JP6687381B2 - 空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

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本発明は、空気入りタイヤの製造方法に関する。
一般に、空気入りタイヤは、成形ドラム上でグリーンタイヤを成形した後に、該グリーンタイヤをモールド内にセットして加硫成型することにより製造される。かかるグリーンタイヤを成形する方法として、帯状のリボンゴムをタイヤ周方向に沿って螺旋状に巻き付けることにより、トレッドゴムやサイドウォールゴムなどのゴム部材を形成するリボン巻き工法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
一方、空気入りタイヤのサイドウォールゴムについて従来種々の構成が提案されており、例えば、下記特許文献2,3に示すように、サイドウォールゴムを、タイヤ幅方向において、内側ゴム層と外側ゴム層との内外2層構造としたものも知られている。
特開2007−069409号公報 特開2015−089720号公報 特開2007−196988号公報
ところで、リボン巻き工法によりサイドウォールゴムを形成する場合において、トレッドゴムの端部とカーカスプライとの段差部に空気溜まりが生じて、外観不具合等の要因になることがある。例えば、図7に示すタイヤでは、トロイド状のカーカスプライ100と、そのクラウン部外周面に貼り付けられたトレッドゴム102の端部102Aとの間に、当該端部102Aの厚みによる凹状の段差部104がある。かかる段差部104を有するものに対して、サイドウォールゴム106を形成するために、例えば、リボンゴムを、トレッドゴム102のショルダー部近傍から巻き始めて、タイヤ径方向内側のビード部108に向かって順次巻き付けていく場合、段差部104において空気を抱き込みやすいという問題がある。
このような空気溜まりの発生を抑制するために、サイドウォールゴムを内側ゴム層と外側ゴム層とで2層化し、例えば、図8及び図9に示すように、内側ゴム層110の上端部110Aをトレッドゴム102の端部102Aの下側に入り込ませることで、段差を緩和することが考えられる。しかしながら、単にサイドウォールゴムを2層化した場合、今度は内側ゴム層110の下端110Bにおいて、カーカスプライ100との間で新たな段差が生じ、外側ゴム層112を形成するためにリボンゴムを巻き付ける際に、この新たな段差部で空気を抱き込みやすく、ビード部108の近傍での空気溜まりの要因となることが判明した。
本発明の実施形態は、上記の点に鑑み、リボンゴムを巻き付けてサイドウォールゴムを形成する際におけるトレッドゴム端部やビード部近傍での空気溜まりの発生を抑制することができる空気入りタイヤの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係る空気入りタイヤの製造方法は、以下の工程を含むものである。
(1)円筒状のカーカスプライの外周側にベルト下パッドを形成するパッド形成工程、
(2)内側ゴム層と外側ゴム層からなるサイドウォールゴムの当該内側ゴム層を、前記カーカスプライの外周側に形成する工程であって、加硫成型後のタイヤにおいて、前記内側ゴム層は、その上端部が前記ベルト下パッドにオーバーラップし、トレッドゴムの端部よりタイヤ径方向内側に延在して、下端がビードフィラーの上端に対してタイヤ径方向外側に間隔をおいて位置するように、前記内側ゴム層を形成する内側ゴム層形成工程、
(3)前記カーカスプライの周りにベルト及びトレッドゴムを備えるトレッドリングを配置させた状態で、前記カーカスプライをタイヤ径方向に膨張変形させて、トロイド状のカーカスプライのクラウン部外周に前記トレッドリングを接合させ、前記トレッドゴムの端部を前記内側ゴム層上に密着させて、ケース本体を形成するケース本体形成工程、及び、
(4)前記ケース本体における前記内側ゴム層の外側にリボンゴムを複数周巻き付けることにより前記外側ゴム層を形成する工程であって、前記外側ゴム層と前記内側ゴム層とにより前記トレッドゴムの端部が挟まれるように、前記外側ゴム層の上端部を前記トレッドゴムの端部にオーバーラップさせて前記外側ゴム層を形成する外側ゴム層形成工程。
