JP6697493B2 - 汚泥掻き寄せ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、沈殿池に設置されて池底に堆積した汚泥を一方向に向けて掻き寄せる汚泥掻き寄せ装置に関する。
汚泥掻寄せ装置は、駆動用の支軸を含む複数の支軸間に巻回された一対の無端チェーンと、無端チェーンに取り付けられた複数のフライト部材と、無端チェーンの走行に伴って移動するフライト部材を支持する長尺のガイドレールとを備え、沈殿池の池底に堆積した汚泥をフライト部材で掻き寄せるように構成されている。
支軸に備えたスプロケットに巻回された無端チェーンがスプロケットの回転に伴って走行すると無端チェーンに取り付けられたフライト部材が沈殿池内で循環移動する。フライト部材が沈殿池の池底に設置されたガイドレール上を移動するときに池底に堆積した汚泥が掻き寄せられ、フライト部材が沈殿池の水面近傍に設置されたガイドレール上を移動するときに水面に浮遊したスカムが掻き寄せられる。
ところで、沈殿池が設置された地域で大きな地震が発生すると、地震による長周期振動によって沈殿池の水が大きく波立つスロッシング現象が現れて、その影響によって支軸のスプロケットから無端チェーンが離脱する等、汚泥掻き寄せ装置が破損する虞があった。
そこで、新設の沈殿池のみならず既設の沈殿池に設置された汚泥掻き寄せ装置に対しても、スロッシング現象等に起因するスプロケットからの無端チェーンの離脱を防止するために、フライト部材を挟んでガイドレールと対向する側に、フライト部材の浮きを阻止する長尺の押え部材をガイドレールの延出方向に沿って配置することが考えられている。
特許文献1には、フライト板の上下面にガイドシューをそれぞれ設け、ガイドシューがガイドレールと係合して、フライト板がガイドレールに沿って沈殿池の水面側を走行するようにするとともに、ガイドシューが池底レールと係合して、フライト板が池底レールに沿って沈殿池の池底側を走行するようにし、フライト板の両端の側面外側に、ガイドレールに沿って、フライト板から離隔した位置にガード板を配置し、ガード板は、内側に折り曲げられた部分を有し、該内側に折り曲げられた部分の一部が、沈殿池の水面側を走行するフライト板の上面上側に配置されている汚泥掻寄せ機が提案されている。
特許文献2には、フライト可動体が沈殿池の水面を走行する時に該フライト可動体の走行をガイドする水面ガイドレールと、水面ガイドレール上を走行するフライト可動体の上方向の動きおよび横方向の動きを規制するガード部材とを備え、沈殿池の水面は、水面ガイドレール上を走行するフライト可動体の上端よりもやや下に位置しており、ガード部材は、沈殿池の水面よりも上方に位置しており、水面ガイドレール上を走行するフライト可動体の側面と沈殿池の側壁との間には、沈殿池の水面を横切る構造体が存在しない構成を有する汚泥掻寄せ機が提案されている。
しかし、上述した従来の汚泥掻寄せ機は、フライト部材とガード部材(押え部材)との離隔距離が長い場合には無端チェーンの離脱を確実には防止することができず、フライト部材とガード部材(押え部材)との離隔距離が短い場合にはフライト部材とガード部材(押え部材)とが摺動する等の原因により無端チェーンの円滑な走行が妨げられるという問題があった。
そこで、本願出願人は、特許文献3に示すように、フライト部材の浮きを阻止する長尺の押え部材を備え、フライト部材と押え部材との離隔距離h1が、スプロケットの谷部と山部との最大高さHに対して、0.25H≦h1≦0.75Hの範囲に設定されていることが好ましい旨、提案している。
特開2006−326483号公報 特許第5065513号公報 特開2014−128750号公報
特許文献3に基づけば、新設の沈殿池のみならず既設の沈殿池に設置された汚泥掻き寄せ装置に対しても、フライト部材の浮きを阻止する縦押え部材を精度良く位置決め施工できるようになる。
しかし、スロッシング現象に伴うフライト部材の変位の方向や大きさは予測困難であり、特許文献3に開示されたような、スプロケットからのチェーンの離脱を招き易いフライト部材の上下方向への変位の数値規制だけでは十分ではなく、横方向への変位に対する数値規制も望まれていた。
本発明の目的は、上述した問題点に鑑み、フライト部材と押え部材との横方向への相対的な変位に対する位置規制の基準を明確にしてスロッシングによる横揺れ抑制効果を高めるとともに、支持機構を設置する際の施工性のよい汚泥掻き寄せ装置を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明による汚泥掻き寄せ装置の第一特徴構成は、沈殿池の左右側壁部に回転可能に支持された複数の支軸に巻回された一対の無端チェーンと、前記無端チェーンに取り付けられた複数のフライト部材と、前記無端チェーンの走行に伴って移動する前記フライト部材に備えたガイドシューと当接して前記フライト部材を支持する長尺のガイドレールとを備え、池底に堆積した汚泥を前記フライト部材で掻き寄せる汚泥掻き寄せ装置であって、前記ガイドレール上を走行する前記フライト部材の前記左右側壁部に向う移動を阻止する横押え部材が、前記ガイドレールの延出方向に沿って前記フライト部材を挟むように対向配置され、前記横押え部材が断面L字状のアングル部材で構成され、前記アングル部材の何れか一方の端辺が前記フライト部材と対向する姿勢と、前記アングル部材の何れか一方の面が前記フライト部材と対向する姿勢との何れかを選択して取り付けられるように構成されている点にある。
