JP6695573B2 - 対象物検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、マイクロ波等を利用した反射型センサーによる対象物検出に係り、特に複数の反射型センサー同士の相互干渉ノイズの影響を排除するのに好適な反射型センサー装置に関する発明である。
従来、マイクロ波ドップラーセンサーを用いて人体や尿流を検出し、小便器のボール部内を洗浄する小便器洗浄装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。この種の小便器洗浄装置は、赤外線によって人体検出などを行う小便器洗浄装置に比べ、マイクロ波ドップラーセンサーを小便器内に配置することができる点で有効である。すなわち、マイクロ波が陶器を透過することができるという特性を利用して、マイクロ波ドップラーセンサーを小便器の内側に隠すことができるため、小便器洗浄装置の美観を向上させることができるのである。
また、マイクロ波ドップラーセンサーを用いて尿流をより確実に検出することにより、尿流を検出した後に小便器のボール部内を洗浄するようにすることによって、利用者が用を足していないときに小便器の洗浄を行ってしまうことを防止することができる。
しかし、各々がマイクロ波ドップラーセンサーを備える複数台の小便器が併設される公衆トイレ等では、他のマイクロ波ドップラーセンサーが送信した送信波を受信して誤検出する場合がある。このようなマイクロ波ドップラーセンサー間の干渉の結果、使用者が使用しない小便器に洗浄水が流れるという問題が発生する。
このような問題に対し、特許文献2は、マイクロ波ドップラーセンサーをパルス状に間欠駆動してその周期をランダムに変更する方法を提示している。送信時期が他のマイクロ波ドップラーセンサーと異なることで干渉ノイズの影響を低減できるというものである。
さらに、特許文献3では、マイクロ波ドップラーセンサーの発振周波数を複数ランク設け、一定時間毎にランダムに変更することを提示している。即ち、マイクロ波ドップラーセンサー信号に生じる電波干渉ノイズはマイクロ波ドップラーセンサー間の周波数の差の周波数となるので、周波数ランクの周波数帯域幅を信号の周波数と比べて十分に大きく設定すれば、他のマイクロ波ドップラーセンサーと同じ周波数ランクにならない限り周波数フィルタ等で干渉の影響を排除できるので、影響する干渉ノイズが生じる確率を低くできる。特に、特許文献2で示された送信時期の分割(時分割)に比べて周波数の方がチャンネル数を多く設定できるので、干渉が問題となる確率が低くなり有効である。
特許第3740696号 特開2005−265615号 特開2009−80073号
しかし、周波数ランクを一定時間毎にランダムに変更するとはいえ、多数のマイクロ波ドップラーセンサーが動作する環境では、あるタイミングで他のマイクロ波ドップラーセンサーと同一周波数ランクとなって本来の信号と同一周波数帯域の電波干渉ノイズが発生することは避けられない。よって、干渉ノイズが発生した場合に、この影響を除外する判定システムが必要となる。
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、複数の対象物検出装置が配置される場合でも対象物検出装置間の相互干渉による誤検出を防ぎながら精度良く検出対象物を検出できるものである。
上記目的を達成するために、本発明に係る対象物検出装置は、 検出対象物を検出する対象物検出装置であって、前記検出対象物を検出しようとする検出領域に送信波を送信する送信部と、前記検出領域の前記検出対象物によって反射された反射波を受信する受信部と、前記送信部によって送信された送信波と、前記受信部によって受信された反射波と、に基づいて検出信号を生成する検出信号生成部と、前記検出信号から前記検出対象物の動きまたは有無を判定する判定部と、前記送信部が送信する前記送信波の周波数を所定の期間毎に変更する送信周波数変更手段と、を備え、前記判定部は、複数回の前記期間の前記検出信号に基づいて前記検出対象物の動きまたは有無を判定し、前記検出信号は、ドップラー信号であって、前記期間は、前記対象物の移動速度に応じた予め設定された前記検出対象物の最小の速度に応じた期間である67ms以上とすることを特徴とする。

