JP6694835B2 - 自動車の走行制御装置 - Google Patents

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本発明は自動車の走行制御装置に係り、特に先行車両に追従して自車両の速度を制御する自動車の走行制御装置に関するものである。
最近では、車載カメラや車載レーダなどの前方認識センサを用いて先行する自動車(以下、先行車両と表記する)を認識し、先行車両と自車両の車間距離を維持するように、先行車両の加減速に追従して自車両の車速を制御するACC(Adaptive Cruise Control)制御と呼ばれる走行制御装置の開発が行われている。
この走行制御装置は、先行車両へ接近した場合においては、内燃機関(以下、エンジンと表記する)の出力を低下させる、或いは摩擦ブレーキの油圧を高めることにより、自車両の車速を減速して先行車両との車間距離を適切に確保している。また、先行車両との車間距離が長くなった場合や、先行車両が自車両の走行経路上から外れた場合は、エンジンの出力を増加させて、所定車間距離、或いは所定車速になるまで加速する制御を行うようにしている。
このような自動車の走行制御装置は、例えば、特開2014−83897号公報(特許文献1)に示されている。特許文献1に記載の走行制御装置は、燃費を改善するための方法として、走行中にエンジンを停止してクラッチを解放し、惰性走行を活用しながら走行することが示されている。更に、ACC制御の燃費改善と追従性の両立を図るために、先行車両に追従している時にはエンジンを停止しない惰性走行を実行し、先行車両が存在しない場合は、エンジンを停止して惰性走行を実行することが示されている。
特開2014−83897号公報
ところで、特許文献1においては、先行車両に追従している時は、先行車両の加速に合せるためエンジンを停止せずに惰性走行を行うことで、追従時の応答性を向上することが示されている。しかしながら、エンジンを停止せずにクラッチを開放した惰性走行では、エンジンはアイドリング状態で動作している(セーリングアイドル走行)ため、この間は燃料を消費しており燃費低減効果が小さいものとなっている。つまり、特許文献1の方法では、先行車両の追従状態が長く続く場合は、エンジンを長い期間に亘って停止しないため燃費低減効果が小さいものである。
しかしながら、先行車両に追従している場合においても、必ずしもエンジンからの駆動力を要求されている状態だけではないため、先行車両を追従している時においてもエンジンを停止して燃費低減を図ることができる余地が残されている。
本発明の目的は、先行車両に追従して走行している場合に先行車両への追従性の悪化を抑制すると共に、燃費低減効果が得られる新規な自動車の走行制御装置を提供することにある。
本発明の特徴は、少なくとも、先行車両と予め設定した車間距離を保ちながら追従するように自車両を走行制御する「第1制御モード」と、変速機のクラッチ開放とエンジンの自動停止を行って惰性で走行するように自車両を走行制御する「第2制御モード」とを設定し、先行車両と自車両の相対距離、先行車両と自車両の相対速度、及び先行車両の加減速度とに基づき「第1制御モード」と「第2制御モード」の何れかの制御モードを選択して自車両の走行状態を制御する、ところにある。
本発明によれば、「第1制御モード」を選択して実行することによって、先行車両への追従性悪化を抑制でき、また、「第2制御モード」を選択して実行することによって、燃費低減効果を得ることができるようになる。
本発明が適用される、エンジン、変速機、ブレーキを含む駆動/制動系を備えた自動車の構成図である。 エンジン回転数とエンジントルクに関するエンジン効率の関係を示す特性図である。 本発明で実行される3種類の走行制御モードの特徴を説明する説明図である。 自車両及び先行車両の位置関係、車両速度、車間距離の関係を説明する説明図である。 第1制御モード(「通常ACC制御モード」)時の遷移状態を説明する説明図である。 第2制御モード(セーリングストップACC制御モード)時の遷移状態を説明する説明図である。 第3制御モード(高効率ACC制御モード)時の遷移状態を説明する説明図である。 本発明の実施形態になる制御フローを説明するフローチャート図である。 図8に示す第1制御モードでの遷移状態を説明するフローチャート図である。 図8に示す第2制御モードでの遷移状態を説明するフローチャート図である。 図8に示す第3制御モードでの遷移状態を説明するフローチャート図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例をもその範囲に含むものである。
まず、図1を用いて本実施形態になる走行制御装置により制御される自動車10の構成を説明する。尚、図1にはエンジン、変速機、ブレーキを含む駆動/制動系を備えた自動車の構成を示している。
自動車10は、駆動力源としてエンジン11を有しており、エンジン11の出力側にはトルクコンバータ12が設けられる。トルクコンバータ12の出力側には変速機13が接続されている。エンジン11には、始動を行う始動装置14、及び車両10の各種機器に電力を供給する発電装置15が接続される。始動装置14は、例えば直流電動機と、歯車機構と、歯車の押し出し機構からなるスタータモータであり、歯車機構とエンジン11との連結状態/非連結状態を押し出し機構によって切り替えることができる。発電装置15は、例えば誘導発電機と、整流器と、電圧調整機構からなるオルタネータである。
始動装置14は、電源16から供給される電力によって駆動され、始動要求に基づきエンジン11を始動する。電源16は、例えば電池であり、鉛バッテリを好適に用いることができる他、リチウムイオン二次電池を始め各種の二次電池、キャパシタなどの蓄電器を用いてもよい。電源16は、発電装置15によって発電された電力を蓄え、始動装置14や図示しない前照灯や各種コントローラなどの車両電装品へ電力を供給している。
エンジン11の種類は、自動車10を走行させる駆動力源であれば良く、ポート噴射式、または筒内噴射式のガソリンエンジン、ディーゼルエンジンなどが挙げられる。また、エンジンの構造もレシプロエンジンの他、ヴァンケル式ロータリーエンジンであってもよい。エンジン11は、クランク軸17を有しており、クランク軸17の一端には、クランク角信号を検出するために既定のパターンを刻んだ信号プレート18が取り付けられている。クランク軸17の他端には、トランスミッションへ駆動力を伝達する図示しないドライブプレートと一体のリングギヤが取り付けられている。
