JP6701492B2 - 電極取出し治具 - Google Patents

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Description

本発明は、非消耗電極式のトーチから電極棒を取り出すときに用いられる電極取出し治具に関する。
プラズマ溶接トーチなどの非消耗電極式のトーチには、トーチボディの内部に電極棒が配置されている。プラズマ溶接トーチの内部構造については、例えば特許文献1などに記載されている。電極棒の先端は消耗するので、当該電極棒の先端を鋭利にするように、定期的に研磨する必要がある。
図11(a)は、プラズマ溶接トーチの内部構造の一例を示す断面図である。プラズマ噴出孔53aの直径は電極棒6の直径より小さいので、電極棒6をプラズマ噴出孔53aから取り出すことはできない。したがって、キャップ52を取り外して、コレット54およびコレットボディ55を取り出した後に、トーチボディ51の基端側(図において上側)の開口51aから、電極棒6をつかんで取り出す必要がある(図11(b)参照)。しかし、電極棒6は研磨によって次第に短くなっていくので、つかんで取り出すことが困難になる。プラズマ溶接トーチ5をひっくり返して、基端側を下に向ければ、電極棒6を取り出すことができるが、プラズマ溶接トーチ5が溶接ロボットに取り付けられている場合、プラズマ溶接トーチ5を溶接ロボットから取り外す必要がある。
特開2016-19986号公報
本発明は上記した事情のもとで考え出されたものであって、非消耗電極式のトーチから電極棒を容易に取り出すことができる治具を提供することをその目的としている。
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明によって提供される電極取出し治具は、非消耗電極式トーチ内の電極棒を取り出すための治具であって、筒状であって、内周面の先端側に、先端に行くほど中心軸に直交する断面が小さくなるテーパ部が設けられているホルダと、先端側が筒状になっており、先端から基端側に向かって延びる複数のスリットが設けられているチャックとを備えており、前記チャックの先端を、前記ホルダの基端側の開口から先端側に挿入して使用されることを特徴とする。この構成によると、ホルダの内周面の先端側に、テーパ部35が形成されている。したがって、トーチ内の電極棒をチャックおよびホルダの先端側の筒状部分に通し、チャックをホルダの先端側に移動させることで、チャックの先端側のスリットで挟まれた部分の先端を電極棒側に移動させて電極棒を把持させることができる。そして、チャックをホルダに固定したまま一体としてトーチから引き抜くことで、トーチから電極棒を容易に取り出すことができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記チャックは、前記電極棒が内側に挿入されてから、前記チャックの先端がテーパ部に当接した状態で、前記ホルダに対して先端側に相対移動することで、前記電極棒を把持する。この構成によると、容易に電極棒を把持することができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記チャックの先端側は、円筒状である。この構成によると、円柱状の溶接棒を把持しやすい。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記ホルダは、円筒状である。この構成によると、チャックの先端側のスリットで挟まれた部分の先端を、均等に電極棒側に移動させることができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記ホルダの中心軸に沿う断面において、前記テーパ部がなす角度は45°〜120°である。この構成によると、電極棒を把持する位置の変化を小さくすることができ、かつ、チャックの先端側のスリットで挟まれた部分の先端がテーパ部に当接した後の電極棒側への移動を容易とすることができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記テーパ部がなす角度は60°〜90°である。