JP6700642B2 - 画像振動抑制装置および画像振動抑制方法 - Google Patents

画像振動抑制装置および画像振動抑制方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6700642B2
JP6700642B2 JP2016030855A JP2016030855A JP6700642B2 JP 6700642 B2 JP6700642 B2 JP 6700642B2 JP 2016030855 A JP2016030855 A JP 2016030855A JP 2016030855 A JP2016030855 A JP 2016030855A JP 6700642 B2 JP6700642 B2 JP 6700642B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vibration
sample
image
drift
frequency
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016030855A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017152087A (ja
Inventor
山田 恵三
恵三 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Holon Co Ltd
Original Assignee
Holon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Holon Co Ltd filed Critical Holon Co Ltd
Priority to JP2016030855A priority Critical patent/JP6700642B2/ja
Publication of JP2017152087A publication Critical patent/JP2017152087A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6700642B2 publication Critical patent/JP6700642B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、画像振動抑制装置および画像振動抑制方法に関するものである。
電子顕微鏡の画像には装置周辺部に置かれたポンプやモーターなどが発生する装置設置環境に依存する外部から入り込む振動(外部振動)、あるいは電子顕微鏡装置に内蔵されたターボポンプなどが発生する装置自身が発生する振動(自家振動)の両方により、取得された画像に振動が生じる。
最先端の電子顕微鏡においては、サブナノメートルの画像分解能が必要とされる。サブナノメートルよりも大きな画像振動は画像ぼけ、先鋭度低下、SNR低下などの画像品質劣化引き起こし、本来装置に必要とされる顧客要求仕様を満たすことが困難となる。
従来、画像振動の抑制には、高性能除振台を設置してこれに電子顕微鏡を搭載して外部振動を低減したり、電子顕微鏡に装着したレーザー干渉位置測定装置の出力信号を電子ビーム偏向装置にフィードバックして振動を低減したりしていた。
しかしながら、前者の高性能除振台を設置しても除振には限外あり十分に除振し得ないという課題があった。
また、後者のレーザー干渉位置測定装置を用いたレーザーフィードバック方法において、画像に複数の振動周波数成分が存在する場合、正確に複数の振動を除去出来ないという課題があった。
特に、後者において、複数の振動成分が同時に存在する場合に、画像振動を正確に除去できない理由としては、図15に示したように、レーザー干渉位置測定装置に使用するバーミラー13と画像取得対象のフォトマスク12との間にばね要素があるため、伝達強度や位相の周波数依存性が存在するためであることが本発明者の実験から判明した。
その結果、バーミラー基準で位置を測定しているレーザー干渉位置測定装置の出力信号をそのまま電子ビーム偏向装置にフィードバックして画像の振動を抑制制御すると、周波数毎にフォトマスク12とバーミラー13との位置関係が変化するため、フィードバック信号には誤差が含まれてしまう結果となり、制御自身は正しく行われているにも関わらず、完全に画像振動を除去することが出来ないという課題があった。
以下、図15を用いて従来技術の課題を詳述する。
図15は、従来技術の説明図を示す。
図15の(a)はレーザー干渉位置測定装置の概略配置図を示す。
図15の(a)において、フォトマスク12は、走査型電子顕微鏡で画像を取得する対象の試料である。
バーミラー13は、フォトマスク12のX方向およびY方向の位置をレーザー干渉位置測定装置で精密かつリアルタイム測定するためのミラーである。
支持系14は、フォトマスク12を保持する機構である。
図15の(b)は、図15の(a)のレーザー干渉位置測定装置によって測定される測定値と、走査型電子顕微鏡で取得される画像との間の変位量(Δx,Δy)の関係を説明するものである。
ここで、「DCからドリフト」,「高い周波数」とに分けた場合、
・「DCからドリフト」の場合には、Δx,Δy=δx,δy
・「高い周波数」の場合には、Δx,Δy≠δx,δy
(バーミラー13とフォトマスク12間にばね要素があり、周波数依存性があり、両者は一致しない)
となった。これは、画像のドリフトは、「DCからドリフト」に相当、即ち一定方向の移動(ドリフト)および低い周波数の振動の一方あるいは両者を合わせたものに相当し、図16の(a)の装置で十分に補正できた。
一方、「高い周波数」の場合には、バーミラー13とフォトマスク12との間にばね要素があり、周波数依存性があり、両者が一致しない、つまり、周波数によって振幅と位相とがそれぞれ異なり、従来の一様な振幅、位相をもとにした負帰還制御では十分に画像振動を低減できないということが判明した。
本発明は、前記判明した実験結果をもとに、電子顕微鏡の画像に現れるDC(ドリフト)を含めた複数の周波数成分から構成される画像の振動を精密に抑制できる装置およびその仕組みを開示したものである。
そのため、本発明は、電子を細く絞って試料に照射しつつ平面走査して試料から放出あるいは反射された電子を検出・増幅して生成する画像の振動を抑制する画像振動抑制装置において、電子を細く絞って試料に照射する位置を偏向する偏向装置と、試料を固定した移動部と移動部をX方向およびY方向に移動可能なステージと、試料のX方向およびY方向のドリフトおよび振動を検出するために移動部あるいはステージに固定したミラーと、ミラーにレーザーを照射してその入射波および反射波をもとに試料のX方向およびY方向のドリフトおよび振動を検出するレーザー干渉位置測定装置と、レーザー干渉位置測定装置で測定した試料のX方向およびY方向のドリフトおよび振動のうち、X方向およびY方向のドリフトに関して当該ドリフトに従い偏向装置にフィードバック制御して試料を照射する位置のドリフトを無くしあるいは低減すると共に、X方向およびY方向の高い周波数に関して共振周波数あるいは振幅の大きい周波数あるいは両者について1つあるいは複数の周波数を抽出し、抽出した1つあるいは複数の周波数の振幅および位相に従い偏向装置にフィードバック制御して試料を照射する位置の抽出した1つあるいは複数の周波数の振幅および位相の差をそれぞれ個別かつ独立に制御して無くしあるいは低減する制御手段と