信号プレート18の近傍には、そのパターンの凹凸を検出してパルス信号を出力するクランク角センサ19が取り付けられている。クランク角センサ19から出力されるパルス信号に基づいて、エンジンC/U(エンジンコントロールユニット)20はエンジン11の回転数(エンジン回転数)を算出する。
また、エンジン11の吸気系部品として、吸入空気を各シリンダへ分配するインテークマニホールド21、スロットルバルブ22、エアフロセンサ23、エアクリーナ24が取り付けられている。スロットルバルブ22は、一例として、電子制御式スロットル装置である。エンジンC/U20は、アクセルペダルの踏み込み量を検知するアクセルペダルセンサ25の信号や、その他の各センサから送られてくる信号を基に最適なスロットル開度を算出し、スロットルバルブ22へ出力する。これにより、スロットルバルブ22は、最適なスロットルバルブ開度に制御される。
エアフロセンサ23は、エアクリーナ24ら吸入される空気流量を計測してエンジンC/U20へ出力する。エンジンC/U20は、計測した空気量に見合った燃料量を算出して、図示していない燃料噴射弁へ開弁時間として出力する。燃料噴射弁は、前述のクランク角センサ19の信号が示すクランク角が、エンジンC/U20で予め設定されたクランク角となるタイミングで燃料噴射を開始する。
この動作によりエンジン11の気筒内には、吸入された空気と燃料噴射弁から噴射された燃料が混ぜ合わさり混合気が形成される。点火プラグは、クランク角センサ19の信号が示すクランク角が、エンジンC/U20で予め設定されたクランク角となるタイミングで、図示していない点火コイルを介して通電される。これにより、気筒内の混合気は、点火して燃焼、爆発して駆動力として利用される。
エンジン11は、前述の燃焼、爆発で得られた運動エネルギーを、クランク軸17へ伝えて回転駆動力を発生させる。クランク軸17の変速機側には図示していないドライブプレートが付いている。ドライブプレートは、トルクコンバータ12の入力側と直結しており、トルクコンバータ12の出力側は変速機13に入力される。
変速機13は、有段変速機構、またはベルト式やディスク式の無段変速機構を持つ変速機本体で、変速機C/U(変速機コントロールユニット)26よって制御される。変速機C/U26は、エンジン動作情報(エンジン回転数、車速、スロットル開度等)やギヤシフトレバー27のギヤレンジセンサ28のレンジ情報を基にして適切な変速ギヤ、または変速比を決定して変速機13に変速させる。これにより、変速機13は、最適な変速比になるように制御される。
変速機13と差動機構29の間にはクラッチ機構30を有している。変速機13からの駆動力を差動機構29へ伝達して駆動輪38を駆動する時は、クラッチ機構30は締結され、逆に駆動輪38からの逆駆動力を遮断したい時は、クラッチ機構30は開放される。これにより、変速機13へ逆駆動力が伝達しないように制御することを可能としている。
ACCC/U(ACCコントロールユニット)31は、エンジンC/U20と変速機C/U26の間でエンジン制御情報および変速制御情報の通信を行い、外界認識装置32からの外界認識情報と合わせて先行車両に追従して走行を制御する。また、予め設定した設定車速で走行するACC制御を実行する。ACCC/U31はACC制御用CPU33を備えている。
以上のような構成とすることにより、自動車10が惰行状態で走行している場合にクラッチ機構30を開放して逆駆動力を遮断しエンジンを停止させる。これにより、エンジンフリクションの影響をなくし、走行抵抗を極力低下させた状態で自動車10を走行させる状態を作り出すことができるので、燃料を消費せずに走行可能な距離を拡大することができるため、燃費を向上させることが可能となる。
ESC(Electronic Stability Control)制御用ユニット・アクチュエータ34は、ブレーキアクチュエータを内蔵しており、ブレーキペダル35からの踏力を図示されていない倍力装置を介して、ブレーキキャリパ36に油圧を作用させてブレーキディスク37を締め付けることによりブレーキをかける。なお図示されていないがESC制御用ユニット・アクチュエータ34はCANなどの通信回線を通し、自動車10内の他の制御用ユニットと必要な通信を相互に実施し、運転者の踏力とは別に、制動力を実現する構成(制御ブレーキ)としている。
本実施形態では、クラッチ機構30を開放して走行抵抗を極力低下させた状態で自動車10を走行させる状態を「セーリング」と定義する。また、このセーリング状態でエンジンを停止させている状態を「セーリングストップ」と定義する。
また、本実施形態においては、先行車両と予め設定した車間距離を保ちながら追従走行すると共に、予め設定された設定車速になるように走行制御するモードを「第1制御モード」(以下、「通常ACC制御モード」と表記する)と定義する。
また、本実施形態においては、変速機のクラッチ開放とエンジンの自動停止を行って惰性で走行するように走行制御するモードを「第2制御モード」(以下、「セーリングストップACC制御モード」と表記する)と定義する。
更に、エンジン回転数の制御及び変速機の変速比の制御を行なってエンジンの最適燃費領域で追従して走行するように走行制御するモードを「第3制御モード」(以下、高効率ACC制御モード)と表記する)と定義する。
ここで、「セーリングストップACC制御モード」を用いて、先行車両との車間距離、先行車両との相対速度を基に、先行車両追従制御及び設定車速制御を行う場合、セーリングストップが実行されると、クラッチを解放状態で走行する惰性走行を行なっているので、車速が低下して追従性が低下する状態が発生する。つまり、惰性走行を積極的に活用する場合は、先行車両に対する追従性の悪化(いわゆる、置き去り感を感じる)が課題となる。
本実施形態においては、追従性の悪化を抑制すると共に、燃費低減効果の向上を図ることを目指したものであり、このために、現在の先行車両との相対距離(車間距離)、先行車両との相対速度、先行車両及び自車両の加減速度等に基づいて適切なACC制御モードを選択して実行することにある。
