JP6700998B2 - 復帰安全確認時間制御装置及び復帰安全確認時間制御方法 - Google Patents
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Description
復帰安全確認では、遮断時のガス流量をもとにして最小流量以上の流量が観測されるか否かを確認する必要があるため、流量が小さいときにガスが遮断された場合には、復帰安全確認に時間が掛かる。例えば、特許文献1には、流量区分を設けて、流量区分ごとに復帰安全確認時間を設定するガス遮断装置が記載されている。最小流量区分の復帰安全確認時間は、他の流量区分の復帰安全確認時間よりも長い。
図1は、この発明の実施の形態1に係る復帰安全確認時間制御装置の構成を示すブロック図である。復帰安全確認時間制御装置は、不図示のガスメータに組み込まれ、当該ガスメータと一体的に構成されている。
遮断判定部1は、ガスを遮断するか否かを判定する。例えば、ガスが継続して使用されている時間を測定し、その時間が設定時間以上となった場合、ガスを遮断すると判定する。また、例えば、ガス流量が異常なほど大きい場合、ガスを遮断すると判定する。遮断判定部1は、ガスを遮断すると判定すると、遮断実行指示を遮断弁2と完了時間算出部4とに出力する。
流量センサ3は、ガス流量を計測するものであり、遮断判定部1、完了時間算出部4、復帰安全確認部6等に計測したガス流量を出力する。
遮断判定部1がガスを遮断すると判定して、遮断実行指示を遮断弁2と完了時間算出部4とに出力すると、遮断弁2が閉じてガスが遮断される。また、完了時間算出部4は、遮断実行指示を受けると、流量センサ3が出力するガス流量を用いて、完了時間を算出する(ステップST1)。完了時間の算出には、遮断実行指示を受けたときに流量センサ3から出力されたガス流量を用いることができる。または、完了時間算出部4が、流量センサ3が出力するガス流量の履歴を不図示のメモリに記憶しておき、遮断実行指示を受けたときに当該履歴を読み出して、最も新しいガス流量を完了時間の算出に用いてもよい。このようにして、完了時間算出部4は、遮断弁2が閉じる際のガス流量を用いて、完了時間を算出する。
完了時間は、図3に示すようなマイナスの傾きを持つ一次関数を用いて算出される。
復帰安全確認開始判定部5が、復帰安全確認を開始しないと判定した場合(ステップST2:NO)、ステップST2の処理を繰り返す。
つまり、復帰安全確認部6はガスの漏えいを監視し始め、経過時間測定部7は時間を測定し始め、比較指示部8は、設定された周期で比較指示を出力し始める。ここでは、比較指示部8が比較指示を出力する周期が12秒である場合を例に説明する。
比較指示が出力されていない場合(ステップST4;NO)、ステップST4の処理を繰り返す。
一方、経過時間が完了時間以上である場合(ステップST5;YES)、比較部9は、復帰安全確認の完了を決定して、完了指示を復帰安全確認部6に出力する(ステップST6)。
なお、復帰安全確認部6は、ステップST3で処理を開始してからガスの漏えいを検知した場合、遮断弁2に閉弁するよう指示を出力し、復帰安全確認を中断して再度ガスを遮断させる。
Tj=a×Q+b ・・・(1)
図4に示す完了時間Tjは、aを−1.33、bを57としたときの値であり、便宜上小数点以下を切り捨てて記載している。完了時間Tjを算出する際に用いる一次関数の係数a,bの値次第で、完了時間Tjは図4に示すものと異なる値をとることになり、図4には完了時間Tjの一例を示している。
そして、図4のように完了時間Tjが算出される場合、ガス流量Qが0以上6以下では、完了時間Tjは48秒より大きく60秒以下の値をとるので、復帰安全確認時間Tkは60秒となる。つまり、比較指示部8が5回目の比較指示を出力した際に、完了時間Tjと経過時間測定部7により測定された経過時間とを比較部9が比較して、復帰安全確認の完了が決定される。
同様に、ガス流量Qが16以上24以下では完了時間Tjは24秒より大きく36秒以下の値をとるので、復帰安全確認時間Tkは36秒となる。つまり、比較指示部8が3回目の比較指示を出力した際に、完了時間Tjと経過時間測定部7により測定された経過時間とを比較部9が比較して、復帰安全確認の完了が決定される。
同様に、ガス流量Qが34以上では完了時間Tjは12秒以下の値をとるので、復帰安全確認時間Tkは12秒となる。つまり、比較指示部8が最初の比較指示を出力した際に、完了時間Tjと経過時間測定部7により測定された経過時間とを比較部9が比較して、復帰安全確認の完了が決定される。
比較指示部8が比較指示を出力する周期を12秒としているので、復帰安全確認時間Tkは最短で12秒つまり当該周期と同じ値となる。
それに対し、実施の形態1の復帰安全確認時間制御装置は、不揮発性メモリに予め記憶された復帰安全確認時間を当該不揮発性メモリから読み出す処理は必要としないことに加え、比較部9による比較処理が周期的例えば12秒周期で行われるようにして処理負荷を軽減することで、省電力化が可能となる。
図6は、完了時間の算出にシグモイド関数を用いた場合の、遮断弁2が閉じる際のガス流量Qと完了時間Tjと復帰安全確認時間Tkとの関係を示す表である。完了時間Tjの算出に用いるシグモイド関数の一例を、以下の式(2)に示す。ABS(Q−d)は、(Q−d)の絶対値をとることを意味している。
Tj=c×(Q−d)÷(e+ABS(Q−d))+f ・・・(2)
図6に示す完了時間Tjは、cを−30、dを21.3、eを0.3、fを20としたときの値であり、便宜上小数点以下を切り捨てて記載している。完了時間Tjを算出する際に用いるシグモイド関数の係数c,d,e,fの値次第で、完了時間Tjは図6に示すものと異なる値をとることになり、図6には完了時間Tjの一例を示している。
