部65Bは、第1演算でp、q、rを算出し、第2演算では、算出したp、q、rを数2に代入してs、tを算出し、以降、s、tの値が収束するまで演算を続けてもよい。この場合、第1演算において、pを各測定像で対応する画素の信号強度の平均値として算出し、δを初期送り量0、π/2、π、3π/2として算出したs、tと算出したpとを数2に代入してq、rを算出する。
<構造物製造システム及び構造物製造方法>
図12は、構造物製造システムの実施形態の一例を示すブロック図である。図12に示す構造物製造システムSYSは、各実施形態に記載した形状測定装置1(又は1B)、設計装置710、成形装置720、制御装置(検査装置)730、及びリペア装置740を有している。第2実施形態の変位測定装置1Aを本システムの形状測定装置として用いてもよい。
設計装置710は、構造物の形状に関する設計情報を作製する。そして、設計装置710は、作製した設計情報を成形装置720及び制御装置730に送信する。ここで、設計情報とは、構造物の各位置の座標を示す情報である。また、測定対象物は、構造物である。
成形装置720は、設計装置710から送信された設計情報に基づいて構造物を成形する。この成形装置720の成形工程は、鋳造、鍛造、または切削などが含まれる。形状測定装置1、1Bは、成形装置720により作製された構造物(測定対象物2)の三次元形状、すなわち構造物の座標を測定する。そして、形状測定装置1、1Bは、測定した座標を示す情報(以下、形状情報という。)を制御装置730に送信する。
制御装置730は、座標記憶部731及び検査部732を有している。座標記憶部731は、設計装置710から送信される設計情報を記憶する。検査部732は、座標記憶部731から設計情報を読み出す。また、検査部732は、座標記憶部731から読み出した設計情報と、形状測定装置1、1A、1Bから送信される形状情報とを比較する。そして、検査部732は、比較結果に基づき、構造物が設計情報の通りに成形されたか否かを検査する。
また、検査部732は、成形装置720により成形された構造物が良品であるか否かを判定する。構造物が良品であるか否かは、例えば、設計情報と形状情報との誤差が所定の閾値の範囲内であるか否かにより判定する。そして、検査部732は、構造物が設計情報の通りに成形されていない場合は、その構造物を設計情報の通りに修復することができるか否かを判定する。修復することができると判定した場合は、検査部732は、比較結果に基づき、不良部位と修復量を算出する。そして、検査部732は、不良部位を示す情報(以下、不良部位情報という。)と、修復量を示す情報(以下、修復量情報という。)と、をリペア装置740に送信する。
リペア装置740は、制御装置730から送信された不良部位情報と修復量情報とに基づいて、構造物の不良部位を加工する。
図13は、構造物製造システムSYSによる処理を示すフローチャートであり、構造物製造方法の実施形態の一例を示している。図13に示すように、設計装置710は、構造物の形状に関する設計情報を作製する(ステップS31)。設計装置710は、作製した設計情報を成形装置720及び制御装置730に送信する。制御装置730は、設計装置710から送信された設計情報を受信する。そして、制御装置730は、受信した設計情報を座標記憶部731に記憶する。
次に、成形装置720は、設計装置710が作製した設計情報に基づいて構造物を成形する(ステップS32)。そして、形状測定装置1、1Bは、成形装置720が成形した構造物の三次元形状を測定する(ステップS33)。その後、形状測定装置1、1Bは、構造物の測定結果である形状情報を制御装置730に送信する。次に、検査部732は、形状測定装置1、1Bから送信された形状情報と、座標記憶部731に記憶されている設計情報とを比較して、構造物が設計情報の通りに成形されたか否か検査する(ステップS34)。
次に、検査部732は、構造物が良品であるか否かを判定する(ステップS35)。構造物が良品であると判定した場合は(ステップS35:YES)、構造物製造システムSYSによる処理を終了する。一方、検査部732は、構造物が良品でないと判定した場合は(ステップS35:NO)、検査部732は、構造物を修復することができるか否かを判定する(ステップS36)。
検査部732が構造物を修復することができると判定した場合は(ステップS36:YES)、検査部732は、ステップS34の比較結果に基づいて、構造物の不良部位と修復量を算出する。そして、検査部732は、不良部位情報と修復量情報とをリペア装置740に送信する。リペア装置740は、不良部位情報と修復量情報とに基づいて構造物のリペア(再加工)を実行する(ステップS37)。そして、ステップS33の処理に移行する。すなわち、リペア装置740がリペアを実行した構造物に対してステップS33以降の処理が再度実行される。一方、検査部732が構造物を修復することができると判定した場合は(ステップS36:NO)、構造物製造システムSYSによる処理を終了する。
