JP6085713B1 - 法面形成用ブロックおよび法面構造 - Google Patents
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Abstract
Description
本願発明者は、過去に本発明と同じ技術分野に属する発明として特開2000−54344号公報(特許文献1)、特開2004−324398号公報(特許文献2)、特許第5095030号公報(特許文献3)及び特開2015−135024号公報(特許文献4)を発明している。
特許文献1乃至3はいずれも、特許文献4の発明の基礎となった発明である。
上述のような特許文献4に開示される法面形成用ブロックを用いることで、法面形成用ブロック同士を水平方向にも鉛直方向にも連係させることができる。
この結果、特許文献4に開示される法面形成用ブロックを用いることで、法面上に、剛体からなり、かつ、法面形成用ブロック同士が水平方向にも鉛直方向にも連係して一体性を有する強固な編み目構造状の剛体を形成することができる。
よって、特許文献4に開示される法面形成用ブロックによれば、法面形成用ブロック同士、及び、法面形成材が一体となった強固な法面を形成できるという効果を発揮させることができる。
特許文献4に開示される法面形成用ブロック1A,1Bが、特許文献4中の図5に示すように配置される場合は、何ら問題はない。つまり、特許文献4に開示される法面形成用ブロック1Aを施工する現場の設置面F1〜F3が平坦状であれば、容易に特許文献4中の図5に示すように法面形成用ブロック1A,1Bを理想的に配設することができる。
しかしながら、実際の施工現場は、砕石等が敷き詰められて設置面F1〜F3が形成されるため、これらが理想的な平坦面となるのは稀である。
この結果、例えば、設置面F1上に法面形成用ブロック1Aを配置して下層を形成しつつ設置面F2を形成し、この設置面F2に新たに法面形成用ブロック1Aを配置する際に、下層側に配される法面形成用ブロック1Aの第1,第2の軸材3a,3bに第1,第2の係止用突起5a,5bを好適に掛止できないという課題が生じていた。
そして、このような施工上の課題を解消すべく、特許文献4に開示される法面形成用ブロック1A,1Bの第1,第2の係止用突起5a,5bの長さをやや長くすると今度は下記のような別の課題が生じていた。
図6は特許文献4に開示される法面形成用ブロックを用いてなる法面構造の断面概念図である。なお、図6中に記載される符号は、引用文献4中に記載されるそれぞれの符号に対応している。
図6に示すように、特許文献4中の図5に示すものよりも法面形成用ブロック1Aの第1,第2の係止用突起5a,5bの長さをやや長くした場合、鉛直上下方向配される法面形成用ブロック1A同士を交絡させることは容易になるものの、下層側に配される法面形成用ブロック1Aの第1,第2の軸材3a,3bと、上層側に配される法面形成用ブロック1Aの第1,第2の軸材3a,3bとが離間した状態でそれぞれの法面形成用ブロック1Aが配置されてしまうことがあった。
この場合、図6に示すように、下層側に配される法面形成用ブロック1Aの第1,第2の軸材3a,3bの上端部近傍で、かつ、その上層側に配される法面形成用ブロック1Aの第1,第2の係止用突起5a,5b上に法面形成用の砕石Sを載置することが可能になる。そして、図6に示すような特許文献4に開示される法面構造11では、法面形成用の砕石Sの一部が、法面形成用ブロック1Aにより保定されないまま法面構造の施工が完了となっていた。
そして、例えば、図6に示すような法面構造11が河川の護岸に用いられた場合、河水の上昇時に、特許文献4に開示される法面形成用ブロック1Aにより保定されていない砕石Sが水の勢いで押し流されて法面構造11から外れてしまうおそれがあった。
この場合、特許文献4に開示される法面構造11が弱体化してしまい、法面の十分な保護効果が発揮されない懸念があった。
上記構成の第1の発明において、第1,第2の水平材、及び、第1,第2の軸材は、互いに協働して格子状の剛体を形成するという作用を有する。また、第1,第2の水平材、及び、第1,第2の軸材からなる格子状の剛体は、法面表層形成材(例えば、砕石、砕石を用いてなるコンクリートブロック、砕石収納体、砕石結束体、コンクリートブロック、礫収納体、土のう、植生袋から選択される1種類、又は、これらから選択される少なくとも2種類の組合せ)を、法面表層上にしっかりと保定するという作用を有する。さらに、第1,第2の控え材は、法面形成材(例えば、土砂等)中に埋設されて、第1,第2の水平材、及び、第1,第2の軸材からなる格子状の剛体、並びに、この剛体により保定される法面表層形成材が、法面の前面側になだれ落ちようとするのを妨げるという作用を有する。
また、第1の水平材は、その下側に配される法面形成用ブロック群の第2の水平材の端部同士の近接部の背面側に配されて、この部分を間接的に補強するという作用を有する。さらに、第2の水平材は、その上層側に配される法面形成用ブロック1の第1の水平材の端部同士の近接部の前面側に配されて、この部分を間接的に補強するという作用を有する。
