以下、上記図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。本実施形態では、ホイール式のパワーショベルに、本発明を適用した例について説明する。まず、パワーショベル1の全体構成について、図1〜図5を参照して説明する。
パワーショベル1は、図1,2に示すように、走行可能な走行体2と、走行体2に対し旋回可能な旋回体3とに大別される。走行体2は、走行台車4と、走行台車4に取り付け
られた走行装置5と、走行台車4の前部に設けられたブレード機構6と、走行台車4の後部に設けられたアウトリガ機構7とを備えて構成される。一方、旋回体3は、走行台車4の上部に旋回機構8を介して取り付けられた旋回台9と、旋回台9の前部右寄りに設けられたショベル機構10と、旋回台9の上部左寄りに立設されたオペレータ搭乗用のオペレータキャビン11と、旋回台9の上部右側から後部に亘って設けられたエンジン室12とを備えてなる。
走行装置5は、走行台車4の前部左右に設けられた操舵用のホイール13FL,13FRと、走行台車4の後部左右に設けられた駆動用のホイール13RL,13RRと、ホイール13FL,13FRの操舵角を調整するための操舵機構(図示略)と、ホイール13RL,13RRを駆動させるための駆動機構(図示略)とを備えて構成される。走行装置5は、駆動機構が備える油圧駆動式の走行モータ(図示略)によって駆動用のホイール13RL,13RRが回転駆動され、さらに操舵機構によって操舵用のホイール13FL,13FRが操舵されることにより、走行可能に構成されている。
ブレード機構6は、図3に示すように、油圧駆動式の左右一対のブレードシリンダ61L,61Rと、ブレードアーム63を介して上下に揺動可能に走行台車4に枢結されたドーザブレード62とを備えて構成される。ブレードシリンダ61L,61Rは一端側(ボトム側)が走行台車4側に、他端側(ロッド側)がドーザブレード62側(ブレードアーム63側)にそれぞれ枢結されており、両シリンダ61L,61Rが同期して伸縮することにより、ドーザブレード62を上下に揺動させる(図2を参照)ように構成されている。
アウトリガ機構7は、図4に示すように、油圧駆動式の左アウトリガシリンダ71Lおよび右アウトリガシリンダ71Rと、走行台車4の後部左側において左アウトリガアーム73Lを介して上下に揺動可能に走行台車4に枢結された左アウトリガ72Lと、走行台車4の後部右側において右アウトリガアーム73Rを介して上下に揺動可能に走行台車4に枢結された右アウトリガ72Rとを備えて構成される。左アウトリガシリンダ71Lおよび右アウトリガシリンダ71Rは、一端側(ボトム側)が走行台車4側に、他端側(ロッド側)が左アウトリガ72L側(左アウトリガアーム73L側)、右アウトリガ72R側(右アウトリガアーム73R側)にそれぞれ枢結されており、それぞれ単独にまたは一緒に伸縮可能に構成されている。左アウトリガシリンダ71Lが伸縮すると左アウトリガ72Lが上下に揺動し(図2を参照)、揺動下端側の位置において左アウトリガ72Lが地面と当接することにより、走行台車4の後部左側を支持するようになっている。同様に、右アウトリガシリンダ71Rが伸縮すると右アウトリガ72Rが上下に揺動し、揺動下端側の位置において右アウトリガ72Rが地面と当接することにより、走行台車4の後部右側を支持するようになっている。
旋回機構8は、油圧駆動式の旋回モータ(図示略)により回転作動するように構成されており、旋回機構8が回転作動することにより旋回台9(旋回体3)は、走行台車4(走行体2)に対して旋回作動されるようになっている。また、旋回機構8の中心部には、旋回体3側に配される所定の複数の油路と走行体2側に配される所定の複数の油路とをそれぞれ連結するための回転継手(以下「スイベルジョイントSJ」(図6に図示)と称する)が設けられている。
ショベル機構10は、旋回台9の前部右寄りの位置に揺動自在に枢結された第1ブーム14と、第1ブーム14の先端部に第1ブーム14の揺動面内で上下に揺動自在に枢結された第2ブーム15と、第2ブーム15の先端部に第2ブーム15の揺動面内で上下に揺動自在に枢結されたアーム16と、アーム16の先端部に上下に揺動自在に枢結されたバケット17とを備える。旋回台9の前部と第1ブーム14とに跨って油圧駆動式の第1ブ
ームシリンダ18が設けられており、この第1ブームシリンダ18により第1ブーム14が揺動作動される。第1ブーム14と第2ブーム15とに跨って油圧駆動式の第2ブームシリンダ19が設けられており、この第2ブームシリンダ19により第2ブーム15が揺動作動される。第2ブーム15とアーム16とに跨って油圧駆動式のアームシリンダ20が設けられており、このアームシリンダ20によりアーム16が揺動作動される。アーム16とバケット17とに跨って油圧駆動式のバケットシリンダ21が設けられており、このバケットシリンダ21によりバケット17が揺動作動される。
オペレータキャビン11は、矩形箱状に形成されており、内部にオペレータが前方に向いて着座するためのオペレータシート(図示略)が設けられている。オペレータシートの前方には、操舵用のホイール13FL,13FRを操舵するためのステアリングホイール(図示略)と、駆動用のホイール13RL,13RRを回転作動させたり停止させたりするためのフットペダル(図示略)とが設けられている。また、オペレータシートの左右には、旋回台9およびショベル機構10等の作動操作を行うための右作業操作レバー(図示略)および左作業操作レバー(図示略)が設けられている。さらに、オペレータシートの右側には、ブレード機構6およびアウトリガ機構7を操作するための操作レバー(以下「ブレード・アウトリガ操作レバーLV1」(図5,6に図示)と称する)も設けられている。
