JP2015206749A - 三次元データの連結方法、形状測定方法、三次元データの連結装置、形状測定装置、構造物製造方法、構造物製造システム、及び形状測定プログラム - Google Patents

三次元データの連結方法、形状測定方法、三次元データの連結装置、形状測定装置、構造物製造方法、構造物製造システム、及び形状測定プログラム Download PDF

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祐司 國米
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Abstract

【課題】測定対象の三次元データを精度よく連結する方法を提供する。【解決手段】第1波長を有する形状測定用の構造光を測定対象に対して投影し、測定対象の三次元形状に関する複数の三次元データを取得するS01、測定対象と、測定対象上に配置され第1波長とは異なる第2波長を有する光が投影されて検出可能となるマークと、に対して、第2波長を有する参照光を投影し、複数の三次元データのそれぞれに対応すると共に少なくともマークを含む参照データを取得するこS02、取得した参照データに含まれるマークの位置に基づいて、参照データに対応する三次元データ同士を、測定対象の形状が復元するように連結するS03、その後三次元形状を算出するS04。【選択図】図5

Description

本発明は、三次元データの連結方法、形状測定方法、三次元データの連結装置、形状測定装置、構造物製造方法、構造物製造システム、及び形状測定プログラムに関する。
測定対象の三次元形状を測定する手法として、例えば位相シフト法が知られている。位相シフト法を用いた形状測定装置は、投影部、撮像部、及び制御部を備えている。この投影部は、正弦波状の光強度の分布を有する縞状のパターン光(以下、構造光という。)を測定対象に投影する。なお、投影部は正弦波の位相を任意に設定することができる。撮像部は、4種類の異なる位相の構造光がそれぞれ測定対象に投影された状態で、それぞれ測定対象を撮像して4つの位相画像を取得する。制御部は、撮像部が撮像した4つの画像における各画素の信号強度に関するデータを所定の演算式に当てはめ、測定対象の面形状に応じた各画素における縞の位相値を求める。そして、演算部は、三角測量の原理を利用して、各画素における縞の位相値から測定対象の三次元座標データを算出する。この位相シフト法を利用した装置は、例えば、特許文献1に開示されている。
上記の場合において、例えば測定対象が撮像部の撮像視野に収まらないときには、測定対象の異なる位置を一部が重複するようにそれぞれ測定し、各測定結果を連結することで測定対象全体の三次元形状を測定することができる。測定結果を連結する際には、例えば測定結果の重複する測定結果同士を重ねあわせる、オーバーラッピング処理が行われる。
オーバーラッピング処理では、測定対象の第1部分の画像と、第1部分と一部重なる第2部分の画像から、それぞれ三次元データを算出する。そして、第1部分及び第2部分の各三次元データにおいて、重複して測定された部分同士を重ねるようにして、第1部分の三次元データと第2部分の三次元データとを連結する。このとき、第1部分の三次元データと第2部分の三次元データとで共通の座標データとなる所定領域の画素の輝度情報を比較して、第1部分と第2部分との重複部分を判断する。
このようなオーバーラッピング処理を行う場合には、共通の座標データとして、予め測定対象に、マーカなどの指標を配置し、撮像部において測定対象とマーカとを合わせて撮像するようにしている。これにより、複数の三次元データを連結する際には、同一のマーカ同士を重ねるようにすればよい。
米国特許第5450204号明細書
しかしながら、上記手法においては、設置された指標が測定対象の一部を隠してしまい、正確な形状を測定することが困難になるという問題がある。上記のような位相シフト法による場合に限られず、他の手法によって三次元形状を測定する場合についても、同様の問題が生じうる。
以上のような事情に鑑み、本発明は、測定対象の三次元データを精度よく連結することが可能な三次元データの連結方法及び三次元データの連結装置、また、測定対象の三次元データを精度よく測定することが可能な形状測定方法、形状測定装置、構造物製造方法、構造物製造システム、及び形状測定プログラムを提供することを目的とする。
本発明の第1態様によれば、第1波長を有する形状測定用の構造光を測定対象に対して投影し、測定対象の三次元形状に関する複数の三次元データを取得することと、測定対象と、該測定対象上に配置され第1波長とは異なる第2波長を有する光が投影されて検出可能となるマークと、に対して、第2波長を有する参照光を投影し、複数の三次元データのそれぞれに対応すると共に少なくともマークを含む参照データを取得することと、取得した参照データに含まれるマークの位置に基づいて、参照データに対応する三次元データ同士を、測定対象の形状が復元するように連結することとを含む三次元データの連結方法が提供される。
本発明の第2態様によれば、第1態様による三次元データの連結方法で三次元データを連結することと、連結された結果に基づいて、前記測定対象の三次元形状を算出することとを含む形状測定方法が提供される。
本発明の第3態様によれば、測定対象の三次元形状を測定する形状測定装置であって、第1波長を有する形状測定用の構造光を測定対象に対して投影し、三次元形状に関する複数の三次元データを取得する第1取得部と、測定対象と、該測定対象上に配置され第1波長とは異なる第2波長を有する光が投影されて検出可能となるマークと、に対して、第2波長を有する参照光を投影し、複数の三次元データのそれぞれに対応すると共に少なくともマークを含む参照データを取得する第2取得部と、取得した参照像に含まれるマークの位置に基づいて、参照像に対応する測定像同士を、測定対象の形状が復元するように連結し、連結された結果に基づいて、測定対象の三次元形状を算出する制御部とを備える形状測定装置が提供される。
本発明の第4態様によれば、構造物の形状に関する設計情報を作製することと、設計情報に基づいて構造物を作製することと、作製された構造物の形状を測定する第2態様の形状測定方法と、形状測定方法によって得られた構造物の形状に関する形状情報と設計情報とを比較することとを含む構造物製造方法が提供される。
本発明の第5態様によれば、構造物の形状に関する設計情報を作製する設計装置と、設計情報に基づいて構造物を作製する成形装置と、作製された構造物の形状を測定する請求項13に記載の形状測定装置と、形状測定装置によって得られた構造物の形状に関する形状情報と設計情報とを比較する検査装置とを含む構造物製造システムが提供される。
本発明の第6態様によれば、形状測定装置に含まれるコンピュータに、第1波長を有する形状測定用の構造光を測定対象に対して投影し、測定対象の三次元形状に関する複数の三次元データを取得する第1取得処理と、測定対象と、該測定対象上に配置され第1波長とは異なる第2波長を有する光が投影されて検出可能となるマークと、に対して、第2波長を有する参照光を投影し、複数の三次元データのそれぞれに対応すると共に少なくともマークを含む参照データを取得する第2取得処理と、取得した参照データに含まれるマークの位置に基づいて、参照データに対応する三次元データ同士を、測定対象の形状が復元するように連結する連結処理と、連結された結果に基づいて、測定対象の三次元形状を算出する算出処理とを実行させる形状測定プログラムが提供される。
