JP6696010B2 - 制御装置、電源、制御方法、調整力指令装置、調整力指令方法、及び、プログラム - Google Patents

制御装置、電源、制御方法、調整力指令装置、調整力指令方法、及び、プログラム Download PDF

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Description

本発明は、制御装置、電源、制御方法、調整力指令装置、調整力指令方法、及び、プログラムに関する。
送配電系統は、電力需要の変動周期に応じて、(1)ガバナーフリー(Governor Free;GF)、(2)負荷周波数制御(Load Frequency Control;LFC)、(3)経済負荷配分制御(Economic load Dispatching Control;EDC)に基づく電源からの「調整力」を組み合わせることで、周波数が維持されている。電力自由化により、一般送配電事業者は、調整力を公募か市場で発電事業者等から調達することが想定される。
オフィスや工場、一般家庭等における電力需要は時々刻々と変動する。送配電系統の電力需要が電力供給を超過すると、送配電系統の周波数は基準値(例えば、50Hz又は60Hz)よりも低下し、逆に、電力供給が電力需要を超過すると周波数は基準値より上昇する。「調整力」とは、時々刻々と変動する需要と供給とをバランスさせるためのものであり、調整力が理想的に提供された場合には、周波数は基準値に一致する。
数分から30分未満の需要変動に対する電力需給バランスには、負荷周波数制御(LFC)が用いられる。負荷周波数制御によれば、送配電系統における周波数の変動に応じた量の調整力が提供される。即ち、送配電系統の周波数が基準値に不足した場合には、当該送配電系統を管轄する一般送配電事業者は、プラスの調整力を電力事業者から調達する。他方、送配電系統の周波数が基準値を超過した場合には、一般送配電事業者は、マイナスの調整力を電力事業者から調達する。負荷周波数制御による調整力調達の実際は、一般送配電事業者から送信される時々刻々の指令に対し、発電事業者が電源の出力を調整して応じることにより行われる。
負荷周波数制御(LFC)に基づく電力の安定供給は、発電事業者が、一般送配電事業者からの指令どおりに調整力を提供することに掛かっている。そこで、電力自由化においては、一般送配電事業者が、発電事業者に対し、調整力の提供の実績に応じた対価を支払う仕組み(調整力提供の精算)が検討されている。
しかしながら、一般送配電事業者がごく短時間で急峻に変動する調整力の指令を行った場合は、電力事業者は当該指令に応じることができず、逆にペナルティを課せられ得る。また、周波数は、送配電系統の場所ごとに違いがある。送配電系統の場所ごとにきめ細かく調整力を指令することが望ましいが、短周期(周期3〜5秒程度)の揺動に対してそれを行うことは現実的ではない。
そこで、短周期の需要変動に対しては、一般に、発電事業者が管理(又は、運用)する電源(タービン装置及び発電機からなるもの)で自律的に行われるガバナーフリー(GF)運転が適用される。ガバナーフリー運転とは、需要変動(負荷変動)に起因する発電機の回転速度の変化に対して、当該回転速度を一定に保つように、タービン装置への入力量(燃料供給量等)を制御する運転のことをいう。例えば、短期的に電力需要が増加した場合には、これに伴い発電機の回転速度が低下する。ガバナーフリー運転によれば、当該低下した回転速度の観測値と基準値との偏差に応じて自動的にタービン装置への入力量(燃料供給量等)が上昇し、回転速度が基準値に維持される。元の回転速度に戻る際に発電機が余分に発生させた有効電力が、ガバナーフリー運転により提供された調整力(以下、「GF調整力」とも記載する。)である。
また、タービン装置を原動力とする電源は、運転中においてタービン装置の回転子が回転する仕組み上、慣性エネルギーを内部に有している。この慣性エネルギーは、需要変動に応じて発電機と負荷との間で自動的に授受されるので、需要変動に対する周波数変動の緩衝材(バッファ)として機能し、周波数の安定化に寄与する。
特許文献1には、ガスタービン比例ドループ調速機のための補正システムおよび方法が開示されている。
特開2016−153645号公報
ガバナーフリー運転や慣性エネルギーによる調整力の提供は、一般送配電事業者からの指令によらず、各電源で自律的に行われる。他方、太陽光発電による電源は、ガバナーフリー運転により自律的に調整力を発生させるようなことはしないし、慣性エネルギーも持たない。このため、近年の太陽光発電装置の増加により、送配電系統においては、短周期の需要変動に対応する調整力が不足することが懸念される。この懸念は、太陽光発電の増加によりますます拡大する。
このような状況は、既存の発電所においてGF調整力を増やすことによって解決可能である。現状では、発電所ごとに、ガバナーフリー運転を実施するか否か(ON/OFF)の設定を行うことは可能であるが、各発電所が発生させるGF調整力の程度を柔軟に増減させるようなことはできない。このため、送配電系統においてGF調整力を増やすには、ガバナーフリー運転を実施する発電所の数を増やすことによらなければならず、柔軟な対応が困難である。
本発明の目的は、ガバナーフリー運転により提供される調整力を柔軟に変更可能な制御装置、電源、制御方法、調整力指令装置、調整力指令方法、及び、プログラムを提供することにある。
本発明の第1の態様によれば、制御装置は、発電機の制御装置であって、前記発電機の回転速度の観測値と基準値との偏差に対応する第1調整力指令値を演算する演算部と、外部装置から調整力増幅係数を取得し、前記第1調整力指令値と前記調整力増幅係数とを基に、調整力を増幅する度合いを示す第2調整力指令値を演算する調整力増幅部と、を備え、前記第2調整力指令値を基に、前記発電機の調整力を増幅させる。
また、本発明の第2の態様によれば、上述の制御装置は、前記第1調整力指令値と、前記第2調整力指令値とを加算してなる増幅後調整力指令値を演算する加算処理部を有し、前記第1調整力指令値は、前記偏差に対し、予め規定された第1比例定数を乗じることにより算出され、前記第2調整力指令値は、前記第1調整力指令値と前記調整力増幅係数とを乗じることにより算出され、前記増幅後調整力指令値を用いて、前記発電機の調整力の増幅を指令する。
また、本発明の第3の態様によれば、上述の制御装置は、前記外部装置からの指令として、前記調整力増幅係数を増減させるための調整力増幅係数増減値を受信し、受信した前記調整力増幅係数増減値を時間積分して前記調整力増幅係数を演算する積分処理部を更に備える。
また、本発明の第4の態様によれば、上述の制御装置は、前記発電機が解列された場合に、前記調整力増幅係数を低減させる。
また、本発明の第5の態様によれば、前記調整力増幅部は、前記偏差の低周波帯域を遮断する低域遮断フィルタを更に備える。
また、本発明の第6の態様によれば、電源は、上述の制御装置と、前記発電機と、前記発電機を回転駆動させるタービン装置と、を備える。
また、本発明の第7の態様によれば、制御方法は、発電機の制御方法であって、前記発電機の回転速度の観測値と基準値との偏差に対応する第1調整力指令値を演算するステップと、外部装置から調整力増幅係数を取得し、前記第1調整力指令値と前記調整力増幅係数とを基に、調整力を増幅する度合いを示す第2調整力指令値を演算するステップと、を有し、前記第2調整力指令値を基に、前記発電機の調整力を増幅させる。
また、本発明の第8の態様によれば、プログラムは、発電機の制御装置に、前記発電機の回転速度の観測値と基準値との偏差に対応する第1調整力指令値を演算するステップと、外部装置から調整力増幅係数を取得し、前記第1調整力指令値と前記調整力増幅係数とを基に、調整力を増幅する度合いを示す第2調整力指令値を演算するステップと、を実行させ、前記第2調整力指令値を基に、前記発電機の調整力を増幅させる。
また、本発明の第9の態様によれば、調整力指令装置は、管理対象とする送配電網に接続された発電機の制御装置に対し、前記発電機の回転速度の観測値と基準値との偏差に応じて出力すべき調整力の比例定数を増加させるための指令を送信する送信処理部を備える。
また、本発明の第10の態様によれば、上述の調整力指令装置は、前記管理対象とする送配電網と他の送配電網との接続点において授受される有効電力の計測値と、当該接続点における周波数の計測値とを取得する計測値取得部と、取得された前記有効電力の計測値と前記周波数の計測値とに基づいて、前記有効電力の変動の、前記周波数の変動への影響の度合いを示す調整力係数を算出する調整力係数演算部と、を備える。そして、前記送信処理部は、前記調整力係数と当該調整力係数の目標値との偏差に応じた、前記比例定数の増加の度合いを示す前記指令を送信する。
また、本発明の第11の態様によれば、前記計測値取得部は、前記送配電網の一部の地域に属する前記接続点において授受される有効電力の計測値と、当該接続点における周波数の計測値とを取得する。また、前記調整力係数演算部は、取得された前記有効電力の計測値と前記周波数の計測値とに基づいて、前記一部の地域に関する調整力係数を算出する。また、前記送信処理部は、前記一部の地域に関する調整力係数と当該一部の地域に関する調整力係数の目標値との偏差に応じた前記指令を、前記一部の地域に属する発電機の制御装置に送信する。