加えて、第1の発明である法面形成用ブロックでは、第1,第2の軸材が、第2の水平材の鉛直上方側に突出していないことで、第1の発明の法面形成用ブロックを水平方向及び鉛直方向に配して網目構造を形成する際に、鉛直方向において隣接する法面形成用ブロック1同士の間に、法面表層形成材を配設できるほどの隙間が形成されるのを防止するという作用を有する。
これにより、第1の発明の法面形成用ブロックを用いて法面構造を用いて法面構造を形成する際に、法面形成用ブロックにより保定されない法面表層形成材を無くすという作用を有する。この結果、第1の発明の法面形成用ブロックを用いてなる法面構造から法面表層形成材が遊離するのを確実に防止するという作用を有する。
上記構成の第2の発明は、上述の第1の発明と同じ作用に加えて、法面形成用ブロックの外形寸法を第1の発明の法面形成用ブロックと同じにする場合は、第1,第2の水平材の間に第3の水平材を備えることで、第2の発明の法面形成用ブロックによる法面表層形成材の保定効果を高めるという作用を有する。つまり、第2の発明による法面の保護効果が高まる。
また、第2の発明の法面形成用ブロックの外形寸法を第1の発明の法面形成用ブロックよりも大きくする場合は、第1,第2の水平材の間に第3の水平材を備えることで、1つの法面形成用ブロックを用いてより多くの数又は量の法面表層形成材を法面に保定することが可能になる。つまり、所望の領域の法面構造を形成するのに要する法面形成用ブロックの数を少なくするという作用を有する。
上記構成の第3の発明は、上述の第1の発明又は第2の発明と同じ作用に加えて、法面形成用ブロックの外形寸法を第1又は第2の発明の法面形成用ブロックと同じにする場合は、第1,第2の軸材の間に第3の軸材を備えることで、第3の発明の法面形成用ブロックによる法面表層形成材の保定効果を高めるという作用を有する。つまり、第3の発明による法面の保護効果が高まる。
また、第3の発明の法面形成用ブロックの外形寸法を第1又は第2の発明の法面形成用ブロックよりも大きくする場合は、第1,第2の軸材の間に第3の軸材を備えることで、1つの法面形成用ブロックを用いてより多くの数の法面表層形成材を法面に保定することが可能になる。つまり、所望の領域の法面構造を形成するのに要する法面形成用ブロックの数を少なくするという作用を有する。
上記構成の第4の発明は、上述の第3の発明と同じ効果に加えて、第3の控え材は、法面形成材(例えば、土砂等)中に埋設されて、第1,第2の水平材又は第1乃至第3の水平材、及び、第1乃至第3の軸材からなる格子状の剛体、並びに、この剛体により保定される法面表層形成材が、法面の前面側になだれ落ちようとするのを妨げるという作用を有する。
よって、第4の発明によれば、先の第3の発明よりも法面の保持効果が高い法面形成用ブロックを提供できる。
上記構成の第5の発明において、法面形成用ブロックは、上述の第1乃至第4の発明のそれぞれと同じ作用を有する。また、複数の法面形成用ブロックを水平方向及び鉛直方向に配してなる網目状の構造物は、法面表層形成材上を被覆して法面表層形成材をその位置にしっかりと保定するという作用を有する。
また、砕石、砕石を用いてなるコンクリートブロック、砕石収納体、砕石結束体、コンクリートブロック、礫収納体、土のう、植生袋から選択される1種類、又は、これらから選択される少なくとも2種類の組合せからなる法面表層形成材は、法面の表面を被覆して、法面の表面を風や水等の浸食から直接保護するという作用を有する。
そして、第5の発明である法面構造において、法面形成用ブロック群からなる第1の層と、これとは別の法面形成用ブロック群からなる第2の層とを形成する場合に、第1の層を構成する法面形成用ブロック群における第2の水平材の端部位置と、第2の層を構成する法面形成用ブロック群における第1の水平材の端部位置とが重ならないようにすることで、第1の層を構成する法面形成用ブロックにおける第2の水平材の端部同士の近接部に、この部分を法面の前面側に押出すような外力が作用した場合に、第2の層に配される法面形成用ブロックの第1の水平材によりその外力を受け止めるという作用を有する。
つまり、第5の発明である法面構造では、個々の法面形成ブロックの端部(左右端部)の近接部が法面構造の脆弱部分である。そして、この脆弱部分の背面側に他の法面形成ブロックの直線領域を重ねるように配置することで、この脆弱部分を間接的に補強している。
このように、第5の発明の法面構造では、法面構造の全体に脆弱部分(構造材の切れ目)が散在しているものの、この脆弱部分にはその背面側に必ず他の法面形成用ブロックの構造材があてがわれているため、法面構造全体としては均質な強度を有することになる。
したがって、第5の発明である法面構造では、その全面において強固でかつ均質な法面の保護効果が発揮される。
上記構成の第6の発明は、上述の第5の発明と同じ作用を有する。
また、上記構成の第6の発明である法面構造において、法面形成用ブロックが特に第1,第2の軸材を備えている場合は、第1の層を構成する法面形成用ブロックの第2の水平材の端部を、第2の層を構成する法面形成用ブロックにおける、第1の水平材と、第1又は第2の軸材の交差部と重なる位置に配することで、法面構造の脆弱部分(法面形成用ブロックの第1,第2の水平材の端部同士が近接する部分)の補強効果を高めるという作用を有する。