このように、構造物製造システムSYS及び構造物製造方法では、形状測定装置1、1B(変位測定装置1Aを含む)による構造物の測定結果に基づいて、検査部732が設計情報の通りに構造物が作製されたか否かを判定する。これにより、成形装置720により作製された構造物が良品であるか否か精度よく判定することができるとともに、その判定の時間を短縮することができる。また、構造物製造システムSYSでは、検査部732により構造物が良品でないと判定された場合に、直ちに構造物のリペアを実行することができる。
なお、構造物製造システムSYS及び構造物製造方法において、リペア装置740が加工を実行することに代えて、成形装置720が再度加工を実行するように構成してもよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は、各実施の形態に記載の範囲には限定されない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能である。また、各実施形態及び変形例で説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。そのような変更または改良、省略した形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、各実施形態や変形例の構成を適宜組み合わせて適用することも可能である。また、法令で許容される限りにおいて、各実施形態及び変形例で引用した測定装置などに関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
例えば、第1実施形態において、演算部65が位相送り量δを求める際に、δの値が収束するまで第2演算及び第3演算を繰り返し行う態様を例に挙げて説明したが、これに限定するものではない。例えば、第2演算及び第3演算を予め設定された回数だけ繰り返し行うようにしてもよい。また、第2演算及び第3演算を繰り返すことなく、それぞれ1度ずつ行うようにしてもよい。
また、第3実施形態において、投影部10の動作不良の有無を判定するための判定機構91が設けられた構成を例に挙げて説明したが、これに限定するものではなく、他の構成であってもよい。また、判定機構91自体が設けられなくてもよい。この場合、形状測定装置1Bの位置及び姿勢を固定し、任意の対象に構造光101を投影して撮像することで測定像を得るようにすればよい。この場合であっても、第3実施形態と同様に、判定部74によって投影部10の動作不良の有無を検出できる。
また、各実施形態及び変形例において、第1の方向D1と第2の方向D2とが直交していたが、第1の方向D1と第2の方向D2とが異なる方向であれば直交していなくてもよい。例えば、第2の方向D2は、第1の方向D1に対して60度や80度の角度に設定されてもよい。
また、各実施形態及び変形例において、各図面では光学素子を一つまたは複数で表しているが、特に使用する数を指定しない限り、同様の光学性能を発揮させるものであれば、使用する光学素子の数は任意である。
また、各実施形態及び変形例において、光生成部20等が構造光101を生成するための光は、可視光領域の波長の光、赤外線領域の波長の光、紫外線領域の波長の光、のいずれが用いられてもよい。可視光領域の波長の光が用いられることにより、使用者が投影領域200を認識可能となる。この可視光領域のうち、赤色の波長が用いられることにより、測定対象物2へのダメージを軽減させることができる。
また、各実施形態及び変形例において、走査部40は、構造光を反射する光学素子を用いているがこれに限定されない。例えば、回折光学素子や、屈折光学素子、平行平板ガラス等が用いられてもよい。レンズ等の屈折光学素子を光軸に対して振動させることで構造光を走査させてもよい。なお、この屈折光学素子としては、投影光学系30の一部の光学素子が用いられてもよい。
また、各実施形態及び変形例において、撮像部50としてCCDカメラ52aが用いられるがこれに限定されない。例えば、CCDカメラに代えて、CMOSイメージセンサ(CMOS:Complementary Metal Oxide Semiconductor:相補性金属酸化膜半導体)などのイメージセンサが用いられてもよい。
