JP6694360B2 - 固定子製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献1に開示されている集中巻き電動機は、回転子と固定子を備え、固定子は、固定子コアと、樹脂製の端部絶縁部材(「樹脂ボビン」と呼ばれている)を有している。端部絶縁部材は、周方向に沿って延在する外壁部と、外壁部より回転中心側に配置され、周方向に沿って延在する複数の内壁部と、外壁部と内壁部を接続する複数の連結部を有している。そして、固定子コアの軸方向両側に端部絶縁部材が配置されている状態で、固定子コアのティースに固定子巻線が直接巻き付けられる。
なお、特許文献1に開示されている集中巻き電動機は、永久磁石が挿入される磁石挿入孔が形成された回転子を有しており、集中巻き方式の永久磁石埋込型電動機として構成されている。
従来の集中巻き電動機は、現行の振動基準(例えば、30G)に対する耐振動性能を満足するように構成されている。ここで、従来の集中巻き電動機に、高められた振動基準(例えば、35G)の振動を加えると、端部絶縁部材が損傷するおそれがあることが判明した。これは、端部絶縁部材を樹脂で一体成形(例えば、射出成形)する際に端部絶縁部材にソリが発生し、連結部の内周側端部と固定子コアの端面との間に隙間が発生するが、高められた振動基準(例えば、35G)の振動が電動機に加わった場合には、この隙間に起因して連結部と外壁部との接続部に作用する応力が大きくなることによるものである。
このような端部絶縁部材の損傷を防止する方法として、端部絶縁部材を形成する樹脂あるいは端部絶縁部材の構造を変更し、端部絶縁部材のソリを低減する方法を用いることが考えられる。しかしながら、このような方法を用いると端部絶縁部材(端部絶縁部材を含む固定子)が高価となる。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、振動等による端部絶縁部材の損傷を防止することができる固定子を安価に製造することができる固定子製造方法を提供することを目的とする。
第1ステップでは、端部絶縁部材を固定子コアの軸方向両側に配置する。
第2ステップでは、固定子コアの軸方向両側に配置された端部絶縁部材を加熱する。第2ステップでは、好適には、100℃〜250℃の範囲内、より好適には、150℃〜200℃の範囲内の温度に端部絶縁部材を加熱する。
第3ステップでは、固定子コアの軸方向両側に配置された端部絶縁部材のソリを矯正する。第3ステップでは、端部絶縁部材が加熱された状態で、端部絶縁部材の連結部および固定子コアのティース(ティース基部)に固定子巻線を巻き付けることにより、内壁部を軸方向に沿って連結部側(端部絶縁部材の端面側)に移動させる。この場合、内壁部を、端部絶縁部材の端面のうちの内壁部に対応する部分(例えば、連結部の内周側端部)が、固定子コアの端面に当接する位置まで移動させるのが好ましい。また、内壁部を移動させた状態を所定期間以上保持するのが好ましい。
本発明では、安価な固定子を製造することができる。また、固定子コアのティースに巻き付けられる固定子巻線のテンションを利用して内壁部を軸方向に沿って移動させているため、内壁部に荷重を付与する手段を別途必要としない。
本形態では、端部絶縁部材のソリを効果的に矯正することができる。
本形態では、ケースを固定子コアに焼き嵌めする際の熱によって端部絶縁部材を加熱するため、端部絶縁部材を加熱するための手段を別途必要としない。
本形態では、端部絶縁部材を形成する材料の量を低減することができる。また、連結部に溝が形成されているため、端部絶縁部材のソリ量を低減することができる。
なお、本明細書では、「軸方向」は、回転子が固定子に対して回転可能に配置されている状態において、回転子の中心(回転中心)を通る線(回転中心線)Pの方向を示す。また、「周方向」は、回転子が固定子に対して回転可能に配置されている状態において、軸方向に直角な断面で見て、回転中心線Pを中心とする円周方向を示す。また、「径方向」は、回転子が固定子に対して回転可能に配置されている状態において、軸方向に直角な断面で見て、回転中心線を通る方向を示す。
固定子10は、固定子コア20、固定子巻線40、端部絶縁部材50、60等により構成される。