を備えるように構成する。
この際、X方向およびY方向の振動の共振周波数あるいは振幅の大きい周波数は、試料を固定したステージあるいはステージを固定した装置あるいは装置を設置した接地面を強制的に加振し、そのときの試料の振動をレーザー干渉位置測定装置で測定して制御手段で制御するパラメータを、共振周波数あるいは振幅の大きい周波数あるいは両者について1つあるいは複数の周波数についてそれぞれ取得し、これを予めそれぞれ設定するようにしている。
また、画像の共振周波数および位相は、取得した画像に対して2次元周波数分析を行って共振周波数毎に振幅および位相をそれぞれ算出するようにしている。
また、試料のドリフトは、レーザー干渉位置測定装置の出力信号をローパスフィルタを通過させて当該DCあるいはDC成分と低周波成分のドリフト量を算出するようにしている。
また、試料の振動は、レーザー干渉位置測定装置の出力信号をバンドパスフィルタを通過させて試料の振動成分の周波数および位相をそれぞれ算出するようにしている。
また、制御手段は、試料のドリフトおよび試料の振動から算出したドリフト量と、1あるいは複数の周波数と位相の組をもとに、偏向装置をフィードバック制御するようにしている。
また、制御手段は、ステージをX方向あるいはY方向のいずれか1方向に連続移動させ、移動方向の直角方向についてそのドリフト量と、1あるいは複数の周波数と位相の組をもとに、偏向装置にフィードバック制御するようにしている。
本発明は、レーザー干渉位置測定装置などの精密位置測定装置で測定した試料のX方向およびY方向のドリフトおよび振動量を実際の振動抑制対象点におけるドリフトおよび振動振幅に変換する効果を持つため、非常に正確に振動抑制対象点における画像振動を静止させることができるようになる。
これらにより、従来は不可能であったドリフトや共振周波数あるいは振幅の大きい振動を個別かつ独立に補正して試料の振動を抑制して高分解能画像を取得することが可能となる。
図1は、本発明の1実施例構成図を示す。
図1の(a)は側面図を示し、図1の(b)は上面図を示す。
図1の(a)において、電子銃1は、所定加速電圧で加速した電子ビーム2を発生するものである。
電子ビーム2は、電子銃1で発生された所定加速電圧の電子ビームである。
電子ビームコラム3は、電子銃1、電子ビーム偏向装置4、電子検出装置5、対物レンズ8などから構成されるものである。
電子ビーム偏向装置4は、細く絞られた電子ビーム2を試料(フォトマスク)12上で平面走査(X方向およびY方向の走査)するものであって、ここでは、試料12の振動(ドリフト、高い周波数)を検出して補正するためのものである。尚、補正は、電子ビーム偏向装置4で行ってもよいし、あるいは対物レンズ8の内部(あるいは近傍)に設けた図示外の空芯の偏向コイルあるいは偏向静電電極を用いてシフト補正してもよい。
電子検出装置5は、電子ビーム2を細く絞って試料12に照射してそのときに放出された2次電子、反射電子を検出するものである。
真空チャンバー6は、移動部10、XYステージ11、試料12などを真空中に設置するための真空排気可能な容器である。
天板7は、真空チャンバー6の上側の頑丈な板であって、電子ビームコラム3を固定するためのものである。
対物レンズ8は、電子ビーム2を細く絞って試料(フォトマスク)12の表面に照射するためのものである。
参照ミラー9は、対物レンズ8に固定したミラー(X軸参照ミラー、Y軸参照ミラー)であって、当該対物レンズ8のドリフト、高い周波数を精密にリアルタイムに測定するためのものである。尚、参照ミラー9は、コーナーキューブ等を用いてもよい(後述する)。
移動部10は、試料12を装着してXYステージ11上に固定するためのものであって、ここでは、レーザー干渉位置測定装置23で当該試料12のX方向およびY方向の位置をリアルタイムに精密に測定したり、更に、本発明に係る試料12のドリフト、および高い周波数を精密に測定したりなどするためのバーミラーなどを固定したものである。
XYステージ11は、試料12をX方向およびY方向の任意場所に移動させるためのものである。
試料(フォトマスク)12は、振動の抑制対象となる試料(フォトマスク、ウェハなど)である。
電子ビームコラム制御装置31は、電子ビームコラム3に搭載された各種装置等を制御するものであって、ここでは、電子銃1を制御して所定加速電圧の電子ビーム1を発生させたり、電子ビーム偏向装置4に所定電圧(あるいは電流)を供給して細く絞った電子ビーム2を試料12の表面に照射しつつ平面走査したりなどするものである。
フィードバック制御装置32は、本発明に係る試料12のドリフト、振動を抑制するものであって、試料12のドリフトおよび1つあるいは複数の共振周波数あるいは振幅の大きい周波数についてレーザー干渉位置測定装置23で測定したパラメータをもとに電子ビーム偏向装置4(あるいは図示外の偏向コイル、偏向静電電極)に当該試料12のドリフト、および1つあるいは複数の周波数による振動を抑制する制御信号を供給して当該試料12のドリフト、振動を抑制したりなどするものである(後述する)。
画像形成装置33は、電子検出装置5によって検出・増幅した試料12から放出された2次電子、反射電子、吸収電流をもとに画像(2次電子画像、反射電子画像、吸収電流画像など)を形成するものである。
ステージ制御装置34は、XYステージ11をX方向およびY方向に、レーザー干渉位置測定装置23からの信号をもとに精密に所定位置に移動制御するものである。
PC35は、パソコンであって、ソフトウェアにより全体を統括制御するものである。
DISPLAY36は、画像や各種操作画面などを表示するものである。
図1の(b)において、バーミラー13は、XYステージ11に上に搭載した移動部10(あるいはフォトマスク12)の側面に取り付けたバー状のミラー(レーザーを反射する平面性の優れたミラー)である。ここでは、X軸およびY軸の方向の距離を測定するためのバーミラー13がそれぞれ図示の位置に取り付けられている。
支持系14は、バーミラー13を固定した部分がフォトマスク12を支持する模式的に表した系(機構)であって、フォトマスク12のドリフト、および1つあるいは複数の固有振動周波数を有する支持系である(図2、図3など参照)。
レーザー21は、所定波長のレーザーを照射するものである。
干渉装置22は、レーザーをバーミラー13に照射したときの入射波と反射波とを干渉させる装置である。
レーザー干渉位置測定装置23は、レーザー21から所定波長のレーザーをバーミラー13に照射してそのときの入射波と反射波とを干渉装置22で干渉させてそのときの干渉波をもとにバーミラー13の位置を精密にリアルタイムに測定するものである。
次に、図1のレーザー干渉位置測定装置23によるフォトマスク12の振動測定について説明する。
