JP6694762B2 - 投射用ズームレンズおよび投射型画像表示装置 - Google Patents
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投射型画像表示装置において、投射画像として表示するべき平面画像を倍率可変で拡大して投射する「投射用ズームレンズ」も従来から種々のものが知られている。
昨今、プロジェクタは「投射距離」即ち、プロジェクタ本体と投射画像を表示される表示面との距離の短縮化が進み、投射用ズームレンズにも広い画角が求められている。
(1) 1.5 <ft/fw< 3.0
(2) 0.5(mm)<ΔWT3/(ft/fw)<10.0(mm)
を満足する。
図1ないし図7に、投射用ズームレンズの実施の形態を7例示す。これら7例の実施の形態は、図示の順序で、後述する実施例1ないし7に対応する。
図1ないし図7において、上図は「広角端」におけるレンズ配置、下図は「望遠端」におけるレンズ配置をそれぞれ示す。
これらの図において、図の左方は「拡大側」即ち、投射画像が投射される側であり、図の右方は縮小側、即ち「平面画像が表示される側」である。
繁雑を避けるため、これらの図において符号を共通化する。
図1ないし図7において、「1G」は第1レンズ群、「2G」は第2レンズ群、「3G」は第3レンズ群、「4G」は第4レンズ群、「5G」は第5レンズ群、「6G」は第6レンズ群、「7G」は第7レンズ群を示す。
図1ないし図7に示す実施の形態では「3原色の画像を表示する3枚の液晶パネルを用いる3板式プロジェクタに用いられる投射用ズームレンズ」が想定され、図中の符号「PR」は色合成用プリズムを示す。また、「S」は開口絞りを示し、「OI」は画像表示面、即ち、液晶パネルのパネル面を示し、以下において「平面画像OI」とも言う。
第4レンズ群4Gと第5レンズ群5Gとは共に「正の屈折力」を有し、第6レンズ群6Gは「負または正の屈折力」を有し、第7レンズ群7Gは「正の屈折力」を有する。
即ち、図1ないし図7に示す実施の各形態の投射用ズームレンズは、平面画像OIを倍率可変で拡大して投射する投射用ズームレンズである。
投射用ズームレンズは、拡大側から縮小側ヘ向かって順に、負の屈折力を有する第1レンズ群1G、正の屈折力を有する第2レンズ群2G、負の屈折力を有する第3レンズ群3G、正の屈折力を有する第4レンズ群4G、開口絞りS、正の屈折力を有する第5レンズ群5G、負又は正の屈折力を有する第6レンズ群6Gおよび正の屈折力を有する第7レンズ群7Gを配してなる。
(1) 1.5 <ft/fw< 3.0
(2) 0.5(mm)<ΔWT3/(ft/fw)< 10.0(mm)
を満足する。
条件(1)は、広角端と望遠端における焦点距離の比:ft/fw、即ち「所謂ズーム比」の適正な範囲を定める条件である。即ち、この発明の投射用ズームレンズの上記構成において、条件(2)を満足することにより、条件(1)の「ズーム比の範囲」において、良好な光学性能を実現できる。
条件(2)のパラメータ:ΔWT3/(ft/fw)が小さくなると、第3レンズ群のズーミングに伴う変位量が小さくなる。第1レンズ群1Gと第7レンズ群7Gは、ズーミングに関して固定群であるので、条件(2)のパラメータの値が小さいほど、投射用ズームレンズのコンパクト化に有利である。しかし、条件(2)の下限値を超えると、望遠側において球面収差が過補正となり易く、良好な光学性能の達成が困難となり易い。
第4レンズ群は「1枚以上の正レンズ」で構成することができる。即ち、第4レンズ群は正レンズ1枚で構成することもできる。図1ないし図7に示す実施の各形態では、第4レンズ群4Gは1枚の正レンズで構成されている。
(3) Nd3 <1.65
(4) 10.0(mm) <ΔWT4/(ft/fw)< 19.0(mm)
(5) 1.75 <Nd4
(6) 40.0 <νd4
の任意の1以上を満足することが好ましい。
条件(5)は、第4レンズ群の正の屈折力を好適に実現できる条件であり、パラメータ:Nd4が大きいほど、第4レンズ群の正の屈折力を強くすることが可能であり、投射用ズームレンズのコンパクト化とズーム比の増大が可能となる。
上記の如く「Nd3」は第3レンズ群を構成するレンズの「d線における屈折率の平均値:Nd3」、「Nd4」は第4レンズ群を構成するレンズの「d線における屈折率の平均値」、「νd4」は、第4レンズ群を構成するレンズのアッベ数の平均値である。