断面L字状のアングル部材の何れか一方の面がフライト部材と対向する姿勢で配置されると、スロッシング現象によって横押え部材とフライト部材の端面が大きな力で接触した場合でも圧力が分散されるようになり、仮にフライト部材の端面が脆弱な構造であっても機械的損傷が生じるようなリスクを軽減できる。また、フライト部材が多少上下方向移動を伴う場合でも、確実にフライト部材の端面の動きを受け止めることができるようになる。さらに、例えばフライト部材に対する横押え部材の設置空間の制限により、アングル部材の面がフライト部材と対向するように配置できない場合であっても、断面L字状のアングル部材の何れか一方の端辺を前記フライト部材と対向する姿勢で配置することができるようになる。
同第二の特徴構成は、上述の第一の特徴構成に加えて、前記ガイドシューの摺動許容幅をL、前記ガイドレールの摺動レール幅をrとしたときに、前記横押え部材に対向する前記フライト部材の対向端面と前記横押え部材との間隔dが、前記ガイドレールと前記ガイドシューの幅方向中心が一致したときの前記対向端面位置を基準として、(L−r)/2<d<(L+r)/2の範囲に設定されている点にある。
無端チェーンの走行に伴って移動するフライト部材は、ガイドシューの幅方向中心がガイドレールの幅方向中心と一致するように組み付けられているが、経年使用に伴って例えば無端チェーンの伸びの程度が左右で異なるなどの影響で、ガイドシューの幅方向中心とガイドレールの幅方向中心がずれることもあり、そのような場合に横押え部材がフライト部材の対向端面と当接すると、円滑なチェーンの走行が妨げられる。そのため、フライト部材の対向端面と横押え部材との間隔dは、(L−r)/2<dに設定されている必要がある。
また、スロッシング現象が現れてフライト部材に備えたガイドシューがガイドレールから離脱すると、無端チェーンのスプロケットからの離脱を招き、重大な損傷を被る虞がある。そのため、d<(L+r)/2に設定されている必要がある。間隔dが、ガイドレールとガイドシューの幅方向中心が一致したときの対向端面位置を基準として、(L−r)/2<d<(L+r)/2の範囲に設定されていれば、通常時には円滑な無端チェーンの走行とフライト部材の移動が確保され、スロッシング現象が現れた場合にはガイドシューのガイドレールからの離脱、さらには無端チェーンのスプロケットからの離脱を抑制することができる。
同第三の特徴構成は、上述の第一または第二の特徴構成に加えて、前記対向端面の上下高さをHとしたときに、前記横押え部材の上下方向中心が前記対向端面の上下中心から±H/4の範囲に位置するように設定されている点にある。
上述の範囲に横押え部材の上下方向中心が位置すれば、ガイドレールに沿って摺動するガイドシューの経時的な摩耗によってフライト部材の上下位置が変動する場合でも、スロッシング現象が現れた際に横押え部材にフライト部材の対向端面が確実に受け止められるようになる。また、仮に横押え部材とフライト部材の対向端面が衝突しても横押え部材からフライト部材に破損を招くような局所的な反力が付与されることがなく、十分な信頼性が確保できる。
同第四の特徴構成は、上述の第一から第三の何れかの特徴構成に加えて、前記フライト部材を挟んで前記ガイドレールと対向する側に、前記フライト板の浮きを阻止する縦押え部材が前記ガイドレールの延出方向に沿って配置され、前記横押え部材及び前記縦押え部材は、前記沈殿池の側壁から突出するように固定された支持部材に前記横押え部材または前記縦押え部材を固定する固定部材を介して支持されるように構成され、前記固定部材は、前記横押え部材または前記縦押え部材の前記支持部材に対する取付け位置を前記支持部材の突出方向に沿って調整可能な第1調整部と、前記フライト部材と前記横押え部材または前記縦押え部材との離隔距離を調整可能な第2調整部を備えて構成され、前記固定部材は前記横押え部材及び前記縦押え部材の双方に共用可能に構成されている点にある。
沈殿池の側壁から突出するように固定された支持部材に、固定部材を介して縦押え部材または横押え部材(以下、単に「押え部材」と記す。)を固定支持するための施工時に、第1調整部によって押え部材の支持部材に対する取付け位置を支持部材の突出方向に沿って調整し、第2調整部によってフライト部材と押え部材との離隔距離を調整することにより、共に同じ調整範囲で各押え部材を適切な位置に容易に固定することができる。また、縦、横何れの押え部材を位置調整にも同じ固定部材を用いることができ、共用化による部品コストの低減も可能になる。
同第五の特徴構成は、上述の第一から第四の何れかの特徴構成に加えて、前記フライト部材を挟んで前記ガイドレールと対向する側に、前記フライト板の浮きを阻止する縦押え部材が前記ガイドレールの延出方向に沿って配置され、前記横押え部材及び前記縦押え部材は、前記沈殿池の側壁から突出するように固定された支持部材に前記横押え部材または前記縦押え部材を固定する固定部材を介して支持されるように構成され、前記固定部材は、前記ガイドレールの延出方向に沿って前記固定部材で支持される前記横押え部材または前記縦押え部材の支持位置を調整可能な第3調整部を備えて構成され、前記固定部材は前記横押え部材及び前記縦押え部材の双方に共用可能に構成されている点にある。
沈殿池の側壁から突出するように固定された支持部材に、固定部材を介して縦押え部材または横押え部材(以下、単に「押え部材」と記す。)を固定支持するための施工時に、第3調整部によってガイドレールの延出方向に沿った方向に押え部材の支持位置を調整することにより、押え部材を適切な位置に容易に固定することができる。また、縦、横何れの押え部材を位置調整にも同じ固定部材を用いることができ、共用化による部品コストの低減も可能になる。