また、各実施形態及び変形例において、位相シフト法に用いる縞パターンPの位相を一周期の間に4回シフトさせる4バケット法が用いられるが、これに限定されない。例えば、縞パターンPの位相の一周期2πを3分割した3バケット法、5分割した5バケット法や、6分割した6バケット法などが用いられてもよい。
また、上述の実施形態及び変形例において、投影部10、撮像部50、演算処理部60、60A、60B、表示装置70、70A、及び音声出力装置80、80Aが持ち運び可能な筐体90に収容された構成を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、演算処理部60、60A、60Bや表示装置70、70A、音声出力装置80、80Aについては、筐体90に配置されなくてもよく、筐体90の外部に設置されてもよい。この場合、演算処理部60、60A、60Bや表示装置70、70A、音声出力装置80、80Aとしては、例えばパーソナルコンピュータ(ノート型及びデスクトップ型を含む)などを用いることができる。
なお、演算処理部60、60A、60Bの全ての機能を持ち運びが可能な筐体に収容しなくてもよく、演算処理部60、60A、60Bの一部の機能(演算部、画像記憶部、表示制御部、及び設定情報記憶部の少なくとも一部)を外部のコンピュータに持たせてもよい。また、本発明は、持ち運び可能な装置に限定されず、例えば多関節アームの先端部分に三次元測定部や変位測定部が設けられた測定機や、測定対象物2を載置するステージ上を三次元測定部あるいは変位測定部が移動可能に構成された測定機などの、据え置き型の形状測定装置や変位測定装置に対しても適用できる。
また、形状測定装置1、1Bまたは変位測定装置1Aの一部の構成をコンピュータにより実現してもよい。例えば、演算処理部60、60A、60Bをコンピュータにより実現してもよい。この場合、コンピュータは、記憶部に記憶された形状測定プログラムに従って、第1演算処理と、第2演算処理と、第3演算処理と、第4演算処理と、を実行させる。
P(P1〜P4)・・・縞パターン SYS・・・構造物製造システム 1、1B・・・・・・形状測定装置 1A・・・変位測定装置 2・・・測定対象物 10・・・投影部 50・・・撮像部 60、60A、60B・・・演算処理部 62・・・制御部 65、65A、65B・・・演算部 74・・・判定部 91・・・判定機構 100・・・投影光 101・・・構造光

Claims (17)

  1. 基準となる位相からの位相の変化量を表す位相送り量が異なる複数の構造光を所定の投影角で測定対象物に順次、投影することと、
    前記複数の構造光が投影された前記測定対象物の測定像をそれぞれ撮像することと、
    撮像された複数の前記測定像に基づいて、位相シフト法を用いて前記測定対象物の三次元形状を算出することと、
    を含む三次元形状測定方法であって、
    撮像された複数の前記測定像について、前記測定像の各画素の信号強度をIとすると、該信号強度Iは数1のように示され、
    (但し、α、β、θはそれぞれ測定像における構造光のオフセット量、振幅、位相であり、δは構造光の位相送り量、iは構造光の位相ステップ数、jは画素のインデックスとする。)
    前記三次元形状を算出することは、
    前記信号強度Iと、前記オフセット量αと、前記振幅βと、前記位相送り量δとの値を使用して、位相θを算出することと、
    前記算出された位相θに基づいて前記測定対象物の三次元形状を算出することと、
    を含む三次元形状測定方法。
  2. 前記θを算出することは、
    cosδと、sinδの値を算出することと、
    前記算出された前記cosδと前記sinδとの値に基づいて、αと、βcosθと、βsinθの値を算出することと、
    前記算出されたβcosθと、βsinθの値に基づいて位相θを算出することと、
    を含む請求項1に記載の三次元形状測定方法。
  3. 前記θを算出することは、
    前記算出されたαと、βcosθと、βsinθに基づいて、再度、cosδと、sinδの値を算出することと、
    前記、再度算出されたcosδと、sinδの値に基づいて、再度、αと、βcosθと、βsinθの値を算出することと、
    前記、再度算出されたβcosθと、βsinθの値に基づいて位相θを算出することと、
    を含む請求項2に記載の三次元形状測定方法。
  4. 前記θを算出することは、
    αと、βcosθと、βsinθの値を算出することと、
    前記算出されたαと、βcosθと、βsinθの値に基づいて、cosδと、sinδの値を算出することと、