また、上記構成の第6の発明である法面構造において、法面形成用ブロックが特に第1,第2の軸材に加えて第3の軸材を備えている場合は、第1の層を構成する法面形成用ブロックの第2の水平材の端部を、第2の層を構成する法面形成用ブロックにおける、第1の水平材と、第1又は第2又は第3の軸材の交差部と重なる位置に配することで、法面構造の脆弱部分(法面形成用ブロックの第1,第2の水平材の端部同士が近接する部分)の補強効果を高めるという作用を有する。
よって、第6の発明によれば、第5の発明よりもより法面の保護効果が高い法面構造を形成させるという作用を有する。
これに対して第1の発明の法面形成用ブロックでは、水平方向に法面形成用ブロックを並べる際に、隣り合う法面形成用ブロック同士による重なり部を形成する必要がない。また、第1の発明の法面形成用ブロックを用いる場合は、鉛直方向に配される法面形成用ブロック同士による重なり部(積層構造)が形成される。さらに、第1の発明の法面形成用ブロックを用いる場合に形成される重なり部は、特許文献4に開示される法面形成用ブロックを用いる場合のような交絡構造ではなくよりシンプルな積層構造であるため、その施工が極めて容易である。
このような第1の発明の法面形成用ブロックは、特許文献4に開示される法面形成用ブロックに比べてその立体形状がより平面的でかつシンプルになっている。したがって、第1の発明の法面形成用ブロックによれば、生産性が高く、しかも、法面構造を形成する際の施工が容易な法面形成用ブロックを提供することができる。
また、第1の発明の法面形成用ブロックの立体形状がシンプルになったことで、この法面形成用ブロック同士を鉛直方向に配置する際に、互いに重なり合う水平材(第1の水平材、第1の水平材)同士の間に空隙が生じ難くなる。このため、法面形成用ブロック同士の重なり部の周辺に、法面表層形成材を配置することが物理的に不可能になる。つまり、先の図6に示すような意図しない施工形態が生じるのを好適に防止することができる。
この結果、複数の法面形成用ブロックからなる網目構造により保持されない法面表層形成材が法面構造から遊離するといった問題も生じなくなる。
そして、前者の場合は、第2又は第3の発明を用いてなる法面構造の強度や法面の安定性を向上することができる。また、後者の場合は、所望の領域の法面を形成する際に要する法面形成用ブロックの数を少なくすることができる。
つまり、法面形成用ブロック及び法面表層形成材が、法面の表面を被覆する補強材入りのシート体であるとすると、第1乃至第3の控え材は、この補強材入りのシート体を法面にしっかりと固定しておくためのアンカーとして機能するものである。
したがって、第4の発明では、第1,第2の控え材に加えて、第3の控え材を備えことで、補強材入りのシート体を法面上に固定するアンカーの数が増えることになる。よって、第4の発明である法面形成用ブロックによれば、第3の発明よりも施工後の法面の安定性が高い面形成用ブロックを提供することができ、これにより法面の保護効果を高めることができる。
第5の発明の法面構造では、特許文献4に開示される発明の場合のように、鉛直上下方向に配される法面形成用ブロック同士を交絡させる必要はなく、単純に水平方向に重ね合わせるだけでよいので容易に法面構造を形成することができる。
また、第5の発明によれば、法面形成用ブロックの第2の水平材の配設位置が自動的に、その上層に配される法面形成用ブロックの第1の水平材の配設位置になるので、法面上に複数の法面形成用ブロックによる均質な網目構造を容易に形成することができる。
つまり、第5の発明の法面構造によれば、施工者の技術の熟練度によらず法面の全域において強固で均質な保護効果を有する法面構造を容易に形成することができる。
したがって、第5の発明によれば、施工作業時のヒューマンエラーにより法面構造の全体又は一部が脆弱化する、あるいは、法面形成用ブロックにより保定されるべき法面表層形成材が施工後に意図せず法面から遊離するという不具合が発生するのを防止することができる。
よって、第6の発明によれば、第5の発明よりも法面の保護効果が高い法面構造を提供することができる。
図1は本発明の実施の形態に係る法面形成用ブロックの概念図である。
図1に示すように、本発明に係る法面形成用ブロック1は、剛体からなり水平に配設される第1の水平材2と、剛体からなり第1の水平材2の上方で、かつ、この第1の水平材2と平行に配設される第2の水平材3と、剛体からなり、第1,第2の水平材2,3の一の端部2a,3aの近傍をつなぐように配設され、かつ、第1,第2の水平材2,3のそれぞれに対して垂直に配設される第1の軸材4と、剛体からなり、第1,第2の水平材2,3の他の端部2b,3bの近傍をつなぐように配設され、かつ、第1,第2の水平材2,3のそれぞれに対して垂直に配設される第2の軸材5と、剛体からなり、第1,第2の軸材4,5のそれぞれに垂設され、第1,第2の水平材2,3及び第1,第2の軸材4,5からなる平面に対して垂直な方向に突出する少なくとも1本の第1,第2の控え材6,7とを有するものである。