固定子コア20は、軸方向と直角な断面で見て(軸方向に直角な方向から見て)、周方向に沿って延在するヨーク24と、周方向に沿って離間する位置に配置されている複数のティース25を有している。各ティース25は、ヨーク24から径方向に沿って内側(回転中心側)に延在するティース基部25aと、ティース基部25aの先端側(回転中心側)に設けられ、周方向に沿って延在するティース先端部25bを有している。ティース先端部25bの先端側(回転中心側)には、ティース先端面25cが形成されている。ティース先端面25cによって、回転子(図示省略)が挿入される回転子挿入空間20aが形成される。また、周方向に隣接するティース25によって、スロット26が形成される。スロット26内には、スロット絶縁部材30が挿入された状態で、固定子巻線40が挿入される。
固定子コア20の軸方向一方側の端面21には、端部絶縁部材50に設けられている突部56が挿入可能な孔27が形成されている。固定子コア20の軸方向他方側の端面22には、端部絶縁部材60に設けられている突部66が挿入可能な孔(図示省略)が形成されている。これらの突部56、66と孔27によって、端部絶縁部材50、60の固定子コア20に対する配置位置が規定される。
端部絶縁部材50、60は、固定子コア20に対する配置位置が異なるだけで、構成は同じである。したがって、以下では、端部絶縁部材50の構成について説明する。なお、端部絶縁部材50の各構成要素および端部絶縁部材60の各構成要素に付されている符号のうち、2桁目以外が一致する符号が付されている構成要素は同じものである。
内壁部53は、中央部53A、中央部53Aの周方向に沿った両側に配置される端部53B、53Cを有している。中央部53Aの、回転中心側には、先端面53aが形成されている。先端面53aによって、回転子が挿入される回転子挿入空間50aが形成される。中央部53Aと端部53Bおよび53Cとの間には段差部53bおよび53cが設けられている。段差部53bおよび53cは、スロット絶縁部材30をスロット26内に挿入する際に、スロット絶縁部材30をガイドする。これにより、スロット絶縁部材30をスロット26内に挿入する作業が容易となる。
連結部54には、巻線用空間57と反対側(固定子コア20側)に、径方向に沿って延在する溝55が形成されている。溝55は、底面55a、側面55bおよび55cによって形成される。
なお、端部絶縁部材50の端面51のうち連結部54に対応する部分は、内壁部53側の内周側端部51aと、外壁部52側の外周側端部51b、側面55b、55c等により規定される。
また、端部絶縁部材50には、巻線用空間57と反対側(固定子コア20側)に、端面51から飛び出ている突部56が形成されている。突部56は、固定子コア20の端面21に形成されている孔27に嵌合可能に形成されている。
端部絶縁部材50を樹脂により一体成形(例えば、射出成形)した場合、冷却速度の差や、肉厚の違い等により端部絶縁部材50にソリが発生する。図1に示されている端部絶縁部材50では、図3に示すようにソリが発生する。なお、図3において、実線は、ソリが発生している状態を示し、破線は、ソリが発生していない状態を示している。
図3に実線で示されているように、内壁部53が、軸方向に沿って端部絶縁部材50の端面51(固定子コア20の端面21)と反対側にソリ反る。この場合、端部絶縁部材50を固定子コア20の端面21側に配置すると、連結部54の内周側端部51aと固定子コア20の端面21との間に隙間K(mm)が発生する。なお、内壁部53の先端部(軸方向に沿って連結部54と反対側の端部)の高さ(端部絶縁部材50が固定子コア20の端面21に配置されている状態において、内壁部53の先端部と固定子コア20の端面21との間の距離)をM(mm)、内壁部53側の端部絶縁部材50の高さ(内壁部53の先端部と端面51との間の距離)をN(mm)とした場合、隙間Kは、[K=M−N]で表される。この隙間Kが、端部絶縁部材50のソリ量Kとして規定される。なお、ソリ量Kが「0」の場合には、MとNは等しい。
連結部54の内周側端部51aと固定子コア20の端面21との間に隙間Kが存在する場合、連結部54と外壁部52との接続部に振動による応力が加わる。