例えば、先行車両との車間距離が目標の車間距離よりも大きく、かつ、自車両の速度が先行車両よりも大きく、自車両が先行車両から離れている状況で先行車両に近づいている状況では、自車両の速度が大きいので惰行走行しても車速の低下が少なく充分な距離の惰行走行ができるので、「セーリングストップACC制御モード」へ遷移して燃料を消費せずに走行することができる。
また、例えば、先行車両との車間距離が目標車間距離よりも小さく、かつ、自車両の速度が先行車両よりも小さく、自車両が先行車両に近い状況で先行車両から離れていく状況では、目標車間距離が小さく大きな駆動力を必要としないので、「高効率ACC制御モード」へ遷移して燃費の良い高効率の運転を行なって先行車両に追従して走行することができる。
更に、例えば、先行車両との車間距離が目標車間距離よりも大きく、かつ、自車両の速度が先行車両よりも小さく、自車両が先行車両に近い状況から先行車両から離れていく状況では、目標車間距離が大きく大きな駆動力を必要とするので、「通常ACC制御モード」へ遷移して先行車両への追従性を向上して走行することができる。
このように、先行車両と自車両の走行状態の関係性(例えば、相対距離、相対速度、加減速度等)を判断して、適切な「ACC制御モード」を選択して実行することで、追従性の悪化の抑制と燃費低減効果の向上を図ることが可能となる。
尚、「セーリングストップACC制御モード」から「高効率ACC制御モード」への移行条件と、「高効率ACC制御モード」から「セーリングストップACC制御モード」への遷移条件を、非可逆的に設定して複数の「ACC制御モード」の間の遷移におけるハンチングを防止することで、運転性の悪化を防ぐことが可能である。
図2は、夫々の「ACC制御モード」でのエンジンの動作点を説明する図であり、横軸にエンジン回転数、縦軸にエンジントルクを示すエンジン特性マップを基に、最適燃費線及び高効率点(領域)を描いたマップである。
「通常ACC制御モード」での走行は、一例を図示するが低効率点(領域)での走行であり、この領域では燃費効率(燃費低減効果)はあまり期待できないが、駆動力は大きいものである。これに対して、「セーリングストップACC制御モード」での走行ではエンジンを停止するため、動作点が図2の特性部の原点に移動して、燃料の消費がないので最大の燃費効率となる。
また、「高効率ACC制御モード」では、図2の高効率点(領域)に動作点が入るようエンジン回転数、エンジントルク、エンジン出力、変速比をエンジンC/U20、及び変速機C/U26で制御することで成立させる。
このように、「高効率ACC制御モード」と「セーリングストップACC制御モード」を、先行車両と自車両の走行状態の関連性から選択して切り換えることで、追従性の向上と、燃費性能の向上を図ることが可能となる。
図3は、上述した3種類の「ACC制御モード」の特徴を示しているものであり、夫々の「ACC制御モード」には図3に記述した特徴があり、先行車両と自車両の現在の相対速度、設定車速の偏差の大きさ、先行車両との車間距離、目標位置によって、夫々の特長を活かした「ACC制御モード」を選択することができる。
例えば、「通常ACC制御モード」は、予め設定した目標車速を維持するように車速制御を行い、また、予め設定した先行車両との車間距離を実現するように速度制御を行うようにしている。この場合、図2で示した低効率点(領域)を使用して走行することがあるため、高効率点を用いた「高効率ACC制御モード」や「セーリングストップACC制御モード」に比べて、燃料消費量では不利になる可能性があるが、エンジンブレーキを効かせた減速度を得ることができるという長所がある。尚、「通常ACC制御モード」では、制御ブレーキを組み合わせることで必要な制動力を得ることも可能である。
また、「高効率ACC制御モード」では、図2の高効率点(領域)を動作点として自車両を加速走行させるため、燃費向上を図ることが可能となる場合がある。この場合は、エンジン回転数や変速比の制御を行うことによって、エンジンを高効率領域の動作点になるように制御すれば良いものである。
更に、「セーリングストップACC制御モード」では、自車両のエンジンを停止しクラッチを解放することで惰性走行し、燃料を消費しないで走行距離を拡大することができるため、燃費向上効果を大きくすることが可能である。尚、「セーリングストップACC制御モード」での走行時に制動力が必要となった場合は、エンジンを再始動してクラッチ締結などの動作を実行しなくとも、セーリングストップのままでブレーキ制御を実行することで、ブレーキ動作に遅れがないと共に、燃費効率が高い制御ができるようになる。
図4は、自車両及び先行車両の位置関係、車両速度、車間距離の関係を示しており、自車両と先行車両に関する各々の速度は、自車両の速度(車速)Vo、先行車両の速度(車速)Vpと定義する。更に、「ACC制御モード」の実行中における自車両の目標速度(目標車速)をVtと定義する。ここで、目標速度Vtは、運転者によって設定された速度や走行する道路の制限速度などを用いても良いものである。また、先行車両に追従する場合は、運転者によって設定された速度や走行する道路の制限速度などを上限として、先行車両の速度Vpを目標速度Vtに設定(Vp≒Vt)することも可能である。
そして、自車両と先行車両との相対速度Vrを以下の(1)式で定義する。
相対速度Vr=先行車両速度Vp−自車両速度Vo……(1)
図4の(A)では、自車両の車速Voが先行車両の車速Vpより大きいため、相対速度Vrは「−Vr」となり、自車両が先行車両に接近する状態である。また、図4の(B)では、自車両の車速Voが先行車両の車速Vpより小さいため、相対速度Vrは「+Vr」となり、自車両が先行車両から遠ざかる状態である。
ここで、自車両と先行車両の目標位置Xtに関しては、先行車両位置Xpとして考える。「ACC制御モード」の実行中において、先行車両が存在する場合は、自車両と先行車両との車間距離(相対距離)Doに関して、目標車間距離Dtを設定する。この目標車間距離Dtは、例えば、自車両速度Vo、或いは先行車両速度Vpに応じて目標車間距離Dtを設定する方法などがある。
