JP6698266B2 - 細胞容器、細胞収納装置、細胞収納装置の外装体、細胞収納装置の使用方法 - Google Patents

細胞容器、細胞収納装置、細胞収納装置の外装体、細胞収納装置の使用方法 Download PDF

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Description

本発明は、細胞容器、細胞収納装置、細胞収納装置の外装体、細胞収納装置の使用方法に関する。
現在、細胞の保存や輸送に用いる容器として、ポリスチレン(PS)製容器、ポリプロピレン(PP)製容器、またはガラス製容器が用いられている。しかしながら、これらの容器では、接着性の高い特殊な細胞においては、保存または輸送中に容器の内面に細胞が接着してしまうという問題がある。細胞が接着することを抑制できる容器は、現在存在しておらず、開発が求められている。
特許文献1には、プラスチック製のチューブの内面に物質が吸着することを抑制するために、チューブの内面に親水性ポリマーを含む親水性層を形成することが開示されている。
特開2009−137653号公報
容器の内面に細胞が接着することを抑制する方法として、容器の内面に親水性ポリマー(例えば、MPCポリマー)をコーティングする方法が考えられる。しかしながら、細胞の保存や輸送に用いる容器では、保存または輸送中に振動や衝撃を受けることが多いため、親水性ポリマーが容器の内面から剥がれ落ちる可能性がある。
本発明は、以上のような問題点に着目し、これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明の目的は、容器の内面に細胞が接着することを抑制できるとともに、このような細胞に対する非接着性を安定的に維持できる細胞容器を提供することにある。
本発明は、細胞を含む細胞含有保存液が充填された細胞容器であって、前記細胞容器の内面には、微細突起が形成されており、前記微細突起の配置ピッチは、60nm以上かつ前記細胞の平均径以下であり、前記微細突起の高さは、前記細胞の平均径×1/2以上であり、前記微細突起の頂部の短辺の長さは、前記細胞の平均径×1/40以下であることを特徴とする細胞容器である。
好ましくは、前記微細突起間の隙間に空気が存在する。
具体的には、例えば、前記細胞含有保存液は、注射用保存液である。
また、本発明は、細胞を含む細胞含有保存液が充填された細胞容器と、前記細胞容器を収納する外装体と、を備え、前記細胞容器の内面には、微細突起が形成されており、前記微細突起の配置ピッチは、60nm以上かつ前記細胞の平均径以下であり、前記微細突起の高さは、前記細胞の平均径×1/2以上であり、前記微細突起の頂部の短辺の長さは、前記細胞の平均径×1/40以下であることを特徴とする細胞収納装置である。
また、本発明は、細胞を含む細胞含有保存液が充填された細胞容器と、前記細胞容器を収納する外装体と、を備え、前記細胞容器の内面には、微細突起が形成されており、前記微細突起の配置ピッチは、60nm以上かつ前記細胞の平均径以下であり、前記微細突起の高さは、前記細胞の平均径×1/2以上であり、前記微細突起の頂部の短辺の長さは、前記細胞の平均径×1/40以下である、という細胞収納装置に用いられる外装体であって、前記細胞容器の一端側を押し挟むニップ部と、前記細胞容器に対して前記ニップ部とは反対側に設けられた貫通孔と、を備えたことを特徴とする外装体である。
また、本発明は、細胞容器と外装体とを備えた細胞収納装置の使用方法であって、細胞を含む細胞含有保存液が充填された前記細胞容器を準備する工程と、前記細胞容器を前記外装体内に収納する工程と、前記外装体の外方から注射針を前記細胞容器に突き刺して前記細胞含有保存液を吸引する工程と、を備え、前記細胞容器の内面には、微細突起が形成されており、前記微細突起の配置ピッチは、60nm以上かつ前記細胞の平均径以下であり、前記微細突起の高さは、前記細胞の平均径×1/2以上であり、前記微細突起の頂部の短辺の長さは、前記細胞の平均径×1/40以下であることを特徴とする使用方法である。
好ましくは、前記細胞容器を冷却して前記細胞を凍結保存する工程を更に備える。
