JP6698381B2 - 検体容器回収機構を備える分注装置、それを含む測定システム、および分注方法 - Google Patents

検体容器回収機構を備える分注装置、それを含む測定システム、および分注方法 Download PDF

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Description

本発明は、検体容器回収機構を備え、検体採取容器から検体容器に検体を分注する分注装置、それを含む測定システム、および分注方法に関する。
特許文献1には、尿カップからスピッツ管へ尿サンプルを分注する際に、尿カップから被験者に関する識別情報を読み取り、その情報を印字したラベルを前記スピッツ管に自動的に貼り付ける分注装置が開示されている。前記分注装置において、前記尿カップは尿カップ搬送手段によって分注位置まで搬送される。また、前記スピッツ管は、スピッツ管搬送手段によって分注位置まで搬送される。前記尿カップ搬送手段によって搬送された前記尿カップ中の尿サンプルは、前記スピッツ管搬送手段によって搬送された前記尿サンプルに分注される。前記スピッツ管は、複数のスピッツ管が載置された検体ラックに載置された状態で搬送される。
しかしながら、前記従来技術においては、次に述べるような不具合があった。
すなわち、特許文献1の分注装置は、前記検体ラックに載置された複数のスピッツ管の内、尿サンプルが分注されなかったスピッツ管をどのように扱うかについて何ら記載されていない。前記分注装置の下流に測定装置が接続され、検体が分注されなかったスピッツ管がそのまま下流に搬送され、下流の測定装置における測定処理に移行した場合、測定装置によっては、エラー検知してしまうという問題があった。下流に測定装置が配置されないもの、または下流に配置された測定装置がエラー検知しないものであるとしても、尿サンプルが分注されなかったスピッツ管を再使用するために仕分けし、回収することは、ユーザにとって手間となっていた。
特開平10−142235号公報
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであって、検体容器保持具に保持されていても検体が分注されなかった余剰の検体容器を自動的に分別する分注装置、それを含む測定システム、および分注方法を提供することを、その課題としている。
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明の第1の側面により提供される分注装置は、検体採取容器を順次搬送する検体採取容器搬送機構と、検体採取容器内に収容された検体を、検体容器に分注する分注機構と、複数の検体容器を保持する検体容器保持具を搬送する保持具搬送機構と、前記複数の検体容器における検体の分注情報を取得する分注情報取得機構と、前記分注情報に基づき、前記複数の検体容器をから検体が分注されない検体容器を分別する検体容器分別機構と、前記検体容器保持具から前記分注されない検体容器を回収する検体容器回収機構と、を備え、前記保持具搬送機構は、前記検体容器回収機構による前記分注されない検体容器の回収後に、前記検体容器保持具の搬送を開始するように構成されている。
例えば、前記分注情報取得機構は、前記分注機構が分注した検体の有無に基づき、前記分注情報を取得する構成としてもよい。
例えば、前記分注装置は、前記検体採取容器搬送装置によって搬送される検体採取容器の数量を検知する検体採取容器数量検知部を更に備え、前記分注情報取得機構は、検体容器保持具に保持されている前記複数の検体容器の数量と、前記検体採取容器数量検知部が検知した検体採取容器の数量とから、前記分注情報を取得する構成としてもよい。
例えば、前記検体採取容器数量検知部は、検体採取容器に付与された識別情報を読み取る識別情報読取機構であり、前記識別情報読取機構によって読み取られた前記識別情報の数量に基づき、検体採取容器の数量を検知する構成としてもよい。
例えば、前記分注装置は、前記保持具搬送機構の搬送を開始させる保持具搬送開始入力部を更に備え、前記検体容器回収機構は、前記保持具搬送開始入力部に搬送開始の入力があった場合に、前記分注されない検体容器を回収し、前記保持具搬送機構は、前記分注されない検体容器の回収後に、前記検体容器保持具の搬送を開始する構成としてもよい。
例えば、前記検体容器回収機構は、所定時間、検体採取容器が搬送されない場合に、前記分注されない検体容器を回収し、前記保持具搬送機構は、前記分注されない検体容器の回収後に、前記検体容器保持具の搬送を開始する構成としてもよい。
例えば、前記検体容器回収機構は、前記分注されない検体容器を保管する検体容器保管部と、前記分注されない検体容器を前記検体容器保持具から取り出し、前記検体容器保管部に向けて搬送する検体容器移送部と、を含む構成としてもよい。
例えば、前記分注装置は、検体容器に対し、検体採取容器に付された前記識別情報に対応する複製情報を付与する複製情報付与機構を更に備え、前記検体容器移送部は、検体容器を前記検体容器保持具から取り出し、前記複製情報付与機構に向けて搬送する構成としてもよい。
例えば、前記保持具搬送機構は、下流側に配置された測定装置に接続されており、前記測定装置は、検体容器に分注された検体に含まれる特定成分の測定を行うためのものである構成としてもよい。
例えば、前記分注装置は、検体容器に分注された検体の検体情報を検出する検体情報検出機構を更に備え、前記検体情報検出機構が取得した前記検体情報を、前記測定装置に送信する構成としてもよい。
本発明の第2の側面により提供される測定システムは、本発明の第1の側面により提供される分注装置を備え、前記保持具搬送機構の下流側に接続され、検体容器に分注された検体に含まれる特定成分の測定を行う測定装置を更に備えるように構成されている。
本発明の第3の側面により提供される分注方法は、検体採取容器を搬送する検体採取容器搬送ステップと、検体採取容器内に収容された検体を検体容器に分注する分注ステップと、複数の検体容器を保持する検体容器保持具を搬送する保持具搬送ステップと、前記複数の検体容器における検体の分注情報を取得する分注情報取得ステップと、前記分注情報に基づき、前記検体容器保持具に保持された前記複数の検体容器から検体が分注されない検体容器を分別する検体容器分別ステップと、前記検体容器保持具から前記分注されない検体容器を回収する回収ステップと、前記回収ステップの後に、前記検体容器保持具の搬送を開始する保持具搬送開始ステップと、を有するように構成されている。
本発明の一態様を採用することによれば、分注装置は、検体容器保持具に保持された検体容器の内、検体が分注されなかった余剰の検体容器を自動的に分別する機構および回収する機構を備える。これにより、検体が分注されなかった検体容器を再使用するための分別作業および回収作業を省力化することができる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明により、より明らかとすることができる。
本発明の第1の実施形態に係る測定システムの概略構成を示す平面図である。 図1に示す測定システムを構成する分注装置本体の内部を示す部分拡大正面図である。 図1に示す測定システムを構成する分注装置の部分拡大左側面図である。 図4(A)〜(E)は、図1に示す測定システムを構成する分注装置の動作を説明するための平面図である。 図4(D)に示す分注装置の動作を詳細に示す部分拡大平面図である。 図1に示す測定システムを構成する分注装置の動作処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る測定システムを示す平面図である。 本発明の第3の実施形態に係る測定システムを示す平面図である。 図8に示す測定システムを構成する分注装置の動作処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。 図9に示すフローチャートに含まれるサブルーチンの一例を示すフローチャートである。 本発明の第4の実施形態に係る測定システムを示す平面図である。 図11に示す測定システムを構成する分注装置の動作処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。 図12に示すフローチャートに含まれるサブルーチンの一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