本発明の態様によれば、測定対象の三次元データを精度よく連結することができる。
第1実施形態に係る形状測定装置の一例を示す図である。 図1に示す形状測定装置の詳細構成の一例を示すブロック図である。 投影領域における構造光及び参照光の強度分布を示す図である。 (a)は投影領域と撮像領域との関係を示す図、(b)はマーカの一例を示す図、(c)はマーカの他の例を示す図である。 形状測定装置の動作を説明しつつ、三次元データの連結方法及び形状測定方法の一例について説明するフローチャートである。 第1実施形態に係る三次元データの連結方法において取得される画像データを示す図である。 第2実施形態に係る形状測定装置の一例を示す図である。 構造物製造システムの実施形態の一例を示すブロック図である。 構造物製造方法の実施形態の一例を示すフローチャートである。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る形状測定装置の一例を示す図である。なお、図1において、紙面の右方向をX軸とし、X軸と直交し紙面を貫通する方向をY軸とし、X軸及びY軸と直交する方向をZ軸としている。形状測定装置1は、位相シフト法を用いて測定対象2の三次元形状を測定する装置である。形状測定装置1は、図1に示すように、投影部10と、撮像部50と、演算処理部(三次元データの連結装置)60とを備える。
投影部10は、第1の方向D1(図1のX軸方向)に沿って無変調のライン光である投影光100を生成する。そして、投影部10は、生成した投影光100を第1の方向とは異なる第2の方向D2(図1のY軸方向)に沿って走査することにより、投影領域200に対して投影光100を投影する。投影光100は、構造光101及び参照光102を含む。第1実施形態の構造光101は、位相シフト法で用いる構造光である。また、第1実施形態の参照光102は、測定対象2の擬似三次元形状の画像を表示させるときに、三次元形状の表面に色彩に関する情報を張り付けるために用いられる光である。なお、構造光101、参照光102、及び投影領域200の詳細については後述する(図3及び図4参照)。
投影部10は、図1に示すように、光生成部20と、投影光学系30と、走査部40とを有する。光生成部20は、投影光100を生成する。投影光学系30は、光生成部20で生成された投影光100を走査部40へ出射する。投影光学系30から出射された投影光100は、走査部40を介して測定対象2または測定対象2の近傍に向けて投影される。測定対象2は、図1に示す位置関係においては、例えばY方向について、投影領域200よりも大きな寸法となっている。測定対象2は、−Y側の端部を含む第1部分2Aと、+Y側の端部を含む第2部分2Bとを有している。第1部分2A及び第2部分2Bは、それぞれ測定対象2の一部である。第1部分2Aの+Y側の端部と第2部分2Bの−Y側の端部とは、Y方向の中央部において重複するように設定されている。測定対象2及びその周囲には、複数のマーカMC(マーカMC1〜MC6)が配置されている。
マーカMC1〜MC4は、第1部分2Aに配置されている。また、マーカMC3〜MC6は、第2部分2Bに配置されている。なお、マーカMC3及びMC4は、第1部分2A及び第2部分2Bの重複部分に配置されている。マーカMCの詳細な構成については後述する。走査部40は、投影光100を第2の方向D2(図1のY軸方向)に走査する。
撮像部50は、投影部10の位置と異なる位置に配置されている。撮像部50は、投影光100が投影された測定対象2を、投影部10による投影方向とは異なる方向から撮像する。例えば、撮像部50は、構造光101が投影された測定対象2の像(以下、「測定像」と表記する。)を撮像する。また、例えば、撮像部50は、参照光102が投影された測定対象2の像(以下、「参照像」と表記する)を撮像する。
撮像部50は、受光光学系51、撮像装置52及び光分岐部53を有している。受光光学系51は、測定対象2の表面において、投影光100が投影された部分を含む領域の像を撮像装置52に結像させる光学系である。受光光学系51は、例えば複数のレンズが用いられる。撮像装置52は、受光光学系51によって結像された像に基づいて測定対象2の画像データを生成するとともに、生成した画像データを記憶する。撮像装置52は、CCD撮像素子52a及びCCD撮像素子52bを有している。CCD撮像素子52aは、構造光101による像を撮像する。CCD撮像素子52bは、参照光102による像を撮像する。
光分岐部53は、ダイクロイックミラー53aと、ミラー53bとを有している。ダイクロイックミラー53aは、構造光101の波長に対応する波長の光を透過可能であり、かつ、それ以外の波長については反射するように形成されている。ダイクロイックミラー53aは、構造光101を透過させてCCD撮像素子52aに入射させる。ミラー53bは、ダイクロイックミラー53aの反射光の光軸上に配置されている。ミラー53bは、ダイクロイックミラー53aで反射された参照光102等をCCD撮像素子52bに入射させる。
演算処理部60は、光生成部20による投影光100の生成を制御する。また、演算処理部60は、走査部40による投影光100の走査と、撮像部50による測定対象2の撮像とを同期させるように、走査部40及び撮像部50を制御する。また、演算処理部60は、撮像部50が撮像した画像データにおける各画素の輝度データ(信号強度)に基づいて、測定対象2の三次元形状を算出する。
次に、図2を参照して形状測定装置1に含まれる投影部10、撮像部50、及び演算処理部60の詳細な構成について説明する。図2は、図1に示す形状測定装置1の詳細構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように3軸座標系を設定した場合、図2においては、紙面の右方向がX軸となり、紙面の上方向がZ軸となり、紙面の裏から表に向かう方向がY軸となる。図2に示すように、投影部10は、レーザコントローラ21、レーザダイオード(光源)22、投影光学系30、及び走査部40を有している。図1に示す光生成部20は、レーザコントローラ21、及びレーザダイオード22を含む。
レーザコントローラ21は、制御部62からの指令信号に基づいてレーザダイオード22によるレーザ光の照射を制御する。レーザダイオード22は、レーザコントローラ21からの制御信号に基づいてレーザ光を生成する光源である。レーザダイオード22は、例えば赤色光を射出する赤色レーザダイオードと、緑色光を射出する緑色レーザダイオードと、青色光を射出する青色レーザダイオードとを有している。
投影光学系30は、上述したように、レーザダイオード22で発生したレーザ光を投影領域200でライン状の投影光100として投影する。投影光学系30は、一つまたは複数の透過光学素子または反射光学素子によって構成される。
走査部40は、投影光学系30から出射された投影光100を、例えば、ミラー等の反射光学素子を用いて反射し、その反射面を回動することにより投影光100を第2の方向D2(図2のY軸方向)に走査する。走査部40を構成する反射光学素子の一例として、静電気でミラーを共振させて投影光100の反射角を変化させるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーが用いられる。第2の方向D2は、第1の方向D1(図2のX軸方向)と異なる測定対象2上の方向である。例えば、第1の方向D1と第2の方向D2とは直交している。