本発明によれば、容器の内面に細胞が接着することを抑制できるとともに、このような細胞に対する非接着性を安定的に維持できる。
図1は、本発明の第1の実施の形態による細胞容器を備えた細胞収納装置を示す斜視図である。 図2は、図1の細胞収納装置の側面視断面図である。 図3は、図1の細胞収納装置における細胞容器を示す平面図である。 図4は、図3の細胞容器のA−A線切断断面図である。 図5は、図3の細胞容器の内面に形成された微細突起を拡大して示す側面視断面図である。 図6は、図5の微細突起の平面図である。 図7(a)〜図7(c)は、図5の微細突起の頂面を拡大して示す平面図である。 図8は、図1の細胞収納装置における外装体を示す側面視断面図である。 図9は、図5の微細突起上に細胞が配置された状態を示す模式図である。 図10は、比較例による微細突起上に細胞が配置された状態を示す模式図である。 図11は、図1の細胞収納装置の使用方法を示すフローチャートである。 図12は、本発明の第2の実施の形態による細胞容器を示す側面視断面図である。
以下に、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示の理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
図1は、本発明の第1の実施の形態による細胞容器を備えた細胞収納装置を示す斜視図である。図2は、図1の細胞収納装置の側面視断面図である。
図1および図2に示すように、本実施の形態による細胞収納装置10は、細胞を含む細胞含有保存液20が充填された細胞容器11と、細胞容器11を収納する外装体12と、を備えている。
まず、細胞容器11の構造を説明する。図3は、細胞容器11を示す平面図である。図4は、図3の細胞容器11のA−A線切断断面図である。
図3および図4に示すように、細胞容器11は、長方形状のフィルム18が2つ折りにされ、折り部(図3における右端部)以外の三方がヒートシールされて密封された、いわゆる三方シール袋の形状を有している。細胞容器11の各辺の長さは、例えば10mm〜100mmである。フィルム18は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、PET/PE、PET/ナイロン(Ny)、Ny/PE等の合成樹脂からなり、フィルム18の厚みは、例えば15μm〜100μmである。細胞容器11の内部には、例えば1ml〜50mlの細胞含有保存液20が充填され得る。細胞含有保存液20は、例えば、注射用保存液である。
このような細胞容器11は、例えば、それ自体は公知の三方シール製袋充填包装機を使用することで、後述するフィルム18から容易に製造され得る。
図4に示すように、細胞容器11の内面には、複数の微細突起17が形成されている。
図5は、細胞容器11の内面に形成された微細突起17を拡大して示す側面視断面図である。図6は、微細突起17の平面図である。
図5および図6に示すように、微細突起17の配置ピッチは、60nm以上かつ細胞含有保存液20に含まれる細胞の平均径以下であり、微細突起17の高さは、前記細胞の平均径×1/2以上であり、微細突起17の頂部の短辺の長さは、前記細胞の平均径×1/40以下である。
ここで、細胞の平均径とは、JIS Z8825の規定に準じる測定装置を用いてレーザー回折・散乱法により球相当径として測定された、細胞含有保存液20に含まれる細胞の平均粒子径を意味する。細胞の平均径は、細胞の種類により異なるが、通常、10μm〜100μmの範囲にある。細胞含有保存液20に含まれる細胞としては、例えば、樹状細胞が挙げられる。
また、微細突起17の配置ピッチとは、微細突起17が形成された面の側からフィルム18を平面視した際の微細突起17の形状(図6のように見える状態)における、隣り合う2つの微細突起17の中心間の距離Lをいう。ここで「中心」とは、微細突起17が形成された面の側からフィルム18を平面視した際の微細突起17の形状(図6のように見える状態)が点対称である場合、当該形状の対称点を意味し、この場合、当該形状の重心と一致する。一方、微細突起17が形成された面の側からフィルム18を平面視した際の微細突起17の形状(図6のように見える状態)が点対称では無い場合、当該形状の重心を意味する。
