JP6697873B2 - 空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

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本発明は、空気入りタイヤの製造方法に関する。
一般に、空気入りタイヤは、成形ドラム上でグリーンタイヤを成形した後に、該グリーンタイヤをモールド内にセットして加硫成型することにより製造される。かかるグリーンタイヤを成形する方法として、帯状のリボンゴムをタイヤ周方向に沿って螺旋状に巻き付けることにより、トレッドゴムを形成するリボン巻き工法が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
リボン巻き工法によりトレッドゴムを形成する場合、トレッドゴムを、タイヤ径方向内側の内側層と、そのタイヤ径方向外側に積層される外側層と、の少なくとも2層の構造に積層して形成することがある。
特開2010−264959号公報 特開2006−062518号公報 特開2001−179848号公報
上記のように、リボン巻き工法によりトレッドゴムを2層以上の積層構造にて形成する場合、内側層と外側層との界面において空気溜まりが生じることがある。かかる空気溜まりは、内側層におけるリボンゴム間の境界と、外側層におけるリボンゴム間の境界とが、両者の界面において一致する箇所で、発生しやすいことが判明した。すなわち、リボンゴムを巻き付けることで形成された内側層の外表面に、リボンゴムを巻き付けて外側層を積層する際に、両者の境界同士が一致すると、内側層におけるリボンゴム間の境界の微小なギャップないし凹所と、その外側に積層される外側層のリボンゴム間の境界の微小なギャップないし凹所が重なり合うことになり、空気溜まりが生じやすい。
本発明の実施形態は、上記の点に鑑み、トレッドゴムのリボン巻き工法において内側層と外側層との界面における空気溜まりの発生を抑制することができる空気入りタイヤの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係る空気入りタイヤの製造方法は、リボンゴムをタイヤ回転軸周りに巻き付けることにより未加硫のトレッドゴムを形成するトレッドゴム形成工程を含み、前記トレッドゴム形成工程は、リボンゴムをタイヤ周方向に平行に巻き付ける平行巻きを行いながら、一周毎にタイヤ幅方向における巻き付け位置を1ピッチ分ずらして巻き付けることによりなされ、前記トレッドゴム形成工程は、タイヤ径方向内側に配される内側層を形成する工程と、前記内側層のタイヤ径方向外側に積層される外側層を形成する工程とを含み、前記外側層を形成する工程において、前記内側層におけるタイヤ幅方向に隣接するリボンゴム間の境界と前記外側層におけるタイヤ幅方向に隣接するリボンゴム間の境界が、前記平行巻き部分のタイヤ周方向の全体にわたり、前記内側層と前記外側層の界面においていずれも一致しないように、前記リボンゴムを巻き付けるものである。
本実施形態によれば、リボン巻き工法によりトレッドゴムを形成する際に、内側層のリボンゴム間の境界と外側層のリボンゴム間の境界とが両者の界面で一致しないようにしたことにより、内側層と外側層の界面における空気溜まりの発生を抑制することができる。
一実施形態に係る空気入りタイヤの半断面図 同実施形態における未加硫のトレッドゴムの第1内側層を形成する工程を示す断面図 同トレッドゴムの第1外側層を形成する工程を示す断面図 同トレッドゴムの第2内側層を形成する工程を示す断面図 同トレッドゴムを示す断面図 同トレッドゴムの形成工程で用いられる製造装置を示す図 同実施形態におけるリボンゴムの巻き付け過程を示す平面図