また、オペレータシートの周囲には、オペレータにより操作される各種のスイッチが配置されている。このようなスイッチとして本実施形態では、ブレード機構6またはアウトリガ機構7を作動させる際に操作される3種類のスイッチ(以下各々を「ブレード・アウトリガ選択スイッチSW1」、「左アウトリガ単独作動スイッチSW2」、「右アウトリガ単独作動スイッチSW3」(いずれも図5に図示)と称する)が設けられている。ブレード・アウトリガ選択スイッチSW1は、ブレード機構6とアウトリガ機構7のうち、どちらを作動させるのかを選択するために操作されるスイッチである。左アウトリガ単独作動スイッチSW2は、左アウトリガ72Lを単独で作動させる際に操作されるスイッチであり、右アウトリガ単独作動スイッチSW3は、右アウトリガ72Rを単独で作動させる際に操作されるスイッチである(各スイッチSW1〜SW3の詳細については後述する)。これらのスイッチSW1〜SW3は、例えば、ブレード・アウトリガ操作レバーLV1の前部や頂部等に設けられる(図5を参照)。
エンジン室12は開閉可能なエンジン室カバー12aにより覆われており、エンジン室12内には、ディーゼルエンジン(以下「エンジンEG」(図6に図示)と称する)や燃料タンク、油圧ポンプ、油タンク等が収納されるようになっている。
このように構成されるパワーショベル1においては、オペレータがオペレータシートに着座して、フットペダルを踏み込みステアリングホイールを回転操作することにより、走行装置4によりパワーショベル1を前後に走行させることができる。また、ブレード・アウトリガ操作レバーLV1を前後に傾動操作したり、右作業操作レバーおよび左作業操作レバーを前後左右に傾動操作したりすることにより、ブレード機構6、アウトリガ機構7、ショベル機構10等を作動させて掘削等の作業をさせることができる。
次に、このパワーショベル1において、ブレード機構6またはアウトリガ機構7を作動させるための油路切替制御装置の構成について、図6を追加参照しながら説明する。図6に示すように油路切替制御装置100は、スイベルジョイントSJを挟んで、旋回体3側に配置される旋回体側油圧制御部101と、走行体2側に配置される走行体側油圧制御部102とに大別することができ、まず、旋回体側油圧制御部101の構成について説明する。
旋回体側油圧制御部101は、油タンクTと、エンジンEGにより回転駆動される第1ポンプP1および第2ポンプP2と、第1ポンプP1からの吐出油(以下「作動油」と称する)の供給方向を制御する第1制御バルブCV1と、第2ポンプP2からの吐出油(以下「パイロット油」と称する)の供給方向を制御する第2制御バルブCV2と、パイロット油により第1制御バルブCV1の作動を制御する第1制御ユニットCU1と、電気信号により第2制御バルブCV2の作動を制御する第2制御ユニットCU2と、油路R1〜R12とを備えて構成される。
第1制御バルブCV1は、油路R1を介して第1ポンプP1と接続されるPポート111と、油路R2を介して油タンクTと接続されるTポート112と、油路R3,R4を介してスイベルジョイントSJとそれぞれ接続されるAポート113およびBポート114と、油路R5,R6を介して第1制御ユニットCU1とそれぞれ接続されるPAポート115およびPBポート116と、パイロット操作式の方向切替弁117とを備えている。方向切替弁117は、PAポート115、PBポート116のいずれにもパイロット油が供給されていないときは、バネ力によりノーマル位置に保持され、Pポート111、Tポート112、Aポート113、Bポート114の全てを閉止する。また、PAポート115にパイロット油が供給されているときは、Pポート111とAポート113、Tポート112とBポート114をそれぞれ接続するように作動し、PBポート116にパイロット油が供給されているときは、Pポート111とBポート114、Tポート112とAポート113をそれぞれ接続するように作動する。
第1制御ユニットCU1は、第2ポンプP2から油路R5を介して供給されたパイロット油を、ブレード・アウトリガ操作レバーLV1の操作方向に応じて、油路R6を介して第1制御バルブCV1のPAポート115に供給するのか、油路R7を介して第1制御バルブCV1のPBポート116に供給するのかを制御するように構成されている。具体的には、ブレード・アウトリガ操作レバーLV1が前方に傾動操作されたときはパイロット油をPAポート115に供給し、ブレード・アウトリガ操作レバーLV1が後方に傾動操作されたときはパイロット油をPBポート116に供給する。また、ブレード・アウトリガ操作レバーLV1が中立位置にあるときはPAポート115,PBポート116のいずれにもパイロット油を供給しないようになっている。
