JP6694675B2 - ろう付構造体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ろう付構造体の製造方法に関する。
特許文献1には、基板とヒートシンクとをろう材で接合する際に、基板の接合界面に離型剤を配置する構成が記載されている。この離型剤によって、基板とヒートシンクとには接合されない非接合領域が形成され、この非接合領域を設けることでろう材で接合する際の熱応力を緩和するようになっている。
特開2008−235672号公報
しかしながら、従来の構成では、金属板と金属部材とをろう材で接合する際に、ろう材の動きを制御することはできず、ろう材が金属部材との接合界面の外側へ流れ出てしまうことがある。これにより、ろう材の適正な厚さが確保されない場合がある。また、金属板と金属部材とをろう材で接合する際に、接合位置が位置ずれすると、接合不良を生じる場合がある。
本発明は、ろう材の適正な厚さを確保しつつ、接合位置の位置ずれを抑制することを目的とする。
請求項1に係るろう付構造体の製造方法は、凹部及び凸部の少なくとも一方を有する金属部材と、平板とされた金属板と、を準備する準備工程と、前記金属板に金属粉末の集合体とろう材とを配置する配置工程と、前記ろう材を加熱することで前記集合体の前記金属粉末に前記ろう材を含浸させて複合ろう材とし、前記複合ろう材により前記金属板と前記金属部材とを接合する接合工程と、を有する。
請求項1の製造方法によれば、金属板に金属粉末の集合体とろう材とが配置される。さらに、ろう材を加熱することで、集合体の金属粉末にろう材を含浸させて複合ろう材とし、この複合ろう材により金属板と金属部材とが接合される。
ここで、請求項1では、金属粉末の集合体が、金属板と金属部材とを接合する際に、支柱(スペーサ)の役割を果たすため、金属粉末の集合体を用いずろう材のみで接合する場合に比べ、ろう材の適正厚さが確保される。
さらに、請求項1では、金属粉末の集合体及びろう材が配置される金属板は、平板とされており、金属板には段差がない。このため、金属粉末の集合体及びろう材を配置する作業者(又は装置)が、段差を回避(考慮)しながら配置作業(又は配置動作)を行う必要がない。したがって、凹部及び凸部の少なくとも一方を有する金属部材に金属粉末の集合体及びろう材を配置する場合に比べ、金属粉末の集合体及びろう材の配置位置が設定位置(狙いの位置)に対してずれにくい。このため、金属板と金属部材とを接合する接合位置の位置ずれを抑制できる。
請求項2に係るろう付構造体の製造方法では、前記準備工程において、1つ以上の金属板と、2つ以上の金属部材とを準備し、前記配置工程において、前記金属板の両面のそれぞれに前記集合体と前記ろう材とを配置し、前記接合工程において、前記金属部材、前記金属板及び前記金属部材の順で積層された状態で、当該金属部材、当該金属板及び当該金属部材を前記複合ろう材により接合する。
請求項2の製造方法によれば、金属部材、金属板及び金属部材の順で積層された状態で、金属部材、金属板及び金属部材を接合する際において、金属粉末の集合体及びろう材が、金属部材ではなく、金属板に配置される。このため、金属粉末の集合体及びろう材を配置する作業者(又は装置)が、段差を回避(考慮)しながら配置作業(又は配置動作)を行う必要がない。したがって、凹部及び凸部の少なくとも一方を有する金属部材に金属粉末の集合体及びろう材を配置する場合に比べ、金属粉末の集合体及びろう材の配置位置が設定位置(狙いの位置)に対してずれにくい。このため、金属板と金属部材とを接合する接合位置の位置ずれを抑制できる。
請求項3に係るろう付構造体の製造方法では、前記準備工程において、凹状空間が形成されるように押し出された凸部と該凸部の周囲に形成された平坦部とを有する前記金属部材と、前記金属板とを準備し、前記接合工程において、前記凹状空間の開口が前記金属板で閉鎖されるように、前記金属部材の平坦部と前記金属板とを接合する。
請求項3の製造方法によれば、金属部材の平坦部と金属板とが接合されて、金属部材の凹状空間の開口が金属板で閉鎖される。これにより、ろう付構造体として、凹状空間を内部空間とする容器を製造できる。また、金属部材の平坦部と、平板とされた金属板とを接合するので、ろう付の厚み(接合間隔)が管理しやすい。
