JP6692135B2 - 施工セル構造体及びその施工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、法面の保護、擁壁、河川の護岸、路盤の支持力向上、植生擁壁、集排水流路、川床等に使用する施工セル構造体及びその施工方法に関する。
従来、土木建築等の分野では、道路の路盤材、歩道の基礎材、仮設道路、擁壁、堤防斜面又は法面等の土木用途の地盤補強材として、重荷重の支持、浸食防止等のために、ハニカム状3次元立体セル構造体が使用されている。
このようなハニカム状3次元立体セル構造体を使用した工法は、例えば特許文献1に記載されている。
即ち、特許文献1には、底面及び法面をもつ埋立構造の廃棄物最終処分場の工法であって、底面及び/または法面の略全面に敷設した遮水シートの略全面上に、複数の開口が設けられた合成樹脂製の複数の帯状の長片の面が、互いに隣接する該長片を該面に対し垂直方向に引き離したとき、交互に間隔を開けて平行になり複数のセルを形成するように、接合されているフレキシブルなセル構造体を敷設し、そして、前記セル内に砕石及び/または栗石を充填・締固めして、前記砕石及び/または栗石が密閉されたセル構造体層を形成し、前記セル構造体層に対して、降水により発生する最終廃棄物からの浸出水の集排水機能と、好気性微生物による最終廃棄物の分解に必要とされる空気の流路としての機能と、最終廃棄物から発生するガス抜き流路としての機能とを併有させた工法が記載されている。
このように、特許文献1に記載されているようなセル構造体及び工法の存在により、その設計に高度な専門性が要求される、集排水管、空気流路及びガス抜き流路を設ける必要がなくなった。特に、法面を含む遮水シートの略全面に、セル構造体層を形成することができるので、前述の諸機能は底面だけではなく、法面においても発揮される。即ち、底面だけに栗石層を設けた場合に比較して、より広い面で集排水流路、空気流路及びガス抜き流路を構成することができ、その結果、廃棄物による経時的な目詰まり等の可能性を劇的に低下させることができる。更に、セル構造体層の面積が広いことに呼応し、単位面積当りの埋立て可能な廃棄物量も増加させうることになる。また、セル構造体を用いることにより、砕石締固め時の間隙比管理が容易になり、さらに路盤補強効果に優れたものとなる。その結果、地震等による遮水シート下の地盤の変動に対する耐性の高い砕石または栗石層が提供される。
特開2011−200753号公報
しかしながら、重機による砕石や栗石の敷固めを実施しても、法面の施工、集排水流路等では、砕石や栗石が周囲の状況によって落下したり、流れたりして移動し、希望する状態の維持が困難である。特に、法面の施工において砕石や栗石の落下は非常に危険であり、また、集排水流路等で砕石や栗石が移動すると、当初の計画とは違った水流が生じることになる。
そこで、本発明はこのような従来の実情に鑑みて考案されたものであり、砕石、栗石等の充填材が飛び出したり、流れ出したりして移動することなく、現場で簡単施工が可能で、作業効率を低下させることのない施工セル構造体及びその施工方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討を進めた結果、セル構造体の開口面を網体で覆うとともに、セル構造体と網体とを金具で固定することにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]
複数の穿設孔が穿設された、複数の長片状の樹脂又は繊維シートが幅方向に並設され互いに所定の間隔で千鳥状に繰り返し部分的に接合されてなり、これを前記幅方向と直交する方向に展張することによってハニカム状のセルを形成するハニカム状3次元立体セル構造体と、該各セル内に充填された充填材とを有するブロック、
前記ブロックを覆うように配された網体、及び、
金属線が、開口部が広い略V字形状に曲げられてなる本体部と、該金属線の両端部が互いに係合可能に内側に向けて、本体部のなす平面に対して角度を有するように湾曲されてなるフック部とを有する固定金具、を具備し、