図1のレーザー干渉位置測定装置23は、波長633nmのHeNeレーザーが干渉することによって生じる干渉縞の個数およびコントラスト変化を測定することで、バーミラー13と干渉装置22との間の相対位置を精密測定する装置である。測定精度は0.3nmよりも十分に良く、測定時間も10KHzよりも十分に早い。電子ビーム2を細く絞ってフォトマスク12に照射して放出された2次電子を検出・増幅して得た画像に現れる機械振動は、精々数KHz以下なのでこの性能の装置を用いれば、所望とするサブナノメートルのフォトマスク12の振動抑制を行うために必要なステージ振動をリアルタイムに検出することが出来る。X軸、Y軸方向の振動抑制するためには、少なくともX軸、Y軸用のレーザー干渉位置測定装置13の2組を配置する。
ここで、画像のX軸、Y軸方向の振動だけでなく、画像の回転方向の振動(回転振動)を抑制するためには回転量を知ることが必要であり、そのために、X軸あるいはY軸方向に2つのレーザーパスをそれぞれ設け、その差分からステージの回転振動を検出できるようにする。尚、振動量が極めて小さいときは、回転はX,Y軸並進移動と同等に扱えるため、殆どの場合は、XY2軸で十分に振動抑制が出来る。
同様に、上下方向の振動などその他の振動に対する成分を検出するためには振動の運動方向に応じてさらに多くのレーザーパスや位置測定装置を設け、振動を検出できる構成とする。
レーザー干渉位置測定装置23は差動方式を採用することがサブナノメートルの振動抑制には重要である。画像振動は測定対象物であるフォトマスク12の振動と電子ビーム2のフォトマスク12への着地点の振動との差振動である。電子ビーム2を発生する電子ビームコラム3自身も僅かに振動しているため、差動方式を用いてフォトマスク12を支えるXYステージ11以外の振動成分を除去し画像振動を引き起こしている振動成分のみを正確に抽出することが必要である。
電子ビーム2のフォトマスク12への着地点に対するXYステージ11の振動が正確に計測できるように、コーナーキューブ等の参照ミラー9を電子ビームコラム3あるいは電子ビーム2が放出される対物レンズ8の先端近傍に配置して差動位置測定構成とすることが望ましい。
図2は、本発明の説明図(その1)を示す。図2は、図1のフォトマスク12のドリフト、および高い周波数の例を模式的に表したものであって、横軸は周波数を表し、縦軸はその振幅(周波数0のときは単位時間当たりの変位(ドリフト量))を表す。
図2中において、ドリフトは、フォトマスク12が一定方向に移動あるいは低周波で移動(変動)する部分であって、例えば熱変位や粘りなどでゆっくりと一定方向にフォトマスク12が移動する振動(振動成分)である。
共振周波数1、共振周波数2は、高い周波数の部分であって、図1の(b)のフォトマスク12の共振周波数の例であり、具体的には主にXYステージ11を含む系の共振周波数である。共振周波数1、共振周波数2は、本発明ではその振幅および位相を組みしてそのパラメータをそれぞれ算出し、独立にフィードバック制御できるようにする。
以上の系において、ドリフト、共振周波数1、共振周波数2などを図1のレーザー干渉位置測定装置23で測定してフィードバック制御装置32で電子ビーム偏向装置4にドリフト、共振周波数1(振幅1、位相1)、共振周波数2(振幅2、位相2)をもとに負帰還制御することにより、ドリフト、共振周波数1、共振周波数2毎に独立に負帰還制御し、画像振動をドリフト、共振周波数1、共振周波数2毎に独立に画像振動を無くし、ないし低減することが可能となる。説明の都合上、高い周波数について共振周波数1、共振周波数2を例に説明したが、これに限られず、高い周波数のうち、振幅の大きい周波数1、周波数2などの振幅と位相の組を求め、これらで独立に負帰還制御し、画像振動のドリフト、周波数1、周波数2を無くし、ないし低減するようにしてもよい。以下順次詳細に説明する。
図3は、本発明の説明図(その2)を示す。図3は、図2の詳細説明図を示す。
図3の(a)はフォトマスク2、バーミラー13の関係を模式的に示し、図3の(b)は「DCからドリフト」、「共振周波数1」、「共振周波数2」に分けて振動抑制した例を示す。
図3の(a)において、フォトマスク12は、振動を抑制する対象であって、ここでは、図示のように、移動量(ΔX、ΔY)で振動しているとする(具体的には、細く絞った電子ビーム2をフォトマスク12に照射してそのときに放出された2次電子の画像を取得し、当該画像の振動(ΔX、ΔY)を測定する)。
バーミラー13は、振動を測定する対象であって、ここでは、図示のように、図1のレーザー干渉位置測定装置23で振動を測定する対象であり、移動量(δX、δY)とリアルタイムに測定できたとする。
図3の(b−1)は、「DCからドリフト」の場合には、フォトマスク12における移動量(ΔX、ΔY)であり、レーザー干渉位置測定装置23で検出した移動量(∂X、δY)であるから、
・(ΔX、ΔY)=(K1δX、K2δY)
となる。
同様に、図3の(b−2)は、「共振周波数1」の場合には、フォトマスク12における移動量(ΔX、ΔY)であり、レーザー干渉位置測定装置23で検出した移動量(∂X、δY)であるから、
・(ΔX、ΔY)=(K3δX、K4δY)
となる。
同様に、図3の(b−3)は、「共振周波数2」の場合には、フォトマスク12における移動量(ΔX、ΔY)であり、レーザー干渉位置測定装置23で検出した移動量(∂X、δY)であるから、
・(ΔX、ΔY)=(K5δX、K6δY)
となる。
以上により、「DCからドリフト」、「共振周波数1」、「共振周波数2」について独立にそれぞれフォトマスク2の振動の移動量と、レーザー干渉位置測定装置23によって測定された移動量との間のパラメータを算出できたから、これらパラメータをもとにフォトマスク2の振動の移動量(「DCからドリフト」、「共振周波数1」、「共振周波数2)の各移動量)をもとに、電子偏向装置4に負帰還制御することにより、「DCからドリフト」、「共振周波数1」、「共振周波数2」毎に画像振動を無くし、ないし低減することが可能となった(図4参照)。
図4は、本発明の説明図(その4)を示す。図4は、図3で求めたパラメータ(K1からK6)をもとに、フィードバック制御装置32が電子偏向装置4に負帰還制御(フィードバック)する場合の手順を説明するものである。
図4において、「レーザー干渉計出力X軸」は、例えば図3の(b−1)の「DCからドリフト」の場合において、「DCからドリフト」(DC成分から低周波数成分の間)の移動量(δX、δY))のうち、X軸用のレーザー干渉位置測定装置23の出力X軸から移動量δXを取り出し、図1の「伝達関数フィードバック制御装置32のX軸」に入力する。
「伝達関数フィードバック装置X軸」は、上記入力された「δX」をもとに、既述した図3の(b−1)の右側の式中の「K1δX」に代入して移動量を算出し、当該移動量に対応する信号(電圧あるいは電流)を「X軸電子ビーム偏向装置4」に入力する。
「X軸電子ビーム偏向装置4」は、電子ビーム2を偏向し、「DCからドリフト」の画像振動を無くし、ないし低減する。
同様に、「DCからドリフト」のY軸についても実施する。
同様に、「共振周波数1」、「共振周波数2」のX、Yについても既述した図3の(b−2),(b−3)の式に従い、電子ビーム2を偏向し、「共振周波数1」、「共振周波数2)の画像振動を無くし、ないし低減する。