第2制御バルブCV2は、油路R8を介して第2ポンプP2と接続されるPポート131と、油路R9を介して油タンクTと接続されるTポート132と、油路R10,R11を介してスイベルジョイントSJとそれぞれ接続されるAポート133およびBポート134と、電磁操作式の第1ソレノイド弁135および第2ソレノイド弁136とを備えている。第1ソレノイド弁135は、そのソレノイド部に電気信号が入力されていないときはバネ力によりノーマル位置に保持されてTポート132とAポート133を接続し、電気信号が入力されているときはPポート131とAポート133を接続するように作動する。第2ソレノイド弁136は、そのソレノイド部に電気信号が入力されていないときはバネ力によりノーマル位置に保持されてTポート132とBポート134を接続し、電気信号が入力されているときはPポート131とBポート134を接続するように作動する。
第2制御ユニットCU2は、ブレード・アウトリガ選択スイッチSW1、左アウトリガ単独作動スイッチSW2、右アウトリガ単独作動スイッチSW3の操作(設定)に応じて、所定の電気信号を第2制御バルブCV2に出力し、第1ソレノイド弁135および第2ソレノイド弁136の作動を制御するように構成されている。具体的には、ブレード・アウトリガ選択スイッチSW1がK位置(図5を参照)に設定されたときは、第1ソレノイド弁135と第2ソレノイド弁136を共に作動させる電気信号を出力し、ブレード・アウトリガ選択スイッチSW1がK位置に設定された状態で左アウトリガ単独作動スイッチ
SW2がオンに設定されたときは、第1ソレノイド弁135のみを作動させる電気信号を出力する。同様に、ブレード・アウトリガ選択スイッチSW1がK位置に設定された状態で右アウトリガ単独作動スイッチSW3がオンに設定されたときは、第2ソレノイド弁136のみを作動させる電気信号を出力する。
一方、ブレード・アウトリガ選択スイッチSW1がJ位置(図5を参照)に設定されたときは、第1ソレノイド弁135または第2ソレノイド弁136を作動させる電気信号は出力されない。また、ブレード・アウトリガ選択スイッチSW1がオJ位置に設定された状態では、左アウトリガ単独作動スイッチSW2および右アウトリガ単独作動スイッチSW3をオンに設定することはできないようになっている。さらに、ブレード・アウトリガ選択スイッチSW1がK位置に操作された状態では、左アウトリガ単独作動スイッチSW2と右アウトリガ単独作動スイッチSW3のうち一方のみしかオンに設定できないようになっている。例えば、スイッチSW2,SW3のうちの一方がオンに設定された状態で他方もオンに設定しようと操作すると、一方のスイッチが自動的にオフに切り替えられるようになっている。
次いで、走行体側油圧制御部102の構成について説明する。走行体側油圧制御部102は、走行体2側に供給された作動油の供給・排出方向を制御する第3制御バルブCV3と、油路R13〜R20と、4個のパイロット操作式のダブルチェック弁191〜194とを備えて構成される。
第3制御バルブCV3は、油路R13およびスイベルジョイントSJを介して旋回体3側の油路R3と接続されるPポート151と、油路R15およびダブルチェック弁191,192を介してブレードシリンダ61L,61Rのボトム側油室65L,65Rとそれぞれ接続されるAポート152と、油路R16およびダブルチェック弁193を介して左アウトリガシリンダ71Lのボトム側油室75Lと接続される第1Bポート153と、油路R17およびダブルチェック弁194を介して右アウトリガシリンダ71Rのボトム側油室75Rと接続される第2Bポート154と、油路R19およびスイベルジョイントSJを介して旋回体3側の油路R10と接続されるPAポート155と、油路R20およびスイベルジョイントSJを介して旋回体3側の油路R11と接続されるPBポート156と、油路R18、スイベルジョイントSJおよび旋回体3側の油路R12を介して油タンクTと接続されるTポート157とを備えている。
また、第3制御バルブCV3は、4個のパイロット操作式の切替弁161〜164と、1個のシャトル弁165と、作動油用の油路171〜174と、パイロット油用の油路181〜185と、ドレイン用の油路187とを備えている。切替弁161は、Pポート151から油路分岐点Xまで延びる油路171上に配置され、バネ力により保持されるノーマル位置では油路171を遮断し、パイロット油圧が作用すると油路171を開くように作動する。切替弁162は、油路171から分岐してAポート152まで延びる油路174上に配置され、バネ力により保持されるノーマル位置では油路174を開き、パイロット油圧が作用すると油路174を遮断するように作動する。切替弁163は、油路分岐点Xから第1Bポート153まで延びる油路172上に配置され、バネ力により保持されるノーマル位置では油路172を遮断し、パイロット油圧が作用すると油路172を開くように作動する。切替弁164は、油路分岐点Xから第2Bポート154まで延びる油路173上に配置され、バネ力により保持されるノーマル位置では油路173を遮断し、パイロット油圧が作用すると油路173を開くように作動する。
シャトル弁165は、PAポート155に供給されたパイロット油を切替弁163に導く油路181と、PBポート156に供給されたパイロット油を切替弁164に導く油路182とを連結する油路183上に、自身の2個の入り口ポートが油路183と連結され