この構成によると、電極棒を把持する位置の変化をより小さくすることができ、かつ、チャックの先端側のスリットで挟まれた部分の先端がテーパ部に当接した後の電極棒側への移動をより容易とすることができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記ホルダは、基端側に配置されたフランジを備えている。この構成によると、ホルダがトーチの内部に落ち込んでしまうことを規制することができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記チャックは、基端から、前記チャックが延びる方向である軸方向に所定の距離だけ離れた位置に、前記軸方向に直交する方向に突出する突出部を備えており、前記所定の距離は、使用可能な最短の電極棒を前記非消耗電極式トーチの開口から挿入して配置したときの、前記非消耗電極式トーチの開口端から前記最短の電極棒の基端までの距離に応じて設定されている。この構成によると、電極棒が配置されたトーチの開口に、チャックを基端側から挿入し、突出部がトーチの開口端に当接するか否かで、電極棒が使用可能な長さか否かをチェックすることができる。
本発明によると、ホルダの内周面の先端側に、テーパ部35が形成されている。したがって、トーチ内の電極棒をチャックおよびホルダの先端側の筒状部分に通し、チャックをホルダの先端側に移動させることで、チャックの先端側のスリットで挟まれた部分の先端を電極棒側に移動させて電極棒を把持させることができる。そして、チャックをホルダに固定したまま一体としてトーチから引き抜くことで、トーチから電極棒を容易に取り出すことができる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
第1実施形態に係る電極取出し治具の全体構成を示す図である。 (a)は第1実施形態に係るチャックの外観図であり、(b)は、第1実施形態に係るホルダの外観図である。 (a)は図2(a)のIIIa−IIIa線に沿う断面図であり、(b)は図2(b)のIIIb−IIIb線に沿う断面図であり、(c)は(b)の部分拡大図である。 (a)は図2(a)のIVa−IVa線に沿う断面図であり、(b)は図2(b)のIVb−IVb線に沿う断面図である。 トーチボディの開口から電極棒を取り出す手順を説明するための図である。 電極取出し治具が細い電極棒を把持した状態を示している。 第1実施形態に係るホルダの他の実施例を示す図である。 電極取出し治具を電極棒の長さのチェックに用いる方法について説明するための図である。 第1実施形態に係るチャックの他の実施例を示す図である。 (a)は第1実施形態に係るチャックの他の実施例を示す図であり、(b)は第1実施形態に係るホルダの他の実施例を示す図である。 プラズマ溶接トーチの内部構造の一例を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
図1〜4は、第1実施形態に係る電極取出し治具1を説明するための図である。図1は、電極取出し治具1の全体構成を示す図である。電極取出し治具1は、チャック2およびホルダ3を備えている。図1においては、チャック2のうち、ホルダ3によって隠されている部分を破線で記載している。図2(a)はチャック2の外観図であり、図2(b)はホルダ3の外観図である。図3(a)は図2(a)のIIIa−IIIa線に沿う断面図であり、図3(b)は図2(b)のIIIb−IIIb線に沿う断面図である。図3(c)は図3(b)の部分拡大図であり、ホルダ3の先端部分を拡大したものである。図4(a)は図2(a)のIVa−IVa線に沿う断面図であり、図4(b)は図2(b)のIVb−IVb線に沿う断面図である。
電極取出し治具1は、プラズマ溶接トーチのトーチボディから、内部に配置されている電極棒を取り出すためのものである。図1に示すように、電極取出し治具1は、チャック2をホルダ3の内側に挿入した状態で使用される。
図2〜4に示すように、チャック2は、本体部21、円筒部22、スリット23、把持部24、および、突出部25を備えている。