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、一実施形態に係る空気入りタイヤ10の半断面図である。このタイヤ10は、左右一対のビード部12と、ビード部12からタイヤ径方向外側に延びる左右一対のサイドウォール部14と、サイドウォール部14の外周端同士を連結するトレッド部16とを備える。本実施形態では、タイヤ10は、左右対称であるため、図では右半分のみを示している。図中、CLはタイヤ赤道を示す。本明細書において、タイヤ幅方向とは、タイヤ回転軸に平行な方向であって、図において符号Wで示す。また、タイヤ径方向とは、タイヤ回転軸に垂直な方向であり、図において符号Rで示す。また、タイヤ周方向とは、タイヤ回転軸を中心とする円周上の方向である。
ビード部12には、ビードワイヤからなる環状のビードコア18と、ビードコア18の外周面に接合一体化された硬質ゴムからなるビードフィラー20が埋設されている。
空気入りタイヤ10には、一対のビード部12間に架け渡されたトロイド状のカーカスプライ22が埋設されている。カーカスプライ22は、トレッド部16から両側のサイドウォール部14を経てビード部12に至り、ビード部12において、ビードコア18の周りに巻き上げられて係止されている。カーカスプライ22は、タイヤ周方向に対して実質上直角になるように配設されたカーカスコードをゴム被覆してなる。カーカスプライ22のタイヤ内面側にはインナーライナー24が設けられている。
ビード部12におけるカーカスプライ22のタイヤ外面側にはリムストリップゴム26が設けられている。また、サイドウォール部14におけるカーカスプライ22のタイヤ外面側にはサイドウォールゴム28が設けられている。
トレッド部16におけるカーカスプライ22の外周側には、ベルト30が配されている。ベルト30は、タイヤ周方向に対して一定角度で傾斜配設したベルトコードをゴム被覆してなる1枚又は複数枚のベルトプライからなり、この例ではベルトコードをプライ間で互いに逆向きに交差させた2枚のベルトプライで構成されている。ベルト30の外周側には、タイヤ周方向に延在する有機繊維コードからなるベルト補強層32が設けられている。
トレッド部16におけるベルト30の外周側(より詳細には、ベルト補強層32の外周側)には、接地面を構成するトレッドゴム34が設けられている。トレッドゴム34の表面(即ち、接地面)には、タイヤ周方向に延びる1本又は複数本の周方向溝(主溝)36が設けられている。この例では、タイヤ赤道CL上を延びる1本のセンター主溝36Aと、そのタイヤ幅方向両側に配された左右一対のショルダー主溝36Bと、の3本の周方向溝36が設けられている。トレッドゴム30の表面は、周方向溝36により複数の陸部38に区画形成されており、この例では、センター主溝36Aとショルダー主溝36Bの間に形成された左右一対のセンター陸部38Aと、左右のショルダー主溝36Bのタイヤ幅方向外側Woに形成された左右一対のショルダー陸部38Bとが設けられている。
次に、空気入りタイヤ10の製造方法について説明する。空気入りタイヤ10は、トレッドゴム34に関する点を除けば、従来のタイヤ製造工程と同様にして製造できるため、主としてトレッドゴム34の形成工程(トレッドゴム形成工程)について説明する。
本実施形態において、トレッドゴム34は、いわゆるリボン巻き工法により形成される。すなわち、未加硫の帯状ゴムであるリボンゴム40を、タイヤ周方向Cに沿って、即ちタイヤ回転軸周りに、巻き付けることにより、所望の断面形状を有する未加硫のトレッドゴム34が形成される。
例えば、図6に示す製造装置70を用いて、回転支持体72を回転させながら、リボンゴム供給部74から回転支持体72にリボンゴム40を供給して、リボンゴム40を回転支持体72上に巻き付ける。リボンゴム供給部74は、リボンゴム40を所定形状に押出可能に構成されている。回転支持体72は、軸(タイヤ回転軸と同じ)72Aを中心とした回転方向Kへの回転と、軸方向(タイヤ幅方向Wと同じ)への移動とが可能に構成されている。なお、回転支持体72とリボンゴム供給部74とが軸方向において相対的に移動可能であれば、回転支持体72の代わりにリボンゴム供給部74を移動可能に構成してもよい。符号76は、回転支持体72とリボンゴム供給部74の作動制御を行う制御装置を示す。また、符号78は、リボンゴム供給部74から回転支持体72上に供給されたリボンゴム40を、貼り付け位置の形状に沿わせるように押圧する押圧ロールを示す。