本実施形態によれば、サイドウォールゴムを2層化した上で、内側ゴム層を、ベルト下パッドとオーバーラップさせつつ、ビードフィラーの上端にはかからない範囲で、トレッドゴムの端部を越えて延在させている。そのため、トレッドゴムの端部での段差が緩和されるので、外側ゴム層をリボンゴムの巻き付けにより形成する際に、トレッドゴムの端部での空気溜まりの発生を抑制することができる。また、内側ゴム層の下端とビードフィラーの上端との間に間隔が確保されているので、外側ゴム層のリボンゴムを巻き付ける際に、この部分での空気溜まりの発生も抑制することができる。
一実施形態に係る空気入りタイヤの半断面図 図1の一部拡大図 一実施形態に係るタイヤ製造方法のパッド形成工程を模式的に示す断面図 同製造方法の内側ゴム層形成工程を模式的に示す断面図 同製造方法のケース本体形成工程を模式的に示す断面図 同製造方法の外側ゴム層形成工程を模式的に示す断面図 比較例1に係る空気入りタイヤの半断面図 比較例2に係る空気入りタイヤの半断面図 比較例3に係る空気入りタイヤの半断面図
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、一実施形態に係る空気入りタイヤ10の半断面図である。このタイヤ10は、左右一対のビード部12と、ビード部12からタイヤ径方向外側に延びる左右一対のサイドウォール部14と、サイドウォール部14の外周端同士を連結するトレッド部16とを備える。本実施形態では、タイヤ10は、左右対称であるため、図では右半分のみを示している。図中、CLはタイヤ赤道面を示す。本明細書において、タイヤ幅方向とは、タイヤ回転軸に平行な方向であって、図において符号Wで示す。また、タイヤ径方向とは、タイヤ回転軸に垂直な方向であり、図において符号Rで示す。また、タイヤ周方向とは、タイヤ回転軸を中心とする円周上の方向である。
ビード部12には、ビードワイヤからなる環状のビードコア18と、ビードコア18の外周面に接合一体化されたビードフィラー20が埋設されている。ビードフィラー20は、硬質ゴムからなり、先端側ほど幅狭の断面三角形状をなしている。
空気入りタイヤ10には、一対のビード部12間に架け渡されたトロイド状のカーカスプライ22が埋設されている。カーカスプライ22は、トレッド部16から両側のサイドウォール部14を経てビード部12に至り、ビード部12において、ビードコア18の周りに巻き上げられて係止されている。カーカスプライ22は、カーカスコードをゴム被覆してなり、カーカスコードがタイヤ周方向に対して実質上直角になるように配設されている。この例では、カーカスプライ22は、タイヤ内面側の第1プライ22Aと、その外側に重ねて設けられた第2プライ22Bとの2枚で構成されている。
カーカスプライ22は、ビードコア18及びビードフィラー20を包み込むように、タイヤ幅方向内側から外側へ巻き上げられ、即ちターンアップされている。カーカスプライ22の巻き上げ部22Tは、ビードフィラー20の上端(即ち、タイヤ径方向外端)20Aを越えて、サイドウォール部14内(詳細には、タイヤ径方向中央部)で終端している。詳細には、巻き上げ部22Tは、第2プライ22Bの巻き上げ部22BTと、その外側を覆う第1プライ22Aの巻き上げ部22ATとからなり、第1プライ22Aの巻き上げ部22ATの方が、巻き上げ位置が高く形成されている。そのため、第1プライ22Aの巻き上げ部22ATの上端が、カーカスプライ22の巻き上げ端22TEとなっている。
トレッド部16におけるカーカスプライ22の外周側には、ベルト24が配されている。ベルト24は、ベルトコードをタイヤ周方向に対して一定角度で傾斜させてなる1枚又は複数枚のベルト層からなり、この例では2枚のベルト層で構成されている。ベルト24の外周側には、タイヤ周方向に延在する有機繊維コードからなるベルト補強層26が設けられている。ベルト24及びベルト補強層26のタイヤ径方向外側Roには接地面を構成するトレッドゴム28が設けられている。
ベルト24の両端部とカーカスプライ22の本体部22Mとの間には、両者の曲率差を埋めるために、断面略三角形状をなすベルト下パッド30が配されている。図2に示すタイヤ断面形状において、ベルト下パッド30は、その底辺(タイヤ径方向内面)がカーカスプライ本体部22Mの外面に沿って配され、またその頂部に相当する外周面の幅方向中央部にベルト24の幅方向端24Eが位置するように設けられている。
サイドウォール部14におけるカーカスプライ22のタイヤ外面側にはサイドウォールゴム32が設けられている。サイドウォールゴム32は、カーカスプライ22側に配された内側ゴム層34と、その外側に配されてタイヤ外表面を形成する外側ゴム層36との2層で構成されている。