そして、先行車両位置Xpと目標車間距離Dtから以下の(2)式を用いて自車両の目標位置Xtを求める。
目標位置Xt=先行車両位置Xp−目標車間距離Dt……(2)
これら、目標位置Xt、目標速度Vtは、先行車両及び自車両においても走行しているために、常に変化していることに注意を要する。そして、これらの内容と、以下に示すACC制御モードの遷移状態から、必要な走行モード(ACC制御モード)を選択して自車両を走行させるものである。
図5、図6、図7は、夫々の「ACC制御モード」の状態遷移条件を示した図であり、現在の「ACC制御モード」に対応して、次の遷移すべき「ACC制御モード」への遷移条件や遷移先の「ACC制御モード」が異なっているものである。
まず、図5、図6、図7に共通する項目の内容を説明する。図5、図6、図7において、横軸は、自車両を基準とした自車両と先行車両の相対速度Vrを示し、縦軸は、自車両を基準とした自車両と先行車両の相対距離(車間距離Do)を示したものである。
つまり、横軸の相対速度Vrは、先行車両が存在する場合で自車両と先行車両との相対速度を表現しており、自車両の速度Vo(目標速度Vt)を境にして、右側に行くほど自車両速度Voが先行車両速度Vpよりも大きい(Vo>Vp)ことを意味しており、左側に行くほど自車両速度Voが先行車両速度Vpよりも小さい(Vo<Vp)ことを意味している。
また、縦軸の相対距離は、先行車両が存在する場合には、自車両と先行車両との車間距離Doを表現しており、自車両の位置Xo(目標位置Xt)を境にして、上側に行くほど自車両と先行車両との位置が近く、車間距離が短いことを意味しており、下側に行くほど自車両と先行車両との位置が遠く、車間距離が長いことを意味している。
ここで、自車両の速度Voは目標速度Vtであり、同様に、自車両の位置Xoは目標位置Xtである。したがって、自車両の速度Voと目標位置Xoの交点Oc(グラフの中心点)は、自車両の現在の走行状況を表している。尚、上述の走行状態は、走行する自車両、先行車両に対して、任意の或る時刻における走行状態を示すものであり、この走行状況は次々刻々と変化しているものである。
次に夫々の「ACC制御モード」の遷移判定条件について説明するが、本実施形態では、上述した自車両の速度Voと自車両の位置Xo及び交点Ocを基準にして、基本的に以下の4領域を設定している。
(1)領域A:自車両の速度Voが先行車両の速度Vpより小さく、車間距離が長いという条件を満足する領域であり、基本的には「通常ACC制御モード」で動作させる領域である。
(2)領域B:自車両の速度Voが先行車両の速度Vpより大きく、車間距離が長いという条件を満足する領域であり、「通常ACC制御モード」と「セーリングストップACC制御モード」で動作させる領域が混在する領域である。
(3)領域C:自車両の速度Voが先行車両の速度Vpより大きく、車間距離が短いという条件を満足する領域であり、基本的には「セーリングストップACC制御モード」で動作させる領域である。ただ、一部だけ「通常ACC制御モード」で動作する領域が存在する場合もある。
(4)領域D:自車両の速度Voが先行車両の速度Vpより小さく、車間距離が短いという条件を満足する領域であり、「通常ACC制御モード」、「セーリングストップACC制御モード」、及び「高効率ACC制御モード」で動作する領域が少なくとも2つ混在する領域である。
以上において、次に「通常ACC制御モード」の詳細について説明する。図5は、「通常ACC制御モード」で走行している時の遷移判定条件を表したものである。「通常ACC制御モード」で走行している場合は、領域Aと、領域Bと領域Cの一部である領域BCと、領域Dから領域D1を除いた領域D2が、「通常ACC制御モード」で動作させる判定領域である。ここで、領域BCは相対速度(Vo−Vm)の範囲と相対距離(Xo−Xm)の範囲で定まる領域である。Xmは自車両の目標位置Xtに対するマージン量である。
また、領域Bから領域BC,領域B1を除いた領域B2と、領域Cが「セーリングストップACC制御モード」へ遷移させる判定領域である。尚、領域B1は、先行車両の走行状況に応じて、「通常ACC制御モード」を継続するか、「セーリングストップACC制御モード」へ遷移するかが異なる判定領域である。
この判定条件の具体的な例としては、自車両が領域B1にあり、かつ、先行車両が所定の減速度より大きい減速度で減速している場合は「セーリングストップACC制御モード」へ遷移し、領域B1にあり、かつ、先行車両が所定の減速度より小さい減速度で減速している場合は「通常ACC制御モード」を継続するものである。したがって、本実施形態では外界認識装置32によって、先行車両の加減速度が計測されている。
ここで、領域B1は、2つの判定境界線L1と判定境界線L2で設定されている。
判定境界線L1は、惰性走行で想定される減速度で減速した場合に、自車両が交点Ocに遷移する相対速度と相対距離の組合せから設定される。具体的には、例えば、惰性走行した場合、交点Ocへ収束する自車両の相対距離と相対速度の組合せが判定境界線L1となる。つまり、自車両の走行状態が判定境界線L1より上の領域B2にいる場合、惰性走行を行うことで交点Ocよりも先行車両に近づくこともあるが、交点Ocへ収束することが可能であり、判定境界線L1より下にいる場合は、惰性走行では目標車間距離に到達できないことを示している。
また、判定境界線L2は、例えば、惰性走行の減速度が想定する減速度より大きい(強い減速度)値を設定し、想定した減速度よりも強い減速度で減速した場合に、自車両が交点Ocに遷移する相対速度と相対距離の組合せから設定される。具体的には、例えば、惰性走行よりも強い予め設定した減速度で減速した場合、交点Ocへ収束する自車両の相対距離と相対速度の組合せが判定境界線L2となる。つまり、自車両の走行状態が判定境界線L2より上の領域B1にいる場合は、予め設定した減速度で走行することで交点Ocよりも先行車両に近づくこともあるが、交点Ocへ収束することが可能であり、判定境界線L2より下にいる場合は、予め設定した減速度で走行では目標車間距離に到達できないことを示している。