、自身の出口ポートが油路184と連結されるように配置されている。このシャトル弁165は、PAポート155からパイロット油が供給されたときは、油路181と油路184を連通させるように作動し、PBポート156からパイロット油が供給されたときは、油路182と油路184を連通させるように作動し、PAポート155とPBポート156の両方にパイロット油が供給されたときは、油路181と油路182のうちのいずれか一方と、油路184を連通させるように作動するようになっている。シャトル弁165を介して油路184に供給されたパイロット油は、油路184を介して切替弁162に導かれるとともに、油路184から分岐する油路185を介して切替弁161にも導かれる。
4個の切替弁161〜164に供給されたパイロット油は、油路187を介してTポート157に導かれる。また、上述の油路R14は、一端側がスイベルジョイントSJを介して旋回体3側の油路R4と接続され、他端側は途中で4本に分岐し、その分岐した各々が、ダブルチェック弁191〜194を介してブレードシリンダ61L,61R、左アウトリガシリンダ71L、右アウトリガシリンダ71Rの各ロッド側油室66L,66R,76L,76Rと接続されている。
このように構成された油路切替制御装置100の作用について、以下に説明する。まず、ブレード機構6が操作される場合について説明する。この場合、オペレータによりブレード・アウトリガ選択スイッチSW1がJ位置に操作される。この状態では、第2制御ユニットCU2から、第1および第2ソレノイド弁135,136を作動させるための電気信号は出力されず、2つのソレノイド弁135,136はノーマル位置に保持される。これにより、第2制御ユニットCU2のPポート131は閉止された状態となり、走行体2側にパイロット油は供給されない。走行体2側にパイロット油は供給されないことにより、第3制御バルブCV3における4個の切替弁161〜164はいずれもノーマル位置に保持される。その結果、第3制御バルブCV3内の油路174は開けられる一方、油路171〜173はいずれも遮断され、これにより、Pポート151とAポート152は接続状態となり、Pポート151と第1Bポート153、Pポート151と第2Bポート154は、どちらも非接続状態となる。
このような第3制御バルブCV3の状態(以下「ブレード操作時状態」と称する)において、オペレータによりブレード・アウトリガ操作レバーLV1が前方に傾動操作されると、第2ポンプP2から油路R5を介して第1制御ユニットCU1に供給されたパイロット油が、油路R6を介して第1制御バルブCV1のPAポート115に供給される。これにより、方向切替弁117が、第1制御バルブCV1のPポート111とAポート113、Tポート112とBポート114をそれぞれ接続する位置(以下「作動油接続位置A」と称する)に移動する。その結果、第1ポンプP1から油路R1を介して第1制御バルブCV1のPポート111に供給された作動油が、方向切替弁117、Aポート113、油路R3、スイベルジョイントSJ、油路R13を経由する経路(以下「作動油供給経路A」と称する)により、第3制御バルブCV3のPポート151に供給される。Pポート151に供給された作動油は、油路174が開けられてPポート151とAポート152が接続されているため、油路174(切替弁162)、Aポート152を介して油路R15に供給される。
油路R15に供給された作動油は、ダブルチェック弁191,192を介して、ブレードシリンダ61L,61Rの各ボトム側油室65L,65Rにそれぞれ供給される。また、このときに供給される作動油の圧力により、ダブルチェック弁191,192の、油路R14上に配置された方の各チェック弁が開き、ブレードシリンダ61L,61Rの各ロッド側油室66L,66R内の作動油が、油路R14、スイベルジョイントSJ、油路R4、第1制御バルブCV1(Bポート114、方向切替弁117、Tポート112)、油路R2を経由する経路(以下「作動油排出経路A」と称する)により、油タンクTに排出
可能となる。その結果、ブレードシリンダ61L,61Rは、各々のロッドが前進し、これによりドーザブレード62が下方に揺動される。一方、第3制御バルブCV3のPポート151に供給された作動油は、油路171〜173がいずれも遮断されているため、左アウトリガシリンダ71Lおよび右アウトリガシリンダ71Rには供給されず、そのため、アウトリガ機構7(左アウトリガ72L、右アウトリガ72R)は作動しない。
上記ブレード操作時状態において、オペレータによりブレード・アウトリガ操作レバーLV1が後方に傾動操作されると、第2ポンプP2から第1制御ユニットCU1に供給されたパイロット油が、油路R7を介して第1制御バルブCV1のPBポート116に供給される。これにより、方向切替弁117が、第1制御バルブCV1のPポート111とBポート114、Tポート112とAポート113をそれぞれ接続する位置(以下「作動油接続位置B」と称する)に移動する。その結果、第1ポンプP1から第1制御バルブCV1のPポート111に供給された作動油が、方向切替弁117、Bポート114、油路R4、スイベルジョイントSJを経由する経路(以下「作動油供給経路B」と称する)により、油路R14に供給される。油路R14に供給された作動油は、ダブルチェック弁191,192を介して、ブレードシリンダ61L,61Rの各ロッド側油室66L,66Rにそれぞれ供給される。また、このときに供給される作動油の圧力により、ダブルチェック弁191,192の、油路R15上に配置された方のチェック弁が開いて、ブレードシリンダ61L,61Rの各ボトム側油室65L,65R内の作動油が、油路R15を介して第3制御バルブCV3のAポート152に導かれ、さらに、油路174(切替弁162)を介してPポート151に導かれる。Pポート151に導かれた作動油は、油路R13、スイベルジョイントSJ、油路R3、第1制御バルブCV1(Aポート113、方向切替弁117、Tポート112)、油路R2を経由する経路(以下「作動油排出経路B」と称する)により、油タンクTに排出可能となる。その結果、ブレードシリンダ61L,61Rは、ロッドが後退し、これによりドーザブレード62が上方に揺動される。