同六の特徴構成は、沈殿池の左右側壁部に回転可能に支持された複数の支軸に巻回された一対の無端チェーンと、前記無端チェーンに取り付けられた複数のフライト部材と、前記無端チェーンの走行に伴って移動する前記フライト部材に備えたガイドシューと当接して前記フライト部材を支持する長尺のガイドレールとを備え、池底に堆積した汚泥を前記フライト部材で掻き寄せる汚泥掻き寄せ装置であって、前記ガイドレール上を走行する前記フライト部材の前記左右側壁部に向う移動を阻止する横押え部材が、前記ガイドレールの延出方向に沿って前記フライト部材を挟むように対向配置され、前記ガイドシューの摺動許容幅をL、前記ガイドレールの摺動レール幅をr、前記フライト部材の対向端面の上下高さをHとしたときに、前記横押え部材の上下方向中心が前記対向端面の上下中心から±H/4の範囲に位置するように設定され、前記横押え部材に対向する前記フライト部材の対向端面と前記横押え部材との間隔dが、前記ガイドレールと前記ガイドシューの幅方向中心が一致したときの前記対向端面位置を基準にして、min(H/2,(L+r)/2)はH/2と(L+r)/2のうち小さい方の値とする場合に、(L−r)/2<d<min(H/2,(L+r)/2)の範囲に設定されている点にある。
スロッシング現象が現れてフライト部材が水平に横方向に移動するような場合は、間隔dがd<(L+r)/2の範囲に設定されていればガイドシューのガイドレールからの離脱を回避することができる。しかし、斜め方向への姿勢変動を伴うような場合には、ガイドシューがガイドレールから離脱する虞がある。そのような場合に、対向端面の上下高さをHとして、d<min(H/2,(L+r)/2)の範囲に設定すれば、斜め方向への姿勢変動を伴う横移動であっても、効果的にガイドシューのガイドレールからの離脱を回避することができる。間隔dをこの様な範囲に設定すると、例えばスロッシング現象が生じた際に何らかの原因によって縦押え部材によるフライト部材の動き抑制機能が損なわれたような場合に効果的に機能するようになる。
以上説明した通り、本発明によれば、フライト部材と押え部材との横方向への相対的な変位に対する位置規制の基準を明確にしてスロッシングによる横揺れ抑制効果を高めるとともに、支持機構を設置する際の施工性のよい汚泥掻き寄せ装置を提供することができるようになった。
(a)は沈殿池に設置された本発明による汚泥掻き寄せ装置の縦断面図、(b)は平行に配置された各沈殿池で(a)に示した各汚泥掻き寄せ装置で掻き寄せられた汚泥をさらに一方向に掻き寄せる汚泥掻き寄せ装置の断面図 本発明による汚泥掻き寄せ装置の説明図 (a),(b)は汚泥掻き寄せ装置のフライト部材の一端部の要部説明図 (a)から(d)は押え部材を固定する支持機構の説明図 横押え部材の取付け位置の許容範囲の説明図 (a)はノッチチェーンの一部平面図、(b)は同正面図、(c)は駆動軸スプロケットとノッチチェーンの歯合状態の側面図説明図、(d)は駆動軸スプロケットとノッチチェーンの歯合状態の平面視説明図 ノッチチェーンへのフライト部材の取付部の要部説明図 別実施形態を示す横押え部材の取付け位置の許容範囲の説明図 別実施形態を示し、(a)から(d)は本発明による支持機構の説明図 別実施形態を示す横押え部材の説明図 (a),(b)は、別実施形態を示し、縦押え部材を備えず、横押え部材のみの態様の説明図 (a),(b)は別実施形態を示し、押え部材を固定する支持機構の説明図
以下、本発明による汚泥掻き寄せ装置を図面に基づいて説明する。
図1(a)及び図2に示すように、汚泥掻き寄せ装置2は、例えば下水処理場の最初沈殿池や最終沈殿池等の沈殿池1に設置され、複数の支軸3a,3b,3c,3d間に巻回された一対の無端チェーン4,4と、無端チェーン4,4に取り付けられた複数のフライト部材5と、無端チェーン4,4の走行に伴って移動するフライト部材5を支持する長尺のガイドレール6,7とを備えている。なお、本明細書では、フライト板50に無端チェーン4,4を取り付けるためのアタッチメントなどの各種の付属部品を含めてフライト部材5と表記している。
四本の支軸は、沈殿池1の上層に配置された支軸3a,3bと、下層に配置された支軸3c,3dで構成されている。詳述すると、駆動モータMと駆動チェーンCで連結された駆動用支軸3aと、駆動用支軸3aと同じ高さに配置されたアイドラ用支軸3bと、テークアップ用支軸3cと、水中支軸3dで構成され、それぞれ両端に配置された軸受によって回転自在に支承されている。
各支軸3a,3b,3c,3dの両端側にそれぞれスプロケットSが各支軸3a,3b,3c,3dと一体回転するようにキーを介して取り付けられ、各スプロケットSに上述した一対の無端チェーン4,4が巻回されている。尚、駆動用支軸3aにはさらに上述した駆動チェーンCを巻回するための駆動用スプロケットSdが設けられている。
無端チェーン4,4には所定間隔でフライト部材5が取り付けられている。駆動用支軸3aが回転すると無端チェーン4,4が各支軸3a,3b,3c,3d周りに循環するように走行して、無端チェーン4,4に取り付けられたフライト部材5が沈殿池1の内部を循環移動する。
フライト部材5が池底に敷設されたガイドレール6,6に支持されて沈殿池1の池底側を走行する時に、池底側に堆積した汚泥がフライト部材5によって汚泥貯留部1aに掻き寄せられ、フライト部材5が上層に設置されたガイドレール7,7に支持されて水面側を走行する時には水面に浮遊するスカムがスカムスキマ1bに掻き寄せられる。
スカムスキマ1bは、フライト部材5で掻き寄せられたスカムをトラフ内に流入させる溢流堰を備えて構成され、フライト部材5の走行に伴って溢流堰が押し下げられて、水面に浮遊しているスカムが水と共にトラフ内に流入するように構成されている。
尚、支軸3b,3c,3dは従動軸であり、テークアップ用支軸3cはフライト部材5の走行方向に沿って前後に位置調整可能に配置され、無端チェーン4,4の張力を調節できるよう構成されている。