条件(1)、(2)とともに、条件(3)ないし(6)の任意の1以上を満足することにより、これら条件の持つ効果を得ることができるが、条件(1)、(2)と共に、条件(3)ないし(6)を満足することが最も好ましいことは言うまでもない。
合焦、即ち「フォーカシング」を行うには種々の方法が可能であるが、フォーカシングに際して「第1レンズ群全系若しくは第1レンズ群に含まれる1枚以上のレンズ」が光軸方向へ移動するようにすることにより、フォーカシングの機構を簡単化できる。
さらに、正の屈折力を有する第7レンズ群は「正レンズ1枚」で、構成することができる。図1ないし図7に示す実施の各形態においても、第7レンズ群7Gは「1枚の正レンズのみ」で構成されており、第7レンズ群を1枚の正レンズで構成することにより、投射用ズームレンズの構成を簡単化できる。
以下に、投射用ズームレンズの具体的な実施例を挙げる。
「実施例1」
実施例1は、図1にレンズ構成を示したものである。
実施例1の投射用ズームレンズのデータを図8に示す。
図8において最も上の欄における「i」は、拡大側から数えた面(レンズ面および開口絞りSの面、色合成用プリズムPRの面)を表すパラメータであり、「IMG」は平面画像が表示される面である。
また、「R」は曲率半径、「D」は面間隔、「j」は、拡大側から数えたレンズを表すパラメータ、「PR」は色合成用プリズムを示す。「N」はd線の屈折率、「ν」はアッベ数である。これらは、実施例2ないし実施例7においても同様である。
図9において(a)は広角端、中間焦点距離(中間と表示)、望遠端における焦点距離を示す。(b)は、図8に示すデータ中の面間隔「可変」の部分の、広角端、中間、望遠端における面間隔、(c)は、条件(1)ないし(6)のパラメータの値(条件式(1)ないし条件式(6)の値と表示)を示す。
実施例2は、図2にレンズ構成を示したものである。
実施例2の投射用ズームレンズのデータを図10に示す。
図11には、実施例2の投射用ズームレンズの各種のパラメータを図9に倣って示す。
実施例3は、図3にレンズ構成を示したものである。
実施例3の投射用ズームレンズのデータを図12に示す。
図13には、実施例3の投射用ズームレンズの各種のパラメータを図9に倣って示す。
実施例4は、図4にレンズ構成を示したものである。
実施例4の投射用ズームレンズのデータを図14に示す。
図15には、実施例4の投射用ズームレンズの各種のパラメータを図9に倣って示す。
実施例5は、図5にレンズ構成を示したものである。
実施例5の投射用ズームレンズのデータを図16に示す。
図17には、実施例5の投射用ズームレンズの各種のパラメータを図9に倣って示す。
実施例6は、図6にレンズ構成を示したものである。
実施例6の投射用ズームレンズのデータを図18に示す。
図19には、実施例6の投射用ズームレンズの各種のパラメータを図9に倣って示す。
実施例7は、図7にレンズ構成を示したものである。
実施例7の投射用ズームレンズのデータを図20に示す。
図21には、実施例7の投射用ズームレンズの各種のパラメータを図9に倣って示す。
実施例1 36.1度〜20.0度
実施例2 36.1度〜20.0度
実施例3 40.1度〜26.4度
実施例4 36.1度〜20.0度
実施例5 41.5度〜26.0度
実施例6 36.1度〜20.0度
実施例7 33.6度〜14.9度 。
図23に、実施例1の投射用ズームレンズの望遠端における収差図を示す。
図24に、実施例2の投射用ズームレンズの広角端における収差図を示す。
図25に、実施例2の投射用ズームレンズの望遠端における収差図を示す。
図26に、実施例3の投射用ズームレンズの広角端における収差図を示す。
図27に、実施例3の投射用ズームレンズの望遠端における収差図を示す。
図28に、実施例4の投射用ズームレンズの広角端における収差図を示す。
図29に、実施例4の投射用ズームレンズの望遠端における収差図を示す。
図30に、実施例5の投射用ズームレンズの広角端における収差図を示す。
図31に、実施例5の投射用ズームレンズの望遠端における収差図を示す。
図32に、実施例6の投射用ズームレンズの広角端における収差図を示す。
図33に、実施例6の投射用ズームレンズの望遠端における収差図を示す。
図34に、実施例7の投射用ズームレンズの広角端における収差図を示す。