また、微細突起17の高さとは、フィルム18の裏面、すなわち微細突起17が形成された面とは逆の面と平行に微細突起17を側面視した際の微細突起17の形状(図5のように見える状態)における、微細突起17の底部と頂部との間の距離Hをいう。
また、微細突起17の頂部の短辺の長さとは、微細突起17が形成された面の側からフィルム18を平面視した際に、微細突起17の頂部が、図7(a)に示すように正方形状を有する場合、その短辺の長さをいい、長方形状を有する場合、その一辺の長さをいう。また、微細突起17が形成された面の側からフィルム18を平面視した際に、微細突起17の頂部が、図7(b)に示すように円形状を有する場合、その直径の長さをいい、楕円形状を有する場合、その短径の長さをいう。また、微細突起17が形成された面の側からフィルム18を平面視した際に、微細突起17の頂部が、図7(c)に示すように全体的かつ大局的に見た場合に長手方向、すなわち図7(c)における上下方向と、短手方向、すなわち図7(c)における左右方向と、を有する場合、その短手方向の長さをそのばらつきの全体的な傾向を反映し得ると期待される複数の箇所にて測定し、測定された短手方向の長さの平均値として特定される。具体的には、例えば、長手方向に沿った仮想線分上に位置する4つの中間点Pであって、当該仮想線分を5等分する中間点を特定し、特定された4つの中間点のそれぞれについて、各中間点での短手方向の長さを測定する。そして、合計4つの短手方向の長さを平均した値を、微細突起17の頂部の短辺の長さとする。また、フィルム18の裏面と平行に微細突起17を側面視した際の微細突起17の頂部が鋭く尖っている場合、頂部の短辺の長さをゼロとする。
なお、微細突起17に関する各種寸法及び形状は、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope;AFM)または走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope;SEM)を用いて、特定することができる。ただし、微細突起17の各寸法は、対象となるフィルム18の全領域を調べてその平均値を算出して特定する必要はなく、実際的には、調査すべき対象、すなわち微細突起17の配置ピッチ、高さ、頂面の短辺の長さ等の全体的な傾向を反映し得ると期待される面積を持つ一区画内において、調査すべき対象のばらつきの程度を考慮して適当と考えられる数を調べてその平均値を算出することによって特定することができる。例えば、30mm×30mmの領域内に含まれる30箇所を電子顕微鏡により測定して平均を算出することにより、微細突起17に関する各寸法、例えば微細突起17の配置ピッチ、高さ、頂面の短辺の長さ等を、特定することができる。
図示された例では、微細突起17は、フィルム18上において規則的なパターンで形成されているが、これに限定されず、フィルム18上において不規則に形成されていてもよい。
微細突起17をフィルム18上に規則的なパターンで形成する方法の一例を説明する。まず、銅、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属シートの表面に微細突起17のネガ形に対応する凹凸形状をエッチングまたは切削加工により形成し、当該金属シートを加熱ロールの表面に巻き付ける。そして、互いに逆向きに回転する加熱ロールと圧ロールとの間を通るようにフィルム18を搬送させながら、加熱ロールと圧ロールとを所定の圧力で接近させ、適度に溶かされたフィルム18の表面に金属シート表面の凹凸形状を転写させる。これにより、フィルム18上に微細突起17が規則的なパターンで形成される。
次に、微細突起17をフィルム18上に不規則に形成する方法の一例を説明する。まず、PET、PE、PET/PE、PET/Ny、Ny/PE等の合成樹脂シートの表面に不規則な凹凸形状(梨地形状)をサンドブラストにより形成し、当該合成樹脂シートを回転可能な加熱ロールの表面に巻き付ける。そして、互いに逆向きに回転する加熱ロールと圧ロールとの間を通るようにフィルム18を搬送させながら、加熱ロールと圧ロールとを所定の圧力で接近させ、適度に溶かされた合成樹脂シートの表面の凹凸形状をフィルム18の表面に熱転写させる。すなわち、適度に溶かされた合成樹脂シートの表面の凹凸形状の頂部の樹脂をフィルム18の表面に付着させる。これにより、フィルム18上に微細突起17が不規則に形成される。
