以下、本発明の実施の形態を図1〜図14に基づいて説明する。なお、各図中に描かれる一点鎖線は、各部の境界を示す仮想線である。
本発明に係る円板状体払出装置100は、図1〜図4に示すように、タンク104、タンク104の下部に配置されたベース102、およびタンク104とベース102との間に配置された回転部材150などから構成されている。円板状体払出装置100は、タンク104にばら積み状態で貯留された円板状体を、回転部材150によって一枚ずつに分離して、ベース102に設けられた払出口106から一定の姿勢で一枚ずつ払い出す機能を有している。
タンク104は、上部に上部開口104aを有し、底部に下部開口104bを有する漏斗状に形成されている。タンク104は、上部開口104aから投入された円板状体をばら済み状態で多数貯留する。タンク104は、貯留した円板状体を下部開口104bからベース102の凹部110に供給する。下部開口104bは、その直径が回転部材150の直径より小さく設定されている。これにより、タンク104がベース102に装着されると、回転部材150は、下部開口104bの外周縁部(図示しない)とベース102、詳細には後述されるベース102の凹部110の底面である搬送面118との間で挟み込まれ、上方への抜け止め状態に拘束される。
ベース102は、図3および図4に示すように、略矩形厚板状に形成され、タンク104、回転部材150、電動機130および減速機132などを保持する機能を有している。ベース102の上面には、タンク104の下部開口104bに対応する位置に有底の略円形状の凹部110が形成されている。凹部110は、その中心に孔112を有している。凹部110には、回転部材150が着脱可能に装着される。凹部110の孔112には、回転軸134が凹部110の底部から突出するように配置されている。回転軸134は、凹部110に装着された回転部材150に接続される。凹部110の側方に電動機130が保持され、ベース102の下面に減速機132が保持されている。ベース102の下面側において、電動機130の出力軸が減速機132の入力ギヤに接続され、回転軸143が減速機132の出力ギヤに接続されている。これにより、電動機130の出力(回転)が減速機132を介して回転軸134に伝達されて、回転軸134が回転すると共に回転部材150が回転する。なお、電動機130は、ベース102の下面側に配置してもかまわない。また、減速機132は、平行軸歯車減速機に限定されず、遊星歯車減速機、ウォーム減速機、ベベルギア減速機およびヘリカル減速機など各種減速機を使用することができる。
ベース102の凹部110は、その底面が円板状体の一面を支持すると共に、支持された円板状体が搬送される搬送面118して構成されている。凹部110は、搬送面118と後述する回転部材150の裏面168とによって、円板状体が搬送される略円形状の搬送路116が画定される。円板状体は、詳しくは後述する回転部材150の貫通孔152を介して凹部110の底面118に案内された後、一面が凹部110の底面118に保持された状態で一枚ずつ回転部材150の搬送部162の押動面164によって搬送路116に沿って搬送される。ベース102の凹部110の底面118には、溝114が形成されている。溝114は、凹部110と同心で、凹部110の直径より小さい直径を有する複数の円形状の溝で構成されている。各溝114には、後述する回転部材150の突出部166が係合される。なお、本実施の形態では、溝114は2本形成されているが、これに限定されず、溝114は1本でもよいし、3本以上形成してもよい。
凹部110の底面118の中心部には、凹部110の底面118と回転部材150の下面との間で発生する摩擦力を低減するために、リング状のスラストワッシャ170が配置されている。スラストワッシャ170は、その中心が、凹部110の底面118の中心、換言すれば孔112の中心と一致するように配置されている。さらに換言すれば、スラストワッシャ170は、凹部110の孔112を塞がないように、中心部の孔の内側に孔112が位置するように配置されている。これにより、後述する回転軸134が、孔112およびスラストワッシャ170の中心孔に挿入されて配置される。回転部材150が凹部110に配置される場合に、スラストワッシャ170は、凹部110の底面118と回転部材150との間に位置し、下面が底面118と当接すると共に上面が回転部材150の下面と当接している。