請求項4に係るろう付構造体の製造方法では、前記準備工程において、前記凸部の頂部でさらに凹状空間が形成されるように押し出された凸部を有する前記金属部材を準備する。
請求項4の製造方法によれば、金属部材の平坦部と金属板とが接合されて、金属部材の凹状空間の開口が金属板で閉鎖される。これにより、ろう付構造体として、凹状空間を内部空間とする容器を製造できる。そして、内部空間を流通する熱媒体と容器外部を流通する熱媒体とで熱交換する熱交換器として容器を用いる場合では、容器が複数の凸部を有するため、熱媒体の接触面積を増大できる。
請求項5に係るろう付構造体の製造方法では、前記配置工程において、シート状に形成された前記集合体及び前記ろう材を前記金属板に配置する。
請求項5の製造方法によれば、シート状に形成された集合体及びろう材を金属板に配置するので、金属粉末を粉末状態で配置する場合と比べて、配置作業(配置動作)を容易にすることができる。
本発明によれば、ろう材の適正な厚さを確保しつつ、接合位置の位置ずれを抑制できる。
本実施形態に係る熱交換器の側断面図である。 本実施形態に係る熱交換器の斜視図である。 本実施形態に係る金属部材の斜視図である。 本実施形態に係る金属部材の正面図及び側断面図(4B−4B線断面図)である。 本実施形態に係る金属板の正面図、側断面図(5B−5B線断面図)及び背面図である。 本実施形態に係る熱交換器の各部材を分解した側断面図である。 第一変形例に係る金属部材の斜視図である。 第一変形例に係る金属部材の正面図及び側断面図(8B−8B線断面図)である。 第一変形例に係る熱交換器の側断面図である。 第二変形例に係る金属部材の斜視図である。 第二変形例に係る金属部材の正面図及び側断面図(11B−11B線断面図)である。 第二変形例に係る金属板の正面図、側断面図(12B−12B線断面図)及び背面図である。 第二変形例に係る熱交換器の側断面図である。 第三変形例に係る金属部材の正面図及び側断面図(14B−14B線断面図)である。 第三変形例に係る金属板の正面図、側断面図(15B−15B線断面図)及び背面図である。 第三変形例に係る熱交換器の側断面図である。 他の変形例に係る金属部材を構成する第一部材の正面図、第二部材の正面図、第一部材の側断面図(17C−17C線断面図)及び第二部材の側断面図(17D−17D線断面図)である。
本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。以下では、ろう付構造体の一例としての熱交換器10、及び、熱交換器10の製造方法について説明する。
(熱交換器10)
熱交換器10は、図1に示されるように、筐体20と、2つの管部材30、40と、複数(具体的には、4つ)の金属部材50と、複数(具体的には、4つ)の金属板60と、金属部材50と金属板60とを接合する複合ろう材70と、を有している。
(筐体20)
筐体20は、2つの管部材30、40と、複数(具体的には、4つ)の金属部材50と、複数(具体的には、4つ)の金属板60と、を収容する部材である。筐体20は、具体的には、一方側(図1における左側)に開口を有する箱状(直方体状)に形成された本体22と、本体22の開口22Mを閉鎖する蓋部材24と、を有している。
本体22は、図2に示されるように、具体的には、上壁22A、底壁22B、側壁22C、22D、22Eとで構成されている。蓋部材24は、板状に形成されている。側壁22E及び蓋部材24のそれぞれには、図1に示されるように、管部材30、40の管部34、44のそれぞれが差し通される円孔22F、24Aが形成されている。
(管部材30、40)
管部材30、40は、図1に示されるように、それぞれ、板部32、42と、管部34、44と、を有している。板部32、42は、平板で構成されている。板部32、42は、厚み方向に見て、上壁22A、底壁22B、側壁22C、22Dの内壁に沿った矩形状に形成されている。板部32、42の中央部には、円孔32A、42Aが厚み方向に貫通されている。
管部34、44は、管状(円筒状)に形成されている(図2参照)。この管部34、44は、板部32、42の円孔32A、42Aの外縁から突設されており、円孔32A、42Aと連通している。
(金属部材50)