また、本発明の第12の態様によれば、調整力指令方法は、管理対象とする送配電網に接続された発電機の制御装置に対し、前記発電機の回転速度の観測値と基準値との偏差に応じて出力すべき調整力の比例定数を増加させるための指令を送信するステップを有する。
また、本発明の第13の態様によれば、プログラムは、調整力指令装置に、管理対象とする送配電網に接続された発電機の制御装置に対し、前記発電機の回転速度の観測値と基準値との偏差に応じて出力すべき調整力の比例定数を増加させるための指令を送信するステップを実行させる。
上述の発明の各態様によれば、ガバナーフリー運転により提供される調整力を柔軟に変更できる。
第1の実施形態に係る電力需給システムの全体構成を示す図である。 第1の実施形態に係る電力需給システムの構成を詳細に示す図である。 第1の実施形態に係る調整力指令装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る調整力指令装置の機能構成を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る制御装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る制御装置の機能構成及び処理フローを示すブロック図である。 第1の実施形態の変形例に係る制御装置の機能構成及び処理フローを示すブロック図である。 第2の実施形態に係る電力需給システムの構成を詳細に示す図である。 第2の実施形態に係る制御装置の機能構成及び処理フローを示すブロック図である。 第3の実施形態に係る制御装置の機能構成及び処理フローを示すブロック図である。 第3の実施形態の変形例に係る制御装置の機能構成及び処理フローを示すブロック図である。 第4の実施形態に係る電力需給システムの全体構成を示す図である。 第4の実施形態に係る調整力指令装置の機能構成を示すブロック図である。 第4の実施形態に係る調整力指令装置の機能構成及び処理フローを示すブロック図である。 第5の実施形態に係る電力需給システムの全体構成を示す図である。 第5の実施形態に係る調整力指令装置の機能構成及び処理フローを示すブロック図である。 第6の実施形態に係る電力需給システムの構成を詳細に示す図である。 第6の実施形態に係る制御装置の機能構成及び処理フローを示すブロック図である。 第6の実施形態に係るインパルス応答の一例を示す図である。 第6の実施形態の変形例に係る制御装置の機能構成及び処理フローを示すブロック図である。 第7の実施形態に係る電力需給システムの全体構成を示す図である。 第7の実施形態に係る調整力指令装置の機能構成を示すブロック図である。 第7の実施形態に係る調整力指令装置の機能構成及び処理フローを示すブロック図である。 第7の実施形態に係る重み係数テーブルの一例を示す図である。
<第1の実施形態>
以下、第1の実施形態に係る電力需給システムについて、図1〜図6を参照しながら説明する。
(電力需給システムの全体構成)
図1は、第1の実施形態に係る電力需給システムの全体構成を示す図である。
図1に示す電力需給システム1は、発電を行う発電事業者Gと、送配電された電力を消費する需要家Cとの間での電力需給バランスを維持するためのシステムである。
図1に示す例では、一般送配電事業者Tが管理対象とする送配電網(以下、対象送配電網N1とも記載する。)には、発電事業者Gと需要家Cとが接続されている。また、対象送配電網N1は、他の一般送配電事業者が管理対象とする送配電網(以下、対象外送配電網N2とも記載する。)とも接続されている。
発電事業者Gは、後述するタービン装置、発電機等を用いて発電を行う事業者である。発電事業者Gが発電した電力は、一般送配電事業者Tが管理対象とする対象送配電網N1を流れて需要家Cへと供給される。
需要家Cは、工場等であって、例えばモータ等の負荷を管理し、対象送配電網N1を通じて供給された電力を消費する。
一般送配電事業者Tは、対象送配電網N1を流れる電力の周波数を観測し、発電事業者Gと需要家Cとの間の電力需給バランスをモニタリングする。一般送配電事業者Tは、電力需給バランスを平衡に維持すべく、調整力指令装置10を用いて、各発電事業者Gに向けて、負荷周波数制御(LFC)による調整力指令、経済負荷配分制御(EDC)による調整力指令等を送信する。
電力需給システム1は、調整力指令装置10を有してなる。
調整力指令装置10は、一般送配電事業者Tに管理される。上述したように、調整力指令装置10は、一般送配電事業者Tのオペレータの操作に応じて、各発電事業者Gに向けて、LFC、EDCによる調整力指令を送信する。
また、本実施形態に係る調整力指令装置10は、各発電事業者Gに対し、GF調整力を増幅させるための指令であるGF調整力増幅指令を送信可能とする。
(電力需給システムの構成の詳細)
図2は、第1の実施形態に係る電力需給システムの構成を詳細に示す図である。
図2に示すように、発電事業者Gは、電源21を管理している。なお、発電事業者Gは、電源21と同様の構成の電源を複数管理するが、図示を省略する。
電源21は、制御装置210と、タービン装置211と、発電機212とを有してなる。
タービン装置211は、例えば、ガスタービン、蒸気タービン等であって、燃料(蒸気)などの供給量に応じたトルクを発生させる。タービン装置211は、発電機212に連結された回転軸を通じて、当該発電機212を回転駆動させる。
発電機212は、タービン装置211から入力されるトルクにより回転子を回転させることで発電を行う。発電機212が発電した電力は、対象送配電網N1に送出される。
制御装置210は、タービン装置211及び発電機212の運転制御を行う。特に、制御装置210は、発電機212の回転速度(出力の周波数に対応)を常時モニタリングし、当該回転速度が一定となるように、タービン装置211への入力量(燃料供給量)を自動調整する(ガバナーフリー運転)。
より具体的には、制御装置210は、タービン装置211または発電機212の出力から回転速度の観測値を取得する。そして、当該観測値と所定の基準値との偏差を演算し、更に、当該偏差を小さくするために発電機が更に発生すべき出力(GF調整力)を演算する。制御装置210は、演算したGF調整力を示すGF調整力指令(弁開度指令)を燃料供給弁Vに出力する。
制御装置210による以上のような制御により、短周期(周期3〜5秒程度)の需要変動に対しては、電源21のガバナーフリー運転により、逐次、調整力が提供される。
制御装置210が行うガバナーフリー運転において、発電機212の回転速度の観測値と基準値との偏差(周波数偏差Δf)に応じて電源21が追加的に発生させる出力(即ち、調整力ΔP)は、速度調停率δを用いて式(1)のように規定される。
Figure 0006696010
式(1)において、『Δf』は、周波数偏差Δf[Hz]であり、周波数の基準値(例えば、50Hz等)に対する、電源21の出力の周波数の偏差である。また、『fn』は、対象送配電網N1の周波数の基準値[Hz](例えば、50Hz等)であり、『Pn』は、電源21の定格出力[W]である。
このように、制御装置210が行うガバナーフリー運転制御において、周波数偏差Δfに応じて発電機212が出力すべき調整力ΔPは、速度調停率δを含む比例定数(1/δ・Pn/fn)に基づいて決定される。
一般送配電事業者Tが管理する調整力指令装置10は、所定の通信網(インターネット回線等)を介して、制御装置210にGF調整力増幅指令を送信する。本実施形態において、GF調整力増幅指令は、「調整力増幅係数」を示す信号である。「調整力増幅係数」については後述する。
(調整力指令装置のハードウェア構成)
図3は、第1の実施形態に係る調整力指令装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3に示すように、調整力指令装置10は、CPU100と、メモリ101と、通信インタフェース102と、操作パネル103と、ストレージ104とを備えている。
CPU100は、調整力指令装置10の動作全体の制御を司るプロセッサである。
メモリ101は、いわゆる主記憶装置であって、CPU100がプログラムに基づいて動作するための命令及びデータが展開される。
通信インタフェース102は、外部装置(特に、制御装置210)との間で情報をやり取りするためのインタフェース機器である。なお、本実施形態においては、通信インタフェース102によって実現される通信手段及び通信方式は、特に限定されない。例えば、通信インタフェース102は、有線通信を実現するための有線接続インタフェースであってもよいし、無線通信を実現するための無線通信モジュールであってもよい。
操作パネル103は、例えば、キーボードやタッチセンサ等の入力インタフェースである。
ストレージ104は、いわゆる補助記憶装置であって、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等であってよい。
(調整力指令装置の機能構成)
図4は、第1の実施形態に係る調整力指令装置の機能構成を示すブロック図である。
図4に示すように、調整力指令装置10のCPU100は、プログラムに従って動作することで、操作受付処理部1000及び送信処理部1001としての機能を発揮する。