次に、領域D1は、「高効率ACC制御モード」で動作させる判定領域である。この判定領域は、別途定義した相対距離(Vm−(Xp−Mbr))の範囲と、判定境界線L3で囲まれた領域である。ここで、Xpは先行車両の位置、Mbrは先行車両の位置に対して追突せずにブレーキで停止できる制動距離、Xmは自車両の目標位置Xtに対するマージン量である。
また、判定境界線L3は、「高効率ACC制御モード」への切替え判定を行う切り換え線である。この判定境界線L3は、例えば、所定の加速度で自車両が加速した場合の自車両の相対距離と相対速度の関係式で表現される。具体的には、所定の加速度で自車両が走行した場合、交点Ocへ収束する自車両の相対速度と相対距離の組合せが判定境界線L3で示されるものである。
次に、「セーリングストップACC制御モード」の詳細について説明する。図6は、「セーリングストップACC制御モード」で走行している時の状態遷移判定条件を表したものである。「セーリングストップACC制御モード」で走行している場合は、領域B2と、領域C及び領域Dから領域D3を除いた領域CDが、「セーリングストップACC制御モード」で動作させる判定領域である。
また、領域A及び領域Bから領域B2を除いた領域ABは、「通常ACC制御モード」へ遷移させる判定領域である。
更に、領域D3は「高効率ACC制御モード」へ遷移させる判定領域である。例えば、「セーリングストップACC制御モード」で走行中に、領域D内の領域CD(セーリングストップACC制御モード)と、領域D3(高効率ACC制御モード)の判定境界線L3である切り換え線を横切ると、「高効率ACC制御モード」に切り換わることになる。ここで、上述の通り判定境界線L3は、自車両が所定の加速度で走行した場合、交点Ocへ収束する自車両の相対速度と相対距離の組合せからなるものである。
尚、領域Cにて「セーリングストップACC制御モード」で走行中の場合、車間距離が短く自車両の速度が大きいと先行車両へ近づきすぎるので、先行車両へ近づき過ぎることを抑制するために制御ブレーキによる制動を行うことも可能である。この場合、例えば先行車両の減速度を検出し、減速度が所定の閾値を越えた場合には制御ブレーキなどによる制動制御を動作させるものである。または、先行車両との車間距離に応じて、車間距離が所定値以内になった場合に、制御ブレーキによる制動動作を実行させることも可能である。
また、領域Cでは、先行車両の減速度や車間距離に応じて、目標の車間距離を保持するためには、自車両の制動動作が必要となる場合があるが、セーリングストップの状態からエンジンを始動し、更にクラッチ締結によってエンジンブレーキを動作させることも可能であるが、制動動作の開始までに時間がかかり、また再始動による燃料消費が必要となるため、制御ブレーキを用いて「セーリングストップACC制御モード」を継続することが好ましい。
また、「通常ACC制御モード」の領域ABと、「セーリングストップACC制御モード」の領域B2は、判定境界線L1によって設定されている。判定境界線L1は、自車両が惰性走行によって走行する場合、交点Ocへ収束する自車両の相対速度と相対距離の組合せによって決められている。そして、判定境界線L1上に自車両が存在している場合は、惰性走行によって、交点Ocへ収束する。つまり、これよりも下の領域(領域AB)内では、惰性走行で交点Ocへ収束できないが、これより上の領域(領域B2)内では、交点Ocよりも先行車両へ近づくこともあるが、惰性走行によって交点Ocへ収束可能な走行状態にあるものことがわかる。
次に「高効率ACC制御モード」の詳細について説明する。図7は、「高効率ACC制御モード」で走行している時の遷移判定条件を表したものである。基本的には図5に示した「通常ACC制御モード」で走行している場合と同じであるが、領域Dにおいて、図5に示す「通常ACC制御モード」と異なっているものである。
領域Dにおいては、領域D4と領域D5が設定されており、領域D4は「通常ACC制御モード」に遷移される判定領域であり、領域D5は「高効率ACC制御モード」で動作させる判定領域である。領域D4と領域D5は判定境界線L4で設定されており、先行車両位置Xpに対して制動距離Mbrを用いて設定するものである。ここで、例えば、制動距離Mbrは制御ブレーキによって制動可能な距離から決定されている。これによって、「高効率ACC制御モード」での走行時に、制動可能な距離Mbrよりも先行車両との車間距離が近くなると、「通常ACC制御モード」へ遷移してエンジンブレーキによって車間距離が開くように制御を行うものである。
以上の図5、図6、図7で説明したように、「通常ACC制御モード」、「セーリングストップACC制御モード」、及び「高効率ACC制御モード」を自車両と先行車両の走行状態の関連性に対応して切り換えることで、先行車両への追従性悪化を抑制すると共、燃費低減効果を得ることができるようになる。
次に、図8乃至図11に基づいて、図5乃至図7に示した夫々の「ACC制御モード」への遷移状態を制御する制御フローを説明する。尚、図8は夫々の「ACC制御モード」への遷移状態を制御する基本動作を説明するフローチャートを示し、図9乃至図11は夫々の「ACC制御モード」での遷移条件を説明するフローチャートを示している。
上述した通り、本実施形態では「通常ACC制御モード」、「セーリングストップACC制御モード」、「高効率ACC制御モード」の3種類の「ACC制御モード」があり、次に各々のモードについての遷移状態について説明する。
まず、本実施形態では、先行車両を追従するACC制御を実行する際は、「通常ACC制御モード」、「セーリングストップACC制御モード」、「高効率ACC制御モード」のいずれかが実行されている。
図8において、現在の「ACC制御モード」が、ステップS21で「通常ACC制御モード」であるか否かを判定する。ここで、現在の走行状態が「通常ACC制御モード」である場合は、ステップS24に移行して「通常ACC制御モード」に関する処理を実行する。この場合、図9に示す制御フローが実行される。
ステップS21で、現在の走行状態が「通常ACC制御モード」でない場合は、ステップS22へ進む。ステップS22では、現在のACC制御モードが、「セーリングストップACC制御モード」であるか否かを判定する。ここで、現在の走行状態が「セーリングストップACC制御モード」である場合は、ステップS25に移行して「セーリングストップACC制御モード」に関する処理を実行する。この場合、図10に示す制御フローが実行される。
