JP6697958B2 - ガイドカテーテルおよびデリバリーシステム - Google Patents
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Description
例えば、ガイドワイヤを挿通可能なチューブを手元操作によって手元側へと移動させるためのワイヤを備えたステントデリバリーシステムが特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されたステントデリバリーシステムでは、ステントに挿通されたチューブをワイヤを用いて手元側へ移動させることによって、ステントを所望の位置に留置することができる。
本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態のガイドカテーテルを備えたデリバリーシステムの全体図である。図2は、図1のデリバリーシステムの長手方向に沿った断面図である。図3は、図1のA−A線における断面図である。図4は、図1のB−B線における断面図である。図5は、ガイドカテーテルにおけるパイプ近傍を拡大して示す部分断面図である。図6は、ガイドカテーテルのパイプの基端から先端へ向かって見た図である。
図4に示すように、太径部13の外周面13aは、チューブ11の径方向断面視で円形である。太径部13の外径は、ステント2の内径と略同等、あるいは、ステント2が太径部13に対して摺動可能な範囲でステント2の内径よりも小さい。太径部13の内周面13bの一部にパイプ16の外周面16aが密着している。
細径部12の外周面12aと太径部13の外周面13aとは、チューブ11の外径が漸次変化するように滑らかな曲面により接続されている(図2参照)。
なお、熱可塑性樹脂チューブ以外の筒状の樹脂部材を材料として、この樹脂部材にパイプ16を圧入することによってパイプ16とチューブ11との接続構造を構成することもできる。
牽引部15は、パイプ16と、ワイヤ17と、操作部19とを有している。
チューブ11の太径部13のうちパイプ16が位置する部分におけるチューブ11の内周面11bは、パイプ16の外周面16aに密着している。チューブ11の太径部13のうちパイプ16が位置する部分におけるチューブ11の内径は、太径部13の他の部分の内径よりもわずかに太径である。チューブ11の太径部13のうちパイプ16が位置する部分の外径は、太径部13の他の部分よりもわずかに太径であってもよい。パイプ16がチューブ11に取り付けられている状態において、パイプ16の内腔及びチューブ11の内腔によって構成される内腔の内径は、パイプ16が配された領域の近傍において概ね一定である。
パイプ16は、パイプ16の基端16d側においてパイプ16の外周面16aとパイプ16の内周面16bとを繋ぐ基端面16eと、パイプ16の基端面16eのうちパイプ16の軸方向において基端面16eの他の部位よりも基端側に位置する最基端部16fと、基端面16eのうちパイプ16の径方向において最基端部16fの反対側に位置するとともに基端面16eのうち最も先端側に位置する反対部16gと、を有している。
ワイヤ17は、金属製である。たとえば、ワイヤ17の材質はパイプ16の材質と同じである。ワイヤ17とパイプ16とは、パイプ16の軸方向において互いに離間する複数個所における溶接によって接合されている。なお、パイプ16とワイヤ17とがパイプ16の軸方向に一続きに溶接されていてもよい。
ワイヤ17とパイプ16とは抵抗溶接によって接合されている。なお、ワイヤ17とパイプ16とが他の溶接方法により接合されていてもよい。
パイプ16の基端16dはワイヤ17に溶接されていない。パイプ16の中心軸と直交する方向から見たときに、溶接領域A1の基端は、パイプ16の最基端部16fから先端側に離れた位置にある。たとえば、パイプ16の外周面16aにおいて最も基端側の溶接位置は、パイプ16の基端16dよりも0.5mm以上先端側に離れた位置にある。パイプ16の中心軸と直交する方向から見たときに、パイプ16の反対部16gは、パイプ16の中心軸方向において溶接領域A1よりも基端側に位置している。
シングルルーメンチューブ21の材質は特に限定されない。
ガイドワイヤルーメン22aは、マルチルーメンチューブ22の先端に開口しているともに、マルチルーメンチューブ22の先端よりも基端側においてマルチルーメンチューブ22の側面に開口している。