操作受付処理部1000は、操作パネル103を通じて、オペレータの操作を受け付ける。例えば、操作受付処理部1000は、オペレータから、LFC、EDCによる調整力指令を出力する操作を受け付ける。また、操作受付処理部1000は、オペレータから、GF調整力増幅指令を出力する操作を受け付ける。
送信処理部1001は、通信インタフェース102を通じて、各種指令を電源21の制御装置210に向けて送信する処理を行う。特に、本実施形態に係る送信処理部1001は、調整力増幅係数を示すGF調整力増幅指令を送信する。ここで、調整力増幅係数とは、発電機212の回転速度の観測値と基準値との偏差(周波数偏差Δf)に応じて出力すべき調整力ΔPの比例定数(後述する第1比例定数(1/δ・Pn/fn))を増加させる度合いを示す値である。
(制御装置のハードウェア構成)
図5は、第1の実施形態に係る制御装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図5に示すように、制御装置210は、CPU2100と、メモリ2101と、通信インタフェース2102と、ストレージ2103とを備えている。
CPU2100は、制御装置210の動作全体の制御を司るプロセッサである。
メモリ2101は、いわゆる主記憶装置であって、CPU2100がプログラムに基づいて動作するための命令及びデータが展開される。
通信インタフェース2102は、外部装置(特に、調整力指令装置10)との間で情報をやり取りするためのインタフェース機器である。
ストレージ2103は、いわゆる補助記憶装置であって、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等であってよい。
(制御装置の機能構成及び処理フロー)
図6は、第1の実施形態に係る制御装置の機能構成及び処理フローを示すブロック図である。
図6に示すように、制御装置210のCPU2100は、プログラムに従って動作することで、制御部220、調整力増幅部230、及び、加算処理部240としての機能を発揮する。
制御部220は、ガバナーフリー運転を実現するための制御を行う。具体的には、特に、制御部220(後述する演算部222)は、発電機212の回転速度の観測値と基準値との偏差(周波数偏差Δf)に対し、予め規定された第1比例定数(1/δ・Pn/fn)を乗じてなる第1調整力指令値(ΔP)を演算する。
調整力増幅部230は、調整力指令装置10からの指令に基づいて調整力増幅係数κを取得する。そして、調整力増幅部230は、周波数偏差Δfに対し、調整力増幅係数κに応じた第2比例定数(1/δ・Pn/fn・κ)を乗じてなる第2調整力指令値(κΔP)を演算する。
加算処理部240は、第1調整力指令値ΔPに第2調整力指令値κΔPを加算してなる増幅後調整力指令値(1+κ)ΔPを演算する。
増幅後調整力指令値(1+κ)ΔPは、制御装置210の最終的なGF調整力指令(弁開度指令)として燃料供給弁V(図2)に出力される。即ち、本実施形態に係る制御装置210は、調整力指令装置10から受信したGF調整力増幅指令に基づいて、通常のGF調整力指令ΔPよりもκΔPだけ増幅された調整力を出力するように制御する。
以下、図6を参照しながら、制御部220、調整力増幅部230、及び、加算処理部240の処理の流れについて詳細に説明する。制御装置210において、一般に、制御部220は独立した機能ブロックとして構成されている。
まず、制御部220の処理について詳しく説明する。
図6に示すように、制御部220の演算部221は、発電機212の回転速度の観測値(回転速度f)と基準値f0との偏差である周波数偏差Δf(=f0−f)を演算する。
次に、制御部220の演算部222は、周波数偏差Δfに、速度調停率δを含む第1比例定数(1/δ・Pn/fn)を乗じて第1調整力指令値ΔPを演算する。この第1調整力指令値ΔPは、式(1)に基づいて算出される値であって、通常のガバナーフリー運転において、周波数偏差Δfに応じて出力されるGF調整力指令である。
次に、演算部223は、演算部222によって算出された第1調整力指令値ΔPに、予め規定されたガバナ設定値Pを加算する。
次に、ロードリミッタ224は、ガバナ設定値Pと第1調整力指令値ΔPとの合計(P+ΔP)が、予め規定されたロードリミット値Plimを超過しているか否かを判定する。そして、ガバナ設定値Pと第1調整力指令値ΔPとの合計(P+ΔP)がロードリミット値Plimを超過している場合には、ロードリミッタ224は、ロードリミット値Plimを超過しない範囲で第1調整力指令値ΔPに制限をかける。
ここで、ロードリミッタ224の機能について簡単に説明する。
例えば、制御装置210に対する事前の設定処理において、ガバナ設定値Pが100%に設定され、ロードリミット値Plimが110%に設定されていたとする。この場合、制御部220が出力する第1調整力指令値ΔPは、ロードリミッタ224の機能により、最大10%に制限される。
また、例えば、100%のガバナ設定値Pに対し、ロードリミット値Plimも100%(或いは100%未満の値)に設定されていたとする。この場合、制御部220が出力する第1調整力指令値ΔPは常に0%となる。このような設定は、制御装置210によるガバナーフリー運転を“OFF”したことと同義となる。
次に、調整力増幅部230の処理について詳しく説明する。
図6に示すように、調整力増幅部230の演算部231は、周波数偏差Δfに、第1比例定数(1/δ・Pn/fn)を乗じて第1調整力指令値ΔPを演算する。
次に、調整力増幅部230の乗算処理部232は、調整力指令装置10から調整力増幅係数κを受信するとともに、演算部231が算出した第1調整力指令値ΔPに調整力増幅係数κを乗算して、第2調整力指令値κΔPを演算する。
演算部231及び乗算処理部232による上記処理を換言すると、調整力増幅部230は、調整力指令装置10からの指令に基づいて調整力増幅係数κを取得するとともに、周波数偏差Δfに対し、調整力増幅係数κに応じた第2比例定数(1/δ・Pn/fn・κ)を乗じてなる第2調整力指令値κΔPを演算する。
次に、加算処理部240の処理について詳しく説明する。
加算処理部240は、第1調整力指令値ΔPに第2調整力指令値κΔPを加算してなる増幅後調整力指令値(1+κ)ΔPを演算する。加算処理部240は、算出した増幅後調整力指令値(1+κ)ΔPを、最終的なGF調整力指令として燃料供給弁V(図2)に出力する。前述したように、一般に、制御部220は独立した機能ブロックとして構成されている。したがって、制御部220の内部を変更することは一般には歓迎されないが、変更が許される場合には、加算処理部240の機能を演算部223に代用させることも可能である。
CPU2100の上記処理を換言すると、要するに、CPU2100は、周波数偏差Δfに応じて発電機212が出力すべき調整力ΔPを決定する第1比例定数(1/δ・Pn/fn))を、GF調整力増幅指令に基づく第2比例定数(1/δ・Pn/fn・κ)分だけ増加させた上でガバナーフリー運転を行う。
なお、図6において図示を省略しているが、制御装置210のCPU2100は、調整力指令装置10から、GF調整力増幅指令(調整力増幅係数κ)の他に、LFCによる調整力指令、及び、EDCによる調整力指令も適宜受信している。CPU2100は、実際には、GF調整力増幅指令(調整力増幅係数κ)に基づくGF調整力指令だけでなく、これらLFC、EDCによる調整力指令を加味した上で、タービン装置211及び発電機212を制御する。
(作用、効果)
以上のように、第1の実施形態に係るタービン装置211及び発電機212の制御装置210は、調整力指令装置10からの指令に応じて、通常のガバナーフリー運転によって出力される調整力指令値(第1調整力指令値ΔP)よりも大きい増幅後調整力指令値(1+κ)ΔPを出力する。なお、調整力増幅計数κは負の値も許容する。このため、増幅後調整力指令値(1+κ)ΔPが調整力指令値(第1調整力指令値ΔP)より小さくなることもある。
また、調整力指令装置10は、管理対象とする送配電網(対象送配電網N1)に接続された発電機212の制御装置210に対し、発電機212の回転速度の観測値と基準値との偏差(周波数偏差Δf)に応じて出力すべき調整力の比例定数を増加させるためのGF調整力増幅指令を送信する。
これにより、短周期的な需要変動に対する調整力が不足していると判断される場合には、一般送配電事業者Tのオペレータは、各発電事業者Gに対し、GF調整力増幅指令(調整力増幅係数κ)を送信することで、GF調整力を柔軟に調達することができる。
(第1の実施形態の変形例)
図7は、第1の実施形態の変形例に係る制御装置の機能構成及び処理フローを示すブロック図である。
以下、図7を参照しながら、第1の実施形態の変形例について説明する。
第1の実施形態の変形例に係る調整力増幅部230は、第1の実施形態に加え、更に、上限設定部233を備えている。
上限設定部233は、調整力指令装置10から受信した調整力増幅係数κに対し、予め規定した上限値を適用して出力する。これにより、調整力指令装置10から著しく高い調整力増幅係数κが送信された場合であっても、電源21(タービン装置211、発電機212)としての限界を超えない範囲で調整力を増幅させることができる。