前記固定金具は、前記本体部が上向きに前記穿設孔に挿通された状態で、前記網体の上部で前記フック部同士が係合されることにより、前記立体セル構造体の開口面側に前記網体が挟みこまれ固定されていること、を特徴とする施工セル構造体。
[2]
前記充填材が、砕石、栗石、砂利、砂、土の1以上からなる、[1]に記載の施工セル構造体。
[3]
前記網体は、ワイヤーコンベアベルト、メタルラス、ニットワイヤ金網、菱形金網、ジオグリッド、樹脂ネットの何れかである、[1]又は[2]に記載の施工セル構造体。
[4]
複数の穿設孔が穿設された、複数の長片状の樹脂又は繊維シートを、幅方向に並設するとともに互いに所定の間隔で千鳥状に繰り返し部分的に接合し、これを前記幅方向と直交する方向に展張することによってハニカム状のセルを形成するハニカム状3次元立体セル構造体の1以上のブロックを、斜面又は平滑地面又は法面上に敷設する工法であって、以下のステップ:
(1)該斜面又は平滑地面又は法面上で、前記ブロックを展張し、そして
(2)金属線が、開口部が広い略V字形状に曲げられてなる本体部と、該金属線の両端部が互いに係合可能に内側に向けて、本体部のなす平面に対して角度を有するように湾曲されてなるフック部とを有する固定金具を、前記本体部を上向きにして前記穿設孔に挿通する;
(3)該展張により形成された少なくとも1つのセルの内に、砕石、栗石、砂利、砂、土の1以上からなる充填材を充填する;
(4)前記ハニカム状3次元立体セル構造体の開口面を網体で覆う;
(5)前記網体の上部で前記固定金具の前記フック部同士を係合することにより、前記網体及び前記立体セル構造体を挟み込んで固定する;
を具備することを特徴とする施工セル構造体の施工方法。
本発明では、複数の穿設孔が穿設された樹脂又は繊維シートを複数枚接合し、樹脂又は繊維シートによって周囲が囲まれる形状とした立体セル構造体に充填材を収容し、立体セル構造体の開口面を網体で覆うことにより、充填材が立体セル構造体から離脱したり、移動したりすることが抑制される。また、金属線が略V字形状に湾曲されてなり、その両端部を互いに係合可能に内側に向けてフック状に湾曲させた固定金具によって、V字形状の本体部を上向きにして穿設孔に挿通された状態で前記網体及び前記立体セル構造体を挾み、前記立体セル構造体の開口面側に前記網体を固定するものであるから、簡単に施工操作でき、施工能率もよい。
したがって本発明ででは、充填材が飛び出したり、流れ出したりして移動することなく、現場で簡単施工が可能で、作業効率を低下させることのない施工セル構造体及びその施工方法を提供することができる。
本発明に係る施工セル構造体の一例を示す斜視図である。 本発明に係る施工セル構造体の施工状態を示す写真である。 本発明の施工セル構造体における立体セル構造体を示す斜視図である。 本発明の施工セル構造体における固定金具の一例を示した正面図である。 立体セル構造体に固定金具を取り付けた状態を示す斜視図である。 立体セル構造体に固定金具を取り付けた状態を拡大して示す斜視図である。 立体セル構造体に充填材を充填した状態を示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、実施の形態において、図示の同一記号及び同一符号は、同一または相当する機能部分であるから、ここではその重複する説明を省略する場合がある。
図1は、本実施の形態に係る施工セル構造体の一構成例を示す斜視図である。また、図2は、実際の施工状態を示す写真である。