金属部材50は、ステンレス鋼で構成された金属板をプレス加工することにより形成されている。金属部材50は、具体的には、図3及び図4(A)(B)に示されるように、凹状空間51が形成されるように押し出された凸部52と、凸部52の周囲に形成された枠状の平坦部56と、を有している。凸部52は正面視にて(図4(A)参照)矩形状とされ、凹状空間51は直方体形状とされている。凸部52の頂部52Aには、頂部52Aを厚み方向に貫通する矩形状の矩形孔58が形成されている。
(金属板60)
金属板60は、ステンレス鋼で構成され且つ平板とされた金属板であり、例えば、加工前の金属部材50と同じ厚みの平板とされた金属板で構成されている。また、金属板60は、金属部材50の平坦部56の外縁に沿った矩形状に形成されている。金属板60には、図5(A)(B)に示されるように、厚み方向に貫通する矩形状の矩形孔68が形成されている。
具体的には、金属板60の外縁が金属部材50の平坦部56の外縁に沿うように、金属板60と金属部材50とを積層した際に、金属部材50の矩形孔58に重なる位置に、矩形孔68が形成されている。また、矩形孔68は、金属部材50の矩形孔58と同等の大きさとされている。
(複合ろう材70)
複合ろう材70(図1参照)は、金属粉末72(図5参照)と、ろう材76(図5参照)と、を有している。
金属粉末72は、金属部材50及び金属板60と同様の組成であるステンレス鋼の粉末が用いられ、ろう付温度で、ろう材76が、金属粉末72に含浸して金属粉末72の表面に共晶結合するようになっている。なお、金属粉末72としては、一例として、粒径10〜45〔μm〕の粉末が用いられる。
ろう材76は、ステンレス鋼製の金属部材50及び金属板60に対して融点が低く、さらに、金属部材50及び金属板60と共晶結合可能なものが用いられる。ろう材76として、例えば、Ni基(ニッケル)ろう材、Fe基(鉄)ろう材、Ag基(銀)ろう材、又はTi基(チタン)ろう材を用いることが可能であるが、本実施形態では、ろう材76としてNi基(ニッケル)ろう材が用いられている。
したがって、複合ろう材70は、ステンレス鋼の粉末である金属粉末72にNi基ろう材であるろう材76が、ろう付温度で共晶結合することで形成されるようになっている。さらに、この複合ろう材70においては、金属粉末72に対するろう材76の体積比は、例えば、25%以上50%以下とされている。なお、この体積比については、質量と真密度との関係から算出することで得られる。
そして、本実施形態では、図1に示されるように、管部材30、金属部材50、金属板60、金属部材50、金属板60、金属部材50、金属板60、金属部材50、金属板60及び管部材40が、この順で積層された状態で、各部材が複合ろう材70によって接合されている。
これにより、各金属部材50の凹状空間51と、管部材30の管部34の内部と、管部材40の管部44の内部と、が連通し、熱媒体が流通する第一流通空間91が構成されている。さらに、4つの金属部材50の外側には、金属部材50によって第一流通空間91と仕切られ熱媒体が流通する第二流通空間92が形成されている。熱交換器10では、第一流通空間91を流通する熱媒体と、第二流通空間92を流通する熱媒体と、の間で熱交換がなされる。なお、第二流通空間92を流通する熱媒体は、筐体20の側壁22C、22D等に形成された流入口(図示省略)、流出口(図示省略)を通じて筐体20の内部に対して、流入及び流出するようになっている。
なお、図1に示す矩形孔58(A)及び矩形孔68(A)は、円孔32Aに対して、図1における上側(又は下側)にずれていてもよい。また、図1に示す矩形孔58(B)及び矩形孔68(B)は、図1に示す矩形孔58(A)及び矩形孔68(A)に対して、図1における下側(又は上側)にずれていてもよい。さらに、図1に示す矩形孔58(C)及び矩形孔68(C)は、図1に示す矩形孔58(B)及び矩形孔68(B)に対して、図1における上側(又は下側)にずれていてもよい。これにより、熱媒体を第一流通空間91内で蛇行させて流通させることができる。
なお、本実施形態では、熱交換器10を製造する際の後述の配置工程において、金属粉末72そのものではなく、金属粉末72をシート状(帯状)に形成した金属シート材74(金属粉末72の集合体の一例)が用いられる。