本体部21は、チャック2の基端側(図1〜3において上側)の部分であり、円柱形状になっている。円筒部22は、チャック2の先端側(図1〜3において下側)の部分であり、円筒状になっている。本実施形態において、本体部21および円筒部22は、ABS(Acrylonitrile butadiene styrene)樹脂製であり、一体として形成されている。例えば、ABS樹脂の円柱形状の部材を切削することで形成される。なお、本体部21と円筒部22とを別々に形成し、両者を接合してもよい。また、本体部21および円筒部22の素材は限定されず、その他の樹脂製であってもよいし、アルミなどの金属製であってもよい。本実施形態においては、本体部21の中心軸方向(図1〜3において上下方向)の寸法は70mm程度であり、円筒部22の中心軸方向の寸法は60mm程度である。また、各直径は7mm程度である。これらの寸法は、電極取出し治具1が使用されるプラズマ溶接トーチのトーチボディおよび電極棒の各寸法に応じて設計される。
円筒部22の先端部分には、先端から基端側に向かって延びる切り欠き部分であるスリット23が3つ設けられている(図4(a)参照)。これらのスリット23によって、円筒部22の先端部分には、3つの把持部24が形成されている。把持部24は、円筒部22の先端部分で、スリット23とスリット23とに挟まれた部分である。3つの把持部24は、図4(a)に示すように、円筒部22の先端部分に均等に配置されている。把持部24は、弾性を有する。
本体部21の先端側寄りの位置には、中心軸方向に直交する方向に突出した突出部25が設けられている。突出部25は、ホルダ3に挿入されたチャック2がホルダ3の先端側に行きすぎないように規制するためのものであり、また、後述する様に、電極棒の長さを確認するためのものである。本実施形態においては、本体部21の所定の位置に中心軸に直交する孔を設け、当該孔に円柱形状の部材を挿入し、当該部材の両端が本体部21から突出した状態で固定することで、突出部25を形成している。なお、突出部25の形成方法は限定されない。例えば、突出部25を本体部21と一体として形成するようにしてもよい。また、突出部25の形状も限定されない。例えば、本体部21の外周から1つの方向にだけ突出するようにしてもよいし、本体部21の全周にわたってフランジ状に突出したものとしてもよい。なお、本体部21に突出部25を設けないようにしてもよい。
図2〜4に示すように、ホルダ3は、円筒部31、フランジ部32、先端開口33、基端開口34、および、テーパ部35を備えている。
円筒部31は、円筒状であり、先端側(図1〜3において下側)には先端開口33が設けられており、基端側(図1〜3において上側)には基端開口34が設けられている。円筒部31の内径は、チャック2の本体部21および円筒部22の外径より大きくなっている。円筒部31の基端側には、円筒部31の外周の全周にわたってフランジ状に突出したフランジ部32が形成されている。本実施形態において、円筒部31およびフランジ部32は、チャック2と同様、ABS(Acrylonitrile butadiene styrene)樹脂製であり、一体として形成されている。例えば、ABS樹脂の円柱形状の部材を切削することで形成される。なお、円筒部31とフランジ部32とを別々に形成し、両者を接合してもよい。また、円筒部31およびフランジ部32の素材は限定されず、その他の樹脂製であってもよいし、アルミなどの金属製であってもよい。また、チャック2と同じ素材としてもよいし、別の素材としてもよい。本実施形態においては、円筒部31の中心軸方向(図1〜3において上下方向)の寸法は、70mm程度であり、外径は10mm程度である。また、フランジ部32の中心軸方向の寸法は10mm程度であり、外径は25mm程度である。これらの寸法は、電極取出し治具1が使用されるプラズマ溶接トーチのトーチボディおよび電極棒の各寸法に応じて設計される。
フランジ部32は、ホルダ3が、プラズマ溶接トーチのトーチボディの内部に落ち込んでしまうことを規制するためのものである。したがって、フランジ部32の外径は、トーチボディの開口より大きくする必要がある。また、フランジ部32は、溶接棒を把持するときに、指を添えるためのものでもある。なお、フランジ部32を設ける代わりに、円筒部31の外周面に突出部を設けるようにしてもよい。また、円筒部31の外周面にフランジ部32や突出部を設けないようにしてもよい。