MEMSミラーは、所定の振動中心を軸として方向R(図1参照)に回動し、投影光100を所定の反射角で反射させつつ、その反射角を変化させる。MEMSミラーによる第2の方向D2の走査幅(つまり、投影領域200における第2の方向D2の長さ)は、MEMSミラーにおける反射角が変化する方向の振幅によって決定される。また、MEMSミラーにより投影光100が第2の方向D2に走査される速度は、MEMSミラーの角速度(つまり、共振周波数)によって決定される。また、MEMSミラーを振動させることにより、投影光100を往復して走査可能となる。投影光100の走査の開始位置は任意である。例えば、投影領域200の端から投影光100の走査が開始されるほかに、投影領域200の略中央付近から走査が開始されてもよい。
図3は、投影領域における投影光100の強度分布を示す図である。図3(a)は構造光101の強度分布を示しており、図3(b)は参照光102の強度分布をそれぞれ示している。図1に示すような3軸座標系を設定した場合、図3(a)及び(b)においては、紙面の上方向がX軸となり、紙面の右方向がY軸となり、紙面の裏から表に向かう方向がZ軸となる。
図3(a)及び(b)では、それぞれ投影光100(構造光101又は参照光102)が走査部40により第2の方向D2にわたって走査された状態を示している。投影光100は、第1の方向D1に所定の長さを有するライン状の光である。投影光100は、第2の方向D2に所定の距離にわたって走査されることで矩形状の投影領域200を形成する。投影領域200は、投影光100が投影される領域であり、第1の方向D1と第2の方向D2とで規定される領域である。投影領域200は、測定対象2の一部または全部を含んでいる。
図3(a)に示す構造光101は、例えば第1波長(例、約680nm)の光である。構造光101を第2の方向D2に走査することにより、投影領域200全体としては、縞パターンPが投影されることになる。したがって、縞パターンPは、構造光101によって形成されるパターンである。縞パターンPは、第2の方向D2に沿って正弦波状の周期的な光強度の分布を有している。縞パターンPは、明るい部分(図3(a)の白い部分)と暗い部分(図3(b)の黒い部分)とを有する濃淡パターンとも表現される。また、縞パターンPは、格子状のパターンであるから格子パターンとも表現される。また、第2の方向D2を明暗の方向または濃淡の方向、格子の方向ともいう。
一方、図3(b)に示す参照光102は、上記の第1波長とは異なる第2波長の光である。参照光102として、例えば赤色光、緑色光及び青色光を含む可視光が用いられる。ただし、可視光のうち第1波長と同一の波長を有する光は撮像部50のダイクロイックミラー53aにより除外される。参照光102を第2の方向D2に強度変調せずに走査することにより、投影領域200全体としては、一様パターンQが投影されることになる。したがって、一様パターンQは、参照光102によって形成されるパターンである。一様パターンQは、第1の方向D1及び第2の方向D2において光強度(又は、明暗、濃淡)が一様となっている。
続いて、図2に示すように、撮像部50は、受光光学系51、CCD撮像素子52a、52b及び画像メモリ52cを有している。受光光学系51は、上述したように、測定対象2の表面のうち、投影光100が投影された部分を含む領域の像をCCD撮像素子52a、52bの受光面に結像させる。CCD撮像素子52a、52bは、電荷結合素子(Charge Coupled Device)を用いた撮像素子である。
CCD撮像素子52a、52bにより生成される画像データは画素毎の信号強度データによって構成される。例えば、画像データは512×512=262144画素の信号強度データで構成される。画像メモリ52cは、CCD撮像素子52a、52bが生成した画像データを記憶する。
図4(a)は、投影領域と撮像領域との関係を示す図である。図4(a)を用いて、撮像部50が測定対象2を撮像する領域(以下、撮像領域と称する)について簡単に説明する。図1に示すように3軸座標系を設定した場合、図4においては、紙面の上方向がX軸となり、紙面の右方向がY軸となり、紙面の裏から表に向かう方向がZ軸となる。
図4(a)に示すように、撮像領域210は、撮像部50により撮像される測定対象2の領域を示している。この撮像領域210は、投影領域200の領域内であって、この投影領域200よりも狭い領域とされている。ただし、撮像領域210は、少なくとも投影領域200の領域外にはみ出さなければよい。例えば、撮像領域210は投影領域200と同じ領域であってもよい。なお、撮像領域210は、投影領域200よりも大きな領域であってもよい。
また、本明細書においては、撮像領域210とは別に撮像視野という表現を適宜用いて説明する。撮像視野は、撮像部50による1回の撮像で撮像される測定対象2上の範囲である。なお、測定対象2が1回の撮像で撮像部50の撮像視野に収まらない場合は、測定対象2の異なる位置を複数回にわたって測定し、各測定結果を連結することで測定対象2全体の三次元形状を測定することが可能である。
なお、投影領域200が撮像領域210より大きいとき、構造光101は、撮像領域210の外側(すなわち撮像視野の外側)から走査が開始される場合と、撮像領域210内(すなわち撮像視野内)から走査が開始される場合と、のいずれであってもよい。
投影領域200(または撮像領域210)内には、複数のマーカMCが配置されている。複数のマーカMCは、外観が互いに異なるように形成されている。
図4(b)は、マーカMCの一例を示す図である。
図4(b)に示すように、マーカMCは、3行×3列のマトリクス状に配置された矩形パターンSを有している。矩形パターンSは、着色領域S1及び非着色領域S2を有している。着色領域S1は、構造光101と同一波長の光を透過するように形成されている。また、着色領域S1は、参照光102と同一波長の光の照射を受けて吸収する、又は、参照光102と同一波長の光を反射するように形成されている。非着色領域S2は、例えば何も配置されていない領域である。図4(b)に示す矩形パターンSは、3つの着色領域S1と6つの非着色領域S2とを有している。
各マーカMCは、着色領域S1と非着色領域S2との配置が互いに異なっている。このため、各マーカMCは、矩形パターンSが互いに異なるように形成されている。よって、各マーカMCは、互いに識別可能となっている。なお、着色領域S1は、可視光の照射を受けて少なくとも一部の波長を吸収又は反射可能な構成となっている。これにより、測定者がマーカMCを肉眼で見ながら配置させることができる。
図4(c)は、マーカMCの他の例を示す図である。
図4(c)に示すマーカMCAは、図4(b)に示すマーカMCに比べて、着色領域S1Aにおける吸収量又は反射量が低くなっており、一部の光を透過可能な構成となっている。このため、マーカMCAが配置された領域では、参照光102が着色領域SA1を透過して投影領域200又は測定対象2上に照射される。この透過光により、投影領域200又は測定対象2の形状を目視可能となっている。
続いて、図2に示すように、演算処理部60は、操作部61、制御部62、設定情報記憶部63、取込メモリ64、演算部65、三次元情報記憶部66、及び表示制御部67を有している。
操作部61は、使用者の操作に応じた操作信号を制御部62に出力する。この操作部61は、例えば、使用者によって操作されるボタン、スイッチである。また、表示装置70には例えばタッチパネルが形成されている。このタッチパネルも操作部61として用いられる。
