JP6691867B2 - 遮熱屋根下葺材 - Google Patents

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Description

本発明は、遮熱屋根下葺材に関するものであり、さらに詳しくは、遮熱性、防滑性、防水性、耐久性に優れた遮熱屋根下葺材に関する。
従来、家屋の屋根には屋根下葺材が使用されている。屋根下葺材とは、瓦、スレート、板金などの屋根材の下に施工することにより、雨水が屋内に浸入することを防止するものである。また、作業者が屋根下葺材の上を歩行する際の安全を考慮し、表面に防滑性を有している。
従来使用されてきた屋根下葺材の具体例として、アスファルトフェルトがある。アスファルトフェルトとは、不織布や紙にアスファルトを含浸させてなる屋根下葺材である。また、アスファルトよりも軽量でかつ施工性に優れた屋根下葺材として、軽量な合成樹脂や布帛を積層してなる屋根下葺材が提案されている。
近年では、夏期の冷房効果を高めるため、遮熱性を有する屋根下葺材の開発が求められており、例えば、太陽からの赤外線を反射させるような金属膜層を設けた屋根下葺材が提案されている。例えば、特許文献1には、分散状に突起部を設けた樹脂シートの表層に金属膜層であるアルミニウム箔もしくはアルミ蒸着フィルムを積層した遮熱屋根下葺材が開示されている。また、特許文献2には、布帛の一方面に金属膜層を有し、布帛の他方の面には透湿防水フィルムを積層した遮熱屋根下地材が開示されている。また、特許文献3には、遮熱性を有する酸化チタン粉末を発泡性樹脂に添加させた遮熱層を設けた遮熱屋根用防水シートが開示されている。
しかし、特許文献1の屋根下葺材では、シート表面の突起部により遮熱効果は向上するが、分散状に設けられた突起部では防滑性に劣り、作業時、シート上を歩行する際に滑るおそれがあった。また、特許文献2の建築用シートのような構成のものは、金属膜層を蒸着により形成しているため遮光性に優れているが、金属が直接シート表面に設けられているため、金属が暴露された状態となり、長期施工の環境では金属膜の耐久性が劣っている。また、特許文献3では、不織布の上に酸化チタン粉末を含有する樹脂層を配置しているため、遮熱層の耐久性は優れるものとなったが、酸化チタン粉末を採用しているため金属と比べると遮熱性は劣るおそれがあった。
特開2008−214934号公報 特開2008−069539号公報 特開2010−043496号公報
本発明は、前述の問題を解決するものであり、充分な遮熱性を有するとともに、屋根下葺材の性能として求められる防滑性、および防水性を満たし、さらには長期施工にも耐えうる耐久性をも兼ね備える遮熱屋根下葺材を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、鉛直方向の上側の最外層が金属顔料、バインダー、および粒子体を含む金属膜層であり、前記金属膜層の下層に少なくとも補強層と防水層を有する遮熱屋根下葺材であって、前記金属膜層の5〜10μmの波長領域における赤外線平均反射率が60%以上で、かつ5〜10μmの波長領域における赤外線平均吸収率が30%以下であり、前記金属膜層、前記防水層、前記補強層の順に積層され、少なくとも前記金属膜層と前記防水層とが接触しており、前記金属顔料が鱗片状であり、前記金属顔料の表面に、有機被膜処理、無機被膜処理、酸化被膜処理、水酸化被膜処理から選択される少なくとも1の処理が施され、前記粒子体として熱膨張性マイクロカプセルが含まれ、前記防水層が樹脂フィルムからなり、前記補強層が不織布であることを特徴とする遮熱屋根下葺材である。
ここで、前記粒子体として無機系粉末が含まれることが好ましい。
また、前記バインダーの5〜10μmの波長領域における赤外線平均透過率が80%以上であることが好ましい。
本発明によれば、充分な遮熱性を有するとともに、屋根下葺材の性能として求められる防滑性、および防水性を満たし、さらには長期施工にも耐えうる耐久性をも兼ね備えるという効果を奏する。