沈殿池1の上層で支軸3a,3b間に設置されたガイドレール7,7は、無端チェーン4,4の延出方向に沿って配置され、沈殿池1の側壁1cに所定間隔でアンカーを介して固定された耐食性の鋼材で構成される複数のレール支持部材70の上部に固定支持されている(図3(a),(b)参照)。
図1(a),(b)に示すように、このような沈殿池1が複数並列に設置され、各汚泥掻き寄せ装置2で汚泥貯留部1aに掻き寄せられた汚泥が、第2の汚泥掻き寄せ装置20で汚泥貯留部1aの一側に掻き寄せられて、ポンプPによって槽外に排泥される。
上述の汚泥掻き寄せ装置2と同様に、第2の汚泥掻き寄せ装置20も、支軸23a,23b,23c間に巻回された一対の無端チェーン24,24と、無端チェーン24,24に取り付けられた複数のフライト板25と、無端チェーン24,24の走行に伴って移動するフライト板25を支持する長尺のガイドレール27とを備えている。
尚、上述した無端チェーン4やガイドレール7の材料として樹脂またはステンレス鋼等の耐食性の金属が好適に用いられ、フライト板の材料として木材、樹脂、耐食性の金属が好適に用いられる。本実施形態では無端チェーン4やガイドレール7の材料としてステンレス鋼が用いられ、フライト板50の材料として木材または樹脂が用いられている。
沈殿池1が設置された地域で大きな地震が発生すると、地震による長周期振動によって沈殿池1の水が大きく波立つスロッシング現象が現れて、その影響によって汚泥掻き寄せ装置2,20の各支軸のスプロケットから無端チェーンが離脱して破損する虞がある。
そのため、図1から図4に示すように、フライト部材5を挟んでガイドレール7と対向する側に、フライト部材5の浮きを阻止する断面「L」字状のアングル部材でなる長尺の縦押え部材8が、支持機構9を介してガイドレール7の延出方向に沿って配置されている。尚、縦押え部材8は長尺でなくてもよく、その場合には定尺の縦押え部材8を連接すればよい。
さらに、ガイドレール7上を走行するフライト部材5の左右側壁1Cに向う移動を阻止する横押え部材8´が、ガイドレール7の延出方向に沿ってフライト部材5を挟むように対向配置されている。縦押え部材8及び横押え部材8´は、共通部品で構成される支持機構9によって支持されている。以下、縦押え部材8を対象に支持機構について説明するとともに、横押え部材8´について詳述する。
図3(a),(b)及び図4(a)から(d)に示すように、支持機構9は、縦押え部材8の延出方向に沿って所定間隔で配置された複数の支持部材9Aと、縦押え部材8を支持部材9Aに支持されるように固定する固定部材、つまり縦押え部材8を支持部材9Aに位置決め固定する第1取付け部材9Bと第2取付け部材9Cで構成されている。
支持部材9Aは、沈殿池1の壁面(側壁)1cに所定間隔でアンカーを介して固定される耐食性の鋼材で構成され、縦押え部材8側に向けて突出するように配置されている。支持部材9Aは、側壁1cに直接固定された態様に限らず、間接的に固定された態様を採用してもよい。例えば、上述したレール支持部材70にボルト固定または溶着固定してもよい。後者の場合には、沈殿池1の壁面に所定間隔を隔ててレール支持部材70と支持部材9Aが対で配置されることになる。尚、支持部材9Aが側壁1cに直接固定された態様であっても、レール支持部材70と同じ間隔で支持部材9Aを設置すればよい。
第1取付け部材9Bと第2取付け部材9Cは、縦押え部材8の支持部材9に対する取付け位置を支持部材9の突出方向に沿って調整可能な第1調整部と、フライト部材5と縦押え部材8との離隔距離h1を調整可能な第2調整部と、ガイドレール7の延出方向に沿って固定部材で支持される縦押え部材の支持位置を調整可能な第3調整部を備えている。
第1取付け部材9Bは、断面視「T」字状の板状鋼材で構成され、上辺となる矩形の板状鋼材の長手方向、つまり平面視でガイドレールの延出方向に対して垂直方向に延びる板状鋼材に沿って2箇所に長孔91hが形成されている。支持部材9Aに形成された取付け孔と長孔91hとにボルト91aを挿通してナット91bで締付け固定される。つまり、長孔91hとボルト91aとナット91bで第1調整部91が構成されている。
第2取付け部材9Cは、折り曲げ加工された板状の鋼材で構成され、断面視「L」字状の縦押え部材8の一側端に係合する係合部92aと、係合部92aと第1取付け部材9Bとの間に縦押え部材8を挟みつけた状態で、フライト部材5と縦押え部材8との離隔距離h1及び縦押え部材8の延出方向に対する第1取付け部材9Bに対する支持位置を調整可能に第1取付け部9Bに締め付ける固定部92bとを備えている。
第1取付け部材9Bのうち、固定部92bが取り付けられる下垂部には上下方向に沿う長孔92hが形成され、第1取付け部材9Bに形成された長孔92hと固定部92bに形成された取付け孔にボルト92cを挿通してナット92dで締付け固定される。つまり、長孔92hとボルト92aとナット92bで第2調整部92が構成され、縦押え部材8を挟みつける係合部92aと第1取付け部材9Bにより第3調整部が構成されている。尚、図4(d)には一つの長孔92hが形成された例を示しているが、実際には幅方向に二つの長孔92hが形成されている。
縦押え部材8に向けて突出するように支持部材9Aを沈殿池1の壁部に直接または間接的に固定した後に、第1調整部91を介して縦押え部材8がフライト部材5に対向する位置に調整しながら第1取付け部材9Bを支持部材9Aに固定し、さらに、第3調整部を介して縦押え部材8を第2取付け部材9Cに対してスライド移動しつつ、第2調整部92を介してフライト部材5と縦押え部材8との離隔距離h1が所定距離になるように調整した後に、第2取付け部材9Cを第1取付け部材9Bに固定すればよい。支持部材9Aそのものの取付け精度が多少悪くても、縦押え部材8を所望の位置に精度良く固定支持する施工作業が非常に容易に行なえるようになる。