以上によって、レーザー干渉位置測定装置で測定したフォトマスク12のバーミラー13の振動をもとに(あるいは後述する画像から求めた振動をもとに)、図3の(b−1)から(b−3)で求めたパラメータ(振幅と位相の組)にそれぞれ従い、電子ビーム2をそれぞれ偏向して画像振動を「DCからドリフト」、「共振周波数1」、「共振周波数2」について独立して無くし、ないし低減することが可能となる。
図5は、本発明の説明図(その4)を示す。図5は、電子ビーム装置41を強制加振し、既述した図3の(b−1)、(b−2),(b−3)のパラメータ(K1からK6)を算出し、フィードバック制御装置32に設定し、負帰還制御して画像振動を無くし、ないし低減する様子を示す。
図5において、電子ビーム装置41は、画像振動の抑制の対象となる例えば走査型電子顕微鏡である。
加振装置42は、強制的に加振信号43を電子ビーム装置41に供給するものである。
加振信号43は、加振装置42で加振されて電子ビーム装置41を振動を与える信号である。
画像解析装置44は、電子ビーム装置41である例えば走査型電子顕微鏡で細く絞った電子ビームをフォトマスクなどに照射してそのときに放出された2次電子を検出・増幅して生成した画像(2次電子画像)を画像解析(例えば2次元周波数分析)し、既述した「DCからドリフト」、「共振周波数1」、「共振周波数2」における振動の振幅と位相の組(パラメータ)を算出するものである(例えば既述した図3の(b)のK1からK6)。
ディスプレイ45は、画像解析装置44の結果(「DCからドリフト」、「共振周波数1」、「共振周波数2」における振動の振幅と位相の組(パラメータ))などを表示するものである。
キーボード46は、ディスプレイ45上に表示されたパラメータを、パラメータ入力装置47を介して入力するものである。
フィードバック制御装置32は、図1で既述したフィードバック制御装置であって、パラメータの設定された式(例えば既述した図3の(b−1)、(b−2),(b−3)のパラメータの設定された式)に従い、電子ビーム2を偏向し、画像振動を「DCからドリフト」、「共振周波数1」、「共振周波数2」などについて個別、独立に画像の振動を無くし、ないし低減するように補正するものである。
ここで、図5において、画像振動の主成分はステージ共振であり、おおよそ50Hzから200Hzの範囲にある。エネルギー一定の元では機械系の振幅は周波数の自乗分の1で急速に小さくなるため、周波数が1ケタ上がると、振幅は2ケタ小さくなるため、振幅の大きい順に上位2つ程度の共振周波数を制御することで実用上十分画像の振動抑制が実現できる。
設置環境振動による自然振動は振動振幅が小さいので、パラメータの精密抽出や調整には不都合である。装置の共振周波数をより正確に知るためには、図5に示したような加振機を利用して0Hzから1KHz程度までの振動成分を含む十分な振幅のサイン波やスイープ波あるいは疑似ホワイトノイズを加振して、画像に含まれている共振周波数を特定することが望ましい。
図6および図7をもとに、共振周波数を特定する方法について説明する。
図6は、本発明の説明図(その5)を示す。図6は、画像を2次元周波数分析して共振周波数F1,共振周波数F2などの振幅と位相の組を算出する様子を模式的に示したものである。
図6の(a)は2次元フーリエ変換式の公知の例を示し、図6の(b)は取得画像から共振周波数F1、F2の大きさ(振幅)と位相の組を求める様子を模式的に示す。
図6の(b−1)は、取得画像を示す。取得画像は、疑似ノイズ振動加振した状態で取得したものであって、例えば既述した図5で加振装置42で加振信号43を電子ビーム装置41に印加した状態で、画像を取得する(細く絞った電子ビーム2をフォトマスク12に照射しつつ平面走査し、そのときに放出された2次電子を検出・増幅して画像を生成する)。
図6の(b−2)は、FFT(2次元周波数分析)を行う。これは、図6の(b−1)で取得した画像について、既述した図6の(a)の2次元フーリエ変換を行う。
図6の(b−3)は、成分分離(X軸)を行う様子を示す。これにより、画像振動のうちのX軸について、例えば図示の
・共振周波数F1(Hz),大きさA1,位相P1
・共振周波数F2(Hz),大きさA2,位相P2
が算出される。
図6の(b−4)は、成分分離(Y軸)を行う様子を示す。これにより、画像振動のうちのY軸について、例えば図示の
・共振周波数F1(Hz),大きさA3,位相P3
・共振周波数F2(Hz),大きさA4,位相P4
が算出される。
図6の(b−5)は、ピクセルクロックから実時間周波数に戻す。
以上によって、取得画像から2次元周波数分析を行い、共振周波数1、共振周波数2の振幅と位相の組をそれぞれ算出することが可能となる。
図7は、本発明の説明図(その6)を示す。図7は、2次元FFT画像の例を示す。これは、既述した図6の(b−2)の2次元FFTを行った後の画像の例を示す。横方向がX軸を表し、縦方向が軸を表す。
・X軸 空間周波数1、およびX軸 空間周波数2は、縦方向のラインとして図示のように現れる。
同様に、
・Y軸 空間周波数1、およびY軸 空間周波数2は、横方向のラインとして図示のように現れる。
以上のように、図6の(a)で取得した画像を2次元FFT解析すると、図7に示すような縦線あるいは横線を含む図形が得られる。例えばX軸に垂直に立つ線は画像にX軸方向に空間周波数F1、F2を持つ成分が含まれていることを示している。同様にY軸方向の線は図形に空間周波数F1、F2が含まれていることを示している。
これらは、静止図形に含まれる空間周波数の値なので、その値にピクセルクロックを掛けることにより、実時間における振動数に変換する(サイクル/ピクセルからサイクル/秒)。これにより、実時間で計測されているレーザー干渉位置装置23の出力結果と比較できるようになる。大きな振幅を持つものを制御対象として選定する。装置の機械的共振周波数は装置の材料や寸法で決定され、パラメータは装置固有値である。大きな経年変化やハードウエアー交換をしない限りほぼ一定であり、一度装置の共振周波数を測定すれば、長期間にわたって同じ測定値を使用できる。
図8は、本発明の説明図(その7)を示す。
図8の(a)は、XおよびY軸のレーザー干渉位置測定装置23の実測の出力信号の例を示す。レーザー干渉位置測定装置23の出力信号は干渉計を構成するレーザーパスの距離の時間変化を表現したもので、実時間信号である。
図8の(b)は、実時間フィルターとして共振周波数以下のローパスフィルターの例を示す。ここでは、0から10Hzのローパスフィルターを用いた。
図8の(c)は、図8の(b)のローパスフィルターを通過後の信号の例を示す。図8の(c)の信号には、図示のように、レーザー干渉位置測定装置23の出力波形にドリフト成分と複数の振動成分を含んでいる。この波形は、制御対象の共振周波数より十分に低い周波数にカットオフ周波数を持つ(例えば0から10Hz)実時間ローパスフィルターを用いてレーザー干渉位置測定装置23の出力波形に対して信号処理を行うと、振動成分が除去されて図8の(c)に示したようなステージのドリフト成分がリアルタイムで抽出できる。この信号がドリフト補正信号の元に成る。低い周波数成分に関しては、振幅や位相のずれがほとんどないため、ほぼ上記方法で分離した信号を電子ビーム偏向制御装置4に入力することで、ドリフト(「DCからドリフト」)を止める(無くし、ないし低減する)ことが出来る。