内側ゴム層34は、その上端部(即ち、タイヤ径方向外端部)34Aがベルト下パッド30にオーバーラップしており(即ち、ベルト下パッド30上に重なっており)、そこからトレッドゴム28の端部28Aよりもタイヤ径方向内側Riに延在して、下端(即ち、タイヤ径方向内端)34BEがビードフィラー20の上端20Aに対してタイヤ径方向外側Roに間隔Kをおいて位置するように形成されている。
内側ゴム層34の上端部34Aは、ベルト下パッド30の外周に重ねられており、詳細には、ベルト下パッド30のタイヤ幅方向外端部の外周面を覆うように当該外端部に重ねて設けられている。
また、内側ゴム層34は、その外面に重ねられたトレッドゴム28の端部28A(詳細には、トレッドゴム28のタイヤ幅方向外側Woかつ径方向内側Riのエッジ28AE)よりも、タイヤ径方向内側Riに延在している。換言すれば、内側ゴム層34は、その上端部34Aがトレッドゴム28の端部28Aのタイヤ径方向内側Riに入り込んだ構造を持つ。そのため、内側ゴム層34の上端部34Aは、ベルト下パッド30とトレッドゴム28の端部28Aとにより挟まれており、先端ほど肉厚の薄いテーパ状の断面形状に形成されている。
内側ゴム層34は、カーカスプライ22の外面を覆うように当該外面に沿ってタイヤ径方向内側Riに延びており、カーカスプライ22の巻き上げ端22TEを覆っている。詳細には、内側ゴム層34の下端部(即ち、タイヤ径方向内端部)34Bは、第1プライ22Aの巻き上げ部22ATを覆っているが、第2プライ22Bの巻き上げ部22BTまでは延在することなく終端している。また、内側ゴム層34は、その下端部34Bがビードフィラー20の上端20Aにかからないように終端しており、内側ゴム層34の下端34BEとビードフィラー20の上端20Aとの間には、タイヤ径方向Rに所定の間隔Kが確保されている。この間隔Kは、後述するリボンゴム(好ましくは、外側ゴム層36を形成するリボンゴム48)の幅の50%以上であることが好ましい。
外側ゴム層36は、その上端部36Aがトレッドゴム28の端部28Aにオーバーラップしており、外側ゴム層36と内側ゴム層34とによりトレッドゴム28の端部28Aが挟まれている。トレッドゴム28の端部28Aは、上記エッジ28AEに向かって肉厚が漸次薄くなるテーパ状の断面形状に形成されており、タイヤ幅方向Wの側端面28AFがタイヤ幅方向外側Woかつ径方向内側Riに傾斜した傾斜面状に形成されている。外側ゴム層36の上端部36Aは、先端ほど肉厚の薄いテーパ状の断面形状をなし、トレッドゴム28の側端面28AFを覆ってトレッド接地端にて終端している。
外側ゴム層36は、内側ゴム層34の外面を覆うように当該外面に沿ってタイヤ径方向内側Riに延びており、内側ゴム層34の下端34BEを越えてカーカスプライ22の外面を覆うように形成されている。この例では、外側ゴム層36は、ビード部12まで延在しており、ビード部12に設けられたリムストリップゴム38に接し終端している。そのため、外側ゴム層36の下端(即ち、タイヤ径方向内端)36BEは、ビードフィラー20の上端20Aよりもタイヤ径方向内側Riに位置している。
なお、符号40は、カーカスプライ22のタイヤ内面側に設けられたインナーライナーを示す。
次に、図3〜6に基づいて、空気入りタイヤ10の製造方法について説明する。なお、図3〜6では、図1と同様、タイヤ赤道面に相当する幅方向中心から右側半分のみを示しているが、左側半分についても同様である。
まず、図3に示すように、パッド形成工程において、円筒状のカーカスプライ22の外周側にベルト下パッド30を形成する。ベルト下パッド30は、カーカスプライ22の外周面におけるベルト24の端部に相当する位置に、断面略三角形状に押出成形された未加硫ゴムを巻き付けることにより形成することができる。押出成形品を用いる代わりに、未加硫のリボンゴムをタイヤ周方向に沿って複数周巻き付けるリボン巻き工法により断面略三角形状に成形してもよい。
ここで、上記の円筒状のカーカスプライ22は、未加硫のインナーライナー40とカーカスプライ22を、円筒状の成形ドラム50の外周面に順次巻き付けて円筒状に成形することにより得られる。カーカスプライ22の幅方向両端部には、ビードコア18及びビードフィラー20が外挿され、カーカスプライ22の両端部は、ビードコア18及びビードフィラー20を包み込むように巻き上げられ、巻き上げ部22Tがカーカスプライ22の本体部22Mに沿うように設けられている。また、巻き上げ部22T上にはリムストリップゴム38が配設されている。