リボンゴム40の断面形状は、特に限定されず、例えば、台形状、三日月形状、三角形状など、扁平な断面形状を有する種々の形状を採用することかできる。この例では、断面三角形状のものを用いる(図2における巻き始め端40Aのリボンゴム形状参照)。リボンゴム40の寸法は、特に限定されず、例えば、幅が15〜40mmで、厚み(最大厚み部での厚み)が0.5〜3.0mmでもよい。
本実施形態において、トレッドゴム形成工程は、図2〜5に示すように、タイヤ径方向内側Riに配される内側層42を形成する工程と、そのタイヤ径方向外側Roに積層される外側層44を形成する工程とを含む。この例では、内側層42として第1内側層42Aと第2内側層42Bを形成するとともに、外側層44として第1外側層44Aと第2外側層44Bを形成する。すなわち、タイヤ幅方向中央部に位置する巻き始め端40Aからタイヤ幅方向一方側W1に向かって巻き付けて第1内側層42Aを形成し(図2参照)、当該一方側の端部で折り返してタイヤ幅方向中央部まで巻き付けて第1外側層44Aを形成し(図3参照)、そのままタイヤ幅方向他方側W2に向かって巻き付けて第2内側層42Bを形成し(図4参照)、当該他方側の端部で折り返してタイヤ幅方向中央部まで巻き付けて第2外側層44Bを形成する(図5参照)。
詳細には、まず、図2に示すように、回転支持体72の外周面に第1内側層42Aを形成する。なお、図示を省略しているが、回転支持体72の外周面には予めベルト30及びベルト補強層32(図1参照)が設けられている。また、トレッドゴムが、接地面を構成するキャップゴムと、そのタイヤ径方向内側に設けられるベースゴムとからなる場合、ベルト30及びベルト補強層32の外周面には予めベースゴムが設けられてもよい。本実施形態に係るトレッドゴム34は、これらの上に形成される。
第1内側層42Aは、巻き始め端40Aをタイヤ赤道CL上に設定して、そこからタイヤ幅方向Wに移動しつつタイヤ回転軸周りにリボンゴム40を巻き付けることにより形成される。リボンゴム40の巻き付けピッチp1は、リボンゴム40の幅(リボンゴム幅)wrよりも小さく、そのため、リボンゴム40は、タイヤ幅方向Wにおいて隣接するリボンゴム間で重なり部を持たせながら巻き付けられる。ここで、巻き付けピッチとは、タイヤ幅方向Wに隣接するリボンゴムのタイヤ幅方向中心間のタイヤ幅方向距離をいい、巻き付け時における一周毎のタイヤ幅方向Wにおける移動距離に等しい。
このようにして第1内側層42Aを形成した後、図3に示すように、タイヤ幅方向一方側W1のトレッド端E1でリボンゴム40を切断することなく折り返し、タイヤ幅方向他方側W2に向かってリボンゴム40を巻き付けることにより、第1外側層44Aを形成する。第1外側層44Aは、第1内側層42Aの外周面に積層されるゴム層であり、上記一方側W1のトレッド端E1からタイヤ赤道CLに至るまで、タイヤ幅方向Wに移動しつつタイヤ回転軸周りにリボンゴム40を巻き付けることにより形成される。第1外側層44Aにおけるリボンゴム40の巻き付けピッチp2もリボンゴム幅wrよりも小さく、そのため、リボンゴム40はタイヤ幅方向Wにおいて隣接するリボンゴム間で重なり部を持たせながら巻き付けられる。
第1外側層44Aを形成した後、図4に示すように、そのままタイヤ幅方向他方側W2に向かって、タイヤ赤道CLからタイヤ幅方向他方側W2のトレッド端E2に至るまで、リボンゴム40を巻き付けることにより、第2内側層42Bを形成する。第2内側層42Bは、第1内側層42Aと同様、ベルト30及びベルト補強層32(場合によってはベースゴム)の上に積層されるゴム層であり、タイヤ幅方向Wに移動しつつタイヤ回転軸周りにリボンゴム40を巻き付けることにより形成される。第2内側層42Bにおけるリボンゴム40の巻き付けピッチp1は、第1内側層42Aと同様に設定される。
