JP6236330B2 - 施工セル構造体及びその施工方法 - Google Patents
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Description
即ち、特許文献1は、底面及び法面をもつ埋立構造の廃棄物最終処分場の工法であって、底面及び/または法面の略全面に敷設した遮水シートの略全面上に、複数の開口が設けられた合成樹脂製の複数の帯状の長片の面が、互いに隣接する該長片を該面に対し垂直方向に引き離したとき、交互に間隔を開けて平行になり複数のセルを形成するように、接合されているところのフレキシブルなセル構造体を敷設し、そして、前記セル内に砕石及び/または栗石を充填・締固めして、前記砕石及び/または栗石が密閉されたセル構造体層を形成し、前記セル構造体層に対して、降水により発生する最終廃棄物からの浸出水の集排水機能と、好気性微生物による最終廃棄物の分解に必要とされる空気の流路としての機能と、最終廃棄物から発生するガス抜き流路としての機能とを併有させた工法である。
ここで砕石締固め時とは、砕石や栗石の敷固め時や投入した廃棄物の敷き均し及び転圧を行う時の重機による荷重が一部に集中せず、分散するため、遮水シートの変形や損傷のおそれがなく、敷き固め、転圧の作業効率も向上する旨を説明していることから、重機による砕石や栗石の敷固めを意味する。
ところが、重機による砕石や栗石の敷固めを実施しても、法面の施工、集排水流路等では、砕石や栗石の周囲の状況によって落下したり、流れたりして移動し、希望する状態の維持が困難である。特に、法面の施工において砕石や栗石の落下は非常に危険であり、また、集排水流路等で砕石や栗石が移動すると、当初の計画とは違った水流が生じることになる。
前記穿設孔は、円孔または長円孔の何れでもよいし、形状を問うものではない。したがって、長円アンカー孔も穿設孔としての共通性がある。
また、上記充填材は、前記枠構造体に収容される砕石、栗石、砂利、砂、土の1以上からなるものであり、法面の保護、擁壁、河川の護岸、路盤の支持力向上、植生擁壁、集排水流路、川床等の使用する環境によって決定される。
更に、上記スプリング金具は、直径2〜6mm程度の針金等を切断した金属棒の両端をフック状に湾曲させ、自己の弾性に抗して前記網体及び前記枠構造体を保持し、前記フック状の先端が前記合成樹脂板の前記穿設孔に挿入された状態で前記枠構造体の開口面側に前記網体を固定するものである。
更にまた、上記枠構造体を構成する前記合成樹脂板は、高密度ポリエチレンを使用しているが、低密度ポリエチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル等も使用でき、特に、材料的に使用が制限されるものではなく、紫外線に強く、温度変化にも強い、所謂、環境適合した材料であればよい。
ここで、前記枠構造体の前記穿設孔が穿設された複数枚の前記合成樹脂板の接合は、マイクロ波による高周波誘電加熱、超音波振動加熱による接合、接着剤による接合、機械的に鋲止め等による接合の何れでもよい。
ここで、前記合成樹脂板に切欠きを入れて直角に交差させて接合したものは、一般に接合個所が分離容易になる。しかし、一方の合成樹脂板の切欠きをL字状に入れてその端部面に直角方向の合成樹脂板を接合すれば、容易に分離できない構造となる。
ここで、上記スプリング金具は、互いに内方向にフック状に湾曲しているから前記合成樹脂板の穿設孔等の貫通孔に係合しやすく、また、容易に外れないから、恒久的な取り付けが容易になる。特に、互いに内方向にフック状に湾曲しているスプリング金具は、互いに重なり合うから、前記枠構造体の前記穿設孔等の貫通孔までフック状に湾曲しているスプリング金具を挿入すれば、爾後、自己の弾性によって保持されるものである。
ここで、上記網体は、ワイヤーコンベアベルト、メタルラス、ニットワイヤ金網等の使用が好適であるが、これに限られるものではなく、平織金網、綾織金網、平畳織金網、綾畳織金網、クリンプ金網、溶接金網、亀甲金網、菱形金網、ニットワイヤ金網、ワイヤーコンベアベルト金網、打抜金網、メタルラス、更に、合成樹脂製の網等も使用できる。
また、上記充填材を充填する工程は、前記枠構造体に収容される充填材として、砕石、栗石、砂利、砂、土の1以上からなるものを、法面の保護、擁壁、河川の護岸、路盤の支持力向上、植生擁壁、集排水流路、川床等の使用する環境によって充填するものである。
更に、上記スプリング金具で固定する工程は、金属棒の両端をフック状に湾曲させ、自己の弾性に抗して前記網体及び前記枠構造体を挟み、前記フック状の先端が前記合成樹脂板の前記穿設孔に挿入された状態で前記枠構造体の開口面側に前記網体を一体に固定するものである。
また、必要に応じて施工現場で分離と接合が可能であり、また工場内で誘電加熱接合を行うこともできる。