また、本実施形態に係る上限設定部233は、遮断器Bからの遮断検知信号を入力する。ここで、遮断器Bは、発電機212と対象送配電網N1との間の電気的接続を遮断して、発電機212を解列する装置である。
上限設定部233は、遮断器Bから遮断検知信号を受け付けた場合には、直ちに、上限設定値をゼロとする。即ち、上限設定部233は、調整力指令装置10から受信した調整力増幅係数κにかかわらず、常に、ゼロを出力する。
通常のガバナーフリー運転制御に適用される速度調停率δは、発電機212が無負荷の状態(解列している状態)においても、ガバナーフリー運転制御のハンチング(振動)を起こさない値に設定されている。しかし、発電機212が解列された(無負荷の状態となった)場合に、調整力増幅部230の機能により速度調停率δに基づく比例定数(第1比例定数)よりも大きい比例定数(第2比例定数が加算された比例定数)でガバナーフリー運転を行うと、負荷に対する比例定数(比例ゲイン)の値が大きくなりすぎてハンチングを起こすことが懸念される。
そこで、本変形例に係る調整力増幅部230は、上述のような上限設定部233の機能に基づき、発電機212の解列が検知された場合には、直ちに調整力増幅係数κをゼロとしてその機能を無効化する。これにより、解列が行われた場合に、ガバナーフリー運転制御によるハンチングを起こさないようにすることができる。
なお、本変形例では、調整力増幅部230は、発電機212が解列された場合に、調整力増幅係数κをゼロとする例で説明したが、他の実施形態においてはこの態様に限定されない。即ち、他の実施形態に係る調整力増幅部230は、発電機212の解列が検知された場合に、当該発電機212のハンチングを起こさない効果が得られる範囲で、調整力増幅係数κを低減させる態様であってもよい。
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態に係る電力需給システムについて、図8、図9を参照しながら説明する。
(電力需給システムの構成の詳細)
図8は、第2の実施形態に係る電力需給システムの構成を詳細に示す図である。
図8に示すように、第2の実施形態に係る調整力指令装置10は、制御装置210に対するGF調整力増幅指令として、「調整力増幅係数増減値」を出力する。「調整力増幅係数増減値」とは、各発電事業者Gに適用される調整力増幅係数κの増減の度合いを示す値である。
(制御装置の機能構成及び処理フロー)
図9は、第2の実施形態に係る制御装置の機能構成及び処理フローを示すブロック図である。
図9に示すように、第2の実施形態に係る調整力増幅部230は、更に、積分処理部234を備えている。
積分処理部234は、調整力指令装置10からのGF調整力増幅指令として、調整力増幅係数κを増減させるための調整力増幅係数増減値κ・を受信する。そして、積分処理部234は、受信した調整力増幅係数増減値κ・を時間積分して調整力増幅係数κを演算する。積分処理部234は、時間積分により算出した調整力増幅係数κを乗算処理部232に出力する。
(作用、効果)
第2の実施形態に係る上記構成によれば、一般送配電事業者Tは、発電事業者Gに対し、調整力増幅係数κそのものを指令するのではなく、単に、調整力増幅係数κの増減のみを指令する。これにより、一般送配電事業者Tのオペレータは、短期的な需要変動に対するGF調整力の過不足の判断結果に応じて、調整力増幅係数κの増減のみを指令すればよく、電力需給バランスの調整を簡素化できる。
<第3の実施形態>
次に、第3の実施形態に係る電力需給システムについて、図10を参照しながら説明する。
(制御装置の機能構成及び処理フロー)
図10は、第3の実施形態に係る制御装置の機能構成及び処理フローを示すブロック図である。
図10に示すように、第3の実施形態に係る調整力増幅部230は、第2の実施形態の構成に加え、更に、低域遮断フィルタ235を備えている。
低域遮断フィルタ235は、演算部231と乗算処理部232との間に設けられ、第1調整力指令値ΔP(即ち、周波数偏差Δf)の低周波帯域を遮断する。低域遮断フィルタ235の時定数τは、遮断したい周波数帯域に応じて適宜設定される。
(作用、効果)
ガバナーフリー運転による調整力の提供は、あくまで、短周期で発生する需要変動に対応するものであり、周波数偏差Δfが持続的に発生する状況には、LFC及びEDCで対処すべきである。上記のような低域遮断フィルタ235を設けることで、GF調整力増幅指令が適用されたガバナーフリー運転によって提供される調整力を、短周期で発生する需要変動のみに対応させることができる。
(第3の実施形態の変形例)
図11は、第3の実施形態の変形例に係る制御装置の機能構成及び処理フローを示すブロック図である。
以下、図11を参照しながら、第3の実施形態の変形例について説明する。
第3の実施形態の変形例に係る調整力増幅部230は、第3の実施形態(図10)と同様に、低域遮断フィルタ235を備えている。ただし、第3の実施形態と異なり、調整力増幅部230は、発電機の回転速度の観測値(回転速度f)を直接入力する。
また、第3の実施形態の変形例に係る演算部231は、第3の実施形態と異なり、負の第1比例定数(−1/δ・Pn/fn)を乗算する。
発電機の回転速度の観測値(回転速度f)を演算部231に直接入力したとしても、固定値である基準値f0に基づく成分は、低域遮断フィルタ235によって遮断される。結果として、低域遮断フィルタ235から出力される値は、第3の実施形態と同様に、低周波数帯域成分が遮断された後の第1調整力指令値ΔPとなる。
このようにすることで、第3の実施形態と比較して全体の構成を簡素化することができる。
<第4の実施形態>
次に、第4の実施形態に係る電力需給システムについて、図12〜図14を参照しながら説明する。
(電力需給システムの全体構成)
図12は、第4の実施形態に係る電力需給システムの全体構成を示す図である。
図12には、対象送配電網N1の他に、他の一般送配電事業者が管理対象とする対象外送配電網N2、N3を示している。図12に示すように、対象送配電網N1は、対象外送配電網N2、N3と、一箇所又は複数の接続点において電気的に接続され、大規模な送配電系統を構築する。
本実施形態に係る電力需給システム1では、対象送配電網N1と対象外送配電網N2、N3とを接続する各接続点に計測器50が設置される。各計測器50は、各接続点において授受される有効電力(潮流)と、当該接続点における周波数とを計測可能とする。計測器50は、対象送配電網N1から対象外送配電網N2、N3に流出する有効電力を“正”として計測するものとする。
なお、本実施形態に係る計測器50は、よく知られている周波数計測機能付きの電力計などであってよい。
本実施形態に係る調整力指令装置10は、各計測器50から有効電力とその周波数の計測結果(有効電力計測値P1、P2、・・、周波数計測値f1、f2、・・)を受信する。そして、調整力指令装置10は、対象送配電網N1に接続された各発電事業者Gに向けて、計測器50の計測結果に応じた適切な調整力増幅係数増減値(GF調整力増幅指令)を送信する。
(調整力指令装置の機能構成)
図13は、第4の実施形態に係る調整力指令装置の機能構成を示すブロック図である。
第4の実施形態に係る調整力指令装置のハードウェア構成は、第1の実施形態(図3)と同様であるため図示を省略する。
図13に示すように、調整力指令装置10のCPU100は、プログラムに従って動作することで、操作受付処理部1000、送信処理部1001、計測値取得部1002及び調整力係数演算部1003としての機能を発揮する。
操作受付処理部1000は、第1の実施形態と同様の機能を有する。
計測値取得部1002は、各計測器50(図12)から有効電力とその周波数の計測結果(有効電力計測値P1、P2、・・、周波数計測値f1、f2、・・)を受信する。
調整力係数演算部1003は、計測値取得部1002によって取得された有効電力計測値P1、P2、・・と周波数計測値f1、f2、・・とに基づいて調整力係数kpを算出する。調整力係数kpは、対象送配電網N1と対象外送配電網N2、N3の接続点で授受される有効電力の変動の、周波数の変動への影響(寄与)の度合いを示す値である。
また、本実施形態に係る送信処理部1001は、調整力係数演算部1003が算出した調整力係数kpと当該調整力係数の目標値kpRとの偏差に応じたGF調整力増幅指令を、各発電事業者Gに送信する。
(調整力指令装置の機能構成及び処理フロー)
図14は、第4の実施形態に係る調整力指令装置の機能構成及び処理フローを示すブロック図である。
以下、図14を参照しながら、CPU100が実行する処理の流れについて説明する。
まず、CPU100の調整力係数演算部1003は、計測器50及び計測値取得部1002(図13)を通じて、各接続点における有効電力計測値P1、P2、・・と、周波数計測値f1、f2、・・とを取得する。そして、調整力係数演算部1003は、式(2)を演算する。
Figure 0006696010
式(2)において、『ΔPi(t)』(i=1、2、・・)は、有効電力の変動の計測値(以下、「有効電力変動計測値」とも記載する。)であり、『Δfi(t)』は、周波数の変動の計測値(以下、「周波数変動計測値」とも記載する。)である。有効電力変動計測値ΔPi(t)、及び、周波数変動計測値Δfi(t)は、それぞれ、有効電力計測値Pi(t)、周波数計測値fi(t)を用いて、式(3)、式(4)によって求められる。