ベース102の端部には、払出口106が形成されている。払出口106は、凹部110と接続され、搬送路116を搬送される円板状体が払い出される。凹部110と払出口106との間には、操出装置120と案内部材122とが配置されている。操出装置120は回転部材150の正回転方向R1下流側に配置され、案内部材122は回転部材150の正回転方向R1上流側に配置されている。操出装置120と案内部材122とは、その間を円板状体が通過可能に配置されている。
案内部材122は、板状の部材で構成され、側面が凹部110の側壁に支持されながら搬送路116上を搬送される円板状体を、払出口106に向けて案内する。操出装置120は、ローラ124と、ローラ124が固定されたレバー(図示しない)と、ローラ124を案内部材122に向けて付勢する付勢部材(図示しない)と、当該レバーの動きを検出するセンサ(図示しない)から構成されている。操出装置120のレバー、付勢部材およびセンサーはベース102の下面側に配置され、ローラ124はベース102に形成された円弧状の貫通孔に挿入され、ベース102の上面側に突出して配置されている。ローラ124は、案内部材122との間の距離が使用が想定される直径が最小の円板状体の直径よりわずかに小さく設定された位置と、案内部材122との間の距離が使用が想定される直径が最大の円板状体の直径よりわずかに大きく設定された位置との間を移動可能に構成され、案内部材122と協働して円板状体を払出口106に向けて繰り出す。
搬送路116上の凹部110と払出口106の接続部には、ベース102を貫通して、凹部110の底面118上、換言すれば搬送路116上に進退可能にピン126が配置されている。ピン126は、側面が凹部110の側壁に支持されずに搬送路116上を搬送される円板状体、換言すれば、搬送路116の内周側を搬送される円板状体を、払出口106に向けて案内する。なお、本実施の形態では、ピン126は1本で構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、ピン126は2本配置することもでき、また3本以上配置することもできる。
ベース102には、凹部110上に突出するように除電部材108が配置されている。除電部材108は、タンク104の下部開口104bの内周面の一部を構成するように配置されている。そのため、タンク104に貯留された円板状体が除電部材108と接触することができ、回転部材150の回転に伴う撹拌などによって円板状体に帯電した静電気を除去することができる。これにより、円板状体に帯電した静電気が、操出装置120のセンサーなどに影響を与えることを防止する事ができる。
なお、本実施の形態では、ベース102の上面に形成した円形の凹部110に回転部材150を装着しているが、これに限定されるものではなく、例えば、円形状の孔を形成した板状部材をベース102上に配置して、回転部材150を装着する凹部を構成してもよい。また、タンク104の下部開口104bの下端部の直径を回転部材150の直径より大きく設定して、下部開口104bの下端部の内壁を凹部の側壁として構成することもできる。
回転軸134は、図4および図7〜図9に示すように、ベース102の凹部110の孔112に挿入され、凹部110の底面118に突出する、換言すれば、凹部110の搬送路116に突出するように配置されている。回転軸134は、ベース102の凹部110の底面118に垂直な回転軸線L1を中心に回転可能に構成されている。回転軸134は、正逆回転可能な電動機130に減速機132を介して接続され、電動機130の出力が減速機132を介して伝達される。これにより、電動機130が正回転すると、回転軸134は正回転方向R1に回転し、他方、電動機130が逆回転すると、回転軸134は逆回転方向R2に回転する。
回転軸134には、回転部材150に電動機130の出力(回転)を伝達するための棒状の回転伝達キー136が固定されている。回転伝達キー136は、回転軸134に直交状態で、回転軸134を貫通して固定されている。換言すれば、回転伝達キー136は、その延伸方向が、回転軸134の延伸方向に対して垂直になるように配置されている。さらに換言すれば、回転伝達キー136は、その延伸方向が、回転軸線L1に対して垂直になるように配置されている。回転軸線L136は、回転軸134の周面から突出する部分が、回転軸線L1を中心に点対称になるように構成されている。回転伝達キー136は、回転軸134を一体的に正回転方向R1および逆回転方向R2のそれぞれに回転する。