本発明の実施形態の一例である遮熱屋根下葺材の例を示す断面模式図である。 他の実施形態を示す断面模式図である。 他の実施形態を示す断面模式図である。
本発明の遮熱屋根下葺材の実施形態の一例について、図1にて説明する。本発明の遮熱屋根下葺材1は、金属顔料2とバインダー3と粒子体4からなる金属膜層5の下に防水層6、補強層7が順に設けられた積層体である。
本発明は、鉛直方向の上側の最外層が前記金属顔料2および前記粒子体4を前記バインダー3に混在させてなる前記金属膜層5であり、前記金属膜層5は、5〜10μmの波長領域において赤外線平均反射率が60%以上であり、かつ赤外線平均吸収率が30%以下である。赤外線平均反射率が60%未満であると、赤外線を充分に反射することができず、遮熱性が充分に得られない。赤外線平均吸収率が30%を超えると、金属膜層内に吸収されることにより、熱が蓄積され、遮熱性を妨げる。赤外線平均吸収率は、フーリエ変換赤外分光光度計で赤外線平均反射率と赤外線平均透過率を測定した結果から、以下の計算式で算出する。
赤外線平均吸収率[%]=100[%]−(赤外線平均反射率[%]+赤外線平均透過率[%])
また、前記金属膜層5は、前記金属顔料2を前記バインダー3に混在させることで、前記バインダー3が保護膜となり、前記金属顔料2の腐食を防止し、遮熱屋根下葺材の耐久性を向上することができる。
前記金属膜層5は、5〜10μmの波長領域における赤外線反射保持率が40%以上であることが好ましい。また、より好ましくは60%以上である。また、特に好ましくは80%以上である。赤外線反射保持率が40%以上であれば、長期間施工した場合でも遮熱性を維持することができる。赤外線反射保持率は、フーリエ変換赤外分光光度計で耐久性評価実施後の金属膜層の赤外線平均反射率と耐久性評価実施前の金属膜層の赤外線平均反射率を測定した結果から、以下の計算式で算出する。
赤外線反射保持率[%]=(耐久性評価実施後の金属膜層の赤外線平均反射率[%]/ 耐久性評価実施前の金属膜層の赤外線平均反射率[%])×100
耐久性評価としては、後述するように前記遮熱屋根下葺材1を暴露促進処理(JIS A 6111.7.7)、酸性処理(JIS K 7114.4)、アルカリ処理(JIS A 6013.7.5.2)を行い、各処理における赤外線反射保持率を算出する。
前記金属顔料2は、赤外線反射能を有する金属であるアルミニウム、ニッケル、ステンレス、金、銀、鉛、亜鉛、マグネシウム、クロムなどからなる群から選択される少なくとも1つであることが好ましい。なかでも経済性、加工性の点からアルミニウムが好ましい。
前記金属顔料2の形状としては、粉末状や鱗片状などがあるが、なかでも赤外線を反射し易い鱗片状が好ましい。すなわち、平均アスペクト比(平均粒子径(D50:体積ベースのメディアン径)÷平均粒子厚み(N=100の平均))は5以上が好ましく、より好ましくは10〜1000、特に好ましくは20〜500である。
鱗片状の金属顔料2としては、塗膜が形成された際に平行配列になり易いリーフィングタイプと分散配列になり易いノンリーフィングタイプの2種類があるが、本発明の実施形態においてはどちらでも使用できる。特には、金属顔料2の添加量が比較的少なく、平均アスペクト比が比較的低い場合などに、赤外線反射率を高める上で、リーフィングタイプが、より好ましく用いられる。
前記金属顔料2の平均粒子径は、2μm〜80μmであることが好ましく、より好ましくは4〜40μmである。2μm以上であれば、拡散反射の影響が少なく遮熱性が向上する。また、80μm以下であれば、顔料の分散性が良く、耐摩耗性も向上する。
前記金属顔料2は、より優れた耐久性を得るために表面処理を施されていることが好ましい。具体的にはアクリル系、メラミン系などの樹脂により被膜する有機被膜処理や、シリカなどの無機被膜処理、リン酸やモリブデン酸などによる酸化被膜処理、水酸化被膜処理が挙げられる。なかでも、バインダーとの密着性、耐摩擦性、耐薬品性に優れる点でアクリル系の有機被膜処理が好ましい。