[第1の実施形態]
図1〜図3は、本発明が適用された測定システムの一例を示している。測定システムMS1は、例えば病院の検査室などに設置されている。測定システムMS1は、尿カップ1に採取された尿サンプルUを検体ラック2に保持されたスピッツ管20に移し替え、尿サンプルUに含まれる特定成分の測定を自動的に連続して行う。図1に示すように、測定システムMS1は、分注装置D1および尿定性測定装置8を具備している。
分注装置D1は、識別情報読み取り装置3、尿カップ搬送装置4、検体ラック供給装置5、検体ラック搬送装置6、および本体7を具備している。これらは、通信線L1を介して相互に接続されており、データ通信可能に構成されている。分注装置D1は、尿カップ1に採取された尿サンプルUを検体ラック2に保持されたスピッツ管20に移し替える。
尿サンプルUは、本発明でいう検体の一例に相当する。測定システムMS1において測定可能な検体として、尿サンプルUの他、例えば、血清、血漿、環境から採取した水等の液体が挙げられる。また、尿定性測定装置8を一例として説明を行うが、それ以外の測定装置であってもよい。
測定システムMS1を構成する分注装置D1および尿定性測定装置8は、ホストコンピュータ9に通信線L2を介して相互に接続されており、データ通信可能に構成されている。分注装置D1と尿定性測定装置8もまた、通信線L2を介して相互に接続されている。ホストコンピュータ9は、更に端末90に通信線L3を介して接続されており、データ通信可能に構成されている。ホストコンピュータ9は、測定システムMS1全体のデータ管理を行うためのものであり、例えば、被験者の識別情報、医師等が端末90からオーダーする被験者毎の測定項目、尿定性測定装置8から受信した測定データを一括して管理する。
分注装置D1と尿定性測定装置8とホストコンピュータ9とは、これらの相互間においてデータ通信可能であればよく、これらを例えば病院内に構築された構内情報通信網(LAN)、あるいはインターネットなどの回線を利用して通信接続させた構成や、無線通信を行う構成とすることもできる。ホストコンピュータ9と端末90との間もまた同様に接続することができる。
識別情報読み取り装置3は、尿カップ1に記載された被験者の識別情報を読み取るためのものであり、本発明でいう識別情報読取機構の一例に相当する。識別情報読み取り装置3の具体例として、バーコードリーダが挙げられる。尿カップ1は、被験者が尿サンプルUを採取する際に使用する紙製のカップであり、本発明でいう検体採取容器の一例に相当する。尿カップ1は、紙製の他、合成樹脂製であってもよい。識別情報は、例えばバーコード化してラベル10に印刷されている。バーコードの種類は、1次元バーコードの他、2次元バーコードでもよい。図2および図3に示すように、ラベル10は、尿カップ1の側面に貼り付けられている。図1に示すように、識別情報読み取り装置3からは、バーコード読み取り光31が発せられている。ユーザは、バーコード読み取り光31をラベル10上のバーコード10aに当てることにより、識別情報を読み取る。識別情報を読み取った後、ユーザは、矢印N1で示すように後述する尿カップ搬送装置4の尿カップ搬送路43に尿カップ1を載せる。識別情報読み取り装置3は、制御部30を備えている。制御部30は、読み取られた識別情報を本体7に送信する動作処理を行う。なお、識別情報読み取り装置3は、尿カップ搬送路43上に設置し、尿カップ搬送路43上にある尿カップ1の識別情報を読み取る態様であってもよい。
尿カップ搬送装置4は、本体7(すなわち分注装置D1)を基準にして、尿カップ1を上流から下流に向けて搬送するための装置であり、本発明でいう検体採取容器搬送機構の一例に相当する。図1に示すように、尿カップ搬送装置4は、制御部収納部41および尿カップ搬送路43を具備している。制御部収納部41は、制御部40を収納している。制御部40は、尿カップ搬送装置4の動作を制御するためのものである。制御部収納部41には、検体ラック搬送開始ボタン42が取り付けられている。検体ラック搬送開始ボタン42は、後述する検体ラック搬送装置6の分注位置7bに留まっている検体ラック2の搬送を強制的に開始するためのものであり、本発明でいう保持具搬送開始入力部の一例に相当する。検体ラック搬送開始ボタン42が、ユーザによって押された場合、制御部40は、本体7に向けて搬送開始信号を送信する。
図1に示すように、尿カップ搬送路43は、枠部44および搬送コンベア45を具備している。枠部44は、尿カップ1をガイドするためのものであり、尿カップ1の搬送方向に、搬送コンベア45の両側を挟むようにして設けられている。図2に示すように、搬送コンベア45は、例えば両端に配された一対の回転自在なプーリ45aに掛け回され、一定の経路で循環駆動自在とされている。図1に示すように、搬送コンベア45は、カップ供給部43aからカップ排出部43bまで延びており、本体7の分注位置7bの下流側にカップストッパ46を備えている。カップストッパ46は、カップ検出センサ(図示略)を備えている。カップ検出センサが、矢印N2で示すように上流から搬送されて来た尿カップ1を検知した場合、カップストッパ46は、堰き止めにより、尿カップ1を停止させる。尿サンプルUの採取完了後、堰き止めが解除され、矢印N10で示す下流方向に向けて、尿カップ1の搬送が再開される。カップ排出部43bに到達した尿カップ1は、ユーザによって取り出される。
検体ラック供給装置5は、下流に接続されている検体ラック搬送装置6に検体ラック2を供給するためのものである。図1に示すように、検体ラック供給装置5は、制御部50および検体ラック供給部51を具備している。制御部50は、検体ラック供給装置5の動作を制御するとともに、検体ラック搬送装置6の動作を制御する。検体ラック供給部51は、検体ラック貯留部52および枠部54を備えている。枠部54は、検体ラック貯留部52の周囲に設けられており、検体ラック2をガイドするためのものである。
検体ラック貯留部52は、複数の検体ラック2を貯留するための部分である。検体ラック貯留部52には、駆動ベルト53が底部に設けられている。駆動ベルト53は、矢印N4で示すように検体ラック2を移送し、検体ラック貯留部52の端部に整列させる。検体ラック貯留部52は、本体7の制御部70からの指示に応じて、枠部54に設けられた切り欠き部54aから検体ラック搬送装置6に向けて検体ラック2を送り出す。枠部54の前面壁部54bには、前面壁部54bに沿って往復動することにより、検体ラック2を切り欠き部54aを越えて検体ラック搬送装置6の検体ラック搬送路60に向けて押し出すプッシャ(図示略)が設けられている。
図1および図2に示すように、検体ラック2は、複数のスピッツ管20を起立保持するためのものである。検体ラック2は、10本のスピッツ管20を保持することができる。但し、検体ラック2の保持数は10本に限られない。検体ラック2は、本発明でいう検体容器保持具の一例に相当する。検体ラック2は、スピッツ管20を保持するための穴状の保持部2aを有している。検体ラック2は、搬送の際、全ての保持部2aにスピッツ管20を保持している必要はない。検体ラック2の側部には窓部2bが設けられている。スピッツ管20に対し、窓部2bを介して各種データを取得するための測定光の照射が行われる。
図1〜図3に示すように、スピッツ管20は、尿カップ1に採取された尿サンプルUを移し替えるのに使用される容器である。スピッツ管20に分注された尿サンプルUは、例えば下流に接続された尿定性測定装置8において、尿定性測定に使用される。スピッツ管は、合成樹脂製であり、具体的には、例えば透明のポリスチレン製である。スピッツ管20は、本発明でいう検体容器の一例に相当する。但し、検体容器は、スピッツ管20に限られず、例えばガラス製の試験管でもよい。