図35に、実施例7の投射用ズームレンズの望遠端における収差図を示す。
これら各収差図は、前述の如く「拡大側に表示された投射画像を物体面」とし、縮小側の「平面画像」の位置を像面として算出したものである。
収差図における「Y」は最大像高で「平面画像OIの対角線長の1/2」であり、実施例1ないし7を通じて「14.6mm」である。コマ収差の図における0Hないし1Hは、この14.6mmを1H、0mmを0Hとして規格化した値である。
各収差図から明らかなように、各実施例とも、広角端・望遠端ともに良好な性能が実現されている。
図36図に示す投射型画像表示装置は、何れもプロジェクタであり、以下、プロジェクタPR1、PR2と称する。繁雑を避けるため投射型ズームレンズは「符号4」で示す。
図36(a)に示すプロジェクタPR1は、液晶パネルを用いる3板式プロジェクタであり、図示のように、3枚の液晶パネルPR、PG、PBが用いられる。液晶パネルPRには「投射画像の赤色成分画像」が表示され、この画像は照明装置LRから放射される波長:620nmの赤色照明光により照明される。赤色照明光は、液晶パネルLRに表示された赤色成分画像により強度変調されて色合成用プリズムPRに入射する。
プロジェクタPR2は、照明系2と、画像表示素子であるDMD3と、投射用ズームレンズ4を有する。
コンデンサーレンズCL、RGBカラーホイールCWとミラーMとは「照明光学系」を構成する。照明光学系や光源21等を制御する「制御部」は、図36(b)において図示を省略されている。
[1]
平面画像(OI)を倍率可変で拡大して投射する投射用ズームレンズであって、拡大側から縮小側ヘ向かって順に、負の屈折力を有する第1レンズ群(1G)、正の屈折力を有する第2レンズ群(2G)、負の屈折力を有する第3レンズ群(3G)、正の屈折力を有する第4レンズ群(4G)、開口絞り(S)、正の屈折力を有する第5レンズ群(5G)、負又は正の屈折力を有する第6レンズ群(6G)、正の屈折力を有する第7レンズ群(7G)を配して構成され、ズーミングに際して、第1レンズ群(1G)および第7レンズ群(7G)が固定され、第2レンズ群(2G)から第6レンズ群(6G)までが光軸上を移動することにより第1レンズ群(1G)ないし第7レンズ群(7G)の群間隔が変化し、広角端における全系の焦点距離:fw、望遠端における全系の焦点距離:ft、広角端から望遠端へのズーミングの際の前記第3レンズ群の最大移動量:ΔWT3が、条件:
(1) 1.5 <ft/fw< 3.0
(2) 0.5(mm)<ΔWT3/(ft/fw)<10.0(mm)
を満足する投射用ズームレンズ(実施例1ないし7)。
[1]記載の投射用ズームレンズであって、前記第3レンズ群(3G)が、負の屈折力を有する1枚以上のレンズで構成されている投射用ズームレンズ(実施例1ないし7)。
[1]または[2]記載の投射用ズームレンズであって、前記第3レンズ群(3G)を構成するレンズの、d線における屈折率の平均値:Nd3が、条件:
(3) Nd3 <1.65
を満足する投射用ズームレンズ(実施例1ないし7)。
[1]ないし[3]の何れか1に記載の投射用ズームレンズであって、広角端における全系の焦点距離:fw、望遠端における全系の焦点距離:ft、広角端から望遠端へのズーミングの際の前記第4レンズ群(4G)の最大移動量:ΔWT4が、条件:
(4) 10.0(mm)<ΔWT4/(ft/fw)<19.0(mm)
を満足する投射用ズームレンズ(実施例1ないし7)。
[1]ないし[4]の何れか1に記載の投射用ズームレンズであって、前記第4レンズ群(4G)が、正の屈折力を有する1枚以上のレンズで構成されている投射用ズームレンズ(実施例1ないし7)。
[1]ないし[5]の何れか1に記載の投射用ズームレンズであって、前記第4レンズ群(4G)を構成するレンズの、d線における屈折率の平均値:Nd4が、条件:
(5) 1.75 <Nd4
を満足する投射用ズームレンズ(実施例1ないし7)。
[1]ないし[6]の何れか1に記載の投射用ズームレンズであって、前記第4レンズ群(4G)を構成するレンズのd線におけるアッベ数の平均値:νd4が条件:
(6) 40.0 <νd4
を満足する投射用ズームレンズ(実施例1ないし7)。
[1]ないし[7]の何れか1に記載の投射用ズームレンズであって、フォーカシングに際して、前記第1レンズ群(1G)全系若しくは前記第1レンズ群(1G)に含まれる1枚以上のレンズが光軸方向へ移動する投射用ズームレンズ(実施例1ないし7)。