円筒部31の内周面の先端側には、先端に行くほど中心軸に直交する断面が小さくなるテーパ部35が形成されている(図3(c)参照)。テーパ部35によって、円筒部31の先端開口33は、先端に行くほど小さくなる。本実施形態において、ホルダ3の中心軸に沿う断面の、テーパ部35がなす角度θは、90°としている。したがって、円筒部31の内周面のテーパ部35とテーパ部35以外の部分とがなす角度は、135°(=180−θ/2)になっている。なお、角度θは、後述する様に、45°〜120°であればよく、60°〜90°であることが望ましい。
次に、電極取出し治具1の使用方法について説明する。
図11(a)は、プラズマ溶接トーチの内部構造の一例を示す断面図である。プラズマ溶接トーチ5は、トーチボディ51、キャップ52、プラズマノズル53、コレット54、コレットボディ55、および、電極棒6を備えている。
電極棒6は、通常、タングステンで形成されており、トーチボディ51の軸心部に配置されている。この電極棒6はコレット54に挿通され、コレット54がコレットボディ55に挿入されている。コレットボディ55は、絶縁ブッシュを介してトーチボディ51に取付けられている。トーチボディ51にキャップ52をねじ込むことによって、電極棒6の位置がコレットボディ55に対して固定される。プラズマノズル53は筒状で導電性があり、当該プラズマノズル53の基端部が、トーチボディ51の先端部に取り付けられている。プラズマノズル53の先端部には、プラズマ噴出孔53aが形成されている。電極棒6は、その先端がプラズマノズル53内に突き出されるように配置されている。
プラズマ噴出孔53aの直径は電極棒6の直径より小さいので、電極棒6をプラズマ噴出孔53aから取り出すことはできない。したがって、キャップ52を取り外して、コレット54およびコレットボディ55を取り出した後に、トーチボディ51の基端側(図において上側)の開口51aから、電極棒6をつかんで取り出す必要がある(図11(b)参照)。なお、キャップ52を取り外したことで、コレット54による電極棒6の固定が解除されているので、トーチボディ51からコレット54およびコレットボディ55を取り出しても、電極棒6を一緒に取り出すことはできず、電極棒6はトーチボディ51内に残っている。
電極取出し治具1は、トーチボディ51の開口51aから挿入されて、電極棒6を把持して取り出す。図1に示すように、電極取出し治具1は、チャック2の先端をホルダ3の基端開口34から先端開口33に向けて挿入した状態で使用される。
図5は、トーチボディ51の開口51aから電極棒6を取り出す手順を説明するための図である。なお、トーチボディ51および電極取出し治具1を簡略化して記載している。
図5(a)は、電極取出し治具1の先端部をトーチボディ51の開口51aに挿入する状態を示している。このとき、チャック2は、先端(把持部24の先端)がホルダ3の先端(円筒部31の先端)より基端側に後退した状態で、ホルダ3の内側に配置されている。この後、電極棒6をチャック2の円筒部22(把持部24の間)に挿入させるようにして、電極取出し治具1をトーチボディ51に挿入していく。
図5(b)は、電極取出し治具1をトーチボディ51に挿入した後、チャック2をホルダ3の先端側に移動させている状態を示している。簡略化のため図には示していないが、フランジ部32がトーチボディ51の開口端に当接するまで、電極取出し治具1をトーチボディ51に挿入すればよい。
図5(c)は、チャック2をホルダ3の先端側に移動させて、把持部24の先端がテーパ部35に当接した状態を示している。この後さらに、チャック2をホルダ3の先端側に移動させると、把持部24の先端は、テーパ部35に当接しながら、電極棒6に接近する方向に移動する(図4(a)において、破線矢印の方向に移動する)。
図5(d)は、把持部24の先端部分の内面(電極棒6に向かう面)が電極棒6に接触することで、電極棒6を把持した状態を示している。この状態のまま電極取出し治具1をトーチボディ51から引き出すことで、電極棒6をトーチボディ51から取り出すことができる。このとき、フランジ部32の先端側の面とホルダ3の基端とを指で挟む(例えば人差し指と中指とでフランジ部32の先端側の面を抑え、親指でホルダ3の基端を抑える)ように持つことで、電極取出し治具1が電極棒6を把持した状態を保つことができる。したがって、片手で容易に、電極棒6を取り出すことができる。