長孔91h、92hを介して締付け対象となる両部材の相対位置を容易に調整できるように、予め上述の固定機構91,92が準備された取付け部材9B,9Cを用いるため、支持部材9Aの取付け精度が多少低下する場合でも、精度良く位置決め調整した後に、直ちにボルトとナットで締付け固定でき、現場で柔軟に対応することができる。
また、縦押え部材8が長尺で重量のあるアングル部材で構成されていても、第2取付け部材9Cの係合部92aを縦押え部材8の一側端に係合させて第1取付け部9Bとの間で縦押え部材8を挟みつけ、第2固定機構92を介して離隔距離h1が所定距離となるように調整した固定部92bを第1取付け部材9Bに締め付けることで、容易に位置調整しながら縦押え部材8を支持できるので、現場で縦押え部材8に固定用の孔加工等を施す等の必要が無く、極めて容易に施工できるようになる。
ガイドレール7上を摺動するガイドシュー5aがフライト部材5の上下両面に取り付けられ、支持機構9によって、ガイドレール7上を摺動するガイドシュー5aとは反対側のガイドシュー5bに対向する位置に抑え部材8が位置決めされる。当該ガイドシュー5bは、フライト部材5が池底に敷設されたガイドレール6上を摺動する際にガイドレール6と対向する位置に配置されている。ガイドシューはフライト部材5よりも強度がある材料、例えば鋳物や硬質樹脂で構成されている。
仮に地震によるスロッシング現象が現れてフライト部材5が上方に移動しても、ある程度の強度を備えたガイドシュー5bが抑え部材と当接するため、ガイドシューと比較して強度が弱いフライト部材5が破損するような事態の発生を未然に回避することができる。また、ガイドシューが破損した場合には交換もできる。
以上、縦押え部材8を例に支持機構9を説明したが、横押え部材8´も同様の支持機構9によって支持されている。
図3(a)には、横押え部材8´の支持機構9としてガイドレール7の支持部材が兼用される例が示され、図3(b)には、縦押え部材8の支持機構9と同一の支持部材9Aが横押え部材8´の支持機構9として用いられる例が示されている。
前者の構成ではガイドレール7との位置関係が精度良く規定でき、また横押え部材8´及び固定部材9B,9Cが水面下に位置するため、水面に浮遊するスカムの流れを遮ることがないという利点があり、後者の構成では、同じ支持部材9Aに縦押え部材8及び横押え部材8´の取り付け作業を一括してできるので、施工作業が効率的に行なえるという利点がある。
図5に示すように、ガイドシュー5aの摺動許容幅をL、ガイドレール7の摺動レール幅をrとしたときに、横押え部材8´に対向するフライト部材5の対向端面51と横押え部材8´との間隔dが、ガイドレール7とガイドシュー5aの幅方向中心が一致したときの対向端面位置を基準として、(L−r)/2<d<(L+r)/2の範囲に設定されている。
ガイドシュー5aの摺動許容幅とは、ガイドシュー5bの両側縁の立上り部5cの内側の長さをいう。立上り部5cが何れか一方の側縁にしかない場合もあり、その場合には一方の立上り部5cの内側から他方の側縁までの平坦部の長さをいう。
無端チェーン4,4の走行に伴って移動するフライト部材5は、ガイドシュー5aの幅方向中心がガイドレール7の幅方向中心と一致するように組み付けられているが、経年使用に伴って例えば無端チェーン4,4の伸びの程度が左右で異なるなどの影響で、ガイドシュー5aの幅方向中心とガイドレール7の幅方向中心がずれることもあり、そのような場合に横押え部材8´がフライト部材5の対向端面51と当接すると、円滑なチェーンの走行が妨げられる。そのため、フライト部材の対向端面と横押え部材との間隔dは、(L−r)/2<dに設定されている必要がある。
また、スロッシング現象が現れてフライト部材5に備えたガイドシュー5aがガイドレール7から離脱すると、無端チェーン4のスプロケットからの離脱を招き、重大な損傷を被る虞がある。そのため、ガイドシュー5aとガイドレール7が接触状態にあることを担保すべく、間隔dの最大値がd<(L+r)/2に設定されている必要がある。
間隔dが、ガイドレールとガイドシューの幅方向中心が一致したときの対向端面51位置を基準として、(L−r)/2<d<(L+r)/2の範囲に設定されていれば、通常時には円滑な無端チェーンの走行とフライト部材の移動が確保され、スロッシング現象が現れた場合にはガイドシューのガイドレールからの離脱、さらには無端チェーンのスプロケットからの離脱を抑制することができる。
さらに、対向端面51の上下高さをHとしたときに、横押え部材8´の上下方向中心が対向端面51の上下中心から±H/4の範囲に位置するように設定されていることが好ましい。
上述の範囲に横押え部材8´の上下方向中心が位置すれば、ガイドレール7に沿って摺動するガイドシュー5aの経時的な摩耗によってフライト部材5の上下位置が変動する場合でも、スロッシング現象が現れた際に横押え部材8´にフライト部材5の対向端面51が確実に受け止められるようになる。また、仮に横押え部材8´とフライト部材5の対向端面51が衝突しても横押え部材8´からフライト部材5に破損を招くような局所的な反力が付与されることがなく、十分な信頼性が確保できる。また、横押え部材8´が確実に水中に没した状態を維持できるので、横押え部材8´にスカムが纏わり付くことがない。
対向端面51の上下高さをHとし、H/2と(L+r)/2のうち小さい方の値をmin(H/2,(L+r)/2)とするとき、間隔dが、(L−r)/2<d<min(H/2,(L+r)/2)の範囲に設定されていることがさらに好ましい。