本実施の形態にかかる施工セル構造体1は、複数の穿設孔(穿設孔4,長円アンカー孔6)が穿設された、複数の長片状の樹脂又は繊維シート2が幅方向に並設され互いに所定の間隔で千鳥状に繰り返し部分的に接合されてなり、これを前記幅方向と直交する方向に展張することによってハニカム状のセル5を形成するハニカム状3次元立体セル構造体10と、該各セル内に充填された充填材30とを有するブロック、前記ブロックを覆うように配された網体40、及び、金属線が略V字形状に曲げられてなる本体部51と、両端部が互いに係合可能に内側向きに湾曲されてなるフック部52a,52bとを有する固定金具50を具備し、前記固定金具50は、V字形状の本体部51が上向きに穿設孔(穿設孔4または長円アンカー孔6)に挿通された状態で、前記網体40の上部で前記フック部52a,52b同士が係合されることにより、前記立体セル構造体10の開口面側に前記網体40が挟みこまれ固定されていること、を特徴とする。
本発明に係るハニカム状3次元立体セル構造体(立体セル構造体10)は、幅方向に並設された複数の長片状の樹脂又は繊維シート2が互いに所定の間隔で千鳥状に繰り返し部分的に接合されており、これを前記幅方向と直交する方向に展張することによってハニカム状のセル5を形成する。本実施の形態に係るハニカム状3次元立体セル構造体10は、一般に、土木建築等の分野で、道路の路盤材、歩道の基礎材、仮設道路や擁壁等の土木用途の地盤補強材として、重荷重の支持や浸食防止等のために使用されている図3に示すような、ハニカム状3次元立体セル構造体10であることができるが、これに限定されるものではない。該セル構造体10は、例えば、「GEOWEB」(ジオウエッブ;登録商標)であることができる。
前記樹脂又は繊維シート2の材質は、紫外線及び環境温度変化に対応できれば特に限定されないが、例えば低密度ポリエチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル等が使用できる。特に、紫外線に強く、温度変化にも強い材料として可塑剤、充填剤が必要量添加された高密度ポリエチレンが好ましい。
樹脂又は繊維シート2は、可塑剤等が自然界を汚染するものではなく、自然界の温度変化に対して変形せず、たとえ、変形が生じたとしても自然回復力によって、元に戻る等の特性があり、軽量で、可撓性があり、機械的強度が強靭であり、紫外線等に耐えるものであればよい。
樹脂又は繊維シート2は、繊維材料を混在させた材料で成形したものとすることもできる。この繊維材料は化学繊維、植物繊維、ガラス繊維、カーボン繊維等の何れでもよい。
本実施の形態の樹脂又は繊維シート2には、円形の穿設孔4が押出成形の後に機械的に穿設され、2〜5cm間隔(中心相互間の距離)程度に貫通孔が設けられている。
また、隣接する樹脂又は繊維シート2の面相互間は、隣接する樹脂又は繊維シート2の面相互間距離50〜120cm間隔で、対向する樹脂又は繊維シート2の面相互間が高周波誘電加熱によって一体に融着され、融着部3が形成されている。また、この融着部3は1列として形成しても、2列として形成してもよい。特定の機械的強度が得られれば、接着剤を使用してもよい。
樹脂又は繊維シート2の接合(融着)の間隔(ピッチ)は200〜800mmが好ましい。前記接合は、例えば、熱融着等の手段によって行われる。接合部(融着部3)の幅は通常10〜20mmであり、かかる接合部の一定幅の存在により、展張時に略菱形となるセル形状において、対抗する2つの角はセルの内側に向かって潰れたものとなる(図3参照)。上前記ハニカム状3次元立体セル構造体10の各ブロックは、好ましくは縦3〜40個、横5〜10個のセルを有する。セル構造体10の展張後の大きさは、好ましくは縦700〜8000mm、横2000〜3500mm、長辺状の樹脂又は繊維シート2の高さ100〜400mmである。また、本発明に使用するハニカム状3次元立体セル構造体10のシート2の高さは15〜50cmであり、好ましくは、15〜35cmであり、より好ましくは、20〜30cmであり、セル5の一辺の長さ(内寸)Lは25〜60cm、好ましくは30〜50cmであることができる。