次に、微細突起17をフィルム18上に不規則に形成する方法の別例を説明する。まず、表面に不規則な凹凸形状を有する紙(例えば上質紙)を回転可能な加熱ロールの表面に巻き付ける。そして、互いに逆向きに回転する加熱ロールと圧ロールとの間を通るようにフィルム18を搬送させながら、加熱ロールと圧ロールとを所定の圧力で接近させ、適度に溶かされたフィルム18の表面に紙の表面の凹凸形状を転写させる(賦形させる)。これにより、フィルム18上に微細突起17が不規則に形成される。ここで、紙の代わりに、分散メッキあるいはサンドブラストにより表面に不規則な凹凸形状が形成された金属シート、または、サンドブラストにより表面に不規則な凹凸形状が形成された合成樹脂シートを用いてもよい。
本実施の形態では、図9に示すように、微細突起17の配置ピッチが60nm以上かつ細胞21の平均径以下であることで、細胞21が微細突起17の頂部にのみ接触し、微細突起17の側面には接触しにくくなる。これにより、細胞21の足場が小さくなり、細胞21の接着が抑制される。
一方、図10(a)に示す比較例のように、微細突起117の配置ピッチが細胞21の平均径より大きい場合、細胞21が微細突起117の側面に接触し、そこを足場として細胞21の接着が生じる可能性がある。
また、図10(b)に示す比較例のように、微細突起17の配置ピッチが60nm以下の場合、微細突起17が細胞にとって凹凸では無く平面として認識され、細胞の非接着性が得られないことが、Elisabetta Ada Cavalcanti-Adam, et al., "Cell Spreading and Focal Adhesion Dynamics Are Regulated by Spacing of Integrin Ligands", Biophysical Journal, Volume 9, April 2007, p.2964-2974(以下、非特許文献1という)に記載されている。ただし、非特許文献1は、微細突起により細胞の非接着性が得られることを確認するに留まっており、細胞含有保存液が充填された細胞容器に応用することまでは記載も示唆もされていない。本発明においては、細胞含有保存液が充填された細胞容器の内面に微細突起を形成し、当該微細突起の配置ピッチを60nm以上かつ細胞21の平均径以下とすることにより、容器の内面に細胞が接着することを抑制できるとともに、このような細胞に対する非接着性を安定的に維持できる、という非特許文献1からは予想外の効果を奏するのである。
また、図10(c)に示す比較例のように、微細突起117の高さが(細胞21の平均径×1/2)未満の場合、たとえ微細突起117の配置ピッチが細胞21の平均径以下であっても、細胞21が微細突起117の側面に接触し、そこを足場として細胞21の接着が生じる可能性がある。
したがって、本実施の形態では、微細突起17の高さを細胞21の平均径×1/2とすることで、細胞21に対する非接着性を一層確実に保証している。
また、経験則上、図10(d)に示す比較例のように、微細突起117の頂部の短辺の長さが細胞21の平均径×1/40より大きい場合、細胞21が微細突起117の頂部を足場として利用して接着する可能性がある。例えば、北森武彦、“ナノ構造を利用した細胞パターン制御”、[online]、[平成26年5月7日検索]、インターネット(URL:http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/kitamori/research/nanopattern/nanopattern.html)(以下、非特許文献2という)には、250nmより大きい幅の微細突起には細胞が吸着できるが、250nm以下の幅の微細突起には細胞が吸着できないことが記載されている。この250nmという値を、最も小さい平均径10μmの細胞に換算すると、細胞の平均径×1/40という値になる。