図9は、本発明の説明図(その8)を示す。
図9の(a)は、XおよびY軸のレーザー干渉位置測定装置23の実測の出力信号の例を示す。レーザー干渉位置測定装置23の出力信号は干渉計を構成するレーザーパスの距離の時間変化を表現したもので、実時間信号である。
図9の(b)は、実時間フィルターとして共振周波数に一致したバンドパスフィルター群の例を示す。ここでは、共振周波数1、共振周波数2を中心周波数とした2つのバンドパスフィルターである。
図9の(c)はバンドパスフィルターを作用させた例を示す。
図9の(c−1),(c−2)は、図9の(a)の出力信号に対して図9の(b)の共振周波数1、2に対応する実時間バンドパスフィルターをそれぞれ作用させて、それぞれの共振周波数1,2に対応する信号をリアルタイムで抽出したものである。ここで、図9の(c−1)は例えばステージ振動成分である第1の共振成分(共振周波数1)を表している。図9の(c−2)は例えばステージ振動成分である第2の共振成分(共振周波数2)を表している。これら信号が振動を制御するための電子ビーム2のフィードバック制御信号の元に成る。
レーザー干渉位置測定装置23から出力される信号は単純な1次元の信号であるため、ここで用いるフィルターは実時間のアナログフィルターあるいはデジタルフィルターを利用することが出来る。振幅あるいは位相あるいは両者を数値で精密に制御できるのでデジタルフィルターが望ましい。
図10は、本発明の説明図(その9)を示す。図10は、電子ビーム偏向制御信号の合成例であって、「DCからドリフト」、「共振周波数1」、「共振周波数2」の3つについて個別かつ独立に制御するためのパラメータの設定について説明する。、
(1)パラメータ調整方法:
電子ビーム偏向装置4に入力する信号(画像振動を無くし、あるいは低減する信号)は図10に示す形式をしている。
・具体的には、振動制御したい振動周波数成分毎に、レーザー出力信号を分離し、それぞれの信号に信号振幅を決めるパラメータと位相を決めるパラメータを設定して波形変換を行い、最終的に全ての振動周波数信号成分を足し算して電子ビーム偏向装置4に出力する。このパラメータを設定することで画像ドリフト(「DCからドリフト」)および画像振動(「共振周波数1」、「共振周波数2」)を止めることが出来る。
(2)ドリフト調整(「DCからドリフト」成分のフィードバック):
ステージ制御装置を用いて、ステージがXおよびY軸方向に1ミクロン移動したとレーザー干渉位置測定装置23が出力する移動量の時に、電子ビーム2がXおよびY軸方向に1ミクロンステージ移動方向に偏向するように電子ビーム2の偏向フィードバックゲインを調節することで、電子ビーム走査可能範囲内の任意のステージドリフトが生じた際に画像がドリフトしないようにする(ステージドリフトを打ち消す方向に電子ビームを偏向させてキャンセルし、画像がドリフトしないようにする)ことが出来る。ドリフト調整の場合には、位相の調整はほぼ不要である。
(3)振動調整 (高周波成分(「共振周波数1」、「共振周波数2」)のフィードバック):
(3−1)図10の(a)は、X軸について「DCからドリフト」、「共振周波数1」、「共振周波数2」をそれぞれパラメータを設定し、これをもとに振動を電子ビーム2を偏向して画像振動を無くし、ないし低減する。ここで、「DCからドリフト」は(2)で上述した通りである。「共振周波数1」、「共振周波数2」について、振幅と位相のパラメータ(A1,B1,C1,D,E,F)を図示のように算出して設定し、これに従い電子ビームを偏向することにより、画像振動を無くし、ないし低減することができる。振動調整については、図11以降で再度詳細に説明する。
(3−2)同様に、図10の(b)は、Y軸について「DCからドリフト」、「共振周波数1」、「共振周波数2」をそれぞれパラメータを設定し、これをもとに振動を電子ビーム2を偏向して画像振動を無くし、ないし低減する。
図11は、本発明の説明図(その10)を示す。図11は、1つの高周波成分を調整する例を示す。
図11の(a)は調整前の画像の例を示し、図11の(b)は調整後の画像の例を示す。
図11において、フィードバック制御装置32に設定するパラメータは図1の装置の設置環境に存在する自然振動を用いて行うことも出来るが、振動が小さいとパラメータの精密設定が困難となる。そこで、パラメータ設定が容易になるように、装置の外部あるいは内部に加振装置を既述した図5に示すように配置して自然振動よりも十分大きく揺らし、画像振動の観測および調節がしやすいようにする。加振装置42としては、B&K等のボイスコイル型加振機、スピーカー、ピエゾセラミック、あるいはインパクトハンマーを利用することも出来る。ボイスコイル型加振機等大きさおよび周波数が一定の連続波が発生できる装置が望ましい。
図11に示したように、画像に含まれるそれぞれの共振周波数に相当する振動をX軸、Y軸それぞれ図5の加振装置42によって装置に与えながら、画像を取得、FFT解析を行い、画像上の振動が現れなくなるように電子ビーム偏向装置3に対して行うフィードバック信号の振幅および位相のパラメータをそれぞれ調節して、事実上振動が無い状態に調節することで、電子顕微鏡として画像観察あるいは測定を行うための任意の画像から振動を除去できるようになる。
(1)先ず、0から1KHz程度の周波数から構成される疑似ノイズを用いて加振している状態で、SEM画像(2次電子画像)を取得する。取得する画像は解析容易な画像が望ましく、フォトマスク12上のライン・スペースパターンやドットパターンなど、画像の空間周波数が判明している物が望ましい。画像は蓄積画像でも良いが、周波数分離を容易にするため、必要なSNが得られるように照射電流量を増加した状態で1回だけスキャンして得られた画像が望ましい。
(2)得られた画像に対して2次元フーリエ変換を行い、画像に含まれる空間振動成分を抽出する。図11の(a)は、振動を1つだけ含む場合の2次元フーリエ解析結果を示す。図11の(a)で、縦方向に見えるラインが共振周波数成分を現している。X軸を切る場所が周波数を示しており、空間周波数成分が判明する。この空間周波数に上記ピクセルクロックを掛けることで、実時間上の周波数(Hz)が判明する。各ピクセルのグレイスケール値が振動の大きさを表している。
(3)この共振振動を制御するためのフィードバックパラメータを調節(既述した図10の共振周波数1、2のパラメータ、B1,B2,C1,C2,E,Fなどを調整)して、図11の(b)に示すように2次元フーリエ解析の結果に共振周波数成分が現れないようにする。2次元フーリエ変換の解析に先ほどの共振振動に由来するパターンが見えなくなったら、フィードバック制御が成功したとする。これらを各軸(X軸、Y軸)で起こるそれぞれの共振周波数成分に対して行う。
図12は、本発明の動作説明フローチャートを示す。画像解析等から明らかになっている共振周波数1,2などで加振して振幅と位相のパラメータの組を算出する動作説明フローチャートを示す。
