JP6692135B2 - 施工セル構造体及びその施工方法 - Google Patents
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Description
このようなハニカム状3次元立体セル構造体を使用した工法は、例えば特許文献1に記載されている。
[1]
複数の穿設孔が穿設された、複数の長片状の樹脂又は繊維シートが幅方向に並設され互いに所定の間隔で千鳥状に繰り返し部分的に接合されてなり、これを前記幅方向と直交する方向に展張することによってハニカム状のセルを形成するハニカム状3次元立体セル構造体と、該各セル内に充填された充填材とを有するブロック、
前記ブロックを覆うように配された網体、及び、
金属線が、開口部が広い略V字形状に曲げられてなる本体部と、該金属線の両端部が互いに係合可能に内側に向けて、本体部のなす平面に対して角度を有するように湾曲されてなるフック部とを有する固定金具、を具備し、
前記固定金具は、前記本体部が上向きに前記穿設孔に挿通された状態で、前記網体の上部で前記フック部同士が係合されることにより、前記立体セル構造体の開口面側に前記網体が挟みこまれ固定されていること、を特徴とする施工セル構造体。
[2]
前記充填材が、砕石、栗石、砂利、砂、土の1以上からなる、[1]に記載の施工セル構造体。
[3]
前記網体は、ワイヤーコンベアベルト、メタルラス、ニットワイヤ金網、菱形金網、ジオグリッド、樹脂ネットの何れかである、[1]又は[2]に記載の施工セル構造体。
[4]
複数の穿設孔が穿設された、複数の長片状の樹脂又は繊維シートを、幅方向に並設するとともに互いに所定の間隔で千鳥状に繰り返し部分的に接合し、これを前記幅方向と直交する方向に展張することによってハニカム状のセルを形成するハニカム状3次元立体セル構造体の1以上のブロックを、斜面又は平滑地面又は法面上に敷設する工法であって、以下のステップ:
(1)該斜面又は平滑地面又は法面上で、前記ブロックを展張し、そして
(2)金属線が、開口部が広い略V字形状に曲げられてなる本体部と、該金属線の両端部が互いに係合可能に内側に向けて、本体部のなす平面に対して角度を有するように湾曲されてなるフック部とを有する固定金具を、前記本体部を上向きにして前記穿設孔に挿通する;
(3)該展張により形成された少なくとも1つのセルの内に、砕石、栗石、砂利、砂、土の1以上からなる充填材を充填する;
(4)前記ハニカム状3次元立体セル構造体の開口面を網体で覆う;
(5)前記網体の上部で前記固定金具の前記フック部同士を係合することにより、前記網体及び前記立体セル構造体を挟み込んで固定する;
を具備することを特徴とする施工セル構造体の施工方法。
したがって本発明ででは、充填材が飛び出したり、流れ出したりして移動することなく、現場で簡単施工が可能で、作業効率を低下させることのない施工セル構造体及びその施工方法を提供することができる。
本実施の形態にかかる施工セル構造体1は、複数の穿設孔(穿設孔4,長円アンカー孔6)が穿設された、複数の長片状の樹脂又は繊維シート2が幅方向に並設され互いに所定の間隔で千鳥状に繰り返し部分的に接合されてなり、これを前記幅方向と直交する方向に展張することによってハニカム状のセル5を形成するハニカム状3次元立体セル構造体10と、該各セル内に充填された充填材30とを有するブロック、前記ブロックを覆うように配された網体40、及び、金属線が略V字形状に曲げられてなる本体部51と、両端部が互いに係合可能に内側向きに湾曲されてなるフック部52a,52bとを有する固定金具50を具備し、前記固定金具50は、V字形状の本体部51が上向きに穿設孔(穿設孔4または長円アンカー孔6)に挿通された状態で、前記網体40の上部で前記フック部52a,52b同士が係合されることにより、前記立体セル構造体10の開口面側に前記網体40が挟みこまれ固定されていること、を特徴とする。
樹脂又は繊維シート2は、可塑剤等が自然界を汚染するものではなく、自然界の温度変化に対して変形せず、たとえ、変形が生じたとしても自然回復力によって、元に戻る等の特性があり、軽量で、可撓性があり、機械的強度が強靭であり、紫外線等に耐えるものであればよい。