前記金属顔料2の添加量としては、前記バインダー3が100重量部に対し、5〜50重量部であることが好ましく、より好ましくは5〜20重量部、さらに好ましくは5〜10重量部である。5重量部以上であれば、金属膜を形成しやすく、遮熱性も充分に得られる。50重量部以下であれば、耐摩耗性が向上する。
前記バインダー3としては、フィルム成形可能な樹脂材料であって金属顔料2および粒子体4を分散できるものであれば特に限定されないが、具体的には、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、アクリル系、エポキシ系、酢酸ビニル系、ポリエステル系、セルロース系、フェノール系、メラミン系の群から選択される少なくとも1つの樹脂が挙げられる。なかでも金属顔料の分散性が良く、均一性が増す点で低分子量のポリオレフィン系を主剤とすることが好ましい。
また、前記バインダー3は、波長5〜10μm領域における赤外線平均透過率が80%以上であることが好ましい。80%以上であれば金属膜層に入射した赤外線が金属顔料まで容易に到達でき、また反射された赤外線を容易に外部へ放出できる。
前記バインダー3の分子量は、500〜150000であることが好ましく、より好ましくは8000〜100,000、さらに好ましくは10,000〜50,000である。500以上であれば、強度に優れた被膜を形成でき、成膜もしやすくなる。150000以下であれば、金属顔料を均一に分散でき遮熱性が向上する。
また、前記粒子体4としては、高分子系粉末、無機系粉末および熱膨張性マイクロカプセルなどが挙げられる。なかでも屋根下葺材の表面の防滑性をより高めるという点で無機系粉末および熱膨張性マイクロカプセルから選択され、少なくとも1種の粒子体であることが好ましい。前記粒子体4を添加することにより、遮熱屋根下葺材の表面の全体に微細な凹凸を形成することができ摩擦係数が高まり、これにより防滑性が得られる。
前記無機系粉末としては、楔形、多角錘、円錐またはその他の楔形といった楔状、または針状などの突き刺し型の三次元異形形状を有するものが好ましい。具体的にはシリカ、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸マグネシウムなどが挙げられる。なかでも、バインダーへの分散性が良く耐薬品性に優れ、熱放散性を有する点で酸化亜鉛が好ましい。
前記熱膨張性マイクロカプセルは、炭化水素などのガスを内包したマイクロカプセルであり、断熱性に優れるため、遮熱性を助長することができる。
前記熱膨張性マイクロカプセルの内部に封入される炭化水素としては、n−ブタン、i−ブタン、ペンタン、ネオペンタンのような低沸点の炭化水素が好ましい。
また、前記熱膨張性マイクロカプセルの素材としては熱可塑性樹脂が挙げられ、具体的には、アクリル系、オレフィン系、ウレタン系、酢酸ビニル系、シリコーン系などが挙げられる。なかでも、安価であり、加工性に優れている点でアクリル系が好ましい。
前記熱膨張性マイクロカプセルの発泡前の平均粒子径は、5〜50μmであることが好ましい。また発泡倍率は2〜20倍であることが好ましい。尚、ここでいう発泡倍率は熱膨張性マイクロカプセルの平均粒子径の倍率を示す。この範囲であれば、充分な防滑性および耐摩耗性を得ることができる。また、熱発泡後の前記熱膨張性マイクロカプセルの粒子径が10〜1000μmであることが好ましい。10μm以上であれば、表面に防滑性を得るための微細な凹凸を形成することができる。また、1000μm以下であれば粒子体の脱落が抑えられ、耐摩耗性が向上する。
前記粒子体4の添加量としては、前記バインダー3が100重量部に対し2〜40重量部で添加することが好ましい。なかでも前記粒子体が熱膨張性マイクロカプセルである場合は、5〜30重量部であるがより好ましく、前記無機系粉末の場合は、3〜15重量部であることがより好ましい。2重量部以上であれば、表面全体に粒子体による凹凸の形成が可能となる。40重量部以下であれば、粒子体の脱落が抑えられる。