制御部62は、第1制御部62a及び第2制御部62bを含む。第1制御部62aは、走査部40と撮像部50とを制御する。第2制御部62bは、光生成部20を制御する。制御部62は、設定情報記憶部63に記憶されているプログラムに従って次の制御を実行する。
第1制御部62aは、走査部40及びCCD撮像素子52a、52bに指令信号を出力し、CCD撮像素子52a、52bによる測定対象2の撮像が、走査部40による構造光101の走査に同期するように制御する。また、第1制御部62aは、CCD撮像素子52a、52bによる1フレームの撮像と、構造光101の複数回の走査とを同期させるように制御する。
第2制御部62bは、レーザコントローラ21に指令信号を出力することにより、レーザダイオード22から赤色光、青色光及び緑色光を組み合わせた所望のレーザ光を照射可能である。また、第2制御部62bは、レーザコントローラ21に指令信号を出力することにより、レーザダイオード22から照射されるレーザ光の光強度を調整可能である。なお、例えば680nmの単色光を照射する場合は、赤色光を用いるとともに不図示のバンドパスフィルターを光路中に挿入する。
走査部40を構成するMEMSミラーの周波数は、例えば500Hz(MEMSミラーの振動周期は往復2ms)に設定される。また、CCD撮像素子52a、52bのシャッタースピード(CCD撮像素子52a、52bの露光時間)は例えば40msに設置される。従って、CCD撮像素子52、52baが1枚の画像を撮像する間に、走査部40は構造光101を投影領域200に40回走査(20回往復走査)する。第1制御部62aは、CCD撮像素子52a、52bによる1フレームの撮像の間に、例えば走査部40による構造光101を20回往復させるように制御を行う。ただし、CCD撮像素子52a、52bによる1フレームの撮像において、構造光101を何往復走査させるかは、任意に設定可能である。例えば、CCD撮像素子52a、52bの露光時間の調整や、MEMSミラーの周波数の調整により、1フレームの撮像で取り込む構造光101の走査数は調整される。
設定情報記憶部63は、制御部62に制御を実行させるためのプログラムを記憶する。また、設定情報記憶部63は、演算部65に対して、ぶれの検出処理を実行させるためのプログラムや、三次元形状の演算処理を実行させるためのプログラムを記憶する。設定情報記憶部63は、表示制御部67に表示制御を実行させるためのプログラムを記憶する。設定情報記憶部63は、演算部65の演算処理において構造光101の縞の位相から測定対象2の点群データを算出する際に用いるキャリブレーション情報なども記憶する。
取込メモリ64は、画像メモリ52cに記憶された画像データを取り込んで記憶する。この取込メモリ64は、構造光101を投影して撮像した測定対象2の測定像や、参照光102を投影して撮像した測定対象2の参照像などが記憶される。取込メモリ64には、複数の記憶領域が設けられている。測定像の画像データ及び参照像の画像データは、例えばそれぞれ異なる記憶領域に記憶される。
演算部65は、設定情報記憶部63に記憶されているプログラムやキャリブレーション情報に従って、例えば後述するような所定の演算を実行する。三次元情報記憶部66は、演算部65が算出した測定対象2の三次元形状データを記憶する。表示制御部67は、設定情報記憶部63に記憶されているプログラムに従って疑似三次元形状の画像の表示制御を実行する。すなわち、表示制御部67は、使用者による操作部61の操作に応じて、または自動的に、三次元情報記憶部66に記憶された三次元形状データを読み出す。そして、表示制御部67は、読み出した三次元形状データに基づいて表示装置70の表示画面に測定対象2の疑似三次元形状の画像を表示させる制御を実行する。
表示装置70は、測定対象2の疑似三次元形状の画像を表示する装置である。この表示装置70は、例えば液晶表示装置や有機EL表示装置などが用いられる。なお、図1では表示装置70を省略している。
また、上記の制御部62、演算部65、及び表示制御部67は、CPU(Central Processing Unit)などの演算処理装置により構成される。すなわち、演算処理装置が設定情報記憶部63に記憶されているプログラムに従って制御部62が実行する処理を行う。また、演算処理装置が設定情報記憶部63に記憶されているプログラムに従って演算部65が実行する処理を行う。また、演算処理装置が設定情報記憶部63に記憶されているプログラムに従って表示制御部67が実行する処理を行う。このプログラムには、形状測定プログラムが含まれる。
この形状プログラムは、演算処理装置(制御部62)に対して、構造光101を測定対象2に対して投影し測定対象2の三次元形状に関する複数の三次元データを取得する第1取得処理と、測定対象2と、該測定対象2との間で所定の位置関係となるように配置され参照光102が投影されて検出可能となるマーカMCと、に対して参照光102を投影し、複数の三次元データのそれぞれに対応すると共に少なくともマーカMCの位置情報を含む参照データを取得する第2取得処理と、を実行させる。また、この形状プログラムは、演算処理装置(演算部65)に対して、取得した参照データに含まれるマーカMCの位置情報に基づいて、参照データに対応する三次元データ同士を、測定対象2の形状が復元するように連結する連結処理と、連結された結果に基づいて、測定対象2の三次元形状を算出する算出処理とを実行させる。
次に、位相シフト法の原理について説明する。
位相シフト法は、例えば正弦波状の光強度分布を有する構造光101の位相をシフトさせて撮像した縞画像(縞パターンPが投影された測定対象2の測定像)を解析することにより、三次元的に形状を計測する手法である。第1実施形態において、縞パターンPは、位相をπ/2ずつシフトさせた4種類の縞パターンPである。
縞パターンPの位相は、構造光101の強度の分布である正弦波の位相である。以下、例えば正弦波強度分布の初期位相が0である基準の縞パターンPを第1縞パターン(第1位相光)P1とし、この第1縞パターンP1の位相をπ/2だけシフトさせた縞パターンPを第2縞パターン(第2位相光)P2とし、第1縞パターンP1の位相をπだけシフトさせた縞パターンPを第3縞パターン(第3位相光)P3とし、第1縞パターンP1の位相を3π/2だけシフトさせた縞パターンPを第4縞パターン(第4位相光)P4とする。ここで初期位相とは、左から右へ走査される縞パターンPの左端の位相を意味する。
位相シフト法では、第1縞パターンP1〜第4縞パターンP4を投影部10から測定対象2に投影し、投影部10に対して異なる角度に配置される撮像部50で測定対象2を撮影する。このように配置されているため投影部10と撮像部50の距離を基線長として、撮像部50の画素と位相から三角測量の原理で測定対象物2の三次元形状を求めることができる。
撮像部50は、第1縞パターンP1〜第4縞パターンP4がそれぞれ測定対象に投影された状態で、それぞれ測定対象2を撮像して4つの測定像を取得する。そして、演算処理部60は、撮像部50が撮像した4つの測定像のそれぞれの信号強度に関するデータを以下の(式1)に当てはめ、測定対象2の面形状に応じた各画素における縞の位相値φを求める。
φ(u,v)=tan−1{(I4(u,v)−I2(u,v))/(I1(u,v)−I3(u,v))}・・・(式1)
ただし、(u、v)は画素の位置座標を示している。また、I1は第1縞パターンP1が投影されたときに撮像された測定像の信号強度である。同様に、I2は第2縞パターンP2、I3は第3縞パターンP3、I4は第4縞パターンP4がそれぞれ投影されたときの測定像の信号強度である。