金属シート材74は、厚さが一定とされて一方向に延びるシート材で構成されている。具体的には、金属シート材74は、金属粉末72と、金属粉末72の粉末同士を接着させるバインダ(一例として、有機系溶剤、水系媒体)とを混合させ、これを乾燥させて、厚さ(一例として厚さ90〔μm〕)一定のシート状にした部材である。なお、金属シート材74に残存するバインダは、後述の接合工程における加熱炉内の温度(ろう付温度)以下で、蒸発するようになっている。
また、本実施形態では、熱交換器10を製造する際の後述の配置工程において、ろう材76は、シート状(帯状)に成形されたものが用いられる。
そして、熱交換器10を製造する際の後述の接合工程において、金属シート材74のバインダが蒸発すると共に、シート状のろう材が金属粉末72に含浸して複合ろう材70を構成するようになっている。
(熱交換器10の製造方法)
熱交換器10の製造方法は、準備工程と、配置工程と、接合工程と、収容工程と、を有している。以下、各工程について説明する。
(準備工程)
準備工程では、図6に示されるように、筐体20と、2つの管部材30、40と、複数(具体的には、4つ)の金属部材50と、複数(具体的には、4つ)の金属板60と、を準備する。
(配置工程)
配置工程では、図6に示されるように、各金属板60の両面のそれぞれにシート状のろう材76と金属シート材74と、を配置する。
具体的には、各金属板60の一方の面には、図5(A)(B)に示されるように、金属シート材74を金属板60の外縁に沿って枠状に配置する。また、ろう材76を金属シート材74の内周側に隣接させて枠状に配置する。
また、各金属板60の他方の面には、図5(B)(C)に示されるように、ろう材76を金属板60の矩形孔68の外縁に沿って枠状に配置する。また、金属シート材74をろう材76の外周側に隣接させて枠状に配置する。
また、管部材30の板部32における管部34が形成された側とは反対側の面には、ろう材76を円孔32Aの外縁に沿って環状に配置する(図6参照)。また、金属シート材74をろう材76の外周側に隣接させて環状に配置する。
なお、金属シート材74及びろう材76の配置作業(配置動作)は、金属シート材74及びろう材76を配置する作業者(又は装置)によって行われる。また、溶融したろう材76が金属粉末72に吸引される後述の吸引効果が発揮される限りにおいて、ろう材76と金属シート材74とは、隙間を有して配置されていてもよい。
(接合工程)
接合工程では、図6に示されるように、まず、管部材30、金属部材50、金属板60、金属部材50、金属板60、金属部材50、金属板60、金属部材50、金属板60及び管部材40を、この順で積層する。そして、2つの管部材30、40、4つの金属部材50及び4つの金属板60を、これらの部材で金属シート材74及びろう材76が挟持された状態で、図示せぬ加熱炉内に入れて、ろう材76を加熱して溶融させる。なお、加熱炉内の温度については、Ni基ろう材は溶融するが、金属部材50及び金属板60は溶融しないように設定されている(例えば、1100°C)。
なお、接合工程では、各部材を積層した結果、管部材30、金属部材50、金属板60、金属部材50、金属板60、金属部材50、金属板60、金属部材50、金属板60及び管部材40の順で積層された状態になっていればよい。すなわち、各部材を積層する作業(動作)の順番は、前述の順番でなくてもよい。
これにより、金属シート材74のバインダが蒸発すると共に、金属シート材74を構成する金属粉末72に溶融したろう材76が吸引される(吸引効果)。これにより、ろう材76が金属粉末72に含浸し、この含浸により金属粉末72の表面にろう材76が共晶結合することで、複合ろう材70が形成される。
さらに、金属粉末72に含浸されたろう材76は、金属部材50及び金属板60の接合界面で拡散して金属部材50及び金属板60と共晶結合する。そして、複合ろう材70を冷却させることで、金属部材50と金属板60とが、複合ろう材70により接合される(ろう付される)。
具体的には、金属部材50の凹状空間51の開口51A(図4(B)参照)が金属板60で閉鎖されるように、金属部材50の平坦部56と金属板60とが接合される。このように、金属部材50の平坦部56と金属板60とを接合されることで、金属部材50の凹状空間51の開口51Aが金属板60で閉鎖される。これにより、凹状空間51を内部空間とする容器が形成される。
金属部材50と金属板60とが接合された状態で、複合ろう材70の厚さは、配置工程で金属板60に配置された金属シート材74の厚さ及びろう材76の厚さと同等となっている。これは、後述するように、金属粉末72が支柱(スペーサ)の役割を果たすためである。