前記金属膜層は、前記金属顔料2および前記粒子体4を前記バインダー3に分散させて形成させる。また、本発明の目的を阻害しない範囲であれば、必要に応じて酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、耐侯剤、充填剤などのその他の添加剤を加えることができる。
前記金属膜層5を形成する際、前記金属顔料2、前記バインダー3、前記粒子体4に、溶媒を加えることができる。用いる溶媒としては、金属顔料の分散性が良い芳香族炭化水素系のヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、スチレン、ナフタレンなどが挙げられる。なかでも、経済性、取り扱いのし易さの点でトルエンが好ましい。
金属膜層5の形成には、ロールコーティング法、グラビアコーティング法、リバースコーティング法などの公知の塗膜付与方法が用いられる。また乾燥後の金属膜層の厚さは、30〜300μmであることが好ましい。30μm以上であれば充分な遮熱性と防滑性が得られる。また、300μm以下であれば金属膜層の樹脂割れを抑制することができ、さらに軽量であるため、施工時の作業性も向上する。
前記防水層6の素材としては、防水性を有するものであれば特に限定されるものではないが、樹脂フィルムが好ましく用いられる。具体的にはポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系からなる群から選ばれる1種または2種以上の材料からなるフィルムが挙げられる。なかでも、加工性、強度、寸法安定性、疎水性の点でポリオレフィン系またはポリエステル系フィルムが好ましい。
前記防水層6は、引張強度が長さ方向10MPa以上、幅方向10MPa以上であることが好ましい。この強度を満たすものであれば、作業中の破れを軽減することができる。
前記防水層6は、厚みが20〜200μmの範囲内であることが好ましい。20μm以上であれば、充分な強度が得られ、200μm以下であれば、軽量であり、柔軟性にも優れるため、施工性が向上する。
前記防水層6の製法は特に限定されず、インフレーション法、Tダイ法、キャスト法など公知の製造法で製造することができる。
また、前記防水層6は、隣接する層との密着性を向上させるため、紫外線処理、プラズマ処理、コロナ処理などの表面改質を行うことが好ましい。
前記補強層7は、前記防水層6を補強、支持できるものであれば特に限定されるものはなく、具体的には不織布、織物、編物、フィルムなどが挙げられる。なかでも、安価であり、生産性に優れる点で不織布が好ましい。
前記補強層7は、引張強度が長さ方向25N/cm以上、幅方向20N/cm以上、引裂強度は長さ方向10N以上、幅方向8N以上であることが好ましい。この強度を満たしていれば、作業中の破れや裂けを軽減ことができる。
また、前記補強層7の目付は60〜300g/m2であることが好ましい。60g/m2以上であれば、充分な強度を得ことができる。また、300g/m2以下であれば軽量であるため、施工時の作業性が向上する。
前記補強層7の素材としては特に限定されるものではなく、具体的にはポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチレンテレフタレートなどのポリエステル系、ナイロン、アラミドなどのポリアミド系からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料からなる高分子素材であることが挙げられる。なかでも、加工性、強度、寸法安定性、疎水性の優れる点でポリエステル系またはポリオレフィン系が好ましい。
本発明の遮熱屋根下葺材1は、必要に応じてさらに止水層、粘着層、防滑層、補強層、防水層などを適宜積層しても良い。また、防水層を2層以上積層するなど、同じ効果を目的とした層を2層以上積層しても良い。
例えば、本発明の別の実施形態として、金属顔料2とバインダー3と粒子体4からなる金属膜層5の下に防水層6、止水層8、補強層7、防水層6が順に設けられた積層体を図2に示す。前述のように積層することにより、止水性、強度、防水性が向上する。