第2内側層42Bを形成した後、図5に示すように、タイヤ幅方向他方側W2のトレッド端E2でリボンゴム40を切断することなく折り返し、タイヤ幅方向一方側W1に向かってリボンゴム40を巻き付けることより、第2外側層44Bを形成する。第2外側層44Bは、第2内側層42Bの外周面に積層されるゴム層であり、上記他方側W2のトレッド端E2からタイヤ赤道CLに至るまで、タイヤ幅方向Wに移動しつつタイヤ回転軸周りにリボンゴム40を巻き付けることにより形成される。リボンゴム40による巻き付けは、タイヤ赤道CLで終端させる。第2外側層44Bにおけるリボンゴム40の巻き付けピッチp2は、第1外側層44Aと同様に設定される。
なお、リボンゴム40の巻き付け方法としては、螺旋状に巻き付けることもできるが、図7に示すように、一周毎にピッチ送りして巻き付けることが好ましい。ここで、螺旋状の巻き付けとは、タイヤ幅方向におけるリボンゴムの巻き付け位置を回転支持体の回転とともに連続的に変化させることによりなされる。これに対し、ピッチ送りの巻き付けは、図7に示すように、リボンゴム40を平行巻き(即ち、タイヤ周方向Cに平行に巻き付け)しながら、回転支持体72を1回転させるたびに周上の所定箇所でタイヤ幅方向Wにおける巻き付け位置を1ピッチ分ずらすことによりなされる。
以上のトレッドゴム形成工程において、本実施形態では、外側層44を形成する際に、内側層42のタイヤ幅方向Wに隣接するリボンゴム間の境界46と外側層44のタイヤ幅方向Wに隣接するリボンゴム間の境界48とが、内側層42と外側層44の界面50において一致しないように、リボンゴム40を巻き付けることを特徴とする。すなわち、図5に示すように、内側層42の上面(外周面)42Xにおけるリボンゴム間の各境界46(図2参照)と、外側層44の下面(内周面)44Yにおけるリボンゴム間の各境界48(図3参照)とは、いずれも一致していない。そのため、外側層44の下面44Yにおける各周回のリボンゴム40のエッジ40Eは、全て内側層42の上面42Xにおいてリボンゴム間の境界46ではないリボンゴム40の側面部に当接している。
このような構成は、外側層44のリボンゴム40を巻き付ける際に、そのリボンゴム間の境界48が、外側層44と内側層42の界面50において、内側層42のリボンゴム間の境界46と一致しないように、巻き付けピッチp2を設定することで実現することができる。
また、本実施形態では、図2及び図4に示すように、内側層42を形成する工程において、リボンゴム40を一定の巻き付けピッチp1で巻き付けており、これにより、内側層42を起伏のないなだらかな形状に形成している。これに対し、図3及び図5に示すように、外側層44を形成する工程では、内側層42の巻き付けピッチp1よりも小さい巻き付けピッチp2(p2<p1)で、かつ、タイヤ幅方向Wにおいて巻き付けピッチp2を変化させて、リボンゴム40を巻き付けており、これにより、外側層44を起伏のある形状に形成している。
好ましい一例として、内側層42における巻き付けピッチp1は、リボンゴム幅wrの1/2に設定してもよい。一方、外側層44の巻き付けピッチp2は、リボンゴム幅wrの1/12〜5/12の範囲内に設定してもよい。
このように外側層44の巻き付けピッチp2を内側層42の巻き付けピッチp1よりも小さく設定したことにより、内側層42の上面42Xにおける各周回のリボンゴム40の側面部には、外側層44の下面44Yにおけるリボンゴム40のエッジ40Eが少なくとも2本当接している。但し、内側層42のタイヤ幅方向Wにおける両端部のリボンゴム40B(この例では、図5に示すように両端の2周分のリボンゴム)と巻き始め端のリボンゴム40Aについては、0本又は1本のみが当接していることもあるので、これ以外の内側層42について当てはまることである。