回転部材150は、図3〜図15に示すように、その直径がベース102の凹部110の直径より小さく、タンク104の下部開口104bの内周の直径より大きい薄板円板型に形成されている。回転部材150は、ベース102の凹部110に回転可能に装着される。回転部材150は、その回転中心が回転軸線L1を一致するように、凹部110に装着される。回転部材150は、上面側の中央部に上方に向かって突出する突起部154を有し、さらに突起部154の周囲に形成された板状の撹拌部156を有している。突起部154および撹拌部156は、回転部材150が回転するときに、タンク104内に貯留された円板状体を撹拌し、タンク104内で円板状体がブリッジ状態になるなどの問題を抑制することができる。回転部材150は、回転中心を中心とした同心円上に、上面から裏面168まで貫通する複数の通孔152が形成されている。各通孔152は、タンク104の下部開口104bから供給される円板状体を凹部110の底面118上、換言すれば搬送路116に案内する機能を有している。各通孔152は、使用が想定される円板状体の直径が最大の円板状体の直径よりわずかに大きく形成されている。各通孔152の周面は、円板状体が各通孔152に落下しやすくするために、上向きに拡開するテーパー状に形成されている。
回転部材150は、その周面に、外周円から回転中心側に後退した複数の凹部158が形成されている。凹部158は、除電部材108に対応して形成されている。換言すれば、除電部材108が凹部110に突出する突出量に合わせて、凹部158は該突出量と同量後退するように形成されている。これにより、凹部158と除電部材108との位置を合わせることで、除電部材108を取り除かずに、回転部材150を凹部110に着脱できる。
回転部材150は、その裏面168から突出し、回転部材150のほぼ中心部から外周縁まで延在する複数の搬送部162が形成されている。各搬送部162は、複数の通孔152のそれぞれに対応して設けられ、各通孔152の回転部材150の正回転方向R1下流側に、各通孔152に隣接して形成されている。各搬送部162の正回転方向R1上流側の端部は、対応する各通孔152の周面とほぼ一致するように構成されている。各搬送部162の正回転方向R1下流側の端部は、各搬送部162の延在方向に沿ったほぼ平面状の、円板状体の周面を押動する押動面164として形成されている。
各搬送部162は、回転部材150を凹部110に装着したときに、搬送路116の高さが使用が想定される円板状体の板厚が最大の円板状体の板厚よりわずかに大きくなるように、裏面168からの高さが設定されている。換言すれば、スラストワッシャ170の板厚と各搬送部162の高さの合計が、使用が想定される円板状体の板厚が最大の円板状体の板厚よりわずかに大きくなるように設定されている。これにより、円板状体払出装置100で払い出し可能な円板状体の板厚は、回転部材150の各搬送部162の高さで画定される。そのため、払い出す円板状体の板厚に合わせて、回転軸134の先端と後述する回転部材150の回転伝達部180の軸受穴182の底面との間にワッシャーなどの部材を配置して回転部材150を持ち上げるなどの方法によって、凹部110の底面118と回転部材150の裏面168との間の間隙を調整する必要がない。
各搬送部162の間では、裏面168が露出していて、各通孔152を起点とし、外周縁に開口を有する略直線状の凹溝170が形成されている。各押溝170は、正回転方向R1上面に向かって延伸している。各凹溝170は、その幅が各通孔152の直径とほぼ同じ大きさに設定され、1枚の円板状体が各凹溝170内を移動可能に構成されている。
回転部材150は、回転部材150上の円板状体を撹拌し、各通孔152を介して円板状体を凹部110の底面118上に案内し、搬送部162の押動面164によって円板状体を搬送路116に沿って搬送する。詳しくは、タンク104の下部開口104bから供給された円板状体は、回転部材150上で、正回転方向R1に回転する回転部材150の突起部154および撹拌部156によって撹拌されながら、各通孔152に落下する。各通孔152に落下した円板状体は、各通孔152によって凹部110の底面118に案内されると共に、その一面が凹部110の底面118に支持される。凹部110の底面118に支持された円板状体は、正回転方向R1に回転する回転部材150によって、その姿勢を維持したまま、回転部材150の各凹溝170内を正回転方向R1下流側に向かって相対的に移動すると共に、その周面が各搬送部162の押動面164に押動される。これにより、円板状体は、その周面が凹部110の側壁に支持されながら、正回転方向R1に回転する回転部材150によって搬送路116上を搬送される。