この対象物検出装置によれば、送信波の周波数が所定の期間毎に変更されることで他の対象物検出装置の送信周波数と一致して干渉ノイズとなる可能性が低い上に、まれに単一の期間では干渉ノイズが生じる場合でも複数回の期間の検出信号に基づいて対象物の有無を判定することによって、相互干渉による誤検出を極めて少なくすることができる。
尚、周波数を変更する期間は必ずしも常時一定である必要は無く、随時、変更されても構わない。
また、発振周波数を変更するとマイクロ波ドップラー信号波形の位相が変わり、発振周波数を変更した時点を境として不連続な波形となるので、この不連続な波形をそのまま周波数解析、或いは、波形解析すると誤った検出判定をする恐れがある。
発振周波数を変更するとマイクロ波ドップラー信号波形の位相が変わる理由を図9に基づいて以下に説明する。マイクロ波ドップラーセンサー41の発振器42で生成された送信信号Sig11が送信部43から送信波W1として送信され、マイクロ波ドップラーセンサー41から距離Lの位置で速度Vで移動する検出対象物46で反射した反射波W2は受信部44で受信されて受信信号Sig12となる。この受信信号Sig12と発振器42で生成された送信信号Sig11の一部はミキサー45で混合され、ドップラー信号Sig13となる。
ここで、送信信号Sig11の振幅をA、発振周波数をf、初期位相をφとすると、時刻tの送信信号Sig11(t)は式(1)で表される。
これに対して、距離Lの位置で速度Vで移動する検出対象物46で反射した受信波W2から生成される受信信号Sig12(t)は振幅をa、光速をCとして式(2)で表される。
ミキサー45で受信信号Sig12と送信信号Sig11の一部が混合されると、両者の積のうち、差の周波数成分であるドップラー信号Sig13が式(3)のように得られる。式(3)において、Kがドップラー信号振幅、fdがドップラー信号周波数、θが位相を表すことになる。
ここで、送信信号Sig11の周波数fが図示しない送信周波数変更手段によってf1からf2に変更されると、位相が式(4)で示すΔθだけ変化することになる。
例えば、検出対象物46までの距離Lが1mで、送信信号周波数が24.04GHzから24.00GHzに変更される場合は、f1−f2は40MHzで,Δθは96°となる。波形例を示すと図10のようになって、周波数が変更される時点tcを境として波形が不連続となることが分かる。本来、ドップラー信号の周波数は検出物体の速度に比例するので信号波形を周波数解析することで検出物体の動き方を把握できるものであるが、このように不連続な波形は送信信号周波数が変更される前後で検出物体の移動速度とは無関係な波形となるのでこの部分を含めて周波数解析、或いは、波形解析すると誤った検出判定をする恐れがある。
そこで、本発明の請求項2に係る対象物検出装置によれば、前記検出信号はドップラー信号であって、前記期間は前記対象物の移動速度に応じた期間とすることを特徴とする。
周波数変更の前後でドップラー信号が不連続な波形となる為、周波数変更時点を跨いで周波数解析を行うと判定を誤る可能性があるが、この好ましい態様では、検出対象の移動速度で決まるドップラー信号の周期に応じて周波数変更期間が設定されるので、周波数変更時点の信号を使わずに妥当な検知判定ができるようになる。
さらに、本発明の請求項3に係る対象物検出装置によれば、前記検出対象物の移動速度に応じたドップラー信号の周期よりも前記期間が長いことを特徴とする。
周波数変更の前後でドップラー信号が不連続な波形となる為、周波数変更時点を跨いで周波数解析を行うと判定を誤る可能性があるが、この好ましい態様では、検出対象の移動速度に応じたドップラー信号の周期よりも周波数変更期間を長くすることによって、一つの期間のなかで少なくとも一周期のドップラー信号波形が得られるので、この区間内ではドップラー信号の周波数を正しく求めることできる。また、振幅値についても同様に一つの期間のなかで少なくとも一周期のドップラー信号波形が得られるので、この区間内ではドップラー信号の振幅値を正しく求めることできる。以上のことから、適切に検出判定ができることになる。
また、本発明の請求項4に係る対象物検出装置によれば、前記検出対象物の移動速度が異なるものであって、前記送信周波数変更手段は各検知対象物に応じて前記期間を変更することを特徴とする。