次に、図4に示すように、内側ゴム層形成工程において、サイドウォールゴム32の内側ゴム層34を、円筒状のカーカスプライ22の外周側に形成する。内側ゴム層34は、製品タイヤでの断面形状に対応した形状に押出成形された未加硫ゴムを巻き付けることにより形成してもよいが、好ましくは、リボン巻き工法により形成することである。すなわち、図4に示すように、未加硫の帯状ゴムであるリボンゴム42を、ベルト下パッド30にオーバーラップさせつつ、カーカスプライ22の外周面においてタイヤ周方向に沿って複数周巻き付けることにより、内側ゴム層34を形成することである。
リボンゴム42は、周回毎に重なり部を持たせながら、螺旋状又は一周毎にピッチ送りして巻き付けることができる。ここで、螺旋状の巻き付けは、ドラム軸方向におけるリボンゴムの巻き付け位置を成形ドラムの回転とともに連続的に変化させることによりなされる。また、ピッチ送りの巻き付けは、リボンゴムを平行巻きしながら、成形ドラムを1回転させるたびに周上の所定箇所でドラム軸方向における巻き付け位置を1ピッチ分ずらすことによりなされる。
内側ゴム層34は、加硫成型後のタイヤにおいて上述した図2に示す構成となるように形成される。詳細には、図4に示すように、一端部がベルト下パッド30にオーバーラップするとともに、カーカスプライ22の巻き上げ端22TEを覆い、かつ、他端部がビードフィラー20の上端20Aにはかからないように終端させる。一実施形態として、リボンゴム42を巻き付けて内側ゴム層34を形成する場合、リボンゴム42をベルト下パッド30にオーバーラップさせて巻き始め、好ましくは1周以上、より好ましくは1周以上5周以内の周回においてベルト下パッド30と重なり部を持つように巻き付ける。そして、幅方向外側に向かって順次巻き付けていき、カーカスプライ22の巻き付け端22TEを覆うように巻き付けた後、ビードフィラー20の上端20Aに到達する前に巻き付けを終了する。これにより、内側ゴム層34の下端34BEとビードフィラー20の上端20Aとの間に所定の間隔Kを確保することができる。なお、リボンゴム42の巻き付けは、このように上端部34A、即ちベルト下パッド30側から巻き始める代わりに、下端部34B、即ちビードフィラー20側から巻き始めてもよい。
次に、図5に示すように、ケース本体形成工程において、カーカスプライ22の周りに未加硫のトレッドゴム28及びベルト24を備えるトレッドリング44を配置させた状態で、カーカスプライ22をタイヤ径方向Rに膨張変形させて、トロイド状のカーカスプライ22のクラウン部外周にトレッドリング44を接合させる。
トレッドリング44は、不図示のトレッドリング成形用ドラムを用いて、その外周にベルト24及びベルト補強層26を巻き付けた後、その外周にトレッドゴム28を成形するにより得られる。トレッドゴム28の成形には、例えば、帯状のリボンゴムをタイヤ周方向に沿って螺旋状に複数周巻き付けるリボン巻き工法を用いることができる。
ケース本体形成工程では、図4に示す円筒状成形体を第2成形ドラム52に移し、カーカスプライ22の中央部の外周側にトレッドリング44を配置し、カーカスプライ22の中央部をタイヤ径方向外側Roに膨出変形させて、その中央部外周をトレッドリング44の内周面に圧着し一体化させる。その際、例えば、左右のビードコア18を近接変位させながら、ブラダー等を用いて内部に空気を供給することにより、カーカスプライ22をトロイド状に膨張変形させることができる。
その後、押圧ロール等のステッチャーを用いて、トレッドゴム28の端部28Aを内側ゴム層34上に密着させて、図5に示すタイヤのケース本体46を形成する。
次に、図6に示すように、外側ゴム形成工程において、ケース本体46における内側ゴム層34の外側に、未加硫の帯状ゴムであるリボンゴム48をタイヤ周方向に沿って複数周巻き付けることにより外側ゴム層36を形成する。リボンゴム48は、トレッドゴム28の端部28Aにオーバーラップさせて巻き付けられており、これにより、外側ゴム層36と内側ゴム層34とによりトレッドゴム28の端部28Aが挟まれるように形成されている。