したがって、本実施の形態では、微細突起17の頂部の短辺の長さが細胞21の平均径×1/40以下とすることで、細胞21に対する非接着性を一層確実に保証している。ここで、微細突起17の頂部の短辺の長さが細胞の平均径×1/40以下であれば、頂部の平面形状は特に限定されない。例えば、図7(a)に示すように正方形であって、その1辺が細胞の平均径×1/40以下となっていてもよいし、図7(b)に示すように円形であって、その直径が細胞の平均径×1/40以下となっていてもよい。あるいは、図7(c)に示すように円形部分の上端及び下端にそれぞれ四角形部分が接続された形状であって、短手方向(左右方向)の長さが細胞の平均径×1/40となっていてもよい。
また、必ずしも必須ではないが、微細突起17間の隙間には、空気が存在することが好ましい。この場合、微細突起17間の隙間に細胞21が入り込むことが空気により妨げられ、細胞21に対する非接着性が一層向上する。
次に、外装体12の構造を説明する。図8は、外装体12を示す側面視断面図である。
図8に示すように、本実施の形態の外装体12は、細胞容器11の一端側を押し挟むニップ部13a、13bと、細胞容器11に対してニップ部13a、13bとは反対側に設けられた注射針挿入用孔14と、を有している。
図示された例では、外装体12は、一対の部分外装体12a、12bを有している。
各部分外装体12a、12bは、それぞれ、四角形状の底板部と、底板部の縁部に沿って立設された四角筒状の側壁部と、を有している。一方の部分外装体12aの側壁部の頂部と他方の部分外装体12bの側壁部の頂部とが向かい合うように当接されることで、外装体12の内部に細胞容器11を収容するための空間が形成されるようになっている。
図8に示すように、ニップ部13a、13bは、各部分外装体12a、12bの一端側、すなわち図8における左端側にそれぞれ設けられている。一対の部分外装体12a、12bの間に細胞容器11が配置された状態で、一方の部分外装体12aの側壁部の頂部と他方の部分外装体12bの側壁部の頂部とが向かい合うように当接される時、図2に示すように、細胞容器11の一端側が一対のニップ部13a、13bによって上下に押し挟まれる。これにより、細胞容器11の一端側に位置する細胞含有保存液20は、細胞容器11の他端側に押しやられ、細胞容器11の他端側が膨らむようになっている。
細胞容器11に対してニップ部13a、13bとは反対側に、注射針挿入用孔14が設けられている。注射針挿入用孔14により注射針の挿入位置および方向が規制されることで、細胞容器11の他端側の膨らみに対して正確に注射針を挿入することができる。
なお、図示されていないが、注射針挿入用孔14の周囲には外装体12から外向きに突き出すようにストッパーが設けられていることが好ましい。この場合、外装体12の外方から注射針挿入用孔14に注射針が挿入される際に、ストッパーが注射器のシリンジに当接して、注射針の更なる挿入が規制され、注射針が細胞容器11の裏面まで突き破ることを防止できる。
次に、図11を参照して、本実施の形態による細胞収納装置10の使用方法を説明する。
まず、細胞を含む細胞含有保存液20が充填された細胞容器11を準備する(ステップS1)。本実施の形態では、細胞容器11の内面に前述のような微細突起17が形成されているため、細胞含有保存液20に含まれる細胞が細胞容器11の内面に接着することが抑制される。
次に、必ずしも必須ではないが、細胞容器11を冷却して細胞を凍結保存することが好ましい(ステップS2)。これにより、細胞の成長や増殖を停止させた状態で細胞を長期間保存することが可能となる。本実施の形態では、細胞容器11自体の内面形状により細胞に対する非接着性を実現しているため、凍結保存の前後で細胞に対する非接着性が劣化することがない。その後、次工程の前に細胞を適宜解凍する。
次に、細胞容器11を外装体12内に収納する(ステップS3)。より詳しくは、図2に示すように、細胞容器11の折り部側が注射針挿入用孔14と向かい合うような向きで、一対の部分外装体12a、12bの間に細胞容器11が配置される。そして、一方の部分外装体12aの側壁部の頂部と他方の部分外装体12bの側壁部の頂部とが向かい合うように接近されて当接される。この時、細胞容器11の一端側が一対のニップ部13a、13bによって上下に押し挟まれる。これにより、細胞容器11の一端側に位置する細胞含有保存液20は、細胞容器11の他端側である折り部側に押しやられ、細胞容器11の他端側である折り部側が膨らむ。