    前記算出されたcosδと、sinδの値に基づいて、再度、αと、βcosθと、βsinθの値を算出することと、
    前記、再度算出されたβcosθと、βsinθの値に基づいて位相θを算出することと、
    を含む請求項1に記載の三次元形状測定方法。
  5. 前記数1においてp=α、q=βcosθ、r=βsinθ、s=cosδ、t=sinδとする場合に、
    行列A、ベクトルx、bを以下の数3のように定義すると、
    (但し、nは前記測定像の数)
    前記αと、βcosθと、βsinθの値を算出することは、算出されたcosδと、sinδの値に基づいて、|Ax−b|の値が最小となるp、q、rの値を求める、
    請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の三次元形状測定方法。
  6. 前記数1においてp=α、q=βcosθ、r=βsinθ、s=cosδ、t=sinδとする場合に、
    行列C、ベクトルy、dを以下の数4のように定義すると、
    前記cosδと、sinδの値を算出することは、算出されたαと、βcosθと、βsinθの値に基づいて、|y|=1の条件の下で、|Cy−d|の値が最小となるs、tの値を求める、
    請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載の三次元形状測定方法。
  7. 位相の初期送り量が異なる複数の構造光を所定の投影角で測定装置から測定対象物に順次、投影することと、
    前記複数の構造光が投影された前記測定対象物の測定像を前記測定装置でそれぞれ撮像することと、
    撮像された複数の前記測定像に基づいて、位相シフト法を用いて前記測定装置に対する前記測定対象物の変位量を求めることと、
    を含む変位測定方法であって、
    前記位相の初期送り量は、前記測定対象物と前記測定装置とが相対的に変位していないと仮定した場合に、基準となる位相からの位相の変化量を表し、
    撮像された複数の前記測定像について、前記測定像の各画素の信号強度をIとすると、該信号強度Iは数1のように示され、
    (但し、α、β、θはそれぞれ測定像における構造光のオフセット量、振幅、位相であり、δは構造光における、基準となる位相からの位相の変化量を表す位相送り量、iは構造光の位相ステップ数、jは画素のインデックスとする。)
    前記測定対象物の変位量を求めることは、
    前記信号強度Iと、前記オフセット量αと、前記振幅βと、前記位相θ との値を使用して、位相送り量δを算出することと、
    算出された位相送り量δに基づいて前記測定装置に対する前記測定対象物の変位量を求めることと、
    を含む変位測定方法。
  8. 基準となる位相からの位相の変化量を表す位相送り量が異なる複数の構造光を所定の投影角で測定対象物に順次、投影する投影部と、
    前記複数の構造光が投影された前記測定対象物の測定像をそれぞれ撮像する撮像部と、
    撮像された複数の前記測定像に基づいて、位相シフト法を用いて前記測定対象物の三次元形状を算出する演算部と、
    を備える三次元形状測定装置であって、
    撮像された複数の前記測定像について、前記測定像の各画素の信号強度をIとすると、該信号強度Iは、数1のように示され、
    (但し、α、β、θはそれぞれ測定像における構造光のオフセット量、振幅、位相であり、δは構造光の位相送り量、iは構造光の位相ステップ数、jは画素のインデックスとする。)
    前記演算部は、前記信号強度Iと、前記オフセット量αと、前記振幅βと、前記位相送り量δとの値を使用して、位相θを算出し、算出された位相θに基づいて前記測定対象物の三次元形状を算出する、
    三次元形状測定装置。
  9. 前記演算部は、
    cosδと、sinδの値を算出し、
    前記算出された前記cosδと前記sinδとの値に基づいて、αと、βcosθと、βsinθの値を算出し、
    前記算出されたβcosθと、βsinθの値に基づいて位相θを算出する、
    請求項8に記載の三次元形状測定装置。
  10. 前記演算部は、
    前記算出されたαと、βcosθと、βsinθに基づいて、再度、cosδと、sinδの値を算出し、
    前記、再度算出されたcosδと、sinδの値に基づいて、再度、αと、βcosθと、βsinθの値を算出し、
    前記、再度算出されたβcosθと、βsinθの値に基づいて位相θを算出する、
    請求項9に記載の三次元形状測定装置。
  11. 前記演算部は、