一方、油路R14に供給された作動油は、ダブルチェック弁193,194を介して、左アウトリガシリンダ71L、右アウトリガシリンダ71Rの各ロッド側油室76L,76Rにも供給される。また、このときに供給される作動油の圧力により、ダブルチェック弁193,194の、油路R16,R17上に配置された方の各チェック弁が開く。しかし、第3制御バルブCV3内の油路171〜173がいずれも遮断されているため、左アウトリガシリンダ71L、右アウトリガシリンダ71Rの各ボトム側油室75L,75R内の作動油は、第3制御バルブCV3を通過することができず、油タンクTへの排出が不能となる。そのため、アウトリガ機構7(左アウトリガ72L、右アウトリガ72R)は作動しない。
次に、アウトリガ機構7の左アウトリガ72Lおよび右アウトリガ72Rを同時に操作される場合について説明する。この場合、オペレータによりブレード・アウトリガ選択スイッチSW1がK位置に操作され、左アウトリガ単独作動スイッチSW2と右アウトリガ単独作動スイッチSW3はいずれもオフに操作される。この状態では、第2制御ユニットCU2から、第1および第2ソレノイド弁135,136の両方を作動させるための電気信号が出力され、第1ソレノイド弁135は、Pポート131とAポート133が接続されるように作動し、第2ソレノイド弁136は、Pポート131とBポート134が接続されるように作動する。それにより、第2ポンプP2から油路R8を介して第2制御バルブCV2のPポート131に供給されたパイロット油は、第1ソレノイド弁135、Aポート133、油路R10、スイベルジョイントSJ、油路R19を経由する経路(以下「パイロット油供給経路A」と称する)により、第3制御バルブCV3のPAポート155に供給されるとともに、第2ソレノイド弁136、Bポート134、油路R11、スイベルジョイントSJ、油路R20を経由する経路(以下「パイロット油供給経路B」と称する)により、第3制御バルブCV3のPBポート156にも供給される。
第3制御バルブCV3のPAポート155に供給されたパイロット油は、油路181を介して切替弁163に導かれ、切替弁163を、油路172を開くように作動させる。同様に、第3制御バルブCV3のPBポート156に供給されたパイロット油は、油路182を介して切替弁164に導かれ、切替弁164を、油路173を開くように作動させる。また、PAポート155に供給されたパイロット油とPBポート156に供給されたパイロット油のうちのいずれか一方は、油路183(シャトル弁165)、油路184,185を介して、切替弁161,162にも導かれ、切替弁161を、油路171を開くように作動させるとともに、切替弁162を、油路174を遮断するように作動させる。その結果、第3制御バルブCV3のPポート151は、Aポート152とは非接続状態となり、第1Bポート153および第2Bポート154とは、どちらも接続状態となる。
このような第3制御バルブCV3の状態(以下「両アウトリガ操作時状態」と称する)において、オペレータによりブレード・アウトリガ操作レバーLV1が前方に傾動操作されると、第2ポンプP2から第1制御ユニットCU1に供給されたパイロット油が、油路R6を介して第1制御バルブCV1のPAポート115に供給され、これにより、方向切替弁117が上記作動油接続位置Aに移動する。その結果、第1ポンプP1から第1制御バルブCV1のPポート111に供給された作動油が、上記作動油供給経路Aにより、第3制御バルブCV3のPポート151に供給される。Pポート151に供給された作動油は、油路171〜173が連通されてPポート151と第1Bポート153および第2Bポート154が接続されているため、油路171(切替弁161)、油路172(切替弁163)、第1Bポート153を介して油路R16に供給されるとともに、油路171(切替弁161)、油路173(切替弁164)、第2Bポート154を介して油路R17にも供給される。
油路R16に供給された作動油は、ダブルチェック弁193を介して、左アウトリガシリンダ71Lのボトム側油室75Lに供給される。また、このときに供給される作動油の圧力により、ダブルチェック弁193の、油路R14上に配置された方のチェック弁が開き、左アウトリガシリンダ71Lのロッド側油室76L内の作動油が、上記作動油排出経路Aにより、油タンクTに排出可能となる。その結果、左アウトリガシリンダ71Lは、ロッドが前進し、これにより左アウトリガ72Lが下方に移動される。