通常、この融着部3は機械的接合力を得るため、穿設孔4が穿設されている個所でない方が望ましく、融着個所は穿設孔4が少ない位置としている。しかし、全くないと形式的に作業性のやり難さを感じる可能性があるので、2ヵ所または3ヵ所のみ穿設するのが望ましい。また、この融着部3は、立体セル構造体10を構成したとき、専用アンカーまたは杭によって移動止めすることになるから、それ用に長円の穿設孔を長円アンカー孔6として打ち抜くのが望ましい。本実施の形態では、図5のように、長円アンカー孔6に杭20を打ち込んでいる。
かかるセル構造体10は、一般には、ブロック毎に、折り畳んで現場に搬入され、施工地表面上で展張され、ブロック同士を連結し、形成された各セルに、一般には、砂、砕石、コンクリート、現場発生土等の充填材30が、シート2の高さ(セル構造体10の天端)まで、充填され、場合により積層されて盛土壁面等が構築される。
図3に示す立体セル構造体10には、充填材30として砕石、栗石、砂利、砂、土の1以上が充填される(図7参照)。
本発明において使用される自然石は、砕石、玉石等であることができ、特に制限されない。また、本発明において、自然石に代えて、人工物、例えばコンクリート塊を用いることもできる。セル構造体10との間に充分な摩擦力を生じさせるという観点、及び洪水時に流されないという観点、入手容易性、経済性、施工作業容易性、無害性等の観点から、一定の質量をもち、表面に摩擦抵抗があり、安価である、例えば、平均粒径2cm乃至4cm程度のコンクリート用砕石が好ましい。
立体セル構造体10の全面に収容される充填材30は、法面の保護、擁壁、河川の護岸、路盤の支持力向上、植生擁壁、集排水流路、川床等の使用する状態によって充填するものが特定される。当然、充填材30として砕石、栗石、砂利、砂、土の1つ以上が組み合わせて使用される場合もある。また、同時に植栽したり、種を蒔いたりすることもある。また、砕石、栗石等の最大径が250〜100mm程度のものは、それ単独で充填材30とすることもある。通常、大小の石により、充填密度を上げている。なお、ここで、砕石は最大長が400〜250mm、栗石は最大長が250〜100mm、砂利は最大長が100〜10mm、砂は最大長が10〜1mm、土は最大長が1mm以下として施工を前提として区別した。
網体40は、立体セル構造体10に充填した充填材30が移動及び流出しないように、立体セル構造体10の開口面15を覆うものであり、法面の保護、擁壁、河川の護岸、路盤の支持力向上、植生擁壁、集排水流路、川床等の使用する環境によって網目のサイズ、網の種類、網の強度が決定される。
網体40は、平織金網、綾織金網、平畳織金網、綾畳織金網、クリンプ金網、溶接金網、亀甲金網、菱形金網、ニットワイヤ金網、ワイヤーコンベアベルト金網、打抜金網、メタルラス、ジオグリッド、樹脂ネットの何れでもよいし、前述した経年変化により朽ちる網体40または合成樹脂等の網体40としてもよい。ワイヤーコンベアベルト、メタルラス、ニットワイヤ金網、菱形金網、ジオグリッド、樹脂ネットは、比較的充填材30のサイズが大きくても、全体を覆うことができる。また、機械的にも強度が自由に設定できる。
網体40は、立体セル構造体10に充填した充填材30の上に被せ、網体40の随所で立体セル構造体10に固定し、立体セル構造体10に充填した充填材30の離脱を防止している。
なお、本実施の形態において、立体セル構造体10に充填材30が収容された開口面15から充填材30が移動及び流出しないように、立体セル構造体10の開口面15を覆ったとは、一般に、充填材30は砕石、栗石、砂利、砂、土のうち、容積の大きいものの移動及び流出をしないようにするものであり、小さいものまでが移動及び流出しないように拘束するという意味ではない。また、容積の大きいものでもガタツキまでも防止するという意味ではない。