前記止水層8としては吸水性樹脂が好ましく用いられ、釘穴などから水分が浸入することを防ぐ目的で設ける層であり、特に限定せず、ポリビニルアルコール系であるポリビニルアルコール架橋重合体等、アクリル系であるポリアクリル酸塩架橋体、アクリル酸ナトリウム− ビニルアルコール共重合体等、ポリエーテル系であるポリエチレングリコールジアクリレート架橋重合体等、その他の付加重合体では無水マレイン酸系重合体、ビニルピロリドン系重合体等、その他縮合系樹脂等を用いることができる。
また、さらに別の実施形態としては、金属顔料2とバインダー3と粒子体4からなる金属膜層5の下に防水層6、補強層7、粘着層9が順に設けられた積層体を図3に示す。この実施形態のように積層することにより、粘着性が発揮され、施工性が向上し、さらには施工後に野地板などから屋根下葺材が滑落を軽減することができる。
前記粘着層9としては、ポリオレフィン系、ポリアクリル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、シリコーン系などの溶剤系樹脂、天然ゴム系、合成ゴム系などが挙げられる。なかでも温度による影響が少なく、被着体の極性に左右され難い合成系ゴムが好ましく使用される。
前記遮熱屋根下葺材1は、総重量が100〜500g/m2であることが好ましい。100g/m2以上であれば、施工の際に風の影響を受けにくい。また、500g/m2以下であれば、軽量であるため、施工時の作業性が向上する。
前記遮熱屋根下葺材1は、総厚さが300〜1000μmであることが好ましい。300μm以上であれば、作業中の破れ、裂けを軽減することができる。また、1000μm以下であれば、柔軟性が良く、施工性が向上する。
前記遮熱屋根下葺材1は、引張強度が長さ方向60N/cm以上、幅方向40N/cm以上、引裂強度は長さ方向10N以上、幅方向10N以上であることが好ましい。この強度を満たしていれば、作業時の破れや裂けを軽減することができる。
前記遮熱屋根下葺材1は、耐水圧が30kPa以上であることが好ましい。30kPa以上であれば、雨水などが表面に降り注いだとしても内部まで水分が浸入することを防ぐことができる。
以下に述べる実施例、比較例によって本発明の遮熱屋根下葺材を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明に係る実施例1乃至実施例7の屋根下葺材を製造し、その物性を測定した。なお、比較のため、比較例1乃至比較例4の屋根下葺材を製造、または入手し、その物性を測定した。実施例および比較例における各物性は、以下の方法により測定した。
(1)金属顔料及び粒子体の粒径
JIS K 5600−9−3に準じて金属顔料の粒径、及び、粒子体を測定した。尚、粒子体が熱膨張性マイクロカプセルの場合、熱膨張前の熱膨張性マイクロカプセルを測定した。具体的には、株式会社 島津製作所のレーザ回折式粒子径分布測定装置SALD−3100を用いて粒径分布を測定した。そして、体積ベースのメディアン径(D50)を算出して求めた。これらの結果は表中に記載していない。
(2)赤外線平均反射率
各屋根下葺材の金属膜層5に対して赤外線平均反射率にて評価を行い、5〜10μmの波長領域で平均60%以上のものを遮熱性ありと判断した。赤外線平均反射率はフーリエ変換赤外分光光度計((FT−IR) 株式会社 島津製作所製 IRPrestige−21)を用いて測定した。
(3)赤外線平均吸収率
各屋根下葺材の金属膜層5に対して、赤外線平均吸収率にて評価を行い、5〜10μmの波長領域で平均30%以下を遮熱性があると判断した。赤外線平均吸収率は、フーリエ変換赤外分光光度計((FT−IR) 株式会社 島津製作所製 IRPrestige−21)を用いて、赤外線平均反射率と赤外線平均透過率を測定し、前述した式により算出した。
(4)赤外線平均透過率
各屋根下葺材のバインダー3に対して赤外線平均透過率にて評価を行った。また、バインダー3で使用される樹脂を厚み80μmになるように皮膜化したものを用意し、フーリエ変換赤外分光光度計((FT−IR) 株式会社 島津製作所製 IRPrestige−21)を用いて、赤外線平均透過率を測定した。5〜10μmの波長領域で平均80%以上を金属顔料の遮熱性に影響がないと判断した。