電極棒6をトーチボディ51から取り出した後は、チャック2をホルダ3の基端側に移動させる。これにより、把持部24による電極棒6の把持が解除されて、電極棒6を電極取出し治具1から取り外すことができる。
図6は、電極取出し治具1が細い電極棒6を把持した状態を示している、図6は、上記図5(d)の状態と同じ状態を示している。図6に示す電極棒6は図5に示す電極棒6より細いので、把持部24の先端がテーパ部35に当接している間は、把持部24の先端部分の内面が電極棒6に接触しない。把持部24の先端が先端開口33から突出して、把持部24の先端部分の外面(電極棒6とは逆側の面)が、先端開口33の開口端に当接するようになってから、把持部24が電極棒6を把持している。電極棒6が細いほど、把持部24の先端が先端開口33から、より突出して、把持部24は電極棒6のより先端側(図5,6に示す下側)を把持することになる。逆に、電極棒6が図5に示す電極棒6より太い場合は、把持部24の先端がテーパ部35に当接した早い段階で、把持部24は電極棒6を把持する。電極棒6が太いほど、把持部24が電極棒6を把持するタイミングが早くなり、把持部24は電極棒6のより基端側(図5,6に示す上側)を把持することになる。つまり、電極棒6の太さに応じて、把持部24が電極棒6を把持する位置が変化する。また、電極取出し治具1は、様々な太さの電極棒6を把持することができる。本実施形態において、電極取出し治具1は、直径3.2〜4.8mmの電極棒6を把持することができた。チャック2の円筒部22の内径を大きくすれば、より太い電極棒6を把持することができる。また、スリット23における円筒部22の周方向の寸法を大きくする(把持部24における円筒部22の周方向の寸法を小さくする)ことで、より細い電極棒6を把持することができる。
図7(a)は、ホルダ3において、角度θ(ホルダ3の中心軸に沿う断面の、テーパ部35がなす角度)を45°とした場合の例を示している。この場合、円筒部31の内周面のテーパ部35とテーパ部35以外の部分とがなす角度は、157.5°(=180−θ/2)となり、図4(c)の例(角度θ=90°)の場合の135°より大きくなっている。したがって、図7(a)の例の場合、図4(c)の例の場合と比べると、円筒部31の先端開口33が小さくなる割合は小さくなっている。円筒部31の先端開口33の大きさは同じなので、テーパ部35の中心軸方向の寸法は、図7(a)の例の方が大きくなっている。つまり、図7(a)の例の方が、テーパ部35の傾斜がより基端側から始まっている。したがって、太い電極棒6を把持する場合、図7(a)の例の方が、電極棒6のより基端側を把持することになる(図7(b)参照)。つまり、角度θが小さくなるほど、太い電極棒6を把持する位置がより基端側になる。一方、細い電極棒6を把持する場合は、図7(a)の例でも図4(c)の例でも、同様の位置で把持することになる(図7(c)参照)。したがって、電極棒の太さに応じた把持する位置の変化は、角度θが小さくなるほど大きくなる。つまり、角度θが小さくなるほど、電極棒6を把持する位置が一定しない。電極棒6を把持する位置が一定しないということは、電極棒6の太さによって、把持可能な長さが異なってくる。つまり、同じ長さの電極棒6であっても、細い場合は把持できるが、太い場合は長さが足りないので把持できない場合がある。したがって、電極棒6を把持する位置の変化を小さくするためには、角度θを45°以上にすればよい。また、電極棒6を把持する位置の変化がほとんどないようにするためには、角度θを60°以上にするのが望ましい。
一方、角度θを大きくしすぎると、円筒部31の内周面のテーパ部35とテーパ部35以外の部分とがなす角度が小さくなりすぎる。この場合、把持部24の先端がテーパ部35に当接した後さらに、チャック2をホルダ3の先端側に移動させても、把持部24の先端が電極棒6側に移動しにくくなる。したがって、角度θは120°以下にする必要があり、90°以下にするのが望ましい。
次に、電極取出し治具1を電極棒6の長さのチェックに用いる方法について説明する。
電極棒6は研磨によって次第に短くなり、ある一定の長さ以下になると、コレット54(図11参照)で固定できなくなるので、使用できなくなる。電極取出し治具1(チャック2)は、電極棒6が使用可能な長さであることのチェックにも用いることができる。