回転部材150は、各搬送部162の下面と凹部110の底面118に配置されたスラストワッシャ170とが当接し、各搬送部162の下面と凹部110の底面118との間にスラストワッシャ170の板厚分の間隙を有した状態で、凹部110に装着される。これにより、回転部材150が正回転方向R1および逆回転方向R2に回転するとき、各搬送部162の下面は、スラストワッシャ170の上面上を摺動しながら回転する。スラストワッシャ170の板厚は約0.1〜0.3mmであるので、回転部材150の各搬送部162の下面と凹部110の底面118との間の間隙も、スラストワッシャ170の板厚とほぼ同じ約0.1〜0.3mmに設定される。遊戯場に設置されるスロットマシンなどでは、外径が約25.0mmで厚さが約1.6mm、または、外径が約30.3mmで厚さが約1.7mmのサイズの円板状体(メダル)が用いられている。また、アミューズメント用では、外径が約24.4mmで厚さが約1.65mm、または、外径が約21.3mmで厚さが約2.0mmのサイズの円板状体(メダル)が用いられている。さらに、流通貨幣は、その厚さは1mm以上で、例えば1円硬貨は外径が20mmで厚さが約1.5mm、500円硬貨は外径が約26.5mmで厚さが約1.8mmである。そのため、回転部材150の各搬送部162の下面と凹部110の底面118との間の隙間は、円板状体の厚さと比べて非常に小さいので、回転部材150の各搬送部162の下面と凹部110の底面118との間に円板状体が進入することができない。
回転部材150の各搬送部162には、その下面からさらに突出した複数の突出部166が形成されている。各突出部166は、回転部材150の回転中心、換言すれば回転軸線L1を中心とした所定の半径を有する円弧状に沿って形成され、ベース102の凹部110の底面118に形成された各溝114に対応して形成されている。各突出部166は、回転部材150が凹部110に装着されたときに、各溝114とたがいに係合するように構成されている。各突出部166の高さは、各溝114の深さよりもわずかに小さく設定されている。換言すれば、回転部材150の各搬送部162の下面と凹部110の底面118との間に、各突出部166に起因する間隙ができないように、各突部116高さおよび各溝114の深さが設定されている。円板状体が回転部材150に搬送される、換言すれば回転部材150の搬送部162の押動面164に押動されるときに、各突出部166の下端は、凹部110の底面より下方に位置する、換言すれば、凹部110の底面に支持された円板状体の一面より下方に位置するように構成されている。これにより、各突出部166によって回転部材150の下面と凹部110の底面118との間の間隙がふさがれる。そのため、円板状体が回転部材150の下面と凹部110の底面118との間に進入することが困難となり、円板状体の噛み込み現象や詰まり現象の発生を防止することができ、これらの現象によって装置が停止してしまう可能性を効果的に低減することができる。
回転部材150は、図7〜図15に示すように、その底面側の中心に回転伝達部180が形成されている。回転伝達部180は、電動機130からの出力を回転部材150に伝達する機能を有している。回転伝達部180は、回転軸134が挿入される軸受穴182と、回転伝達キー136が挿入されるキー溝184とから構成されている。回転伝達部180は、キー溝184の側壁が回転伝達キー136に押されることによって、電動機130の出力が伝達される。
軸受穴182は、回転軸線L1に沿って延伸する円筒状に形成されている。換言すれば、軸受穴182は、回転軸134が延伸する方向に沿って延伸している。軸受穴182は、その直径が回転軸134の直径より僅かに大きく設定されている。
キー溝184は、軸受穴182を挟んで形成された第1キー溝186および第2キー溝188から構成されている。第1キー溝186および第2キー溝188は、互いに回転軸線L1を中心に点対称に形成されている。なお、第1キー溝186および第2キー溝188それぞれは同じ構成であるので、同じ要素に対しては同じ符号を付与する。
第1キー溝186は、回転軸線L1に垂直な断面(以下、横断面という。)の形状が略扇形に形成されている。第1キー溝186は、横断面の形状が略矩形状の挿入部200と、横断面の形状が略直角三角形の伝達部210と、から形成されている。第1キー溝186の挿入部200は、直方体状に形成され、回転部材150の下面に矩形状の開口202を有している。第1キー溝186の挿入部200の開口202は、回転伝達キー136が挿入可能な大きさに形成されている。換言すれば、第1キー溝186の挿入部200の開口202は、回転伝達キー136の直径より僅かに大きい幅と、回転伝達キー136の回転軸134から突出している長さより僅かに大きい長さを有して形成されている。これにより、回転部材150は、回転軸134および回転伝達キー136から簡単に取り外すことができる。