同一の対象物検出装置で、人と尿流のように移動速度が異なる対象を検出することがある。そのような場合においても、最良の条件で検出判定することが望ましい。対象物の検出にかける時間(検出判定時間)は、対象物の移動に伴う検出信号が得られる時間や、対象物検出装置に要求される応答性から制約される。ここで、周波数変更期間を短くすると、検出判定時間内での周波数変更回数が多くなって電波干渉での誤検出を少なくできる一方で、周波数変更期間内で得られる検出信号の情報が少なくなる。この好ましい態様では、検出しようとする対象物の移動速度に応じて前記期間を切替えるので、対象物の検出精度と電波干渉の防止を良いバランスで達成することが可能となる。
また、本発明の請求項5に係る対象物検出装置によれば、前記判定部は、前記期間毎に対象物の動きや有無を判別する判別手段と、前記判別手段の複数回の判別結果に基づいて対象物の動きや有無を決定する決定手段を備えることを特徴とする。
この好ましい態様では、判別手段において周波数切替え期間毎に対象物の動きや有無を判別することによって周波数切替えの前後で検出信号が不連続な波形となる問題を回避し、さらに決定手段において複数回の判別結果に基づいて対象物の動きや有無を決定することによって、まれに単一の周波数切替え期間では干渉ノイズが生じる場合でも電波干渉による誤検出を無くすことができる。
また、本発明の請求項6に係る対象物検出装置によれば、判定部は、乱数を発生させる乱数発生部を備え、前記送信周波数変更手段は、送信部が送信する電波の周波数を前記乱数発生部が発生させた乱数に基づいて設定される周波数に変更することを特徴とする。
この好ましい態様では、送信波の周波数が、乱数発生部が生成した乱数に基づいてランダムに所定の周波数切替え期間毎に変更されることにより、複数の周波数切替え期間で連続的に他の対象物検出装置の送信波の周波数と一致して干渉ノイズとなる可能性を簡単な構成で低くすることができる。
また、本発明の請求項7に係る対象物検出装置によれば、前記判定部は、前記送信波を間欠的に送信させることを特徴とする。
この好ましい態様では、送信波の周波数のみならず、送信タイミングも他の対象物検出装置と異なる可能性が高くなるので、電波干渉の影響を更に小さくできる。
本発明に係る対象物検出装置によれば、複数の対象物検出装置が配置される場合でも対象物検出装置間の相互干渉による誤検出を防ぎながら精度良く検出対象物を検出できるという効果がある。
本発明の実施の形態である小便器洗浄装置の全体構成図である。 図1に示す小便器洗浄装置における判定制御部の概略構成図である。 発振回路が生成する送信信号の周波数の時間推移を示す図である。 人体第一判定手段での処理を示すフローチャートである。 人体第一判定手段での頂点検出処理を説明する為の波形図である。 人体第二判定手段での人体を検出する一例を示す図である。 人体第二判定手段で人体検出判定しない一例を示す図である。 人体第二判定手段での人体検出の判定処理を示すフローチャートである。 発振周波数を変更するとマイクロ波ドップラー信号波形の位相が変わる理由を説明する為の構成図である。 発振周波数を変更した場合の波形の一例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態においては、対象物検出装置のうち、マイクロ波ドップラーセンサーを用いて人体検出や尿流検出を行う小便器洗浄装置に関して説明する。図1は本発明の実施形態における小便器洗浄装置の全体構成図、図2は小便器洗浄装置の判定制御部6の概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態における小便器洗浄装置は、小便器1と、ボール部2と、給水路3の中途部に設けられ、小便器1のボール部2内へ洗浄水を供給する給水バルブ4(水供給手段)と、小便器1のボール部2に向けて電波を送信し、その反射波を受信してドップラー信号を生成するマイクロ波ドップラーセンサー5(信号生成手段)と、このマイクロ波ドップラーセンサー5から出力されるドップラー信号に基づいて人体検出や尿流検出を行い、この人体検出や尿流検出の結果に応じて給水バルブ4を制御し、ボール部2内に洗浄水を供給する判定制御部6と、を有している。なお、給水バルブ4は、電磁弁などから構成される。
マイクロ波ドップラーセンサー5は、小便器1の上部に配置され、ボール部2を含む斜め下前方に向けて電波を放射して送信し、この電波の反射波を受信するものである。マイクロ波ドップラーセンサー5は、小便器1のボール部2に尿が流れたこと(尿流)のほか、小便器1に人体が近づいてきたこと(人体接近)や小便器から人体が遠ざかったこと(人体離反)を検出するために用いられるものであり、図2に示すように構成されている。