(5)静摩擦係数
静摩擦係数試験機(新東科学株式会社製 トライボギア静摩擦係数測定機TYPE:10)を用いて、各屋根下葺材の金属膜層5の表面とクラフト紙(JIS P 3401 クラフト紙1種)との静摩擦係数を測定した。
(6)耐水性
JIS A 6111.7.6に準じて各屋根下葺材を測定した。30kPa以上であれば防水性ありと判断した。
(7)耐摩擦性
JIS L 0849摩擦試験機II型法に準じて各屋根下葺材を処理し、金属膜層のはがれを確認した。
(8)遮熱性
F型和瓦、通気層15mm、屋根下葺材の順で構成した屋根模型を作製し、F型和瓦の表面に、太陽光の代わりとしてハロゲンランプを照射し、F型和瓦の表面が80℃になった際の各屋根下葺材の裏面温度を、放射温度計で測定した。
JIS A 6005に規定される厚さ1121μm、重量1099g/m2のアスファルトルーフィング940(田嶋応用化工株式会社製、Pカラー)との温度差を確認し、遮熱性の評価を行った。
温度差[℃]=アスファルトルーフィング940の裏面温度[℃]− 各屋根下葺材の裏面温度[℃]
評価基準
○:8℃以上
△:6℃以上8℃未満
×:6℃未満
(9)防滑性
6寸勾配(角度30.9638°)の屋根模型を作製し、野地板面に各屋根下葺材を張り付けたのち、屋根下葺材表面を歩行時の滑り具合を確認した。
評価基準
○:滑り難く、安全に歩行できる
△:少し滑るが、安全に歩行できる
×:滑り易く、危険である
(10)金属膜層の耐久性
各屋根下葺材に下記(10)−1〜(10)−3の各処理を行った後、目視にて腐食状態の確認を行い、かつ前述(1)記載の方法にて赤外線反射率を測定し、処理前後の保持率で金属膜層の腐食を確認する。
評価基準
○:変色は見られない
△:やや変色が見られる
×:大部分に変色が見られる
(10)−1 耐曝露促進
JIS A 6111.7.7の耐久性に準じて処理し、各屋根下葺材の金属膜層の反射率を確認した。
(10)−2 耐酸性
JIS K 7114.4に準じて処理し、各屋根下葺材の金属膜層の反射率を確認した。
試験温度23℃、浸漬時間1週間、試薬硝酸(濃度10質量%)
(10)−3 耐アルカリ性
JIS A 6013.7.5.2のアルカリ処理に準じて処理し、各屋根下葺材の金属膜層の反射率を確認した。
[実施例1]
補強層7としてポリエステル不織布(新麗企業株式会社製、100g/m2スパンボンド)の表面に、接着層としてポリエチレン樹脂(東ソー株式会社製 ペロトセン212)40μmを介して、防水層6としてポリエチレンフィルム(酒井化学工業株式会社、60μm)を積層した。
次に、バインダー3(ポリオレフィン系樹脂、坂井化学工業株式会社製 ユープライP−3963、赤外線平均透過率88%、分子量17814)100重量部に対し、金属顔料2(アクリル系有機皮膜の表面処理を施した鱗片状アルミニウム、東洋アルミニウム株式会社製、FZ7640、粒径17μm)を20重量部、粒子体4(アクリル系熱膨張性マイクロカプセル、松本油脂製薬株式会社製、マイクロスフェアーF−30、粒径14μm、熱膨張倍率5倍、炭化水素n−ブタン)を10重量部、溶媒(トルエン)を50重量部配合した混合液を得た。混合液を、防水層6の上に、グラビアコーター機により塗工し、130℃の温度で乾燥、加熱処理し厚みが80μmとなるように塗膜し、金属膜層5を形成して、図1のような遮熱屋根下地材1を得た。評価結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1と同様に補強層7、接着層、防水層6、金属膜層5を形成したのち、補強層7であるポリエステル不織布(新麗企業株式会社製、100g/m2スパンボンド)の鉛直下側の表面に、粘着層9(合成ゴム系粘着剤、古藤工業株式会社製 G207K)をカレンダーコーティング法にて100μm厚になるよう塗膜して、図3のような遮熱屋根下地材1を得た。評価結果を表1に示す。