(収容工程)
管部材40の管部44が本体22の円孔22Fに差し通されるように、接合工程にて接合された2つの管部材30、40、4つの金属部材50と及び4つの金属板60を、筐体20の本体22に収容する。管部材30の管部34が蓋部材24の円孔24Aに差し通されるように、蓋部材24を閉じることで熱交換器10が製造される。本体22と蓋部材24とは、例えば、溶接により接合される。
なお、複合ろう材70を用いて、本体22と蓋部材24とを接合してもよい。この場合では、例えば、前述の配置工程において、本体22と蓋部材24とを接合する接合部分にろう材76及び金属シート材74を配置する。そして、前述の接合工程において、2つの管部材30、40、4つの金属部材50と及び4つの金属板60を本体22に収容し、蓋部材24を閉じた状態で、図示せぬ加熱炉内に入れて、ろう材76を溶融させる。
(本実施形態の作用効果)
本実施形態では、前述のように、接合工程において、金属粉末72にろう材76が含浸して金属粉末72の表面にろう材76が共晶結合することで、複合ろう材70が形成される。ここで、金属シート材74を構成する金属粉末72が、金属部材50と金属板60とを接合する際に、支柱(スペーサ)の役割を果たす。このため、複合ろう材70が押し潰されず、複合ろう材70が任意の厚みを保持した状態を維持する。このように、本実施形態では、金属粉末72を用いずろう材76のみで接合する場合に比べ、ろう材の適正厚さを確保することができる。
また、金属部材50の平坦部56と、平板とされた金属板60とを接合するので、ろう付の厚み(接合間隔)が管理しやすい。
さらに、本実施形態では、金属シート材74及びろう材76が配置される金属板60は、平板とされており、金属板60には段差がない。このため、金属シート材74及びろう材76を配置する作業者(又は装置)が、段差を回避(考慮)しながら配置作業(又は配置動作)を行う必要がないので、金属シート材74及びろう材76を金属部材50に配置する場合に比べ、金属シート材74及びろう材76の配置位置が、設定位置(狙いの位置)対してずれにくい。このため、金属部材50と金属板60を接合する接合位置の位置ずれを抑制できる。
さらに、本実施形態では、配置工程において、金属粉末72をシート状に形成した金属シート材74を配置するため、例えば、金属粉末72を粉末状態で配置する場合と比べて、配置作業(配置動作)を容易にすることができる。
(第一変形例)
前述の金属部材50に替えて、図7及び図8(A)(B)に示されるように、金属部材150を用いてもよい。
金属部材150は、金属部材50と同様に、例えば、ステンレス鋼で構成された金属板をプレス加工することにより形成されている。金属部材150は、金属部材50における凸部52の頂部52Aでさらに凹状空間151が形成されるように押し出された凸部154と、凸部154の頂部154Aを貫通する矩形状の矩形孔158と、を有している。この点で、金属部材150は、金属部材50と異なる。その他の構成においては、金属部材50と同様に構成されている。なお、金属部材150において、金属部材50と同様の構成部分には、同一符号を付している。
第一変形例においても、前述の製造方法と同様に、準備工程と、配置工程と、接合工程と、収容工程とを経て、熱交換器10が製造される。
本変形例によれば、金属部材150が複数の凸部52、154を有するため、図9に示されるように、第二流通空間92の体積を大きくでき、第二流通空間92を流通する熱媒体の流量を確保できる。また、第二流通空間92を流通する熱媒体と金属部材50との接触面積を増大でき、第二流通空間92を流通する熱媒体と第一流通空間91を流通する熱媒体との熱交換効率を向上させることができる。
(第二変形例)
前述の金属部材50に替えて、図10及び図11(A)(B)に示されるように、金属部材250を用いてもよい。
金属部材250は、金属部材50、150と同様に、例えば、ステンレス鋼で構成された金属板をプレス加工することにより形成されている。金属部材250は、金属部材150における凸部52の頂部52Aを、凸部154とは反対側へ押し出された形状とされた2つの押出部256(凹部)を有している。2つの押出部256(凹部)は、凸部154を図11(図8)における上側の位置及び下側の位置に配置されている。