第1キー溝186の伝達部210は、直角三角柱状に形成されている。第1キー溝186の伝達部210は、その直角頂の対辺を含む側面が、第1キー溝186の挿入部200の側面と共有されていて、挿入部200と伝達部210とが連通して形成されている。第1キー溝186の伝達部210には、軸受穴182と反対側の端部に、第1キー溝186の挿入部200に向かって下る所定の角度を有する傾斜面状の被押動面212が形成されている。第1キー溝186の伝達部210の被押動面212の幅は、回転軸134が正回転方向R1に回転するときに、回転伝達キー136の端部と接触可能な幅(大きさ)に設定されている。これにより、回転軸134が正回転方向R1に回転するときに、回転伝達キー136は、第1キー溝186の挿入部200から第1キー溝186の伝達部210に向けて移動して、少なくともその一部が伝達部210に進入したあと、伝達部210の被押動面212に接触し、電動機130からの出力を回転部材150に伝達する。換言すれば、回転軸134が正回転方向R1に回転するときに、回転伝達キー136が第1キー溝186の伝達部210の被押動面212に接触すると共に被押動面212を正回転方向R1に向かって押動して、回転部材150を正回転方向R1に回転させる。
回転軸134が正回転方向R1に回転するときに、回転伝達キー136は、伝達部210に進入すると共に被押動面212を押動する。このとき、回転伝達キー136と被押動面212とによって、回転部材150が凹部110の底面118から離間する方向へ変位することが規制される。換言すれば、回転部材150に凹部110の底面118から離間する方向への力が作用して、被押動面212が底面118から離間する方向へ移動しようとしても、回転伝達キー136によってその移動が阻害されることによって、回転部材150が凹部110の底面118から離間する方向への変位が規制される。なお、第2キー溝188は第1キー溝186と回転軸線L1を中心に点対称に形成されていて、第1キー溝186および第2キー溝188の構造は同じであるので、第2キー溝188に関する詳細な説明は省略する。
回転部材150を正回転方向R1に回転させる場合について、図8および図10を参照して説明する。回転軸134が停止している初期段階では、図10(b)に示すように、回転伝達キー136は、回転伝達部180の第1および第2キー溝186、188それぞれの挿入部200内に位置している。電動機130が正回転駆動すると、その出力(回転力)が減速機132を介して回転軸134に伝達され、回転軸134が正回転方向R1に回転する。回転軸134が正回転方向R1に回転すると、回転伝達キー136は、回転軸134と一体的に正回転方向R1に回転する。これにより、回転伝達キー136は、図8および図10(a)に示すように、少なくともその一部が第1および第2キー溝186、188それぞれの挿入部200から、第1および第2キー溝186、188それぞれの伝達部210に移動して、各伝達部210の被押動面212に接触する。さらに回転伝達キー136が正回転方向R1に回転すると、回転伝達キー136は、各伝達部210の被押動面212を押動する。これにより、回転伝達キー136は、電動機130からの出力を回転部材150に伝達して、回転部材150を回転させる。
回転伝達キー136が回転部材150を正回転方向R1に回転させるとき、換言すれば、回転伝達キー136が第1および第2キー溝186、188それぞれの伝達部210の被押動面212を押動するとき、回転伝達キー136から回転部材150に作用する作用力Fは、図8に示すように、被押動面212に垂直な方向に作用する。この作用力Fは、正回転方向R1(図8における左方向)に向かう分力F1と、凹部110の底面118(図8における鉛直下方)に向かう分力F2とに分解することができる。すなわち、回転伝達キー136が正回転方向R1に回転するとき、第1および第2キー溝186、188それぞれの伝達部210の被押動面212には、正回転方向R1に向かう分力F1と凹部110の底面118に向かう分力F2が作用している。そのため、回転伝達キー136が正回転方向R1に回転する場合、回転伝達キー136は、第1および第2キー溝186、188それぞれの伝達部210の被押動面212を、分力F2の力で凹部110の底面118に向けて押し付けながら、分力F1の力で正回転方向R1に向けて押動する。換言すれば、回転伝達キー136は、回転部材150を、分力F2の力で凹部110の底面118に押し付けながら、分力F1の力で正回転方向R1に回転させる。これにより、回転部材150は、底面118から離間する方向に変位することなく、正回転方向R1に回転することができる。そのため、回転部材150の各搬送部162の下面と凹部110の底面118との間に円板状体が進入することができず、各搬送部162の下面と底面118との間での、円板状体の噛み込み現象や詰まり現象の発生を防止することができ、これらの現象によって装置が停止してしまう可能性を効果的に低減することができる。