分注装置D1は、後述するように、所定の条件下、検体ラック2を分注位置7bから尿定性測定装置8に向けて強制的に搬送する。その際、検体ラック2に保持されたスピッツ管20に、尿サンプルUが分注されない余剰のスピッツ管20(以下、「分注されないスピッツ管20」という)と、尿サンプルUが分注される分注用のスピッツ管20(以下、「分注されるスピッツ管20」という)とが生じる。ここで、分注されないスピッツ管20は、本発明でいう分注されない検体容器の一例に相当する。
分注装置D1において、尿サンプルUの分注は、検体ラック2を単位として管理される。検体ラック搬送装置6は、検体ラック供給装置5から押し出された検体ラック2を上流から下流に向けて搬送するための装置であり、本発明でいう保持具搬送機構の一例に相当する。図1に示すように、検体ラック搬送装置6は、検体ラック搬送部60、スピッツ管計数部63、検体ラック位置検出部64,65、および光学測定部66を備えている。
図1に示すように、検体ラック搬送路60は、枠部61および搬送コンベア62を具備している。枠部61は、検体ラック2をガイドするためのものであり、検体ラック2の搬送方向に、搬送コンベア62の両側を挟むようにして設けられている。搬送コンベア62は、例えば駆動ベルトが両端に配された一対の回転自在なプーリ(図示略)に掛け回され、一定の経路で循環駆動自在とされている。搬送コンベア62は、駆動・停止を細かく繰り返し可能に構成されている。このような搬送コンベア62の動作は、上記したように、例えば制御部50によって制御されている。検体ラック2は、上流から矢印N3で示すように搬送され、保持しているスピッツ管20への尿サンプルUの分注が完了した後、例えば尿定性測定装置8の要求に応じて、矢印N11に示すように下流に向けた搬送を再開する。
スピッツ管計数部63は、検体ラック2に保持されたスピッツ管20の数量を検知するためのセンサであり、例えば、光学的にスピッツ管20の有無を検知する。検体ラック搬送路60は、尿サンプルUが分注されないスピッツ管20を回収する回収位置7aを有している。スピッツ管計数部63は、回収位置7aよりも上流側に設置されている。
検体ラック位置検出部64は、検体ラック2が搬送されてきたことおよび検体ラック2における各スピッツ管20の位置を例えば光学的に検知するためのセンサであり、回収位置7aに配置されている。尿サンプルが分注されないスピッツ管20を回収するため、制御部50は、検体ラック位置検出部64が出力する信号に基づき、検体ラック搬送路60の動作制御を行う。
検体ラック位置検出部65もまた、検体ラック位置検出部64と同様に、検体ラック2が搬送されてきたことおよび検体ラック2における各スピッツ管20の位置を例えば光学的に検知するためのセンサである。検体ラック搬送路60には、尿カップ1に収容された尿サンプルUをスピッツ管20に分注する分注位置7bが設けられている。スピッツ管20に尿サンプルUを分注するために、制御部50は、検体ラック位置検出部65が出力する信号に基づき、検体ラック搬送路60の動作制御を行う。
光学測定部66は、検体ラック搬送路60において分注位置7bの下流に配置され、スピッツ管20に分注された尿サンプルU自体の光学特性を測定するのに使用され、本発明でいう検体情報検出機構の一例に相当する。光学測定部66は、内部に、遮光された状態で光源および受光素子を有している。光源は、スピッツ管20に向けて光を照射可能である。この光としては、例えば波長が470nm、525nm、635nm、あるいはそれらの近辺の波長の光が用いられる。受光素子は、スピッツ管20内の尿サンプルUを透過した光を受けるものであり、この受光素子の受光量に基づき、尿サンプルUの所定光路長当たりの吸光度などが求められる。この吸光度などは、試薬との反応を生じていない尿サンプルU自体の吸光度であり、例えば尿サンプルUの色調を示す。尿サンプルUの色調は、例えばヘモグロビン濃度を示す。
光学測定部66は、受光素子として、尿サンプルUによって散乱反射された光を受けるためのものを採用してもよい。この受光素子の受光量に基づき、例えば尿サンプルUの濁度を判断することが可能である。
これらの尿サンプルUの吸光度または反射光に関するデータは、制御部70に受け取られる。制御部70はこれらのデータから尿サンプルUの色調や濁度を示すデータを算出し、尿定性測定装置8に送信する。尿サンプルUの色調や濁度を示すデータは、本発明でいう検体情報の一例に相当する。尿定性測定装置8は、これらのデータを用いてクロスチェックを行い、例えば偽陽性、偽陰性の判断に利用する。また、尿定性測定装置8は、これらのデータに基づき、検体ラック搬送装置6による検体ラック2の搬送方法を変更する。具体的には、定性測定自体を行わないことを決定し、当該スピッツ管20が搬送されないようにしたり、搬送されても測定しない措置を取ったりする。
図1に示すように、本体7は、制御部70、スピッツ管回収部72、ラベル貼り付け部73、および分注部74を具備している。制御部70は、制御線71を介して、スピッツ管回収部72、ラベル貼り付け部73、および分注部74と接続されており、これらの動作制御を行う。また、上記したように、制御部70は、分注装置D1を構成する識別情報読み取り装置3、尿カップ搬送装置4、検体ラック供給装置5、および検体ラック搬送装置6と通信線L1と接続されており分注装置D1全体の動作処理を制御している。また、制御部70は、尿定性測定装置8およびホストコンピュータ9と通信線L2を介して接続されており、尿測定システムMS1全体の動作処理を制御している。
制御部70は、読取順序記憶部70a、分注情報取得部70b、およびスピッツ管分別部70cを備えている。
読取順序記憶部70aは、識別情報読み取り装置3で読み取った被験者識別情報の順序を記憶するための部分である。また、読取順序記憶部70aは、検体ラック2毎に、スピッツ管20に対するラベル20aの貼り付けが完了したことを示す記録を識別情報に対応させて記憶することができる。
分注情報取得部70bは、検体ラック2に保持された各スピッツ管20に関する分注情報を取得する。分注情報取得部70bは、本発明でいう分注情報取得機構の一例に相当する。分注情報取得部70bは、読取順序記憶部70aに記憶されたデータから識別情報の数量を把握することが可能に構成されている。分注情報取得部70bは、スピッツ管計数部63によって検知された、当該検体ラック2に保持されたスピッツ管20の数量に関する情報と、読取順序記憶部70aに記憶された識別情報の数量に関する情報とから分注情報を取得する。ここで、分注情報は、例えば、検体ラック2に保持された複数のスピッツ管20の内、どのスピッツ管20に尿サンプルUが分注されたか、分注されていないか、分注される予定であるか、または分注される予定がないかに関する情報である。なお、スピッツ管20の数量に関する情報はスピッツ管計数部63によって検知されるのではなく、固定数量としてもよいし、またはユーザから入力された数量であるなどとしてもよい。
分注装置D1から下流への検体ラック2の搬送は、後述するように、例えば、保持する全てのスピッツ管20に尿サンプルUが分注された場合の他、検体ラック搬送開始ボタン42が押された場合または尿カップ1の識別情報の最後の読み取りから所定時間が経過した場合に強制的に行われる。この際に分注情報が使用される。
スピッツ管分別部70cは、前記分注情報に基づき、検体ラック2に保持されたスピッツ管20から尿サンプルUが分注されないスピッツ管20を分別する。スピッツ管分別部70cは、本発明でいう検体容器分別機構の一例に相当する。
スピッツ管回収部72は、分注されないスピッツ管20を検体ラック2から回収するためのものであり、本発明でいう検体容器回収機構の一例に相当する。スピッツ管回収部72は、図1および図2に示すように、スピッツ管移送部72aおよびスピッツ管回収ボックス72bを具備している。スピッツ管移送部72aは、スピッツ管チャック部72c、駆動部72dおよびレール部72eを具備している。スピッツ管移送部72aは、本発明でいう検体容器移送部の一例に相当する。
スピッツ管回収ボックス72bは、分注されないスピッツ管20をまとめて回収するためのものであり、合成樹脂や金属を用いて形成されている。図1および図2に示すように、スピッツ管回収ボックス72bは、本体7の内部に配置されており、矢印N7で示す方向にユーザが本体7から引き出せるように構成されている。