マイクロ波ドップラーセンサー5は、小便器1の上部からボール部2に向けて電波を送信するために送信信号Sig3を生成する発振回路10と、発振回路10から出力される送信信号Sig3をマイクロ波として送信する送信手段11と、送信手段11から送信されたマイクロ波が検出対象物によって反射され、その反射波を受信して電気信号に変換した受信信号Sig5を出力する受信手段12と、送信信号Sig3の周波数と受信信号Sig5の周波数との差分信号であるドップラー信号Sig6を出力する差分検出手段13と、ドップラー信号Sig6を増幅する増幅手段14から構成される。
発振回路10では、水晶発振子等を用いた原発振器15の発振信号Sig1を分周器16で分周した信号Sig2と、発振回路10の出力信号Sig3を分周器18で分周した信号Sig4が同位相となるようにPLL回路17で制御される。
判定制御部6では送信周波数切替え制御手段21が生成するトリガ信号を元に乱数発生器22を起動し、乱数を生成する。送信周波数変更手段23は、24.1GHzから24.2GHzの範囲で乱数に対応付けられた周波数に送信信号Sig3の周波数を変更する。具体的には、送信周波数変更手段23は、乱数発生器22の出力値に応じて分周器16と分周器18の分周数をそれぞれ設定する。二つの分周器の分周数に応じて発振器10が出力する周波数が変更される。
このマイクロ波ドップラーセンサー5は、ドップラー効果を利用して以下の式(5)に基づいて検出対象物の動きを検出するために用いられるものである。
すなわち、送信手段11から送信された周波数Fsのマイクロ波は、速度νで移動している検出対象物に反射する。この反射波は、相対運動による周波数シフトを受けているためその周波数はFbとなり、受信手段12によって受信される。そして、差分検出手段13によって、送信波と反射波の周波数差ΔFであるドップラー信号Sig6が検出信号として取り出され、このドップラー信号Sig6に基づいて、人体検出(人体接近検出や人体離反検出)及び尿流検出が行われる。
ここで、本実施形態においては、人体として検出するためのドップラー信号を115(Hz)以下とし、尿流として検出するためのドップラー信号を225〜420(Hz)としている。なお、115(Hz)以下のドップラー信号は、検出対象物の速度νが約0.7(m/s)以下の速度であるときにマイクロ波ドップラーセンサー7から出力され、225〜420(Hz)のドップラー信号は、検出対象物の速度νが約1.4〜2.6(m/s)の速度のときにマイクロ波ドップラーセンサー5から出力されるものである。
判定制御部6はセンサー駆動手段29により1msの周期で100μsの期間、ドップラーセンサー7を駆動する。こうすることによって送信手段11から間欠的に送信波が送信されるので電波干渉の発生する頻度を低減することが可能になる。
判定制御部6は、センサー駆動手段29によるドップラーセンサー5の駆動タイミングに連動してA/Dコンバータ30を起動し、ドップラーセンサー5の駆動中の出力信号をデジタル値に変換する。
判定制御部6は、このデジタル値に基づいて、人体第一判定手段24及び人体第二判定手段25において人体接近検出判定を行う。使用者が小便器1に近づき、人体接近が検出されると洗浄制御手段26は、給水バルブ4を制御してボール部2内に所定量の洗浄水を供給する。同様に、尿流第一判定手段27及び尿流第二判定手段28において尿流検出判定を行う。尿流が検出され、その後使用者が立ち去ると、人体第一判定手段24及び人体第二判定手段25において人体離反が検出される。このように尿流検出後、人体離反検出が行われると洗浄制御手段26は、給水バルブ4を制御してボール部2内に所定量の洗浄水を供給して、小便器1の洗浄を行う。
マイクロ波ドップラーセンサー5は、隣接する他の小便器に設けられたマイクロ波ドップラーセンサーとの相互電波干渉を防止する必要がある。図3は、発振回路10が生成する送信信号の周波数fの時間推移を示す図である。送信信号の周波数fは周波数変更期間(Tc)毎に変更される。周波数のチャンネルは周波数帯域24.1GHzから24.2GHzまでを等間隔に分割して設定されている。