ステップS22で、現在の走行状態が「セーリングストップACC制御モード」でない場合は、ステップS23へ進む。ステップS23では、現在のACC制御モードが、「「高効率ACC制御モード」」であるか否かを判定する。ここで、現在の走行状態が「高効率ACC制御モード」である場合は、ステップS26に移行して「高効率ACC制御モード」に関する処理を実行する。この場合、図11に示す制御フローが実行される。そして、いずれかの処理が終わると再びS21へ戻り、上述した処理が繰り返し実行されるものである。
次に、ステップS24で実行される「通常ACC制御モード」(図5参照)での処理について図9を用いて説明する。「通常ACC制御モード」に関する処理が選択されると、ステップS211から処理が実行される。
ステップS212からステップS215にて、現在の自車両位置と自車両速度、先行車両位置と先行車両速度を用いて、「高効率ACC制御モード」へ遷移するか否かの判定を行う。具体的には以下の判定を行うものである。
(A1)ステップS212:先行車両位置Xp−Mbr≧自車両位置を満足するか。
(B1)ステップS213:目標位置Xt+Xm≦自車両位置を満足するか。
(C1)ステップS214:自車両位置、自車両速度が判定境界線L3より下側を満足するか。
(D1)ステップS215:目標速度Vt≧自車両速度を満足するか。
そして、上述の(A1)、(B1)、(C1)、(D1)の4つの条件を満足する場合は、「高効率ACC制御モード」へ遷移すると判断する。この場合、ステップS216では「高効率ACC制御モード」を実行することになる。一方、上述の(A1)、(B1)、(C1)、(D1)の4つの条件の内で、一つでも満足しない場合は、次の領域判定のために、ステップS219に移行する。ここで、制動距離Mbr、マージンXm、及び判定境界線L3は、図5にて説明したものである。
次にステップS219からステップS223について説明する。ここでは、現在の自車両位置と自車両速度、先行車両位置と先行車両速度を用いて、現在の「通常ACC制御モード」から、「セーリングストップACC制御モード」へ遷移する遷移条件を満たすかどうかを判定している。具体的には、以下によって判断を行っている。
(E1)ステップS219:目標速度Vt≦自車両速度を満足するか。
(F1)ステップS220:目標位置Xt≦自車両位置を満足するか。
(G1)ステップS223:先行車両減速度が予め設定した範囲内を満足するか。
そして、上述の(E1)、(F1)、(G1)の3つの条件を全て満足する場合は、「セーリングストップACC制御モード」へ遷移すると判断する。この場合、ステップS224では「セーリングストップACC制御モード」を実行することになる。ここでの判定は、図5の領域Cにあるかどうかの判定を行なっている。
一方、(E1)、(F1)のいずれかが満足されないと判断されると、ステップS221へ移行して以下の判定を行うことになる。
(H1)ステップS221:自車両位置、自車両速度が判定境界線L1より上側を満足するか。ここで、判定境界線L1は図5で説明したものである。

(I1)ステップS222:目標速度Vt+Vm≦自車両速度を満足するか。ここで、マージンXmは図5で説明したものである。
(J1)ステップS223:先行車両減速度が予め設定した範囲内を満足するか。
そして、上述の(H1)、(I1)、(J1)の3つの条件を全て満足する場合は、「セーリングストップACC制御モード」へ遷移すると判断する。この場合、ステップS224では「セーリングストップACC制御モード」を実行することになる。ここでの判定は、図5の領域B3にあるかどうかの判定を行っている。
一方、(H1)、(I1)のいずれかが満足されないと、次のステップS225へ移行し、同様に、ステップS223(J1))が満足されない場合もステップS225へ移行する。
次にステップS225からステップS229について説明する。ここでも、現在の自車両位置と自車両速度、先行車両位置と先行車両速度を用いて、現在の「通常ACC制御モード」から、「セーリングストップACC制御モード」への遷移条件を満たすかどうかを判定している。具体的には、以下によって判断を行っている。
(K1)ステップS225:自車両位置、自車両速度が判定境界線L1より下側を満足するか。ここで、判定境界線L1は図5で説明したものである。
(L1)ステップS226:自車両位置、自車両速度が判定境界線L2より上側を満足するか。ここで、判定境界線L2は図5で説明したものである。
(M1)ステップS227:目標速度Vt+Vm≦自車両速度を満足するか。
(N1)ステップS228:先行車両減速度が予め設定した範囲内を満足するか。
そして、上述の(K1)、(L1)、(M1)、(N1)の4つの条件を全て満足する場合は、「セーリングストップACC制御モード」へ遷移すると判断する。この場合、ステップS224では「セーリングストップACC制御モード」を実行することになる。ここでの判定は、図5の領域B2にあるかどうかの判定を行っている。
最後に、上述の(K1)、(L1)、(M1)、(N1)のいずれかの条件を満足しない場合は、「通常ACC制御モード」へ遷移すると判断する。この場合、ステップS230では「通常ACC制御モード」を実行することになる。尚、ここでの判定は、図5の領域A,領域BC,領域D2にあるかどうかの判定を行なっている。
次に、ステップS25で実行される「セーリングストップACC制御モード」(図6参照)での処理について図10を用いて説明する。「セーリングストップACC制御モード」に関する処理が選択されると、ステップS241から処理が実行される。
ステップS242、ステップS243において、現在の自車両位置と自車両速度、先行車両位置と先行車両速度を用いて、「通常ACC制御モード」へ移行するか否かの判定を行う。具体的には以下の判定を行うものである。
(A2)ステップS242:目標位置Xt≧自車両速度を満足するか。
(B2)ステップS243:目標速度Vt≧自車両速度を満足するか。