このように、画像の画素毎に正弦波状に変化する信号強度の位相を求めることができる。この位相φ(u,v)に基づいて基線に対する投影角度が求まり、画素位置に基づいて撮像部50への入射角が求めることができ、投影部10と撮像部50の距離は装置固有の長さなので、三角測量の原理により三次元形状(画像の各点での高さ情報)が求められる。
次に、第1実施形態に係る三次元データの連結方法の一例と、この連結方法を用いた形状測定方法の一例とについて説明する。第1実施形態では、測定対象2が撮像部50の撮像視野よりも大きくなるように配置された場合を例に挙げて説明する。例えば、図1に示すように、測定対象2がY方向において投影領域200よりも大きい寸法となっている。この場合、測定対象2のうち−Y側の第1部分2A及び+Y側の第2部分2B(図1参照)をそれぞれ測定し、各測定結果をつなぎ合わせることで測定対象2全体の三次元形状を測定する手順を例に挙げる。そして、測定結果同士をつなぎ合わせる際に、測定結果の一部同士を重ねあわせる、オーバーラッピング処理を行う手順を例に挙げる。
図5は、第1実施形態に係る検出方法及び形状測定方法の一例について説明するフローチャートである。図6(a)〜(e)は、以下の検出方法及び形状測定方法において取得又は生成される画像データの一例を示す図である。
まず、測定者は、測定対象2のうち−Y側の第1部分2Aについて測定する。形状測定装置1の電源がオンとなった状態で、使用者により測定開始操作が行われると、制御部62は、操作部61から測定開始操作が行われたことを表す信号が入力される。なお、使用者による測定開始操作が行われない場合は、待機状態となっている。また、測定開始操作が行われた場合、第1部分2Aとの距離を測定して、投影光学系30や撮像レンズ51のフォーカス合わせが行われてもよい。
測定開始操作が行われると、制御部62は、光生成部20及び走査部40に対して指令信号を出力し、第1部分2Aに4種類の縞パターンP(図3(a)参照)を投影させ、各縞パターンPが投影された第1部分2Aの測定像をそれぞれCCD撮像素子52aに撮像させる。その後、演算部65は、4種類の測定像に基づいて、図6(a)に示すように、第1部分2Aの三次元データIm1を取得する。三次元データIm1は、第1部分2Aの三次元形状に関する三次元データである。なお、三次元データは点群データであるが、疑似的な三次元像とし表している。第1部分2Aには、マーカMC1〜MC4が配置されている。一方、構造光101の波長はマーカMC1〜MC4を透過する。このため、マーカMC1〜MC4はCCD撮像素子52aには撮像されない。したがって、三次元データIm1にはマーカMC1〜MC4が含まれない。
次に、制御部62は、光生成部20及び走査部40に対して指令信号を出力し、一様パターンQ(図3(b)参照)を第1部分2Aに投影させる。また、制御部62は、撮像部50に対して指令信号を出力し、一様パターンQが投影された第1部分2Aの参照像をCCD撮像素子52bに撮像させる。第1部分2AにはマーカMC1〜MC4が配置されている。マーカMC1〜MC4は参照光102の照射を受けることにより、参照光102を反射又は吸収する。したがって、CCD撮像素子52bによってマーカMC1〜MC4が撮像される。なお、CCD撮像素子52aとCCD撮像素子52bには、同一の受光光学系51による像が形成されるため、測定対象2の同じ位置の像が形成される。
よって、演算部65は、図6(b)に示すように、互いにパターンの異なる複数のマーカMC1〜MC4が配置された第1部分2Aの参照データIm2を取得する。この参照データIm2は、第1部分2Aのテクスチャマッピングに用いられるものであり、三次元データIm1と位置関係が対応する画像データである。なお、参照データIm2の取得は、三次元データIm1を取得する前に行ってもよい。
次に、測定者は、測定対象2のうち+Y側の第2部分2Bについて測定する。第1部分2Aの測定時と同様、形状測定装置1の電源がオンとなった状態で、使用者により測定開始操作が行われると、制御部62は、操作部61から測定開始操作が行われたことを表す信号が入力される。なお、使用者による測定開始操作が行われない場合は、待機状態となっている。また、測定開始操作が行われた場合、第2部分2Bとの距離を測定して、投影光学系30や撮像レンズ51のフォーカス合わせが行われてもよい。
測定開始操作が行われると、制御部62は、光生成部20及び走査部40に対して指令信号を出力し、測定対象2のうち+Y側の第2部分2Bに4種類の縞パターンPを投影させ、各縞パターンPが投影された第2部分2Bの測定像をそれぞれCCD撮像素子52aに撮像させる。その後、演算部65は、4種類の測定像に基づいて、図6(c)に示すように、第2部分2Bの三次元データIm3を取得する。三次元データIm3は、第2部分2Bの三次元形状に関する三次元データである。第2部分2Bには、マーカMC3〜MC6が配置されている。一方、構造光101の波長はマーカMC3〜MC6を透過する。このため、マーカMC3〜MC6はCCD撮像素子52aには撮像されない。したがって、三次元データIm3にはマーカMC3〜MC6が含まれない。
次に、制御部62は、光生成部20及び走査部40に対して指令信号を出力し、一様パターンQを第2部分2Bに投影させる。また、制御部62は、撮像部50に対して指令信号を出力し、一様パターンQが投影された第2部分2Bの参照像をCCD撮像素子52bに撮像させる。第2部分2BにはマーカMC3〜MC6が配置されている。マーカMC3〜MC6は参照光102の照射を受けることにより、参照光102を反射又は吸収する。したがって、CCD撮像素子52bによってマーカMC3〜MC6が撮像される。
よって、演算部65は、図6(d)に示すように、互いにパターンの異なる複数のマーカMC3〜MC6が配置された第2部分2Bの参照データIm4を取得する。この参照データIm4は、第2部分2Bのテクスチャマッピングに用いられるものであり、三次元データIm3と位置関係が対応する画像データである。なお、参照データIm4の取得についても、三次元データIm3を取得する前に行ってもよい。
このようにして、演算処理部60において、測定対象2の三次元形状に関する複数の三次元データIm1、Im3が取得される(ステップS01)。また、演算処理部60において、各三次元データIm1、Im3に対応すると共にマーカMC1〜MC6の位置情報を含む参照データIm2、Im4が取得される(ステップS02)。
次に、演算部65は、取得した参照データIm2、Im4に含まれるマーカMC1〜MC6の位置情報に基づいて、参照データIm2に対応する三次元データIm1と、参照データIm4に対応する三次元データIm3とを、測定対象2の形状が復元するように連結する(ステップS03)。
上記のマーカMC1〜MC6のうち、マーカMC3及びMC4は、第1部分2A及び第2部分2Bで重複する位置に配置されている。したがって、第1部分2Aの参照像に基づく参照データIm2、及び第2部分2Bの参照像に基づく参照データIm4には、マーカMC3、MC4が共通して含まれる。