本実施形態では、また、図5に示すように、外側層44を形成する工程において、トレッドゴム34の周方向溝36と陸部38(図1参照)に応じて、リボンゴム40の巻き付けピッチp2を変化させる。すなわち、トレッドゴム34の周方向溝36に相当する位置での巻き付けピッチp2aを、トレッドゴム34の陸部38に相当する位置での巻き付けピッチp2bよりも大きくして(p2a>p2b)、リボンゴム40を巻き付ける。これにより、未加硫のトレッドゴム34における外周面には、周方向溝36に相当する位置において凹状の溝部52が形成されている。なお、図5において、符号80は、空気入りタイヤを加硫成型する際のトレッド部におけるモールド形状を示し、符号82が周方向溝38を成形する凸条を示す。
好ましい一例として、陸部38に相当する部位での巻き付けピッチp2aを、リボンゴム幅wrの1/4〜1/12の範囲内に設定し、周方向溝36に相当する位置での巻き付けピッチp2bを、リボンゴム幅wrの1/6〜5/12の範囲内に設定してもよい。
これにより、ベルト30及びベルト補強層32の外周に未加硫のトレッドゴム34が形成され、タイヤ製造に用いられるトレッドリングが形成される。
かかるトレッドリングを用いて空気入りタイヤを製造する際には、例えば、成形ドラムの外周面にインナーライナーとカーカスプライを円筒状に形成し、その幅方向両側にビードコアを外挿した後、ビードコアを包み込むようにカーカスプライの端部を折り返して、円筒状のケース本体を作製する。そして、この円筒状のケース本体の外周側に、上記のトレッドリングを配置させた状態で、ケース本体を、例えばブラダー等を用いて、タイヤ径方向にトロイド状に膨張変形させ、その外周面をトレッドリングの内周面に密着させる。その後、サイドウォールゴムを貼り付けることによりグリーンタイヤ(未加硫タイヤ)が形成される。なお、サイドウォールゴムはケース本体の膨張変形の前に形成してもおいてもよい。このようにして成形されたグリーンタイヤは、常法に従い、加硫金型であるモールドにセットし、加硫成型することにより空気入りタイヤが得られる。
本実施形態によれば、リボン巻き工法によりトレッドゴム34を形成する際に、内側層42のリボンゴム間の境界46と外側層44のリボンゴム間の境界48とが両者の界面50で一致しないようにする。これにより、内側層42におけるリボンゴム間の境界46の微小なギャップないし凹所と、その外側に積層される外側層44のリボンゴム間の境界48の微小なギャップないし凹所が重なり合うことになくなるので、内側層42と外側層44の界面50における空気溜まりの発生を抑制することができる。
また、内側層42については、実質的に一定の巻き付けピッチp1でリボンゴム40を巻き付け、外側層44については、内側層42の巻き付けピッチp1よりも小さい巻き付けピッチp2で、かつ、タイヤ幅方向Wにおいて巻き付けピッチp2を変化させて、リボンゴム40を巻き付けたことにより、次の作用効果が奏される。
すなわち、内側層42がなだらかな形状となるので、その外周面に外側層44のためのリボンゴム40を巻き付ける際に、空気の抱き込みを抑制して、空気溜まりの発生をより効果的に抑えることができる。それと同時に、外側層44においては、より緻密な巻き付けピッチp2でかつ巻き付けピッチp2を変化させてリボンゴム40を巻き付けることにより、トレッド断面形状に応じたゴムボリュームにてトレッドゴム34を成形することができ、また、内側層42のリボンゴム間の境界46と外側層44のリボンゴム間の境界48とが一致しない巻き付け構成の設定も容易である。なお、内側層42について、実質的に一定の巻き付けピッチという場合、内側層42の厚みがその略全幅にわたって略一定となるものであればよく、必ずしも内側層42の全幅で一定の巻き付けピッチでなくてもよく、例えば、図2及び図4に示すように、タイヤ幅方向Wの両端部における折り返し部(例えば、タイヤ幅方向両端の1周分又は2周分のリボンゴム)では厚み調整等のため巻き付けピッチを変えてもよく、そのような場合も包含される概念である。