図2は本発明の実施の形態に係る法面構造における法面形成用ブロックの配置状態を示す斜視図である。また、図3は本発明に係る法面構造の断面概念図である。さらに、図4は本発明に係る法面構造の形成工程を示すフローチャートである。なお、図1に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
上述のような本実施の形態に係る法面形成用ブロック1を用いて法面構造10を形成するには、以下に示すステップS1〜S3をセットにして所望回数繰り返せばよい。なお、以下に示すステップS1〜S3を1セット行うことで、一層分の法面構造10を形成することができる。
図2乃至図4に示すように、本実施の形態に係る法面構造10を形成するには、はじめに、平坦(略平坦の概念も含む)な載置面F1上に複数の法面形成用ブロック1を、それぞれの法面形成用ブロック1の第2の水平材2同士、及び、第1の水平材3同士、が直列に配されるように互いに近接させながら配設する(ステップS1;法面形成用ブロック配置工程)。
このステップS2により、本実施の形態に係る法面構造10において最下層に配される第1の層13Aの表層部分(法面上に裸出する部分)が形成される。
また、このような第1の層13Aの表層部分は、その背面側(第1又は第2の控え材6,7が配される側)に、法面表層形成材14よりも、個々の粒子サイズが小さい法面形成材15(例えば、土砂等)を投入した際に、法面の前面側に法面形成材15が導出されるのを妨げるという作用を有する。
また、砕石収納体や礫収納体は、法面形成用ブロック1群における格子状の剛体の中空部11内に収容可能な金網製のかご体内に砕石又は礫を詰め込んだものである(図示せず)。
さらに、砕石結束体とは、例えば、図3中に示すような砕石14を複数個、その幅及び/又は高さが、法面形成用ブロック1群における格子状の剛体の中空部11内に収まるようにバンド体(例えば、金属製、合成樹脂製等)により一体に結束してなるものである(図示せず)。
そして、植生袋とは、土のう袋を植物種子の発芽又は発根が容易な材質により構成し、土のうとして使用した際に、土のう袋内に収容される土砂等を培養土代わりにして植物を生育可能に構成したものである。
また、法面表層形成材14として砕石収納体、礫収納体、砕石結束体、植生袋並びに土のう袋を使用する場合は、砕石を用いる場合のように、法面形成用ブロック1群からなる中空部11内において石組み作業を行う必要がないので、その分本実施の形態に係る法面構造10の施工を容易にすることができる。
このとき、第1の層13Aの上面(載置面F2)が、図2中に破線で示す位置、すなわち、法面形成用ブロック1の第1の水平材3の鉛直方向下端位置となるように法面形成材15の投入量を調整する必要がある。
このステップS3において、本実施の形態に係る法面形成用ブロック1の第1,第2の控え材6,7を法面形成材15中に埋設することで、第1,第2の控え材6,7と法面形成材15との境界面に生じる摩擦力により、法面形成用ブロック1の格子状の剛体および法面表層形成材14が法面の表層側(前面側)になだれ落ちようとするのを好適に防止することができる。
つまり、本実施の形態に係る法面形成用ブロック1における第1,第2の控え材6,7は、法面形成用ブロック1における格子状の剛体と法面表層形成材14とを法面に固定するためのアンカーとして機能するものである。
この場合、法面構造10を形成する際に用いる法面表層形成材14と法面形成材15とが概念上同じものになるが、法面表層形成材14を法面形成材15として用いる場合は、より硬くてその外形寸法が大きいもの(例えば、砕石等)を、法面形成用ブロック1群における格子状の剛体の中空部11内に配し、それよりも柔らかいもの(例えば、土のうや植生袋等)や、硬くとも個々の粒子が法面の表層部に配される法面形成材15よりも小さいもの(礫等)を、法面形成用ブロック1の第1,第2の控え材6,7の埋設に用いるとよい。
この場合、法面の前面側に法面形成材15の代用として用いられる法面表層形成材14が導出されるのを好適に防止することができる。よって、このような本実施の形態に係る法面構造10によれば、法面の表層部をより強固なものにしつつ、その背面側に配される法面形成材15や法面形成材15の代用として用いられる法面表層形成材14をしっかりと保持又は保定することができる。
さらに、第2の層13Bを形成した後は、この第2の層13Bを第1の層13Aとみなしてその上に新たに第2の層13Bを形成していく作業(上述のステップS1〜S3)を所望回数繰返して載置面Fnを形成することで本実施の形態に係る法面構造10を形成することができる(図4を参照)。
なお、本実施の形態における「第1の層13A」及び「第2の層13B」はいずれも、法面構造10における特定の層を指し示しているのではなく、本実施の形態に係る法面構造10において鉛直方向に連続して形成される任意の2層を説明する際の、鉛直下方側に配される層を「第1の層13A」、その真上に配される層を「第2の層13B」として概念上特定したものである。