駆動部72dは、本体7において、スピッツ管チャック部72cを移動させるためのものであり、例えば、ベルトプーリー機構により構成されている。図1に示すように、レール部72eは、平面視において、本体7の内部で斜めに配置されている。スピッツ管チャック部72cは、レール部72eに係合し、駆動部72dによってその上を移動させられる。スピッツ管回収ボックス72bは、レール部72eの途中個所の下方に設けられている。図1および図2に示すように、駆動部72dは、スピッツ管チャック部72cをレール部72eに沿って矢印N5およびN6で示すように水平方向に移動させる。また、図2に示すように、駆動部72dは、スピッツ管チャック部72cを矢印N17およびN18で示すように縦方向に移動させる。
図1および図2に示すように、駆動部72dは、スピッツ管チャック部72cをレール部72eに沿って、矢印N5で示すように斜め前方方向に回収位置7aに向けて移動させる。回収位置7aにおいて、駆動部72dは、スピッツ管チャック部72cを矢印N18で示す下方向に移動させる。スピッツ管チャック部72cは、検体ラック2に保持された分注されないスピッツ管20を把持する。その後、駆動部72dは、分注されないスピッツ管20を把持した状態のスピッツ管チャック部72cを矢印N17で示すように上方向に移動させ、更に矢印N6で示すように斜め後方向に、スピッツ管回収ボックス72bに向けて移動させる。駆動部72dは、スピッツ管回収ボックス72bの上方で、スピッツ管チャック部72cを矢印N18で示す下方向に移動させる。スピッツ管チャック部72cが、分注されないスピッツ管20を放すと、分注されないスピッツ管20は、スピッツ管回収ボックス72bに回収される。
ラベル貼り付け部73は、スピッツ管20にバーコード20bが印刷されたラベル20aを貼り付けるためのものである。ラベル貼り付け部73は、本発明でいう複製情報付与機構の一例に相当する。バーコード20bは、ラベル20aが貼り付けられるスピッツ管20に分注される予定の尿サンプルUが収容された尿カップ1の識別情報に対応する内容を有する。具体的には、ラベル貼り付け部73は、識別情報読み取り装置3で読み取られた識別情報を複製し、それを読み取られた順にバーコード20bの形式でスピッツ管20に付与する。複製された識別情報は、本発明でいう複製情報の一例に相当する。ラベル貼り付け部73は、図1に示すように、スピッツ管回収ボックス72bの位置よりも更に後方に配置されている。スピッツ管20のラベル貼り付け部73への移送は、スピッツ管移送部72aが共用され、スピッツ管回収ボックス72bへの移送と同様に行われる。
スピッツ管20は、検体ラック2においてスピッツ管チャック部72cに把持され、ラベル貼り付け部73に向けて、レール部72eに沿って、矢印N6で示す方向に移送される。ラベル貼り付け部73は、スピッツ管回転機構(図示略)を有しており、スピッツ管20を回転させながら、本体7内で準備された識別情報が印刷されたラベル20aを貼り付ける。ラベルの貼り付けが完了したスピッツ管20は、スピッツ管チャック部72cに再度把持され、矢印N5で示すように、検体ラック2に向けて移送され、検体ラック2によって再度保持される。
分注部74は、ラベル貼り付け部73においてラベル20aが貼り付けられたスピッツ管20に、対応する尿カップ1に収容された尿サンプルUを順番に移し替えるためのものであり、本発明でいう分注機構の一例に相当する。分注部74は、図1〜図3に示すように、尿サンプル移送部74aおよび洗浄部74bを具備している。尿サンプル移送部74aは、分注ノズル74c、駆動部74d、レール部74eを備えている。
分注ノズル74cは、尿カップ1の尿サンプルUをスピッツ管20に分注したり、尿カップ1中の尿を吸排により撹拌したりするためのものである。分注ノズル74cは、図2および図3に示すように、チューブ74jを介して尿サンプルUを吸引・吐出するためのポンプ(図示略)に接続されている。ポンプとして、具体的には、シリンジポンプ等が挙げられる。分注ノズル74cは、尿サンプルUを吸引し、スピッツ管20中に吐出する。
駆動部74dは、分注ノズル74cを移動させるためのものであり、例えば、ベルトプーリー機構により構成されている。図1に示すように、レール部74eは、平面視において、前後方向に延びるように配置されている。分注ノズル74cは、レール部74eに係合されており、駆動部74dによってその上を移動させられる。図1および図3に示すように、駆動部74dは、分注ノズル74cをレール部74eに沿って矢印N8およびN9で示す前後方向に移動させる。また、図2および図3に示すように、駆動部74dは、分注ノズル74cを矢印N19およびN20で示す縦方向に移動させる。
また、図1に示すように、駆動部74dは、分注ノズル74cを、尿カップ搬送路43の分注位置7bに搬送された尿カップ1に向けて、レール部74eに沿って矢印N8で示す前方方向に移動させる。図2および図3に示すように、尿カップ1の上方において、駆動部74dは、分注ノズル74cを矢印N20で示す下方向に移動させる。分注ノズル74cは、尿カップ1中の尿サンプルUを吸引する。その後、駆動部74dは、尿サンプルUを内部に貯留した分注ノズル74cを矢印N19で示す上方向に移動させ、更に、矢印N9で示す後方向に、検体ラック搬送路60の分注位置7bにあるスピッツ管20に向けて移動させる。次に、駆動部74dは、スピッツ管20の上方で、分注ノズル74cを矢印N20で示す下方向に移動させる。分注ノズル74cは、内部に貯留した尿サンプルUをスピッツ管20の内部に吐出し、分注する。分注が完了したら、分注ノズル74cは、N19で示す上方向に移動する。
洗浄部74bは、分注ノズル74cの先端部を洗浄するためのものである。分注を終えた分注ノズル74cは、汚染を防止するために、洗浄部74bで洗浄される。
尿定性測定装置8は、尿試験紙を用いて、尿サンプルUに含まれる特定成分の定性測定処理を行なうためのものであり、図1に示すように、本体部81と、搬送装置87とを有している。尿定性測定装置8は、本発明でいう測定装置の一例に相当する。なお、尿定性測定装置8には、尿サンプルUが分注されたスピッツ管20が搬送されてくる。
図1に示すように、搬送装置87は、スピッツ管20を保持する検体ラック2を一定の経路で搬送する。搬送装置87は、仕切台88により仕切られた2つの移送路87b,87eと、これらの移送路87b,87eの手前側および両側方の三方を囲む枠部87aとを有している。搬送装置87において、検体ラック2は、移送路87bの始端領域に載置されると、駆動ベルト87c,87fを用いて行う駆動により矢印N12〜N14で示す方向に順次搬送されて、最終的に移送路87eの終端領域に到達する。スピッツ管20のバーコード20bの読み取りや、スピッツ管20からの尿サンプルUの採取は、移送路87dにおいて、検体ラック2が矢印N13で示す方向に移送される過程において行なわれる。
図1に示すように、尿定性測定装置8の本体部81は、試験紙供給部82、識別情報読み取り部(図示略)、尿サンプル採取ノズル83、測定部84、プリンタ(図示略)、表示部(図示略)、および制御部80を備えている。
尿定性測定装置8による尿定性測定は、尿試験紙を用いて行われる。尿試験紙は、試験紙供給部82から供給される。測定動作が開始すると、試験紙は試験紙供給部82から測定部84を構成する載置台に自動的に載置される。なお、試験紙は、一つ以上の試薬パッドが、プラスチック製のスティック上に貼り付けられたものである。
試験紙によれば、各試薬パッドに含まれる試薬の違いにより、尿サンプルU中の所定の成分と反応し、かつその成分の濃度に対応した度合いに発色するように構成されており、所定の測定項目の定性値または半定量値を測定することができる試験紙を用いて測定可能な測定項目は、例えば、ブドウ糖(GLU)、蛋白質(PRO)、ウロビリノゲン(URO)、ビリルビン(BIL)、クレアチニン(CRE)、アルブミン(ALB)、pH、潜血(BLD)、ケトン体(KET)、亜硝酸塩(NIT)、白血球(LEU)、尿中蛋白質/クレアチニン比(P/C)、およびアルブミン/クレアチニン比(A/C)である。