スロッシング現象が現れてフライト部材5が水平に横方向に移動するような場合は、間隔dがd<(L+r)/2の範囲に設定されていればガイドシュー5aのガイドレール7からの離脱を回避することができる。しかし、斜め方向への姿勢変動を伴うような場合には、ガイドシュー5aがガイドレール7から離脱する虞がある。そのような場合に、対向端面の上下高さをHとして、d<min(H/2,(L+r)/2)の範囲に設定すれば、斜め方向への姿勢変動を伴う横移動であっても、効果的にガイドシューのガイドレールからの離脱を回避することができる。間隔dをこの様な範囲に設定すると、スロッシング現象が生じた際に何らかの原因によって縦押え部材8によるフライト部材5の動き抑制機能が損なわれたような場合に効果的に機能するようになる。
対向端面51の上下高さをHとし、H/8から3H/8の範囲の値と(L+r)/2のうち小さい方の値をmin(H/8〜3H/8,(L+r)/2)とするとき、間隔dが、(L−r)/2<d<min(H/8〜3H/8,(L+r)/2)の範囲に設定されていることがより好ましい。
以下、別実施形態を説明する。
図6(a),(b)に示すように、無端チェーン4,4として、樹脂製のノッチ式チェーンを採用してもよい。ノッチチェーン4は、複数のリンクプレート41が連結ピン40で回動可能に連結されて無端状のチェーンに構成されている。各リンクプレート41は、基端側に形成された幅狭の単一の環状部42と、先端側に形成されたフォーク状に二つ割れした幅広の一対の環状部43,43が、リンク部材44で一体に連結されるように一体形成されている。
一方のリンクプレート41の環状部42を他方のリンクプレート41の環状部43,43で挟んだ状態で、各環状部の軸心が一致するように連結ピン40が嵌め込まれて回動自在に連結されている。
正面視でリンク部材44の下縁である腹部のうち環状部42の近傍に駆動軸スプロケットS1の駆動ピンと係合するノッチ45が形成され、環状部43,43側にはシーブホイールS(図1,2の従動側のスプロケットSに対応)の周面に沿う緩やかな曲面が形成されている。また、リンク部材44の背面にはフライト部材5の取付座46が設けられている。
図6(c),(d)に示すように、駆動軸スプロケットS1は左右一対の円盤状の側板30,30が一体回転可能に支持環31で連結され、複数本の駆動ピン32が側板30,30の周部に支持環31と平行姿勢となるように配設されている。支持環31が支軸3a(図2参照)に嵌入固定されることにより、駆動軸スプロケットS1は支軸3aと一体回転する。
駆動軸スプロケットS1に巻回されたノッチチェーン4のノッチ45が駆動ピン32と噛み合うことにより、駆動軸スプロケットS1の回転方向にノッチチェーン4が送られて走行するようになる。
図7に示すように、フライト部材5は、フライト板50の両端部に取り付けられたアタッチメント52を介してノッチ式チェーン4に取り付けられる。アタッチメント52にノッチチェーン4の背面を載せて、一対の取付孔53にボルトBを挿通してナットNで締付固定される。
ノッチチェーン4を挟んでアタッチメント52の上面及び下面にガイドシュー5a,5bが取り付けられている。フライト部材5が上層に設置されたガイドレール7,7に支持されて走行する際にガイドシュー5aがガイドレール7,7上を摺動するとともにガイドシュー5bが押え部材8と対向し、フライト部材5が池底に敷設されたガイドレール6,6に支持されて走行する際にガイドシュー5bがガイドレール6,6上を摺動するように構成されている。
この場合も同様に、横押え部材8´に対向するフライト部材5の対向端面51と横押え部材8´との間隔dが、ガイドレール7とガイドシュー5aの幅方向中心が一致したときの対向端面位置を基準として、(L−r)/2<d<(L+r)/2の範囲に設定されていればよい。
また、対向端面51の上下高さをHとしたときに、横押え部材8´の上下方向中心が対向端面51の上下中心から±H/4の範囲に位置するように設定されていることが好ましく、対向端面51の上下高さをHとし、H/2と(L+r)/2のうち小さい方の値をmin(H/2,(L+r)/2)とするとき、間隔dが、(L−r)/2<d<min(H/2,(L+r)/2)の範囲に設定されていることがさらに好ましい。
対向端面51の上下高さをHとし、H/8から3H/8の範囲の値と(L+r)/2のうち小さい方の値をmin(H/8〜3H/8,(L+r)/2)とするとき、間隔dが、(L−r)/2<d<min(H/8〜3H/8,(L+r)/2)の範囲に設定されていることがより好ましい。
図7では、ガイドシュー5a及びガイドシュー5bの側縁の立上り部5cが一方のみに形成された例が示されている。既に説明したように、ガイドシュー5aの摺動許容幅は、一方の立上り部5cの内側から他方の側縁までの平坦部の長さをいう。
図7及び図8(a),(b)に示すように、横押え部材8´に対向する対向端面51として、符号51A,51B,51Cで示す3つの端面の何れかを選択することができる。何れを選択してもよいが、機械的強度を考慮して横押え部材8´と当接した場合でも破損を招かない端面を選択することが好ましい。またフライト部材5の左右一対で同じ端面を選択するのが望ましい。なお、図8(a),(b)では端面51Aに対向して配置した横押え部材8´を実線で示し、端面51B,51Cに対向して配置した横押え部材8´を破線で示している。
図8(a)では、横押え部材8´がガイドレール7の支持部材70に取付部材9B,9Cを介して取り付けられ、図8(b)では、横押え部材8´が縦押え部材8と同じ支持部材9Aに取付部材9B,9Cを介して取り付けられている。なお、横押え部材8´を取り付けるための支持部材は上述した符号9A,70で示したものに限るものではなく、専用の支持部材に取り付けるように構成されていてもよい。この場合でも取付部材9B,9Cは同じものが用いられる。