さらに、本実施の形態に係る法面構造10では、上述の配置構造Aの形成時に、図2に示すように、第1の層13Aに配される法面形成用ブロック1群における第2の水平材3同士の近接部と、第2の層13Bに配される法面形成用ブロック1群における第1の水平材2同士の近接部とが、互いに重ならないようにそれぞれを配置している(以下、このような配置構造を配置構造Bとよぶ)。つまり、この配置構造Bは、第1の層13Aを形成した後に載置面F2上に新たに法面形成用ブロック1を配置する際に、第1の層13Aを構成する法面形成用ブロック1群における第2の水平材3同士の近接部の背面側に、載置面F2上に配される法面形成用ブロック1の第1の水平材2の胴部(直線領域)が配置されることを意味している。
したがって、本実施の形態に係る法面形成用ブロック1を用いて法面構造10を形成する場合は、先の図6に示す特許文献4に開示される発明のように、法面形成用ブロック同士の重なり部に、法面形成用ブロックにより保定されない法面形成材が存在するという状態にはならない。
つまり、本実施の形態に係る法面形成用ブロック1は、特許文献4に開示される発明のように、法面形成用ブロック1の前面側(第1,第2の控え材6,7が突設される方向と反対側の面)に突起構造が存在しないので、法面形成用ブロック1同士を重ね合せる際に隙間が生じるおそれがそもそも無い。このため、本実施の形態に係る法面形成用ブロック1の重なり部に、法面形成用ブロックにより保定されない状態で法面形成材を設置することができない。
そして、本実施の形態に係る法面構造10を河川の護岸として利用した際に、河水の水位上昇に伴い法面構造10に水流が直接作用する場合でも、法面表層形成材14(例えば、砕石)が遊離する、あるいは、流亡する等の不具合の発生を好適に防止することができる。
しかも、本実施の形態に係る法面構造10では、法面形成用ブロック1で保定されない法面表層形成材14が存在しないように法面形成用ブロック1を配設するための特別な技術は必要ない。
したがって、本実施の形態に係る法面形成用ブロック1及びそれを用いてなる法面構造10によれば、特許文献4に開示される法面構造よりも安全で法面の保護効果が優れた法面構造を少ない労力で形成することができる。
そして、このことが図6に示すような意図しない施工形態が生じる原因になっていた。
これに対して本実施の形態に係る法面構造10では、任意の層(例えば、第1の層13A)に配される法面形成用ブロック1群の第2の水平材3の配設位置が、その上層(例えば、第2の層13B)に配される法面形成用ブロック1群の第1の水平材2の配設位置になる。
したがって、本実施の形態に係る法面形成用ブロック1を用いることで、どの施工現場においても法面構造10における個々の法面形成用ブロック1の相対的な位置関係を同じ(略同じの概念を含む)にすることができる。
この結果、本実施の形態に係る法面形成用ブロック1を用いることで、どの施工現場においても法面の全域において均質な法面の保護効果を有する法面構造を容易に形成することができる。
これに対して、本実施の形態に係る法面構造10では、任意の層に配される法面形成用ブロック1同士の脆弱部分(切れ目)が、その上層又は下層に配される法面形成用ブロック1の躯体(直線領域)により補われる構造となっている。つまり、本実施の形態に係る法面構造10は上述の配置構造Bを有している。
よって、本実施の形態に係る法面構造10によれば、法面の背面側から法面を崩落させるような外力が作用した際に、法面形成用ブロック1同士が連係してこの外力を受け止めて法面の崩落を防止することができる。
つまり、本実施の形態に係る法面構造10によれば、そこに配される全ての法面形成用ブロック1が連係して法面を保護している。
このように本実施の形態に係る法面構造10では、法面形成用ブロック1を用い、かつ、上述のような法面形成用ブロック1の配置構造A,Bを有することで法面形成用ブロック1同士が互いに連係してなる強固な擁壁を容易に形成することができる。
本実施の形態に係る法面形成用ブロック1では、第1,第2の水平材2,3の直線領域よりも、第1,第2の水平材2,3と第1の軸材4又は第2の軸材5との交差部の方がその剛性が高い。
したがって、本実施の形態に係る法面構造10が上述の配置構造A,Bに加えて配置構造Cを有することで、法面構造10の脆弱部分の補強効果を一層高めることができる。
よって、上述の配置構造A〜Cを有する法面構造10によれば、法面により高い強度と安定性を有する擁壁を形成することができる。
また、本実施の形態に係る法面形成用ブロック1における第1,第2の水平材2,3は同じ長さである。加えて、本実施の形態に係る法面形成用ブロック1における第1,第2の軸材4,5も同じ長さである。
なお、本実施の形態に係る法面構造10を構成する法面形成用ブロック1を全て同一形状で、かつ、同一寸法を有するものにより構成する場合は、法面形成用ブロック1の第1,第2の水平材2,3における端部2aと端部3aの位置(端部2bと端部3bの位置)が揃っていなくともよい。
その一方で、各載置面F1,F2,F3,…上に載置される各法面形成用ブロック1同士において第1,第2の軸材4,5の長さが所望に統一され、かつ、第1,第2の軸材4,5上における第1,第2の控え材6,7の接続位置が統一されるのであれば、第1,第2の水平材2,3の長さ(ただし、第1,第2の水平材2,3の長さは同じ)が、同じ層に配される他の法面形成用ブロック1のそれと異なる法面形成用ブロック1とを組み合わせて法面構造10における所望の層を形成することは可能である。