本実施例の発振回路10は、送信信号Sig3の周波数帯域を500Hz以上の周波数偏差Δfで等間隔に分割した複数の周波数を生成可能である。上述のように、人体や尿の検出に必要な周波数は500Hz以下であるので周波数偏差Δfをそれ以上に設定すればチャンネルの異なる複数のマイクロ波ドップラーセンサー間の相互電波干渉で生じる干渉ノイズは500Hz以上となりドップラー信号波形の周波数を求めることによって人体や尿の信号と区別できる。仮に余裕を取って周波数偏差を2kHzに設定すると24.1GHzから24.2GHzの100MHzの周波数帯域のなかに50000チャンネルを設定できることになる。
チャンネル数が多いとは言え、周波数変更期間(Tc)毎に送信周波数が切替えられるので、いずれは他のドップラーセンサーと周波数チャンネルが一致し、干渉ノイズが生じる。干渉ノイズで誤検出しないようにする為の判定制御部6での検出判定について人体検出を例にとって以下に説明する。
送信周波数変更手段23は周波数を変更するタイミングでトリガ信号を出力する。人体第一判定手段24ではこのトリガ信号をもとに周波数変更期間を認識し、周波数変更期間(Tc)内で以下の検出判定を行う。
A/Dコンバータ30はマイクロ波ドップラーセンサー5の間欠的な駆動と連動して1msの周期でマイクロ波ドップラーセンサー5の出力信号のデジタルサンプリング値(A/D値)を得る。人体第一判定手段24はその都度図4のフローチャートに示す処理を行う。先ず、送信周波数変更手段23からトリガ信号を受けてから、即ち、送信周波数が変更されてからの経過時間を数える為のカウンターCを1つ増やす(S1)。次に、波形の頂点を検出する処理を行う(S2)。具体的には、数値が上昇から下降に転じた点を上側の頂点、一方、数値が下降から上昇に転じた点を下側の頂点として検知することができる。頂点を検出した場合(S3でy)は、頂点のA/D値とカウンター値を記憶しておく(S4)。図5に示す波形例において、カウンター値の3とその時点のA/D値のV(3)と9とその時点のA/D値のV(9)が上側の頂点、カウンター値の6とその時点のA/D値のV(6)が下側の頂点として検知され、これらの値が記憶される。
続いて、送信周波数変更手段23のトリガ信号を受けたかを確認し、受けていない場合(S5でn)は処理を終了する。一方、トリガ信号を受けた場合(S5でy)は、この時点で送信周波数が変更されることになるので、これまで検出して記憶した頂点データを元にこの周波数変更期間での人体の有無を判定する。具体的には、記憶されている全ての頂点のデータについてA/D値の差分の絶対値を振幅値として順次算出し、さらに算出した振幅値の平均値を算出する(S6)。図5に示す波形例においては、|V(6)−V(3)|、|V(9)−V(6)|が振幅値として算出され、それらの平均値が求められることになる。続いて、記憶されている全ての頂点のデータについてカウンター値の差分を1周期の半分の時間である半周期として順次算出し、さらに算出した半周期の平均値を算出する(S7)。
図8に示す波形例においては、6−3=3、9―6=3が半周期として算出され、それらの平均値が求められることになる。
続いて、振幅の平均値が閾値Aよりも大きく(S8でy)、半周期の閾値が4msより長く33msよりも短い場合(S9でy)に、人体第一判定手段の判定結果として人体検出判定したことを記憶する(S10)。一方、振幅の平均値が閾値A以下の場合(S8でn)と、半周期の閾値が4ms以下、又は33ms以上の場合(S9でn)、人体第一判定手段の判定結果として人体非検出判定したことを記憶する(S11)。
次に、人体第二判定要求フラグを1にセットし(S12)、人体第二判定手段25で送信周波数変更期間毎に実質的な判定処理が為されるようにする。最後に、次回の周波数変更期間での検出判定処理の為、記憶しているカウンター値を0に初期化し(S13)、頂点のカウンター値とA/D値を消去(S14)して処理を終了する。
周波数変更期間(Tc)は人体接近時に得られるドップラー信号の周期より長い時間に設定することが望ましい。使用者がゆっくりと小便器に近づいた場合に周波数が低くなり、信号周期は長くなる。本実施例においてはゆっくりと小便器に接近する時でも少なくとも15Hz以上の波形が得られるので1周期としては長くとも67msということになる。よって周波数変更期間(tc)は67ms以上に設定する必要があるが、本実施例では半周期の平均値の算出に用いるデータ数を多くして検出精度を高める為、200msに設定する。
以上で説明した人体第一判定手段24では周波数変更期間(Tc)の中で判定しており、送信周波数切り替えタイミングで生じる波形の不連続部は無関係となる。