図2および図3に示すように、スピッツ管20には、例えばバーコード20bが印刷されたラベル20aが貼り付けられている。このバーコード20bには、尿サンプルUの提供者の識別情報が記録されている。識別情報読み取り部は、例えばバーコードリーダであり、正面に検体ラック2が搬送されてくると、スピッツ管20に貼り付けられたラベル20aから識別情報を読み取る。制御部80は、この識別情報に基づいて、ホストコンピュータ9に照会することにより、その尿サンプルUに対してオーダーされた測定項目を知ることができる。
尿サンプル採取ノズル83は、スピッツ管20から尿サンプルUを所定量吸引して採取するためのものである。図1に示すように、尿サンプル採取ノズル83は、移送路87dに設けられた尿サンプル採取部と測定部84との間を矢印N15およびN16で示すように移動し、尿サンプルUを測定部84に供給する。尿サンプル採取ノズル83は、尿サンプル採取ノズル駆動部(図示略)によって、尿サンプルUの採取動作および尿試験紙の試薬パッドへの点着動作を行う。
測定部84は、載置台(図示略)と光学測定器(図示略)とを具備している。載置台には、試験紙が載置される。尿サンプル採取ノズル83によって採取された尿サンプルUは、試験紙の試薬パッド上に所定量ずつ点着される。光学測定器は、尿サンプルUが点着された各試薬パッドの発色度合いを光反射率などとして測定可能に構成されている。光学測定器により取得された測定データに基づき、尿サンプルU中の所定成分の定性値または半定量値が算出される。
尿サンプルUの尿定性測定結果を被験者の識別情報に関連付けて所定の用紙に印字出力するプリンタを具備している。液晶表示パネルなどの画像表示画面を備えており、例えば測定結果や尿定性測定装置8の操作をガイドするための画面表示を行なう表示部を備える。表示部は、例えばタッチパネルにより構成されており、ユーザは、表示部から尿定性測定に必要なデータなどを入力することができる。
制御部80は、例えばマイクロコンピュータを用いて構成されており、尿定性測定装置8の各部の動作処理の制御を行う。制御部80は、記憶部を含んでおり、この記憶部には尿定性測定装置8の各部の動作制御や各種のデータ処理を制御部80に実行させるためのプログラムや各種のデータが記憶されている。また、記憶部には、例えば測定部84によって取得された尿定性測定結果が一時的に記憶される。尿定性測定結果は、識別情報に関連付けされた対情報として、通信線L2を介してホストコンピュータ9に送信される。
次に、図4(A)〜図4(E)および図5を参照して、測定システムMS1における尿カップ1からスピッツ管20への尿サンプルUの移し替え動作について説明する。併せて、図6に示すフローチャートを参照しつつ、制御部70の動作処理手順について説明する。
図4(A)に示すように、ユーザは、尿カップ1のラベル10に印刷された識別情報を示すバーコード10aを識別情報読み取り装置3に読み取らせ、尿カップ1を搬送コンベア45に矢印N1で示すように載置する。制御部70は、識別情報の読み取りをチェックし(S1)、読み取りが有った場合(S2:YES)、識別情報読み取り装置3から当該識別情報を受信し、受信順に読取順序記憶部70aに記憶する(S3)。新たな読み取りがない場合には(S2:NO)、制御部70は、ユーザが検体ラック搬送開始ボタン42を押したか否かのチェックを行う(S17)。
次に、尿カップ搬送装置4は、矢印N2で示すように尿カップ搬送路43上の分注位置7bに向けて尿カップ1を搬送する(S4)。次に、検体ラック位置検出部64が、検体ラック搬送路60の回収位置7aにおける検体ラック2の有無をチェックする(S5)。検体ラック2がない場合には(S6:NO)、図4(B)に示すように、検体ラック2が、検体ラック供給部51から供給され、保持されているスピッツ管20の数量が、スピッツ管計数部63により計数され、制御部70に記憶される(S8)。その際、読取順序記憶部70aにおいて、当該検体ラック2に保持された各スピッツ管20が、既に読み込まれた識別情報と順番に対応付けられる。また、更に新たな識別情報が読み込まれる毎に、順次対応付けが行われる。次に、図4(C)に示すように、尿サンプルUが分注されるスピッツ管20は、駆動部72dによって、矢印N6で示すようにラベル貼り付け部73に移送され、ラベル20aが貼り付けられた後、検体ラック2に戻される(S7)。なお、ラベル貼り付け部73は、読取順序記憶部70aを参照し、古い順にバーコード20bの形式でラベル20aに印刷し、スピッツ管20に貼り付ける。ラベル20aには、分注される予定の尿サンプルUが収容された尿カップ1に対応する識別情報が印刷される。一方で、検体ラック2が有る場合にも(S6:YES)、同様に、ラベル20aが貼り付けられた後、検体ラック2に戻される(S7)。これに対応して、制御部70は、読取順序記憶部70aにラベル貼り付け完了を記録する(S9)。
次に、検体ラック搬送路60は、回収位置7aに次の未使用スピッツ管20が来るように、分注位置7bに向けて検体ラック2を搬送する(S10)。次に、分注位置7bにおいて、尿サンプルUがスピッツ管20の有無をチェックする(S11)。分注位置7bにスピッツ管20がある場合には(S12:YES)、図4(D)および図5に示すように、分注ノズル74cは、尿カップ1から尿サンプルUを吸引した後、矢印N9で示すように検体ラック搬送路60上の分注位置7bに搬送され、スピッツ管20に尿サンプルUを所定量分注する(S13)。そして、尿カップ搬送路43は、尿サンプルUの吸引が完了した尿カップ1を矢印N10で示すようにカップ排出部43bに向けて搬送する(S14)。なお、この尿サンプルUが分注されたスピッツ管20は、尿カップ1に対応する識別情報が印刷されたラベル20aが貼り付けられたものである。一方で、分注位置7bにスピッツ管20がない場合には(S12:NO)、制御部70は、検体ラック搬送開始ボタン42が押されたか否かのチェックを行う(S17)。
次に、制御部70は、その検体ラック2における新たに使用可能なスピッツ管20の有無をチェックする(S15)。使用可能なスピッツ管20がある場合には(S16:YES)、制御部70は、ユーザが検体ラック搬送開始ボタン42を押したか否かのチェックを行う(S17)。検体ラック搬送開始ボタン42が押されたことを検知した場合(S18:YES)、制御部70は、検体ラック2における分注されないスピッツ管20の分別を行う(S21)。分注情報取得部70bは、当該検体ラック2に保持されたスピッツ管20の数量に関する情報と、当該検体ラック2におけるラベル20aの貼り付けが完了したとの記録を有する識別情報の数量に関する情報とから検体ラック搬送開始ボタン42が押された時点での各スピッツ管20に関する分注情報を取得する。スピッツ管分別部70cは、分注情報取得部70bにより得られる分注情報に基づいて、当該検体ラック2に保持された複数のスピッツ管20から、尿サンプルUが分注されないスピッツ管20を分別する。一方で、その検体ラック2に使用可能なスピッツ管20がない場合(S16:NO)、検体ラック搬送路60は下流側に接続された尿定性測定装置8に向けて検体ラック2を搬送する(S24)。
検体ラック搬送開始ボタン42が押されなかった場合(S18:NO)、制御部70は、最後に識別情報読み取り装置3によるバーコード読み取りが行われてからの経過時間を計測し、所定時間が経過したか否かのチェックを行う(S19)。所定時間が経過していない場合(S20:NO)、制御部70は、尿カップ1の読み取りのチェックに戻る(S1)。一方で、所定時間が経過した場合(S20:YES)、スピッツ管分別部70cは、検体ラック搬送開始ボタン42が押された場合と同様にして、分注されないスピッツ管20の分別を行う(S21)。所定時間は、例えば1〜10分から選択される。