次に、外装体12の外方から注射針を細胞容器11に突き刺して細胞含有保存液20を吸引する(ステップS4)。注射針挿入用孔14により注射針の挿入位置および方向が規制されることで、細胞容器11の他端側である折り部側の膨らみに対して正確に注射針を突き刺すことができる。これにより、細胞含有保存液20が注射針により安定的に吸引され得る。
以上のような本実施の形態によれば、細胞容器11の内面に前述のような微細突起17が形成されているため、細胞含有保存液20に含まれる細胞と細胞容器11の内面との間の接触面積が顕著に低減され、細胞容器11の内面に細胞が接着することが効果的に抑制される。
また、本実施の形態によれば、細胞容器11の内面に非接着性の有機物等をコーティングするのではなく、細胞容器11自体の内面形状により非接着性を実現しているため、保存中に受ける振動や衝撃によりコーティングされた有機物等が剥がれるという問題が無く、細胞に対する非接着性を安定的に維持できる。また、剥がれた有機物等により細胞含有保存液が汚染されるという問題も起こらず、安全性が高い。
なお、細胞容器11のフィルム18には、無延伸ナイロンが積層されていることが好ましい。この場合、細胞容器11に注射針を突き刺した際に、注射針の周辺部におけるフィルム18の引き裂きが抑制される。これにより、細胞含有保存液20を注射針により吸引する際に、細胞容器11内に空気が入ることが無く、細胞含有保存液20を最後まで吸引することができる。
なお、本実施の形態における細胞容器11は、図3および図4に示すように、長方形状のフィルム18が2つ折りにされ、折り部、すなわち図3における右端部以外の三方がヒートシールされて密封された、いわゆる三方シール袋の形状を有していたが、このような態様に限定されない。
図12は、第2の実施の形態による細胞容器31を示す側面視断面図である。
図12に示すように、第2の実施の形態による細胞容器31は、図3および図4に示す第1の実施の形態と比べて、長方形状のパネル34が複数組み合わされてなる箱形状を有している点で異なっている。パネル34は、例えばPET、ポリプロピレン(PP)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリカーボネイト(PC)、ポリスチレン(PS)等の合成樹脂からなり、パネル34の厚みは、例えば0.5mm〜3mmである。
図12に示すように、細胞容器31の内面には、複数の微細突起17が形成されている。微細突起17は、各パネル34上において規則的なパターンで形成されていてもよいし、不規則に形成されていてもよい。このような微細突起17が形成されたパネル34は、例えば、切削加工、サンドブラスト、または分散メッキにより表面に凹凸形状が形成された金型を用いて射出成形により形成され得る。あるいは、パネル34の表面を切削加工またはエッチングすることにより微細突起17を直接形成してもよい。
細胞容器31の一端部のパネル34には、貫通孔32が開けられている。貫通孔32から細胞容器31の内部に細胞含有保存液が充填された後、貫通孔32が外方からシール33が貼られて密封されるようになっている。
図12において、図3および図4に示す第1の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
このような第2の実施の形態によっても、第1の実施の形態と同様の作用効果が得られる。
また、本実施の形態によれば、細胞容器31の形状がパネル34の剛性によって維持されるため、外装体12を用いることなく、細胞容器31に注射針を安定的に突き刺すことができる。また、注射針をシール33の部分から突き刺す場合、注射針は貫通孔32を通って細胞容器31の内部に挿入されるため、注射針によってパネル34が傷つくことがない。そのため、シール33を交換すれば、細胞容器31を再利用することが可能である。
10 細胞収納装置
11 細胞容器
12 外装体
12a 部分外装体
12b 部分外装体
13a ニップ部
13b ニップ部