図8は、電極取出し治具1を電極棒6の長さのチェックに用いる方法について説明するための図である。同図(a),(b)とも、チャック2の本体部21を基端側から、トーチボディ51の開口51aに挿入した状態を示している。同図(a)は、チャック2(本体部21)の基端が電極棒6の基端に当接している状態を示している。この場合、突出部25は、トーチボディ51の開口端に当接していない。一方、同図(b)は、チャック2(本体部21)の基端が電極棒6の基端に当接していない状態を示している。この場合、突出部25は、トーチボディ51の開口端に当接している。突出部25は、チャック2(本体部21)の基端から、中心軸方向に所定の距離離れた位置に配置されている。当該所定の距離は、使用可能な最短の電極棒6をトーチボディ51に配置したときの、トーチボディ51の開口端から電極棒6の基端までの距離に応じて設定されている。本実施形態においては、所定の距離を、60mm程度としている。したがって、突出部25がトーチボディ51の開口端に当接する前に、チャック2の基端が電極棒6の基端に当接した場合(同図(a)参照)、電極棒6はまだ使用可能な長さと判断できる。一方、チャック2の基端が電極棒6の基端に当接する前に、突出部25がトーチボディ51の開口端に当接した場合(同図(b)参照)、電極棒6は使用できない長さであると判断できる。
次に、電極取出し治具1の作用効果について説明する。
本実施形態によると、円筒部31の内周面の先端側には、先端に行くほど中心軸に直交する断面が小さくなるテーパ部35が形成されている。したがって、把持部24の先端がテーパ部35に当接した後さらに、チャック2をホルダ3の先端側に移動させることで、把持部24の先端を電極棒6側に移動させ、把持部24に電極棒6を把持させることができる。そして、把持部24が電極棒6を把持した状態のまま電極取出し治具1をトーチボディ51から引き出すことで、電極棒6をトーチボディ51から取り出すことができる。これにより、電極棒6をトーチボディ51から容易に取り出すことができる。
また、電極棒6をトーチボディ51から取り出した後は、チャック2をホルダ3の基端側に移動させることで、電極棒6を電極取出し治具1から容易に取り外すことができる。つまり、電極取出し治具1は、簡単な操作によって、電極棒6の着脱を容易に行うことができる。また、電極取出し治具1は、簡単な構造のチャック2とホルダ3だけで構成されている。したがって、製造も容易であり、安価に製造することができる。
本実施形態によると、ホルダ3の中心軸に沿う断面の、テーパ部35がなす角度θを90°としている。したがって、電極棒6を把持する位置の変化を小さくすることができ、かつ、把持部24の先端がテーパ部35に当接した後の電極棒6側への移動を容易とすることができる。
本実施形態によると、突出部25の配置位置は、使用可能な最短の電極棒6をトーチボディ51に配置したときの、トーチボディ51の開口端から電極棒6の基端までの距離に応じて設定されている。したがって、電極棒6が配置されたトーチボディ51の開口51aに、チャック2の本体部21を基端側から挿入し、突出部25がトーチボディ51の開口端に当接するか否かで、電極棒6が使用可能な長さか否かをチェックすることができる。これにより、電極棒6を使用限度まで使用することができるので、コストを削減することができ、また、電極棒6の交換回数を削減することができる。また、使用できない(コレット54で固定できない)電極棒6を誤って使用してしまうことによる、トーチボディ51内での短絡やアーキングによる焼損を防止することができる。
なお、本実施形態においては、チャック2の円筒部22がスリット23を3つ備えている場合について説明したが、これに限られない。図9(a)は、チャック2の円筒部22がスリット23を4つ備えている場合の例であり、図4(a)と同様の断面図を示している。この場合、チャック2の円筒部22には、4つの把持部24が形成される。この実施例の場合、チャック2は、4つの把持部24で電極棒6を把持するので、3つの把持部24で把持する場合(図4(a)参照)と比べて、より強固に電極棒6を把持することができる。チャック2の円筒部22が備えるスリット23は、5つ以上としてもよい。