特に、重機による砕石や栗石の敷固めを実施しても、法面の施工、集排水流路、川床等では、砕石や栗石の周囲の状況によって落下したり、流出したりするという移動がない。また、集排水流路等で水量の増減があっても、砕石や栗石が移動しないから、細かい土、砂の移動も生じ難くなり、予測しない水流が生じたりすることがない。
よって、本発明の施工セル構造体は、砕石、栗石等の充填材が飛び出すことなく、現場で簡単施工でき、作業効率を低下させることがない。
本実施の形態にかかる施工セル構造体の枠構造体10を構成する合成樹脂板1は、紫外線に強く、温度変化にも強い材料として可塑剤、充填剤が必要量添加された高密度ポリエチレンを使用した。なお、この枠構造体10を構成する合成樹脂板1は、ジオウエッブ(旭化成ジオテック株式会社の市販商品名)として市販されている商品がある。
この枠構造体10を構成する合成樹脂板1は、繊維材料を混在させた材料で成形したものとすることもできる。この繊維材料は化学繊維、植物繊維、ガラス繊維、カーボン繊維等の何れでもよい。
なお、本実施の形態の杭20としては、全体が逆L字状になっているもの等が使用でき、杭の本体と長円アンカー孔4とが別部材で製造されているものが使用できる。また、専用アンカーまたは杭20を取付けるのは、長円アンカー孔4に限られるものではなく、穿設孔2を利用してもよいし、合成樹脂板1の一部を直接使用してもよい。
このとき加えるテンションは、合成樹脂板1の面相互間の融着部3の個所毎に杭20で移動止めすることが望ましい。この移動止めは専用アンカーとしてもよい。勿論、融着部3の個所の2ヵ所に1ヵ所の専用アンカーまたは杭20、または2箇所以上に1ヵ所の専用アンカーまたは杭20とすることもできる。いずれにせよ、合成樹脂板1によって周囲が囲まれるハニカム状に酷似した形状(平面が6面体ではない形状)の開口面15を枠構造体10によって形成する必要がある。
本実施の形態で使用したスプリング金具50は、2mmの直径で、全長20〜30cmの長さのステンレス製の金属棒の中央から、互いに10〜15mmの幅で全体がU字状に湾曲されている。その両端をフック状、即ち、カタカナの「レ」字状に湾曲させてフック部51としたものである。
このスプリング金具50は、両端がフック状に湾曲されたフック部52aとフック部52bからなるフック部52となっているが、両側のフック部52aとフック部52bが交差する当接部53となっている。その当接部53は、その両側よりもスプリング金具50の長さ方向である上(図7の図示の上)方向に位置する。即ち、スプリング金具50の当接部53は金属棒の中央方向に入り込んでいる。
スプリング金具50は、枠構造体10を構成する合成樹脂板1に穿設された複数の円孔または長円孔等の穿設孔2に係合するものであるから、スプリング金具50のフック部52aとフック部52bは、網体40及び/または枠構造体10の網体40の金網の太さ、複数の円孔または長円孔等の融着部3、長円アンカー孔4が穿設された合成樹脂板1の厚み以上に間隔が開くもの、開いているものであれば、そこから網体40及び/または枠構造体10にスプリング金具50を挿入できることになる。
よって、図5に示すように、複数の穿設孔2及び長円アンカー孔4が穿設された合成樹脂板1を複数枚接合し、合成樹脂板1によって周囲が囲まれる形状とした枠構造体10に収容される充填材30は、枠構造体10に充填材30が収容された開口面15から充填材30の砕石、栗石、砂利、砂、土の何れかが移動しないように、枠構造体10の開口面15を網体40で被い、枠構造体10の開口面15側に網体40を被せスプリング金具50で固定することができる。
なお、図6はこの構成を見やすくするために、充填材30を入れない状態で枠構造体10の開口面15を網体40で被い、枠構造体10と網体40をスプリング金具50で固定したものである。
図1に示す枠構造体10は、合成樹脂板1を平行に並べ、千鳥足状に融着部3を形成する実施例として説明した。しかし、図9に示すように一対の合成樹脂板1(1a,1b)の50〜120cm間隔で、深さがその合成樹脂板1(1a,1b)の幅の50%の幅を上に開口するL字状及び下に開口するL字状に切断し、切欠き5(5a,5b)を形成し、その切欠き5(5a,5b)で形成された片を90度折り曲げて接合片6(6a,6b)とする。
このようにして、図9では1ヵ所の組み合わせを示したものであるが、合成樹脂板1aと合成樹脂板1bの組み合わせを繰り返すことにより、複数の穿設孔2が穿設された合成樹脂板1(1a,1b,・・・)を複数枚接合し、合成樹脂板1(1a,1b,・・・)によって周囲が囲まれる形状とした枠構造体10が形成される。
また、接続の必要がある場合には、合成樹脂板1aの切欠き5aには相手材の合成樹脂板1bの切り欠かれていない箇所に挿入し、また、切欠き,5bには相手材の合成樹脂板1aの切り欠かれていない箇所に接合片6bを挿入すれば、両者間の接続が完了する。
逆に、本実施の形態では、合成樹脂板1aの接合片6aの高周波誘電加熱、接合片6bの高周波誘電加熱を省略し、現場で組み立てを行ってもよい。