ここで、任意のソリ量K(例えば、4mm)に対して、低い振動基準(例えば、30G)の振動が加わった場合には、連結部54と外壁部52との接続部に加わる応力が小さく、端部絶縁部材50が損傷するおそれがなくても、高い振動基準(例えば、35G)の振動が加わった場合には、連結部54と外壁部52との接続部に加わる応力が増大し、端部絶縁部材50が損傷するおそれがある。このような場合には、ソリ量Kを低減することで、高い振動基準の振動が加わった場合でも、連結部54と外壁部52との接続部に加わる応力を低減し、端部絶縁部材50の損傷を防止することができる。
本発明では、端部絶縁部材50の成形時に発生した端部絶縁部材50のソリ量Kを矯正する処理を行うことによって、端部絶縁部材50のソリ量を低減している。
第1の実施形態の固定子製造方法は、以下の第1〜第4ステップを有している。
なお、端部絶縁部材50のソリを矯正する方法と端部絶縁部材60のソリを矯正する方法は同じであるため、以下では、端部絶縁部材50のソリを矯正する方法についてのみ説明する。また、以下では、各ステップの処理を個別に実行しているが、適宜選択した複数のステップの処理を同時に(併行して)実行することもできる。
第1ステップでは、端部絶縁部材50を加熱する。
端部絶縁部材50を加熱する方法としては、加熱炉で加熱する方法等の公知の種々の方法を用いることができる。
端部絶縁部材50を加熱する温度は、端部絶縁部材50が可塑性(荷重を加えると変形し、荷重を取り去った後も変形した状態を保持する特性)を保持する範囲内の温度に設定される。本実施形態では、100℃〜250℃の範囲内、好適には、150℃〜200℃の範囲内の温度に設定される。加熱温度は、端部絶縁部材50を形成する材料に応じて設定される。
第2ステップでは、端部絶縁部材50のソリを矯正する。
本実施形態では、加熱された状態の端部絶縁部材50を台110の載置面110Aに載置する。このとき、端部絶縁部材50の突部56を台110に形成されている孔111に挿入し、外壁部52を台110に固定する。外壁部52を台110に固定する方法は、内壁部53を軸方向に沿って連結部54側に移動させることができる種々の方法を用いることができる。
そして、内壁部53を軸方向に沿って連結部54側(端部絶縁部材50の端面51側)に移動させる。本実施形態では、加圧部120を軸方向に沿って移動させることにより、内壁部53の先端部に軸方向に沿った荷重を加えている。
本実施形態では、台110に、載置面110Aより軸方向に沿って端部絶縁部材50から離れる方向に段差面110Bを設けている。載置面110Aと段差面110Bとの間の間隔dは、例えば0.5mmに設定される。これにより、内壁部53を、連結部54の内周側端部51aが段差面110Bに当接する位置まで移動させることができ、端部絶縁部材50のソリを効果的に矯正することができる。
勿論、載置面110Aのみを有する(段差面110Bを有していない)台110を用いることもできる。
また、内壁部53を軸方向に沿って連結部54側に移動させた状態、好適には、連結部54の内周側端部51aが段差面110Bに当接した状態を所定期間以上保持する。内壁部53を軸方向に沿って移動させた状態を保持する期間としては、20秒以上、好適には、30秒以上、より好適には、90秒〜100秒が設定される。この保持期間は、端部絶縁部材50を形成する材料や端部絶縁部材50の構造等に応じて設定される。
第3ステップでは、ソリが矯正された端部絶縁部材50を、固定子コア20の軸方向一方側に、端部絶縁部材50の端面51が固定子コア20の軸方向一方側の端面21に対向するように配置する。
第4ステップでは、端部絶縁部材50の連結部54および固定子コア20のティース25(ティース基部25a)に固定子巻線40を巻き付ける。
第2の実施形態の固定子製造方法は、以下の第1〜第3ステップを有している。
なお、端部絶縁部材50のソリを矯正する方法と端部絶縁部材60のソリを矯正する方法は同じであるため、以下では、端部絶縁部材50のソリを矯正する方法についてのみ説明する。また、以下では、各ステップの処理を個別に実行しているが、適宜選択した複数のステップの処理を同時に(併行して)実行することもできる。
端部絶縁部材50を、固定子コア20の軸方向一方側に、端部絶縁部材50の端面51が固定子コア20の軸方向一方側の端面21と対向するように配置する。この時、端部絶縁部材50の突部56は、固定子コア20の軸方向一方側の端面21に形成されている孔27に挿入される。