油路R17に供給された作動油は、ダブルチェック弁194を介して、右アウトリガシリンダ71Rのボトム側油室75Rに供給される。また、このときに供給される作動油の圧力により、ダブルチェック弁194の、油路R14上に配置された方のチェック弁が開き、右アウトリガシリンダ71Rのロッド側油室76R内の作動油が、上記作動油排出経路Aにより、油タンクTに排出可能となる。その結果、右アウトリガシリンダ71Rは、ロッドが前進し、これにより右アウトリガ72Lが下方に移動される。一方、第3制御バルブCV3のPポート151に供給された作動油は、油路174が遮断されているため、ブレードシリンダ61L,61Rには供給されず、そのため、ブレード機構6(ドーザブレード62)は作動しない。
上記両アウトリガ操作時状態において、オペレータによりブレード・アウトリガ操作レバーLV1が後方に傾動操作されると、第2ポンプP2から第1制御ユニットCU1に供給されたパイロット油が、油路R7を介して第1制御バルブCV1のPBポート116に供給され、これにより、方向切替弁117が、上記作動油接続位置Bに移動する。その結果、第1ポンプP1から第1制御ユニットCU1のPポート111に供給された作動油が、上記作動油供給経路Bにより、油路R14に供給される。油路R14に供給された作動油は、ダブルチェック弁193,194を介して、左アウトリガシリンダ71L、右アウトリガシリンダ71Rの各ロッド側油室76L,76Rに供給される。また、このときに
供給される作動油の圧力により、ダブルチェック弁193の、油路R16上に配置された方のチェック弁が開くとともに、ダブルチェック弁194の、油路R17上に配置された方のチェック弁が開く。
その結果、左アウトリガシリンダ71Lのボトム側油室75L内の作動油が、油路R16を介して第3制御バルブCV3の第1Bポート153に導かれ、さらに、油路172(切替弁163)、油路171(切替弁161)を介してPポート151に導かれる。Pポート151に導かれた作動油は、上記作動油排出経路Bにより、油タンクTに排出可能となる。同様に、右アウトリガシリンダ71Rのボトム側油室75R内の作動油が、油路R17を介して第3制御バルブCV3の第2Bポート154に導かれ、さらに、油路173(切替弁164)、油路171(切替弁161)を介してPポート151に導かれる。Pポート151に導かれた作動油は、上記作動油排出経路Bにより、油タンクTに排出可能となる。その結果、左アウトリガシリンダ71L、右アウトリガシリンダ71Rは、各々のロッドが後退し、これにより左アウトリガ72L、右アウトリガ72Rが上方に揺動される。
一方、油路R14に供給された作動油は、ダブルチェック弁191,192を介して、ブレードシリンダ61L,61Rの各ロッド側油室66L,66Rにも供給される。また、このときに供給される作動油の圧力により、ダブルチェック弁191,192の、油路R15上に配置された方の各チェック弁が開く。しかし、第3制御バルブCV3内の油路174が遮断されているため、ブレードシリンダ61L,61Rの各ボトム側油室65L,65R内の作動油は、第3制御バルブCV3を通過することができず、油タンクTへの排出も不能となる。そのため、ブレード機構6(ドーザブレード62)は作動しない。
続いて、アウトリガ機構7の左アウトリガ72Lが単独で操作される場合について説明する。この場合、オペレータによりブレード・アウトリガ選択スイッチSW1がK位置に操作された状態で、左アウトリガ単独作動スイッチSW2がオンに操作される(右アウトリガ単独作動スイッチSW3はオフ)。この状態では、第2制御ユニットCU2から、第1ソレノイド弁135のみを作動させるための電気信号が出力され、第1ソレノイド弁135は、Pポート131とAポート133が接続されるように作動し、第2ソレノイド弁136は、ノーマル位置に保持される。それにより、第2ポンプP2から第2制御バルブCV2のPポート131に供給されたパイロット油は、上記パイロット油供給経路Aにより、第3制御バルブCV3のPAポート155に供給される。一方、第2制御バルブCV2のBポート134からはパイロット油が出ないため、第3制御バルブCV3のPBポート156にはパイロット油が供給されない。
第3制御バルブCV3のPAポート155に供給されたパイロット油は、油路181を介して切替弁163に導かれ、切替弁163を、油路172を開くように作動させる。また、PAポート155に供給されたパイロット油は、油路182,183、シャトル弁165、油路184,185を介して、切替弁161,162にも導かれ、切替弁161を、油路171を開くように作動させるとともに、切替弁162を、油路174を遮断するように作動させる。また、PBポート156にパイロット油が供給されないため、切替弁164はノーマル位置に保持され、油路173は遮断される。その結果、第3制御バルブCV3のPポート151は、第1Bポート153とは接続状態となり、Aポート152および第2Bポート154とは、どちらも非接続状態となる。
このような第3制御バルブCV3の状態(以下「左アウトリガ操作時状態」と称する)において、オペレータによりブレード・アウトリガ操作レバーLV1が前方に傾動操作されると、第2ポンプP2から第1制御ユニットCU1に供給されたパイロット油が、油路R6を介して第1制御バルブCV1のPAポート155に供給され、これにより、方向切