この各押出部256の底面256A(接合面)は、複合ろう材70によって金属板60と接合される。また、押出部256が形成されることで、凹状空間51及び凹状空間151を合わせた空間よりも狭くされた凹状空間251が、金属部材250に形成されている。
金属部材250は、この押出部256及び凹状空間251を有する点で、金属部材150と異なる。その他の構成においては、金属部材150と同様に構成されている。なお、金属部材250において、金属部材150と同様の構成部分には、同一符号を付している。
第二変形例においても、前述の製造方法と同様に、準備工程と、配置工程と、接合工程と、収容工程とを経て、熱交換器10が製造される。ただし、第二変形例では、配置工程において、各金属板60の一方の面には、図12(A)(B)に示されるように、金属シート材74を金属板60の外縁に沿って枠状に配置する。また、ろう材76を金属シート材74の内周側に隣接させて枠状に配置する。
さらに、金属板60における金属部材250の押出部256の底面256Aとの接合部分のそれぞれにも、金属シート材74及びろう材76が隣接して配置される。金属シート材74及びろう材76は、押出部256の長さ方向に沿って、線状に配置されている。
なお、各金属板60の他方の面には、図12(B)(C)に示されるように、ろう材76を金属板60の矩形孔68の外縁に沿って枠状に配置する。また、金属シート材74をろう材76の外周側に隣接させて枠状に配置する。
本変形例によれば、金属部材250は、凸部52の頂部52Aを凸部154とは反対側へ押し出すことで形成された押出部256(凹部)が補強部(補強バー)として機能する。このため、金属部材250の高強度化を図ることができる。また、本変形例によれば、金属部材250は、押出部256においても金属板60と接合されるので、接合面積が増加し、接合強度を高めることができる。さらに、本変形例によれば、金属部材250が押出部256を有するため、図13に示されるように、第二流通空間92の体積を大きくでき、第二流通空間92を流通する熱媒体の流量を確保できる。
(第三変形例)
前述の金属部材50に替えて、図14(A)(B)に示されるように、金属部材350を用いてもよい。
金属部材350は、金属部材50と同様に、例えば、ステンレス鋼で構成された金属板をプレス加工することにより形成されている。金属部材350は、凹状空間351が形成されるように押し出された2つの凸部352と、2つの凸部252の周囲に形成された枠状の平坦部356と、2つの凸部252の間に形成された平坦部359と、を有している。各凸部352は正面視にて(図14(A)参照)矩形状とされ、凹状空間51は直方体形状とされている。各凸部352の頂部352Aには、頂部352Aを厚み方向に貫通する矩形状の矩形孔358が形成されている。
第三変形例では、さらに、前述の金属板60に替えて、金属板360が用いられる。金属板360は、ステンレス鋼で構成され且つ平板とされた金属板であり、加工前の金属部材350と同じ厚みの平板とされた金属板で構成されている。また、金属板360は、金属部材350の平坦部356の外縁に沿った矩形状に形成されている。金属板360には、図15(A)(B)に示されるように、厚み方向に貫通する矩形状の2つの矩形孔368が形成されている。
具体的には、金属板360の外縁が金属部材350の平坦部356の外縁に沿うように、金属板360と金属部材350とを積層した際に、金属部材350の各矩形孔358に重なる位置に、各矩形孔368が形成されている。また、矩形孔368は、金属部材350の矩形孔358と同等の大きさとされている。
また、第三変形例では、管部30、40は、2つの管部34、44を有しており、各管部34、44が、各矩形孔358、各矩形孔368と連通するようになっている(図16参照)。また、側壁22E及び蓋部材24のそれぞれには、各管部34、44が差し通される円孔22F、24Aが2つ形成されている(図16参照)。