ここで、参照データIm2及びIm4と、三次元データIm1及びIm3との間では、位置関係が対応している。そこで、演算部65は、参照データIm2のマーカMC3に対応する三次元データIm1の点群と参照データIm2のマーカMC4に対応する三次元データIm1の点群が測定対象2の同じ部分であるとしてラフアライメントを行い、次いでCP(Iterative Closest Point)と呼ばれる手法によりファインアライメントを行い、三次元データIm1と三次元データIm3との連結三次元データIm5を求める。
これにより、例えば図6(e)に示すように、三次元データIm1と三次元データIm3とを連結したときの測定対象2の全体の連結データIm5が得られる。なお、図6(e)では、説明の便宜のためマーカMC1〜MC6の位置が示され、マーカMC3とマーカMC4とが重なった状態が示されているが、実際には三次元データIm1及びIm3にはマーカMC1〜MC6は含まれない。したがって、測定対象2の全体の三次元データは、マーカMC1〜MC6によって隠されることなく取得される。そして、演算部65は、得られた連結三次元データIm5に基づいて、測定対象2の三次元形状を算出する(ステップS04)。
演算部65は、参照データIm2、Im4に基づき、測定対象2の三次元形状に対して色彩に関する情報を付加する。そして、演算部65は、測定対象2の三次元形状の座標データ及び色彩に関する情報を三次元情報記憶部66に記憶する。表示制御部67は、使用者による操作部61の操作に応じて、または自動的に、三次元情報記憶部66に記憶された三次元形状の座標データを読み出す。表示制御部67は、読み出した三次元形状の座標データに基づいて表示装置70の表示画面に測定対象2の疑似三次元形状を表示させる。疑似三次元形状は、三次元空間内の点の集合である点群から生成されたポリゴンで表示される。この点群のデータは、形状測定装置1から出力可能である。
表示装置70は、測定対象2の疑似三次元形状を表示するだけでなく、撮像部50により撮像された縞画像を表示させてもよい。すなわち、表示制御部67は、取込メモリ64に記憶された画像データに基づいて、撮像部50が撮像した縞画像を表示装置70に表示させてもよい。このような構成によれば、使用者が撮像部50により撮像された縞画像に基づいて、撮像現場で測定対象2が正確に撮像されたか否かを確認することができる。
また、表示装置70は、撮像部50により撮像された画像、及び演算部65により算出された三次元形状、のうち少なくとも一方を表示する構成であってもよい。この場合、撮像部50により撮像された画像、及び演算部65により算出された三次元形状、のうち少なくとも一方は、形状測定装置1と無線または有線で接続された外部の表示装置に表示させるものでもよい。
以上のように、第1実施形態によれば、構造光101を測定対象2に対して投影し、測定対象2の三次元形状に関する複数の三次元データIm1、Im3を取得し、測定対象2と、該測定対象2との間で所定の位置関係となるように配置され参照光102が投影されて検出可能となるマーカMC(MC1〜MC6)とに対して参照光102を投影し、複数の三次元データIm1、Im3のそれぞれに対応すると共に少なくともマーカMC1〜MC6の位置情報を含む参照データIm2、Im4を取得し、取得した参照データIm2、Im4に含まれるマーカMC3、MC4の位置情報に基づいて、参照データIm2、Im4に対応する三次元データIm1、Im3を、測定対象2の形状が復元するように連結するため、測定対象2上にマーカMC1〜MC6が配置された場合であっても、構造光101がマーカMC1〜MC6を透過するため、マーカMC1〜MC6によって測定対象2の一部が隠されることがない。
また、第1実施形態によれば、上記連結方法を用いて三次元データを連結し、その結果に基づいて測定対象2の三次元形状を算出するため、測定対象の三次元データを欠落なく測定することが可能となる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
図7は、第2実施形態に係る形状測定装置1Aの一例を示す図である。
上記第1実施形態においては、1つの撮像部50で構造光101と参照光102とを分岐し、別々のCCD撮像素子52a及び52bによって撮像する構成を例に挙げて説明したが、第2実施形態では、図7に示すように、独立して制御可能な2つの撮像部151、152を有する構成となっている。なお、他の構成、例えば投影部10や演算処理部60の構成、測定対象2やマーカMC(MC1〜MC6)などの構成については、第1実施形態と同一である。
一方の撮像部151は、受光光学系153、撮像装置154及びフィルタ157を有しており、構造光101による像(測定像)を撮像するために用いられる。他方の撮像部152は、受光光学系155、撮像装置156及びフィルタ158を有しており、参照光102による像(参照像)を撮像するために用いられる。なお、受光光学系153、155の構成は、上記実施形態と同一である。また、撮像装置154、156には、それぞれ1つの撮像素子(不図示のCCD撮像素子など)が設けられている。撮像装置154と撮像装置156との間では、解像度又は画素数が同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、フィルタ157は、構造光101の第1波長(第1波長)を透過させ、他の波長を遮光するように形成されている。一方、フィルタ158は、構造光101の第1波長を遮光し、他の波長を透過させるように形成されている。フィルタ157、158としては、例えば波長選択フィルタなどが用いられる。
上記構成の形状測定装置1Aにおいては、投影部10から構造光101の第1波長及び参照光102の第2波長を含む投影光100を測定対象2に投影した場合、測定対象2の測定像は撮像部151の受光光学系153及びフィルタ157を介して撮像装置154によって撮像される。このとき、投影光100に含まれる参照光102の参照像は、フィルタ157によって遮光されるため、撮像装置154では撮像されない。演算部65は、撮像された測定像に基づいて、測定対象2の第1部分2A及び第2部分2Bの三次元データをそれぞれ求める。
一方、測定対象2の参照像は、撮像部152の受光光学系155及びフィルタ158を介して撮像装置156によって撮像される。このとき、測定対象2の測定像は、フィルタ158によって遮光されるため、撮像装置154では撮像されない。演算部65は、撮像された参照像に基づいて、測定対象2の第1部分2A及び第2部分2Bの参照データをそれぞれ求める。参照データには、マーカMC1〜MC6の位置情報が含まれる。
そして、演算部65は、参照データに含まれるマーカMC1〜MC6の位置情報に基づいて、参照データに対応する三次元データを、測定対象2の形状が復元するように連結する。
以上のように、本変形例によれば、独立して制御可能な2つの撮像部151、152を有する構成とすることにより、一の投影光100に対して、撮像部151では測定像を撮像し、撮像部152では参照像を撮像することができる。このため、同一のタイミングで三次元データ及び参照データを取得することが可能となる。これにより、三次元データを連結するために要する時間を短縮することが可能となる。
なお、図7に示す構成において、撮像部151、152で撮像される画像(測定像、参照像)は、各撮像部151、152のCCD撮像素子の視差を含むものとなる。この視差については予め撮像距離ごとに撮像部151のCCDと撮像部152のCCDの画素ごとに対応関係を記憶している。記憶した対応関係に基づいて三次元データと参照データの対応を求めることができる。
<構造物製造システム及び構造物製造方法>