押え部材8,8´は、断面「L」字状のアングル部材に限るものではなく、長尺のパイプ部材や平板部材であってもよい。
図9(a)から(d)には、上述した支持機構9で支持されるパイプ状の縦押え部材8の取付け構造が示されている。
当該縦押え部材8は、ガイドレールの延出方向に沿って配置されフライト部材5の浮きを阻止するパイプ部材8bと、一端側でパイプ部材8bを保持して他端側で取付け部材9B,9Cに保持される保持部材8aとで構成されている。尚、パイプ部材8bはステンレス鋼等の耐食性の金属で構成されるものが好適である。そして、横押え部材8´にも同様の構成を採用することができる。
特に横押え部材8´として平板部材を採用すると、フライト部材5と対向する横押え部材8´の先端が平坦な面状になってフライト部材5の端面51と対向するので、スロッシング現象が現れた際に横押え部材8´とフライト部材5の端面51が大きな力で接触した場合でも、圧力が分散されるようになり機械的損傷が生じるようなリスクを軽減できる。また、フライト部材5が多少上下方向移動を伴う場合でも、確実にフライト部材5の端面51の動きを受け止めることができるようになる。例えば、上述した断面「L」字状のアングル部材の先端に平板部材を配するように構成すればよい。
また、上述した実施形態では、断面「L」字状のアングル部材を横押え部材8´として用いる場合に、アングル部材の先端側の端面がフライト部材5と対向する姿勢となるように用いられた例を説明したが、図10に示すように、断面「L」字状のアングル部材の一つの面がフライト部材5と対向する姿勢となるように用いてもよい。特に、横押え部材8´に対向する対向端面51として、図8(a),(b)の符号51Cで示す強度が十分でない端面を選択する場合に好適である。この場合、取付部材9Cを共用できないものの、アングル部材を共用できるようになる。
即ち、横押え部材8´が断面L字状のアングル部材で構成され、アングル部材の何れか一方の端辺がフライト部材5と対向する姿勢と、アングル部材の何れか一方の面がフライト部材5と対向する姿勢との何れかを選択して取り付けられるように構成されている。
断面L字状のアングル部材の何れか一方の面がフライト部材と対向する姿勢で配置されると、スロッシング現象によって横押え部材とフライト部材の端面が大きな力で接触した場合でも圧力が分散されるようになり、仮にフライト部材の端面が脆弱な構造であっても機械的損傷が生じるようなリスクを軽減できる。また、フライト部材が多少上下方向移動を伴う場合でも、確実にフライト部材の端面の動きを受け止めることができるようになる。
例えば、フライト部材に対する横押え部材の設置空間の制限により、アングル部材の面がフライト部材と対向するように配置できない場合や、前記フライト部材の強度が十分に確保されている場合には、断面L字状のアングル部材の何れか一方の端辺を前記フライト部材と対向する姿勢で配置することができるようになる。
図3(a),(b)では、縦押え部材8及び横押え部材8´の双方を備えた例を説明したが、図11(a),(b)に示すように、縦押え部材8を備えることなく、横押え部材8´のみを備えた構成であってもよい。図3以外で説明した態様でも同様に縦押え部材8を備えることなく、横押え部材8´のみを備えた構成であってもよい。
図12(a),(b)には、フライト部材5の浮きを阻止するパイプ部材8bの取付け機構の別実施形態が示されている。縦押え部材8を例に説明するが、横押え部材8´にも適用できる構造である。支持部材9Aに取り付けられる第1取付け部材9Bと、第1取付け部材9Bに取り付けられる第2取付け部材9Cと、第2取付け部材9Cの端部に溶着された断面弧状の保持部材8aとを備え、縦押え部材8となるパイプ部材8bの周面が相対的にスライド移動可能に保持部材8aで係止されるように構成され、最終的にパイプ部材8bと保持部材8aがボルト固定されている。
支持部材9Aに形成された一対の長孔9h1と、断面L字状の第1取付け部材9Bの角部を挟んで一方の片に形成された長孔9h2との間で、支持部材9Aと第1取付け部材9Bがボルト固定され、第1取付け部材9Bの他方の片に形成された一対の丸孔9h3と、板状の第2取付け部材9Cに形成された一対の長孔9h4との間でボルト固定される。
第1取付け部材9Bが、支持部材9Aの延出方向と延出方向に直交する方向の二方向に位置決め調整可能になるように、長孔9h1と長孔9h2の長径が直交姿勢で配置されている。また、長孔9h4を介してパイプ部材8bとフライト部材5との離隔距離が調整される。なお、図12(a),(b)には、長孔9h1と長孔9h2間に挿通して固定するボルト及びナット、丸孔9h3と長孔9h42間に挿通して固定するボルト及びナットは省略されている。
上述した実施形態では、固定部材が、横押え部材または縦押え部材の支持部材に対する取付け位置を支持部材の突出方向に沿って調整可能な第1調整部と、フライト部材と横押え部材または縦押え部材との離隔距離を調整可能な第2調整部と、ガイドレールの延出方向に沿って固定部材で支持される横押え部材または縦押え部材の支持位置を調整可能な第3調整部を備えて構成された例を説明したが、第1調整部と第2調整部のみ備え、第3調整部を備えていない固定部材であってもよく、また第1調整部と第2調整部を備えず、第3調整部のみを備えた固定部材であってもよい。
上述した実施形態では、支持機構9を介して支持される押え部材8,8´が沈殿池1に設置された汚泥掻き寄せ装置2に組み込まれた例を説明したが、支持機構9を介して支持される押え部材8,8´を、汚泥貯留部1aに掻き寄せられた汚泥を泥貯留部1aの一側に掻き寄せる第2の汚泥掻き寄せ装置20に組み込んでもよいことはいうまでも無い。