図12において、S1は、第1の共振周波数で加振する。これは、画像解析等から予め明らかになっている共振周波数1、2などのうち、最初に第1の共振周波数(共振周波数1)と同一の周波数で加振(サイン波形の周波数で加振)し、強制的に第1の共振周波数で電子ビーム装置41全体(あるいは必要に応じてXYステージなどの部分)を加振し、フォトマスク12を当該第1の共振周波数で強制的に振動させる。
S2は、調整用画像を取得し、振動振幅を測定する。これは、S1で第1の共振周波数でフォトマスク12を加振した状態で、既述した図9の(b)で第1の共振周波数を通過させるバンドパスフィルターを用いてレーザー干渉位置測定装置23からの出力信号(X軸、Y軸別)にフィルターリングして当該第1の共振周波数のみを図9の(c−1)に図示のように抽出し、その振動振幅を測定する。尚、バンドパスフィルタ―として、第1の共振周波数および第2の共振周波数をそれぞれ通過させるバンドパスフィルターを用いれば、図9の(c−1)に図示の第1の共振周波数および図9の(c−2)に図示の第2の共振周波数の振動振幅を同時並列に測定可能となる。この場合には、S1で第1の共振周波数に加えて第2の共振周波数の両者の加振を行う。また、図9のバンドパスフィルターを用いる代わりに、取得画像から図11の(a)に示す2次元FFT画像を取得し、共振周波数の振動成分を測定してもよい。
S3は、振動が0になるようにパラメータを設定(係数AからCを求めて設定)する。これは、S2で振動振幅(振動成分)をリアルタイムに表示させた例えば図9の(c−1)の第1の共振周波数の振幅(あるいは図11の(a)の第1の共振周波数の縦棒)が0(振幅が0、あるいは縦棒が消滅)になるように、既述した図10の(a)の振幅の係数A1、B1、C1(更に位相の係数D,E,F))を調整(人手で調整あるいは自動的に振動が0となるように調整)し、電子ビーム2を強制的に同期(周波数、振幅、位相)して偏向を行い、結果として、取得画像が振動しないように調整する。
S4からS6は、同様に、第2の共振周波数についてS1からS3を行う。これにより、第2の共振周波数、更に第3の共振周波数などについて、取得画像の振動が0となる、図10のパラメータ(振幅の係数A,B,C,位相の係数D,E,F)をそれぞれ算出することが可能となる。
S7は、調整完了する。
以上のS1からS7によって、電子ビーム装置41を強制的に共振周波数1,2などで加振して取得画像の振動が0となるパラメータ(周波数、X軸およびY軸用の図10の振幅の係数A,B,C,位相の係数D,E,F)を算出することが可能となる。そして、パラメータの設定した図10の信号が電子ビーム偏向装置4に送られ、「DCからドリフト」、「共振周波数1」、「共振周波数2」などのドリフト、振動を無くし、ないし低減することができる。
図13は、本発明の動作説明フローチャート(その2)を示す。図13は、自動的にパラメータを設定する手順を示す。ここでは、
図13において、S11は、疑似ノイズで加振を行う。共振周波数を求めるために、DCから所定周波数(例えば1KHz)までを含む疑似ノイズを発生させて、図5の加振装置42で加振を行う。
S12は、調整用画像を取得する。これは、S11で加振した状態で画像を取得する。
S13は、2次元FFTを行う。これは、S12で加振した状態で取得した画像について2次元FFT解析を行い、例えば既述した図11の(a)の調整前の調整用画像を取得する(そして、ピクセルクロックを勘案して実時間の振動に戻す)。
S14は、X軸、Y軸毎の共振周波数の強度、位相を測定する。これは、S13で2次元FFT解析した後の画像、例えば図11の(a)の画像上でX軸、Y軸毎の共振周波数とその強度、位相を測定する。
以上のS11からS24によって、疑似ノイズ加振した状態における、フォトマスク12の画像の画像振動(振動情報:X軸、Y軸毎の共振周波数とその強度、位相)を測定できたこととなる。
S15は、X軸、Y軸レーザー信号を取得する。これは、S11の疑似ノイズ加振状態で、S11からS14と同時刻におけるレーザー干渉位置測定装置23からのX軸、Y軸毎のレーザー信号(バーミラー13の振動信号)を取得する。
S16は、画像振動とレーザー信号の差を求める。これは、S11からS14で取得した疑似ノイズ加振状態における画像振動と、S15で取得したレーザー信号との差を求める。
S17は、差0となるようにパラメータを設定する。これは、差が0となるように、例えば既述した図10のパラメータを設定する。そして、図1の電子ビーム偏向装置4に供給してフィードバックし、画像振動を無くし、ないし低減することが可能となる。
S18は、調整完了する。
以上により、自動的にパラメータを算出して設定し、画像振動を除去することが出来る。
図14は、本発明の説明図(その11)を示す。図14は、XYステージ11を一定方向(通常はY軸の方向あるいは所定角度方向)に連続移動しつつ直角方向(通常はX軸方向あるいは所定角度方向に直角方向)に電子ビーム2で高速走査し、Y軸方向に帯状の連像画像(長い画像)を取得するシステムがある。このシステムでは、XYステージ11の移動方向が一定でなく左右にドリフトすることが知られている。これを本発明の既述した「DCからドリフト」で目標方向に補正し、かつ「共振周波数1」、「共振周波数2」などの振動補正を行うことが可能である。更に、XYステージ11の移動方向と直角方向では、「DCからドリフト」、「共振周波数1」、「共振周波数2」などの全ての画像振動を補正できる。以下詳細に説明する。
図14の(a)は、意図した軌道との差分を0にする例を示す。ここで、起点から右上の目標点の向かう直線は、XYステージ11で移動させたい移動方向(意図して軌道)である。しかし、現実には、XYステージ11の機械精度や温度変化などにより移動させたい方向がドリフトしてしまい、取得画像が意図した軌道から所定時間で図示のδS1やδS2だけずれる事態が発生する。このXYステージ11によるずれδS1、δS2を、既述した電子ビーム2によりその走査位置のフィードバックを掛けるようにする。そうすると、電子ビーム走査位置は両者の位置誤差のみを修正するフィードバックとなるため、XYステージ11の移動が電子ビーム2の着地点に反映され、かつ、XYステージ11の移動速度むらが補正され、真っ直ぐに移動するように出来る。さらに、高周波数に関して既述した同様にフィードバックを掛けることにより、画像の縦横両方向(XY両方向)の画像振動を除去できる。
本制御方法は、XYステージ11の移動方向が1軸であっても、斜め方向に移動する2軸の移動を行っても同じ制御を用いることが出来る。また、XYステージ11の速度を変化させても良い。
図14の(b)は、Y軸に沿ってステージを連続移動したときのX軸方向のゆらぎの様子を模式的に示す。XYステージ11の図示のX軸方向の揺らぎにより、既述した図14の(a)の起点から目標点に向かう直線(意図した軌道)からのずれδS1、δS2が発生する。このずれδS1、δS2は、上述したように、電子ビーム2で補正(「DCからドリフト」と同様に補正)することが可能である。