図8は、構造物製造システムの実施形態の一例を示すブロック図である。図8に示す構造物製造システムSYSは、上記した形状測定装置1、設計装置710、成形装置720、制御装置(検査装置)730、及びリペア装置740を有している。
設計装置710は、構造物の形状に関する設計情報を作製する。そして、設計装置710は、作製した設計情報を成形装置720及び制御装置730に送信する。ここで、設計情報とは、構造物の各位置の座標を示す情報である。また、測定対象は、構造物である。
成形装置720は、設計装置710から送信された設計情報に基づいて構造物を成形する。この成形装置720の成形工程は、鋳造、鍛造、または切削などが含まれる。形状測定装置1は、成形装置720により作製された構造物(測定対象2)の三次元形状、すなわち構造物の座標を測定する。そして、形状測定装置1は、測定した座標を示す情報(以下、形状情報という。)を制御装置730に送信する。
制御装置730は、座標記憶部731及び検査部732を有している。座標記憶部731は、設計装置710から送信される設計情報を記憶する。検査部732は、座標記憶部731から設計情報を読み出す。また、検査部732は、座標記憶部731から読み出した設計情報と、形状測定装置1から送信される形状情報とを比較する。そして、検査部732は、比較結果に基づき、構造物が設計情報の通りに成形されたか否かを検査する。
また、検査部732は、成形装置720により成形された構造物が良品であるか否かを判定する。構造物が良品であるか否かは、例えば、設計情報と形状情報との誤差が所定の閾値の範囲内であるか否かにより判定する。そして、検査部732は、構造物が設計情報の通りに成形されていない場合は、その構造物を設計情報の通りに修復することができるか否かを判定する。修復することができると判定した場合は、検査部732は、比較結果に基づき、不良部位と修復量を算出する。そして、検査部732は、不良部位を示す情報(以下、不良部位情報という。)と、修復量を示す情報(以下、修復量情報という。)と、をリペア装置740に送信する。
リペア装置740は、制御装置730から送信された不良部位情報と修復量情報とに基づいて、構造物の不良部位を加工する。
図9は、構造物製造システムSYSによる処理を示すフローチャートであり、構造物製造方法の実施形態の一例を示している。図9に示すように、設計装置710は、構造物の形状に関する設計情報を作製する(ステップS31)。設計装置710は、作製した設計情報を成形装置720及び制御装置730に送信する。制御装置730は、設計装置710から送信された設計情報を受信する。そして、制御装置730は、受信した設計情報を座標記憶部731に記憶する。
次に、成形装置720は、設計装置710が作製した設計情報に基づいて構造物を成形する(ステップS32)。そして、形状測定装置1は、成形装置720が成形した構造物の三次元形状を測定する(ステップS33)。その後、形状測定装置1は、構造物の測定結果である形状情報を制御装置730に送信する。次に、検査部732は、形状測定装置1から送信された形状情報と、座標記憶部731に記憶されている設計情報とを比較して、構造物が設計情報の通りに成形されたか否か検査する(ステップS34)。
次に、検査部732は、構造物が良品であるか否かを判定する(ステップS35)。構造物が良品であると判定した場合は(ステップS35:YES)、構造物製造システムSYSによる処理を終了する。一方、検査部732は、構造物が良品でないと判定した場合は(ステップS35:NO)、検査部732は、構造物を修復することができるか否かを判定する(ステップS36)。
検査部732が構造物を修復することができると判定した場合は(ステップS36:YES)、検査部732は、ステップS34の比較結果に基づいて、構造物の不良部位と修復量を算出する。そして、検査部732は、不良部位情報と修復量情報とをリペア装置740に送信する。リペア装置740は、不良部位情報と修復量情報とに基づいて構造物のリペア(再加工)を実行する(ステップS37)。そして、ステップS33の処理に移行する。すなわち、リペア装置740がリペアを実行した構造物に対してステップS33以降の処理が再度実行される。一方、検査部732が構造物を修復することができると判定した場合は(ステップS36:NO)、構造物製造システムSYSによる処理を終了する。
このように、構造物製造システムSYS及び構造物製造方法では、形状測定装置1による構造物の測定結果に基づいて、検査部732が設計情報の通りに構造物が作製されたか否かを判定する。これにより、成形装置720により作製された構造物が良品であるか否か精度よく判定することができるとともに、その判定の時間を短縮することができる。また、上記した構造物製造システムSYSでは、検査部732により構造物が良品でないと判定された場合に、直ちに構造物のリペアを実行することができる。
なお、上記した構造物製造システムSYS及び構造物製造方法において、リペア装置740が加工を実行することに代えて、成形装置720が再度加工を実行するように構成してもよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は、上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能である。また、上記の実施形態で説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。そのような変更または改良、省略した形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記した実施形態や変形例の構成を適宜組み合わせて適用することも可能である。
例えば、上記実施形態においては、形状測定装置1、1Aによって得られた三次元データ同士を連結する場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、他の手法又は装置によって取得される三次元データ同士を連結する場合においても、同様の説明が可能である。
また、上記実施形態においては、参照データを取得する際に、マーカMCの位置情報及び測定対象2の色彩に関する情報を同時に撮像する場合を例に挙げて説明したが、これに限定するものではない。例えば、マーカMCの位置情報と、測定対象2の色彩に関する情報を別の画像として撮像するようにしてもよい。
また、上記した各実施形態及び変形例において、第1の方向D1と第2の方向D2とが直交していたが、第1の方向D1と第2の方向D2とが異なる方向であれば直交していなくてもよい。例えば、第2の方向D2は、第1の方向D1に対して60度や80度の角度に設定されてもよい。
また、上記した各実施形態及び変形例において、各図面では光学素子を一つまたは複数で表しているが、特に使用する数を指定しない限り、同様の光学性能を発揮させるものであれば、使用する光学素子の数は任意である。
また、上記した各実施形態及び変形例において、光生成部20等が構造光101及び参照光102を生成するための光は、可視光領域の波長の光、赤外線領域の波長の光、紫外線領域の波長の光、のいずれが用いられてもよい。可視光領域の波長の光が用いられることにより、使用者が投影領域200を認識可能となる。この可視光領域のうち、赤色の波長が用いられることにより、測定対象2へのダメージを軽減させることができる。