第2ステップでは、固定子コア20の軸方向一方側に配置されている端部絶縁部材50を加熱する。
端部絶縁部材50を加熱する温度は、端部絶縁部材50が可塑性を保持する範囲内の温度に設定される。本実施形態では、100℃〜250℃の範囲内、好適には、150℃〜200℃の範囲内の温度に設定される。加熱温度は、端部絶縁部材50を形成する材料に応じて設定される。
本実施形態では、固定子コア20にケース(図示省略)を焼き嵌めする際の温度を利用して端部絶縁部材50を加熱している。
なお、固定子コア20の軸方向一方側に配置されている端部絶縁部材50を加熱する方法としては、これ以外の種々の方法を用いることができる。
本実施形態では、ケースを固定子コア20に焼き嵌めする際の温度を利用して端部絶縁部材50を加熱しているため、端部絶縁部材50を加熱するための加熱手段を別途用意する必要がない。
第3ステップでは、端部絶縁部材50のソリを矯正する。
前述したように、端部絶縁部材50の外壁部52を固定した状態で、内壁部53を軸方向に沿って連結部54側に移動させることによって端部絶縁部材50のソリを矯正することができる。本実施形態では、端部絶縁部材50の連結部54および固定子コア20のティース25(ティース基部25a)に巻き付けられる固定子巻線40のテンションを利用して内壁部53を軸方向に移動させている。
本実施形態では、固定子巻線40の断面積をS(mm2)とした場合、[50×S](N)以上で[120×S](N)以下のテンションTを付与した状態で固定子巻線40を巻き付けている。なお、固定子巻線40のテンションTが[50×S](N)未満である場合には、内壁部53を軸方向に沿って移動させる力が弱い。また、固定子巻線40のテンションTが[120×S](N)を超えると、固定子巻線40が損傷するおそれがある。
また、内壁部53を軸方向に沿って移動させた状態を所定期間以上保持している。内壁部53を軸方向に沿って移動させた状態を保持する期間としては、20秒以上、好適には、30秒以上、より好適には、90秒〜100秒が設定される。この保持期間は、端部絶縁部材50を形成する材料や端部絶縁部材50の構造等に応じて設定される。
本実施形態では、固定子コア20のティース25(ティース基部25a)に巻き付けられる固定子巻線40のテンションを利用して内壁部53を軸方向に沿って連結部54側に移動させているため、内壁部53を軸方向に移動させるための荷重を内壁部53に付与する荷重付与手段を別途用意する必要がない。
(態様1)
固定子コアと、前記固定子コアの軸方向両側に配置される端部絶縁部材と、固定子巻線を備え、前記固定子コアは、軸方向に直角な断面で見て、周方向に沿って延在するヨークと、周方向に沿って離間する位置に配置される複数のティースを有し、前記ティースは、前記ヨークから径方向に沿って回転中心側に延在するティース基部と、前記ティース基部の先端側に設けられ、周方向に沿って延在するティース先端部を有し、前記端部絶縁部材は、軸方向に直角な断面で見て、周方向に沿って延在する外壁部と、前記外壁部より回転中心側に配置され、周方向に沿って延在する複数の内壁部と、前記内壁部と前記外壁部を連結する複数の連結部を有し、前記端部絶縁部材の前記外壁部、前記連結部および前記内壁部は、前記固定子コアの前記ヨーク、前記ティース基部および前記ティース先端部に対向する位置に配置され、前記固定子巻線は、前記端部絶縁部材が前記固定子コアの軸方向両側に配置されている状態で、前記連結部および前記ティース基部に巻き付けられる固定子を製造する固定子製造方法であって、
前記端部絶縁部材を100℃〜250℃の範囲内の温度に加熱するステップと、
加熱された前記端部絶縁部材の前記外壁部を固定した状態で、前記内壁部を軸方向に沿って前記連結部側に移動させ、前記端部絶縁部材のソリを矯正するステップと、
ソリが矯正された前記端部絶縁部材を前記固定子コアの軸方向両側に配置するステップと、
前記連結部および前記ティース基部に前記固定子巻線を巻き付けるステップを備えることを特徴とする固定子製造方法。
(態様2)