[実施例3]
補強層7であるポリエステル不織布(新麗企業株式会社製、100g/m2スパンボンド)の鉛直上側の表面に、止水層8としてポリアクリル酸塩架橋体(日華化学株式会社社製 WP−01、吸水膨潤倍率400倍)を、グラビアコーターにより固形分が15g/m2になるように塗膜し、次に、止水層8を形成した面と反対面に、防水層6としてポリエチレン樹脂(東ソー株式会社製、ペロトセン212)を押出ラミネート法によって厚み60μmで押出、冷却して形成した後、実施例1と同様に接着層、防水層6、金属膜層5を形成して、図2のような遮熱屋根下地材1を得た。評価結果を表1に示す。
[参考例1]
金属顔料2を、鱗片状から粉末状のアルミニウム(東洋アルミニウム株式会社製、91−2323T)に変更した以外は、実施例3と同様に加工して、遮熱屋根下地材1を得た。評価結果を表1に示す。
[参考例2]
粒子体4を、酸化亜鉛のフィラー(株式会社アムテック製、パナテトラWZ−0511L)に変更した以外は、実施例3と同様に加工して、遮熱屋根下地材1を得た。評価結果を表1に示す。
[実施例]
バインダー3を、赤外線平均透過率が69%で分子量199130であるアクリル系樹脂(根上工業株式会社製、パラクロンW248E)に変更した以外は、実施例3と同様に加工して、遮熱屋根下地材1を得た。評価結果を表1に示す。
[参考例3]
金属顔料2を、表面処理されていない粒径16μmの鱗片状アルミニウム(東洋アルミニウム株式会社製、7675NS)に変更した以外は、実施例3と同様に加工して、遮熱屋根下地材1を得た。評価結果を表1に示す。
[比較例1]
粒子体4を配合しなかった以外は、実施例3と同様に加工して、遮熱屋根下地材1を得た。評価結果を表1に示す。
[比較例2]
防水層6の上に、真空蒸着法にてアルミニウムを600Åの厚さになるよう蒸着し、その上にバインダー3の100重量部に対し、粒子体4を10重量部、溶媒としてトルエンを50重量部、添加した樹脂をグラビアコーターにより厚みが80μm付着するように塗膜した点以外は、実施例3と同様に加工して、遮熱屋根下地材1を得た。評価結果を表1に示す。
[比較例3]
防水層6を押出ラミネート法によって積層しなかった点以外は、実施例3と同様に加工して、遮熱屋根下地材1を得た。評価結果を表1に示す。
[比較例4]
JIS A6005に規定されるアスファルトルーフィング940(田嶋応用化工株式会社製 Pカラー)の評価結果を表1に示す。なお、金属膜層を有していないため、「耐摩耗性」、「金属膜層の耐久性」は評価しなかった。
Figure 0006691867
1 遮熱屋根下葺材
2 金属顔料
3 バインダー
4 粒子体
5 金属膜層
6 防水層
7 補強層
8 止水層
9 粘着層


Claims (3)

  1. 鉛直方向の上側の最外層が金属顔料、バインダー、および粒子体を含む金属膜層であり、前記金属膜層の下層に少なくとも補強層と防水層を有する遮熱屋根下葺材であって、前記金属膜層の5〜10μmの波長領域における赤外線平均反射率が60%以上で、かつ5〜10μmの波長領域における赤外線平均吸収率が30%以下であり、
    前記金属膜層、前記防水層、前記補強層の順に積層され、少なくとも前記金属膜層と前記防水層とが接触しており、
    前記金属顔料が鱗片状であり、前記金属顔料の表面に、有機被膜処理、無機被膜処理、酸化被膜処理、水酸化被膜処理から選択される少なくとも1の処理が施され、
    前記粒子体として熱膨張性マイクロカプセルが含まれ、
    前記防水層が樹脂フィルムからなり、
    前記補強層が不織布である
    ことを特徴とする遮熱屋根下葺材。
  2. 前記粒子体として無機系粉末が含まれる、請求項1に記載の遮熱屋根下葺材。
  3. 前記バインダーの5〜10μmの波長領域における赤外線透過率が80%以上である請求項1又は2に記載の遮熱屋根下葺材。
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