図1(b)には、支軸23a,23b,23c間に巻回された一対の無端チェーン24,24に対して、支軸23a,23c間に押え部材28が配置された例が示されている。当該押え部材28及び押え部材28の支持機構も、上述した態様と同様である。尚、無端チェーン24,24は左周りに走行するように駆動される。
上述した実施形態は本発明の一態様であり、該記載により本発明が限定されるものではなく、各部の具体的構成や制御態様は本発明の作用効果が奏される範囲で適宜変更設計可能であることはいうまでもない。
1:沈殿池
2:汚泥掻き寄せ装置
3a,3b,3c,3d:支軸
4:無端チェーン
5:フライト部材
5a,5b:ガイドシュー
50:フライト板
51:対向端面
52:アタッチメント
6,7:ガイドレール
8:縦押え部材
8´:横押え部材
9:支持機構
9A:支持部材
9B:第1取付け部材
9C:第2取付け部材
91:第1調整部
92:第2調整部
92a,9B:第3調整部

Claims (6)

  1. 沈殿池の左右側壁部に回転可能に支持された複数の支軸に巻回された一対の無端チェーンと、前記無端チェーンに取り付けられた複数のフライト部材と、前記無端チェーンの走行に伴って移動する前記フライト部材に備えたガイドシューと当接して前記フライト部材を支持する長尺のガイドレールとを備え、池底に堆積した汚泥を前記フライト部材で掻き寄せる汚泥掻き寄せ装置であって、
    前記ガイドレール上を走行する前記フライト部材の前記左右側壁部に向う移動を阻止する横押え部材が、前記ガイドレールの延出方向に沿って前記フライト部材を挟むように対向配置され、
    前記横押え部材が断面L字状のアングル部材で構成され、前記アングル部材の何れか一方の端辺が前記フライト部材と対向する姿勢と、前記アングル部材の何れか一方の面が前記フライト部材と対向する姿勢との何れかを選択して取り付けられるように構成されている汚泥掻き寄せ装置。
  2. 前記ガイドシューの摺動許容幅をL、前記ガイドレールの摺動レール幅をrとしたときに、前記横押え部材に対向する前記フライト部材の対向端面と前記横押え部材との間隔dが、前記ガイドレールと前記ガイドシューの幅方向中心が一致したときの前記対向端面位置を基準として、(L−r)/2<d<(L+r)/2の範囲に設定されている請求項1記載の汚泥掻き寄せ装置。
  3. 前記対向端面の上下高さをHとしたときに、前記横押え部材の上下方向中心が前記対向端面の上下中心から±H/4の範囲に位置するように設定されている請求項1または2記載の汚泥掻き寄せ装置。
  4. 前記フライト部材を挟んで前記ガイドレールと対向する側に、前記フライト板の浮きを阻止する縦押え部材が前記ガイドレールの延出方向に沿って配置され、
    前記横押え部材及び前記縦押え部材は、前記沈殿池の側壁から突出するように固定された支持部材に前記横押え部材または前記縦押え部材を固定する固定部材を介して支持されるように構成され、
    前記固定部材は、前記横押え部材または前記縦押え部材の前記支持部材に対する取付け位置を前記支持部材の突出方向に沿って調整可能な第1調整部と、前記フライト部材と前記横押え部材または前記縦押え部材との離隔距離を調整可能な第2調整部を備えて構成され、前記固定部材は前記横押え部材及び前記縦押え部材の双方に共用可能に構成されている請求項1から3の何れかに記載の汚泥掻き寄せ装置。
  5. 前記フライト部材を挟んで前記ガイドレールと対向する側に、前記フライト板の浮きを阻止する縦押え部材が前記ガイドレールの延出方向に沿って配置され、
    前記横押え部材及び前記縦押え部材は、前記沈殿池の側壁から突出するように固定された支持部材に前記横押え部材または前記縦押え部材を固定する固定部材を介して支持されるように構成され、
    前記固定部材は、前記ガイドレールの延出方向に沿って前記固定部材で支持される前記横押え部材または前記縦押え部材の支持位置を調整可能な第3調整部を備えて構成され、前記固定部材は前記横押え部材及び前記縦押え部材の双方に共用可能に構成されている請求項1から4の何れかに記載の汚泥掻き寄せ装置。
  6. 沈殿池の左右側壁部に回転可能に支持された複数の支軸に巻回された一対の無端チェーンと、前記無端チェーンに取り付けられた複数のフライト部材と、前記無端チェーンの走行に伴って移動する前記フライト部材に備えたガイドシューと当接して前記フライト部材を支持する長尺のガイドレールとを備え、池底に堆積した汚泥を前記フライト部材で掻き寄せる汚泥掻き寄せ装置であって、
    前記ガイドレール上を走行する前記フライト部材の前記左右側壁部に向う移動を阻止する横押え部材が、前記ガイドレールの延出方向に沿って前記フライト部材を挟むように対向配置され、
    前記ガイドシューの摺動許容幅をL、前記ガイドレールの摺動レール幅をr、前記フライト部材の対向端面の上下高さをHとしたときに、前記横押え部材の上下方向中心が前記対向端面の上下中心から±H/4の範囲に位置するように設定され、
    前記横押え部材に対向する前記フライト部材の対向端面と前記横押え部材との間隔dが、前記ガイドレールと前記ガイドシューの幅方向中心が一致したときの前記対向端面位置を基準にして、min(H/2,(L+r)/2)はH/2と(L+r)/2のうち小さい方の値とする場合に、(L−r)/2<d<min(H/2,(L+r)/2)の範囲に設定されている汚泥掻き寄せ装置。
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