態様1の固定子製造方法であって、前記端部絶縁部材のソリを矯正するステップでは、前記内壁部を軸方向に沿って前記連結部側に移動させた状態を20秒以上保持することを特徴とする固定子製造方法。
端部絶縁部材を加熱する方法は、実施形態で説明した方法に限定されず、種々の方法を用いることができる。
内壁部を軸方向に沿って連結部側に移動させる方法は、実施形態で説明した方法に限定されず、種々の方法を用いることができる。
本発明の固定子製造方法で製造可能な固定子は、実施形態で説明した構成の固定子に限定されない。
本発明の固定子製造方法は、電動機を含む種々の回転機の固定子を製造することができる。
実施形態で説明した各構成は、単独で用いることもできるし、適宜選択した複数の構成を組み合わせて用いることもできる。
本発明は、「固定子と回転子を備える電動機を製造する電動機製造方法であって、固定子を製造する方法として、いずれかの請求項に記載の固定子製造方法あるいは実施形態に記載した固定子製造方法を用いることを特徴とする電動機製造方法。」として構成することもできる。
20 固定子コア
20a 回転子挿入空間
21、22 端面
23 かしめ(オートクランプ)
24 ヨーク
25 ティース
25a ティース基部
25b ティース先端部
25c ティース先端面
26 スロット
27 孔
30 スロット絶縁部材
40 固定子巻線
50、60 端部絶縁部材
50a、60a 回転子挿入空間
51、61 端面
51a 内周側端部
51b 外周側端部
52、62 外壁部
53、63 内壁部
53A 中央部
53B、53C 端部
53a、63a 先端面
53b、53c、63b、63c 段差部
54、64 連結部
54A、54B、64A、64B 脚部
55、65 溝
55a、65a 底面
55b、55c、65b、65c 側面
56、66 突部
57 巻線用空間
110 台
110A 載置面
110B 段差面
120 加圧部
Claims (4)
- 固定子コアと、前記固定子コアの軸方向両側に配置される端部絶縁部材と、固定子巻線を備え、前記固定子コアは、軸方向に直角な断面で見て、周方向に沿って延在するヨークと、周方向に沿って離間する位置に配置される複数のティースを有し、前記ティースは、前記ヨークから径方向に沿って回転中心側に延在するティース基部と、前記ティース基部の先端側に設けられ、周方向に沿って延在するティース先端部を有し、前記端部絶縁部材は、軸方向に直角な断面で見て、周方向に沿って延在する外壁部と、前記外壁部より回転中心側に配置され、周方向に沿って延在する複数の内壁部と、前記内壁部と前記外壁部を連結する複数の連結部を有し、前記端部絶縁部材の前記外壁部、前記連結部および前記内壁部は、前記固定子コアの前記ヨーク、前記ティース基部および前記ティース先端部に対向する位置に配置され、前記固定子巻線は、前記端部絶縁部材が前記固定子コアの軸方向両側に配置されている状態で、前記連結部および前記ティース基部に巻き付けられる固定子を製造する固定子製造方法であって、
前記端部絶縁部材を前記固定子コアの軸方向両側に配置するステップと、
前記端部絶縁部材を100℃〜250℃の範囲内の温度に加熱するステップと、
前記端部絶縁部材が加熱された状態で、前記連結部および前記ティース基部に固定子巻線を巻き付けて、前記内壁部を軸方向に沿って前記連結部側に移動させ、前記端部絶縁部材のソリを矯正するステップを備えることを特徴とする固定子製造方法。 - 請求項1に記載の固定子製造方法であって、
前記固定子巻線の断面積をS(mm2)とした場合、[50×S](N)と[120×S](N)の範囲内のテンションを付与した状態で前記固定子巻線を巻き付けることを特徴とする固定子製造方法。 - 請求項1または2に記載の固定子製造方法であって、
前記固定子は、ケースを有し、
前記ケースを前記固定子コアに焼き嵌めすることによって前記端部絶縁部材を加熱することを特徴とする固定子製造方法。 - 請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の固定子製造方法であって、
前記端部絶縁部材の前記連結部材には、前記固定子コアの端面と対向する側に、径方向に沿って延在する溝が形成されていることを特徴とする固定子製造方法。
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