[9]
[1]ないし[8]の何れか1に記載の投射用ズームレンズであって、前記第7レンズ群(7G)が、正の屈折力を持つ1枚のレンズのみで構成されている投射用ズームレンズ(実施例1ないし7)。
画像表示素子(PR、PG、PB、3)に表示される平面画像を、倍率可変で拡大して投射表示する投射型画像表示装置(PR1、PR2)であって、平面画像を倍率可変で拡大して投射する投射用ズームレンズ(4)として、[1]ないし[9]の何れか1に記載の投射用ズームレンズを用いる投射型画像表示装置(図36)。
この発明の実施の形態に記載された効果は、発明から生じる好適な効果を列挙したに過ぎず、発明による効果は「実施の形態に記載されたもの」に限定されるものではない。
2G 第2レンズ群
3G 第3レンズ群
4G 第4レンズ群
S 開口絞り
5G 第5レンズ群
6G 第6レンズ群
7G 第7レンズ群
PR 色合成凹プリズム
OI 平面画像
Claims (10)
- 平面画像を倍率可変で拡大して投射する投射用ズームレンズであって、拡大側から縮小側ヘ向かって順に、負の屈折力を有する第1レンズ群、正の屈折力を有する第2レンズ群、負の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群、開口絞り、正の屈折力を有する第5レンズ群、負又は正の屈折力を有する第6レンズ群、正の屈折力を有する第7レンズ群を配して構成され、
ズーミングに際して、前記第1レンズ群および前記第7レンズ群が固定され、第2レンズ群から第6レンズ群までが光軸上を移動することにより前記第1レンズ群ないし第7レンズ群の群間隔が変化し、
広角端における全系の焦点距離:fw、望遠端における全系の焦点距離:ft、広角端から望遠端へのズーミングの際の前記第3レンズ群の最大移動量:ΔWT3が、条件:
(1) 1.5 <ft/fw< 3.0
(2) 0.5(mm)<ΔWT3/(ft/fw)<10.0(mm)
を満足する投射用ズームレンズ。 - 請求項1記載の投射用ズームレンズであって、
前記第3レンズ群が、負の屈折力を有する1枚以上のレンズで構成されている投射用ズームレンズ。 - 請求項1または2記載の投射用ズームレンズであって、
前記第3レンズ群を構成するレンズの、d線における屈折率の平均値:Nd3が、条件:
(3) Nd3 <1.65
を満足する投射用ズームレンズ。 - 請求項1ないし3の何れか1項に記載の投射用ズームレンズであって、
広角端における全系の焦点距離:fw、望遠端における全系の焦点距離:ft、広角端から望遠端へのズーミングの際の前記第4レンズ群の最大移動量:ΔWT4が、条件:
(4) 10.0(mm)<ΔWT4/(ft/fw)<19.0(mm)
を満足する投射用ズームレンズ。 - 請求項1ないし4の何れか1項に記載の投射用ズームレンズであって、
前記第4レンズ群が、正の屈折力を有する1枚以上のレンズで構成されている投射用ズームレンズ。 - 請求項1ないし5の何れか1項に記載の投射用ズームレンズであって、
前記第4レンズ群を構成するレンズの、d線における屈折率の平均値:Nd4が、条件:
(5) 1.75 <Nd4
を満足する投射用ズームレンズ。 - 請求項1ないし6の何れか1項に記載の投射用ズームレンズであって、
前記第4レンズ群を構成するレンズのd線におけるアッベ数の平均値:νd4が条件:
(6) 40.0 <νd4
を満足する投射用ズームレンズ。 - 請求項1ないし7の何れか1項に記載の投射用ズームレンズであって、
フォーカシングに際して、前記第1レンズ群全系若しくは前記第1レンズ群に含まれる1枚以上のレンズが光軸方向へ移動する投射用ズームレンズ。 - 請求項1ないし8の何れか1項に記載の投射用ズームレンズであって、
前記第7レンズ群が、正の屈折力を持つ1枚のレンズのみで構成されている投射用ズームレンズ。 - 画像表示素子に表示される前記平面画像を、倍率可変で拡大して投射表示する投射型画像表示装置であって、
平面画像を倍率可変で拡大して投射する投射用ズームレンズとして、請求項1ないし9の何れか1項に記載の前記投射用ズームレンズを用いる投射型画像表示装置。
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