本実施例では、レーザー干渉位置測定装置を用いた例を主に説明したが、レーザースケールやマグネスケール、加速度センサー、その他の精密位置測定手段を利用しても測定点の振動と振動抑制したい場所の振動間に伝達効果が存在する場合には本発明は同じ効果が期待できることは言うまでもない。
本発明の1実施例構成図である。 本発明の説明図(その1)である。 本発明の説明図(その2)である。 本発明の説明図(その3)である。 本発明の説明図(その4)である。 本発明の説明図(その5)である。 本発明の説明図(その6)である。 本発明の説明図(その7)である。 本発明の説明図(その8)である。 本発明の説明図(その9)である。 本発明の説明図(その10)である。 本発明の動作説明フローチャートである。 本発明の動作説明フローチャート(その2)である。 本発明の説明図(その11)である。 従来技術の説明図である。
1:電子銃
2:電子ビーム
3:電子ビームコラム
4:電子ビーム偏向装置
5:電子検出装置
6:真空チャンバー
7:天板
8:対物レンズ
9:参照ミラー
10:移動部
11:XYステージ
12:フォトマスク
13:バーミラー
14:支持系
21:レーザー
22:干渉装置
23:レーザー干渉位置測定装置
31:弟子ビームコラム制御装置
32:フィードバック制御装置
33:画像形成装置
34:ステージ制御装置
35:PC(パソコン)
36:DISPLAY
41:電子ビーム装置
42:加振装置
43:加振信号
44:画像解析装置
45:ディスプレイ
46:キーボード
47:パラメータ入力装置

Claims (9)

  1. 電子を細く絞って試料に照射しつつ平面走査して当該試料から放出あるいは反射あるいは吸収された電子を検出・増幅して生成する画像の振動を抑制する画像振動抑制装置において、
    前記電子を細く絞って試料に照射する位置を偏向する偏向装置と、
    前記試料を固定した移動部と該移動部をX方向およびY方向に移動可能なステージと、
    前記試料のX方向およびY方向のドリフトおよび振動を検出するために、前記移動部あるいは前記ステージに固定したミラーと、
    前記ミラーにレーザーを照射してその入射波および反射波をもとに試料のX方向およびY方向のドリフトおよび振動を検出するレーザー干渉位置測定装置と、
    前記レーザー干渉位置測定装置で測定した試料のX方向およびY方向のドリフトおよび振動のうち、X方向およびY方向のドリフトに関して当該ドリフトに従い前記偏向装置にフィードバック制御して試料を照射する位置のドリフトを無くしあるいは低減すると共に、X方向およびY方向の高い周波数の振動成分に関して共振周波数あるいは振幅の大きい周波数あるいは両者について1つあるいは複数の周波数を抽出し、当該抽出した1つあるいは複数の周波数の振幅および位相に従い前記偏向装置にフィードバック制御して試料に電子線を照射する位置の当該抽出した1つあるいは複数の周波数の振動成分の振幅および位相の差をそれぞれ個別かつ独立に制御して無くしあるいは低減する制御手段と
    を備えたことを特徴とする画像振動抑制装置。
  2. 前記X方向およびY方向の振動の共振周波数あるいは振幅の大きい周波数は、前記試料を固定したステージあるいは該ステージを固定した装置あるいは装置を設置した接地面を強制的に加振し、そのときの試料の振動を前記レーザー干渉位置測定装置で測定して前記制御手段で制御するパラメータを、共振周波数あるいは振幅の大きい周波数あるいは両者について1つあるいは複数の周波数についてそれぞれ取得し、これを予めそれぞれ設定することを特徴とする請求項1記載の画像振動抑制装置。
  3. 前記画像の共振周波数および位相は、取得した画像に対して2次元周波数分析を行って共振周波数毎に振幅および位相をそれぞれ算出したことを特徴とする請求項1から請求項2のいずれかに記載の画像振動抑制装置。
  4. 前記試料のドリフトは、前記レーザー干渉位置測定装置の出力信号をローパスフィルタを通過させてDCあるいはDC成分と低周波成分のドリフト量を算出したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像振動抑制装置。
  5. 前記試料の振動は、前記レーザー干渉位置測定装置の出力信号をバンドパスフィルタを通過させて当該試料の振動成分の周波数および位相をそれぞれ算出したことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の画像振動抑制装置。
  6. 前記制御手段は、前記試料のドリフトおよび前記試料の振動から算出したドリフト量と、1あるいは複数の周波数と位相の組をもとに、前記偏向装置をフィードバック制御することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の画像振動抑制装置。
  7. 前記制御手段は、前記ステージをX方向あるいはY方向のいずれか1方向に連続移動させ、ステージ移動方向の直角方向についてそのドリフト量と、1あるいは複数の周波数と位相の組をもとに、前記偏向装置にフィードバック制御することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の画像振動抑制装置。
  8. 前記レーザー干渉位置測定装置が
    前記移動部あるいは前記ステージに固定したミラーと、
    前記ミラーにレーザーを照射してその入射波および反射波をもとに試料のX方向およびY方向のドリフトおよび振動を検出するレーザー干渉計と
    からなることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の画像振動抑制装置。
  9. 電子を細く絞って試料に照射しつつ平面走査して当該試料から放出あるいは反射あるいは吸収された電子を検出・増幅して生成する画像の振動を抑制する画像振動抑制方法において、
    前記電子を細く絞って試料に照射する位置を偏向する偏向装置と、
    前記試料を固定した移動部と該移動部をX方向およびY方向に移動可能なステージと、
    前記試料のX方向およびY方向のドリフトおよび振動を検出するために、前記移動部あるいは前記ステージに固定したミラーと、
    前記ミラーにレーザーを照射してその入射波および反射波をもとに試料のX方向およびY方向のドリフトおよび振動を検出するレーザー干渉位置測定装置とを設け、
    制御手段は、前記レーザー干渉位置測定装置で測定した試料のX方向およびY方向のドリフトおよび振動のうち、X方向およびY方向のドリフトに関して当該ドリフトに従い前記偏向装置にフィードバック制御して試料を照射する位置のドリフトを無くしあるいは低減すると共に、X方向およびY方向の高い周波数の振動成分に関して共振周波数あるいは振幅の大きい周波数あるいは両者について1つあるいは複数の周波数を抽出し、当該抽出した1つあるいは複数の周波数の振幅および位相に従い前記偏向装置にフィードバック制御して試料に電子線を照射する位置の当該抽出した1つあるいは複数の周波数の振幅および位相の差をそれぞれ個別かつ独立に制御して無くしあるいは低減する
    ことを特徴とする画像振動抑制方法。