そして、図6のように完了時間Tjが算出される場合、ガス流量Qが0以上17以下では、完了時間Tjは48秒より大きく60秒以下の値をとるので、復帰安全確認時間Tkは60秒となる。つまり、比較指示部8が5回目の比較指示を出力した際に、完了時間Tjと経過時間測定部7により測定された経過時間とを比較部9が比較して、復帰安全確認の完了が決定される。
同様に、ガス流量Qが21では完了時間Tjが35秒で、これは24秒より大きく36秒以下の値であるので、復帰安全確認時間Tkは36秒となる。つまり、比較指示部8が3回目の比較指示を出力した際に、完了時間Tjと経過時間測定部7により測定された経過時間とを比較部9が比較して、復帰安全確認の完了が決定される。
同様に、ガス流量Qが22以上では完了時間Tjは12秒以下の値をとるので、復帰安全確認時間Tkは比較指示の周期と同じ12秒となる。つまり、比較指示部8が最初の比較指示を出力した際に、完了時間Tjと経過時間測定部7により測定された経過時間とを比較部9が比較して、復帰安全確認の完了が決定される。
2 遮断弁
3 流量センサ
4 完了時間算出部
5 復帰安全確認開始判定部
6 復帰安全確認部
7 経過時間測定部
8 比較指示部
9 比較部
Claims (5)
- ガスを遮断する遮断弁が閉じる際のガス流量を用いて、ガス流量ごとの完了時間を算出する完了時間算出部と、
復帰安全確認が開始されてからの経過時間を測定する経過時間測定部と、
復帰安全確認が開始されてから、設定された周期で比較指示を出力する比較指示部と、
前記比較指示部により比較指示が出力されると、前記完了時間算出部が算出した完了時間と前記経過時間測定部が測定した経過時間とを比較し、当該経過時間が当該完了時間以上の場合に復帰安全確認の完了を決定する比較部とを備え、
前記完了時間算出部は、前記遮断弁が閉じる際のガス流量が第2設定値未満のときに、復帰安全確認が開始されてから前記比較部によりその完了が決定されるまでの復帰安全確認時間が最長となる完了時間が算出される一次関数を用いて、完了時間を算出することを特徴とする復帰安全確認時間制御装置。 - ガスを遮断する遮断弁が閉じる際のガス流量を用いて、ガス流量ごとの完了時間を算出する完了時間算出部と、
復帰安全確認が開始されてからの経過時間を測定する経過時間測定部と、
復帰安全確認が開始されてから、設定された周期で比較指示を出力する比較指示部と、
前記比較指示部により比較指示が出力されると、前記完了時間算出部が算出した完了時間と前記経過時間測定部が測定した経過時間とを比較し、当該経過時間が当該完了時間以上の場合に復帰安全確認の完了を決定する比較部とを備え、
前記完了時間算出部は、前記遮断弁が閉じる際のガス流量が第3設定値未満のときに、復帰安全確認が開始されてから前記比較部によりその完了が決定されるまでの復帰安全確認時間が最長となる完了時間が算出されるシグモイド関数を用いて、完了時間を算出することを特徴とする復帰安全確認時間制御装置。 - 前記比較指示部により比較指示が出力される周期は、復帰安全確認が開始されてから前記比較部によりその完了が決定されるまでの復帰安全確認時間を、前記遮断弁が閉じる際のガス流量が第1設定値以上のときに最短とする値に設定されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の復帰安全確認時間制御装置。
- 完了時間算出部が、ガスを遮断する遮断弁が閉じる際のガス流量を用いて、ガス流量ごとの完了時間を算出する完了時間算出ステップと、
経過時間測定部が、復帰安全確認が開始されてからの経過時間を測定する経過時間測定ステップと、
比較指示部が、復帰安全確認が開始されてから、設定された周期で比較指示を出力する比較指示ステップと、
比較部が、前記比較指示ステップにより比較指示が出力されると、前記完了時間算出ステップで算出された完了時間と前記経過時間測定ステップで測定された経過時間とを比較し、当該経過時間が当該完了時間以上の場合に復帰安全確認の完了を決定する比較ステップとを備え、
前記完了時間算出部は、前記遮断弁が閉じる際のガス流量が第2設定値未満のときに、復帰安全確認が開始されてから前記比較部によりその完了が決定されるまでの復帰安全確認時間が最長となる完了時間が算出される一次関数を用いて、完了時間を算出することを特徴とする復帰安全確認時間制御方法。 - 完了時間算出部が、ガスを遮断する遮断弁が閉じる際のガス流量を用いて、ガス流量ごとの完了時間を算出する完了時間算出ステップと、
経過時間測定部が、復帰安全確認が開始されてからの経過時間を測定する経過時間測定ステップと、
比較指示部が、復帰安全確認が開始されてから、設定された周期で比較指示を出力する比較指示ステップと、
比較部が、前記比較指示ステップにより比較指示が出力されると、前記完了時間算出ステップで算出された完了時間と前記経過時間測定ステップで測定された経過時間とを比較し、当該経過時間が当該完了時間以上の場合に復帰安全確認の完了を決定する比較ステップとを備え、
前記完了時間算出部は、前記遮断弁が閉じる際のガス流量が第3設定値未満のときに、復帰安全確認が開始されてから前記比較部によりその完了が決定されるまでの復帰安全確認時間が最長となる完了時間が算出されるシグモイド関数を用いて、完了時間を算出することを特徴とする復帰安全確認時間制御方法。
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