網体40の形状は、立体セル構造体10の上面に開口部を塞ぐように配され固定された状態で、充填材の移動および流出を防止することができる限り特に限定されない。例えば、網体40の網目又は格子様構造は、長方形を単位とする反復構造であることができ、該長方形は、ヨコ30mm〜70mm×タテ80mm〜400mmであることができる。また、網体40の網目又は格子様構造は、菱形を単位とする反復構造であることもでき、該菱形の短目方向中心間距離は30mm〜70mmであり、かつ、長目方向中心間距離が100mm〜200mmであることができる。当然であるが、網体40は、盛土工法に耐えうる十分な強度を持つものでなければならない。
立体セル構造体10の全体形状は、樹脂又は繊維シート2の相互間が千鳥足状に接合されるから、立体セル構造体10の端部では解放される立体セル構造体10が生じる。そこで、網体40は、その解放された立体セル構造体10を切欠き、網体40はその解放された立体セル構造体10の樹脂又は繊維シート2の穿設孔4または長円アンカー孔6に固定してもよい。また、別の杭またはアンカーを用いて立体セル構造体10を覆ってもよいし、或いは、網体40の4辺にワイヤーを入れて、それを図示しない杭またはアンカーによって固定してもよい。
立体セル構造体10と網体40とを一体に接続するために、本発明では、固定金具50を使用している。
図4は、本発明の施工セル構造体1における固定金具50の例を示した図であり、図4(a)は正面図、図4(b)は側面図である。
固定金具50は、金属線が略V字形状に曲げられてなる本体部51と、該金属線の両端部が互いに係合可能に内側に向けて湾曲されてなるフック部52a,52bを有する。
本実施の形態で使用した固定金具50は、例えば直径が2〜3mmで、全長が20〜30cmのステンレス製の金属線からなり、その中央から、互いに10〜15cmの幅で全体がV字状に湾曲されて本体部51とされている。さらに、その両端部が互いに係合するように、フック状に互いに内側に向けて湾曲させてフック部52a,52bとしたものである。固定金具50としての全体の長さは例えば10cm程度である。
固定金具50は、例えば図5及び図6に示すように、その長さ方向の深さで、略V字形状をなす本体部51が、その開口側を上向きにして、樹脂又は繊維シート2の穿設孔4または長円アンカー孔6に挿通される。このとき、固定金具50の本体部51は、開口側が広い略V字形状となっているので、穿設孔4または長円アンカー孔6に挿通する動作が行いやすくなり、作業性が向上する。
なお、図5に示す例では、固定金具50を穿設孔4に挿通しているが、これに限定されるものではなく、固定金具50を長円アンカー孔6に挿通してもよい(図6参照)。長円アンカー孔6が穿設されている融着部3は、他の部位に比べて厚く、強度も向上しているため、固定金具50を長円アンカー孔6に挿通することで、よりしっかりと固定金具50を支持し、網体40を固定することができる。
そして図1及び図2に示すように、網体40の上部で、端部のフック部52aとフック部52bとを互いに係合させることで、網体40と立体セル構造体10を一体に保持することとなる。
なお、2つのフック部52a,52bは、本体部51のなす平面に対して同一面上にではなく、該平面に対して角度を有するようにさらに屈曲していてもよい。すなわち、固定金具50を頭部側から見た場合、2つのフック部52a,52bは、略直線上にはなく、ねじれるように斜めに対向していてもよい。2つのフック部52a,52bが斜めに対向していることにより、例えば網体40の交差部などにおいて立体セル構造体10と網体40とを二次元的に挟み込んで固定することができる。
固定金具50のフック部52aとフック部52bと穿設孔4と長円アンカー孔6の位置は、網体40の位置と樹脂又は繊維シート2の位置との相対関係で決定される。したがって、樹脂又は繊維シート2に無数の穿設孔4と長円アンカー孔6が穿設されているから、何れかの穿設孔4または長円アンカー孔6に固定金具50を係止状態とするかにより、立体セル構造体10と網体40とを一体に固定金具50内で拘束できる。しかも、立体セル構造体10と網体40との位置が変化しても、固定金具50が長く形成されているから、たとえ、立体セル構造体10に充填材30を入れた後に、重機で転圧を行っても、固定金具50の余裕によって、破壊されることなく固体状態が維持できる。