樹脂又は繊維シート2は、繊維材料を混在させた材料で成形したものとすることもできる。この繊維材料は化学繊維、植物繊維、ガラス繊維、カーボン繊維等の何れでもよい。
また、隣接する樹脂又は繊維シート2の面相互間は、隣接する樹脂又は繊維シート2の面相互間距離50〜120cm間隔で、対向する樹脂又は繊維シート2の面相互間が高周波誘電加熱によって一体に融着され、融着部3が形成されている。また、この融着部3は1列として形成しても、2列として形成してもよい。特定の機械的強度が得られれば、接着剤を使用してもよい。
本発明において使用される自然石は、砕石、玉石等であることができ、特に制限されない。また、本発明において、自然石に代えて、人工物、例えばコンクリート塊を用いることもできる。セル構造体10との間に充分な摩擦力を生じさせるという観点、及び洪水時に流されないという観点、入手容易性、経済性、施工作業容易性、無害性等の観点から、一定の質量をもち、表面に摩擦抵抗があり、安価である、例えば、平均粒径2cm乃至4cm程度のコンクリート用砕石が好ましい。
立体セル構造体10の全面に収容される充填材30は、法面の保護、擁壁、河川の護岸、路盤の支持力向上、植生擁壁、集排水流路、川床等の使用する状態によって充填するものが特定される。当然、充填材30として砕石、栗石、砂利、砂、土の1つ以上が組み合わせて使用される場合もある。また、同時に植栽したり、種を蒔いたりすることもある。また、砕石、栗石等の最大径が250〜100mm程度のものは、それ単独で充填材30とすることもある。通常、大小の石により、充填密度を上げている。なお、ここで、砕石は最大長が400〜250mm、栗石は最大長が250〜100mm、砂利は最大長が100〜10mm、砂は最大長が10〜1mm、土は最大長が1mm以下として施工を前提として区別した。
網体40は、立体セル構造体10に充填した充填材30の上に被せ、網体40の随所で立体セル構造体10に固定し、立体セル構造体10に充填した充填材30の離脱を防止している。
なお、本実施の形態において、立体セル構造体10に充填材30が収容された開口面15から充填材30が移動及び流出しないように、立体セル構造体10の開口面15を覆ったとは、一般に、充填材30は砕石、栗石、砂利、砂、土のうち、容積の大きいものの移動及び流出をしないようにするものであり、小さいものまでが移動及び流出しないように拘束するという意味ではない。また、容積の大きいものでもガタツキまでも防止するという意味ではない。
図4は、本発明の施工セル構造体1における固定金具50の例を示した図であり、図4(a)は正面図、図4(b)は側面図である。
固定金具50は、金属線が略V字形状に曲げられてなる本体部51と、該金属線の両端部が互いに係合可能に内側に向けて湾曲されてなるフック部52a,52bを有する。
本実施の形態で使用した固定金具50は、例えば直径が2〜3mmで、全長が20〜30cmのステンレス製の金属線からなり、その中央から、互いに10〜15cmの幅で全体がV字状に湾曲されて本体部51とされている。さらに、その両端部が互いに係合するように、フック状に互いに内側に向けて湾曲させてフック部52a,52bとしたものである。固定金具50としての全体の長さは例えば10cm程度である。
なお、図5に示す例では、固定金具50を穿設孔4に挿通しているが、これに限定されるものではなく、固定金具50を長円アンカー孔6に挿通してもよい(図6参照)。長円アンカー孔6が穿設されている融着部3は、他の部位に比べて厚く、強度も向上しているため、固定金具50を長円アンカー孔6に挿通することで、よりしっかりと固定金具50を支持し、網体40を固定することができる。
そして図1及び図2に示すように、網体40の上部で、端部のフック部52aとフック部52bとを互いに係合させることで、網体40と立体セル構造体10を一体に保持することとなる。
本工法は、以下のステップを備える。すなわち、
(1)斜面又は平滑地面又は法面上で、複数の穿設孔4が穿設された、複数の長片状の樹脂又は繊維シート2を、幅方向に並設するとともに互いに所定の間隔で千鳥状に繰り返し部分的に接合し、これを前記幅方向と直交する方向に展張することによってハニカム状のセルを形成するハニカム状3次元立体セル構造体10の1以上のブロックを展張する(図3参照)。