尚、信号周波数は式5に示したとおり送信周波数と比例するものであり、上述した67msは本実施例の送信周波数が24GHz帯の場合の適正値であって、送信周波数帯が異なる場合にはそれに応じて求められる値に設定する。
人体第二判定手段25では連続する3回の周波数切替え期間において、人体第一定手段24が人体を検出判定した場合に、人体を検出する。
図6は、人体第二判定手段での人体を検出する例を示す図である。図6に示すように、連続する3回以上の周波数切替え周期にかけて人体第一定手段24が検出判定した場合に人体検出が行われる。一方、図7に示すように、1つの周波数変更期間のみ人体第一定手段が検出判定した場合、人体検出判定は行われない。
ここで、人体第二判定手段25での人体検出の判定処理を、図8のフローチャートを用いて具体的に説明する。
この処理は、1msの周期で人体第一判定処理に引き続いて行われる。先ず、人体第二判定処理要求フラグが1かどうかを確認し、1でない場合(S1でn)、処理を終了する。一方、人体第二判定処理要求フラグが1の場合(S1でy)、人体第一判定手段24において人体検出判定した場合(S2でy)は、検出カウンターNを1つ増やす(S3)。この結果、検出カウンターNが3以上となったとき(S4でy)、人体検出、すなわち人体があると判定(S5)して処理を終了する。検出カウンターNが3未満の場合(S4でn)、人体非検出と判定し(S7)、処理を終了する。 人体第一判定手段24において人体検出判定しなかった場合(S2でn)は、検出カウンターNを0にして(S6)、人体非検出と判定し(S7)、処理を終了する。
以上は人体の検出に関して説明したが、尿流の検出についても同様の手順で行われる。周波数変更期間(Tc)については人体の信号よりも尿流の信号の方が周波数が高いので、人体検出の場合と同じ時間に設定しておけば尿流の検出には十分な時間と言えるが、電波干渉の影響を更に小さくする為に尿流を検出対象とする場合には周波数変更期間(Tc)を短く変更するようにしても良い。
例えば、人体第二判定手段において、人体が検出されると、周波数変更期間(Tc)をそれまでの200msから20msに変更する。こうすることで、尿流の周波数は225〜420(Hz)(半周期は(2.3から1.2ms)と想定しているので検出可能であるとともに、同一の時間の中で電波干渉が生じる確率をさらに低くすることが可能となる。そして、尿流を検出した後に2s経過した時点で再度周波数変更期間(Tc)を200msに変更することで人体離反を検出できるようになる。
また、本実施形態では送信周波数変更手段23は乱数発生器22の生成する乱数に基づいて周波数を設定したが、これに限るものではなく、予めセンサー毎に周波数値列データを記憶させて置き、このデータを順に参照して周波数を変更するようにしても良い。記憶させるデータ列をセンサー毎に異ならせることによって連続して干渉が続くことは無い。
また、本実施形態においては、小便器洗浄装置について説明したが、これに限られるものではなく、洋式便器洗浄装置や自動水栓装置などであってもよい。
以上のようにして複数回の周波数変更期間(Tc)の検出信号を元に移動物体の検出判定を行うことによって、複数のセンサーが近接して配置される場合においても、単純な構成で、誤検出することなく正確に検出対象物を検出することが可能となる。
本発明によれば、判定制御部において、送信手段から送信される送信波の周波数が周波数変更期間毎に変更されるので、他のセンサーと送信周波数が一致して干渉ノイズとなる可能性が低い。さらに、複数回の周波数変更期間の検出信号に基づいて対象物の検出判定が為されるので、単一の期間で検出判定するのに比べて電波干渉による誤検出の発生頻度を極めて少なくすることができる。
この好ましい態様では、検出対象の移動速度で決まるドップラー信号の周期に応じて周波数変更期間が設定されるので、周波数変更時点の不連続な信号波形を使わずに妥当な検知判定ができるようになる。
この好ましい態様では、検出対象の移動速度に応じたドップラー信号の周期よりも周波数変更期間を長くすることによって、一つの期間のなかで少なくとも一周期のドップラー信号波形が得られるので、この区間内ではドップラー信号の周波数を正しく求めることできる。また、振幅値についても同様に一つの期間のなかで少なくとも一周期のドップラー信号波形が得られるので、この区間内ではドップラー信号の振幅値を正しく求めることできる。以上のことから、適切に検出判定ができることになる。