また、この実施の形態では、枠構造体10を構成する合成樹脂板1(1a,1b,・・・)に穿設された複数の円孔または長円孔からなる穿設孔2は必要であるが、図1に示した融着部3の長円アンカー孔4のように杭20の形状を、合成樹脂板1aの切欠き5(5a,5b,・・・)に入るコ字状とすることにより、切欠き5(5a,5b,・・・)を利用した接続ができる。
更にまた、枠構造体10を構成する合成樹脂板1は、高密度ポリエチレンを使用しているが、低密度ポリエチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル等も使用でき、特に、使用が制限されるものではなく、紫外線に強く、温度変化にも強い材料であればよい。
即ち、複数の穿設孔2及び長円アンカー孔4等の貫通孔が穿設された合成樹脂板1を複数枚接合し、合成樹脂板1によって周囲が囲まれる形状とした枠構造体10を作成する工程と、枠構造体10に砕石、砂利、砂、土の1以上からなる充填材30を充填する工程と、枠構造体10に充填した充填材30が収容された開口面15から充填材30の砕石、砂利、砂、土の何れかが移動しないように、枠構造体10の開口面15を網体40で被う工程と、金属棒の両端をフック部52aとフック部52bに湾曲させ、自己の弾性に抗して網体40及び枠構造体10を挟み、フック部52aとフック部52bの先端が穿設孔2に挿入され状態で枠構造体10の開口面15側に網体40をスプリング金具50で固定する工程を具備するものである。
特に、重機による砕石や栗石の敷固めを実施しても、法面の施工、集排水流路等では、砕石や栗石の周囲の状況によって落下したり、移動したりすることがない。また、集排水流路等で水量の増減があっても、砕石や栗石が移動しないから、細かい土、砂の移動も生じ難くなり、予測しない水流が生じたりすることがない。
よって、本実施の形態の施工セル構造体は、砕石、栗石等の充填材30が飛び出すことなく、現場で簡単施工でき、作業効率を低下させることがない。
また、必要に応じて施工現場で分離と接合が可能であり、また工場内で誘電加熱接合を行うこともできる。
そして、網体40は、ワイヤーコンベアベルト、メタルラス、ニットワイヤ金網、菱形金網の何れか1つとしたものであるから、機械的強度が任意のものが得られ、環境に適応した施工が廉価にできる。
2 穿設孔
3 融着部
4 長円アンカー孔
5、5a,5b,・・・ 切欠き
6、6a,6b,・・・ 接合片
7、7a,7b,・・・ 融着部
10 枠構造体
20 杭
30 充填材
40 網体
50 スプリング金具
51 本体部
52a,52b フック部
53 当接部
Claims (6)
- 複数の穿設孔が穿設された合成樹脂板を複数枚接合し、前記合成樹脂板によって周囲が囲まれる形状とした枠構造体と、
前記枠構造体に収容される砕石、栗石、砂利、砂、土の1以上からなる充填材と、
前記枠構造体に前記充填材が収容された開口面から前記充填材の砕石、栗石、砂利、砂、土の何れかが移動しないように、前記枠構造体の前記開口面を被った網体と、
金属棒の両端をフック状に湾曲させ、自己の弾性に抗して前記網体及び前記枠構造体を挟み、前記フック状の先端が前記穿設孔に挿入され状態で前記枠構造体の開口面側に前記網体を固定するスプリング金具と
を具備することを特徴とする施工セル構造体。 - 前記枠構造体の前記穿設孔が穿設された複数枚の前記合成樹脂板は、前記合成樹脂板を平行させ対向する面を接合してなることを特徴とする請求項1に記載の施工セル構造体。
- 前記枠構造体の前記穿設孔が穿設された複数枚の前記合成樹脂板は、前記合成樹脂板に切欠きを入れて直角に交差させて接合したことを特徴とする請求項1に記載の施工セル構造体。
- 前記スプリング金具は、全体が略U字状で、その両端が互いに内方向にフック状に湾曲し、互いに重なり合う構造としたことを特徴とする請求項1に記載の施工セル構造体。
- 前記網体は、ワイヤーコンベアベルト、メタルラス、ニットワイヤ金網、菱形金網の何れか1つとしたことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載の施工セル構造体。
- 複数の穿設孔が穿設された合成樹脂板を複数枚接合し、前記合成樹脂板によって周囲が囲まれる形状とした枠構造体を作成する工程と、
前記枠構造体に砕石、砂利、砂、土の1以上からなる充填材を充填する工程と、
前記枠構造体に前記充填材が収容された開口面から前記充填材の砕石、砂利、砂、土の何れかが移動しないように、前記枠構造体の前記開口面を網体被う工程と、
金属棒の両端をフック状に湾曲させ、自己の弾性に抗して前記網体及び前記枠構造体を挟み、前記フック状の先端が前記穿設孔に挿入され状態で前記枠構造体の開口面側に前記網体をスプリング金具で固定する工程と
を具備することを特徴とする施工セル構造体の施工方法。
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