本実施形態によれば、また、外側層44を形成する工程において、周方向溝36に相当する位置での巻き付けピッチp2aを、陸部38に相当する位置での巻き付けピッチp2bよりも大きくして、リボンゴム40を巻き付けたことにより、次の作用効果が奏される。すなわち、図5に示すように、周方向溝36に相当する部分では、巻き付けピッチp2aが広く、ゴムボリュームは小さくなり(即ち、薄くなり)、陸部38に相当する部分では、巻き付けピッチp2bが狭く、ゴムボリュームは大きくなる(即ち、厚くなる)。そのため、空気溜まりの発生を抑制しながら、溝部と陸部にそれぞれ必要なゴムボリュームを確保することができる。
なお、上記実施形態では、内側層42として第1内側層42Aと第2内側層42Bを設け、外側層44として第1外側層44Aと第2外側層44Bを設けたが、例えば、リボンゴムを、タイヤ幅方向の全幅にわたって一方側に向かって巻き付けて内側層を形成した後、切断することなく折り返し、タイヤ幅方向の全幅にわたって他方側に向かって巻き付けて外側層を形成することにより、トレッドゴムを形成してもよい。また、上記実施形態では、リボンゴム40を切断することなく連続して巻き付けて内側層42と外側層44を形成したが、内側層と外側層を別のリボンゴムで形成してもよい。また、上記実施形態では、内側層42と外側層44の2層構造としたが、3層以上の構成としてもよい。
以上の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
10…空気入りタイヤ、34…トレッドゴム、36…周方向溝、38…陸部、
40…リボンゴム、42…内側層、44…外側層、
46…内側層でのリボンゴム間の境界、48…外側層でのリボンゴム間の境界
50…内側層と外側層の界面、p1…内側層でのリボンゴムの巻き付けピッチ
p2…外側層でのリボンゴムの巻き付けピッチ
p2a…周方向溝に相当する位置での巻き付けピッチ、
p2b…陸部に相当する位置での巻き付けピッチ
W…タイヤ幅方向、R…タイヤ径方向

Claims (3)

  1. リボンゴムをタイヤ回転軸周りに巻き付けることにより未加硫のトレッドゴムを形成するトレッドゴム形成工程を含み、
    前記トレッドゴム形成工程は、リボンゴムをタイヤ周方向に平行に巻き付ける平行巻きを行いながら、一周毎にタイヤ幅方向における巻き付け位置を1ピッチ分ずらして巻き付けることによりなされ、
    前記トレッドゴム形成工程は、タイヤ径方向内側に配される内側層を形成する工程と、前記内側層のタイヤ径方向外側に積層される外側層を形成する工程とを含み、
    前記外側層を形成する工程において、前記内側層におけるタイヤ幅方向に隣接するリボンゴム間の境界と前記外側層におけるタイヤ幅方向に隣接するリボンゴム間の境界が、前記平行巻き部分のタイヤ周方向の全体にわたり、前記内側層と前記外側層の界面においていずれも一致しないように、前記リボンゴムを巻き付ける、
    空気入りタイヤの製造方法。
  2. 前記内側層を形成する工程では、実質的に一定の巻き付けピッチで前記リボンゴムを巻き付け、前記外側層を形成する工程では、前記内側層の巻き付けピッチよりも小さい巻き付けピッチで、かつ、タイヤ幅方向において巻き付けピッチを変化させて、前記リボンゴムを巻き付ける、請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  3. 前記外側層を形成する工程において、トレッドゴムの周方向溝に相当する位置での巻き付けピッチを、トレッドゴムの陸部に相当する位置での巻き付けピッチよりも大きくして、前記リボンゴムを巻き付ける、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤの製造方法。
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