Figure 0006696010
Figure 0006696010
式(3)において、『E[Pi]』は、現時刻から所定時間(例えば、30分)内の過去の各時刻に取得された有効電力計測値Pi(t)の平均値である。即ち、調整力係数演算部1003は、所定時間内に取得された有効電力計測値Pi(t)の平均値E[Pi]と、新たに取得された有効電力計測値Pi(t)との偏差を、有効電力変動計測値ΔPi(t)として取得する。
また、式(4)において、『E[fi]』は、現時刻から所定時間(例えば、30分)内の過去の各時刻に取得された周波数計測値fi(t)の平均値である。即ち、調整力係数演算部1003は、所定時間内に取得された周波数計測値fi(t)の平均値E[fi]と、新たに取得された周波数計測値fi(t)との偏差を、周波数変動計測値Δfi(t)として取得する。
式(2)から導かれる調整力係数kp[W/Hz]は、対象送配電網N1と対象外送配電網N2、N3との各接続点において計測された有効電力の変動が、どの程度、当該各接続点における周波数の変動に影響(寄与)しているかを示す量の平均値である。即ち、調整力係数kpが高い場合には、周波数の変動に対応して発生させている有効電力の変動(即ち、調整力)が大きいということであり、つまり、対象送配電網N1において十分な調整力が提供されていると判断される。逆に、調整力係数kpが小さい場合には、周波数の変動に対応して発生させている有効電力の変動が小さいということであり、つまり、対象送配電網N1において十分な調整力が提供されていないと判断される。
次に、送信処理部1001の演算部111は、予め規定された調整力係数目標値KpRと調整力係数Kpとの偏差Δkを演算する。
次に、送信処理部1001の演算部112は、偏差Δkに所定の比例定数kκを乗ずることで、調整力増幅係数増減値κ・を演算する。
送信処理部1001は、このようにして算出された調整力増幅係数増減値κ・を、各発電事業者Gに送信する。
(作用、効果)
以上のように、第4の実施形態に係る調整力指令装置10は、各発電事業者Gに対し、調整力係数kpと当該調整力係数目標値kpRとの偏差に応じた、ガバナーフリー運転に用いる比例定数(1/δ・Pn/fn)の増加の度合いを示すGF調整力増幅指令を送信する。
このようにすることで、計測器50を通じて計測された調整力係数kpが予め規定された調整力係数目標値kpRに一致するように、各発電事業者Gにおいて適用される調整力増幅係数κが自動設定される。
<第5の実施形態>
次に、第5の実施形態に係る電力需給システムについて、図15〜図16を参照しながら説明する。
(電力需給システムの全体構成)
図15は、第5の実施形態に係る電力需給システムの全体構成を示す図である。
図15には、対象送配電網N1の他に、他の一般送配電事業者が管理対象とする対象外送配電網N2、N3を示している。図15に示すように、対象送配電網N1は、対象外送配電網N2、N3と、一箇所又は複数の接続点において電気的に接続される。
本実施形態に係る対象送配電網N1は、各接続点を基点とする所定の領域である地域A1、A2、・・が規定されている。例えば、図15に示す例では、対象送配電網N1の範囲内に、当該対象送配電網N1と対象外送配電網N2との接続点(計測器501が設置された接続点)を基点とする地域A1が規定されている。この地域A1には発電事業者G1が属している。また、図15に示す例では、対象送配電網N1の範囲内に、当該対象送配電網N1と対象外送配電網N3との接続点(計測器502が設置された接続点)を基点とする地域A2が規定されている。この地域A2には発電事業者G2が属している。
本実施形態に係る調整力指令装置10は、各計測器50から有効電力とその周波数の計測結果(有効電力計測値P1、P2、・・、周波数計測値f1、f2、・・)を受信する。そして、調整力指令装置10は、地域A1に属する計測器501から受信した有効電力計測値P1及び周波数計測値f1に基づいて、当該地域A1に属する発電事業者G1に向けて、適切な調整力増幅係数κ1(GF調整力増幅指令)を送信する。更に、調整力指令装置10は、地域A2に属する計測器502から受信した有効電力計測値P2及び周波数計測値f2に基づいて、当該地域A2に属する発電事業者G2に向けて、適切な調整力増幅係数κ2(GF調整力増幅指令)を送信する。
(調整力指令装置の機能構成及び処理フロー)
図16は、第5の実施形態に係る調整力指令装置の機能構成及び処理フローを示すブロック図である。
以下、図16を参照しながら、CPU100が実行する処理の流れについて説明する。
まず、CPU100の調整力係数演算部1003は、計測器50及び計測値取得部1002(図13)を通じて、各接続点における有効電力計測値P1、P2、・・と、周波数計測値f1、f2、・・とを取得する。
次に、調整力係数演算部1003は、地域A1に属する計測器501から取得した有効電力計測値P1及び周波数計測値f1を用いて式(5)を演算し、調整力係数kp1を取得する。
Figure 0006696010
同様に、調整力係数演算部1003は、地域A2に属する計測器502から取得した有効電力計測値P2及び周波数計測値f2を用いて式(5)と同様の演算を行い、調整力係数kp2を取得する。
次に、送信処理部1001の演算部111は、予め規定された調整力係数目標値KpR1と調整力係数Kp1との偏差Δk1を演算する。また、演算部111は、予め規定された調整力係数目標値KpR2と調整力係数Kp2との偏差Δk2を演算する。
次に、送信処理部1001の平均値演算部113は、偏差Δk1と偏差Δk2との平均値Δkを演算する。
送信処理部1001の演算部112は、偏差Δk1と偏差Δk2との平均値Δkに所定の比例定数kκを乗ずることで、調整力増幅係数増減値κ・を演算する。
送信処理部1001の積分処理部115は、調整力増幅係数増減値κ・を時間積分して調整力増幅係数κを演算する。
また、送信処理部1001の演算部114は、偏差Δk1に対し所定の比例定数k1を乗じて、地域A1に関する加算的調整力増幅係数Δκ1を演算する。また、演算部114は、偏差Δk2に対し所定の比例定数k2を乗じて、地域A2に関する加算的調整力増幅係数Δκ2を演算する。
次に、演算部116は、平均値Δkに基づいて算出された調整力増幅係数κに対し、地域A1に関する加算的調整力増幅係数Δκ1を加算し、地域A1に関する調整力増幅係数κ1を算出する。送信処理部1001は、このようにして算出された調整力増幅係数κ1を、地域A1に属する発電事業者G1に向けて送信する。
また、演算部116は、平均値Δkに基づいて算出された調整力増幅係数κに対し、地域A2に関する加算的調整力増幅係数Δκ2を加算し、地域A2に関する調整力増幅係数κ2を算出する。送信処理部1001は、このようにして算出された調整力増幅係数κ2を、地域A2に属する発電事業者G2に向けて送信する。
(作用、効果)
以上のとおり、第5の実施形態に係る調整力指令装置10は、対象送配電網N1の一部の地域(例えば、地域A1)に関する調整力係数と当該一部の地域に関する調整力係数目標値との偏差に応じたGF調整力増幅指令を、当該一部の地域に属する発電機212の制御装置210に送信する。
上記のような構成によれば、以下のような作用及び効果を奏する。
即ち、対象送配電網N1と対象外送配電網N2との接続点(計測器501)における調整力係数kp1と、対象送配電網N1と対象外送配電網N3との接続点(計測器502)における調整力係数kp2とは、値が異なることが一般的である。
上記のような構成を有する調整力指令装置10は、各接続点で計測される周波数fと有効電力Pとに基づいて、当該接続点ごとの調整力係数kp1、kp2を算出する。そして、調整力指令装置10は、接続点ごとに設定された調整力係数の目標値kpR1、kpR2と当該接続点ごとの調整力係数kp1、kp2との偏差に基づいて、接続点ごとに定められた各地域に属する発電所群のそれぞれに、異なる調整力増幅係数κ1、κ2を指令する。したがって、調整力指令装置10は、各接続点を基点とする地域別に、最適なGF調整力増幅指令(調整力増幅係数κ)をきめ細やかに指令することができる。
なお、本実施形態においては、各接続点について、その近傍の所定の範囲(地域A1、A2)を定めるが、これは地図上の距離の近さの観点ではなく、接続点とのインピーダンスの小ささの観点で選択するのが好ましい。
<第6の実施形態>
次に、第6の実施形態に係る電力需給システムについて、図17〜図19を参照しながら説明する。
(電力需給システムの構成の詳細)
図17は、第6の実施形態に係る電力需給システムの構成を詳細に示す図である。
上述の第1又は第2の実施形態に係る電力需給システム1において、調整力指令装置10は、例えば短周期的な需要変動に対するGF調整力が不足していると判断される場合には、GF調整力増幅指令として「調整力増幅係数」又は「調整力増幅係数増減値」を各発電事業者Gに出力することにより、各発電事業者GのGF調整力を増幅することができる。すなわち、第1又は第2の実施形態に係る電力需給システム1は、一般送配電事業者Tが必要に応じて直接的に各発電事業者GのGF調整力の大きさを調整可能としている。