この好ましい態様では、人と尿流のように移動速度が異なる対象を検出する場合において、対象物の移動速度に応じて周波数変更期間を切替えるので、対象物の検出精度と電波干渉の防止を良いバランスで達成することが可能となる。
この好ましい態様では、先ず、周波数切替え期間毎に対象物の動きや有無を判別することによって周波数切替えの前後でドップラー信号が不連続な波形となる問題を回避し、さらに、決定手段において複数回の判別結果に基づいて対象物の動きや有無を決定することによって、まれに単一の周波数切替え期間では干渉ノイズが生じる場合でも電波干渉による誤検出を無くすことができる。
この好ましい態様では、送信波の周波数が、乱数発生部が生成した乱数に基づいてランダムに所定の周波数切替え期間毎に変更されることにより、複数の周波数切替え期間で連続的に他の対象物検出装置の送信波の周波数と一致して干渉ノイズとなる可能性を簡単な構成で低くすることができる。
この好ましい態様では、送信波を間欠的に送信させることにより、送信波の周波数のみならず、送信タイミングも他の対象物検出装置と異なる可能性が高くなるので、電波干渉の影響を更に小さくできる。
1:小便器
2:ボール部
3:給水路
4:給水バルブ
5:マイクロ波ドップラーセンサー
6:判定制御部
10:発振回路
11:送信手段
12:受信手段
13:差分検出手段
14:増幅手段
15:原発振器
16:分周期
17:PLL回路
18:分周期
21:送信周波数切替え制御手段
22:乱数発生器
23:送信周波数変更手段
24:人体第一判定手段
25:人体第二判定手段
26:洗浄制御手段
27:尿流第一判定手段
28:尿流第二判定手段
29:センサー駆動手段
30:A/Dコンバータ
41:マイクロ波ドップラーセンサー
42:発振器
43:送信部
44:受信部
45:ミキサー
46:検出対象物

Claims (6)

  1. 検出対象物を検出する対象物検出装置であって、
    前記検出対象物を検出しようとする検出領域に送信波を送信する送信部と、
    前記検出領域の前記検出対象物によって反射された反射波を受信する受信部と、
    前記送信部によって送信された送信波と、前記受信部によって受信された反射波と、に基づいて検出信号を生成する検出信号生成部と、
    前記検出信号から前記検出対象物の動きまたは有無を判定する判定部と、
    前記送信部が送信する前記送信波の周波数を所定の期間毎に変更する送信周波数変更手段と、を備え、
    前記判定部は、複数回の前記期間の前記検出信号に基づいて前記検出対象物の動きまたは有無を判定し、
    前記検出信号は、ドップラー信号であって、前記期間は、前記対象物の移動速度に応じた予め設定された前記検出対象物の最小の速度に応じた期間である67ms以上とすることを特徴とする対象物検出装置。
  2. 請求項1に記載の対象物検出装置において、前記検出対象物の移動速度に応じたドップラー信号の周期よりも前記期間が長いことを特徴とする移動体検出装置。
  3. 請求項1〜2のいずれか1項に記載の対象物検出装置において、前記検出対象物の移動速度が異なるものであって、前記送信周波数変更手段は各検知対象物に応じて前記期間を変更することを特徴とする対象物検出装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の対象物検出装置において、前記判定部は、前記期間毎に対象物の動きや有無を判別する判別手段と、前記判別手段の複数回の判別結果に基づいて対象物の動きや有無を決定する決定手段を備えることを特徴とする対象物検出装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の対象物検出装置において、
    前記判定部は、乱数を発生させる乱数発生部を備え、
    前記送信周波数変更手段は、前記送信波の周波数を前記乱数発生部が発生させた乱数に基づいて設定される周波数に変更することを特徴とする対象物検出装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の対象物検出装置において、
    前記送信部は、前記送信波を間欠的に送信することを特徴とする対象物検出装置。
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