    αと、βcosθと、βsinθの値を算出し、
    前記算出されたαと、βcosθと、βsinθの値に基づいて、cosδと、sinδの値を算出し、
    前記算出されたcosδと、sinδの値に基づいて、再度、αと、βcosθと、βsinθの値を算出し、
    前記、再度算出されたβcosθと、βsinθの値に基づいて位相θを算出する、
    請求項8に記載の三次元形状測定装置。
  12. 前記数1においてp=α、q=βcosθ、r=βsinθ、s=cosδ、t=sinδとする場合に、
    行列A、ベクトルx、bを以下の数3のように定義すると、
    (但し、nは前記測定像の数)
    前記演算部は、前記算出されたcosδと、sinδの値に基づいて、|Ax−b|の値が最小となるp、q、rの値を求める、
    請求項8から請求項11のうちいずれか一項に記載の三次元形状測定装置。
  13. 前記数1においてp=α、q=βcosθ、r=βsinθ、s=cosδ、t=sinδとする場合に、
    行列C、ベクトルy、dを以下の数4のように定義すると、
    前記演算部は、前記算出されたαと、βcosθと、βsinθの値に基づいて、|y|=1の条件の下で、|Cy−d|の値が最小となるs、tの値を求める、
    請求項8から請求項12のうちいずれか一項に記載の三次元形状測定装置。
  14. 位相の初期送り量が異なる複数の構造光を所定の投影角で測定対象物に順次、投影する投影部と、
    前記複数の構造光が投影された前記測定対象物の測定像をそれぞれ撮像する撮像部と、
    撮像された複数の前記測定像に基づいて、位相シフト法を用いて前記測定対象物の変位量を求める演算部と、
    を含む変位測定装置であって、
    前記位相の初期送り量は、前記測定対象物と前記変位測定装置とが相対的に変位していないと仮定した場合に、基準となる位相からの位相の変化量を表し、
    撮像された複数の前記測定像について、前記測定像の各画素の信号強度をIとすると、該信号強度Iは数1のように示され、
    (但し、α、β、θはそれぞれ測定像における構造光のオフセット量、振幅、位相であり、δは構造光における、基準となる位相からの位相の変化量を表す位相送り量、iは構造光の位相ステップ数、jは画素のインデックスとする。)
    前記演算部は、前記信号強度Iと、前記オフセット量αと、前記振幅βと、前記位相θ との値を使用して、位相送り量δを算出し、算出された位相送り量δに基づいて前記変位測定装置に対する前記測定対象物の変位量を求める、
    変位測定装置。
  15. 構造物の形状に関する設計情報を作製することと、
    前記設計情報に基づいて前記構造物を作製することと、
    作製された前記構造物の三次元形状を測定する請求項1から請求項6のうちいずれか一項に記載の三次元形状測定方法と、
    前記三次元形状測定方法によって得られた前記構造物の三次元形状に関する形状情報と前記設計情報とを比較することと
    を含む構造物製造方法。
  16. 構造物の形状に関する設計情報を作製する設計装置と、
    前記設計情報に基づいて前記構造物を作製する成形装置と、
    作製された前記構造物の三次元形状を測定する請求項8から請求項13のうちいずれか一項に記載の三次元形状測定装置と、
    前記三次元形状測定装置によって得られた前記構造物の三次元形状に関する形状情報と前記設計情報とを比較する検査装置と
    を含む構造物製造システム。
  17. 基準となる位相からの位相の変化量を表す位相送り量が異なる複数の構造光を所定の投影角で測定対象物に順次、投影し、前記複数の構造光が投影された前記測定対象物の測定像をそれぞれ撮像し、撮像された複数の前記測定像に基づいて、位相シフト法を用いて前記測定対象物の三次元形状を算出する三次元形状測定装置に含まれるコンピュータに、
    撮像された複数の前記測定像について、前記測定像の各画素の信号強度をIとすると、該信号強度Iは数1のように示され、
    (但し、α、β、θはそれぞれ測定像における構造光のオフセット量、振幅、位相であり、δは構造光の位相送り量、iは構造光の位相ステップ数、jは画素のインデックスとする。)
    前記信号強度Iと、前記オフセット量αと、前記振幅βと、前記位相送り量δとの値を使用して、位相θを算出する処理と、
    前記算出された位相θに基づいて前記測定対象物の三次元形状を算出する処理と、
    を実行させる三次元形状測定プログラム。
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