リボンゴム48は、外側ゴム層36の上端部36Aから巻き始めてもよく、下端部から巻き始めてもよい。一実施形態として、上端部36Aから巻き始める場合、リボンゴム48を、トレッドゴム28の端部28Aにオーバーラップさせて巻き始め、当該端部28Aからタイヤ径方向内側Riに向かって順次巻き付けていき、内側ゴム層34の下端34BEを越え、更にビードフィラー20の上端20Aを越えて、リムストリップゴム38にオーバーラップさせた後、巻き付けを終了する。これにより、外側ゴム層36は、その下端36BEがビードフィラー20の上端20Aよりもタイヤ径方向内側Riに位置するように形成されている。なお、リボンゴム48の巻き付けは、内側ゴム層34と同様、周回毎に重なり部を持たせながら、螺旋状又は一周毎にピッチ送りして巻き付けることができる。
ここで、リボンゴム42,48の断面形状は、特に限定されず、例えば、台形状、三日月形状、三角形状など、扁平な断面形状を有する種々の形状を採用することかできる。また、リボンゴム42,48の寸法は、特に限定されず、例えば、幅が15〜35mmで、厚み(最大厚み部での厚み)が1.0〜3.0mmでもよく、幅が20〜30mmで、厚みが1.5〜2.5mmでもよい。なお、リボンゴム42,48は、巻き付け時にロール等で押し付けることにより、被巻き付け部位の断面形状に沿うように変形して巻き付けられる。また、リボンゴム42,48の巻き付けピッチは、内側ゴム層34と外側ゴム層36の厚み等に応じて適宜設定することができる。
以上より、図6に示すように、グリーンタイヤ(生タイヤ)49が成形される。得られたグリーンタイヤ49は、常法に従い、加硫金型であるモールドにセットし、加硫成型することにより空気入りタイヤが得られる。
本実施形態によれば、サイドウォールゴム32を内側ゴム層34と外側ゴム層36とに2層化した上で、内側ゴム層34を、ベルト下パッド30とオーバーラップさせつつ、トレッドゴム28の端部28Aを越えてビードフィラー20側に延在させたことにより、トレッドゴム28の端部28Aにおける段差を緩和することができる。そのため、外側ゴム層36を形成するためのリボンゴム48を巻き付ける際に、トレッドゴム28の端部28Aでの空気溜まりの発生を抑制することができる。
また、該内側ゴム層34をビードフィラー20の上端20Aにはかからない範囲で延在させており、内側ゴム層34の下端34BEとビードフィラー20の上端20Aとの間に間隔Kが確保されているので、外側ゴム層36のリボンゴム48を巻き付ける際に、この部分での空気溜まりの発生も抑制することができる。
この間隔K、即ち、内側ゴム層34の下端34BEとビードフィラー20の上端20Aとのタイヤ径方向Rにおける間隔Kは、外側ゴム層36を形成するリボンゴム48の幅の50%以上であることが好ましく、これにより、外側ゴム層36のリボンゴム48を巻き付ける際の空気の抱き込みをより効果的に抑えることができる。間隔Kの上限は、特に限定されず、例えば、リボンゴム48の幅の2倍以下でもよく、1.5倍以下でもよい。
なお、上記間隔Kは、空気入りタイヤを正規リムに装着して正規内圧を充填した無負荷の正規状態でのものである。正規リムとは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、又はETRTO規格における「Measuring Rim」である。正規内圧とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の「最大値」、又はETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」である。
また、本実施形態において、内側ゴム層34をベルト下パッド30にオーバーラップさせ、その重なりをリボンゴム42の1周以上、より好ましくは1周以上5周以下の周回においてベルト下パッド30と重なり部を持つようにすると、次の作用効果が奏される。すなわち、ベルト下パッド30と内側ゴム層34との重なり部での段差が小さくなるので、この部分での空気溜まりを抑制することができる。
また、内側ゴム層34を、カーカスプライ22の巻き上げ端22TEを覆うように設ける場合、次の作用効果が奏される。すなわち、内側ゴム層34によりカーカスプライ22の巻き上げ端22TEによる段差をなくして、当該段差に起因する空気溜まりを抑制することができる。
なお、上記の実施形態では、内側ゴム層34のリボンゴム42及び外側ゴム層36のリボンゴム48ともに、タイヤ子午線方向において一方向のみで巻き付けたが、折り返して巻き付けることにより、それぞれ2層以上に形成してもよい。また、内側ゴム層34のリボンゴム42と外側ゴム層36のリボンゴム48は、ゴム配合及び断面形状ともに同じものを用いてもよく、それぞれ違うものを用いてもよい。