網体40及び立体セル構造体10を固定した固定金具50では、両端部のフック部52aとフック部52bとが係合することにより、内部に網体40及び/または立体セル構造体10の一部が入り込んでいるが、網体40及び/または立体セル構造体10の許容する範囲で、かつ、固定金具50内の移動のみが許容されることになり、完全に網体40及び/または立体セル構造体10の移動を禁止するものではない。
よって、図1に示すように、複数の穿設孔4及び長円アンカー孔6が穿設された樹脂又は繊維シート2を複数枚接合し、樹脂又は繊維シート2によって周囲が囲まれる形状とした立体セル構造体10に収容される充填材30は、立体セル構造体10に充填材30が収容された開口面15から充填材30の砕石、栗石、砂利、砂、土の何れかが移動しないように、立体セル構造体10の開口面15を網体40で覆い、立体セル構造体10の開口面15側に網体40を被せ固定金具50で固定することができる。
上記実施の形態の本実施の形態の施工セル構造体1は、次の施工方法によって施工することができる。
本工法は、以下のステップを備える。すなわち、
(1)斜面又は平滑地面又は法面上で、複数の穿設孔4が穿設された、複数の長片状の樹脂又は繊維シート2を、幅方向に並設するとともに互いに所定の間隔で千鳥状に繰り返し部分的に接合し、これを前記幅方向と直交する方向に展張することによってハニカム状のセルを形成するハニカム状3次元立体セル構造体10の1以上のブロックを展張する(図3参照)。
(2)前記樹脂又は繊維シート2に穿設された穿設孔(穿設孔4または長円アンカー孔6)に、固定金具50の本体部51をその開口側を上向きにして挿通する(図5及び図6参照)。
(3)該展張により形成された少なくとも1つのセル5の内に、砕石、栗石、砂利、砂、土の1以上からなる充填材30を充填する(図7参照)。
(3)前記ハニカム状3次元立体セル構造体10の開口面を網体40で覆う。
(4)前記網体40の上部で固定金具50のフック部52a,52b同士を係合することにより、網体40及び前記立体セル構造体10を挟み込んで固定する(図1及び図2参照)。
したがって、本工法は、樹脂又は繊維シート2によって周囲が囲まれる形状とした立体セル構造体10に充填材30を収容し、立体セル構造体10に充填した充填材30が収容された開口面15から充填材30が移動しないように、立体セル構造体10の開口面15を網体40で覆い、固定金具50によって網体40及び立体セル構造体10を挟み、立体セル構造体10の開口面15側に網体40を固定するものであるから、簡単な操作で施工できる。
特に、重機による砕石や栗石の敷固めを実施しても、法面の施工、集排水流路等では、砕石や栗石の周囲の状況によって落下したり、移動したりすることがない。また、集排水流路等で水量の増減があっても、砕石や栗石が移勤しないから、細かい土、砂の移動も生じ難くなり、予測しない水流が生じたりすることがない。
よって、本実施の形態の施工セル構造体1は、砕石、栗石等の充填材30が飛び出すことなく、現場で簡単施工でき、作業効率を低下させることがない。
この施工セル構造体1の固定金具50は、全体が略V宇状で、その両端が互いに内側向きに湾曲しフック部52aとフック部52bとされていることから、網体40の上部でフック部52aとフック部52bとを係合させることにより、立体セル構造体10の穿設孔4と網体40の一部を固定金具50の内部に収容すれば、外力を加えても容易に解放されることがない。通常では、全体が略V宇状の固定金具50を開く外力は加わらないから、安定した取付け状態が確保できる。
上記施工セル構造体1の施工方法において、立体セル構造体10の穿設孔4が穿設された複数枚の樹脂又は繊維シート2は、何れも樹脂又は繊維シート2を平行させ対向する面を接合してなるから、現場に搬入の場合でも嵩張らずコンパクトな立体セル構造体10となり、持ち運び及び組み立て、施工等の取り扱いが容易になる。