第三変形例においても、前述の製造方法と同様に、準備工程と、配置工程と、接合工程と、収容工程とを経て、熱交換器10が製造される。ただし、第三変形例では、配置工程において、各金属板360の一方の面には、図15(A)(B)に示されるように、金属シート材74を金属板360の外縁に沿って枠状に配置する。また、ろう材76を金属シート材74の内周側に隣接させて枠状に配置する。さらに、金属板360における金属部材350の平坦部359との接合部分にも、金属シート材74及びろう材76が隣接して配置される。金属シート材74及びろう材76は、平坦部359の長さ方向に沿って、線状に配置されている。
各金属板360の他方の面には、図15(B)(C)に示されるように、ろう材76を金属板360の各矩形孔368の外縁に沿って枠状に配置する。また、金属シート材74を各ろう材76の外周側に隣接させて枠状に配置する。
本変形例によれば、図16に示されるように、各金属部材350が有する2つの凹状空間351のそれぞれによって、熱媒体が流通する流通空間391を形成できる。すなわち、熱媒体が流通する2系統の流路を形成することができる。なお、本構成では、凸部352の数を増やすことで熱媒体が流通する系統を増やすことが可能である。
(他の変形例)
本実施形態では、ろう付構造体の一例としての熱交換器10を製造する例について説明したが、これに限られない。例えば、前述の金属部材50及び前述の金属板60を1つずつ用いて、ろう付構造体の一例としての容器を製造する場合においても、本発明を適用してもよい。
金属部材150は、図17に示されるように、分割構造を有していてもよい。図17に示す例では、金属部材150は、図17(A)(C)に示す第一部材191と、図17(B)(D)に示す第二部材192と、に2分割されている。第一部材191は、凸部154と、凸部52の頂部52Aと、を有している。第二部材192は、平坦部56と、凸部52の側部52Bと、を有している。なお、金属部材50、250、350においても、同様に、分割構造を有する構成とすることができる。
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、その主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した変形例は、適宜、複数を組み合わせて構成してもよい。
10 熱交換器(ろう付構造体の一例)
50 金属部材
51 凹状空間
52 凸部
56 平坦部
60 金属板
74 金属シート材(金属粉末の集合体の一例)
76 ろう材
151 凹状空間
154 凸部

Claims (5)

  1. 凹部及び凸部の少なくとも一方を有する金属部材と、平板とされ且つ厚み方向に貫通する孔が形成された金属板と、を準備する準備工程と、
    前記金属板に金属粉末の集合体とろう材とを配置する配置工程と、
    前記ろう材を加熱することで前記集合体の前記金属粉末に前記ろう材を含浸させて複合ろう材とし、前記複合ろう材により前記金属板と前記金属部材とを接合する接合工程と、
    を有し、
    前記配置工程では、前記ろう材を前記孔の外縁に沿って枠状又は環状に配置し、該ろう材の周囲を囲むように該ろう材に沿って前記集合体を枠状又は環状に配置するろう付構造体の製造方法。
  2. 前記準備工程において、1つ以上の金属板と、2つ以上の金属部材とを準備し、
    前記配置工程において、前記金属板の両面のそれぞれに前記集合体と前記ろう材とを配置し、
    前記接合工程において、前記金属部材、前記金属板及び前記金属部材の順で積層された状態で、当該金属部材、当該金属板及び当該金属部材を前記複合ろう材により接合する
    請求項1に記載のろう付構造体の製造方法。
  3. 前記準備工程において、凹状空間が形成されるように押し出された凸部と該凸部の周囲に形成された平坦部とを有する前記金属部材と、前記金属板とを準備し、
    前記接合工程において、前記凹状空間の開口が前記金属板で閉鎖されるように、前記金属部材の平坦部と前記金属板とを接合する
    請求項1又は2に記載のろう付構造体の製造方法。
  4. 前記準備工程において、前記凸部の頂部でさらに凹状空間が形成されるように押し出された凸部を有する前記金属部材を準備する
    請求項3に記載のろう付構造体の製造方法。
  5. 前記配置工程において、シート状に形成された前記集合体及び前記ろう材を前記金属板に配置する
    請求項1〜4のいずれか1項に記載のろう付構造体の製造方法。
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