例えば、本実施の形態に係る法面形成用ブロック1を用いて形成しようとする法面の平面方向における直線領域が長い場合は、より長い第1,第2の水平材2,3を有する法面形成用ブロック1を用いることで、より少ない数の法面形成用ブロック1により効率良く法面構造10を形成することができる。
そして、本実施の形態に係る法面構造10を形成するにあたり、各層に配される個々の法面形成用ブロック1おいて上記「成す角度」が統一されていないと、鉛直方向に隣接する2層間において法面形成用ブロック1同士を連係させることができない。
したがって、本実施の形態に係る法面構造10では、任意の層に配される各法面形成用ブロック1の上記「成す角度」が統一されている必要がある。つまり、本実施の形態に係る法面構造10では、任意の層に配される各法面形成用ブロック1において第1,第2の軸材4,5における第1,第2の控え材6,7の接続位置が統一されている必要がある。
なお、各載置面F1,F2,F3,…に法面形成用ブロック1を載置する際に、各載置面F1,F2,F3,…に対する法面形成用ブロック1の格子状の剛体の成す角度を、例えば、治具や支持材を用いて厳密にコントロールすることができるのであれば、任意の層に配される法面形成用ブロック1同士で第1,第2の軸材4,5における第1,第2の控え材6,7の接続位置が統一されている必要はない。
なお、以下に示す選択的必須構成要素[1]〜[6]は、先に述べた本実施の形態に係る法面形成用ブロック1の基本形態に対して単独で設けてもよいし、所望の選択的必須構成要素を複数種類を組み合わせて設けてもよい。
ただし、以下に示す[3]第3の控え材については、[1]第3の水平材、又は、[2]第2の水平材を備える場合のみ選択的必須構成要素として法面形成用ブロック1の基本形態に付加することができる。
図1に示す本実施の形態に係る法面形成用ブロック1は、特に図示しないが、第1,第2の水平材2,3の間に、第1,第2の水平材2,3と同じ長さを有し、かつ、第1,第2の水平材2,3と平行に配され、剛体からなる少なくとも1本の第3の水平材を選択的必須構成要素として備えていてもよい。
そして、本実施の形態に係る法面形成用ブロック1の外形寸法を変更することなく少なくとも1本の第3の水平材を付加する場合は、個々の法面形成用ブロック1の強度と剛性を、第3の水平材を備えない法面形成用ブロック1よりも高めることができる。この結果、このような第3の水平材を備えた法面形成用ブロック1を用いることで、先の図2,3に示す法面構造10よりも、より法面の保護効果の高い法面構造10を形成することができる。
また、本実施の形態に係る法面形成用ブロック1に少なくとも1本の第3の水平材を付加して法面形成用ブロック1の外形寸法を大きくする場合は、所望領域の法面構造を形成するのに要する法面形成用ブロック1の数を少なくすることができる。つまり、法面形成用ブロック1に少なくとも1本の第3の水平材を付加することで、1つの法面形成用ブロック1により保定することができる法面表層形成材14の数又は量を大きくすることができる。この場合は、少ない数の法面形成用ブロック1で法面構造10を形成することができるので、法面構造の形成に要するコストを削減することができる。
なお、先の図1に示す法面形成用ブロック1に少なくとも1本の第3の水平材を付加して法面形成用ブロック1の外形寸法を大きくする場合は、法面形成用ブロック1の鉛直方向の高さが大きくなる。
図1に示す本実施の形態に係る法面形成用ブロック1は、特に図示しないが、第1,第2の軸材4,5の間に、第1,第2の軸材と同じ長さを有し、かつ、第1,第2の軸材4,5と平行に配され、剛体からなる少なくとも1本の第3の軸材を選択的必須構成要素として備えていてもよい。
そして、本実施の形態に係る法面形成用ブロック1の外形寸法を変更することなく少なくとも1本の第3の軸材を付加する場合は、個々の法面形成用ブロック1の強度と剛性を、第3の軸材を備えない法面形成用ブロック1よりも高めることができる。この結果、このような第3の軸材を備えた法面形成用ブロック1を用いることで、先の図2,3に示す法面構造10よりも、より法面の保護効果の高い法面構造10を形成することができる。
また、本実施の形態に係る法面形成用ブロック1に少なくとも1本の第3の軸材を付加して法面形成用ブロック1の外形寸法を大きくする場合は、所望領域の法面構造を形成するのに要する法面形成用ブロック1の数を少なくすることができる。つまり、法面形成用ブロック1に少なくとも1本の第3の軸材を付加することで、1つの法面形成用ブロック1により保定することができる法面表層形成材14の数又は量を大きくすることができる。この場合は、少ない数の法面形成用ブロック1で法面構造10を形成することができるので、法面構造の形成に要するコストを削減することができる。
なお、先の図1に示す法面形成用ブロック1に少なくとも1本の第3の軸材を付加して法面形成用ブロック1の外形寸法を大きくする場合は、法面形成用ブロック1の水平方向の長さが大きくなる。
上述の第3の水平材、又は、第3の軸材を備える場合は、第3の水平材及び/又は第3の軸材に垂設され、第1,第2の水平材2,3及び第1,第2の軸材4,5からなる平面に対して垂直な方向に突出する少なくとも1本の第3の控え材を選択的必須構成要素として備えていてもよい。