次に、回転部材150を逆回転方向R2に回転させる場合について、図9および図10を参照して説明する。電動機130が逆回転駆動すると、その出力(回転力)が減速機132を介して回転軸134に伝達され、回転軸134が逆回転方向R2に回転する。回転軸134が逆回転方向R2に回転すると、回転伝達キー136は、回転軸134と一体的に逆回転方向R2に回転する。これにより、回転伝達キー136は、図9および図10(b)に示すように、第1および第2キー溝186、188それぞれの挿入部200の、第1および第2キー溝186、188それぞれの伝達部210の斜面212と対向する垂直面204を押動する。これにより、回転伝達キー136は、電動機130からの出力を回転部材150に伝達して、回転部材150を回転させる。
回転伝達キー136が回転部材150を逆回転方向R2に回転させるとき、換言すれば、回転伝達キー136が第1および第2キー溝186、188それぞれの挿入部200の垂直面204を押動するとき、回転伝達キー136から回転部材150に作用する作用力Frは、図9に示すように、垂直面204に垂直な方向、すなわち逆回転方向R2に作用する。このことから、回転部材150逆回転方向R2に回転させる場合は、回転部材150を正回転方向R1に回転させる場合と異なり、ベース102の凹部110の底面118に向かう力は回転部材150に対して作用していないので、回転伝達キー136は、回転部材150を、凹部110の底面118に向けて押し付けずに、逆回転方向R2に回転させる。
以上詳細に説明したように、本発明の実施の形態に係る円板状体払出装置100では、円板状体の一面が支持されると共に支持された円板状体が搬送される底面118(搬送面)に略垂直な回転軸線L1を中心に回転する回転軸134と、底面118(搬送面)に回転可能に配置され、円板状体を搬送する搬送部162を有する回転部材と、を備えている。回転軸134には、回転軸線L1と交差する方向に延伸する棒状の回転伝達キー136が配置されている。回転部材150には、回転伝達キー136が挿入されるキー溝184が形成されている。
しかも、キー溝184は、回転伝達キー136の回転に伴って正回転方向R1(回転方向)に向かって作用する力および底面188(搬送面)に向かって作用する力を受けながら、押動される被押動面212を有している。これにより、回転部材150は、底面188(搬送面)に向けて押しつけられながら回転する。
そのため、回転部材150は回転中に底面188(搬送面)から浮き上がることがないので、回転部材150に搬送される円板状体は回転部材150の搬送部162の下面と底面188(搬送面)との間に進入することが困難となる。したがって、円板状体の噛み込み現象や詰まり現象の発生を防止することができ、これらの現象によって装置が停止してしまう可能性を効果的に低減することができる。
また、被押動面212は、回転伝達キー136の正回転方向R1(回転方向)に向かって昇る傾斜面状に形成されている。この場合、被押動面は、回転伝達キーから回転伝達キーの回転方向に向かって作用する力を受けると共に、搬送面に向かって作用する力を受けるので、回転部材は搬送面に向けて押しつけられながら回転することができる。
さらに、キー溝184は、回転伝達キー136が挿入される開口を有する挿入部200と、正回転方向R1(回転方向)の下流側に挿入部200と連接して設けられ、被押動面212が形成された伝達部210と、を有し、回転伝達キー136は、回転軸134の回転によって、少なくともその一部が伝達部210に進入して、被押動面212を押動する。これにより、伝達部210に進入した回転伝達キー136と伝達部210の被押動面212によって、回転部材150が底面118(搬送面)から離間する方向への変位することを抑制することができる。そのため、回転部材150は回転中に底面118(搬送面)から浮き上がることがないので、回転部材150に搬送される円板状体は回転部材150の搬送部162の下面と底面118(搬送面)との間に進入することが困難となる。したがって、円板状体の噛み込み現象や詰まり現象の発生を防止することができ、これらの現象によって装置が停止してしまう可能性を効果的に低減することができる。