替弁117が上記作動油接続位置Aに移動する。その結果、第1ポンプP1から第1制御バルブCV1のPポート111に供給された作動油が、上記作動油供給経路Aにより、第3制御バルブCV3のPポート151に供給される。Pポート151に供給された作動油は、油路171,172が連通されてPポート151と第1Bポート153が接続されているため、油路171(切替弁161)、油路172(切替弁163)、第1Bポート153を介して油路R16に供給される。
油路R16に供給された作動油は、ダブルチェック弁193を介して、左アウトリガシリンダ71Lのボトム側油室75Lに供給される。また、このときに供給される作動油の圧力により、ダブルチェック弁193の、油路R14上に配置された方のチェック弁が開き、左アウトリガシリンダ71Lのロッド側油室76L内の作動油が、上記作動油排出経路Aにより、油タンクTに排出可能となる。その結果、左アウトリガシリンダ71Lは、ロッドが前進し、これにより左アウトリガ72Lが下方に揺動される。一方、第3制御バルブCV3のPポート151に供給された作動油は、油路173,174が遮断されているため、右アウトリガシリンダ71R、ブレードシリンダ61L,61Rには供給されず、そのため、右アウトリガ72R、ブレード機構6(ドーザブレード62)は作動しない。
上記左アウトリガ操作時状態において、オペレータによりブレード・アウトリガ操作レバーLV1が後方に傾動操作されると、第2ポンプP2から第1制御ユニットCU1に供給されたパイロット油が、油路R7を介して第1制御バルブCV1のPBポート116に供給され、これにより、方向切替弁117が上記作動油接続位置Bに移動する。その結果、第1ポンプP1から第1制御ユニットCU1のPポート111に供給された作動油が、上記作動油供給経路Bにより、油路R14に供給される。油路R14に供給された作動油は、ダブルチェック弁193を介して、左アウトリガシリンダ71Lのロッド側油室76Lに供給される。また、このときに供給される作動油の圧力により、ダブルチェック弁193の、油路R16上に配置された方のチェック弁が開く。
その結果、左アウトリガシリンダ71Lのボトム側油室75L内の作動油が、油路R16、第3制御バルブCV3の第1Bポート153に導かれ、さらに油路172(切替弁163)、油路171(切替弁161)を介してPポート151に導かれる。Pポート151に導かれた作動油は、上記作動油排出経路Bにより、油タンクTに排出可能となる。その結果、左アウトリガシリンダ71Lは、ロッドが後退し、これにより左アウトリガ72Lが上方に揺動される。
一方、油路R14に供給された作動油は、ダブルチェック弁191,192,194を介して、ブレードシリンダ61L,61R、右アウトリガシリンダ71Rの各ロッド側油室66L,66R,76Rにもそれぞれ供給される。また、このときに供給される作動油の圧力により、ダブルチェック弁191,192の、油路R15上に配置された方の各チェック弁が開くとともに、ダブルチェック弁194の、油路R17上に配置された方のチェック弁が開く。しかし、第3制御バルブCV3内の油路173,174が遮断されているため、ブレードシリンダ61L,61R、右アウトリガシリンダ71Rの各ロッド側油室66L,66R,76Rの作動油は、第3制御バルブCV3を通過することができず、油タンクTへの排出が不能となる。そのため、ブレード機構6(ドーザブレード62)と、右アウトリガ72は作動しない。
最後に、アウトリガ機構7の右アウトリガ72Rが単独で操作される場合について説明する。この場合、オペレータによりブレード・アウトリガ選択スイッチSW1がK位置に操作された状態で、右アウトリガ単独作動スイッチSW3がオンに操作される(左アウトリガ単独作動スイッチSW2はオフ)。この状態では、第2制御ユニットCU2から、第
2ソレノイド弁136のみを作動させるための電気信号が出力され、第2ソレノイド弁136は、Pポート131とBポート133が接続されるように作動し、第1ソレノイド弁135は、ノーマル位置に保持される。それにより、第2ポンプP2から第2制御バルブCV2のPポート131に供給されたパイロット油は、上記パイロット油供給経路Bにより、第3制御バルブCV3のPBポート156に供給される。一方、第2制御バルブCV2のAポート133からはパイロット油が出ないため、第3制御バルブCV3のPAポート155にはパイロット油が供給されない。
第3制御バルブCV3のPBポート156に供給されたパイロット油は、油路182を介して切替弁164に導かれ、切替弁164を、油路173を開くように作動させる。また、PBポート156に供給されたパイロット油は、油路182,183(シャトル弁165)、油路184,185を介して、切替弁161,162にも導かれ、切替弁161を、油路171を開くように作動させるとともに、切替弁162を、油路174を遮断するように作動させる。また、PAポート155にパイロット油が供給されないため、切替弁163はノーマル位置に保持され、油路172を遮断する。その結果、第3制御バルブCV3のPポート151は、第2Bポート154とは接続状態となり、Aポート152および第1Bポート153とは、どちらも非接続状態となる。