上述のような第3の控え材は、先に述べた第1,第2の控え材6,7と同じ作用を有する。
つまり、第1,第2の控え材6,7は、法面表層形成材14を法面形成用ブロック1の格子状の剛体により法面に固定する際のアンカーとして機能するものである。
したがって、法面形成用ブロック1が第3の水平材、又は、第3の軸材に加えて、第3の控え材を備える場合は、法面形成用ブロック1による法面の保護効果を高めることができる。
図1に示すように、本実施の形態に係る法面形成用ブロック1は、第1,第2の軸材4,5と第1,第2の控え材6,7の交差部に、第1,第2の軸材4,5と第1,第2の控え材6,7の間に形成される隙間を埋めるように配される、直角三角形状の平板体からなる少なくとも1の補強部8を選択的必須構成要素として備えていてもよい。
なお、図1では、第1,第2の軸材4,5と第1,第2の控え材6,7の交差部のそれぞれに、補強部8を1つずつ備える場合を例に挙げて説明しているが、第1,第2の控え材6,7のそれぞれの上下方向に一対(2つ)ずつ補強部8を備えていてもよい(図示せず)。
このように本実施の形態に係る法面形成用ブロック1が、上述のような補強部8を備えていることで、第1,第2の軸材4,5と第1,第2の控え材6,7の交差部に大きな外力が作用した場合に、この交差部を破損し難くすることができる。よって、補強部8を備えることで本実施の形態に係る法面形成用ブロック1及びそれを用いてなる法面構造10の強度及び剛性を高めることができる。
なお、本実施の形態に係る法面形成用ブロック1が、上述のような第3の控え材を備える場合は、第3の水平材と第3の控え材との交差部、又は、第3の軸材と第3の控え材との交差部に、図1に示すような補強部8を1つ又は一対備えていてもよい。この場合も、第1,第2の控え材6,7が補強部8を有する場合と同じ効果を発揮させることができる。
図1に示すように、本実施の形態に係る法面形成用ブロック1は、第1,第2の控え材6,7の第1,第2の軸材4,5に接続されない側の端部に、あるいは、第1,第2の控え材6,7の胴部に、少なくとも1つの突起9を選択的必須構成要素として備えていてもよい。
なお、図1では、第1,第2の控え材6,7のそれぞれが、鉛直上方側に突出する突起9を1つ備える場合を例に挙げて説明しているが、突起9形成位置、突設数量、突設方向については任意で設定されてよい。
本実施の形態に係る法面形成用ブロック1が、第1,第2の控え材6,7に上述のような突起9を備える場合は、第1,第2の控え材6,7を法面形成材15(又は法面形成材15の代用として用いられる法面表層形成材14)中に埋設した際に、第1,第2の控え材6,7に作用する摩擦力を大きくして、法面から法面形成用ブロック1を抜け難くすることができる。この結果、本実施の形態に係る法面形成用ブロック1を用いてなる法面構造10による法面の保護効果を一層高めることができる。
なお、本実施の形態に係る法面形成用ブロック1が、第3の控え材を有する場合は、第1,第2の控え材6,7に設けられるものと同様の突起9を、第3の控え材にも設けてもよい。
この場合、第3の控え材の所望の位置に少なくとも1の突起9が突設されることで、第3の控え材を法面から抜け難くすることができ、これにより第3の控え材を備えた法面形成用ブロック1による法面の保護効果を一層高めることができる。
本実施の形態に係る法面構造10の規模によっては、法面形成用ブロック1の第1の控え材6や第2の控え材7、あるいは、第3の控え材の長さを長くする必要がある場合がある。
この場合、本実施の形態に係る法面形成用ブロック1を一体物として成型すると搬送や保管のために大きな空間が必要になり、作業性や生産性が低下することが予想される。
このような事情に鑑み、第1の控え材6、第2の控え材7、あるいは、第3の控え材のそれぞれを複数のパーツにより構成しておき、それらを必要に応じて連結・分解可能に構成しておいてもよい(図示せず)。
なお、第1の控え材6、第2の控え材7、あるいは、第3の控え材のそれぞれの連結・分解構造としては、例えば、入れ子式、嵌合構造、ヒンジ構造、金属製の金具を用いて一体化するなどの連結方法を自由に採用することができる。
このように、法面形成用ブロック1の第1の控え材6、第2の控え材7、あるいは、第3の控え材のそれぞれを連結・分解可能に構成しておくことで、大型の法面形成用ブロック1の生産性並びに流通・保管を容易にすることができる。
また、この場合、大型の法面形成用ブロック1を廉価に製造することができるので、本実施の形態に係る法面構造10の施工に係るコストを削減することができる。
図5は本発明に係る法面構造においてコーナー部分における法面形成用ブロックの配置状態を示す概念図である。なお、図1乃至図4に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
本実施の形態に係る法面形成用ブロック1において第1,第2の控え材6,7を第1,第2の軸材4,5における軸方向中央位置に接続してしまうと、本実施の形態に係る法面構造10にコーナーを形成する際に、このコーナー部分において水平方向に隣り合う法面形成用ブロック1の第1,第2の控え材6,7同士が干渉して法面形成用ブロック1を配設できなくなってしまう。