(2)前記樹脂又は繊維シート2に穿設された穿設孔(穿設孔4または長円アンカー孔6)に、固定金具50の本体部51をその開口側を上向きにして挿通する(図5及び図6参照)。
(3)該展張により形成された少なくとも1つのセル5の内に、砕石、栗石、砂利、砂、土の1以上からなる充填材30を充填する(図7参照)。
(3)前記ハニカム状3次元立体セル構造体10の開口面を網体40で覆う。
(4)前記網体40の上部で固定金具50のフック部52a,52b同士を係合することにより、網体40及び前記立体セル構造体10を挟み込んで固定する(図1及び図2参照)。
特に、重機による砕石や栗石の敷固めを実施しても、法面の施工、集排水流路等では、砕石や栗石の周囲の状況によって落下したり、移動したりすることがない。また、集排水流路等で水量の増減があっても、砕石や栗石が移勤しないから、細かい土、砂の移動も生じ難くなり、予測しない水流が生じたりすることがない。
よって、本実施の形態の施工セル構造体1は、砕石、栗石等の充填材30が飛び出すことなく、現場で簡単施工でき、作業効率を低下させることがない。
そして、網体40は、ワイヤーコンベアベルト、メタルラス、ニットワイヤ金網、菱形金網、ジオグリッド、樹脂ネットの何れか1つとしたものであるから、機械的強度が任意のものが得られ、環境に適応した施工が廉価にできる。
例えば上述した説明では
2 :樹脂又は繊維シート
3 :融着部
4 :穿設孔
5 :セル
6 :長円アンカー孔
10 :立体セル構造体
15 :開口面
20 :杭
30 :充填材
40 :網体
50 :固定金具
51 :本体部
52a :フック部
52b :フック部
Claims (4)
- 複数の穿設孔が穿設された、複数の長片状の樹脂又は繊維シートが幅方向に並設され互いに所定の間隔で千鳥状に繰り返し部分的に接合されてなり、これを前記幅方向と直交する方向に展張することによってハニカム状のセルを形成するハニカム状3次元立体セル構造体と、該各セル内に充填された充填材とを有するブロック、
前記ブロックを覆うように配された網体、及び、
金属線が、開口部が広い略V字形状に曲げられてなる本体部と、該金属線の両端部が互いに係合可能に内側に向けて、本体部のなす平面に対して角度を有するように湾曲されてなるフック部とを有する固定金具、を具備し、
前記固定金具は、前記本体部が上向きに前記穿設孔に挿通された状態で、前記網体の上部で前記フック部同士が係合されることにより、前記立体セル構造体の開口面側に前記網体が挟みこまれ固定されていること、を特徴とする施工セル構造体。 - 前記充填材が、砕石、栗石、砂利、砂、土の1以上からなる、請求項1に記載の施工セル構造体。
- 前記網体は、ワイヤーコンベアベルト、メタルラス、ニットワイヤ金網、菱形金網、ジオグリッド、樹脂ネットの何れかである、請求項1又は2に記載の施工セル構造体。
- 複数の穿設孔が穿設された、複数の長片状の樹脂又は繊維シートを、幅方向に並設するとともに互いに所定の間隔で千鳥状に繰り返し部分的に接合し、これを前記幅方向と直交する方向に展張することによってハニカム状のセルを形成するハニカム状3次元立体セル構造体の1以上のブロックを、斜面又は平滑地面又は法面上に敷設する工法であって、以下のステップ:
(1)該斜面又は平滑地面又は法面上で、前記ブロックを展張し、そして
(2)金属線が、開口部が広い略V字形状に曲げられてなる本体部と、該金属線の両端部が互いに係合可能に内側に向けて、本体部のなす平面に対して角度を有するように湾曲されてなるフック部とを有する固定金具を、前記本体部を上向きにして前記穿設孔に挿通する;
(3)該展張により形成された少なくとも1つのセルの内に、砕石、栗石、砂利、砂、土の1以上からなる充填材を充填する;
(4)前記ハニカム状3次元立体セル構造体の開口面を網体で覆う;
(5)前記網体の上部で前記固定金具の前記フック部同士を係合することにより、前記網体及び前記立体セル構造体を挟み込んで固定する;
を具備することを特徴とする施工セル構造体の施工方法。
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