このような第3制御バルブCV3の状態(以下「右アウトリガ操作時状態」と称する)において、オペレータによりブレード・アウトリガ操作レバーLV1が前方に傾動操作されると、第2ポンプP2から第1制御ユニットCU1に供給されたパイロット油が、油路R6を介して第1制御バルブCV1のPAポート115に供給され、これにより、方向切替弁117が、上記作動油接続位置Aに移動する。その結果、第1ポンプP1から第1制御バルブCV1のPポート111に供給された作動油が、上記作動油供給経路Aにより、第3制御バルブCV3のPポート151に供給される。Pポート151に供給された作動油は、油路171,173が連通されてPポート151と第2Bポート154が接続されているため、油路171(切替弁161)、油路173(切替弁164)、第2Bポート154を介して油路R17に供給される。
油路R17に供給された作動油は、ダブルチェック弁194を介して、右アウトリガシリンダ71Rのボトム側油室75Rに供給される。また、このときに供給される作動油の圧力により、ダブルチェック弁194の、油路R14上に配置された方のチェック弁が開き、右アウトリガシリンダ71Rのロッド側油室76R内の作動油が、上記作動油排出経路Aにより、油タンクTに排出可能となる。その結果、右アウトリガシリンダ71Rは、ロッドが前進し、これにより右アウトリガシリンダ71Rが下方に移動される。一方、第3制御バルブCV3のPポート151に供給された作動油は、油路172,174が遮断されているため、左アウトリガシリンダ71L、ブレードシリンダ61L,61Rには供給されず、そのため、左アウトリガ72L、ブレード機構6(ドーザブレード62)は作動しない。
上記右アウトリガ操作時状態において、オペレータによりブレード・アウトリガ操作レバーLV1が後方に傾動操作されると、第2ポンプP2から第1制御ユニットCU1に供給されたパイロット油が、油路R7を介して第1制御バルブCV1のPBポート116に供給され、これにより、方向切替弁117が上記作動油接続位置Bに移動する。その結果、第1ポンプP1から第1制御バルブCV1のPポート111に供給された作動油が、上記作動油供給経路Bにより、油路R14に供給される。油路R14に供給された作動油は、ダブルチェック弁194を介して、右アウトリガシリンダ71Rのロッド側油室76Rに供給される。また、このときに供給される作動油の圧力により、ダブルチェック弁194の、油路R17上に配置された方のチェック弁が開く。
その結果、右アウトリガシリンダ71Rのボトム側油室75R内の作動油が、油路R17を介して第3制御バルブCV3の第2Bポート154に導かれ、さらに油路173(切替弁164)、油路171(切替弁161)を介してPポート151に導かれる。Pポート151に導かれた作動油は、上記作動油排出経路Bにより、油タンクTに排出可能となるため、右アウトリガシリンダ71Rは、ロッドが後退し、これにより右アウトリガ72Rが上方に揺動される。
一方、油路R14に供給された作動油は、ダブルチェック弁191,192,193を介して、ブレードシリンダ61L,61R、左アウトリガシリンダ71Lの各ロッド側油室66L,66R,76Lにも供給される。また、このときに供給される作動油の圧力により、ダブルチェック弁191,192の、油路R15上に配置された方の各チェック弁が開くとともに、ダブルチェック弁193の、油路R16上に配置された方のチェック弁が開く。しかし、第3制御バルブCV3内の油路172,174が遮断されているため、ブレードシリンダ61L,61R、左アウトリガシリンダ71Lの各ロッド側油室66L,66R,76Lの作動油は、第3制御バルブCV3を通過することができず、油タンクTへの排出が不能となる。そのため、ブレード機構6(ドーザブレード62)と、左アウトリガ72Lは作動しない。
以上説明した本実施形態の油路切替制御装置100では、第3制御バルブCV3が、PAポート155またはPBポート156へのパイロット油の供給の有無に応じて、Aポート152、第1Bポート153または第2Bポート154と、Pポート151との接続状態を切り替えることにより油圧シリンダ61L,61R,71L,71Rへの作動油の供給状態を切り替えるように構成されている。また、第3制御バルブCV3は、油圧シリンダ61L,61R,71L,71Rの各ボトム側油室65L,65R,75L,75Rと接続される油路R15〜R17上に配置され、油圧シリンダ61L,61R,71L,71Rの各ロッド側油室66L,66R,76L,76R側と接続される油路R14上には、油路を切替えるための制御バルブを特に配置していない。さらに、第2制御ユニットCU2は、3個のスイッチSW1〜SW3の設定状態に基づき、第2制御バルブCV2における2個のソレノイド弁135,136を作動させて、第3制御バルブCV3へのパイロット油の供給制御を行うように構成されている。以上のことから、本実施形態の油路切替制御装置100によれば、簡易な装置構成でありながらも、油圧シリンダ61L,61R,71L,71Rの作動制御を的確に行うことが可能である。
なお、第3制御バルブCV3における切替弁161〜164のうち切替弁161を省略するなど、回路構成の詳細部分については適宜変更することが可能である。また、ここでは、走行体2側に設けられる油圧アクチュエータとして、ブレード用の油圧シリンダ61L,61Rと、アウトリガ用の油圧シリンダ71L,71Rを例にとって説明しているが、本発明は他の油圧アクチュエータの作動制御にも用いることが可能である。さらに、上述の実施形態では、本発明をパワーショベルに適用した場合について説明したが、本発明は、パワーショベル以外の作業用車両、例えば移動式クレーン等の他の作業用車両にも適用することが可能である。