このような事態に対処するために、本実施の形態に係る法面形成用ブロック1では、図1に示すように、第1,第2の軸材4,5における第1,第2の控え材6,7の接続位置を、第1,第2の軸材4,5の軸方向中央位置から第1の水平材2又は第2の水平材3のいずれかにずらしておいてもよい。
この場合、図5に示すように、本実施の形態に係る法面構造10にコーナーを形成する場合に、コーナー部分において隣り合う法面形成用ブロック1,1のいずれか一方を上下反転させて配置することで、法面形成用ブロック1の第1,第2の控え材6,7同士の干渉を回避することができる。
本実施の形態に係る法面構造10では、上述のような補助ブロック12を用いることで、外観上の審美性が高く、かつ、法面形成用ブロック1と補助ブロック12とを連係させることでコーナー部分における法面構造10の強度の低下が起こらない法面構造10を形成することができる。
なお、補助ブロック12における第1の軸材4の長さは、同じ層に配される法面形成用ブロック1の第1,第2の軸材4,5と同じ長さにしておくとよい。この場合、法面形成用ブロック1群の中に違和感なく補助ブロック12を入れ込むことができる。
Claims (6)
- 水平に配設される第1の水平材と、
前記第1の水平材の上方で、かつ、この第1の水平材と平行に配設される第2の水平材と、
前記第1,第2の水平材の一の端部側をつなぐように配設され、かつ、前記第1,第2の水平材のそれぞれに対して垂直に配設される第1の軸材と、
前記第1,第2の水平材の他の端部側をつなぐように配設され、かつ、前記第1,第2の水平材のそれぞれに対して垂直に配設される第2の軸材と、
前記第1,第2の軸材のそれぞれに垂設され、前記第1,第2の水平材及び前記第1,第2の軸材からなる平面に対して垂直な方向に突出する少なくとも1本の第1,第2の控え材と、を有し、
前記第1,第2の軸材は、ともに前記第2の水平材の鉛直上方側に突出しておらず、
前記第1,第2の水平材と、前記第1,第2の軸材とからなる格子体において、前記第1,第2の控え材が突設される側の反対側の面には突起構造が存在しておらず、
前記第1,第2の水平材、前記第1,第2の軸材、及び、前記第1,第2の控え材はいずれも、鉄筋コンクリートと同じかそれ以上の剛性を有していることを特徴とする法面形成用ブロック。 - 前記第1,第2の水平材の間に、前記第1,第2の水平材と同じ長さを有し、前記第1,第2の水平材と平行に配される少なくとも1本の第3の水平材を有し、
この第3の水平材は、鉄筋コンクリートと同じかそれ以上の剛性を有していることを特徴とする請求項1に記載の法面形成用ブロック。 - 前記第1,第2の軸材の間に、前記第1,第2の軸材と同じ長さを有し、前記第1,第2の軸材と平行に配される少なくとも1本の第3の軸材を有し、
この第3の軸材は、鉄筋コンクリートと同じかそれ以上の剛性を有していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の法面形成用ブロック。 - 前記第3の軸材に垂設され、前記第1,第2の水平材及び前記第1乃至第3の軸材からなる平面に対して垂直な方向に突出する少なくとも1本の第3の控え材を有し、
この第3の控え材は、鉄筋コンクリートと同じかそれ以上の剛性を有していることを特徴とする請求項3に記載の法面形成用ブロック。 - 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載される法面形成用ブロックと、
前記法面形成用ブロックにおける前記第1,第2の水平材及び前記第1,第2の軸材からなる枠部内に収められる法面表層形成材と、からなる法面構造であって、
この法面構造は、前記法面形成用ブロックにおける前記第1,第2の水平材の端部同士を接触又は隣接させながら水平方向に複数直列に配置してなる第1の層と、
この第1の層を構成する前記法面形成用ブロックの前記第2の水平材の背面側に、前記第1の層を構成する前記法面形成用ブロックとは別の前記法面形成用ブロックの前記第1の水平材を接触又は隣接させながら水平方向に複数直列に配置してなる第2の層と、を有し、
前記法面表層形成材は、砕石、砕石を用いてなるコンクリートブロック、砕石収納体、砕石結束体、コンクリートブロック、礫収納体、土のう、植生袋から選択される1種類、又は、これらから選択される少なくとも2種類の組合せであり、
前記第1の層上に前記第2の層を形成する場合に、前記第1の層を構成する前記法面形成用ブロックにおける前記第2の水平材の端部位置と、前記第2の層を構成する前記法面形成用ブロックにおける前記第1の水平材の端部位置とが重ならないことを特徴とする法面構造。 - 前記第1の層を構成する前記法面形成用ブロックにおける前記第2の水平材の端部は、前記第2の層を構成する前記法面形成用ブロックにおける、前記第1の水平材とこの第1の水平材に垂設される軸材との交差部、と重なる位置に配されていることを特徴とする請求項5に記載の法面構造。
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