そして、上述の(A2)、(B2)の2つの条件の両方を満足する場合は、「通常ACC制御モード」へ移行すると判定する。この場合、ステップS246では「通常ACC制御モード」を実行することになる。ここでの判定は、自車両の走行状態として、図6の領域ABの内の領域Aにあるかどうかの判定を行なっている。
一方、上述の(A2)、(B2)のいずれかの条件を満足しない場合は、次のステップステップS244へ進む。ステップS244からステップS245にて、現在の自車両位置と自車両速度、先行車両位置と先行車両速度を用いて、「通常ACC制御モード」或いは「高効率ACC制御モード」へ移行するか否かの判定を行う。具体的には以下の判定を行うものである。
(C2)ステップS244:自車両位置、速度が判定境界線L1より下側を満足するか。
(D2)ステップS245:目標速度Vt≦自車両速度を満足するか。
そして、上述の(C2)、(D2)の両方の条件を満足する場合は、再び「通常ACC制御モード」へ移行すると判定する。この場合、ステップS246では「通常ACC制御モード」を実行することになる。ここでの判定は、自車両の走行状態として、図6の領域ABの内の領域B側にあるかどうかの判定を行なっている。
一方、上述の(C2)、(D2)のいずれかの条件を満足しない場合は、次のステップステップS251へ移行する。次に、ステップS251からステップS254にて、現在の自車両位置と自車両速度、先行車両位置と先行車両速度を用いて、「高効率ACC制御モード」へ移行するか否かの判定を行う。具体的には以下の判定を行うものである。
(E2)ステップS251:先行車両位Xp−Mbr≧自車両位置を満足するか。ここで、制動距離Mbrは図6で説明したものである。
(F2)ステップS252:目標位置Xt≦自車両位置を満足するか。
(G2)ステップS253:自車両位置、速度が判定境界線L3より下側を満足するか。ここで、判定境界線L3は図6で説明したものである。
(H2)ステップS254:目標速度Vt≧自車両速度を満足するか。
そして、上述の(E2)、(F2)、(G2)、(H2)の4つの全ての条件を満足する場合は、「高効率ACC制御モード」へ移行すると判定する。この場合、ステップS255では「高効率ACC制御モード」を実行することになる。ここでの判定は、自車両の走行状態として、図6の領域D3にあるかどうかの判定を行なっている。
一方、上述の(E2)、(F2)、(G2)、(H2)のいずれかの条件を満足しない場合は、次のステップS256へ進み、「セーリングストップACC制御モード」を維持すると判定される。
次に、ステップS26で実行される「高効率ACC制御モード」(図7参照)での処理について図11を用いて説明する。「高効率ACC制御モード」に関する処理が選択されると、ステップS261から処理が実行される。
ステップS262、ステップS263において、現在の自車両位置と自車両速度、先行車両位置と先行車両速度を用いて、「セーリングストップACC制御モード」へ移行するか否かの判定を行う。具体的には以下の判定を行うものである。
(A3)ステップS262:自車両位置、速度が判定境界線L1より上側を満足するか。
(B3)ステップS263:目標速度+Vm≦自車両速度を満足するか。
(C3)ステップS266:先行車両減速度が予め設定した範囲内を満足するか。
そして、上述の(A3)、(B3)、(C3)の3つの条件の全てを満足する場合は、「セーリングストップACC制御モード」へ移行すると判定する。この場合、ステップS267では「セーリングストップACC制御モード」を実行することになる。ここでの判定は、自車両の走行状態として、図7の領域B2にあるかどうかの判定を行なっている。
一方、上述の(A3)、(B3)のの条件のいずれかを満足しない場合は、次のステップステップS264へ移行する。ステップS264からステップS265において、現在の自車両位置と自車両速度、先行車両位置と先行車両速度を用いて、いずれの「ACC制御モード」へ遷移するか判定を行う。具体的には以下の判定を行うものである。
(D3)ステップS264:目標位置Xt≦自車両位置を満足するか。
(E3)ステップS265:目標速度Vt≦自車両速度を満足するか。
(F3)ステップS266:先行車両減速度が予め設定した範囲内を満足するか。
そして、上述の(D3)、(E3)、(F3)の全ての条件を満足する場合は、「セーリングストップACC制御モード」へ移行すると判定する。この場合、ステップS267では「セーリングストップACC制御モード」を実行することになる。ここでの判定は、自車両の走行状態として、図7の領域Cにあるかどうかの判定を行なっている。
一方、上述の(D3)、(E3)、(F3)のいずれかの条件を満足しない場合は、次のステップステップS271へ進む。ステップS271からステップS274において、現在の自車両位置と自車両速度、先行車両位置と先行車両速度を用いて、いずれの「ACC制御モード」へ遷移するか判定を行う。具体的には以下の判定を行うものである。
(G3)ステップS271:自車両位置、速度が判定境界線L1より下側を満足するか。
(H3)ステップS272:自車両位置、速度が判定境界線L2より上側を満足するか。
(I3)ステップS273:目標速度Vt+Vm≦自車両速度を満足するか。
(J3)ステップS274:先行車両減速度が予め設定した範囲内を満足するか。
そして、上述の(G3)、(H3)、(I3)、(J3)の4つの条件の全てを満足する場合は、「セーリングストップACC制御モード」へ遷移すると判定する。この場合、ステップS275では「セーリングストップACC制御モード」を実行することになる。ここでの判定は、自車両の走行状態として、図7の領域B1にあるかどうかの判定を行なっている。
一方、上述の(G3)、(H3)、(I3)、(J3)のいずれかの条件を満足しない場合は、次のステップS281へ移行する。ステップS281からステップS283において、現在の自車両位置と自車両速度、先行車両位置と先行車両速度を用いて、いずれの「ACC制御モード」へ遷移するか判定を行う。具体的には以下の判定を行うものである。
(K3)ステップS281:目標速度Vt≧自車両速度を満足するか。
(L3)ステップS282:目標位置Xt≦自車両位置を満足するか。
(M3)ステップS283:先行車両位置−Mbr≦自車両位置を満足するか。ここで、制動距離Mbrは図7で説明したものである。