これに対し、第6の実施形態に係る電力需給システム1は、一般送配電事業者Tが都度、GF調整力の増幅を指令するのではなく、発電事業者Gそれぞれが自律的にGF調整力の大きさを調整可能とするものである。
具体的には、図17に示すように、第6の実施形態に係る調整力指令装置10は、GF調整力増幅指令として、「重み係数(w)」を出力する。重み係数wとは、周波数変動に対する発電機212の応答(GF調整力の提供)の遅れに応じてGF調整力の価値を調整するための係数である。この重み係数wは、各発電事業者Gにおける自律的なGF調整力の増減を促すための、間接的なGF調整力増幅指令である。
例えば、対象送配電網N1の周波数が低下すると、当該周波数の維持にはプラスの有効電力がGF調整力として必要になる。このとき、電源21が周波数の低下時点から遅れなく応答(プラスの有効電力を提供)した場合、対象送配電網N1における周波数変動の抑制に有効であり、価値が高い。しかしながら、電源21が周波数の低下時点から大幅に遅れて(例えば、1時間遅れて)応答した場合は、周波数変動の抑制に対する貢献度が低い可能性がある。このように、対象送配電網N1の周波数を維持するためには、電源21の速応性が重要となる場合がある。本実施形態に係る一般送配電事業者Tは、周波数変動への応答を遅れなく行った電源21のGF調整力の価値が高くなるように重み係数wを設定するものとする。具体的には、一般送配電事業者Tは、遅れ時間が小さいほど重み係数wの値が大きくなるように、遅れ時間ごと(例えば、1秒ごと)の重み係数wの値を設定する。このように設定された重み係数wは、調整力指令装置10のストレージ104に予め記憶される。
なお、他の実施形態では、これに限られず、一般送配電事業者Tは遅れ時間ごとの重み係数wの値を任意に設定してもよい。
ここで、精算の対象となるGF調整力の演算方法について説明する。
まず、所定のサンプリング間隔dtごとに、時刻tにおける電源21の周波数f(t)[Hz]と、有効電力P(t)[W]が計測されているとする。また、周波数f(t)のサンプリング間の増減分を示す周波数変動計測値df(t)、及び、有効電力P(t)のサンプリング間の増減分を示す有効電力変動計測値dP(t)を、それぞれ以下の式(6)及び(7)を用いて算出する。
Figure 0006696010
Figure 0006696010
次に、以下の式(8)を用いてGF調整力(dPGFI1)を演算する。
Figure 0006696010
ここで、周波数変動計測値df(t)と有効電力変動計測値dP(t)とを乗じた値である「df(t)・dP(t)」が負の値ならば、周波数の増減と逆方向に有効電力が提供されたことになる。この場合、周波数の変動を打ち消すように有効電力が提供されているので、正の調整力としてカウントされる。一方、「df(t)・dP(t)」が正の値ならば、負の調整力としてカウントされる。
なお、現実の電源21では、発電出力の応答には遅れが生じる。このため、例えば周波数の低下が生じた場合、この周波数の低下と、その応答である発電出力(有効電力)の増加とが同時に発生することはなく、周波数の低下に対して発電電力の増加が時間的に遅れて生じることとなる。上述のように、本実施形態においては、発電電力の応答(この例では発電電力の増加)の遅れが小さいほど価値が高いとみなされる。したがって、ここでは、時刻tの周波数変動計測値df(t)に対する電源21の応答は、時刻tから所定時間過去までの期間における有効電力変動計測値dP(t)の時系列信号を、重み係数w(t)で加重平均した畳み込み積算で計算する。具体的には、以下の式(9)を用いて時刻tの応答を計算する。
Figure 0006696010
また、上述の式(9)の表記は、畳み込み積算の記号*を使って以下の式(10)のように簡単化することができる。
Figure 0006696010
式(10)を用いて式(8)を書き直し、電源21の応答の遅れ時間を加味したGF調整力dPGFI1を演算する。具体的には、以下の式(11)を用いてGF調整力dPGFI1を演算する。
Figure 0006696010
また、畳み込み積算の交換律を利用して、GF調整力dPGFI1を以下の式(12)で表すこともできる。
Figure 0006696010
ここで、式(12)のdfwは以下の式(13)を用いて計算する。
Figure 0006696010
(制御装置の機能構成及び処理フロー)
図18は、第6の実施形態に係る制御装置の機能構成及び処理フローを示すブロック図である。
図18に示すように、第6の実施形態に係る制御装置210のCPU2100は、プログラムに従って動作することで、制御部220、調整力増幅部230、加算処理部240、速度調停率決定部250としての機能を発揮する。
本実施形態に係る制御装置210は、調整力指令装置10から取得した重み係数wに基づいて、より多くの対価を得られるように、電源21における速度調停率を変更してGF調整力を最適化する。これにより、一般送配電事業者TからGF調整力が不足するごとに指令を受け付けることなく、発電事業者Gが自律的にGF調整力を増加させることができる。
制御部220(演算部222)は、発電機212の回転速度の観測値と基準値との偏差(周波数偏差Δf)に対し、予め規定された速度調停率(δ)を含む第1比例定数(1/δ・Pn/fn)を乗じてなる第1調整力指令値(ΔP)を演算する。なお、本実施形態では、制御部220の演算部222が用いる速度調停率δを「第1速度調停率」とも記載する。この第1速度調停率δの値は、発電機212の特性等に応じて予め規定された値である。
速度調停率決定部250(後述する演算部252)は、電源21におけるGF調整力の価値が大きくなるように、最適な速度調停率を決定する。本実施形態では、上述のように周波数変動に対する速応性が高い(遅れ時間が小さい)ほどGF調整力の価値が大きくなるように、重み係数wが設定されている。したがって、速度調停率決定部250は、調整力指令装置10から取得した重み係数(w)に基づいて、最適な速度調停率を示す第2速度調停率(δ*)を決定する。
調整力増幅部230は、発電機212の周波数偏差Δfに対し、速度調停率決定部250により決定された第2速度調停率δ*を含む第2比例定数を乗じてなる第3調整力指令値(ΔP3)を演算する。第3調整力指令値ΔP3は、調整力を増幅する度合いを示すものである。
加算処理部240は、第1調整力指令値ΔPに第3調整力指令値ΔP3を加算してなる増幅後調整力指令値ΔP´を演算する。
以下、図18を参照しながら、速度調停率決定部250、調整力増幅部230、及び加算処理部240の処理の流れについて詳細に説明する。なお、制御部220の処理の流れは第1の実施形態と同様であるため、詳細な説明を省略する。
まず、速度調停率決定部250の処理について詳しく説明する。
図18に示すように、速度調停率決定部250の重み係数取得部251は、調整力指令装置10から重み係数wを取得する。また、速度調停率決定部250の演算部252は、重み係数取得部251が取得した重み係数wに基づいて、第2速度調停率δ*を演算する。
精算の対象となるGF調整力は、上述のように式(12)に基づいて演算される。すなわち、時刻tおける重み付きの周波数変動計測値dfw(t)と、有効電力変動計測値dP(t)とが異符号であれば、時刻tにおいては重み付きの周波数変動計測値dfw(t)を打ち消すように有効電力が変動しているので、有効電力変動計測値dP(t)はGF調整力として機能している。この考えに基づき、演算部252では、GF調整力の最適化の指標として、重み付きの周波数変動計測値dfw(t)と、有効電力変動計測値dP(t)とが異符号となる確率Jを選択する。この確率Jは以下の式(14)で表される。
Figure 0006696010
ここで、確率Jを「1」にすることができれば、全ての時刻のdPが調整力として機能するので、GF調整力を最大化したことになる。これを実現するための十分条件は、次の式(15)を満たすような正の定数Cが存在することである。
Figure 0006696010
電源21がガバナーフリー運転を行うときは、周波数に応じて発電量を調整する。ここで、周波数から発電量までの伝達関数のインパルス応答をgとすると、式(15)の右辺は以下の式(16)で表され、式(15)の左辺は以下の式(17)で表される。
Figure 0006696010
Figure 0006696010
したがって、以下の式(18)となるようにインパルス応答gを調整すると最適となる。
Figure 0006696010
図19は、第6の実施形態に係るインパルス応答の一例を示す図である。
本実施形態では、図19に示すように、速度調停率ごとのインパルス応答gを事前に計算した表D1を、予め制御装置210のストレージ2103に記憶しておく。
演算部252は、この表D1から、重み係数wと方向が一番近い速度調停率を、第2速度調停率として選択する。具体的には、演算部252は、以下の式(19)を用いて最適な速度調停率を示す第2速度調停率δ*を求める。すなわち、演算部252は、インパルス応答gと、重み係数wとをベクトルとみなして内積をとり、これらベクトルの余弦角が最小となるものを最適な速度調停率、すなわち、第2速度調停率δ*として選択する。なお、gδは、インパルス応答gが速度調停率δに従うことを明示するための表記である。