ワイヤルーメン22bは、マルチルーメンチューブ22の先端及び基端に開口している。
把持部23には、ワイヤルーメン22bと連通する貫通孔23aが形成されている。把持部23に形成された貫通孔23aは、マルチルーメンチューブ22の中心線の基端側への延長線上に位置している。
把持部23に形成された貫通孔23aにガイドカテーテル10のワイヤ17が挿通されている。これにより、把持部23に形成された貫通孔23aからガイドカテーテル10のワイヤ17及び操作部19が延出している。
本実施形態のデリバリーシステム1からステント2を取り外して所望の位置にステント2を留置する場合に、デリバリーシステム1の操作者は、把持部23を把持した状態で操作部19を手元側へと牽引する。
ガイドワイヤ3を挿通可能なガイドカテーテル10において、パイプ16の内部にガイドワイヤ3を挿通することができるようにするために、パイプ16の内周面16bは断面円形で凹凸の少ない形状が好ましい。このため、本実施形態ではパイプ16の外周面16aにワイヤ17が固定されている。
ワイヤ17がパイプ16の外周面16aに固定されているので、パイプ16は、パイプ16の中心軸から離間した位置においてパイプ16の中心軸と平行に基端側へ牽引される。チューブ11の移動に抵抗がある状態でワイヤ17がパイプ16を手元側へ牽引すると、パイプ16の中心軸が傾斜する方向へパイプ16を移動させようとする力が生じる。
パイプ16の中心軸が傾斜する方向へパイプ16が移動しようとすると、シングルルーメンチューブ21内に配されたチューブ11は、パイプ16とシングルルーメンチューブ21によって挟み込まれた状態となる。ワイヤ17を手元側へ移動させようとする力が大きくなると、パイプ16の中心軸を傾斜させようとする力も大きくなるので、チューブ11は、パイプ16とシングルルーメンチューブ21によってさらに強い力で挟まれることとなる。このため、ワイヤ17を手元側へ移動させようとする力が大きくなるとチューブ11を手元側へ移動させる際の抵抗も増大し、この抵抗の大きさを超えるようにさらに強い力で操作部19を牽引する必要が生じ、これにより抵抗がさらに増大するという悪循環が発生する可能性がある。この場合、パイプ16とシングルルーメンチューブ21とに挟まれたチューブ11が破断するほどの大きさの力で操作部19を手元側へ引いてもチューブ11が移動しないという状態となる可能性がある。
なお、チューブ11とシングルルーメンチューブ21との間に十分なクリアランスが予め設定されている場合であっても、パイプ16の中心軸を傾斜させようとする力によってパイプ16がチューブ11の内径を広げるようにチューブ11の内周面11bを圧迫すると、その圧迫力の大きさによってはパイプ16がチューブ11を破断させる可能性があり得る。
本発明の第2実施形態について説明する。図8は、本実施形態のガイドカテーテルにおけるパイプ及びワイヤの接続構造を示す部分断面図である。
図8に示すように、本実施形態では、パイプ16の反対部16gと溶接領域A1の基端との位置関係が上記の第1実施形態と異なっている。
すなわち、パイプ16の中心軸と直交する方向から見たときに、反対部16gは、パイプ16の中心軸方向において溶接領域A1の基端よりも先端側且つパイプ16の先端16cよりも基端側に離れて位置している。
本実施形態のガイドカテーテル10のパイプ16において先端側の少なくとも一部は周方向に一続きとなる完全な筒状であることが好ましい。パイプ16の中心軸方向における全長のうち完全な筒状をなす領域の長さは、パイプ16の全長の半分以上であってもよい。
2 ステント
3 ガイドワイヤ
10 ガイドカテーテル
11 チューブ
11a チューブの外周面
11b チューブの内周面
11c チューブの先端
11d チューブの基端
12 細径部
12a 細径部の外周面
13 太径部
13a 太径部の外周面
13b 太径部の内周面
15 牽引部
16 パイプ
16a パイプの外周面
16b パイプの内周面
16c パイプの先端
16d パイプの基端
16e パイプの基端面
16f パイプの最基端部
16g パイプの反対部
17 ワイヤ
17a ワイヤの先端部
17b ワイヤの基端部
17c ワイヤの接続面
19 操作部
20 プッシャーカテーテル