その検体ラック2に分注されないスピッツ管20がある場合(S22:YES)、図4(D)に示すように、スピッツ管回収部72は、分注されないスピッツ管20を検体ラック2から取り出し、矢印N6で示す方向にスピッツ管回収ボックス72bに搬送し回収する(S23)。この回収処理においては、並行して、その検体ラック2に保持されている、ラベル20a貼り付け済みのスピッツ管20への尿サンプルUの分注が行われる。カップストッパ46は、それ以降の尿カップ1の搬送を停止する。回収処理後、図4(E)に示すように、検体ラック2は、尿定性測定装置8に向けて搬送される(S24)。一方で、その検体ラック2に分注されないスピッツ管20がない場合には(S22:YES)、ラベル20a貼り付け済みのスピッツ管20への尿サンプルUの分注が行われた後、検体ラック2は、尿定性測定装置8に向けて搬送される(S24)。
次に、分注ノズル74cは、洗浄部74bにおいて先端部74hを洗浄後、矢印N8で示すように次の動作の準備のため尿カップ搬送路43上に移動する。また、スピッツ管チャック部72cは、矢印N5で示すように検体ラック搬送路60上に移動する。
以上のように、分注装置D1において、検体ラック2は、保持する全てのスピッツ管20に尿サンプルUが分注された場合、検体ラック搬送開始ボタン42が押された場合、または最後の尿カップ1の識別情報の読み取りから所定時間が経過した場合に、尿定性測定装置8に向けて搬送される。本例においては、1個の尿カップ1しか搬送されていないので、10本中9本のスピッツ管20が回収される。
本実施形態によれば、分注装置D1は、検体ラック2に保持されたスピッツ管20の内、尿サンプルUが分注されないスピッツ管20を自動的に分別し回収する機構を備える。これにより、分注されないスピッツ管20を再使用するための分別・回収作業を省力化することができるので、ユーザにとって便利である。
また、分注装置D1において、制御部70は、検体ラック2における分注されないスピッツ管20の数量の把握を、検体ラック2に保持されたスピッツ管20の総数と、識別情報読み取り装置3が尿カップ1から読み取る識別情報の数量とに基づいて行う。この場合、分注されないスピッツ管20の数量を検知する特別のセンサが必要ないので、分注装置D1の製造コストの削減を図ることができる。
また、分注装置D1は、検体ラック搬送装置6に、分注位置7aにある検体ラック2の下流への搬送を開始させる検体ラック搬送開始ボタン42を具備している。これにより、ユーザは任意の時点で検体ラック2の下流への搬送を再開することができるので、検体ラック2の搬送の迅速化を図ることができる。また、目的の尿サンプルUが分注されたスピッツ管20の搬送を迅速に行うことができる。
また、分注装置D1は、尿カップ1が所定時間搬送されて来ない場合に、分注されないスピッツ管20を回収した後に検体ラック2の下流への搬送を開始するように構成されている。これにより、検体ラック2の搬送の迅速化を図ることができる。
また、分注装置D1において、スピッツ管回収部72は、回収された分注されないスピッツ管20をまとめて保管するスピッツ管回収ボックス72bを具備している。これにより、分注されないスピッツ管20を集める作業を省力化することができるので、ユーザにとって便利である。
また、分注装置D1は、下流側に、スピッツ管20に分注された尿サンプルUに含まれる特定成分の測定を行う尿定性測定装置8が接続されている。これにより、尿カップ1からスピッツ管20への尿サンプルUの分注をし、分注されないスピッツ管20を回収した後に尿サンプルUに含まれる特定成分の測定を自動的に連続して行うことができる。これにより、尿サンプルU測定の迅速化および省力化を図ることができる。
また、分注装置D1は、スピッツ管20に分注された尿サンプルU自体の光学特性を測定するための光学測定部66を具備しており、尿定性測定装置8に対しこの測定情報を送信する。尿定性測定装置8は、前記測定情報に基づき、クロスチェックを行ったり、尿定性自体を行わないように測定動作を制御する。これにより、尿定性測定装置8における測定の精度向上、迅速化、省力化を行うことができる。
[第2の実施形態]
図7は、本発明に係る測定システムの他の実施形態を示している。同図において、第1の実施形態と同一または類似の要素には、第1の実施形態と同一の符号を付している。同一の符号が付された要素については、詳細な説明を省略する。
図7に示すように、測定システムMS2は、分注装置D2を具備している。測定システムMS2は、測定システムMS1と同様、例えば病院の検査室などに設置されている。測定システムMS2は、分注装置D2が検体ラック搬送装置6Aを備えている点で、測定システムMS1と相違している。
検体ラック搬送装置6Aは、分注検知部67Aおよび搬送コンベア62Aを具備している。分注検知部67Aは、検体ラック2に保持されたスピッツ管20に尿サンプルUが分注されているか否かを検知するためのセンサである。分注検知部67Aは、検体ラック2における尿サンプルUが分注されなかったスピッツ管20または分注されたスピッツ管20の数量を計数することができる。ここで、尿サンプルUが分注されなかった余剰のスピッツ管20は、本発明でいう分注されない検体容器の一例に相当する。分注検知部67Aは、検体ラック搬送路60において、分注位置7bの下流側に配置されている。分注検知部67Aは、具体的には、光学的センサ,液面検知センサ、赤外線による液量センサ、重量による液量センサ等、どのようなものであってもよい。分注情報取得部70bは、分注検知部67Aによって検知された情報から分注情報を取得する。スピッツ管分別部70cは、分注情報取得部70bによって得られた分注情報に基づき、検体ラック2に保持された複数のスピッツ管20から尿サンプルUが分注されなかったスピッツ管20を分別する。
搬送コンベア62Aは、駆動・停止を細かく繰り返すことができる他に、矢印N21で示すように検体ラック2を上流方向にも搬送できるように構成されている。分注位置7bにおいて検体ラック2に保持された複数のスピッツ管20に尿サンプルUが分注された後、分注検知部67Aが、尿サンプルUが分注されなかったスピッツ管20を検出した場合、制御部50は、矢印N21で示す方向に回収位置7aまで検体ラック2を搬送する。回収位置7aにおいて、スピッツ管回収部72が、分注されないスピッツ管20の回収を実行する。回収後、検体ラック2は、矢印N11で示す下流方向に搬送される。
本実施形態によれば、分注装置D2は、検体ラック2に保持されたスピッツ管20の内、検体が分注されなかった余剰のスピッツ管20を自動的かつ確実に分別し回収することができる。これにより、分注されなかったスピッツ管20を再使用するための分別・回収作業を省力化することができるので、ユーザにとって便利である。
[第3の実施形態]
図8は、本発明に係る測定システムの他の実施形態を示している。同図において、第1の実施形態と同一または類似の要素には、第1の実施形態と同一の符号を付している。同一の符号が付された要素については、詳細な説明を省略する。
上記した特許文献1では、尿カップ1がそのまま適正かつ自動的に移送されれば、ユーザが何ら操作を行うことなしに、スピッツ管20に正しいラベル貼り付けることができる。しかしながら、ユーザが、識別情報読み取り装置3で識別情報を読み取った後で、尿カップ1を動かしてしまったり、読み取り順序と異なる順序で尿カップ1を尿カップ搬送路43に載置してしまったり、識別情報を読み取らないで尿カップ搬送路43に載置してしまった場合には、スピッツ管20に貼り付けられたラベル20aに印刷されたバーコード20bに対応しない尿カップ1の尿サンプルUが分注されてしまい、その結果、尿サンプルUの取り違えが発生する可能性がある。
そこで、ユーザが誤って尿カップ1を尿カップ搬送路43に載置した場合でも、尿サンプルUの取り違えを防ぎ、また正しく修正することができるシステムを提供する必要がある。
図8に示すように、測定システムMS3は、分注装置D3を具備している。測定システムMS3は、測定システムMS1と同様、例えば病院の検査室などに設置されている。測定システムMS3は、分注装置D3が尿カップ搬送装置4Aを備えている点で、測定システムMS1と相違している。
尿カップ搬送装置4Aは、尿カップ回転機構48、バーコードリーダ49a、警報器49b、および警報解除ボタン49cを具備している。