そして、上述の(K3)、(L3)、(M3)の全ての条件を満足する場合は、「高効率ACC制御モード」を維持すると判定する。この場合、ステップS284では「高効率ACC制御モード」を実行することになる。ここでの判定は、自車両の走行状態として、図7の領域D55にあるかどうかの判定を行なっている。
最後に、上述の(K3)、(L3)、(M3)のいずれかの条件を満足しない場合は、「通常ACC制御モード」へ遷移すると判断する。この場合、ステップS230では「通常ACC制御モード」を実行することになる。尚、ここでの判定は、図5の領域D4にあるかどうかの判定を行なっている。
このように本実施形態では、少なくとも、先行車両と予め設定した車間距離を保ちながら追従するように自車両を走行制御する「第1制御モード」と、変速機のクラッチ開放とエンジンの自動停止を行って惰性で走行するように自車両を走行制御する「第2制御モード」とを設定し、先行車両と自車両の相対距離、先行車両と自車両の相対速度、及び先行車両の加減速度とに基づき「第1制御モード」と「第2制御モード」の何れかの制御モードを選択して自車両の走行状態を制御する、構成とした。
これによれば、「第1制御モード」を選択して実行することによって、先行車両への追従性悪化を抑制でき、また、「第2制御モード」を選択して実行することによって、燃費低減効果を得ることができるようになるものである。
ここで、以上に説明した本実施例は一形態であり、この内容が全てではない。また、図5、図6、7に示す遷移条件は、各々適切なヒステリシスを持たせることが有効である。
尚、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
10…自動車、11…エンジン、12…トルクコンバータ、13…変速機、14…始動装置、15…発電装置、16…電源、17…クランク軸、18…信号プレート、19…クランク角センサ、20…エンジンC/U、21…インテークマニホールド、22…スロットルバルブ、23…エアフロセンサ、24…エアクリーナ、25…アクセルペダルセンサ、26…変速機C/U、27…ギヤシフトレバー、28…ギヤレンジセンサ、29…差動機構、30…クラッチ機構、31…ACCC/U、32…外界認識装置、33…ACC制御用CPU、34…ESC制御用ユニット・アクチュエータ、35…ブレーキペダル、36…ブレーキキャリパ、37…ブレーキディスク、38…駆動輪。

Claims (5)

  1. 内燃機関の駆動力を駆動輪に伝達し、駆動経路を締結または解放するクラッチ機構を備えた自動車(以下、自車両と表記する)に搭載され、前記自車両の前方を走行する先行車両に追従して前記自車両を追従走行させる自動車の走行制御装置において、
    前記自車両は、前記先行車両の情報を取得する外界情報検出装置から入力された外界情報に基づき前記先行車両を追従して走行する走行制御手段を備え、
    前記走行制御手段は、
    前記先行車両との車間距離が予め設定した所定の値となるように前記自車両の駆動力を制御する第1制御モードを実行する第1制御モード機能と、
    前記外界情報検出装置から得られた前記自車両と前記先行車両との相対距離及び相対速度に基づき、前記内燃機関を停止すると共に、前記クラッチ機構を解放して前記自車両を惰性走行させる第2制御モードを実行する第2制御モード機能と、
    前記第1制御モード機能、及び前記第2制御モード機能の他に、前記内燃機関の最適燃費を示す領域を動作点として前記内燃機関を動作させる第3制御モードを実行する第3制御モード機能と、
    前記先行車両と前記自車両の相対距離、前記先行車両と前記自車両の相対速度、及び前記先行車両の加減速度とに基づき、前記第1制御モード、前記第2制御モード、及び前記第3制御モードのいずれかを選択するモード選択機能と
    を備え、
    更に前記モード選択機能は、
    前記自車両が前記第2制御モードで走行中に、前記自車両と前記先行車両の間の相対距離が予め設定した目標車間距離以下、及び前記自車両の速度が目標速度以下であり、かつ前記第3制御モードで走行した時の推定加速度に基づき推定した車間距離が予め設定した車間距離以内になった時に、前記第3制御モードを選択する
    ことを特徴とする自動車の走行制御装置。
  2. 請求項1に記載の自動車の走行制御装置において、
    更に前記モード選択機能は、
    少なくとも、前記先行車両と前記自車両の相対距離が、予め設定した前記先行車両との目標車間距離よりも大きく、かつ、前記先行車両の速度が前記自車両の速度よりも大きい場合は、前記第1制御モードを選択し、
    少なくとも、前記先行車両と前記自車両の相対距離が、予め設定した前記先行車両との目標車間距離よりも小さく、かつ、前記先行車両の速度が前記自車両の速度よりも小さい場合は、前記第2制御モードを選択する
    ことを特徴とする自動車の走行制御装置。
  3. 請求項1に記載の自動車の走行制御装置において
    更に前記モード選択機能は、
    前記自車両が前記第1制御モードで走行中に、前記自車両と前記先行車両の間の相対距離が予め設定した目標車間距離以下になった場合において、
    前記自車両の速度が、目標速度以上であれば、前記第2制御モードを選択し、前記自車両の速度が、前記目標速度未満であれば、前記第3制御モードを選択する
    ことを特徴とする自動車の走行制御装置。
  4. 請求項1に記載の自動車の走行制御装置において
    更に前記モード選択機能は、
    前記自車両が前記第3制御モードで走行中に、前記自車両と前記先行車両の間の相対距離が予め設定した目標車間距離以下で、かつ前記自車両の速度が目標速度以上になった時に、前記第2制御モードを選択する
    ことを特徴とする自動車の走行制御装置。
  5. 請求項1に記載の自動車の走行制御装置において
    更に前記モード選択機能は、
    前記自車両が前記第3制御モードで走行中に、前記自車両と前記先行車両の間の相対距離が予め設定した目標車間距離以上になった時には、前記第1制御モードを選択する
    ことを特徴とする自動車の走行制御装置。
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