また、上記した各実施形態及び変形例において、走査部40は、構造光を反射する光学素子を用いているがこれに限定されない。例えば、回折光学素子や、屈折光学素子、平行平板ガラス等が用いられてもよい。レンズ等の屈折光学素子を光軸に対して振動させることで構造光を走査させてもよい。なお、この屈折光学素子としては、投影光学系30の一部の光学素子が用いられてもよい。
また、上記した各実施形態及び変形例において、撮像部50としてCCD撮像素子52a、52bが用いられるがこれに限定されない。例えば、CCD撮像素子に代えて、CMOSイメージセンサ(CMOS:Complementary Metal Oxide Semiconductor:相補性金属酸化膜半導体)などのイメージセンサが用いられてもよい。
また、上記した各実施形態及び変形例において、位相シフト法に用いる縞パターンPの位相を一周期の間に4回シフトさせる4バケット法が用いられるが、これに限定されない。例えば、縞パターンPの位相の一周期2πを5分割した5バケット法や、同じく6分割した6バケット法などが用いられてもよい。
また、上記した各実施形態及び変形例において、いずれも位相シフト法が用いられているが、空間コード法を併せて用いることで測定対象2の三次元形状を測定するものでもよい。また、位相シフト法に代えて、空間コード法を用いて測定対象2の三次元形状を測定するものでもよい。
また、上述の実施形態及び変形例において、投影部10、撮像部50、演算処理部60、及び表示装置70を持ち運びが可能な筐体に収容してもよい。持ち運び可能な筐体内に各構成が収容されているので、測定者は、形状測定装置を測定対象物がある現場まで容易に持ち運ぶことができる。また、例えば大型装置の裏面や背面など、定置型の測定装置では測定が難しい対象物に対して、容易に形状を測定することができる。なお、演算処理部60の全ての機能を持ち運びが可能な筐体に収容しなくてもよく、演算処理部60の一部の機能(演算部、三次元情報記憶部、表示制御部、及び設定情報記憶部の少なくとも一部)を外部のコンピュータに持たせてもよい。
この場合であっても、上述の実施形態と同様に、MEMSミラーの往復振動とレーザダイオードから射出される光強度とを同期させる必要がなく、複雑かつ高度な同期制御が不要となる。投影部10、撮像部50、演算処理部60、及び表示装置70を持ち運びが可能な筐体に収容した形状測定装置を持ち運ぶ場合、特に外部の測定環境(温度、湿度、気圧など)が変化しやすくなるが、外部環境が変化したとしても高精度な測定対象物の形状測定を行うことができる。
MC、MC1〜MC6、MCA…マーカ Im1、Im3…三次元データ Im2、Im4…参照データ SYS…構造物製造システム 1、1A…形状測定装置 2…測定対象 2A…第1部分 2B…第2部分 10…投影部 20…投影部 50、151、152…撮像部 52、154、156…撮像装置 52a、52b…CCD撮像素子 53…光分岐部 60…演算処理部 100…投影光 101…構造光 102…参照光 710…設計装置 720…成形装置 730…制御装置 740…リペア装置

Claims (11)

  1. 第1波長を有する形状測定用の構造光を測定対象に対して投影し、前記測定対象の三次元形状に関する複数の三次元データを取得することと、
    前記測定対象と、該測定対象上に配置され前記第1波長とは異なる第2波長を有する光が投影されて検出可能となるマークと、に対して、前記第2波長を有する参照光を投影し、複数の前記三次元データのそれぞれに対応すると共に少なくとも前記マークを含む参照データを取得することと、
    取得した前記参照データに含まれる前記マークの位置に基づいて、前記参照データに対応する前記三次元データ同士を、前記測定対象の形状が復元するように連結することと
    を含む三次元データの連結方法。
  2. 前記三次元データの取得と、前記三次元データに対応する前記参照データの取得とを、同時に行う
    請求項1に記載の三次元データの連結方法。
  3. 前記測定像の取得において、少なくとも前記第2波長をカットする
    請求項2に記載の三次元データの連結方法。
  4. 前記三次元データの取得と、前記三次元データに対応する前記参照データの取得とを、異なるタイミングで行う
    請求項1に記載の三次元データの連結方法。
  5. 前記参照光として、可視光を用いる
    請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の三次元データの連結方法。
  6. 前記マークとして、前記第2波長を有する光の一部を透過する半透明マークを用いる
    請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載の三次元データの連結方法。
  7. 請求項1から請求項6のうちいずれか一項に記載した方法で三次元データを連結することと、
    連結された結果に基づいて、前記測定対象の三次元形状を算出することと
    を含む形状測定方法。
  8. 測定対象の三次元形状を測定する形状測定装置であって、
    第1波長を有する形状測定用の構造光を前記測定対象に対して投影し、前記三次元形状に関する複数の三次元データを取得する第1取得部と、
    前記測定対象と、該測定対象上に配置され前記第1波長とは異なる第2波長を有する光が投影されて検出可能となるマークと、に対して、前記第2波長を有する参照光を投影し、複数の前記三次元データのそれぞれに対応すると共に少なくとも前記マークを含む参照データを取得する第2取得部と、
    取得した前記参照像に含まれる前記マークの位置に基づいて、前記参照像に対応する前記測定像同士を、前記測定対象の形状が復元するように連結し、連結された結果に基づいて、前記測定対象の三次元形状を算出する制御部と
    を備える形状測定装置。
  9. 構造物の形状に関する設計情報を作製することと、
    前記設計情報に基づいて前記構造物を作製することと、
    作製された前記構造物の形状を測定する請求項7に記載の形状測定方法と、
    前記形状測定方法によって得られた前記構造物の形状に関する形状情報と前記設計情報とを比較することと
    を含む構造物製造方法。
  10. 構造物の形状に関する設計情報を作製する設計装置と、
    前記設計情報に基づいて前記構造物を作製する成形装置と、
    作製された前記構造物の形状を測定する請求項8に記載の形状測定装置と、
    前記形状測定装置によって得られた前記構造物の形状に関する形状情報と前記設計情報とを比較する検査装置と、
    を含む構造物製造システム。
  11. 形状測定装置に含まれるコンピュータに、
    第1波長を有する形状測定用の構造光を測定対象に対して投影し、前記測定対象の三次元形状に関する複数の三次元データを取得する第1取得処理と、
    前記測定対象と、該測定対象上に配置され前記第1波長とは異なる第2波長を有する光が投影されて検出可能となるマークと、に対して、前記第2波長を有する参照光を投影し、複数の前記三次元データのそれぞれに対応すると共に少なくとも前記マークを含む参照データを取得する第2取得処理と、
    取得した前記参照データに含まれる前記マークの位置に基づいて、前記参照データに対応する前記三次元データ同士を、前記測定対象の形状が復元するように連結する連結処理と、
    連結された結果に基づいて、前記測定対象の三次元形状を算出する算出処理と
    を実行させる形状測定プログラム。
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