JP2016030855A 2016-02-22 2016-02-22 画像振動抑制装置および画像振動抑制方法 Active JP6700642B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016030855A JP6700642B2 (ja) 2016-02-22 2016-02-22 画像振動抑制装置および画像振動抑制方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016030855A JP6700642B2 (ja) 2016-02-22 2016-02-22 画像振動抑制装置および画像振動抑制方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017152087A JP2017152087A (ja) 2017-08-31
JP6700642B2 true JP6700642B2 (ja) 2020-05-27

Family

ID=59739094

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016030855A Active JP6700642B2 (ja) 2016-02-22 2016-02-22 画像振動抑制装置および画像振動抑制方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6700642B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102019200696B4 (de) 2019-01-21 2022-02-10 Carl Zeiss Smt Gmbh Vorrichtung, Verfahren und Computerprogram zum Bestimmen einer Position eines Elements auf einer fotolithographischen Maske
JP7292968B2 (ja) * 2019-05-14 2023-06-19 株式会社ニューフレアテクノロジー 荷電粒子ビーム装置

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09246134A (ja) * 1996-03-04 1997-09-19 Hitachi Ltd 電子ビーム描画方法および装置およびこれを用いた半導体素子
JP3666267B2 (ja) * 1998-09-18 2005-06-29 株式会社日立製作所 荷電粒子ビーム走査式自動検査装置
JP4272043B2 (ja) * 2003-12-04 2009-06-03 日本電子株式会社 荷電粒子ビーム装置
JP4927506B2 (ja) * 2006-11-21 2012-05-09 株式会社日立ハイテクノロジーズ 荷電粒子線装置及び荷電粒子線装置の撮像方法
JP4548432B2 (ja) * 2007-02-26 2010-09-22 株式会社日立製作所 電子顕微方法及びそれを用いた電子顕微鏡並び生体試料検査方法及び生体検査装置
JP2010092634A (ja) * 2008-10-06 2010-04-22 Hitachi High-Technologies Corp 走査荷電粒子顕微鏡
JP6114002B2 (ja) * 2012-11-01 2017-04-12 株式会社日立ハイテクノロジーズ 荷電粒子線装置
JP6499871B2 (ja) * 2015-01-26 2019-04-10 株式会社ホロン 画像振動低減装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017152087A (ja) 2017-08-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6254445B2 (ja) 荷電粒子ビーム装置
JP6927904B2 (ja) 荷電粒子線装置
JP4833329B2 (ja) 走査過程に及ぼす機械振動の騒乱効果を補償するラスタモード走査装置
US9875879B2 (en) Charged particle microscope with vibration detection / correction
JP6700642B2 (ja) 画像振動抑制装置および画像振動抑制方法
JP5452405B2 (ja) ステージ装置
JPH067472B2 (ja) 走査電子顕微鏡の振動除去システム
JP6408116B2 (ja) 荷電粒子ビーム装置
JP6499871B2 (ja) 画像振動低減装置
JP2006252800A (ja) 走査型電子顕微鏡
US11656244B2 (en) Compensating control signal for raster scan of a scanning probe microscope
WO2010067570A1 (ja) 走査型プローブ顕微鏡の出力処理方法および走査型プローブ顕微鏡
JP7292968B2 (ja) 荷電粒子ビーム装置
JP6364282B2 (ja) 荷電粒子線装置
JP6782803B2 (ja) 画像振動低減装置および方法
JPH08321274A (ja) 電子顕微鏡のアクティブ除振装置
JP2003051435A (ja) 電子線描画装置および電子顕微鏡
RU2703607C1 (ru) Устройство компенсации собственных колебаний иглы зонда сканирующего микроскопа
JP4917839B2 (ja) 走査型荷電粒子線装置、その像表示方法、および走査型顕微鏡
US9793091B1 (en) Image generation apparatus
JP2016115513A (ja) 画像振動低減装置
JP6563576B2 (ja) 荷電粒子ビーム装置
JP3383175B2 (ja) 走査型顕微鏡の像表示方法および走査型顕微鏡
JP2019138748A (ja) パターン計測方法
JP2010107494A (ja) 結露核測定装置及び結露核測定方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191023

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191119

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191213

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200407

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200427

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6700642

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250