14 注射針挿入用孔
17 微細突起
18 フィルム
20 細胞含有保存液
21 細胞
31 細胞容器
32 貫通孔
33 シール
34 パネル
117 比較例における微細突起

Claims (7)

  1. 接着性細胞を含む細胞含有保存液が充填された細胞含有保存液充填済み細胞容器であって、
    前記細胞含有保存液充填済み細胞容器はフィルムで形成されており、
    前記細胞含有保存液充填済み細胞容器の内面には、当該細胞容器自体の内面形状として微細突起が形成されており、
    前記微細突起の配置ピッチは、60nm以上かつ前記接着性細胞の平均径以下であり、
    前記微細突起の高さは、前記接着性細胞の平均径×1/2以上であり、
    前記微細突起の頂部の短辺の長さは、前記接着性細胞の平均径×1/40以下である
    ことを特徴とする細胞含有保存液充填済み細胞容器。
  2. 前記微細突起間の隙間に空気が存在する
    ことを特徴とする請求項1に記載の細胞含有保存液充填済み細胞容器。
  3. 前記細胞含有保存液は、注射用保存液である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の細胞含有保存液充填済み細胞容器。
  4. 接着性細胞を含む細胞含有保存液が充填された細胞含有保存液充填済み細胞容器と、
    前記細胞含有保存液充填済み細胞容器を収納する外装体と、
    を備え、
    前記細胞含有保存液充填済み細胞容器はフィルムで形成されており、
    前記細胞含有保存液充填済み細胞容器の内面には、当該細胞容器自体の内面形状として微細突起が形成されており、
    前記微細突起の配置ピッチは、60nm以上かつ前記接着性細胞の平均径以下であり、
    前記微細突起の高さは、前記接着性細胞の平均径×1/2以上であり、
    前記微細突起の頂部の短辺の長さは、前記接着性細胞の平均径×1/40以下である
    ことを特徴とする細胞収納装置。
  5. 接着性細胞を含む細胞含有保存液が充填された細胞含有保存液充填済み細胞容器と、前記細胞含有保存液充填済み細胞容器を収納する外装体と、を備え、前記細胞含有保存液充填済み細胞容器はフィルムで形成されており、前記細胞含有保存液充填済み細胞容器の内面には、当該細胞容器自体の内面形状として微細突起が形成されており、前記微細突起の配置ピッチは、60nm以上かつ前記接着性細胞の平均径以下であり、前記微細突起の高さは、前記接着性細胞の平均径×1/2以上であり、前記微細突起の頂部の短辺の長さは、前記接着性細胞の平均径×1/40以下である、という細胞収納装置に用いられる外装体であって、
    前記細胞含有保存液充填済み細胞容器の一端側を押し挟むニップ部と、
    前記細胞含有保存液充填済み細胞容器に対して前記ニップ部とは反対側に設けられた注射針挿入用孔と、
    を備えたことを特徴とする外装体。
  6. 細胞含有保存液充填済み細胞容器と外装体とを備えた細胞収納装置の使用方法であって、
    接着性細胞を含む細胞含有保存液が充填された前記細胞含有保存液充填済み細胞容器を準備する工程と、
    前記細胞含有保存液充填済み細胞容器を前記外装体内に収納する工程と、
    前記外装体の外方から注射針を前記細胞含有保存液充填済み細胞容器に突き刺して前記細胞含有保存液を吸引する工程と、
    を備え、
    前記細胞含有保存液充填済み細胞容器はフィルムで形成されており、
    前記細胞含有保存液充填済み細胞容器の内面には、当該細胞容器自体の内面形状として微細突起が形成されており、
    前記微細突起の配置ピッチは、60nm以上かつ前記接着性細胞の平均径以下であり、
    前記微細突起の高さは、前記接着性細胞の平均径×1/2以上であり、
    前記微細突起の頂部の短辺の長さは、前記接着性細胞の平均径×1/40以下である
    ことを特徴とする使用方法。
  7. 前記細胞含有保存液充填済み細胞容器を冷却して前記接着性細胞を凍結保存する工程
    を更に備えたことを特徴とする請求項6に記載の使用方法。
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