尿カップ回転機構48は、尿カップ搬送路43において、スピッツ管20を回収する回収位置7aおよび分注位置7bよりも上流側に設置されている。尿カップ回転機構48は、搬送コンベア45上を搬送される尿カップ1を回転させ、後述するバーコードリーダ49aに合わせて、側部に貼り付けられたラベル10の向きを一定方向に調整する。これにより、後述するバーコードリーダ49aが、ラベル10に印刷されたバーコード10aを自動的に読み取ることができるようになる。なお、尿カップ回転機構48は、本発明でいう位置調整機構の一例に相当する。
バーコードリーダ49aは、尿カップ1のバーコード10aを尿カップ搬送路43で搬送される順に読み取るためのものである。バーコードリーダ49aは、識別情報読み取り装置3とは別に、尿カップ搬送路43上のスピッツ管回収位置7aの近傍に配置されている。バーコードリーダ49aは、本発明でいう識別情報確認機構の識別情報読み取り部の一例に相当する。バーコードリーダ49aは、識別情報読み取り装置3で読み取った後に、尿カップ搬送装置4Aによって順次搬送されてきた尿カップ1の識別情報を読み取る。
警報器49bは、バーコードリーダ49aで読み取った識別情報の順序と制御部70の読取順序記憶部70aにおいて記憶されている識別情報の順序とが相違する場合に、そのことをユーザに報知するためのものである。警報器49bは、本発明でいう報知機構の一例に相当する。警報器49bは、具体的には、警告ランプや警告アラーム等であり、緊急時にランプを点灯させたり、アラームを鳴らしたりする。
警報解除ボタン49cは、ユーザが尿カップ搬送路43を流れる複数の尿カップ1の順序を修正する措置を完了し、再度搬送を開始する場合に押すためのボタンである。制御部70は、制御部40を介してこの信号を受信すると、警報器49bを停止させる。
次に、図8を参照して、測定システムM3における尿カップ1からスピッツ管20への尿サンプルUの移し替え動作について説明する。併せて、図9および図10に示すフローチャートを参照しつつ、本体7の制御部70の動作処理手順について説明する。
図9に示すように、測定システムMS3における制御部70の動作処理は、図6に示すフローチャートと識別情報読み取り順チェックサブルーチンS30を有する点で異なっている。図10に識別情報読み取り順チェックサブルーチンS30の詳細を示す。
図8に示すように、ユーザは、例えば、識別情報読み取り装置3で識別情報を読み取ることなく、誤って、矢印N17で示すように尿カップ搬送路43に尿カップ1を載置する。この場合、被験者の識別情報は、読取順序記憶部70aに記憶されない。識別情報読み取り順チェックサブルーチンS30において、バーコードリーダ49aが尿カップ1のバーコード10aの読み取りを行う(S31)。次に、制御部70は、読取順序記憶部70aに記憶された識別情報の読み取り順と搬送順との相違の有無のチェックを行う(S32)。相違がある場合(S33:YES)、尿カップ搬送装置4Aが、尿カップ1の搬送を停止し(S34)、警報器49bが、ユーザに対し異常を報知する(S35)。一方で、相違がない場合には(S33:NO)、サブルーチンを終了する。
次に、制御部70は、読取順序記憶部70aにおけるバーコードリーダ49aが読み取った識別情報の有無(誤りの有無)をチェックする(S36)。誤りがある場合(S37:YES)、誤った識別情報を削除する(S38)。誤りがある場合(S37:YES)、誤った識別情報を削除する(S38)。誤りがない場合には(S37:YES)、識別情報再読み取りチェック(S39)に進む。なお、ユーザが、識別情報読み取り装置3で識別情報を読み取った後で、尿カップ1を動かしてしまったり、読み取り順序と異なる順序で尿カップ1を尿カップ搬送路43に載置してしまったりした場合には、読取順序記憶部70aに誤った識別情報が存在する。一方で、識別情報を読み取らないで尿カップ搬送路43に載置してしまった場合には、読取順序記憶部70aに誤った識別情報は存在しない。
次に、制御部70は、ユーザが当該尿カップ1のバーコード10aを識別情報読み取り装置3に読み取らせたか否かをチェックする(S39)。読み取りが行われた場合には(S40:YES)、制御部70は、読取順序記憶部70aに識別情報を追加し、ユーザが警報解除ボタン49cを押したか否かをチェックする(S41)。読み取りが行われない場合には(S40:NO)、制御部70は、読み取りチェックを繰り返す(S39)。警報解除ボタン49cが押された場合には(S42:YES)、警報器49bは異常報知を停止する(S43)。警報解除ボタン49cが押されない場合には(S42:NO)、制御部70は、警報解除ボタン49cの押し下げチェックを繰り返す(S42)。次に、尿カップ搬送装置4Aは、尿カップ1の搬送を再開(S44)する。この処理が終了したら、サブルーチンを終了する。なお、ユーザが、識別情報読み取り装置3で尿カップ1の識別情報を読み取った場合でも、順序を誤って、尿カップ搬送路43に尿カップ1を載置した場合でも同様の処理が行われる。
本実施形態によれば、尿カップ搬送装置4Aによって順次搬送されてきた尿カップ1の識別情報を読み取るバーコードリーダ49aの読み取り結果に順序の誤りがある場合に、ユーザに対して報知する警報器49bを備えているので、ユーザが誤って尿カップ1を尿カップ搬送路43に載置した場合でも、検体の取り違えを防ぎ、正しく修正することができる測定システムMS3を提供できる。尿サンプルUがスピッツ管20に分注される前に順序の誤りをチェックできるので、無駄に尿サンプルUの分注を行うことを防止することができる。
また、バーコードリーダ49aにあわせて、尿カップ搬送路43において搬送中の尿カップ1のラベル10の向きを調整する尿カップ回転機構48を備え、尿カップ1の被験者識別情報の読み取りを確実に行うことができる。そのため、精度のよい尿サンプルUの移し替えを行うことができる。
[第4の実施形態]
図11は、本発明に係る測定システムの他の実施形態を示している。同図において、第3の実施形態と同一または類似の要素には、第3の実施形態と同一の符号を付している。同一の符号が付された要素については、詳細な説明を省略する。
図11に示すように、測定システムMS4は、分注装置D4を具備している。測定システムMS4は、分注装置D4が尿カップ搬送装置4Bを備えている点で、測定システムMS3と相違している。
尿カップ搬送装置4Bは、尿カップ回転機構48A、バーコードリーダ49Aa、警報器49Ab、および警報解除ボタン49Acを具備している。これらは、それぞれ、測定システムMS3の尿カップ搬送装置4Aにおける尿カップ回転機構48、バーコードリーダ49a、警報器49b、および警報解除ボタン49cと同様の機能を有している。その一方で、これらは、分注位置7bの下流側に配置されている点で、尿カップ搬送装置4Aと異なっている。
図12に示すように、測定システムMS4における制御部70の動作処理は、図6に示すフローチャートと識別情報読み取り順チェックサブルーチンS50を有する点で異なっている。図13に取り順チェックサブルーチンS50の詳細を示す。
次に、図11を参照して、測定システムMS4における尿カップ1からスピッツ管20への尿サンプルUの移し替え動作について説明する。併せて、図12および図13に示すフローチャートを参照しつつ、本体7に含まれる制御部70の動作処理手順について説明する。
図11に示すように、ユーザは、例えば、識別情報読み取り装置3で尿カップ1の識別情報を読み取ることなく、誤って、矢印N17で示すように尿カップ搬送路43に尿カップ1を載置する。この場合、被験者の識別情報は、読取順序記憶部70aに記憶されない。識別情報読み取り順チェックサブルーチンS50において、バーコードリーダ49Aaが尿カップ1のバーコード10aの読み取りを行う(S51)。次に、制御部70は、読取順序記憶部70aに記憶された識別情報の読み取り順と搬送順との相違の有無のチェックを行う(S52)。相違がある場合(S53:YES)、警報器49Abが、ユーザに対し異常を報知する(S54)。相違がない場合には(S53:NO)、サブルーチンを終了する。
次に、制御部70は、液晶モニタや印刷により、どのバーコード10aの尿カップ1の尿サンプルUが、どのラベル20aのスピッツ管20に分注されたかを報告する(S55)。所定時間経過後、警報器49Abは、異常報知を停止する(S56)。この処理が終了したら、サブルーチンを終了する。