21 シングルルーメンチューブ
22 マルチルーメンチューブ
22a ガイドワイヤルーメン
22b ワイヤルーメン
23 把持部
23a 把持部の貫通孔
A1 溶接領域
Claims (10)
- ガイドワイヤを挿通可能な内腔を有する樹脂製のチューブと、
前記チューブと同軸をなして前記チューブ内に取り付けられた金属製のパイプと、
前記パイプの外周面のうち前記パイプの基端よりも先端側の領域に溶接された先端部を有する金属製のワイヤと、
を備え、
前記パイプは、前記パイプの基端面のうち前記パイプの軸方向において前記基端面の他の部位よりも基端側に位置する最基端部を有し、
前記パイプに対する前記ワイヤの溶接領域は、前記パイプの前記外周面上に形成され、かつ、前記溶接領域の基端は、前記パイプの中心軸に沿う方向において前記パイプの前記最基端部よりも先端側に位置する、
ガイドカテーテル。 - 前記パイプは、前記基端面のうち前記パイプの径方向において前記最基端部の反対側に位置するとともに前記基端面のうち最も先端側に位置する反対部を有し、
前記反対部は、前記パイプの中心軸方向において前記溶接領域よりも基端側に位置している、
請求項1に記載のガイドカテーテル。 - 前記パイプは、前記基端面のうち前記パイプの径方向において前記最基端部の反対側に位置するとともに前記基端面のうち最も先端側に位置する反対部を有し、
前記反対部は、前記パイプの中心軸方向において前記溶接領域の基端よりも先端側且つ前記パイプの先端よりも基端側に位置している、
請求項1に記載のガイドカテーテル。 - 前記反対部と前記パイプの外周面とは鈍角若しくは曲面によって繋がっている、
請求項2または請求項3に記載のガイドカテーテル。 - 前記パイプの前記基端面は、前記パイプの中心軸に対して傾斜しており、前記パイプの径方向において前記最基端部の反対側に位置するとともに前記パイプの前記基端面のうち最も先端側に位置する反対部を有する、
請求項1に記載のガイドカテーテル。 - ガイドワイヤが挿通可能なチューブと、長手軸を有する牽引部とを有するガイドカテーテルと、
前記牽引部が内部に挿通されたプッシャーカテーテルと、
を備え、
前記牽引部は、
前記チューブと同軸をなして前記チューブ内に取り付けられた金属製のパイプと、 前記パイプの外周面のうち前記パイプの基端よりも先端側の領域に溶接された先端部を有する金属製のワイヤと、を有し、
前記パイプは、前記パイプの基端面のうち前記パイプの軸方向において前記基端面の他の部位よりも基端側に位置する最基端部を有し、
前記パイプに対する前記ワイヤの溶接領域は、前記パイプの前記外周面上に形成され、かつ、前記溶接領域の基端は、前記パイプの中心軸に沿う方向において前記パイプの前記最基端部よりも先端側に位置する、
デリバリーシステム。 - 前記パイプは、前記基端面のうち前記パイプの径方向において前記最基端部の反対側に位置するとともに前記基端面のうち最も先端側に位置する反対部を有し、
前記反対部は、前記パイプの中心軸方向において前記溶接領域よりも基端側に位置している、
請求項6に記載のデリバリーシステム。 - 前記パイプは、前記基端面のうち前記パイプの径方向において前記最基端部の反対側に位置するとともに前記基端面のうち最も先端側に位置する反対部を有し、
前記反対部は、前記パイプの中心軸方向において前記溶接領域の基端よりも先端側且つ前記パイプの先端よりも基端側に位置している、
請求項6に記載のデリバリーシステム。 - 前記パイプの前記基端面は、前記パイプの中心軸に対して傾斜しており、前記パイプの径方向において前記最基端部の反対側に位置するとともに前記パイプの前記基端面のうち最も先端側に位置する反対部を有する、
請求項6に記載のデリバリーシステム。 - 前記チューブの外周面に取り付けられたステントをさらに備え、
前記プッシャーカテーテルは、シングルルーメンチューブと、前記シングルルーメンチューブの基端部に固定されたマルチルーメンチューブとを有し、
前記チューブの基端部が前記シングルルーメンチューブに挿入されており、
前記ワイヤが前記マルチルーメンチューブのルーメンの一つに挿入され、
前記シングルルーメンチューブの先端に前記ステントが当接している、
請求項6に記載のデリバリーシステム。
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