また、上記施工セル構造体1の施工方法において、前記固定金具50は、全体が略V字状で、その両端が互いに内側向きに湾曲させてフック部52a及びフック部52bとし、互いに係合可能な構造としたものであるから、簡単な動作で立体セル構造体10に網体40を固定することができ、作業性が良い。
そして、網体40は、ワイヤーコンベアベルト、メタルラス、ニットワイヤ金網、菱形金網、ジオグリッド、樹脂ネットの何れか1つとしたものであるから、機械的強度が任意のものが得られ、環境に適応した施工が廉価にできる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば上述した説明では
本発明による施工セル構造体を用いることで、充填材が飛び出したり、流れ出したりして移動することなく、現場で簡単施工が可能で、作業効率を低下させることのないものとなり、法面の保護、擁壁、河川の護岸、路盤の支持力向上、植生擁壁、集排水流路、川床等に使用する施工セル構造体として広く利用することができる。
1 :施工セル構造体
2 :樹脂又は繊維シート
3 :融着部
4 :穿設孔
5 :セル
6 :長円アンカー孔
10 :立体セル構造体
15 :開口面
20 :杭
30 :充填材
40 :網体
50 :固定金具
51 :本体部
52a :フック部
52b :フック部

Claims (4)

  1. 複数の穿設孔が穿設された、複数の長片状の樹脂又は繊維シートが幅方向に並設され互いに所定の間隔で千鳥状に繰り返し部分的に接合されてなり、これを前記幅方向と直交する方向に展張することによってハニカム状のセルを形成するハニカム状3次元立体セル構造体と、該各セル内に充填された充填材とを有するブロック、
    前記ブロックを覆うように配された網体、及び、
    金属線が、開口部が広い略V字形状に曲げられてなる本体部と、該金属線の両端部が互いに係合可能に内側に向けて、本体部のなす平面に対して角度を有するように湾曲されてなるフック部とを有する固定金具、を具備し、
    前記固定金具は、前記本体部が上向きに前記穿設孔に挿通された状態で、前記網体の上部で前記フック部同士が係合されることにより、前記立体セル構造体の開口面側に前記網体が挟みこまれ固定されていること、を特徴とする施工セル構造体。
  2. 前記充填材が、砕石、栗石、砂利、砂、土の1以上からなる、請求項1に記載の施工セル構造体。
  3. 前記網体は、ワイヤーコンベアベルト、メタルラス、ニットワイヤ金網、菱形金網、ジオグリッド、樹脂ネットの何れかである、請求項1又は2に記載の施工セル構造体。
  4. 複数の穿設孔が穿設された、複数の長片状の樹脂又は繊維シートを、幅方向に並設するとともに互いに所定の間隔で千鳥状に繰り返し部分的に接合し、これを前記幅方向と直交する方向に展張することによってハニカム状のセルを形成するハニカム状3次元立体セル構造体の1以上のブロックを、斜面又は平滑地面又は法面上に敷設する工法であって、以下のステップ:
    (1)該斜面又は平滑地面又は法面上で、前記ブロックを展張し、そして
    (2)金属線が、開口部が広い略V字形状に曲げられてなる本体部と、該金属線の両端部が互いに係合可能に内側に向けて、本体部のなす平面に対して角度を有するように湾曲されてなるフック部とを有する固定金具を、前記本体部を上向きにして前記穿設孔に挿通する;
    (3)該展張により形成された少なくとも1つのセルの内に、砕石、栗石、砂利、砂、土の1以上からなる充填材を充填する;
    (4)前記ハニカム状3次元立体セル構造体の開口面を網体で覆う;
    (5)前記網体の上部で前記固定金具の前記フック部同士を係合することにより、前記網体及び前記立体セル構造体を挟み込んで固定する;
    を具備することを特徴とする施工セル構造体の施工方法。
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