本実施形態の効果を確認するために、本実施形態に係る実施例のタイヤと、図7に示す比較例1に係るタイヤと、図8に示す比較例2に係るタイヤと、図9に示す比較例3に係るタイヤとを試作し(タイヤサイズ:LT315/75R16)、空気溜まりの発生の有無を確認した。
実施例のタイヤ構成は図1に示す通りであり、内側ゴム層34及び外側ゴム層36ともに同じリボンゴムを用いたリボン巻き工法によりグリーンタイヤを作製し、加硫成型した。比較例1のタイヤ構成は図7に示す通りであり、サイドウォールゴム106は一層構造として、実施例の外側ゴム層と同じリボンゴムを用いたリボン巻き工法によりサイドウォールゴム106を作製し、その他は実施例と同様にして加硫成型した。比較例2のタイヤ構成は図8に示す通りであり、実施例に対して、内側ゴム層110をタイヤ径方向内側に延長してビードフィラー114の上端114Aで終端させ(従って、内側ゴム層の下端110Bとビードフィラーの上端114Aが一致)、その他は実施例と同様にして加硫成型した。比較例3のタイヤ構成は図9に示す通りであり、実施例に対して、内側ゴム層110をタイヤ径方向内側に延長してビードフィラー114と重なりを持たせ(従って、内側ゴム層の下端110Bはビードフィラーの上端114Aよりもタイヤ径方向内側)、その他は実施例と同様にして加硫成型した。
その結果、比較例1のものでは、トレッドゴム端部102Aの段差部104において空気溜まりが発生した。比較例2及び比較例3では、トレッドゴム端部102Aでの空気溜まりは発生していなかったが、ビード部近傍(詳細には、内側ゴム層110の下端110B近傍)において空気溜まりが発生した。これに対し、実施例では、トレッドゴムの端部近傍においても、ビード部近傍においても、空気溜まりは発生していなかった。
以上の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
10…空気入りタイヤ、20…ビードフィラー、22…カーカスプライ、
28…トレッドゴム、28A…端部、30…ベルト下パッド、
32…サイドウォールゴム、34…内側ゴム層、36…外側ゴム層、
44…トレッドリング、46…ケース本体、48…リボンゴム、

Claims (4)

  1. 円筒状のカーカスプライの外周側にベルト下パッドを形成するパッド形成工程と、
    内側ゴム層と外側ゴム層からなるサイドウォールゴムの当該内側ゴム層を、前記カーカスプライの外周側に形成する工程であって、加硫成型後のタイヤにおいて、前記内側ゴム層は、その上端部が前記ベルト下パッドにオーバーラップし、トレッドゴムの端部よりタイヤ径方向内側に延在して、下端がビードフィラーの上端に対してタイヤ径方向外側に間隔をおいて位置するように、前記内側ゴム層を形成する内側ゴム層形成工程と、
    前記カーカスプライの周りにベルト及びトレッドゴムを備えるトレッドリングを配置させた状態で、前記カーカスプライをタイヤ径方向に膨張変形させて、トロイド状のカーカスプライのクラウン部外周に前記トレッドリングを接合させ、前記トレッドゴムの端部を前記内側ゴム層上に密着させて、ケース本体を形成するケース本体形成工程と、
    前記ケース本体における前記内側ゴム層の外側にリボンゴムを複数周巻き付けることにより前記外側ゴム層を形成する工程であって、前記外側ゴム層と前記内側ゴム層とにより前記トレッドゴムの端部が挟まれるように、前記外側ゴム層の上端部を前記トレッドゴムの端部にオーバーラップさせて前記外側ゴム層を形成する外側ゴム層形成工程と、
    を含む空気入りタイヤの製造方法。
  2. 前記内側ゴム層の下端と前記ビーフィラーの上端との間隔が、前記リボンゴムの幅の50%以上である、請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  3. 前記外側ゴム層の下端が前記ビードフィラーの上端よりもタイヤ径方向内側に位置するように前記外側ゴム層を形成する、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  4. リボンゴムを、前記ベルト下パッドにオーバーラップさせつつ、前記カーカスプライの外周面に複数周巻き付けることにより、前記内側ゴム層を形成する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
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