さらに、底面118(搬送面)は、回転軸線150を中心とした円形状に形成された溝114を有し、回転部材150は、溝114と対応して搬送部162の下面に突設され、溝114と係合する突出部166を有し、突出部166は、その下端が、円板状体の底面118(搬送面)に支持された前記一面より下方に位置するように構成される。この場合、回転部材150の突出部166と底面118(搬送面)の溝114とが係合しているので、回転部材150の搬送部162の下面と底面118(搬送面)との間の間隙は、突出部166と溝114によってふさがれる。そのため、回転部材150に搬送される円板状体が、回転部材150の下面と底面118(搬送面)との間に進入することが困難となる。したがって、円板状体の噛み込み現象や詰まり現象の発生を防止することができ、これらの現象によって装置が停止してしまう可能性を効果的に低減することができる。
また、本発明の実施の形態に係る円板状体払出装置100では、円板状体の一面を支持すると共に支持された円板状体が搬送される底面118(搬送面)と、底面118(搬送面)に略垂直な回転軸線L1を中心に回転する回転軸134と、回転軸線L1の周りを回転可能であって、底面118(搬送面)上の円板状体を搬送する搬送部162を有する回転部材150と、回転軸134の回転を回転部材150に伝達する「回転伝達機構」と、を備えている。回転伝達キー136(回転伝達機構)は、回転軸134の回転に伴って、回転部材150を回転軸線L1方向に沿って底面118(搬送面)側に押圧するように構成され、回転伝達キー136とキー溝184とは回転軸134の回転力を回転部材150に伝達する「回転伝達機構」を構成している。これにより、回転部材は、搬送面に向けて押しつけられながら回転する。
そのため、回転部材150は回転中に底面118(搬送面)から浮き上がることがないので、回転部材に搬送される円板状体は回転部材の搬送部の下面と搬送面との間に進入することが困難となる。したがって、円板状体の噛み込み現象や詰まり現象の発生を防止することができ、これらの現象によって装置が停止してしまう可能性を効果的に低減することができる。
また、「回転伝達機構」は、回転軸134から外方に突出すると共に回転軸線L1に対して直角な方向に延在する回転伝達キー136と、回転部材150に形成されて回転伝達キー136が挿入されるキー溝184と、を含み、キー溝184は、回転伝達キー136の回転に伴って正回転方向R1(回転方向)に向かって作用する力および底面118(搬送面)に向かって作用する力を受けながら、押動される被押動面212を有する。この場合、回転部材150は底面118(搬送面)に向けて押圧されながら回転する。
そのため、回転部材150は回転中に底面118(搬送面)から浮き上がることがないので、回転部材150に搬送される円板状体は回転部材150の搬送部162の下面と底面118(搬送面)との間に進入することが困難となる。したがって、円板状体の噛み込み現象や詰まり現象の発生を防止することができ、これらの現象によって装置が停止してしまう可能性を効果的に低減することができる。
このように、本発明の実施の形態に係る円板状体払出装置100では、簡単な構成で、円板状体の噛み込み現象や詰まり現象などによって装置が停止してしまう可能性を低減することができる。
(変形例)
なお、本発明の実施の形態では、回転伝達キー136は回転軸134に直交状態で、回転軸134を貫通して配置されているが、この構成は適宜変更することができる。例えば、回転伝達キー136は、図15(a)に示すように、回転軸134の周面の一カ所から突出するように構成することもでき、さらに、図15(b)および図15(c)に示すように、回転軸134の周面の三カ所以上から突出するように構成することもできる。
また、キー溝184の第1および第2キー溝186、188それぞれの被押動面212が、正回転方向R1下流側にのみ形成されているが、この構成は適宜変更することができる。例えば、図16に示すように、正回転方向R1上流側、すなわち逆回転方向R2下流側に、伝達部210および被押動面212を形成することもできる。これにより、回転部材150が逆回転方向R2に回転するときも正回転方向R1に回転するときと同様に、逆回転方向R2下流側の伝達部210の斜面212が回転伝達キー136によって押され、回転部材150は凹部110の底面118に押し付けられながら回転する。