なお、ユーザが、識別情報読み取り装置3で被験者の識別情報を読み取った場合でも、順序を誤って、尿カップ搬送路43に尿カップ1を載置した場合も同様の処理が行われる。
本実施形態によれば、ユーザが誤って尿カップ1を尿カップ搬送路43に載置した場合でも、検体の取り違えを防ぎ、正しく修正することができる測定システムMS4を提供できる。本実施形態では、警報器49bが警報を行う時点では既にスピッツ管20への尿サンプルUの分注が完了しているが、分注動作をストップしなくてもよいという利点を有する。
分注装置D4は、どのバーコード10aの尿カップ1の尿が、どのラベル20aのスピッツ管20に分注されたかを報告する機能を有している。スピッツ管20のラベル20aをどのように貼り変えれば良いのかをサポートする機能を有することで、ユーザが手動でスピッツ管20へラベル20aを貼り直すことが確実にできる。その結果、尿サンプルUの無駄を省くことができる。
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係る分注装置、測定システムおよび分注方法の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
例えば、尿カップ搬送路43が分注位置7bから開始し、ユーザが尿カップ1を分注位置7bに載置する構成、検体ラック搬送装置6が分注位置7aから開始する構成、またはスピッツ管20のスピッツ管回収ボックス72bへの移送は、ラベル貼り付け部73への移送と共用されることなく単独の移送機構で移送される構成に変更可能である。また、分注情報取得機構(分注情報取得部70b)が、分注情報をユーザやホストコンピュータ9から取得する構成、または尿カップ搬送装置4上に設けられた計数カウント機構(赤外線センサ等)から取得する構成に変更可能である。また、分注装置D1〜D4の動作制御において、検体容器の回収を、例えば、制御部30から指示されること、特定の識別手段を読み取ること、緊急測定検体の情報が入力されること、または所定の時刻になることをきっかけとして開始するプログラムを採用する構成に適宜変更可能である。
第1の実施形態において、分注情報取得機構(分注情報取得部70b)が、検体ラック位置検出部64によって得られる、検体ラック2のどのスピッツ管20が回収位置7aにあるかに関する情報から分注情報を取得する構成としてもよい。この場合、検体容器分別機構(スピッツ管分別部70c)は、回収位置7aよりも上流にあるスピッツ管20を分注されないスピッツ管20と分別する。
第1の実施形態〜第4の実施形態において、分注装置D1〜D4の下流側に尿定性測定装置8が接続されている測定システムMS1〜MS4について説明した。分注装置D1〜D4に接続されるのは測定装置に限られず、尿サンプルUが分注されたスピッツ管20を保管するスピッツ管保管部を接続する構成としてもよい。また、測定装置の下流にスピッツ管保管部を更に接続する構成としてもよい。
D1,D2,D3,D4 分注装置
MS1,MS2,MS3,MS4 測定システム
U 尿サンプル(検体)
1 尿カップ(検体採取容器)
2 検体ラック(検体容器保持具)
20 スピッツ管(検体容器)
3 識別情報読み取り装置(識別情報読み取り機構)
4,4A,4B 尿カップ搬送装置(検体採取容器搬送機構)
42 検体ラック搬送開始ボタン42(保持具搬送開始入力部)
6,6A 検体ラック搬送装置(保持具搬送機構)
66 光学測定部(検体情報検出機構)
70b 分注情報取得部(分注情報取得機構)
70c スピッツ管分別部(検体容器分別機構)
72 スピッツ管回収部(検体容器回収機構)
72a スピッツ管移送部(検体容器移送部)
72b スピッツ管回収ボックス(検体容器保管部)
74 分注部(分注機構)
8 尿定性測定装置(測定装置)

Claims (7)

  1. 検体採取容器に付与された識別情報を読み取る識別情報読取手段と、
    前記識別情報読取手段によって前記識別情報が読み取られた検体採取容器内に収容された検体を、分注位置に位置する検体容器保持具に保持された複数の検体容器のいずれかに分注する分注手段と、
    前記検体容器保持具を、前記分注位置から下流に向けて搬送する保持具搬送手段と、
    前記保持具搬送手段の搬送を開始させる保持具搬送開始入力手段と、
    前記複数の検体容器における検体の有無を検知する分注検知手段と、
    前記分注検知手段が検知した前記検体の有無に関する情報に基づき、前記複数の検体容器から検体が分注されていない検体容器を分別する検体容器分別手段と、
    前記検体容器分別手段が分別した前記分注されていない検体容器を前記検体容器保持具から回収する検体容器回収手段と、
    を備えた分注装置であって
    前記識別情報読取手段が前記識別情報を読み取ってから所定時間が経過した場合、または前記所定時間が経過するまでに前記保持具搬送開始入力手段に搬送開始の入力があった場合、前記検体容器回収手段が、前記分注検知手段が検体を検知しなかった前記検体が分注されていない検体容器の回収後に、前記保持具搬送手段が前記検体容器保持具の前記分注位置から下流に向けた搬送を開始する、分注装置。
  2. 前記検体容器回収手段は、
    前記分注されていない検体容器を保管する検体容器保管部と、
    前記分注されていない検体容器を前記検体容器保持具から取り出し、前記検体容器保管部に向けて搬送する検体容器移送部と、を含む、請求項1に記載の分注装置。
  3. 前記分注されていない検体容器に対し、前記検体採取容器に付された前記識別情報に対応する複製情報を付与する複製情報付与機構を更に備え、
    前記検体容器移送部は、前記分注されていない検体容器を前記検体容器保持具から取り出し、前記複製情報付与機構に向けて搬送する、請求項に記載の分注装置。
  4. 前記保持具搬送手段は、下流側に配置された測定装置に接続されており、
    前記測定装置は、前記複数の検体容器のいずれかに分注された検体に含まれる特定成分
    の測定を行うためのものである、請求項1〜のいずれかに記載の分注装置。
  5. 前記複数の検体容器のいずれかに分注された検体の検体情報を検出する検体情報検出機構を更に備え、
    前記検体情報検出機構が取得した前記検体情報を、前記測定装置に送信する、請求項に記載の分注装置。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の分注装置を備え、
    前記保持具搬送手段の下流側に接続され、前記複数の検体容器のいずれかに分注された検体に含まれる特定成分の測定を行う測定装置を更に備える、測定システム。
  7. 検体採取容器に付与された識別情報を読み取る識別情報読取ステップと、
    前記識別情報読取ステップによって前記識別情報が読み取られた検体採取容器内に収容された検体を、分注位置に位置する検体容器保持具に保持された複数の検体容器のいずれかに分注する分注ステップと、
    前記検体容器保持具を、前記分注位置から下流に向けて搬送する保持具搬送ステップと、
    前記保持具搬送ステップにおいて搬送を開始させる保持具搬送開始入力ステップと、
    前記複数の検体容器における検体の有無を検知する分注検知ステップと、
    前記分注検知ステップにおいて検知した前記検体の有無に関する情報に基づき、前記複数の検体容器から検体が分注されていない検体容器を分別する検体容器分別ステップと、
    前記検体容器分別ステップにおいて分別した前記分注されていない検体容器を前記検体容器保持具から回収する回収ステップと、
    を含む分注方法であって、
    前記識別情報読取ステップにおいて前記識別情報を読み取ってから所定時間が経過した場合、または前記所定時間が経過するまでに前記保持具搬送開始入力ステップにおいて搬送開始の入力があった場合、前記検体容器回収ステップにおいて前記検体が分注されていない検体容器の回収後に、前記保持具搬送ステップにおいて前記検体容器保持具の前記分注位置から下流に向けた搬送を開始する保持具搬送開始ステップ、を有する、分注方法。
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