図9(b)は、チャック2の円筒部22がスリット23を2つ備えている場合の例であり、図4(a)と同様の断面図を示している。この場合、チャック2の円筒部22には、2つの把持部24が形成される。この実施例の場合、各把持部24における円筒部22の周方向の寸法を、把持部24が3つの場合(図4(a)参照)と比べて、大きくすることができる。したがって、把持部24の強度を上げることができる。
本実施形態においては、チャック2の先端側を円筒状(円筒部22)とした場合について説明したが、これに限られない。例えば、チャック2の先端側を角筒状としてもよい。図10(a)は、チャック2の先端側を、中心軸に直交する断面が正方形である角筒状とした場合の例であり、図4(a)と同様の断面図を示している。この例では、チャック2がスリット23を4つ備えており、4つの把持部24が形成されている。本実施例においても、チャック2をホルダ3の先端側に移動させることで、把持部24の先端をテーパ部35に当接させながら電極棒6側に移動させて、電極棒6を把持することができる。なお、本体部21も角柱状としてもよい。
本実施形態においては、ホルダ3を円筒状(円筒部31)とした場合について説明したが、これに限られない。例えば、ホルダ3を角筒状としてもよい。図10(b)は、ホルダ3を、中心軸に直交する断面が正方形である角筒状とした場合の例であり、図4(b)と同様の断面図を示している。本実施例においても、チャック2をホルダ3の先端側に移動させることで、把持部24の先端をテーパ部35に当接させながら電極棒6側に移動させて、電極棒6を把持することができる。なお、チャック2を図10(a)に示す実施例とし、ホルダ3を図10(b)に示す実施例としてもよい。
本実施形態においては、電極取出し治具1がプラズマ溶接トーチ5から電極棒6を取り出す場合について説明したが、これに限られない。電極取出し治具1は、TIG溶接トーチなどの他のトーチから電極棒6を取り出す場合にも、用いることができる。
本発明に係る電極取出し治具は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る電極取出し治具の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
1 :電極取出し治具
2 :チャック
21 :本体部
22 :円筒部
23 :スリット
24 :把持部
25 :突出部
3 :ホルダ
31 :円筒部
32 :フランジ部
33 :先端開口
34 :基端開口
35 :テーパ部
5 :プラズマ溶接トーチ(非消耗電極式トーチ)
51 :トーチボディ
51a :開口
52 :キャップ
53 :プラズマノズル
53a :プラズマ噴出孔
54 :コレット
55 :コレットボディ
6 :電極棒

Claims (3)

  1. 非消耗電極式トーチ内の電極棒を取り出すための治具であって、
    筒状であって、内周面の先端側に、先端に行くほど中心軸に直交する断面が小さくなるテーパ部が設けられているホルダと、
    先端側が筒状になっており、先端から基端側に向かって延びる複数のスリットが設けられているチャックと、
    を備えており、
    前記チャックの先端を、前記ホルダの基端側の開口から先端側に挿入して使用され
    前記チャックは、基端から、前記チャックが延びる方向である軸方向に所定の距離だけ離れた位置に、前記軸方向に直交する方向に突出する突出部を備えており、
    前記所定の距離は、使用可能な最短の電極棒を前記非消耗電極式トーチの開口から挿入して配置したときの、前記非消耗電極式トーチの開口端から前記最短の電極棒の基端までの距離に応じて設定されている、
    ことを特徴とする電極取出し治具。
  2. 前記チャックは、前記電極棒が内側に挿入されてから、前記チャックの先端がテーパ部に当接した状態で、前記ホルダに対して先端側に相対移動することで、前記電極棒を把持する、
    請求項1に記載の電極取出し治具。
  3. 前記ホルダは、基端側に配置されたフランジを備えている、
    請求項1または2に記載の電極取出し治具。
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