Figure 0006696010
次に、調整力増幅部230の処理について詳しく説明する。
本実施形態に係る調整力増幅部230の演算部236は、速度調停率決定部250から第2速度調停率δ*を取得する。そうすると、演算部236は、周波数偏差Δfにこの第2速度調停率δ*を含む第2比例定数((1/δ*−1/δ)・Pn/fn)を乗じてなる第3調整力指令値(ΔP3)を演算する。
次に、加算処理部240の処理について詳しく説明する。
本実施形態に係る加算処理部240は、第1調整力指令値ΔPに第3調整力指令値ΔP3を加算してなる増幅後調整力指令値ΔP´を演算する。この結果、GF調整指令値ΔP´は、以下の式(20)で表されるように、予め規定された速度調停率δを、速度調停率決定部250により決定された第2速度調停率δ*に変更されて演算されることとなる。
Figure 0006696010
また、加算処理部240は、算出した増幅後調整力指令値ΔP´を、最終的なGF調整力指令として燃料供給弁V(図2)に出力する。
このように、本実施形態に係る速度調停率決定部250、調整力増幅部230、及び加算処理部240を加えることにより、既存の制御部220の機能を変えることなく、上述のように最適な第2速度調停率δ*を決定して、発電機212によるGF調整力を増幅させることができる。
(作用、効果)
以上のように、第6の実施形態に係る制御装置210は、発電機212の応答の遅れに応じた重み係数wに基づいて、発電機212の第2速度調停率δ*を決定し、周波数偏差Δfに対し、決定された第2速度調停率δ*を含む第2比例定数((1/δ*−1/δ)・Pn/fn)を乗じて、GF調整力を増幅する度合いを示す第3調整力指令値ΔP´を演算する。また、制御装置210は、第3調整力指令値ΔP´を基に発電機212の調整力を増幅させる。
制御装置210は、このように重み係数wに応じて最適化された第2速度調停率δ*を用いて増幅後調整力指令値ΔP´を演算することにより、発電機212の出力ができるだけ多くGF調整力としてカウントされるように出力制御を行うことができる。
また、調整力指令装置10は、対象送配電網N1に接続された発電機212の制御装置210に対し、GF調整力増幅指令として重み係数wを送信する。
このように、一般送配電事業者Tは、予め重み係数wを各発電事業者Gに送信しておくことにより、周波数変動による調整力が不足する度に各発電事業者Gに指示することなく、発電事業者Gそれぞれが自律的にGF調整力を調整するように促し、GF調整力を柔軟に調達することができる。
なお、本実施形態では、制御装置210が重み係数wを調整力指令装置10から取得する態様について説明したが、これに限られることはない。他の実施形態では、制御装置210のストレージ2103に予め重み係数wが記憶されていてもよい。この場合、速度調停率決定部250の重み係数取得部251は、ストレージ2103から重み係数wを取得する。
このようにすることで、例えば制御装置210と調整力指令装置10とを接続する通信網が一時的に切断されている場合であっても、制御装置210は予めストレージ2103に記憶された重み係数wを参照して、適切に発電機212の出力調整を行うことができる。
(第6の実施形態の変形例)
図20は、第6の実施形態の変形例に係る制御装置の機能構成及び処理フローを示すブロック図である。
以下、図20を参照しながら、第6の実施形態の変形例について説明する。
第6の実施形態の変形例に係る速度調停率決定部250は、第6の実施形態に加え、更に、下限設定部253を備えている。
下限設定部253は、演算部252が求めた第2速度調停率δ*に、予め規定した下限値を適用して出力する。これにより、制御装置210は、電源21(タービン装置211、発電機212)としての限界を超えない範囲で調整力を増幅させることができる。
また、本実施形態に係る下限設定部253は、遮断器Bからの遮断検知信号を入力する。遮断器Bは、第1の実施形態の変形例と同様の装置である。
下限設定部253は、遮断器Bから遮断検知信号を受け付けた場合には、例えば、第2速度調停率δ*を第1速度調停率δと同じ値に設定する。これにより、下限設定部253は、解列が行われた場合に、GF調整力を増幅する機能を無効化して、ガバナーフリー運転制御によるハンチングを起こさないようにすることができる。
なお、他の実施形態では、発電機212の解列が検知された場合に、当該発電機212のハンチングを起こさずに効果が得られる範囲で、第2速度調停率δ*の値を制限する態様であってもよい。
<第7の実施形態>
次に、第7の実施形態に係る電力需給システムについて、図21〜図24を参照しながら説明する。
(電力需給システムの全体構成)
図21は、第7の実施形態に係る電力需給システムの全体構成を示す図である。
図21に示すように、第7の実施形態に係る電力需給システム1では、対象送配電網N1の少なくとも一つの代表地点に計測器50が設置される。例えば、計測器50は、需要家Cと対象送配電網N1との接続点に設置される。計測器50は、代表地点における周波数(代表周波数)を計測可能とする。
本実施形態に係る調整力指令装置10は、計測器50から代表地点における代表周波数の計測結果(代表周波数計測値f)を受信する。そして、調整力指令装置10は、計測器50の計測結果に応じた適切な重み係数w(GF調整力増幅指令)を送信する。
(調整力指令装置の機能構成)
図22は、第7の実施形態に係る調整力指令装置の機能構成を示すブロック図である。
図22に示すように、第7の実施形態に係る調整力指令装置10のCPU100は、プログラムに従って動作することで、操作受付処理部1000、送信処理部1001、計測値取得部1002、及び重み係数決定部1004としての機能を発揮する。
操作受付処理部1000、及び送信処理部1001の機能は、上述の各実施形態と同様であるため、詳細な説明を省略する。
計測値取得部1002は、計測器50から対象送配電網N1の代表地点の代表周波数計測値fを取得する。なお、計測値取得部1002が取得した代表周波数計測値fは、ストレージ104に記憶されて蓄積される。
重み係数決定部1004は、計測器50の計測結果に基づいて、重み係数wの値を決定する。
送信処理部1001は、重み係数決定部1004により決定された重み係数wをGF調整力増幅指令として各発電事業者Gに送信する。
(調整力指令装置の機能構成及び処理フロー)
図23は、第7の実施形態に係る調整力指令装置の機能構成及び処理フローを示すブロック図である。
以下、図23を参照しながら、CPU100が実行する処理の流れについて説明する。
まず、CPU100の重み係数決定部1004は、計測器50及び計測値取得部1002(図22)を通じて、対象送配電網N1の代表地点における代表周波数計測値fを取得する。そして、演算部141において、時刻tにおいて取得した代表周波数計測値f(t)と、前回取得した(ストレージ104に記憶された)代表周波数計測値f(t−1)との差分xを求める。
次に、演算部142は差分xの二乗(x^2)を求め、演算部143はx^2の平均値の平方根を求める。すなわち、演算部142及び演算部143において、差分xの二乗平均平方根(RMS)を求める。
次に、決定部144は、差分xの二乗平均平方根の値に応じて重み係数wを決定する。例えば、決定部144は、予め規定された重み係数テーブルD2(図24)から、差分xの二乗平均平方根の値に応じた重み係数wを選択して決定する。
図24は、第7の実施形態に係る重み係数テーブルの一例を示す図である。
図24に示すように、本実施形態では、ストレージ104に予め重み係数テーブルD2が記憶されているものとする。重み係数テーブルD2は、代表周波数変動(差分x)の値に応じて、遅れ時間ごとの重み係数wを予め規定したテーブルである。例えば、本実施形態では、代表周波数の変動(差分x)が大きいほど、重み係数wを速応側に重くするように(遅れ時間が小さいほど重みが大きくなるように)設定される。
(作用、効果)
以上のように、第7の実施形態に係る調整力指令装置10は、対象送配電網N1の代表地点において計測された周波数と、前回取得された代表周波数との差に基づいて、重み係数を決定する。
このようにすることで、調整力指令装置10は、発電事業者GのGF調整力を速応性が増す側に誘導し、対象送配電網N1の安定性を増強することができる。
なお、上述の各実施形態においては、上述した調整力指令装置10、制御装置210の各種処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって上記各種処理が行われる。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。更に、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
また、他の実施形態においては、調整力指令装置10、制御装置210が有する各機能の一部を、ネットワークで接続された他のコンピュータが具備する態様であってもよい。
以上のとおり、本発明に係るいくつかの実施形態を説明したが、これら全ての実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態及びその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、上述の第6の実施形態において、制御装置210が調整力指令装置10から重み係数wをGF調整力増幅指令として取得し、第2速度調停率δ*を演算する態様について説明したが、これに限られることはない。他の実施形態では、調整力指令装置10が第2速度調停率δ*を演算し、GF調整力増幅指令として各発電事業者Gに送信してもよい。
1 電力需給システム
10 調整力指令装置
100 CPU
1000 操作受付処理部
1001 送信処理部
1002 計測値取得部
1003 調整力係数演算部
1004 重み係数決定部
101 メモリ
102 通信インタフェース
103 操作パネル
104 ストレージ
111、112、114、116 演算部
113 平均値演算部
115 積分処理部
141、142、143 演算部
144 決定部
21 電源
210 制御装置
2100 CPU
2101 メモリ
2102 通信インタフェース
2103 ストレージ
220 制御部
221、222、223 演算部
224 ロードリミッタ
230 調整力増幅部
231 演算部
232 乗算処理部
233 上限設定部
234 積分処理部
235 低域遮断フィルタ
240 加算処理部
250 速度調停率決定部
251 係数取得部
252 演算部
253 下限設定部
211 タービン装置
212 発電機
50 計測器
N1 対象送配電網
N2、N3 対象外送配電網

Claims (20)

  1. 発電機の制御装置であって、
    前記発電機の回転速度の観測値と基準値との偏差に対し、予め規定された第1比例定数を乗じて第1調整力指令値を演算する演算部と、
    外部装置から調整力増幅係数を取得し、前記第1調整力指令値と前記調整力増幅係数とを乗じて、調整力を増幅する度合いを示す第2調整力指令値を演算する調整力増幅部と、
    を備え、
    前記第2調整力指令値を基に、前記発電機の調整力を増幅させる、
    制御装置。
  2. 前記第1調整力指令値と、前記第2調整力指令値とを加算してなる増幅後調整力指令値を演算する加算処理部を有し
    記増幅後調整力指令値を用いて、前記発電機の調整力の増幅を指令する、
    請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記外部装置からの指令として、前記調整力増幅係数を増減させるための調整力増幅係数増減値を受信し、受信した前記調整力増幅係数増減値を時間積分して前記調整力増幅係数を演算する積分処理部を更に備える
    請求項2に記載の制御装置。
  4. 前記発電機が解列された場合に、前記調整力増幅係数を低減させる
    請求項2又は請求項3に記載の制御装置。
  5. 前記調整力増幅部は、
    前記偏差の低周波帯域を遮断する低域遮断フィルタを更に備える
    請求項1から請求項4の何れか一項に記載の制御装置。
  6. 発電機の制御装置であって、
    前記発電機の回転速度の観測値と基準値との偏差に対し、予め規定された第1速度調停率を含む第1比例定数を乗じて第1調整力指令値を演算する演算部と、
    前記発電機の応答の遅れに応じた重み係数に基づいて、前記発電機の第2速度調停率を決定する速度調停率決定部と、
    前記偏差に対し、決定された前記第2速度調停率を含む第2比例定数を乗じて、調整力を増幅する度合いを示す第3調整力指令値を演算する調整力増幅部と、
    を備え、
    前記第3調整力指令値を基に、前記発電機の調整力を増幅させる、
    制御装置。
  7. 前記第1調整力指令値と、前記第3調整力指令値とを加算してなる増幅後調整力指令値を演算する加算処理部を更に備え、
    前記増幅後調整力指令値を用いて、前記発電機の調整力の増幅を指令する、
    請求項6に記載の制御装置。
  8. 前記発電機が解列された場合に、前記第2速度調停率を低減させる
    請求項6又は請求項7に記載の制御装置。
  9. 請求項1から請求項8の何れか一項に記載の制御装置と、
    前記発電機と、
    前記発電機を回転駆動させるタービン装置と、
    を備える電源。
  10. 発電機の制御方法であって、
    前記発電機の回転速度の観測値と基準値との偏差に対し、予め規定された第1比例定数を乗じて第1調整力指令値を演算するステップと、
    外部装置から調整力増幅係数を取得し、前記第1調整力指令値と前記調整力増幅係数とを乗じて、調整力を増幅する度合いを示す第2調整力指令値を演算するステップと、
    を有し、
    前記第2調整力指令値を基に、前記発電機の調整力を増幅させる、
    制御方法。
  11. 発電機の制御装置に、
    前記発電機の回転速度の観測値と基準値との偏差に対し、予め規定された第1比例定数を乗じて第1調整力指令値を演算するステップと、
    外部装置から調整力増幅係数を取得し、前記第1調整力指令値と前記調整力増幅係数とを乗じて、調整力を増幅する度合いを示す第2調整力指令値を演算するステップと、
    を実行させ、
    前記第2調整力指令値を基に、前記発電機の調整力を増幅させる、
    プログラム。
  12. 管理対象とする送配電網に接続された発電機の制御装置に対し、前記発電機の回転速度の観測値と基準値との偏差に応じて出力すべき調整力の比例定数を増加させるための指令を送信する送信処理部を備える
    調整力指令装置。
  13. 前記管理対象とする送配電網と他の送配電網との接続点において授受される有効電力の計測値と、当該接続点における周波数の計測値とを取得する計測値取得部と、
    取得された前記有効電力の計測値と前記周波数の計測値とに基づいて、前記有効電力の変動の、前記周波数の変動への影響の度合いを示す調整力係数を算出する調整力係数演算部と、を備え、
    前記送信処理部は、
    前記調整力係数と当該調整力係数の目標値との偏差に応じた、前記比例定数の増加の度合いを示す前記指令を送信する
    請求項12に記載の調整力指令装置。
  14. 前記計測値取得部は、
    前記送配電網の一部の地域に属する前記接続点において授受される有効電力の計測値と、当該接続点における周波数の計測値とを取得し、
    前記調整力係数演算部は、
    取得された前記有効電力の計測値と前記周波数の計測値とに基づいて、前記一部の地域に関する調整力係数を算出し、
    前記送信処理部は、
    前記一部の地域に関する調整力係数と当該一部の地域に関する調整力係数の目標値との偏差に応じた前記指令を、前記一部の地域に属する発電機の制御装置に送信する
    請求項13に記載の調整力指令装置。
  15. 管理対象とする送配電網に接続された発電機の制御装置に対し、前記発電機の回転速度の観測値と基準値との偏差に応じて出力すべき調整力の比例定数を増加させるための指令を送信するステップを有する
    調整力指令方法。
  16. 調整力指令装置に、
    管理対象とする送配電網に接続された発電機の制御装置に対し、前記発電機の回転速度の観測値と基準値との偏差に応じて出力すべき調整力の比例定数を増加させるための指令を送信するステップを実行させる
    プログラム。
  17. 発電機の制御方法であって、
    前記発電機の回転速度の観測値と基準値との偏差に対し、予め規定された第1速度調停率を含む第1比例定数を乗じて第1調整力指令値を演算するステップと、
    前記発電機の応答の遅れに応じた重み係数に基づいて、前記発電機の第2速度調停率を決定するステップと、
    前記偏差に対し、決定された前記第2速度調停率を含む第2比例定数を乗じて、調整力を増幅する度合いを示す第3調整力指令値を演算するステップと、
    を有し、
    前記第3調整力指令値を基に、前記発電機の調整力を増幅させる、
    制御方法。
  18. 発電機の制御装置に、
    前記発電機の回転速度の観測値と基準値との偏差に対し、予め規定された第1速度調停率を含む第1比例定数を乗じて第1調整力指令値を演算するステップと、
    前記発電機の応答の遅れに応じた重み係数に基づいて、前記発電機の第2速度調停率を決定するステップと、
    前記偏差に対し、決定された前記第2速度調停率を含む第2比例定数を乗じて、調整力を増幅する度合いを示す第3調整力指令値を演算するステップと、
    を実行させ、
    前記第3調整力指令値を基に、前記発電機の調整力を増幅させる、
    プログラム。
  19. 管理対象とする送配電網に接続された発電機の制御装置に対し、前記発電機の応答の遅れに応じた重み係数を送信する送信処理部を備える
    調整力指令装置。
  20. 前記送配電網の代表地点において計測された代表周波数を取得する計測値取得部と、 取得された前記代表周波数と、前回取得された代表周波数との差に基づいて、前記重み係数を決定する重み係数決定部と、
    を更に備える、
    請求項19に記載の調整力指令装置。
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